JP2011216342A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムサイズの大型化およびシステムコストの上昇を抑えながら、アノードに供給される液体燃料中(液体中)のアンモニア液濃度を精度よく取得することができる、燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料循環ラインの一端から燃料電池のアノードにヒドラジン類を含む液体燃料が供給される。アノードから排出される気体および液体は、燃料循環ラインに排出される。燃料循環ラインの途中部には、気液分離器が介装されている。気液分離器内の圧力Pおよび気液分離器内におけるアンモニアガスの濃度Cgasから、気液分離器内におけるアンモニアガスの分圧PNH3が演算され、この演算された分圧PNH3、燃料循環ラインを流れる液体の温度およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、アノード3に供給される液体中のアンモニア液濃度が演算される。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、燃料電池に液体燃料であるヒドラジン類を直接に供給するものが知られている。
燃料電池は、アノード(燃料極)およびカソード(酸素極)が電解質膜を挟んで対向配置された構造を有している。アノードは、燃料循環ラインの途中に介装されている。すなわち、燃料循環ラインの一端がアノードの燃料供給口に接続され、その他端がアノードの燃料排出口に接続されている。アノードには、燃料循環ラインから液体燃料が供給され、アノードを通過した液体燃料は、燃料循環ラインに排出される。一方、カソードには、空気が供給される。
アノードでは、窒素ガス(N)、水(HO)および電子(e)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料循環ラインに排出される。一方、カソードでは、アニオン(OH)が生成される。アニオンは、電解質膜を透過して、アノードに移動する。その結果、アノードとカソードとの間に、電気化学反応による起電力が発生する。
このような燃料電池システムでは、液体燃料の熱分解や発電時の副次的反応により、アンモニア(NH)が発生する。発生したアンモニアが液体燃料中に溶解し、液体燃料中のアンモニアの濃度(以下「アンモニア液濃度」という。)が上昇すると、燃料電池の発電性能が低下する。また、アンモニアによる臭気が発生する。そのため、液体燃料中のアンモニア液濃度を常に監視して、アンモニア液濃度が一定濃度を超えないように、発電量を制御する必要がある。
特開2009−199770号公報
液体燃料中のアンモニア液濃度は、赤外線液体成分濃度計などの液濃度センサを用いて検出することができる。しかしながら、液濃度センサは、大型かつ高価である。そのため、液濃度センサを燃料電池システムに採用すると、燃料電池システムのサイズが大型化し、そのコストが高くなる。また、液体燃料中には、アンモニアと比較して高濃度のヒドラジン類が含まれるので、液濃度センサを用いても、アンモニア液濃度を精度よく検出することは困難である。
本発明の目的は、システムサイズの大型化およびシステムコストの上昇を抑えながら、アノードに供給される液体燃料中(液体中)のアンモニア液濃度を精度よく取得することができる、燃料電池システムを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明は、燃料電池システムにおいて、アノードおよびカソードを有する燃料電池と、一端および他端が前記アノードに接続され、前記一端から前記アノードにヒドラジン類を含む液体燃料が流れ、前記アノードから排出される気体および液体が前記他端から前記一端に向けて流れる循環路と、前記循環路の途中部に介装され、前記循環路を流れる気体および液体を互いに分離して、当該分離された液体を前記循環路に流出させる気液分離器と、前記気液分離器内の圧力を検出する圧力センサと、前記気液分離器内におけるアンモニアガスの濃度を検出するアンモニアガス濃度センサと、前記循環路を流れる液体の温度を検出する温度センサと、前記圧力センサにより検出される圧力および前記アンモニアガス濃度センサにより検出されるアンモニアガスの濃度から、前記気液分離器内におけるアンモニアガスの分圧を演算する分圧演算手段と、前記分圧演算手段により演算された分圧、前記温度センサにより検出される温度およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、気液分離器内で分離された液体中(前記アノードに供給される液体中)のアンモニアの濃度(アンモニア液濃度)を演算するアンモニア液濃度演算手段とを含むことを特徴としている。
この燃料電池システムでは、循環路の一端から燃料電池のアノードにヒドラジン類を含む液体燃料が供給される。アノードから排出される気体および液体(液体燃料を主として含む液体)は、循環路に排出される。循環路の途中部には、気液分離器が介装されている。アノードから循環路に排出される気体および液体は、気液分離器内において互いに分離され、その分離された液体が循環路に戻される。これにより、未反応の液体燃料は、循環路およびアノードを循環する。
そのため、液体燃料の熱分解や発電時の副次的反応により発生するアンモニアが液体燃料に溶解し、循環路およびアノードを循環する液体中のアンモニア液濃度が上昇すると、言い換えれば、その液体中の液体燃料の濃度が低下すると、燃料電池の発電性能が低下したり、アンモニアによる臭気が発生したりする。
そこで、アノードに供給される液体中のアンモニア液濃度を取得するために、気液分離器内の圧力を検出する圧力センサと、気液分離器内におけるアンモニアガスの濃度を検出するアンモニアガス濃度センサと、循環路を流れる液体の温度を検出する温度センサとが設けられている。
そして、圧力センサにより検出される圧力およびアンモニアガス濃度センサにより検出されるアンモニアガスの濃度から、気液分離器内におけるアンモニアガスの分圧が演算され、この演算された分圧、温度センサにより検出される温度およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、アンモニア液濃度が演算される。
アンモニアガス濃度センサは、赤外線液体成分濃度計などの液濃度センサと比較して小型かつ安価である。また、気液分離器内で分離される気体は、主として窒素ガスおよびアンモニアガスであるので、アンモニアガスは、アンモニアガス濃度センサにより、液濃度センサによるアンモニア液濃度の検出の精度よりも高精度に検出することができる。
よって、システムサイズの大型化およびシステムコストの上昇を抑えながら、液体燃料中のアンモニア液濃度を精度よく取得することができる。
前記燃料電池システムでは、前記カソードに供給される空気が流れる空気供給路と、前記カソードから外部に排出される空気が流れる排気路と、前記カソードに供給される空気の流量を調節するための空気流量調節器と、前記気液分離器内で分離された気体を外部に排出およびその排出を停止するために開閉されるバルブと、当該燃料電池システムが搭載される車両の走行速度を検出する車速センサと、前記分圧演算手段により演算されるアンモニアガスの分圧に基づいて、前記気液分離器内から外部に排出される気体中のアンモニアの量を演算するアンモニア排出量演算手段と、前記車速センサにより検出される車両の走行速度および前記アンモニア排出量演算手段により演算されたアンモニアの量に基づいて、前記気液分離器内から排出される気体中のアンモニアガスを希釈するために必要な空気の量である希釈空気必要量を演算する希釈空気必要量演算手段と、前記排気路を流通する空気の流量と前記希釈空気必要量演算手段により演算される希釈空気必要量とを比較し、その比較結果に基づいて、前記空気流量調節器および前記バルブの開閉を制御する制御手段とをさらに含むことが好適である。
この燃料電池システムでは、空気供給路からカソードに空気が供給され、カソードから排気路を通して外部に空気が排気される。カソードに供給される空気の流量は、空気流量調節器により調節される。また、気液分離器内で分離された気体の外部への排出を許容/阻止するために開閉されるバルブが備えられている。
そして、分圧演算手段により演算されるアンモニアガスの分圧に基づいて、気液分離器内から外部に排出される気体中のアンモニアの量が演算される。次いで、その演算されたアンモニアの量および車速センサにより検出される車両の走行速度に基づいて、気液分離器内から排出される気体中のアンモニアガスを希釈するために必要な空気の量である希釈空気必要量が演算される。つづいて、その演算された希釈空気必要量と排気路を流通する空気の流量との大小が比較され、その比較結果に基づいて、アンモニアガスを高濃度に含む気体が排出されないように、空気流量調節器およびバルブの開閉が制御される。
よって、アンモニアによる臭気の発生を良好に防止することができる。
本発明によれば、アンモニアガス濃度センサにより、気液分離器内におけるアンモニアガスの濃度が検出され、その検出されたアンモニアガスの濃度に基づいて、アノードに供給される液体中のアンモニア液濃度が演算される。よって、システムサイズの大型化およびシステムコストの上昇を抑えながら、アンモニア液濃度を精度よく検出することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図2は、燃料電池システムの制御のための電気的構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示す制御部により実行されるアンモニア液濃度取得処理のフローチャートである。 図4は、図2に示す制御部により実行されるアンモニアガス希釈処理のフローチャートである。 図5は、図2に示す制御部により実行されるアンモニア濃度制御のフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム1は、たとえば、自動車に駆動源として搭載される。
燃料電池システム1は、燃料電池2を備えている。燃料電池2は、アノード(燃料極)3およびカソード(酸素極)4が電解質体5を挟んで対向配置された構造のセルを複数備えている。複数のセルは、各セルの間にセパレータを介在させて積層され、セルスタックを構成している。電解質体5は、たとえば、アニオン(OH)を透過させる性質を有する固体高分子膜である。
アノード3には、燃料流路6が形成されている。燃料流路6は、燃料循環ライン7の一端と他端との間に介装されている。具体的には、燃料流路6の一端は、燃料供給口8をなし、この燃料供給口8には、燃料供給ラインとしての燃料循環ライン7の一端9が接続されている。燃料流路6の他端は、燃料排出口10をなし、この燃料排出口10には、燃料排出ラインとしての燃料循環ライン7の他端11が接続されている。
燃料循環ライン7の一端9および他端11の近傍には、それぞれ燃料供給バルブ12および燃料排出バルブ13が介装されている。
燃料循環ライン7の途中部には、燃料タンク14から延びる燃料補給管15が接続されている。燃料タンク14には、ヒドラジン類が貯留されている。燃料補給管15の途中部には、燃料補給ポンプ16が介装されている。燃料補給ポンプ16が駆動されることにより、燃料タンク14から燃料補給管15を通して燃料循環ライン7に液体燃料が供給される。
ヒドラジン類としては、無水ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、トリアザン(NHNHNH)、テトラザン(NHNHNHNH)などが例示される。
また、燃料循環ライン7において、燃料補給管15が接続される部分と燃料供給バルブ12との間には、燃料循環ポンプ17が介装されている。燃料供給バルブ12および燃料排出バルブ13が開かれた状態で、燃料循環ポンプ17が駆動されると、液体燃料が燃料循環ライン7を燃料循環ポンプ17から一端9に向かう方向に流れ、燃料供給口8から燃料流路6に液体燃料が供給される。燃料流路6に供給される液体燃料は、燃料流路6を流れ、燃料排出口10から燃料循環ライン7に排出される。このように、燃料供給バルブ12および燃料排出バルブ13が開けられた状態で、燃料循環ポンプ17が駆動されると、燃料流路6および燃料循環ライン7を液体燃料が循環する。
燃料循環ライン7にはさらに、燃料排出バルブ13と燃料補給管15が接続される部分との間に、気液分離器18が介装されている。燃料排出口10から燃料循環ライン7には、液体燃料を主として含む液体とともに気体が排出される。液体燃料および気体は、燃料循環ライン7から気液分離器18内に流入する。そして、気液分離器18内において、液体と気体とが互いに分離される。分離された液体は、燃料循環ライン7に戻される。
気液分離器18には、ガス放出ライン19が接続されている。ガス放出ライン19には、ガス放出バルブ20が介装されている。ガス放出バルブ20が開かれると、気液分離器18内のガスがガス放出ライン19を通して大気に放出される。
カソード4には、気体流路21が形成されている。気体流路21の一端は、気体供給口22をなし、この気体供給口22には、エアコンプレッサ23から延びる空気供給ライン24が接続されている。気体流路21の他端は、気体排出口25をなし、この気体排出口25には、一端が開放される気体排出ライン26の他端が接続されている。気体排出ライン26の途中部には、気体流路21を流れる空気の圧力を調節するための圧力調節バルブ27が介装されている。
図2は、燃料電池システムの制御のための電気的構成を示すブロック図である。
燃料電池システム1は、気液分離器18内の圧力を検出する圧力センサ41と、気液分離器18内におけるアンモニアガスの濃度を検出するアンモニアガス濃度センサ42と、気液分離器18から燃料循環ライン7に流れる液体の温度を検出する温度センサ43と、燃料電池2が発生する電流を検出する電流センサ44とを備えている。
また、燃料電池システム1が搭載される自動車には、燃料電池2で発生した電力(電気エネルギー)を蓄えておくための二次電池51と、自動車の走行速度(車速)を検出する車速センサ52とが搭載されている。
そして、燃料電池システム1は、マイクロコンピュータにより構成される制御部45を備えている。マイクロコンピュータには、CPUおよびメモリなどが含まれる。
制御部45には、圧力センサ41、アンモニアガス濃度センサ42、温度センサ43、電流センサ44および車速センサ52の出力が入力される。
制御部45は、メモリに格納されたプログラムに従って、各センサ41,42,43,44,52からの入力に基づいて、燃料補給ポンプ16、燃料循環ポンプ17およびエアコンプレッサ23の駆動を制御し、燃料供給バルブ12、燃料排出バルブ13およびガス放出バルブ20の開閉を制御する。また、圧力調節バルブ27の開度を制御する。
燃料電池システム1の運転時には、燃料供給バルブ12および燃料排出バルブ13が開かれ、燃料循環ポンプ17が駆動されて、アノード3の燃料流路6に液体燃料が供給される。その一方で、エアコンプレッサ23が駆動されるとともに、圧力調節バルブ27の開度が調節されることにより、カソード4の気体流路21に空気が供給される。
これにより、燃料電池2において、電気化学反応が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
具体的には、液体燃料がヒドラジンである場合、アノード3において、反応式(1)で示される反応が生じ、窒素ガス(N)、水(HO)および電子(e)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソード4に移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料流路6から燃料排出口10を介して燃料循環ライン7に排出される。一方、カソードでは、反応式(2)で示される反応が生じ、アニオン(OH)が生成される。アニオンは、電解質体5を透過して、アノード3に移動する。
NHNH+4OH→N+4HO+4e ・・・(1)
+2HO+4e→4OH ・・・(2)
この結果、アノード3とカソード4との間に、電気化学反応による起電力が発生する。
燃料補給ポンプ16は、燃料循環ライン7に液体燃料を補給する必要が生じた時に駆動される。
ガス放出バルブ20は、気液分離器18内の圧力に応じて開閉され、通常の運転時には開かれている。
図3は、図2に示す制御部により実行されるアンモニア液濃度取得処理のフローチャートである。
燃料電池システム1の運転中、制御部45は、燃料循環ライン7を流れる液体中のアンモニアの濃度(アンモニア液濃度)を監視するために、図3に示すアンモニア液濃度取得処理を予め定める周期で実行する。
圧力センサ41、温度センサ43、電流センサ44および車速センサ52の出力は、制御部45により、アンモニア液濃度取得処理の実行周期よりもかなり短い周期(たとえば、10msec)で取得されている。アンモニアガス濃度センサ42の出力は、制御部45により、アンモニア液濃度取得処理の実行周期よりも長い周期(たとえば、30sec)で取得されている。
そのため、アンモニア液濃度取得処理の開始時に、圧力センサ41、温度センサ43、電流センサ44および車速センサ52の出力は、常に取得されるが(ステップS1)、アンモニアガス濃度センサ42の出力は、取得される場合と取得されない場合とがある。
アンモニアガス濃度センサ42の出力が取得された場合には(ステップS2のYES)、その出力が表すガス濃度測定値Cgasと圧力センサ41の出力が表す気液分離器18内の圧力Pとに基づいて、気液分離器18内におけるアンモニアガスの分圧PNH3が演算される(ステップS3)。具体的には、演算式(3)に従って、アンモニアガスの分圧が演算される。
NH3[kPa]=Cgas[%]×P[kPa] ・・・(3)
つづいて、その演算されたアンモニアガスの分圧、温度センサ43の出力が表す温度(気液分離器18から燃料循環ライン7を流れる液体の温度)およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、アンモニア液濃度Cliqが演算される。たとえば、温度センサ43の出力が表す温度が60℃である場合、演算式(4)に基づいて、アンモニア液濃度Cliqが演算される。演算されたアンモニア液濃度Cliqは、液濃度演算値Ccとしてメモリに保持され、現在のアンモニア液濃度と決定される。
NH3[kPa]=0.0012×Cliq +0.0901×Cliq
+4.3962×Cliq−0.0138 ・・・(4)
その後、液濃度演算値Ccと後述する液濃度推定値Ceとの偏差が所定値以上であるか否かが判断される(ステップS5)。液濃度推定値Ceが未だ演算(推定)されていない場合、液濃度演算値Ccと液濃度推定値Ceとの偏差は零であるとして、その偏差が所定値以上であるか否かの判断が否定され(ステップS5のNO)、アンモニア液濃度取得処理が終了する。
その後、アンモニア液濃度取得処理が再び実行され、その開始時に、アンモニアガス濃度センサ42の出力が取得されなかった場合(ステップS2のNO)、前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ce(つまり、現在のアンモニア液濃度)、温度センサ43の出力が表す温度(燃料循環ライン7を流れる液体の温度)およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、気液分離器18内におけるアンモニアガスの分圧が演算される。たとえば、温度センサ43の出力が表す温度が60℃である場合、前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ceをアンモニア液濃度Cliqとして、前記の演算式(4)に従って、アンモニアガスの分圧PNH3が演算される(ステップS7)。
また、アンモニア液濃度Cliq、燃料循環ライン7を流れる液体の流量Afおよび温度センサ43の出力が表す温度に基づいて、燃料電池で生成されるアンモニアの量であるアンモニア生成量GNH3が演算される(ステップS8)。具体的には、演算式(5)に従って、アンモニア生成量GNH3が演算される。なお、燃料循環ライン7を流れる液体の流量Afは、燃料循環ポンプ17の駆動状態から取得することができる。
NH3[mol/min]=α×Cliq×Af ・・・(5)
α:燃料循環ライン7を流れる液体の温度に応じた定数
さらに、電流センサ44の出力が表す電流値Iおよび燃料電池2に備えられるセルの数Nに基づいて、演算式(6)に従って、燃料電池2で生成される窒素ガスの量である生成窒素量GN2が演算される(ステップS9)。
N2[mol/min]=I×(1/4F)×N×60 ・・・(6)
F:ファラデー定数
つづいて、演算式(4)に従って演算されたアンモニアガスの分圧PNH3および演算式(6)に従って演算された生成窒素量GN2に基づいて、演算式(7)に従って、気液分離器18から外部に排出されるアンモニアの量であるアンモニア排出量ENH3が演算される。
NH3[mol/min]=(PNH3/Pair)×GN2 ・・・(7)
air:大気圧
そして、アンモニア生成量GNH3からアンモニア排出量ENH3が差し引かれ、その減算値から濃度変化量が求められて、この濃度変化量が前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ceに加えられる(ステップS10)。そして、その加算値が現在のアンモニア液濃度と決定され、アンモニア液濃度取得処理が終了する。
その後、アンモニア液濃度取得処理が再び実行され、その開始時にアンモニアガス濃度センサ42の出力が取得されて(ステップS2のYES)、液濃度演算値Ccがメモリに保持され、現在のアンモニア液濃度と決定されると(ステップS3,S4)、液濃度演算値Ccと前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度推定値Ceとの偏差が所定値以上であるか否かが判断される(ステップS5)。そして、液濃度演算値Ccと液濃度推定値Ceとの偏差が所定値以上であれば(ステップS5のYES)、その偏差に応じて、燃料循環ライン7を流れる液体の温度に応じた定数αが補正され、アンモニア液濃度取得処理が終了する。以降、定数αが新たに補正されるまで、前記の演算式(5)に従った演算において、その補正後の定数αが用いられる。
以上のように、燃料電池システム1では、燃料循環ライン7の一端9から燃料電池2のアノード3にヒドラジン類を含む液体燃料が供給される。アノード3から排出される気体および液体(液体燃料を主として含む液体)は、燃料循環ライン7に排出される。燃料循環ライン7の途中部には、気液分離器18が介装されている。アノード3から燃料循環ライン7に排出される気体および液体は、気液分離器18内において互いに分離され、その分離された液体が燃料循環ライン7に戻される。これにより、未反応の液体燃料は、燃料循環ライン7およびアノード3を循環する。
そのため、液体燃料の熱分解や発電時の副次的反応により発生するアンモニアが液体燃料に溶解し、燃料循環ライン7およびアノード3を循環する液体中のアンモニア液濃度が上昇すると、言い換えれば、その液体中の液体燃料の濃度が低下すると、燃料電池2の発電性能が低下したり、アンモニアによる臭気が発生したりする。
そこで、アノード3に供給される液体中のアンモニア液濃度を取得するために、気液分離器18内の圧力Pを検出する圧力センサ41と、気液分離器18内におけるアンモニアガスの濃度を検出するアンモニアガス濃度センサ42と、燃料循環ライン7を流れる液体の温度を検出する温度センサ43とが設けられている。
そして、圧力センサ41により検出される圧力Pおよびアンモニアガス濃度センサ42により検出されるアンモニアガスの濃度Cgasから、気液分離器18内におけるアンモニアガスの分圧PNH3が演算され、この演算された分圧PNH3、温度センサ43により検出される温度およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、液濃度演算値Ccが演算される。
アンモニアガス濃度センサ42は、赤外線液体成分濃度計などの液濃度センサと比較して小型かつ安価である。また、気液分離器18内で分離される気体は、主として窒素ガスおよびアンモニアガスであるので、アンモニアガスは、アンモニアガス濃度センサ42により、液濃度センサによるアンモニア液濃度の検出の精度よりも高精度に検出することができる。
よって、システムサイズの大型化およびシステムコストの上昇を抑えながら、液体燃料中のアンモニア液濃度を精度よく取得することができる。
また、アンモニアガス濃度センサ42の出力が制御部45により取得されない期間には、燃料電池2で生成される窒素ガスの量である生成窒素量GN2、および気液分離器18から外部に排出されるアンモニアの量であるアンモニア排出量ENH3が演算される。そして、アンモニア生成量GNH3からアンモニア排出量ENH3が差し引かれ、その減算値から濃度変化量が求められて、この濃度変化量が前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ceに加えられることにより、液濃度推定値Ceが現在のアンモニア液濃度として取得される。
そのため、アンモニアガス濃度センサ42の出力が制御部45により取得されない期間においても、アンモニア液濃度を取得することができ、アンモニア液濃度に応じた適切なシステム制御を実行することができる。
また、アンモニアガス濃度センサ42の出力が制御部45により新たに取得されて、液濃度演算値Ccが新たに演算されると、液濃度演算値Ccと前回のアンモニア液濃度取得処理で演算された液濃度推定値Ceと偏差が求められ、その偏差が所定値以上であれば、液濃度推定値Ceを演算する際に用いられる定数αが補正される。その結果、液濃度推定値Ceの推定精度が向上するので、アンモニア液濃度をより精度よく取得することができる。
図4は、図2に示す制御部により実行されるアンモニアガス希釈処理のフローチャートである。
燃料電池システム1の運転中、制御部45により、図4に示すアンモニアガス希釈処理が予め定める周期で実行される。
アンモニアガス希釈処理では、まず、圧力センサ41、温度センサ43、電流センサ44および車速センサ52の出力が取得される(ステップS11)。
次に、直近のアンモニア液濃度取得処理で取得(演算)されたアンモニア液濃度(液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ce)をアンモニア液濃度Cliqとして、前記の演算式(4)に従って、アンモニアガスの分圧PNH3が演算される(ステップS12)。
なお、アンモニアガス希釈処理の開始時にアンモニアガス濃度センサ42の出力が取得された場合には、その出力が表すガス濃度測定値Cgasと圧力センサ41の出力が表す気液分離器18内の圧力Pとに基づいて、前記の演算式(3)に従って、アンモニアガスの分圧PNH3が演算されてもよい。
次いで、電流センサ44の出力が表す電流値Iおよび燃料電池2に備えられるセルの数Nに基づいて、前記の演算式(6)に従って、燃料電池2で生成される窒素ガスの量である生成窒素量GN2が演算される。そして、アンモニアガスの分圧PNH3および生成窒素量GN2に基づいて、前記の演算式(7)に従って、気液分離器18から外部に排出されるアンモニアの量であるアンモニア排出量ENH3が演算される(ステップS13)。
その後、気液分離器18からガス放出ライン19を通して外部に排出されるアンモニアガスを臭気が生じない程度に希釈するために必要な空気の量である希釈空気必要量Dairが演算される(ステップS14)。そのために、臭気を生じない程度のアンモニアガスの目標濃度Cdが設定されて、希釈空気必要量Dairは、その目標濃度Cd、アンモニア排出量ENH3および車速センサ52の出力が表す車速に応じた希釈係数K1に基づいて、演算式(8)に従って演算される。車速が大きいほど、自動車の走行により生じる風(走行風)が大きいので、希釈係数K1は、車速が大きいほど大きな値に設定される。
air[mol/min]=ENH3/Cd/K1 ・・・(8)
そして、希釈空気必要量Dairと圧力調節バルブ27の開度から取得されるカソード4からの排気量との大小が比較される(ステップS15)。
希釈空気必要量Dairが排気量以下であれば(ステップS15のNO)、アンモニアガス希釈処理は直ちに終了される。
希釈空気必要量Dairが排気量よりも大きい場合には(ステップS15のYES)、二次電池51のSOCが予め定められる閾値よりも大きいか否かが判断される(ステップS16)。
二次電池51のSOCが閾値よりも大きければ(ステップS16のYES)、自動車の駆動力を二次電池51からの放電により補うようにして、燃料循環ポンプ17の送液能力および圧力調節バルブ27の開度が下げられて、燃料電池2における発電量が低下(ダウン)される(ステップS17)。その結果、発電時の副次的反応により発生するアンモニアの量が抑制される。
燃料電池2における発電量を低下させた後、希釈空気必要量Dairと排気量との大小が再び比較される(ステップS18)。
希釈空気必要量Dairが排気量以下であれば(ステップS18のNO)、アンモニアガス希釈処理は直ちに終了される。
依然として、希釈空気必要量Dairが排気量よりも大きい場合には(ステップS18のYES)、エアコンプレッサ23の能力が上げられて、カソード4からの排気量が増大(アップ)される(ステップS19)。このとき、圧力調節バルブ27は、気体排出ライン26からの空気の排出を阻害しないような開度とされる。また、最初の希釈空気必要量Dairと排気量との大小比較(ステップS15)の後に、二次電池51のSOCが閾値以下であると判定された場合には(ステップS16のNO)、燃料電池2における発電量が低下されることなく、カソード4からの排気量が増大される(ステップS19)。
その後、希釈空気必要量Dairと排気量との大小が再び比較される(ステップS20)。
希釈空気必要量Dairが排気量以下であれば(ステップS20のNO)、アンモニアガス希釈処理は直ちに終了される。
依然として、希釈空気必要量Dairが排気量よりも大きい場合には(ステップS20のYES)、ガス放出バルブ20が閉じられて、気液分離器18からの排気が停止され(ステップS21)、アンモニアガス希釈処理が終了される。
このように、アンモニアガスの分圧PNH3および生成窒素量GN2に基づいて、気液分離器18から外部に排出されるアンモニアの量であるアンモニア排出量ENH3が演算される。次いで、臭気を生じない程度のアンモニアガスの目標濃度Cdが設定されて、その目標濃度Cd、アンモニア排出量ENH3および車速センサ52の出力が表す車速に応じた希釈係数K1に基づいて、気液分離器18からガス放出ライン19を通して外部に排出されるアンモニアガスを希釈するために必要な空気の量である希釈空気必要量Dairが演算される。
つづいて、その演算された希釈空気必要量Dairとカソード4からの排気量との大小が比較され、その比較結果に基づいて、アンモニアガスを高濃度に含む気体が排出されないように、圧力調節バルブ27およびガス放出バルブ20が制御される。
よって、アンモニアによる臭気の発生を良好に防止することができる。
図5は、図2に示す制御部により実行されるアンモニア濃度制御のフローチャートである。
燃料電池システム1の運転中、制御部45により、図4に示すアンモニア濃度制御が予め定める周期で実行される。
アンモニア濃度制御では、まず、圧力センサ41、温度センサ43、電流センサ44および車速センサ52の出力が取得される(ステップS31)。
次に、直近のアンモニア液濃度取得処理で取得(演算)されたアンモニア液濃度(液濃度演算値Ccまたは液濃度推定値Ce)が予め定める閾値よりも大きいか否かが判断される(ステップS32)。
アンモニア液濃度が閾値以下であれば(ステップS32のNO)、アンモニア濃度制御は直ちに終了される。
アンモニア液濃度が閾値よりも大きい場合には、そのアンモニア液濃度をアンモニア液濃度Cliqとして、燃料循環ライン7を流れる液体の流量Afおよび温度センサ43の出力が表す温度(燃料循環ライン7を流れる液体の温度)に基づいて、前記の演算式(5)に従って、燃料電池2におけるアンモニア生成量GNH3が演算される(ステップS33)。
次に、アンモニア液濃度Cliq、アンモニア生成量GNH3および燃料循環ライン7を流れる液体中に含まれることが許容される上限のアンモニア濃度(目標アンモニア液濃度)Cmaxに基づいて、演算式(9)に従って、アンモニア排出量の目標値Edが演算(設定)される(ステップS34)。
d[mol/min]=GNH3+K2/(Cmax−Cliq) ・・・(9)
K2:予め定められた係数
つづいて、車速が大きいほど、自動車の走行により生じる風(走行風)が大きく、気液分離器18から排出されるアンモニアガスが希釈されるので、これを考慮して、車速センサ52の出力が表す車速Vに応じて、演算式(10)に従って、目標値Edが目標値Ed’に補正される(ステップS35)。
d’[mol/min]=V×K3×Ed ・・・(10)
K3:予め定められた係数
その後、前記の演算式(4)に従って、アンモニアガスの分圧PNH3が演算される(ステップS36)。
なお、アンモニア濃度制御の開始時にアンモニアガス濃度センサ42の出力が取得された場合には、その出力が表すガス濃度測定値Cgasと圧力センサ41の出力が表す気液分離器18内の圧力Pとに基づいて、前記の演算式(3)に従って、アンモニアガスの分圧PNH3が演算されてもよい。
次いで、前記の演算式(6)に従って、生成窒素量GN2が演算され、さらに前記の演算式(7)に従って、気液分離器18から外部に排出されるアンモニアの量であるアンモニア排出量ENH3が演算される(ステップS37)。
そして、アンモニア排出量ENH3と目標値Ed’との大小が比較される(ステップS38)。
アンモニア排出量ENH3が目標値Ed’以上であれば、(ステップS38のNO)、燃料循環ライン7を流れる液体中のアンモニア濃度(アンモニア液濃度)を目標アンモニア液濃度Cmax以下に低減するのに十分なアンモニア排出量ENH3が確保されていると判断されて、アンモニア濃度制御は終了される。
アンモニア排出量ENH3が目標値Ed’未満である場合には(ステップS38のYES)、二次電池51のSOCが予め定められる閾値よりも大きいか否かが判断される(ステップS39)。
二次電池51のSOCが閾値よりも大きければ(ステップS39のYES)、自動車の駆動力を二次電池51からの放電により補うようにして、燃料循環ポンプ17の送液能力が上げられるなど、燃料電池2における発電量を低下(ダウン)させるための制御が行われた後(ステップS40)、アンモニア濃度制御は終了される。その結果、発電時の副次的反応により発生するアンモニアの量が抑制される。
二次電池51のSOCが閾値以下であれば(ステップS39のNO)、燃料循環ポンプ17の送液能力が下げられるなど、燃料電池2における発電量を増加(アップ)させるための制御が行われた後(ステップS41)、アンモニア濃度制御は終了される。燃料電池2における発電量が増加されると、燃料電池2のアノード3で生成される窒素ガスの量が増えるとともに、アノード3から排出されるアンモニアガスの量が増えるので、アンモニア液濃度が低下する。
このように、アンモニア排出量ENH3が目標値Ed’よりも大きい場合には、燃料電池2における発電量が低下されることにより、発電時の副次的反応により発生するアンモニアの量が抑制される。その結果、燃料循環ライン7を流れる液体におけるアンモニア液濃度を低減することができ、燃料電池2における発電性能の低下を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、燃料電池システム1が自動車に搭載された場合を例にとったが、燃料電池システム1は、自動車に限らず、自動車以外の車両、飛行機、宇宙ロケットなどに搭載されてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 アノード
4 カソード
7 燃料循環ライン(循環路)
9 一端
11 他端
18 気液分離器
20 ガス放出バルブ(バルブ)
23 エアコンプレッサ(空気流量調節器)
24 空気供給ライン(空気供給路)
26 気体排出ライン(排気路)
27 圧力調節バルブ
41 圧力センサ
42 アンモニアガス濃度センサ
43 温度センサ
45 制御部(分圧演算手段、アンモニア液濃度演算手段、アンモニア排出量演算手段、希釈空気必要量演算手段、制御手段)
52 車速センサ

Claims (2)

  1. アノードおよびカソードを有する燃料電池と、
    一端および他端が前記アノードに接続され、前記一端から前記アノードにヒドラジン類を含む液体燃料が流れ、前記アノードから排出される気体および液体が前記他端から前記一端に向けて流れる循環路と、
    前記循環路の途中部に介装され、前記循環路を流れる気体および液体を互いに分離して、当該分離された液体を前記循環路に流出させる気液分離器と、
    前記気液分離器内の圧力を検出する圧力センサと、
    前記気液分離器内におけるアンモニアガスの濃度を検出するアンモニアガス濃度センサと、
    前記循環路を流れる液体の温度を検出する温度センサと、
    前記圧力センサにより検出される圧力および前記アンモニアガス濃度センサにより検出されるアンモニアガスの濃度から、前記気液分離器内におけるアンモニアガスの分圧を演算する分圧演算手段と、
    前記分圧演算手段により演算された分圧、前記温度センサにより検出される温度およびアンモニアの蒸気圧−液濃度特性に基づいて、前記気液分離器内で分離された液体中のアンモニアの濃度を演算するアンモニア液濃度演算手段とを含む、燃料電池システム。
  2. 前記カソードに供給される空気が流れる空気供給路と、
    前記カソードから外部に排出される空気が流れる排気路と、
    前記カソードに供給される空気の流量を調節するための空気流量調節器と、
    前記気液分離器内で分離された気体を外部に排出およびその排出を停止するために開閉されるバルブと、
    当該燃料電池システムが搭載される車両の走行速度を検出する車速センサと、
    前記分圧演算手段により演算されるアンモニアガスの分圧に基づいて、前記気液分離器内から外部に排出される気体中のアンモニアの量を演算するアンモニア排出量演算手段と、
    前記車速センサにより検出される車両の走行速度および前記アンモニア排出量演算手段により演算されたアンモニアの量に基づいて、前記気液分離器内から排出される気体中のアンモニアガスを希釈するために必要な空気の量である希釈空気必要量を演算する希釈空気必要量演算手段と、
    前記排気路を流通する空気の流量と前記希釈空気必要量演算手段により演算される希釈空気必要量とを比較し、その比較結果に基づいて、前記空気流量調節器および前記バルブの開閉を制御する制御手段とをさらに含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
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