JP2011218042A - 化粧料容器及び化粧料製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲル状化粧料を収容する化粧料容器において、見た目にも楽しく、化粧料製品の商品価値を高めることの可能な技術を提供する。
【解決手段】透明のゲル状化粧料を充填するための凹状充填部を少なくとも一つ以上備えた化粧料容器であって、凹状充填部は、その充填領域が複数に仕切られることなく単一種類のゲル状化粧料のみが充填されるものであって、少なくとも二つの色に色分けされた底面を有してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧料容器及び化粧料製品に関する。
化粧料を収容するコンパクト容器などの化粧料容器が周知である。化粧料容器に化粧料を収容してなる化粧料製品の商品価値を高め、購買意欲を高める観点から、その化粧料を充填するための凹状充填部に外観上の楽しさなど、消費者、使用者(以下、「ユーザ」と称する。)にアピールするための工夫を凝らす場合がある。例えば、ファンデーションやアイシャドー等の固形粉末状の化粧料を、化粧料容器の凹状充填部に充填する場合、成形した化粧料表面にロゴや模様を施したり、いわゆる同時多色充填を行う等によって興趣を添える手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2002−154930号公報
しかしながら、ゲル(ジェル)状化粧料は、加熱溶解された状態で凹状充填部に充填され、冷却固化した後もある程度の粘性を有する。従って、このようなゲル状化粧料を化粧料容器に収容する場合、上記したような手法、例えば化粧料表面にロゴや模様を施したり、多色充填を行う等の手法を採用することができないという実情があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲル状化粧料を収容する化粧料容器において、見た目にも楽しく、化粧料製品の商品価値を高めることの可能な技術を提供することにある。
本発明は、以下の構成を備えることで、上記課題を解決することとした。即ち、本発明は、透明のゲル状化粧料を充填するための凹状充填部を少なくとも一つ以上備えた化粧料容器であって、前記凹状充填部は、その充填領域(充填空間)が複数に仕切られることなく単一種類の前記ゲル状化粧料のみが充填されるものであって、少なくとも二つの色に色分けされた底面を有してなる、化粧料容器である。
上述のように、本発明に係る化粧料容器は、単一の凹状充填部を有していてもよいし、複数の凹状充填部を有していてもよい。何れにしても、一の凹状充填部は、例えば仕切り壁などによってその充填空間が複数に区画されることがなく、一繋がりの充填領域に対して単一種類の透明のゲル状化粧料が充填されるように設定されている。
ここで、「単一種類のゲル状化粧料が充填される」とは、一の凹状充填部に対して種類の異なるゲル状化粧料が充填されないことを意味する。ゲル状化粧料の種類を識別、区別するための要素としては、例えばゲル状化粧料の色、透明度、ラメ剤やパール剤に代表される含有物の有無など、ゲル状化粧料の外観を特徴付ける要素を挙げる事ができる。即ち、これらの外観上の特徴点が相違するゲル状化粧料を、別種類の化粧料であると捉えてもよい。当然ながら、化粧料容器に複数の凹状充填部が備えられる場合、一の凹状充填部に充填されるゲル状化粧料と、他の凹充填部に充填されるゲル状化粧料の種類(例えば、色)を相違させてもよい。
本発明によれば、底面が複数色に色分けされた凹状充填部に対して単一種類の透明のゲル状化粧料が充填される。その結果、ユーザは、凹状充填部の底面の各色を、ゲル状化粧料越しに視認することになる。
例えば、凹状充填部の底面が第一底面色と第二底面色の2色に色分けされている場合を考える。そして、凹状充填部の水平方向において、第一底面色が付与された充填領域を第一充填領域とし、第二底面色が付与された充填領域を第二充填領域とする。ここで、凹状充填部に充填されるゲル状化粧料自体の色を、「ゲル色」と称する。凹状充填部のうち、第一充填領域を眺めたときにユーザに視覚される色(以下、「第一視覚色」という。)は、ゲル色と第一底面色の何れとも異なり、これらが合成された色となる。同様に、凹状充填部のうち、第二充填領域を眺めたときにユーザに視覚される色(以下、「第二視覚色」という。)は、ゲル色と第二底面色の何れとも異なり、これらが合成された色となる。
この第一視覚色および第二視覚色は共にゲル色をベースとする色であり、例えば、互いにその明度(濃淡)が相違する色になる。例えば、第一底面色を黒とし、第二底面色を白として凹状充填部の底面を色分けし、ピンク系の透明色に着色したゲル状化粧料を凹状充填部に充填した場合には、ユーザには、第一視覚色が青紫に見え、第二視覚色が白薄ピンクに見える。また、例えばゲル色をグリーン系の透明色とした場合には、第一視覚色が濃緑に見え、第二視覚色が薄緑に見える。
これによれば、実際には、一の凹状充填部に対して単一種類のゲル状化粧料のみが充填されているにも関わらず、まるで多色のゲル状化粧料が充填されているように見える(認識される)のである。従って、本発明によれば、ゲル状化粧料の擬似的な多色充填を実現する事が可能となる。これにより、従来は実現する事の困難であった、ある程度の粘性を有するゲル状化粧料に対しても、外観上の楽しさ、華やかさを付与する事ができる。そのため、化粧料容器にゲル状化粧料を収容してなる化粧料製品としての商品価値を高めることも可能となり、購入者の購買意欲を増幅させる効果も奏する。
本発明では、凹状充填部に充填されるゲル状化粧料は、有色透明であるとより好適である。ゲル状化粧料が無色透明である場合に比べて有色透明である方が、ユーザに、本物の多色充填であるとの錯覚を起こさせ易くなるからである。すなわち、偽物の(擬似的な)多色充填(以下、「擬似多色充填」と称する)であることに気付かせ難くすることができる。ゲル状化粧料が有色透明であれば、凹状充填部における奥行き感が明瞭になり過ぎることがなく、第一視覚色および第二視覚色が共にゲル状化粧品自体に着色された色であるとの錯覚を起こし易くなるからである。
また、前記ゲル状化粧料には、ラメ剤およびパール剤のうち少なくとも何れかが含有されていてもよい。ラメ剤やパール剤は、反射光沢、干渉光沢などの演出効果を発揮する色材の代表例である。ゲル状化粧料に含有されたラメ剤やパール剤などの色材による反射光沢、干渉光沢などの演出効果は、凹状充填部を眺めたユーザに、その奥行き方向(ゲル状化粧料の充填深さ方向)の距離感を掴み難くさせる効果がある。これにより、化粧料容器に収容されたゲル状化粧料が、より一層多色充填されているように見える。
なお、本発明においては、凹状充填部の底面を三つ以上の色を用いて色分けしてもよい。また、「底面の色分け」とは、凹状充填部の底面自体を異なる色に着色することのみならず、凹状充填部の底部に着色シート(紙や、プラスチックなど、材質は特定のものに限定されない。)を配置することで、底面の色分けを行うようにしてもよい。
ところで、凹状充填部に充填されたゲル状化粧料が多色充填であると錯覚するかどうか
は、凹状充填部におけるゲル状化粧料の充填深さ、およびゲル状化粧料の透明度に影響を受けると考えられる。例えば、ゲル状化粧料の透明度が等しい条件下では、ゲル状化粧料の充填深さが深いほど、底面の色分けが反映され難くなる。一方、ゲル状化粧料の充填深さが等しい条件下では、ゲル状化粧料の透明度が低いほど、底面の色分けが反映され難くなる。そして、底面の色分けがゲル色に反映され難くなると、上記錯覚が起こり難くなる。
そこで、本発明において、前記凹状充填部に充填される前記ゲル状化粧料の初期充填深さは、該ゲル状化粧料の透明度に基づいて設定されてもよい。例えば、凹状充填部に充填されるゲル状化粧料の透明度が低いほど、ゲル状化粧料の初期充填深さを浅く(小さく)設定してもよい。また、前記凹状充填部に充填される前記ゲル状化粧料の透明度は、該ゲル状化粧料の初期充填深さに基づいて設定されてもよい。この場合、凹状充填部に充填されるゲル状化粧料の初期充填深さが深いほど、凹状充填部に充填されるゲル状化粧料の透明度を高く設定してもよい。
ここで、本発明は、上述した何れかの化粧料容器の凹状充填部に、透明のゲル状化粧料を充填してなる、化粧料製品としてもよい。この場合、ゲル状化粧料は有色透明であるとより好適である。また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、ゲル状化粧料を収容する化粧料容器において、見た目にも楽しく、化粧製品の商品価値を高める等の付加価値を付与することが可能となる。
実施例1に係るコンパクト容器を示す斜視図である。 図1におけるA−A’矢視断面図である。 実施例1に係るリップグロスが充填された状態の凹状充填部を上部から眺めた図である。 実施例3に係るコンパクト容器を示す斜視図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
実施例1に係る化粧料容器及び化粧料製品について図面に基づいて説明する。図1は、実施例1に係るコンパクト容器1を示す斜視図である。コンパクト容器1は、透明のゲル状化粧料であるリップグロスGLを収容する化粧料容器である。リップグロスとは、周知の通りリップメイクに使われるオイルゲル化粧料である。コンパクト容器1は、容器本体11、蓋体12、及びヒンジ構造13を備え、容器本体11と蓋体12がヒンジ構造13によって回転自在に連結されている。
容器本体11には、リップグロスGLを充填するための凹部である凹状充填部14を備えている。この実施例において、容器本体11には、凹状充填部14が二つ形成されており、以下、それぞれを第一凹状充填部14a、第二凹状充填部14bとする。但し、凹状充填部14の数はこれに限定されるものではなく、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。本実施例における凹状充填部14a,14bは、容器本体11と一体に構成
されているが、容器本体11と着脱可能に設けられた中皿にリップグロスGLを収容する中皿充填形式を採用してもよい。
ところで、コンパクト容器1に代表される化粧料容器には、化粧料を単に収容する容器としての機能に留まらず、消費者の購買意欲を刺激して化粧料製品の商品価値を高める機能が求められる。その典型例として、コンパクト容器に収容された化粧料をユーザが眺めた際に、その外観上の楽しさや、華やかさ等をユーザにアピールする手法が挙げられる。
ところで、コンパクト容器1への収容対象となる化粧料が、ファンデーションやアイシャドー等の固形粉末状の化粧料であれば、例えば加圧成形した化粧料の表面にロゴや模様を施し、或いは多色充填を行う等により、興趣を添える事が可能である。しかし、リップグロス等の所謂ゲル状化粧料は粘性を有しており、上記のように化粧料自体にロゴや模様を施す事が困難である。また、一つの凹状充填部14に多色充填を試みようとしても、リップグロスGLはゲル状であるが故に、異色同士のリップグロスGLが混ざり合ってしまい、うまく多色充填することは難しい。
そこで、本実施例では、凹状充填部14a,14bの各々に充填されているリップグロスGLが、見た目には(外観上は)多色充填されていると思わせることの可能な擬似多色充填を実現し、リップグロスGLが充填された凹状充填部14に外観上の楽しさを付与すること特徴とする。以下、コンパクト容器1の特徴点について説明する。
図2は、図1におけるA−A’矢視断面図である。本実施例において、コンパクト容器1の各凹状充填部14a,14bには、有色透明のリップグロスGLが充填されている。ここでは、第一凹状充填部14aにピンク系のリップグロス(以下、符号「GLp」で表す。)が充填され、第二凹状充填部14bにグリーン系のリップグロス(以下、符号「GLg」で表す。)が充填されている。
ピンク系のリップグロスGLpおよびグリーン系のリップグロスGLgには共に、ラメ剤が含有されている。ラメ剤は、例えば反射光沢或いは干渉光沢の著しい偏平粉体であり、化粧料で使用されているものであれば特段の限定なく使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートやエポキシ樹脂の薄膜を積層した小片、ポリエチレンテレフタレートやエポキシ樹脂の薄膜に金属酸化物被覆層をはさみ積層した小片、ポリエチレンテレフタレートやエポキシ樹脂の薄膜にアルミニウムなどの金属を蒸着したものなどが例示できる。但し、本発明に適用されるゲル状化粧料に、上記ラメ剤は必須の構成ではない。
各凹状充填部14a,14bは、面15及び側面16を有しており、これらによってリップグロスGLの充填領域(充填空間)が形成されている。尚、各凹状充填部14a,14bにおけるリップグロスGLの充填領域は、複数に仕切られることなく、一繋がりの充填空間に単一種類のリップグロスGLのみが充填されている。この単一種類とは、リップグロスGLの色、光透過率に関連する透明度、ラメ剤(材)やパール剤(材)に代表される色材の種類、及びその有無など、リップグロスGLの外観を特徴付ける要素が同等であることを指す。
コンパクト容器1における最大の特徴点は、各凹状充填部14a,14bにおける底面15の各々が、複数の色に色分けされている点にある。この実施例では、底面15を黒色と白色の二種類に色分けする場合を例として説明する。以下、底面15を色分けするために使用される色を、「塗り分け色」と称する。
容器本体11は、例えば白色のAS樹脂によって形成されている。従って、各凹状充填部14a,14においても、その底面15の下地色(本来の色)は白色である。このよう
な下地色を有する底面15に対して、下地色である白と異なる色(ここでは、黒色)の薄いプラスチックシート(以下、「カラーシート」という)17を貼り付けることで、底面15を黒色と白色とに色分けしている。なお、AS樹脂(AS resin)とはアクリロニトリル(Acrylonitrile)、スチレン(Stylene)のコポリマー(共重合化合物)である。
図3は、リップグロスGLが充填された状態の凹状充填部14を上部から眺めた図である。図示のように、凹状充填部14の底面15は、黒色と白色に色分けされる事で、チェック模様(チェッカーフラッグ模様)が付与されている。各凹状充填部14a,14bの水平方向において、底面15に黒色が付与された領域(黒色のカラーシート17が貼付された領域)を「黒色充填領域Sbk」と称し、白色が付与された領域(黒色のカラーシート17が貼付されていない領域)を「白色充填領域Swh」と称する。
凹状充填部14に充填されるリップグロスGLは、ピンク系(GLp)、グリーン系(GLg)のように、有色であるため、リップグロスGL越しに凹状充填部14を眺めた場合、ユーザの目に映る色とは、底面15の色とリップグロスGLの色とが互いに影響を及ぼし合い、融合された色となる。即ち、リップグロスGL自体の色を「グロス固有色」と称すと、黒色充填領域Sbkを眺めたユーザに視覚される色(以下、「第一視覚色」という。)は、黒でもグロス固有色でもなく、これらが融合された色となる。同様に、白色充填領域Swhを眺めたユーザに視覚される色(以下、「第二視覚色」という。)は、白でもグロス固有色でもなく、これらが融合された色となる。
第一視覚色および第二視覚色は、共にグロス固有色をベースとしつつも、互いに相違する色となる。例えば、黒色充填領域Sbkでは、グロス固有色が底面15の黒色の影響を受けて暗くなることで、第一視覚色がグロス固有色よりも濃い色としてユーザに把握される。一方、白色充填領域Swhでは、グロス固有色が底面15の白色の影響を受けて明るくなることで、第二視覚色がグロス固有色よりも淡い色としてユーザに把握される。このようにして、第一視覚色および第二視覚色は、グロス固有色を基調としつつ、互いに濃淡が相違する色の組み合わせとなる。
この実施例では、第一凹状充填部14aにピンク系のリップグロスGLp、即ちグロス固有色がピンク(桃色)のリップグロスが充填されている。この場合、底面15における黒色の影響を受ける第一視覚色は、例えば「青紫」として把握される。また、底面15における白色の影響を受ける第二視覚色は、例えば「白薄ピンク」として把握される。一方、第二凹状充填部14bには、グロス固有色がグリーン(緑色)のリップグロスが充填されている。この場合、底面15の黒色の影響を受ける第一視覚色は例えば「濃緑」として把握され、底面15の白色の影響を受ける第二視覚色は例えば「薄緑」として把握される。
以上のように、実際には単一種類のリップグロスGLが凹状充填部14a,14bにそれぞれ充填されているにも関わらず、凹状充填部14a,14bの各々にリップグロスGLが多色充填されているように見える。これにより、リップグロスGLの擬似多色充填を好適に実現することができる。従って、ユーザは、コンパクト容器1の蓋体12を開く度に、擬似的に多色充填されたリップグロスGLの模様(この実施例では、チェック模様)を眺める事になるため、興趣に富んだものになる。よって、従来は困難とされていた、粘性を有するゲル状化粧料に対して、外観上の楽しさや華やかさといった付加価値を付与することができる。そのため、コンパクト容器1にリップグロスGLを収容してなる化粧料製品の商品価値を高めることができ、購入者の購買意欲を増幅させることもできる。
本実施例において、凹状充填部14の底面15を黒と白の2色で色分けしたが、この組み合わせである必要はなく、また、3種類以上の色を用いて色分けしてもよい。塗り分け
色の選定は、凹状充填部14に充填されるリップグロスGLの種類、ターゲットとする第一視覚色、第二視覚色の組み合わせに基づいて行うとよい。つまり、ユーザが凹状充填部14に充填されたリップグロスGLを眺めた際、底面15の色が相違する領域毎に濃淡に異なって見えるように、その塗り分け色を選定するとよい。
また、本実施例において、各凹状充填部14a,14bには、着色された透明のリップグロスGLを充填するようにしたが、このようにしたのは、これを眺めたユーザに本物の多色充填であるとの錯覚を起こさせ易くなるからである。充填されるリップグロスGLが有色透明であれば、各凹状充填部14a,14bを眺めた際に奥行き感が明瞭になり過ぎることがなく、底面15が複数色に色分けされていることに、より気付き難くなるからである。但し、これは無色透明のリップグロスGLに対する本発明の適用を妨げるものではない。
更に、各凹状充填部14a,14bに充填されるリップグロスGLp,GLgには、ラメ剤が含有されているため、その反射光沢、干渉光沢などの演出効果によって、各凹状充填部14a,14bにおける奥行き感、つまりリップグロスGLの充填深さ方向の距離感が、ユーザにとって掴みにくくなる。これによって、各凹状充填部14a,14bに充填されているリップグロスGLが多色充填され、或いは模様が付与されているとの錯覚を、ユーザに更に与え易くなる。なお、ラメ剤の代わりに、或いは併用してパール剤をリップグロスGLに含有させてもよく、ラメ剤の場合とほぼ同様の効果を奏する。
<評価>
凹状充填部に充填された状態のピンク系のリップグロスGLpと、凹状充填部に充填された状態のグリーン系のリップグロスGLgについて、分光色彩計(日本電色工業株式会社製、品番:SD−5000)を用いて、国際照明委員会(CIE)のL*a*b*表色系
に準拠して測定を行った。測定値のうち、L*値は明度(濃度)を表し、0.0〜100.0までの値をとる。0.0が黒、100.0が白を意味する。a*値は、プラス側で赤味が増し、マイナス側で緑味が増すことを表す。b*値は、プラス側で黄味が増し、マイナス側で青味が増すことを表す。
測定条件としては、黒色の樹脂によって形成された凹状充填部の底面に、白いプラスチックシートを貼りつけて測定を行った。ここでは、底面の全領域のうち、片側半分に白シートを貼りつけ、残り半分は黒い樹脂面を露出させた。従って、白シートを貼りつけた部分(表中、「白シート」と表記する。)が前述の白色充填領域Swhに相当し、黒色の底面が剥き出しになっている部分(表中、「黒下地」と表記する。)が黒色充填領域Sbkに相当する。なお、リップグロスGLを充填する前の状態において、白色充填領域Swhおよび黒色充填領域Sbkの色彩を測定したところ、白色充填領域SwhのL*値、a*値、b*値は、それぞれ91.39,−1.89,7.9であった。また、黒色充填領域SbkのL*値、a*値、b*値は、それぞれ14.27,−0.69,−1.29であった。
凹状充填部にリップグロスGLを充填した状態における測定結果は表1に示す通りである。なお、ピンク系リップグロスGLpおよびグリーン系リップグロスGLgにおけるそれぞれの充填深さは1.5mmとした。表1に示す結果のように、ピンク系のリップグロスGLpについては、白色充填領域Swhに比べて黒色充填領域Sbkの方が、a*値大きく、b*値が小さい。従って、白色充填領域Swhよりも黒色充填領域Sbkの方が、赤味と青味が増したことがわかる。また、グリーン系のリップグロスGLgについては、白色充填領域Swhに比べて黒色充填領域Sbkの方が、a*値が小さく、b*値が大きい。従って、白色充填領域Swhよりも黒色充填領域Sbkの方が、緑味と黄味が増したことがわかる。従って、同じ種類のリップグロスGLが充填されているにもかかわらずそ
の色彩に変化が生じ、擬似的な多色充填が実現されていることがわかる。
Figure 2011218042
なお、本実施例において、コンパクト容器1の凹状充填部14に充填される化粧料は、透明のゲル状化粧料であればリップグロスに限定されるものではない。また、この実施例のように、凹状充填部14が複数形成されている場合、全ての凹状充填部に対して擬似多色充填を行わなくてもよい。つまり、一部の凹状充填部14に対して本発明を適用してもよい。この場合、擬似多色充填の対象とならない凹状充填部に関しては、あらゆる種類の化粧料を充填してもよく、ゲル状化粧料である必要もない。また、本実施例では、凹状充填部14の底面15を複数の塗り分け色を用いて底面15にチェック模様を付与しているが、他の模様を付与しても構わない。例えば、底面15にハート型模様、花びら模様、星形模様、その他の模様、或いはこれらの組み合わせ模様などを付与してもよい。
<実施例2>
実施例2の基本構成は、図1乃至3に示したコンパクト容器1と同様である。本実施例では、凹状充填部14におけるリップグロスGLの初期充填深さDpを、凹状充填部14に充填されるリップグロスGLの透明度に基づいて設定する。ここで、初期充填深さDpは、容器本体11の凹状充填部14に対するリップグロスGLの充填時における充填深さである。
ユーザが凹状充填部14を眺めた際、リップグロスGLが多色充填されていると思うかどうかは、凹状充填部におけるゲル状化粧料の充填深さ、およびゲル状化粧料の透明度に影響を受ける。そこで、本実施形態では、各凹状充填部14a,14bに充填されるリップグロスGLの初期充填深さDpを、リップグロスGLの透明度に基づいて設定するようにした。
ここで、リップグロスGLの透明度が等しい条件下では、リップグロスGLの充填深さが深いほど、凹状充填部14における底面15の色分けが反映され難くなる。一方、リップグロスGLの充填深さが等しい条件下では、リップグロスGLの透明度が低いほど、底面15の色分けが反映され難くなる。そして、グロス固有色に対して底面15の色分けが反映されないと、黒色充填領域Sbkに対応する第一視覚色と、白色充填領域Swhに対応する第二視覚色とに差異が現れにくくなる。
そこで、本実施例では、凹状充填部14に充填されるリップグロスGLの透明度が低いほど、リップグロスGLの初期充填深さDpを浅く(小さく)設定するようにした。リッ
プグロスGLの光透過率が低いほど上記初期充填深さDpを設定してもよい。例えば、第一凹状充填部14aに充填されるピンク系リップグロスGLpよりも第二凹状充填部14aに充填されるグリーン系リップグロスGLgの方が、その透明度が低く設定されている場合、ピンク系リップグロスGLpに比べてグリーン系リップグロスGLgの充填深さを浅くするとよい。
これによれば、リップグロスGLを眺めたユーザに、その透明度にかかわらず、第一視覚色および第二視覚色を異なる色として把握させることができる。これにより、コンパクト容器1に収容されているリップグロスGLに対して、より好適に外観上の興趣を添えることができる。
なお、本願発明者の鋭意研究により、凹状充填部14におけるリップグロスGLの初期充填深さDpは、概ね1.0mm〜2.0mm程度が適正な深さであるとの知見が得られている。また、コンパクト容器1の変形例として、凹状充填部14に充填される初期充填深さDpに応じて、その凹状充填部14に充填するリップグロスGLの透明度を設定してもよい。例えば、凹状充填部14に充填されるゲル状化粧料の初期充填深さDpがより深く設定される条件ほど、その凹状充填部14に対して、より透明度の高いリップグロスGLを充填するようにするとよい。
<実施例3>
実施例3におけるコンパクト容器1は、リップグロスGLの充填形式として、いわゆる中皿充填方式を採用している。図4は、実施例3に係るコンパクト容器を示す斜視図である。容器本体11には中皿収容部21が形成されている。中皿収容部21は、リップグロスGLが充填された中皿20を収容するための凹部である。図示の例では、第一中皿収容部21aと第二中皿収容部21bが容器本体11に形成されている。第一中皿収容部21aには第一中皿20aが収容され、第二中皿収容部21bには第二中皿20bが収容されるようになっている。本実施例においては、第一中皿20aおよび第二中皿20bが本発明における凹状充填部に相当する。
第一中皿20aは黒色のAS樹脂(以下、「黒色樹脂」という)により形成され、第二中皿20bは無色透明のAS樹脂(以下、「透明樹脂」という)により形成されている。本実施例においても、第一中皿20aおよび第二中皿20bの底面201は、複数の異なる色によって色分けされている。第一中皿20aの底面201は、その全領域のうちの片側半分のみに白色のカラーシート171が貼付されている。一方、第二中皿20bの底面201は、その全領域のうちの片側半分に白色のカラーシート171が貼付され、残りの半分に黒色のカラーシート172が貼付されている。
このように構成されたコンパクト容器1では、第一中皿20aの縁部202には黒色が付与されているのに対して、第二中皿20bの縁部202は無色透明となっている点で相違する。つまり、第一中皿20aと第二中皿20bにおいては、縁壁部202の透明度が相違するように構成されている。第一中皿20aでは、縁壁部202に黒色が付与されているため、その内部に充填されているリップグロスGLをより一層濃く見せることができる。
具体例を幾つか挙げると、各中皿20a,20bにピンク系の透明なリップグロスGLを充填した場合、第一中皿20aは濃いピンクに見えるが、第二中皿20bは白薄ピンクに見える。また、各中皿20a,20bにグリーン系の透明なリップグロスGLを充填した場合、第一中皿20aは濃緑に見えるが、第二中皿20bは薄緑に見える。また、各中皿20a,20bに無色透明(クリア色)のリップグロスGLを充填した場合、第一中皿20aは灰色に見え、第二中皿20bはクリア色に見える。なお、これらの具体的な色に
ついては、あくまでも例示であり、限定的なものではない。
以上のように、本実施例におけるコンパクト容器1では、中皿20の縁壁部202の透明度を相違させることにより、充填されるリップグロスGLを濃く見せたり、淡く見せたりすることができる。従って、リップグロスGLを眺めたユーザによって把握される色を、ターゲットとする色(すなわち、ユーザに見せたい色)に、より一層近づけることができる。
本実施例では、第一中皿20aにおける縁壁部202の全領域に対して黒色を付与しているが、一部の領域に対してのみ着色してもよい。例えば、縁壁部202のうち、リップグロスGLをより濃く見せたい領域に対応する部分の透明度をより低くし、逆に、より淡く見せたい領域に対応する部分の透明度をより高くしてもよい。また、本実施例では、例示的に中皿20の縁壁部202に黒色を付与しているが、もちろん他の色を採用してもよい。
以上本発明について説明したが、本発明の化粧料容器、及び化粧料製品に関する技術はこれらに限らず、可能な限りこれらの組み合わせを含むことができる。なお、実施形態では本発明を実施する形態を説明したが、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記した実施形態には種々の変更を加えてもよい。また、本発明は、各実施形態において説明したコンパクト容器1の凹状充填部にリップグロスGLを充填してなる化粧料製品として捉えることができる。
1・・・コンパクト容器
11・・・容器本体
12・・・蓋
13・・・ヒンジ構造
14・・・凹状充填部
15・・・底面

Claims (4)

  1. 透明のゲル状化粧料を充填するための凹状充填部を少なくとも一つ以上備えた化粧料容器であって、
    前記凹状充填部は、その充填空間が複数に仕切られることなく単一種類の前記ゲル状化粧料のみが充填されるものであって、少なくとも二つの色に色分けされた底面を有してなる、
    化粧料容器。
  2. 前記凹状充填部に充填される前記ゲル状化粧料の初期充填深さは、該ゲル状化粧料の透明度に基づいて設定される、
    請求項1に記載の化粧料容器。
  3. 前記ゲル状化粧料には、ラメ剤およびパール剤のうち少なくとも何れかが含有されてなる、
    請求項1又は2に記載の化粧料容器。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の化粧料容器の凹状充填部に、透明のゲル状化粧料を充填してなる、
    化粧料製品。
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