JP2011214445A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボチャージャとスーパーチャージャとを備えた過給内燃機関において、燃費改善の観点から総合的に優れた構成を備えた内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】低中速域つまり常用域における運転領域でターボチャージャ40を用いて過給を行うことで、スーパーチャージャを用いる場合に生ずる駆動ロス発生を回避し、燃費悪化を抑制することができる。一方、高速域は、スーパーチャージャ46で過給を行うことで、ターボチャージャ40は小型で済ませることができ、大型のターボチャージャを用いる場合に問題となるレスポンス悪化を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば、特開平2−55832号公報に開示されているように、複数の過給機を備える過給内燃機関が知られている。上記従来の内燃機関は、ターボチャージャとスーパーチャージャとを備えている。このような2つの過給機を備える内燃機関において、機関回転数と負荷に基づきスーパーチャージャのON/OFFをコントロールし、所定の加速時においてはスーパーチャージャの使用領域(ON領域)を拡大している。これにより、加速時における一層高い機関回転数のもとでスーパーチャージャを駆動させることで、良好な加速性能の実現を図っている。
特開平2−55832号公報 特開2003−129852号公報
スーパーチャージャとターボチャージャは、それぞれの構造に起因するメリットとデメリットを有している。これらを併用する内燃機関においては、2種類の過給機をどのように使い分けるかが重要な事項の1つとなる。
ターボチャージャは、排気エネルギが低い領域では、過給性能が低い。このため、このような低排気エネルギ域ではスーパーチャージャで過給を行うという考え方がある。すなわち、低速域では機械駆動式スーパーチャージャにより過給を行い、中高速域ではターボチャージャで過給を行うように役割分担をしたシステムが考えられる。しかし、スーパーチャージャを使用する際には、駆動力のロスが発生する。この駆動力のロスは、結果的に燃費の悪化を招く。低速域から中速域が常用域に相当するのが普通であることも考えると、上記の役割分担ではスーパーチャージャの駆動ロスを大きく受けてしまい、燃費悪化を一層増幅させてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ターボチャージャとスーパーチャージャとを備えた過給内燃機関において、燃費改善の観点から総合的に優れた構成を備えた内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の過給を行うターボチャージャと、
前記内燃機関の過給を行う、吐出空気量が前記ターボチャージャと比べて大きなスーパーチャージャと、
前記内燃機関が所定の第1運転領域にあるときに前記ターボチャージャによる過給を行い、前記内燃機関が前記第1運転領域に比して高速側に定められた所定の第2運転領域にあるときに前記スーパーチャージャによる過給を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記ターボチャージャは、前記第1運転領域における過給に必要と認められる程度の性能を有する小型のターボチャージャであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記内燃機関の前記ターボチャージャのタービンが設けられた排気通路に備えられ、前記タービンの上流と下流とをバイパスさせるバイパス手段を有し、
前記バイパス手段は、
前記タービンの上流と下流との間を連通させ、第1の大きさの開口断面積を有する第1バイパス通路と、
前記タービンの上流と下流との間を連通させ、前記第1の大きさより小さい第2の大きさの開口断面積を有する第2バイパス通路と、
前記第1バイパス通路の途中に介在する第1の弁と、
前記第2バイパス通路の途中に介在する第2の弁と、
を含み、
前記制御手段が、前記第1運転領域において前記ターボチャージャによる過給を行っているときに、前記第1の弁を閉じ、前記第2の弁の開度を操作することにより過給圧を制御することを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記制御手段は、前記第2運転領域において、前記第1の弁および前記第2の弁を開くことを特徴とする。
第1の発明によれば、相対的に低速側にある域においてはターボチャージャにより過給を行い、相対的に高速側にある域においてはスーパーチャージャにより過給を行うことができる。相対的に使用頻度の高い域(常用側の域)においてスーパーチャージャを用いた場合の駆動ロス発生の問題を避けて、燃費悪化を抑制することができる。
第2の発明によれば、大型のターボチャージャを用いる場合に問題となるレスポンス悪化を抑制することができる。
第3の発明によれば、第2の弁に過給圧制御の役割を分担させることにより、ターボチャージャ過給時の過給圧制御性を良好にすることができる。
第3の発明によれば、高速域でリーン運転を行うとき、等出力比で見た場合での燃費改善効果を享受することができる。
本発明の実施の形態にかかる制御装置の構成を、これが適用される内燃機関の構成とともに示す図である。 本発明の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置が行う制御動作の内容を、エンジン回転数とトルク(TRQ)で表した特性図である。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる制御装置の構成を、これが適用される内燃機関の構成とともに示す図である。実施の形態にかかる内燃機関は、車両等の移動体に好適である。実施の形態にかかる内燃機関は直列4気筒型の過給内燃機関である。図1には、気筒1、2、3および4を備えるシリンダブロック10が示されている。また、図1には、ターボチャージャ40(コンプレッサ42、タービン44)も示されている。
シリンダブロック10には、図示しないシリンダヘッドが装着される。シリンダヘッドには、気筒ごとに、吸気ポートおよび排気ポートが設けられている。気筒1、2、3、4のそれぞれには、2つずつ、吸気ポートが備えられている。符号は付さないが、各吸気ポートには、それぞれ吸気弁が設けられている。各吸気ポートは、サージタンク20に連通している。サージタンク20は、吸気通路26に連通している。吸気通路26には、スロットル22、インタークーラ24、エアクリーナ28が、上流に向かって順次設けられている。
気筒1、気筒2、気筒3および気筒4のそれぞれには、2つずつ、排気ポートが設けられている。符号は付さないが、各排気ポートには、それぞれ、排気弁が設けられている。実施の形態では、吸気弁、排気弁が、図示しない可変動弁機構によって駆動されている。気筒1、2、3および4における排気ポートは、排気枝管30に連通している。排気枝管30は、主排気通路34と連通している。
主排気通路34には、スタート触媒36(以下、単に「触媒36」とも称す)が設けられている。図示しないが、主排気通路34には、空燃比センサやサブ酸素センサ、排気温度センサその他の各種センサが適宜に設けられても良い。
主排気通路34には、タービン44が設けられている。タービン44は、吸気通路26の途中に配置されたコンプレッサ42とともに、ターボチャージャ40を構成している。排気枝管30は、タービン44の上流において、主排気通路34と連通している。これにより、排気枝管30にまとめられた排気ガスでタービン44の回転を生じさせることができる。
排気枝管30と主排気通路34との間には、バイパス通路50が設けられている。バイパス通路50の一端は、主排気通路34の触媒36上流の位置に接続している。バイパス通路50は、当該位置から二又に分岐し、分岐した一端はウエストゲートバルブ(WGV)52を介して排気枝管30の上流側に、分岐した他端はウエストゲートバルブ(WGV)54を介して排気枝管30の下流側に、それぞれ接続している。
WGV52側の分岐路は、WGV54側の分岐路よりも、流路断面積が大きくされている。WGV52、54は、過給圧を調整するための排気ガス逃がし弁として機能することができる。本実施形態では、WGV52の開口面積を、WGV54の開口面積よりも大きくする。
吸気通路26には、スーパーチャージャ46が設けられている。スーパーチャージャ46は、内燃機関のクランク軸駆動の機械駆動型過給機である。本実施形態では、スーパーチャージャ46は、ターボチャージャ40に比して、大きな流量(吐出空気量)を有している。スーパーチャージャ46は、図示しない電磁クラッチを備えている。電磁クラッチにより、駆動力の伝達のオン/オフ制御を行うことができる。なお、無段変速機を用いても良い。
吸気通路26には、スーパーチャージャ46をバイパスするバイパス通路49が設けられている。バイパス通路49には、切替弁48が備えられている。この切替弁48は、スーパーチャージャ46の作動時に閉じられる。これにより、過給圧漏れの防止とともに、ターボチャージャ40による過給時の吸気圧損の上昇を抑制する。
本実施形態にかかる制御装置は、低中速域においては、ターボチャージャ40を用いて過給を行う。一方、本実施形態にかかる制御装置は、中高速域においては、スーパーチャージャ46を用いて過給を行う。このような役割分担から、ターボチャージャ40は小型のものを用いる。つまり、ターボチャージャ40は、低中速域つまり常用域における運転領域での過給に必要と認められる程度の性能(空気吐出量、流量)を満たす小型のターボチャージャである。従って、ターボチャージャ40は、高速域で使用される際に必要な性能をまかなうための大型のターボチャージャが有するレスポンス悪化の問題を、有さない。
低中速域つまり常用域における運転領域でターボチャージャ40を用いて過給を行うことで、スーパーチャージャを用いる場合に生ずる駆動ロス発生を回避し、燃費悪化を抑制することができる。一方、高速域は、スーパーチャージャ46で過給を行うことで、ターボチャージャ40は小型で済ませることができ、大型のターボチャージャを用いる場合に問題となるレスポンス悪化を抑制することができる。
図1には、ECU(Electronic Control Unit)60が示されている。ECU60は、前述したWGV52、54および切替弁48と接続し、それらの開閉を制御することができる。図示しないが、実施の形態にかかる内燃機関には、クランク角センサ、エンジン水温センサ、その他の各種センサが備えられている。ECU60は、内燃機関に備えられた各センサからの信号を処理し、その処理結果を各アクチュエータ(具体的には、可変動弁機構など)の操作に反映させている。
図2は、本発明の実施の形態にかかる内燃機関の制御装置が行う制御動作の内容を、エンジン回転数とトルク(TRQ)で表した特性図である。過給トルク特性、ターボチャージャとスーパーチャージャを使い分ける過給域の別、およびWGV52、54の開閉制御に関する情報が示されている。
図2に示す「TC過給」と付した矢印は、ターボチャージャ(turbocharger)過給を行う所定の回転数域(範囲)を示す。以下、便宜上、「TC過給域」とも称す。TC過給域においては、ターボチャージャ40を使用した過給を行う。一方、図2に示す「SC過給」と付した矢印は、スーパーチャージャ(supercharger)過給を行う所定の回転数域(範囲)を示す。以下、便宜上、「SC過給域」とも称す。SC過給域においては、スーパーチャージャ46を使用した過給を行う。
図2に示すように、本実施形態では、TC過給域を相対的に低回転数側に定め、SC過給域を相対的に高回転数側に定めている。TC過給域は、低回転数側から中回転数域にかけての所定範囲を、SC過給域は、中回転数域から高回転数域にかけての所定範囲を、それぞれカバーしている。所定の中回転数位置において、TC過給域がSC過給域に切替わっている。
図2において、「電磁クラッチOFF(白抜き域)」と付したのは、図2における白抜きつまりハッチングを付していない領域においては、スーパーチャージャ46の電磁クラッチがOFFとなり、スーパーチャージャが使用されないことを意味している。一方、図2において、SC過給域における「WGV52全開」と記した斜線(ハッチング)を付した領域では、電磁クラッチONとなりスーパーチャージャ46が作動する。図に示すように、SC過給域であり、かつ、「負圧ゼロTRQ特性」の一定のトルクを上回る域において、電磁クラッチがONにされる。
本実施形態においては、異なる開口断面積の2つのバイパス通路が、排気枝管30と主排気通路34との間に設けられている。本実施形態では、開口断面積が相対的に大きいWGV52側のバイパス通路を、スーパーチャージャ46の作動と連動させて開口させる。つまり、図2に示すように、TC過給域においては、WGV52は全閉(開度ゼロ)とし、SC過給域においては、WGV52は全開(開度100%)とする。
一方、開口断面積が相対的に小さいWGV54側のバイパス通路は、ターボチャージャ40の過給圧の制御のために使用する。WGR54は、全開(最大)の開口断面積が小さいので、制御性に優れるという利点を持つ。
このようにして開口断面積の異なる2組のバイパス通路およびWGVを使い分けることで、ターボチャージャ過給時の過給圧制御性と、スーパーチャージャ過給時の排圧低減とを両立することができる。
また、本実施形態においては、中高速域におけるスーパーチャージャ46作動域にあっては、WGV54側のバイパス通路は、負荷に対して開口側に制御される。
本実施形態では、高速過給領域では、WGV52およびWGV54をともに全開にする。これにより、ターボチャージャ40の通過排気ガス量が減少する。その結果、下記の(1)、(2)の効果が生まれる。
(1)圧損の大きいタービン44の通過ガス量が減少するため、排気バルブの受ける背圧が低下して残留ガスが減少、ノックが抑制され、点火時期の進角が可能となる。
(2)この進角により排気ガス温度が低下、等出力比で空気量を減らせるようになり、更に排気ガス温度を低下させることができる。
また、ターボチャージャ40には、量は減少したとはいえ、排気ガスが流れる。タービン44で熱を奪われた排気ガスは、バイパス通路50を介して逃がされた排気ガスよりも、温度が低い。この温度の低い排気ガスが触媒36の前で合流することで、触媒36前の排気ガス温度が低下し、触媒床温の上昇を抑制することができる。
これにより、排気ガス温度を低下させることができたことで、リーン適合が可能となる。このため、高速域においてもリーン運転による燃費悪化抑制効果を享受することができる。
尚、上述した実施の形態では、ターボチャージャ40が、前記第1の発明における「ターボチャージャ」に、スーパーチャージャ46が、前記第1の発明における「スーパーチャージャ」に、TC過給域が、前記第1の発明における「第1運転領域」に、SC過給域が、前記第1の発明における「第2運転領域」に、ECU60が、前記第1の発明における「制御手段」に、それぞれ相当している。
また、上述した実施の形態では、タービン44が、前記第3の発明における「タービン」に、2又のバイパス通路50におけるWGV52側の部分が、前記第3の発明における「第1バイパス通路」に、2又のバイパス通路50におけるWGV54側の部分が、前記第3の発明における「第2バイパス通路」に、WGV52が、前記第3の発明における「第1の弁」に、WGV54が、前記第3の発明における「第2の弁」に、それぞれ相当している。
1、2、3、4 気筒
10 シリンダブロック
20 サージタンク
22 スロットル
24 インタークーラ
26 吸気通路
28 エアクリーナ
30 排気枝管
34 主排気通路
36 スタート触媒
40 ターボチャージャ
42 コンプレッサ
44 タービン
46 スーパーチャージャ
48 切替弁
49 バイパス通路
50 バイパス通路

Claims (4)

  1. 内燃機関の過給を行うターボチャージャと、
    前記内燃機関の過給を行う、吐出空気量が前記ターボチャージャと比べて大きなスーパーチャージャと、
    前記内燃機関が所定の第1運転領域にあるときに前記ターボチャージャによる過給を行い、前記内燃機関が前記第1運転領域に比して高速側に定められた所定の第2運転領域にあるときに前記スーパーチャージャによる過給を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記ターボチャージャは、前記第1運転領域における過給に必要と認められる程度の性能を有する小型のターボチャージャであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の前記ターボチャージャのタービンが設けられた排気通路に備えられ、前記タービンの上流と下流とをバイパスさせるバイパス手段を有し、
    前記バイパス手段は、
    前記タービンの上流と下流との間を連通させ、第1の大きさの開口断面積を有する第1バイパス通路と、
    前記タービンの上流と下流との間を連通させ、前記第1の大きさより小さい第2の大きさの開口断面積を有する第2バイパス通路と、
    前記第1バイパス通路の途中に介在する第1の弁と、
    前記第2バイパス通路の途中に介在する第2の弁と、
    を含み、
    前記制御手段が、前記第1運転領域において前記ターボチャージャによる過給を行っているときに、前記第1の弁を閉じ、前記第2の弁の開度を操作することにより過給圧を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2運転領域において、前記第1の弁および前記第2の弁を開くことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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