JPH0420356A - 噴霧式放水ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は噴霧式放水ノズルに関し、特に火災を効果的に
消火し得て水損を防止するのに有効な噴霧式放水ノズル
に関する。

（従来の技術と解決すべき課題］ 火災の消火には水棒を噴出させるノズルが用いられてお
り、その水棒を燃焼物に当てて温度降下作用などによっ
て燃焼物は消火させられている。

この消火ノズルは遠方に水を飛ばすなど現在もなお有効
であるため、−船釣に用いられている。しかし、この水
棒を噴出させる消火ノズルは大量の水を放出するもので
あるため、それにともなう種々の問題が生していた。た
とえば、集合住宅などにおける上層階での火災は上層階
に水損をもたらし、またぼや程度の火災のために放水し
た水によって家電製品や屋内装飾品などが破損してしま
うなど、水による損失が火災による損失より大きい場合
があり、消火作業上、大きな問題となっていた。また、
大火災にあっては一度に大量の水を放出することによっ
て、水圧が低下してしまい、消火作業に支障を来すこと
があった。

このため近年、少量の水で効果的に消火するための研究
がなされ、その一つに水を噴霧させることが提案されて
いる。この噴霧式の消火方法によれば、霧状の水が燃焼
物から温度を奪い、消火に必要な温度降下作用をし、更
に燃焼物の表面を覆って空気を遮断する窒息作用をし、
しかも室内に立ら込めた煙を霧状の水が吸着する吸煙作
用をして、より効果的で速く、且つ安全に消火すること
が可能となる。しかも、水の使用量が少ないため、上述
のような水損が生ずることもなくなる。

このような優れた効果を奏する噴霧式の放水ノズルにつ
いて研究開発がなされ、この種の放水ノズルが提供され
ている。この放水ノズルは第６図に示すように、末広が
り状に開口した広がり管１の途中に邪魔板２を配設し、
広がり管１と邪魔板２との隙間３を調整して、その隙間
３に高圧の水４を圧送させることにより、隙間３から噴
出させられた水４を霧状にするものである。この放水ノ
ズルは簡易な構造で高圧水を「霧状」に変えることが可
能であるが、この放水ノズルによって得られる「霧状」
の水の粒径ば［−粒子」に近く、粒径の細かい「霧」と
言えるものではなかった。

そこで、本発明者は消防署に勤務するかたわら、より細
かい噴霧を発生することができる噴霧式放水ノズルを得
るため鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである
。

〔課題を解決するだめの手段〕

本発明に係る噴霧式放水ノズルの要旨とするところは、
（ａ）高圧水を導く剛性の筒状体と、（ｂ）該筒状体の
内部に設けられた軸受と、（Ｃ）該軸受に回転可能に支
持され、前記高圧水により前記筒状体の円周方向に分力
を生ずるように形成された導水孔又は導水スリットのい
ずれか一方又は双方を複数備えた回転体とを備えて成る
ことにある。

かかる構成の噴霧式放水ノズルにおいて、前記導水孔又
は導水スリンＩ・が軸方向に対して斜め方向に形成され
た直線状又は曲線状からなることにある。

更に、かかる噴霧式放水ノズルにおいて、前記筒状体の
放水側端部に該軸方向に摺動し得る外筒を設け、前記回
転体と該放水ノズル開口端部との長さを調整し得るよう
にしたことにある。

〔作　用〕

かかる噴霧式放水ノズルによれば、剛性の筒状体に導か
れてきた高圧水は軸受により回転可能に支持された回転
体に当たり、その回転体に形成された導水孔（導水スリ
ット）を通過させられる。

導水孔は回転体の−の面に設けられた入口と他の面に設
けられた出口との間は軸方向に対して斜め方向に直線状
あるいは曲線状に形成され、円周方向に分力が生ずるよ
うにされている。従って、導水孔を通過させられる高圧
水による反力によって、回転体は回転させられる。回転
する回転体を通過した高圧水は空気抵抗によって細かく
分断されて霧化され、高圧水の有する速度により噴出さ
せられる。

また、かかる噴霧式放水ノズルの筒状体に軸方向に摺動
し得る外筒を設け、回転体と放水ノズルの開口端部との
長さを調整し得るようにすることによ−７て、放水ノズ
ルから噴出させられる噴霧の広がり角度が任意に調整さ
れる。

〔実施例〕

次に、本発明に係る噴霧式放水ノズルの実施例を図面に
基づいて詳しく説明する。

第１図において、符号１０は銅合金やステンレススチー
ルなど剛性部材によって形成された筒状体であり、筒状
体１０の一端は放水するための開放端部１２とされ、他
端は地中に埋設された消火栓やポンプ車の吐出管などに
接続されたホースを接続するための接続部１４とされる
。この接続部１４は図に示すようなネジ式であっても良
く、あるいは差込式であっても良い。

筒状体１０の開放端部１２例の内部には軸受Ｉ６が設け
られていて、その軸受１６に回転体１８が回転可能に支
持されている。回転体１日の片面には高水圧が作用させ
られるため、軸受１６はスラスト軸受が好ましい。また
、軸受１６は水やあるいは海上などにおいては海水に接
触させられて使用されても錆ないように、ステンレスス
チールや樹脂など耐錆性のある材料によって形成される
のが好ましい。

軸受１６に回転可能に支持されている回転体１８は円盤
状をなし、第２Ｍに示すようにこの回転体１８には多数
の導水孔２０が形成されている。

導水孔２０は入口から出口までの通路が直線状に形成さ
れていて、その導水孔２０の軸方向は筒状体１０の軸方
向に対して円周方向斜めに形成されている。

従って、回転体１８の−の面に作用させられた高圧水は
その導水孔２０内を高速度で通過させられ、その際高圧
水の反作用（反力）によって回転体１８は回転さゼられ
る。回転する回転体１８の導水孔２０から噴出させられ
る水は空気抵抗によって細かく分断され、霧状に霧化さ
せられる。霧化された水は高圧水の有する圧力が変換さ
れた速度と回転体１８の回転力によってイ」加された速
度とによって、高速度で筒状体１０の開放端部１２から
噴霧させられる。

筒状体１０の開放端部１２には第１図に示すように、外
筒２２が設けられている。外筒２２の内面には螺旋状の
カム溝２４が形成されており、方、筒状体１０の外表面
にはカム突起２６が突設され、外筒２２ばカム溝２４に
沿って回転させられながら軸方向に摺動させられる。外
筒２２を摺動させて、回転体１８と外筒２２の開口端部
との長さを調整することによって、回転体１８から発生
させられた噴霧が放出させられる広がり角度が変えられ
る。これにより、噴霧を届かせる位置を任意に変えるこ
とができる。

以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその他の
態様でも実施し得るものである。

たとえば、回転体１８の外周部と筒状体１０の内周との
間からの水漏れを防ぐためにメカニカルシールなどのシ
ールを配設しても良い。

また、第３図に示すように、回転体２８に形成される導
水孔３０は入口から出口までの通路を曲線によって形成
することも可能である。曲線で形成された導水孔３０は
流出する高圧水による反力を効率的に回転体２８の回転
力に変換することができ、高速度で回転体２８を回転さ
せることができる。これにより、より一層細かい噴霧を
得ることが可能となる。

ここで、導水孔２０．３０の角度あるいは曲率は水圧や
回転体１８．２８の回転速度などに基づいて最適な数値
を求めることができる。回転体１８．２日の周速度は半
径に比例して異なるため、同心円ごとに角度や曲率の異
なる導水孔を形成しても良い。また、導水孔の内径を半
径に比例して適宜変化させても良い。

更に、円形状の導水孔に限られず、たとえば第４図に示
すように、回転体３２にスリット形状の導水スリット３
４を形成しても本発明は可能である。導水スリット３４
のスリット幅は狭い方が好ましい。また、導水スリント
と導水孔とを併用しても良く、この場合、周速度の速い
外周部に導水スリントを設けるのが好ましい。

また、第５図に示すように、回転体３６を回転可能に支
持する軸受３８を回転体３６の軸心部に設け、その軸受
３８を回転体３６とともに支持部材４０によって支持し
得るように構成することも可能である。なお、図中符号
４２はメカニカルシールである。また、本実施例におい
ては、直線状のスライド溝４４に沿って外筒４６が軸方
向に摺動し得るようにされている。

このように本例においては、周速度がゼロである回転体
３６の軸心部で支持するようにするとともに、周速度の
速い外周部に多くの導水孔あるいは導水スリットを設け
ることができ、より効果的に噴霧を得ることが可能とな
る。

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明した
が、本発明は図示した形状、構造に限定されるものでな
いことば当然である。たとえば、回転体の外周部には必
ずしもシールを必要としない。また、放水を直ちに停止
するために、噴霧式放水ノズルの内部に遮断弁などを配
設することも可能である。

更に、外筒を設けずに常に一定の広がり角度で放水する
ようにしても良く、また、本発明に係る噴霧゛式放水ノ
ズルは消火用に限定されるものではなく、他の用途に適
宜使用し得るものである等、その他、本発明はその趣旨
を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる
改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである
。

〔発明の効果〕

かかる本発明は筒状体の内部に軸受によって支持された
回転体を設り、高圧水の水流によって回転体を回転させ
つつ、その回転体に形成された導水孔あるいは導水スリ
ットから導出された水を霧化するように構成しているた
め、粒径の細かい噴霧を得ることが可能となる。粒径が
均一で且つ細かい噴霧を得ることができるため、消火作
業などにおいて熱の吸収作用が良く、温度降下による消
火効果が大きく、また、微粒子状の噴霧が燃焼物を覆っ
て空気と燃焼物とを遮断して、窒息作用による消火が従
来に増して期待でき、更に、微粒子状の噴霧が空気中に
漂い、空気中に含まれる煙や有害物質を吸着するため、
安全に消火作業を行うことができることになる。

本発明に係る噴霧式放水ノズルは粒径が均一で細かい噴
霧を得ることができるため、消火用以外の用途、たとえ
ば人工雪の製造などにも使用することができることは当
然である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る噴霧式放水ノズルの一実施例を示
す側面断面図であり、第２図は第１図に示す回転体の正
面図である。第３図は回転体に形成される導水孔の他の
実施例を示す要部断面図であり、第４図は回転体に形成
される導水スリットの一例を示す正面図である。第５図
は本発明に係る噴霧式放水ノズルの他の実施例を示す側
面断面図である。 第６図は従来の噴霧式放水ノズルの構造を示す要部断面
図である。 １０；筒状体 １６．３８；軸受 １８．２８．３２，３６；回転体 ２０．３０ｉ導水孔 ２２．４６；外筒 ３４；導水スリット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）高圧水を導く剛性の筒状体と、該筒状体の内部に
   設けられた軸受と、該軸受に回転可能に支持され、前記
   高圧水により前記筒状体の円周方向に分力を生ずるよう
   に形成された導水孔又は導水スリットのいずれか一方又
   は双方を複数備えた回転体とを備えて成ることを特徴と
   する噴霧式放水ノズル。
2. （２）前記導水孔又は導水スリットが軸方向に対して斜
   め方向に形成された直線状又は曲線状からなることを特
   徴とする噴霧式放水ノズル。
3. （３）前記筒状体の放水側端部に該軸方向に摺動し得る
   外筒を設け、前記回転体と該放水ノズル開口端部との長
   さを調整し得るようにしたことを特徴とする噴霧式放水
   ノズル。