JP2011216324A - 触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスリークを防ぐことができ、それにより電池特性の低下及び電解質膜の破損を防ぐことのできる触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体は、固体高分子電解質膜2の外周縁部21を除く両面に触媒層3が形成された触媒層−電解質膜積層体と、前記触媒層−電解質膜積層体の少なくとも一方面に接着された枠状のエッジシール4とを備え、前記エッジシールは、接着層44及び無機薄膜層43を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質の両面に電極が配置され、水素と酸素の電気化学反応により発電する電池であり、発電時に発生するのは水のみである。このように、燃料電池は従来の内燃機関と異なり、二酸化炭素等の環境負荷ガスを発生しないために次世代のクリーンエネルギーシステムとして普及が見込まれている。その中でも特に固体高分子形燃料電池は、作動温度が低く、電解質の抵抗が少ないことに加え、活性の高い触媒を用いるため小型でも高出力を得ることができ、家庭用コージェネレーションシステム等として早期の実用化が見込まれている。
この固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を用い、当該電解質膜の両面に触媒層及びガス拡散層を順に積層している。そして、この触媒層及びガス拡散層からなる電極の周囲を囲むようにガスケットを配置し、さらにこれをセパレータで挟んだ構造を有している。
しかし、ガスケットの材質としては、例えば、特許文献1に記載されるように、シリコーンゴム等が使用されるが、燃料電池の運転条件として高温、加湿下であるため、ガスがリークし、電池特性が低下していた。
このため、ガスリークを防ぐことができ、それにより電池特性を低下させることのない触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池が求められている。
特開平6−96783号公報
本発明は、ガスリークを防ぐことができ、それにより電池特性の低下及び電解質膜の破損を防ぐことのできる触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備える膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、固体高分子電解質膜の外周縁部を除く両面に触媒層が形成された触媒層−電解質膜積層体と、前記触媒層−電解質膜積層体の少なくとも一方面に接着された枠状のエッジシールとを備える固体高分子形燃料電池において、エッジシールが、接着層及び無機薄膜層を有していることにより、ガスリークを防ぐことができ、それにより電池特性を低下させることのないエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備えるエッジシール付き膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記項1〜10に示すエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備えるエッジシール付き膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供する。
項1.固体高分子電解質膜の外周縁部を除く両面に触媒層が形成された触媒層−電解質膜積層体と、前記触媒層−電解質膜積層体の少なくとも一方面に接着された枠状のエッジシールとを備え、
前記エッジシールは、接着層及び無機薄膜層を有している、
エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項2.前記無機薄膜層が無機酸化物層又は金属層である、項1に記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項3.前記無機薄膜層がケイ素酸化物層である、項1又は2に記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項4.前記無機薄膜層が絶縁被膜で覆われている、項1〜3のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項5.前記無機薄膜層が乾式めっき皮膜である、項1〜4のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項6.前記エッジシールは、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が、23℃湿度50%RHの条件下で5.0×10cc/m・24hr・atm以下であり、JIS K7129Bにより測定される水蒸気透過度が10g/m・day以下である、項1〜5のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項7.前記エッジシールは、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が、23℃湿度50%RHの条件下で4.5×10cc/m・24hr・atm以下であり、JIS K7129Bにより測定される水蒸気透過度が5g/m・day以下である、項1〜6のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項8.前記触媒層−電解質膜積層体の両面に、最表面に接着層を有し、前記触媒層−電解質膜積層体よりも一回り大きく形成された枠状のエッジシールが設置され、
前記電解質膜よりも外側に位置するエッジシールの外周縁部同士が接着している、項1〜7のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
項9.項1〜8のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体と、
前記エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体のエッジシールの開口部の触媒層上に設置されたガス拡散層とを備える、
エッジシール付き膜−電極接合体。
項10.項9に記載のエッジシール付き膜−電極接合体と、
前記触媒層及びガス拡散層からなる各電極の周囲を囲むように前記各エッジシール上にそれぞれ設置されたガスケットと、
前記各電極及びガスケット上にそれぞれ設置され、前記ガス拡散層と対向する領域にガス流路が形成されたセパレータとを備える、固体高分子形燃料電池。
本発明のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体は、上記課題を解決するためになされたものであり、固体高分子電解質膜と、前記電解質膜の外周縁部を除いた両面にそれぞれ形成された触媒層と、前記電解質膜及び触媒層からなる触媒層−電解質膜積層体の少なくとも一方面に接着された、中央に開口部を有する枠状のエッジシールと、を備え、前記エッジシールは、接着層及び無機薄膜層を有している。
このように構成されたエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体は、通常、固体高分子形燃料電池に使用される。固体高分子形燃料電池に使用する場合は、エッジシールの開口部から露出された触媒層上にガス拡散層を形成することで、触媒層及びガス拡散層からなる電極を構成する。そして、電極の周囲を囲むようにエッジシール上にガスケットを配置する。本発明の固体高分子形燃料電池は、高いガスバリア性を有するエッジシールを有しており、従来問題となっていたエッジシールを介したガスリークを低減することができる。その結果、発電性能の低下を防ぐことができる。
上記エッジシール付き電解質膜−触媒層接合体は、接着層及び無機薄膜層を有していればよく、種々の構成をとることができる。例えば、接着層に直接無機薄膜層を形成してもよいし、基材上に無機薄膜層を形成し、その後接着層と積層させてもよい。このように、エッジシールを、接着層及び無機薄膜層を有するように構成することで、外部へのガス漏れを確実に防止できる。具体的には、本発明では、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が23℃湿度50%RHの条件下で5.0×10cc/m・24hr・atm以下程度、好ましくは4.5×10cc/m・24hr・atm以下程度(下限値は特に設定されないが、通常1.0cc/m・24hr・atm程度である)、JIS K7129Bにより測定される水蒸気透過度を10g/m・day以下程度、好ましくは5g/m・day以下程度(下限値は特に設定されないが、通常1.0×10−2g/m・day程度であり、望ましくは1.0×10−6g/m・day程度である)のエッジシールを形成することができる。また、該エッジシールは、特に限定されないが、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が23℃湿度0%RHの条件下で3.0×10cc/m・24hr・atm以下程度、好ましくは2.0×10cc/m・24hr・atm以下程度(下限値は特に設定されないが、通常1.0cc/m・24hr・atm程度である)のものである。
なお、上記エッジシールは、電解質膜よりも一回り大きく形成されており、電解質膜よりも外側に位置する外周縁部同士が接着していることが好ましい。従来は、ガスケットを設置するために、電極よりもある程度大きい電解質膜を使用し、電極が形成されていない電解質膜の外周縁部にガスケットを設置していた。これに対して、電解質膜よりも一回り大きいエッジシールを使用することによって、このエッジシールにガスケットを設置することができる。この結果、高価な材質が使用される電解質膜を小さくすることができ、コストを低減することができる。
また、本発明のエッジシール付き膜−電極接合体は、上記いずれかの補強シート付き触媒層−電解質膜接合体と、前記エッジシールの開口部内であって、前記各触媒層上に形成されたガス拡散層とを備えている。
また、本発明の固体高分子形燃料電池は、上記エッジシール付き膜−電極接合体と、前記触媒層及びガス拡散層からなる各電極の周囲を囲むように前記各エッジシール上にそれぞれ設置されたガスケットと、前記各電極及びガスケット上にそれぞれ設置されたセパレータとを備えている。
このように構成された本発明の固体高分子形燃料電池は、まず、触媒層が形成されていない電解質膜の外周縁部にエッジシールが配置されているので、このエッジシールによって電解質膜の外周縁部が拘束され、膨張・収縮が抑制され、ひいては膨張収縮の繰り返しによって生じる電解質膜の破損を防止することができる。また、ガス拡散層はエッジシールの開口部内に形成されており、ガス拡散層上にはエッジシールは載置されていない。したがって、ガス拡散層上は段差が無い平坦な面を形成しており、ガス拡散層上に設置されたセパレータは、ガス拡散層と均一に接触し、集電効率が低下するという問題が生じることがない。
本発明によれば、ガスリークを防ぐことができ、それにより電池特性の低下及び電解質膜の破損を防ぐことのできるエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体、並びにこれを備えるエッジシール付き膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池を提供することができる。
本発明の固体高分子形燃料電池の実施形態を示す正面断面図である。 本発明のエッジシール付き膜−電極接合体の実施形態を示す平面図である。 本発明のエッジシール付き膜−電極接合体の実施形態を示す拡大正面断面図である。 接着層44/無機薄膜層43の無機薄膜層43に絶縁被膜47を形成した構成を有するエッジシールの1実施形態を表す模式断面図である。 本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法を示す説明図である。 本発明のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体、エッジシール付き膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態の固体高分子形燃料電池の正面断面図、図2は本実施形態の固体高分子形燃料電池の平面図、図3は、本発明のエッジシール付き膜−電極接合体の外周縁部の詳細を示す拡大正面断面図である。
図1及び図2に示すように、固体高分子形燃料電池1は、平面視矩形状の固体高分子電解質膜2を備えており、固体高分子電解質膜2の上面及び下面に、固体高分子電解質膜2よりも一回り小さい平面視矩形状の触媒層3が形成されている。この固体高分子電解質膜2の両面に触媒層3が形成されたものを触媒層−電解質膜積層体10という。このように、触媒層3は固体高分子電解質膜2よりも一回り小さく形成されているため、固体高分子電解質膜2の外周縁部21上には触媒層3が形成されていない。なお、固体高分子電解質膜2の外周縁から触媒層3の外周縁までの距離C(図3参照)は、0.1〜5mmであることが好ましい。
そして、この触媒層−電解質膜積層体10の上面及び下面に、中央に開口部41を有する枠状のエッジシール4がそれぞれ接着されている。
エッジシール4が触媒層−電解質膜積層体10に接着された状態では、触媒層3がその外周縁部31を除いてエッジシール4の開口部41から露出しているとともに、触媒層3の外周縁部31と電解質2の外周縁部21上にエッジシール4を有している。なお、触媒層3の外周縁からエッジシール4の内周縁までの距離B(図3参照)は、1〜10mmとすることが好ましい。また、本実施形態では、エッジシール4は、電解質膜2よりも一回り大きく形成されている。この場合、電解質膜2の外側で、電解質膜2からはみ出た各エッジシール4の外周縁部45同士が接触している。この際、エッジシール4の触媒層−電解質膜積層体10側の最表面を接着層とすれば、各エッジシール4と触媒層−電解質膜積層体10とを接着させるとともに、エッジシール4同士を接着させることもできる。ここで、エッジシール4の外周縁から電解質膜2の外周縁までの距離D(図3参照)は1〜100mmであることが好ましい。なお、このように、触媒層−電解質膜積層体10にエッジシール4が接着されたものが、本発明のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体に相当する。
エッジシール4の開口部41から露出している触媒層3上に平面視矩形状のガス拡散層5が形成されている。このガス拡散層5の外周縁からエッジシール4の内周縁までの距離A(図3参照)は、0〜5mmであることが好ましい。このように、触媒層3上にガス拡散層5が形成されて電極Eを構成しており、電解質膜2の両面に電極Eが形成されたものを膜−電極接合体20という。なお、本実施形態のように、膜−電極接合体20にエッジシール4が設置されているものが、本発明のエッジシール付き膜−電極接合体に相当する。
そして、本発明の固体高分子形燃料電池では、電極Eの周囲を囲むように枠状のガスケット6が設置されているとともに、電極E及びガスケット6上にセパレータ7が設置されている。セパレータ7には、ガス拡散層5と対向する領域にガス流路71が形成されている。
次に、上記のように構成された本発明の固体高分子形燃料電池1の各構成要素について説明する。
<固体高分子電解質膜2>
固体高分子電解質膜2は、公知又は市販のものを使用することができるが、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗工し、乾燥することによっても製造することができる。水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5〜60重量%程度、好ましくは20〜40重量%程度である。なお、電解質膜の膜厚は通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。
固体高分子電解質膜2としては、上記の水素イオン伝導性高分子電解質膜以外にも、アニオン導電性固体高分子電解質膜、液状物質含浸膜等も挙げられる。アニオン導電性固体高分子電解質膜としては、例えば、炭化水素系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。その具体例は、炭化水素系樹脂としては、例えば、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)A201、211又は221、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1又はAHA等が挙げられ、フッ素系樹脂としては、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34等が挙げられる。また、液状物質含浸膜としては、例えば、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等が挙げられる。
<触媒層3>
触媒層3は、公知又は市販の白金含有の触媒層(カソード触媒及びアノード触媒)である。具体的には、触媒層3は、(1)触媒粒子を担持させた炭素粒子及び(2)水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。
触媒粒子としては、例えば、白金、白金合金、白金化合物等が挙げられる。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、カソード触媒層に含まれる触媒粒子は白金であり、アノード触媒層に含まれる触媒粒子は前記金属と白金との合金である。また、水素イオン伝導性高分子電解質としては、上述した電解質膜に使用されるものと同じ材料を使用することができる。
炭素粒子は、導電性を有しているものであれば限定的ではなく、公知又は市販のものを広く使用できる。例えば、カーボンブラック、黒鉛、活性炭等を1種又は2種以上で用いることができる。カーボンブラックの具体例としては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を挙げることができる。炭素粒子の算術平均粒子径は、通常5〜200nm程度、好ましくは20〜80nm程度である。この炭素粒子の算術平均粒子径は、例えば、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定できる。
なお、触媒層3の膜厚は、通常5〜200μm程度、好ましくは2〜20μm程度とすればよい。
<エッジシール4>
エッジシール4は、接着層44及び無機薄膜層43を有しており、無機薄膜層は、水蒸気、水、燃料ガス及び酸化剤ガスに対するバリア性を有する。また、接着層44は、触媒層−電解質膜積層体10と接着するものである。なお、無機薄膜層43は、接着層44上に直接形成してもよいし、基材42上に形成してから、接着層44と積層させてもよい。
接着層44
接着層44を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂が好ましく使用でき、例えば、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、綿状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。また、これらを変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、シラン変性ポリオレフィン系樹脂等も使用できる。これらのなかでも、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリプロピレン又はポリエチレンを使用することが、絶縁性及び耐熱性の点で好ましい。なお、接着層44の膜厚は、1〜500μm程度、好ましくは15〜100μm程度とすることが好ましい。
無機薄膜層43
無機薄膜層43としては、無機酸化物層及び金属層のいずれでもよい。また、無機酸化物及び金属以外にも、MgF等からなる層も採用することもできる。
無機酸化物層に使用される無機酸化物としては、特に制限されるものではなく、例えば、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物等が挙げられる。なかでも、安価で量産性がある点から、ケイ素酸化物が好ましい。
ケイ素酸化物は、一般的にSiOx(0≦x≦2)で表されるものであり、本発明では、無機薄膜層43としてケイ素酸化物層を使用する場合には、実質的にケイ素酸化物のみからなることが好ましい。この際、ケイ素酸化物層は、酸化ケイ素を主体とし、酸化ケイ素以外に、炭素、水素、ケイ素及び酸素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素からなる化合物を少なくとも1種類含む連続膜であってもよい。xの値は限定的ではないが、その平均値は、好ましくは0.8〜2.0、より好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.2〜2.0とすればよい。この範囲とすることにより、高いガスバリア性が得られる。なお、ケイ素酸化物の薄膜中の酸化度合い(x値)は、光電子分光装置(ESCA)等により測定できる。
また、金属層に使用される金属としても、特に制限されるものではなく、例えば、アルミニウム、亜鉛、金、銀、白金、ニッケル等が挙げられる。
無機薄膜層43の厚みは限定的でないが、通常2〜200nm程度、好ましくは5〜50nm程度とすればよい。この範囲とすることにより、無機薄膜層を均一に形成できる。
無機薄膜層43は、乾式めっき法及び湿式めっき法のいずれでも形成できる。乾式めっき法としては、例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)等が挙げられ、一方、湿式めっき法としては、無電解めっきが使用される。なかでも、乾式めっき法が好ましく、なかでも、化学気相成長法(CVD)が好ましい。化学気相成長法(特にプラズマ化学気相成長法)により、緻密性が高く、高いガスバリア性が得られるといったメリットがある。
本発明では、短絡を防止する目的で、無機薄膜層43(特に無機薄膜層が金属層であるとき)は絶縁被膜47で覆ってもよい。この際覆われる絶縁被膜47の材質としては、例えば、有機材料として、アクリル樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また無機材料として、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物等の無機酸化物等も挙げられる。なお、無機薄膜層43を絶縁被膜47で覆う方法としては、例えば、有機材料の場合、樹脂溶液をコーティングや樹脂フィルム貼り合わせ、無機酸化物材料の真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)等が挙げられる。なお無機薄膜層43として無機酸化物を使用する場合には、短絡が発生し難いため絶縁被膜47で覆う必要が無い場合があり、エッジシールの製造が簡便となる点で好ましい。
基材42
基材42の材質としてはポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルテンペン、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、セロハン、ナイロン等を好ましく使用することができる。なお、ポリエステルは、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等を挙げることができる。なお、この基材42の膜厚は、5〜50μm程度とすることが好ましい。
層構成
図1では、説明を簡便にするため、基材42、無機薄膜層43及び接着層44がこの順に積層されてなるエッジシール4を記載しているが、これのみに限定されることはなく、多種多様の構成が使用できる。
具体的な層構成としては、例えば、接着層44/無機薄膜層43、接着層44/基材42/無機薄膜層43、接着層44/無機薄膜層43/基材42、無機薄膜層43/接着層44/基材42、接着層44/無機薄膜層43/基材42/無機薄膜層43、無機薄膜層43/接着層44/無機薄膜層43/基材42、無機薄膜層43/接着層44/基材42/無機薄膜層43等が挙げられる。また、絶縁被膜47を設ける場合、特に無機薄膜層が金属層であるときに絶縁被膜47を設ける構成としては、上記の構成に加えてさらに、少なくとも無機薄膜層の露出面をなくすように無機薄膜層の上面及び側面に絶縁被膜47を設けてやればよいが、例えば、図4に示すように、接着層よりも小さい金属薄膜を設けその上に完全に金属薄膜を覆うように絶縁膜を設ければよい。
<ガス拡散層5>
ガス拡散層5としては、公知であり、燃料極又は空気極を構成する各種のガス拡散層を使用でき、燃料である燃料ガス及び酸化剤ガスを効率よく触媒層3に供給するため、多孔質の導電性基材からなっている。多孔質の導電性基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。
<ガスケット6>
ガスケット6としては、熱プレスに耐えうる強度を保ち、かつ、外部に燃料及び酸化剤を漏出しない程度のガスバリア性を有しているものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートシート、テフロン(登録商標)シート、シリコーンゴムシート等を例示することができる。
<セパレータ7>
セパレータ7としては、公知であり、燃料電池内の環境においても安定な導電性板であればよく、一般的には、カーボン板にガス流路71を形成したものが用いられる。また、セパレータ7をステンレス等の金属により構成し、金属の表面にクロム、白金族金属又はその酸化物、導電性ポリマー等の導電性材料からなる被膜を形成したものや、同様にセパレータを金属によって構成し、該金属の表面に銀、白金族の複合酸化物、窒化クロム等の材料によるめっき処理を施したもの等も使用可能である。
次に上述した固体高分子形燃料電池1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態の固体高分子形燃料電池1の製造方法を示す説明図である。
図5に示すように、上述した材料からなる固体高分子電解質膜2を準備し、この固体高分子電解質膜2の両面に触媒転写フィルム8を重ねて配置する。
ここで触媒転写フィルム8とは、転写される触媒層3が転写用基材81に形成されたものである。
この触媒転写フィルム8の製造方法について説明すると、まず、上述した触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を適当な溶剤に混合、分散して触媒ペーストを作製する。そして、形成される触媒層3が所望の膜厚になるように触媒ペーストを公知の方法に従い、必要に応じて離型層を介して転写用基材81上に塗工する。このとき、触媒層3が、電解質膜2よりも一回り小さい形状となるように、触媒ペーストを転写用基材81に塗工する。触媒ペーストの塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレーコーティング、ダイコーティング、ナイフコーティング等の公知の塗工方法を挙げることができる。また、上記の溶剤としては、各種アルコール類、各種エーテル類、各種ジアルキルスルホキシド類、水又はこれらの混合物等が挙げられ、これらの中でもアルコール類が好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール、各種の多価アルコール等が挙げられる。
転写用基材81としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを挙げることができる。また、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐熱性フッ素樹脂を用いることもできる。さらに転写用基材81は、高分子フィルム以外にも、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、ノート用紙、コピー用紙等の非塗工紙であっても良い。
転写用基材81の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から通常6〜100μm程度、好ましくは10〜30μm程度程度とするのがよい。従って、転写用基材81としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。
そして、触媒層形成用ペースト組成物を塗工した後、所定の温度及び時間で乾燥することにより転写用基材81上に触媒層3が形成される。乾燥温度は、通常40〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは10分〜1時間程度である。
図5に戻って、固体高分子形燃料電池の製造方法について説明を続ける。上述したように作製した触媒転写フィルム8を触媒層3が固体高分子電解質膜2に対面するように配置し(図5(a))、触媒転写フィルム8の背面側から加熱プレスを施して触媒層3を固体高分子電解質膜2に転写させて、触媒転写フィルム8の転写用基材81を剥離する(図5(b))。作業性を考慮すると、触媒層3を固体高分子電解質膜2の両面に同時に積層することが好ましいが、片面ずつ触媒層3を形成することもできる。
加熱プレスの加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜20MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、固体高分子電解質膜2の破損、変形等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは150℃以下がよい。このように固体高分子電解質膜2の両面に触媒層3を形成することで、触媒層−電解質膜積層体10が形成される。このとき、触媒層3は、固体高分子電解質膜2よりも一回り小さいため、固体高分子電解質膜2の外周縁部21は露出された状態となっている。
次に、このようにして形成された触媒層−電解質膜積層体10に、エッジシール4を取り付ける(図5(c))。
このエッジシール4の製造方法について説明すると、まず、上述した材料からなるシート状の基材42を準備する。この基材42の上に、無機薄膜層43を形成する。基材42上に、無機薄膜層43を形成する方法は、上述した方法を採用できる。そして、上述した接着層44の材料を溶融した状態にし、これに上述した材料を溶融した状態にし、この接着層44の材料を溶融押し出し法によって基材42上に押し出し、接着層44を無機薄膜層43上に形成することで、エッジシール4を作製する。
以上のように作製したエッジシール4を触媒層−電解質膜積層体10に接合させる(図5(c))。この工程について図6を参照しつつ詳細に説明する。上述した材料からなる2枚のエッジシール4を接着層44同士が向き合うように重ねて、1辺を残した残り3辺を互いに接着させる。これによって、2枚のエッジシール4は、コ字状に接着部が形成されるとともに、左側の一辺が開口している袋体となる(図6(a))。なお、接着方法は種々の公知の方法を採用することができ、例えば、高周波溶着、熱風式溶着、熱板式溶着、インパルス式溶着、コテ式溶着、超音波溶着、熱硬化接着、UV硬化接着等によって接着させることができる。
エッジシール4によって袋体を形成すると、次に、この袋体を構成する各エッジシール4の中央部に易除去領域46を形成する(図6(b))。易除去領域46の大きさは、触媒層3の外周縁部31を除いた部分とほぼ同じとする。なお、この易除去領域46とは、容易に取り除ける領域のことをいい、例えば、その外周縁にミシン目を入れることや、一部だけ残して切込みを入れること等によって形成することができる。このように易除去領域46が形成された袋体に、その接着されていない左側から、触媒層−電解質膜積層体10を挿入して所定位置まで移動させる(図6(c))。この所定位置とは、触媒層−電解質膜積層体10の触媒層3の外周縁部31を除いた部分が易除去領域46に対向している位置のことをいう。
触媒層−電解質膜積層体10を所定位置まで移動させた後、易除去領域46の外周縁のミシン目を切断して易除去領域46を各エッジシール4から取り外すことで、各エッジシール4の中央部に開口部41が形成される(図6(d))。このように易除去領域46が各エッジシール4から取り外されて開口部41が形成されると、触媒層−電解質膜積層体10の触媒層3が外周縁部31を除いて各開口部41から露出した状態となる。そして、この状態でエッジシール4の接着されていなかった残りの部分を公知の方法で接着させることで、エッジシール4の接着層44は、触媒層−電解質膜積層体10の触媒層3の外周縁部31や、固体高分子電解質膜2の外周縁部21に接着するとともに、エッジシール4同士でも接着する。以上の工程によって、エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体が完成する(図6(e)、図5(c))。
図5に戻って、固体高分子形燃料電池1の製造方法の説明を続ける。上述したエッジシール4の開口部41から露出している触媒層3上に、ガス拡散層5を熱圧着により積層形成して、エッジシール付き膜−電極接合体が完成する(図5(d))。そして、触媒層3及びガス拡散層5からなる電極Eの周囲を囲むようにエッジシール4上にガスケット6を配置する。そして、セパレータ7を、ガス流路71がガス拡散層5と対向するように、ガス拡散層5及びガスケット6上に配置して、ガス拡散層5とセパレータ7とが電気的に接続するようにセパレータ7で該膜−電極接合体を挟持することによって、固体高分子形燃料電池1が完成する(図5(e))。
以上のように、本実施形態では、エッジシール4の部分でガスリークを防ぐため、その結果、電池特性の低下を防ぐことができる。
以上、本発明の1実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、エッジシール4を一旦、袋体にして、触媒層−電解質膜積層体10を挿入するという製造方法を採用しているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、触媒層−電解質膜積層体10の両面に、予め開口部41が形成されたエッジシール4を、接着層44が触媒層−電解質膜積層体10を向くようにそれぞれ配置し、公知の接着方法等によって触媒層−電解質膜積層体10の両面にエッジシール4を接着させて、エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体を作製することもできる。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、エッジシール4は、基材42、無機薄膜層43及び接着層44の3層から構成されているが、上述した他の構成を採用してもよい。
上記実施形態では、エッジシール4は、触媒層−電解質膜積層体10よりも一回り大きく形成し、エッジシール4同士が接着しているが、これに限定されることはなく、例えば、エッジシール4は、触媒層−電解質膜積層体10と同じ大きさとしてもよい。
また、上記実施形態では、エッジシール4の、触媒層−電解質膜積層体10側の表面を接着層44としたが、特にこれに限定されることはない。
さらに、上記実施形態では、固体高分子形燃料電池1を構成する電解質膜2、触媒層3、ガス拡散層5等全て平面視矩形状として説明したが、特に形状は限定されるものではなく、例えば平面視円形状とすることもできる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
固体高分子電解質膜2は、63×63mmの大きさに切断された膜厚53μmのNRE212CS(Dupon社製)を使用した。
次に、触媒転写フィルム8を次の要領で作製した。まず、白金触媒担持カーボン(白金担持量:45.7wt%、田中貴金属工業(株)製、TEC10E50E)2gに、1−ブタノール10g、3−ブタノール10g、フッ素樹脂(5wt%ナフィオンバインダー、デュポン社製)20g及び水6gを加え、これらを分散機にて攪拌混合することにより、触媒形成用ペースト組成物を調製した。次に、該ペーストをポリエステルフィルム(東レ(株)製、X44、厚さ25μm)に触媒層乾燥後の白金重量が0.4mg/cmとなるように塗工し、触媒転写フィルム8を作製した。
以上のように作製した触媒転写フィルム8を60×60mmの大きさに切断し、固体高分子電解質膜2の両面それぞれが固体高分子電解質膜2側を向くように中心を合わせて配置した。次に、135℃、5.0MPa、150秒の条件で熱プレスすることで、固体高分子電解質膜2の両面に触媒層3を形成し、触媒層−電解質膜積層体10を作製した。なお、触媒層3の厚さは20μmである。
続いて、エッジシール4を作製した。エッジシール4の基材42として、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(帝人(株)製、テオネックス、厚さ12μm)を使用した。このポリエチレンナフタレート上に、下記の条件で、プラズマCVD法にて、基材42の一方面にケイ素酸化物層43(厚さ:10nm)を形成した。
成膜機器 巻き取り式プラズマCVD装置
成膜圧力 3.0×10−2mBar
導入ガス ヘキサメチルジシロキサン:アルゴン:酸素=0.9:0.9:3.0(単位slm)
印加電力 AC40kHz、8kW
巻き取り速度 150m/分
真空チャンバー内の真空度 2〜6×10−6mBar
蒸着チャンバー内の真空度 2〜5×10−3mBar
溶融押出し法により、不飽和カルボン酸グラフト変性ポリプロピレンを30μmの厚さで押し出し、接着層44を形成した。このエッジシール4について、水素のガス透過度はJIS K7126により測定したところ、23℃湿度0%RHの条件下で1.221×10cc/m・24hr・atm、23℃50%RH下で4.326×10cc/m・24hr・atm、水蒸気の透過度は、JIS K7129Bにより測定したところ2.43g/m・dayであった。このエッジシール4を80×80mmの大きさに切断し、その中央部に50×50mmの大きさの開口部41を形成した。そして、エッジシール4を触媒層−電解質膜積層体10の両面に中心を合わせて配置し、130℃、1.0MPa、30秒の条件で熱プレスすることでエッジシール4を触媒層−電解質膜積層体10に接着し、エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体を作製した。
さらに続いて、開口部41から露出している触媒層3上に、ガス拡散層5として、49×49mmの大きさに切断されたカーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−090、厚さ280μm)を積層し、エッジシール付き膜−電極接合体20を形成した。
(比較例1)
エッジシール4が設置されていない点以外は、上述した実施例1と同一の材料及び製造方法で、エッジシール付き膜−電極接合体20を作製した。
(評価方法)
実施例1のエッジシール付き膜−電極接合体及び比較例1の膜−電極接合体について、ガスケット6及びセパレータ7を設置して固体高分子形燃料電池をそれぞれ作製し、負荷変動サイクル試験を実施した。このときの測定条件は、セル温度80℃、燃料利用率50%、酸化剤利用率20%とした。リーク電流量を測定した結果、実施例1の燃料電池セルのリーク電流量は1mA/cm以下に対し、比較例1の燃料電池セルのリーク電流量は1.5mA/cm以上で、電解質膜の破損によるガスリークが認められた。
このように、実施例1の固体高分子形燃料電池では、ガスリークの改善が認められることから、本発明のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体を用いて固体高分子形燃料電池を作製すると電解質膜破損の問題が解決されたことがわかる。
1 固体高分子形燃料電池
2 固体高分子電解質膜
21 外周縁部
3 触媒層
31 外周縁部
4 エッジシール
41 開口部
42 基材
43 無機薄膜層
44 接着層
45 外周縁部
46 易除去領域
47 絶縁被膜
5 ガス拡散層
6 ガスケット
7 セパレータ
71 ガス流路
8 触媒転写フィルム
81 転写用基材
10 触媒層−電解質膜積層体
20 膜−電極接合体
A ガス拡散層の外周縁からエッジシールの内周縁までの距離
B 触媒層の外周縁からエッジシールの内周縁までの距離
C 固体高分子電解質膜の外周縁から触媒層の外周縁までの距離
D エッジシールの外周縁から電解質膜の外周縁までの距離
E 電極

Claims (10)

  1. 固体高分子電解質膜の外周縁部を除く両面に触媒層が形成された触媒層−電解質膜積層体と、前記触媒層−電解質膜積層体の少なくとも一方面に接着された枠状のエッジシールとを備え、
    前記エッジシールは、接着層及び無機薄膜層を有している、
    エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  2. 前記無機薄膜層が無機酸化物層又は金属層である、請求項1に記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  3. 前記無機薄膜層がケイ素酸化物層である、請求項1又は2に記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  4. 前記無機薄膜層が絶縁被膜で覆われている、請求項1〜3のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  5. 前記無機薄膜層が乾式めっき皮膜である、請求項1〜4のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  6. 前記エッジシールは、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が、23℃湿度50%RHの条件下で5.0×10cc/m・24hr・atm以下であり、JIS K7129Bにより測定される水蒸気透過度が10g/m・day以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  7. 前記エッジシールは、JIS K7126により測定される水素ガス透過度が、23℃湿度50%RHの条件下で4.5×10cc/m・24hr・atm以下であり、JIS K7129Bにより測定される水蒸気透過度が5g/m・day以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  8. 前記触媒層−電解質膜積層体の両面に、最表面に接着層を有し、前記触媒層−電解質膜積層体よりも一回り大きく形成された枠状のエッジシールが設置され、
    前記電解質膜よりも外側に位置するエッジシールの外周縁部同士が接着している、請求項1〜7のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のエッジシール付き触媒層−電解質膜積層体と、
    前記エッジシール付き触媒層−電解質膜積層体のエッジシールの開口部の触媒層上に設置されたガス拡散層とを備える、
    エッジシール付き膜−電極接合体。
  10. 請求項9に記載のエッジシール付き膜−電極接合体と、
    前記触媒層及びガス拡散層からなる各電極の周囲を囲むように前記各エッジシール上にそれぞれ設置されたガスケットと、
    前記各電極及びガスケット上にそれぞれ設置され、前記ガス拡散層と対向する領域にガス流路が形成されたセパレータとを備える、固体高分子形燃料電池。
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