JP2011212225A - 消火用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】薄板などを用いることなく、容易に消火液の射程距離および放射パターンを変更できる消火用ノズルを提供する。
【解決手段】消火用ノズルは、外筒1と、外筒1内に挿入された内筒11とで構成されている。外筒1は、先端部がテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス2が設けられている。また、先端部を除く内周面にはネジ3が設けられている。内筒11は、内部のほぼ中央に内筒11の内径と略同じ外径のスパイラル部12が設けられ、外周面には、前述のネジ3と螺合するネジ13が設けられている。外筒1あるいは内筒11を何れかを回転させることにより、スパイラル部12とオリフィス2の間隔が可変する。
【選択図】図1
【解決手段】消火用ノズルは、外筒1と、外筒1内に挿入された内筒11とで構成されている。外筒1は、先端部がテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス2が設けられている。また、先端部を除く内周面にはネジ3が設けられている。内筒11は、内部のほぼ中央に内筒11の内径と略同じ外径のスパイラル部12が設けられ、外周面には、前述のネジ3と螺合するネジ13が設けられている。外筒1あるいは内筒11を何れかを回転させることにより、スパイラル部12とオリフィス2の間隔が可変する。
【選択図】図1
Description
本発明は、消火液の放射距離や放射パターンを任意に変化させることのできる消火用ノズルに関するものである。
従来技術として、薄板を重ね組み付けて消火液を螺旋状の水流にする渦室を構成し、その組み付けた薄板の枚数により、消火液の導入口から噴射口までの距離を変化させて射程距離および放射パターンを変化させる消火用ノズルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前述した従来の技術では、薄板を重ね組み付ける枚数を一度決定すると、消火液の射程距離および放射パターンを変更したいときには、薄板の組み付けをし直さなければならず、手間がかかるという課題があった。
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたものであり、薄板などを組み付けて用いることなく、容易に消火液の射程距離および放射パターンを変更できる消火用ノズルを提供することを目的とする。
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたものであり、薄板などを組み付けて用いることなく、容易に消火液の射程距離および放射パターンを変更できる消火用ノズルを提供することを目的とする。
本発明に係る消火用ノズルは、先端に放水口が設けられた外筒と、外筒内に挿入され、内部にスパイラル部が設けられ、流入する消火液をスパイラル部により螺旋状の水流にして外筒の放水口から放射させる内筒と、内筒の外周面と外筒の内周面の接触面積(重なり面積)を調整するための位置調整手段とを備えたものである。
本発明によれば、位置調整手段により内筒の外周面と外筒の内周面の接触面積を調整できるようにしたので、内筒のスパイラル部と外筒のオリフィスの間隔を変更することが可能になり、そのため、設置場所に応じて消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整できる。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図1において、実施の形態1の消火用ノズルは、外筒1と、外筒1内に挿入された内筒11とで構成されている。外筒1は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス2が設けられている。また、先端部を除く内周面にはネジ3が設けられている。内筒11は、内部のほぼ中央に内筒11の内径と略同じ外径のスパイラル部12が設けられ、外周面には、前述のネジ3と螺合するネジ13が設けられている。なお、ネジ3とネジ13とで位置調整手段が構成されている。
図1は実施の形態1に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図1において、実施の形態1の消火用ノズルは、外筒1と、外筒1内に挿入された内筒11とで構成されている。外筒1は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス2が設けられている。また、先端部を除く内周面にはネジ3が設けられている。内筒11は、内部のほぼ中央に内筒11の内径と略同じ外径のスパイラル部12が設けられ、外周面には、前述のネジ3と螺合するネジ13が設けられている。なお、ネジ3とネジ13とで位置調整手段が構成されている。
前記のように構成された消火用ノズルにおいて、例えば図1(a)に示すように、外筒1を前方に移動させていないときに、消火液が内筒11内に流入すると、その消火液は、スパイラル部12により前方に進む力の一部が進行方向(後方から前方への方向)を軸とした回転の力、所謂、螺旋状の水流となって内筒11から流出し、外筒1のオリフィス2から放射される。この場合は、スパイラル部12とオリフィス2の間隔が短いために、例えば、消火液の射程距離が7m、その消火液の拡がり幅が最大600mmとなる。これは、スパイラル部12とオリフィス2の間隔が短いために、スパイラル部12により螺旋状の水流となった消火液が、その回転の力をほぼ保ったまま外筒1のオリフィス2から流出するためである。つまり、回転の力により消火液の拡がり幅が広くなり、前方に進む力の一部は回転の力になり弱まったため、射程距離が短くなる。なお、消火液の射程距離を7m、放射パターンである消火液の拡がり幅を600mmとしたが、これは一例であって限定されるものではない。
この状態において、例えば外筒1を回転させてスパイラル部12とオリフィス2の間隔を長くしていくと、その間隔に応じて消火液の射程距離が長くなり、消火液の拡がり幅が狭くなっていく。そして、例えば図1(b)に示すような状態までにスパイラル部12とオリフィス2の間隔を長くした場合には、その消火液の射程距離が当初のほぼ2倍となり、消火液の拡がり幅が当初のほぼ半分となる。これは、スパイラル部12とオリフィス2の間隔が長いために、螺旋状の水流となった消火液が、その回転の力の殆どを失い、外筒1のオリフィス2から飛び出すためである。つまりは、回転の力が前方に進む力に戻り弱まったため、消火液の拡がり幅が狭くなり、前方に進む力が回復したため、射程距離が短くなる。
以上のように実施の形態1によれば、外筒1の内周面と内筒11の外周面の接触面積(重なり面積)を調整するための位置調整手段としての外筒1と内筒11の各ネジ3,13によりスパイラル部12とオリフィス2の間隔を容易に変更して、オリフィス2から流出する消火水の前方に進む力と進行方向を軸とした回転の力を調整できるようにしたので、消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、そのため、例えば設置場所に応じて消火液の放射距離と放射パターンを調整することが可能になる。また、位置調整手段として外筒1と内筒11にネジ3,13を設けるだけであるため、構成が簡単な消火用ノズルを提供でき、コストの軽減を図ることが可能である。
なお、実施の形態1では、外筒1と内筒11の各ネジ3,13によりスパイラル部12とオリフィス2の間隔を変更できるようにしたが、例えば図2に示すように、先端側に弾性体としてのOリング33を設けた内筒31を外筒21内に挿入させて構成される消火用ノズルでも良い。そのOリング33は、内筒31の外周面に設けられた溝内に嵌合され、外筒21と内筒31の双方を摩擦により往復移動可能にしている。外筒21と内筒31の何れか一方を他方に対して摺動させることで、スパイラル部32とオリフィス22の間隔を変えることができる。その場合、ネジと比べて若干位置調整に力がいるものの消火液の漏れがOリング33によって防止される。これにより、螺旋状の水流となった消火液の射程距離および放射パターンを変えることができる。また、位置調整は、Oリング33の摩擦で係止するため、容易にスパイラル部12とオリフィス2の間隔を変えることができる。なお、Oリング33の代わりに、複数の鋼球を溝に保持させても良い。
実施の形態2.
図3は実施の形態2に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図3において、実施の形態2の消火用ノズルは、外筒41と、外筒41内に外筒41の内周面と間隙を有して挿入された内筒51とで構成されている。外筒41は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス42が設けられている。内筒51は、内部のオリフィス42側の位置に内筒51の内径と略同じ外径のスパイラル部52が設けられている。
図3は実施の形態2に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図3において、実施の形態2の消火用ノズルは、外筒41と、外筒41内に外筒41の内周面と間隙を有して挿入された内筒51とで構成されている。外筒41は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス42が設けられている。内筒51は、内部のオリフィス42側の位置に内筒51の内径と略同じ外径のスパイラル部52が設けられている。
また、外筒41と内筒51の間には、円環状のシリンダ室55が設けられている。そのシリンダ室55は、内筒51の外周面から外筒41の内周面側に延びて形成された2つの円環壁53,54により構成されている。シリンダ室55内には、円環状のバネ室45が設けられている。そのバネ室45は、外筒41のシリンダ室55内に位置する内周面から内筒51の外周面側に延びて形成された1つの円環壁43と前述の2つの円環壁53,54のうち一方の円環壁54とで構成されている。円環状のバネ室45には、内筒51の外周を巻回して円環壁54を前方に押すように付勢されるバネ44が収納されている。また、シリンダ室55内には、バネ室45とは別に円環状の空間である加圧室46が円環壁43と円環壁53とで構成されている。
内筒51の円環壁53に設けられた孔53aから加圧室46に液体あるいは気体を注入して加圧室46内に圧力を加えると、その圧力により外筒41の円環壁43が軸方向(前方)に移動し、バネ室45内のバネ44を押圧する。この時、円環壁43の軸方向の移動に伴って外筒41そのものが同一方向(前方)に移動する。前述の孔53aには、図示していないが、液体あるいは気体を加圧室46内に導入させる例えば可撓性のチューブが接続されている。
前記のように構成された消火用ノズルにおいて、例えば図3(a)に示すように、外筒41を前方に移動させていないときに、消火液が内筒51内に流入すると、その消火液は、スパイラル部52により前方に進む力の一部が進行方向(後方から前方への方向)を軸とした回転の力、所謂、螺旋状の水流となって内筒51から流出し、外筒41のオリフィス42から放射される。この場合は、実施の形態1で前述したように、スパイラル部52とオリフィス42の間隔が短いため、消火液の射程距離が最も短く、その消火液の拡がり幅が最大となる。
この状態において、内筒51に設けられた円環壁53の孔53aから加圧室46に液体あるいは気体を注入して加圧室46内に圧力を加えると、図3(b)に示すように、その圧力により外筒41の円環壁43が軸方向に移動し、その円環壁43を介してバネ室45内のバネ44を押圧する。この時、円環壁43の軸方向の移動に伴って外筒41そのものが同一方向(前方)に移動する。この場合、実施の形態1で前述したように、スパイラル部52とオリフィス42の間隔が長くなるので、その間隔に応じて消火液の射程距離が長くなっていき、消火液の拡がり幅が狭くなっていく。
加圧室46内の液体あるいは気体を吸引または排出して加圧室46内の圧力を低下させると、バネ室45内のバネ44の抗力に応じて外筒41の円環壁43が先の方向と逆の後方に移動していく。この時、円環壁43の移動に伴って外筒41そのものも同一方向(後方)に移動して行く。この場合、スパイラル部52とオリフィス42の間隔に応じて消火液の射程距離が短くなっていき、消火液の拡がり幅が拡がっていく。
以上のように実施の形態2によれば、外筒41と内筒51の間に形成された円環状の加圧室46内に液体あるいは気体を注入し、その圧力に応じて外筒41を前方に移動させて、スパイラル部52とオリフィス42の間隔を容易に変更して、オリフィス42から流出する消火水の前方に進む力と進行方向を軸とした回転の力を調整できるようにしたので、消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、そのため、火元との距離に応じて消火液を放射することが可能になる。
なお、実施の形態2では、内筒51に設けられた円環壁53の孔53aから液体あるいは気体を加圧室46に注入して、その圧力により外筒41を前方に移動させて、スパイラル部52とオリフィス42の間隔を長くするようにしたが、外筒41内の内筒51をオリフィス42側に移動させて、スパイラル部52とオリフィス42の間隔を短くするようにしても良い。例えば図4に示すように、外筒41の環状壁43と内筒51の環状壁53とでバネ室45を構成し、外筒41に、外筒41の環状壁43と内筒51の環状壁54の間の加圧室46内に液体あるいは気体を注入する孔41aを設けることにより可能になる。
このように構成された消火用ノズルにおいては、外筒41の孔41aから加圧室46に液体あるいは気体が注入されていない場合、スパイラル部52とオリフィス42の間隔が最も長い状態となっている。外筒41の孔41aから加圧室46に液体あるいは気体を注入して加圧室46内に圧力を加えると、その圧力により内筒51の円環壁54が前方に移動し、円環壁53が同一方向に移動してバネ45を押圧する。この時、内筒51が外筒41のオリフィス42側に移動する。この構成により、例えば遠隔から操作して消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、そのため、火元との距離および範囲に応じて消火液を放射することが可能になる。
実施の形態3.
図5は実施の形態3に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図5において、実施の形態3の消火用ノズルは、外筒61と、外筒61内に外筒61の内周面と間隙を有して挿入された内筒71とで構成されている。外筒61は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス62が設けられている。内筒71は、内部のオリフィス62側の位置に内筒71の内径と略同じ外径のスパイラル部72が設けられている。
図5は実施の形態3に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図5において、実施の形態3の消火用ノズルは、外筒61と、外筒61内に外筒61の内周面と間隙を有して挿入された内筒71とで構成されている。外筒61は、先端部が先細のテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス62が設けられている。内筒71は、内部のオリフィス62側の位置に内筒71の内径と略同じ外径のスパイラル部72が設けられている。
また、外筒61と内筒71の間には、円環状のシリンダ室74が設けられている。そのシリンダ室74は、外筒61の内周面から内筒71の外周面側に延びて形成された2つの円環壁63,64により構成されている。シリンダ室74内には、円環状のバネ室66が設けられている。そのバネ室66は、内筒71のシリンダ室74内に位置する外周面から外筒61の内周面側に延びて形成された1つの円環壁73と前述の円環壁64とで構成されている。円環状のバネ室66には、内筒71の外周を巻回して円環壁73を後方に押すように付勢されるバネ65が収納されている。また、シリンダ室74内には、バネ室66とは別に円環状の空間である加圧室67が円環壁73と円環壁63とで構成されている。
外筒61の円環壁63に設けられた孔63aから液体あるいは気体を加圧室67に注入して加圧室67内に圧力を加えると、その圧力により内筒71の円環壁73が軸方向に移動し、バネ室66内のバネ65を押圧する。この時、円環壁73の軸方向の前方への移動に伴って内筒71そのものが同一方向に移動する。前述の孔63aには、図示していないが、液体あるいは気体を加圧室67内に導入させる、例えば可撓性のチューブが接続されている。
前記のように構成された消火用ノズルにおいて、例えば図5に示すように、内筒71を前方に移動させていないときに、消火液が内筒71内に流入すると、その消火液は、スパイラル部72により前方に進む力の一部が進行方向(後方から前方への方向)を軸とした回転の力、所謂、螺旋状の水流となって内筒71から流出し、外筒61のオリフィス62から放射される。この場合は、実施の形態1で前述したように、スパイラル部72とオリフィス62の間隔が最も長いため、消火液の射程距離が長く、その消火液の拡がり幅が狭い。
この状態において、外筒61に設けられた円環壁63の孔63aから加圧室67に液体あるいは気体を注入して加圧室67内に圧力を加えると、その圧力により内筒71の円環壁73が軸方向(前方)に移動し、その円環壁73を介してバネ室66内のバネ65を押圧する。この時、円環壁73の軸方向の移動に伴って内筒71そのものが同一方向(前方)に移動する。この場合、実施の形態1で前述したように、スパイラル部72とオリフィス62の間隔が短くなっていくので、その間隔に応じて消火液の射程距離が短くなっていき、消火液の拡がり幅が拡がっていく。
加圧室67内の液体あるいは気体を吸引または排出して加圧室67内の圧力を低下させると、バネ室66内のバネ65の抗力に応じて内筒71の円環壁73が先の方向と逆の後方に移動していく。この時、円環壁73の移動に伴って内筒71そのものが同一方向(後方)に移動して行く。この場合、スパイラル部72とオリフィス62の間隔に応じて消火液の射程距離が長くなっていき、消火液の拡がり幅が狭くなっていく。
以上のように実施の形態3によれば、外筒61と内筒71の間に形成された円環状の加圧室67内に液体あるいは気体を注入し、その圧力に応じて内筒71を前方に移動させて、スパイラル部72とオリフィス62の間隔を容易に変更して、オリフィス62から流出する消火水の前方に進む力と進行方向を軸とした回転の力を調整できるようにしたので、、消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、そのため、火元との距離に応じて消火液を放射することが可能になる。
なお、実施の形態3では、外筒61に設けられた円環壁63の孔63aから液体あるいは気体を注入して、その圧力により内筒71を前方に移動させて、スパイラル部72とオリフィス62の間隔を短くするようにしたが、加圧室67内に液体あるいは気体を注入したときに、外筒61内の内筒71を後方に移動させて、スパイラル部72とオリフィス62の間隔を長くするようにしても良い。例えば図6に示すように、外筒61の環状壁63と内筒71の環状壁73とでバネ室66を構成し、外筒61に外筒61の環状壁64と内筒71の環状壁73の間の加圧室67内に液体あるいは気体を注入する孔61aを設けることにより可能になる。
このように構成された消火用ノズルにおいては、外筒61の孔61aから加圧室67に液体あるいは気体が注入されていない場合、スパイラル部72とオリフィス62の間隔が最も短い状態となっている。外筒61の孔61aから加圧室67に液体あるいは気体を注入してシリンダ室74内に圧力を加えると、その圧力により内筒71の円環壁73がバネ65を押圧し、その内筒71が外筒61のオリフィス62から遠ざかる方向に移動する。この構成により、例えば遠隔から操作して消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、そのため、火元との距離および範囲に応じて消火液を放射することが可能になる。
実施の形態4.
図7は実施の形態4に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図7において、実施の形態4の消火用ノズルは、外筒81と、先端部が外筒81内から突出して設けられた内筒91とで構成されている。外筒81は、内部に外筒81の内径と略同じ外径のスパイラル部82が設けられ、流入する消火液をスパイラル部82により螺旋状の水流にする。内筒91は、先端部がテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス92が設けられ、外筒81から流入する螺旋状の消火液をオリフィス92から放射する。
図7は実施の形態4に係る消火用ノズルを示す横断面図である。なお、以下では横断面図の右側を前方、左側を後方として説明する。
図7において、実施の形態4の消火用ノズルは、外筒81と、先端部が外筒81内から突出して設けられた内筒91とで構成されている。外筒81は、内部に外筒81の内径と略同じ外径のスパイラル部82が設けられ、流入する消火液をスパイラル部82により螺旋状の水流にする。内筒91は、先端部がテーパ状に形成され、その先端部の先端に放水口としてのオリフィス92が設けられ、外筒81から流入する螺旋状の消火液をオリフィス92から放射する。
また、外筒81の端部側と内筒91の間には、円環状のバネ室95が設けられている。そのバネ室95は、外筒81の先端の内周面から内筒91の外周面側に延びて形成された円環壁83と内筒91の後端の外周面から外筒81の内周面側に延びて形成された円環壁93とで構成されている。円環状のバネ室95には、内筒91の外周を巻回して円環壁93を後方に押すように付勢されるバネ94が収納されている。内筒91は、外筒81に流入する消火液の圧力により、内筒91の円環壁93を介してバネ95が押圧されることで、外筒81から前方に移動する。
前記のように構成された消火用ノズルにおいて、例えば図7に示すように、内筒91を前方に移動させていないときに、消火液が外筒81内に流入すると、その消火液は、スパイラル部82により前方に進む力の一部が進行方向(後方から前方への方向)を軸とした回転の力、所謂、螺旋状の水流となって外筒81から流出し、内筒91の円環壁93に当たりながらオリフィス92から放射される。この時、内筒91は、円環壁93に当たる消火液の圧力により、バネ室95内のバネ94を圧縮しながら前方に移動する。内筒91の移動は、消火液の圧力が一定であれば、その圧力に応じた位置で消火液を放射し、消火液の圧力が変化した場合には、その圧力に応じて軸方向に往復移動する。つまり、内筒91は、消火液の圧力が上がれば前方に移動し、圧力が下がれば後方に移動する。
以上のように実施の形態4によれば、外筒81に流入する消火液の圧力に応じて内筒91を軸方向に移動させるようにしたので、スパイラル部82とオリフィス92の間隔を変えることができ、このため、消火液の射程距離および放射パターンを容易に調整でき、火元との距離に応じて消火液を放射することが可能になる。
なお、本実施の形態における図1〜図6では、外筒1,21,41,61の先端にオリフィス2,22,42,62を設け、内筒11,31,51,71にスパイラル部12,32,52,72を設けたが、図7に示すように内筒の先端にオリフィスを設け、外筒の後方にスパイラル部を設けても良い。また、射程距離が短い場合には、消火液の勢いを増加させる必要が無いため、放水口の径は、放水口が設けられている筒と同じ径で良く、先端部が先細のデーパー状に形成され、その先端部の先端にオリフィス2が設けられていなくとも良い。
1 外筒、2 オリフィス、3 ネジ、11 内筒、12 スパイラル部、13 ネジ、21 外筒、22 オリフィス、31 内筒、32 スパイラル部、33 Oリング、41 外筒、42 オリフィス、43 円環壁、44 バネ 45 バネ室、46 加圧室、51 内筒、52 スパイラル部、53,54 円環壁、55 シリンダ室、61 外筒、62 オリフィス、63,64 円環壁、65 バネ 66 バネ室、67 加圧室、71 内筒、72 スパイラル部、73 円環壁、74 シリンダ室、81 外筒、82 スパイラル部、83 円環壁、91 内筒、92 オリフィス、93 円環壁、94 バネ、95 バネ室。
Claims (6)
- 先端に放水口が設けられた外筒と、
前記外筒内に挿入され、内部にスパイラル部が設けられ、流入する消火液をスパイラル部により螺旋状の水流にして前記外筒の放水口から放射させる内筒と、
前記内筒の外周面と前記外筒の内周面の接触面積を調整するための位置調整手段と
を備えたことを特徴とする消火用ノズル。 - 前記位置調整手段は、前記内筒の外周面および前記外筒の内周面にそれぞれ設けられたネジであることを特徴とする請求項1記載の消火用ノズル。
- 前記位置調整手段は、前記内筒の外周面あるいは前記外筒の内周面の何れかに設けられ、前記内筒と前記外筒の双方を摩擦により移動可能に係止させることを特徴とする請求項1記載の消火用ノズル。
- 先端に放水口が設けられた外筒と、
前記外筒内に該外筒の内周面と間隙を有して挿入され、内部にスパイラル部が設けられ、流入する消火液をスパイラル部により螺旋状の水流にして前記外筒の放水口から放射させる内筒と、
前記内筒の外周面から前記外筒の内周面側に延びて形成された2つの円環壁により構成された円環状のシリンダ室と、
前記外筒の前記シリンダ室内に位置する内周面から前記内筒の外周面側に延びて形成された1つの円環壁と前記2つの円環壁の何れかの円環壁とで構成され、内部にバネを有する円環状のバネ室とを備え、
外部から前記シリンダ室内に流入する液体あるいは気体の圧力により前記外筒の円環壁を介して前記バネを押圧し、前記内筒あるいは前記外筒を軸方向に移動させることを特徴とする消火用ノズル。 - 先端に放水口が設けられた外筒と、
前記外筒内に該外筒の内周面と間隙を有して挿入され、内部にスパイラル部が設けられ、流入する消火液をスパイラル部により螺旋状の水流にして前記外筒の放水口から放射させる内筒と、
前記外筒の内周面から前記内筒の外周面側に延びて形成された2つの円環壁により構成された円環状のシリンダ室と、
前記内筒の前記シリンダ室内に位置する外周面から前記外筒の内周面側に延びて形成された1つの円環壁と前記2つの円環壁の何れかの円環壁とで構成され、内部にバネを有する円環状のバネ室とを備え、
外部から前記シリンダ室内に流入する液体あるいは気体の圧力により前記内筒の円環壁を介して前記バネを押圧し、前記内筒あるいは前記外筒を軸方向に移動させることを特徴とする消火用ノズル。 - 内部にスパイラル部が設けられ、流入する消火液をスパイラル部により螺旋状の水流にする外筒と、
先端に放水口を有し、前記外筒から流入する螺旋状の消火液を放水口から放射する内筒と、
前記外筒の内周面から前記内筒の外周面側に延びて形成された円環壁と前記内筒の外周面から前記外筒の内周面側に延びて形成された円環壁とで構成され、内部にバネを有する円環状のバネ室とを備え、
前記外筒からの螺旋状の消火液の圧力により前記内筒の円環壁を介して前記バネを押圧し、前記内筒を軸方向に移動させることを特徴とする消火用ノズル。
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