JP2011211771A - 電力変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が容易となり、生産性に優れた電力変換装置を提供すること。
【解決手段】半導体積層ユニット4を、フレーム5内に収容してなる電力変換装置1。半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端には、積層方向Xに加圧する加圧部材6が配されている。フレーム5は、加圧部材6の少なくとも一部を挿入するための挿入開口部52を有する。加圧部材6は、バネ部材61と、バネ部材61における半導体積層ユニット4と反対側に配設された押圧板62とを有する。加圧部材6は、積層方向Xから見たときバネ部材61が挿入開口部52の内側に配置され、押圧板62がフレーム5に固定された状態で配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを有する電力変換装置及びその製造方法に関する。
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータと、車両に搭載された直流バッテリーとの間において、電力の変換を行うための電力変換装置がある。電力変換装置は、スイッチング素子を内蔵した半導体モジュールを複数個有しているが、これらの半導体モジュールは、そこに流れる被制御電流によって発熱する。特に近年、上記交流モータに要求される駆動力の上昇に伴って、被制御電流が大きくなり、半導体モジュールの発熱量が大きくなる傾向にある。
それゆえ、この発熱に伴う半導体モジュールの温度上昇を抑制する必要がある。そこで、電力変換装置9は、図21、図22に示すごとく、複数の半導体モジュール92を冷却するための冷却器930を有する(特許文献1参照)。冷却器930は、内部に冷却媒体を流通させる冷媒流路を設けた複数の冷却管93を連結してなる。
そして、電力変換装置9は、冷却管93の間に半導体モジュール92を挟持した半導体積層ユニット94と、該半導体積層ユニット94を積層方向Xに加圧する板バネ部材96とを、フレーム95内に収納してなる。
また、板バネ部材96の両端部961は、フレーム95内に配置した一対の支承ピン97に係止させてある(図21、図22参照)。板バネ部材96は、両端部961の内側部分が半導体積層ユニット94側に凸の状態で湾曲しており、その中央部において、半導体積層ユニット94を積層方向Xに押圧するように付勢された状態で配設されている。
上記電力変換装置9を組み立てるに当たっては、まず、フレーム95内に半導体積層ユニット94を配置する。また、該半導体積層ユニット94における積層方向Xの一端であってフレーム95内に、自由状態にある板バネ部材96を配置する(図17、図18参照)。そして、板バネ部材96の両端部961付近を押圧治具によって半導体積層ユニット94へ向かって加圧することによって、板バネ部材96を弾性変形させる。
所定量板バネ部材96を弾性変形させた状態で、板バネ部材96の両端部961とフレーム95の内壁との間に支承ピン97を積層方向Xに直交する方向から挿入する(図19、図20参照)。
次いで、板バネ部材96の両端部961とフレーム95の内壁との間に、支承ピン97を介設することにより板バネ部材96の付勢状態を維持する(図21、22参照)。この板バネ部材96の付勢力によって半導体積層ユニット94を積層方向Xに加圧する。
特開2009−27805号公報
しかしながら、上記板バネ部材96の組み付けの際に、上述のごとく、自由状態にある板バネ部材96、すなわち積層方向の寸法が大きい状態にある板バネ部材96を半導体積層ユニット94と共にフレーム95内に配置するため、フレーム95の寸法を大きくする必要がある。更には、上記板バネ部材96の組み付けの際には、板バネ部材96を弾性変形させるために用いる押圧治具98もフレーム95内に配置するため、フレーム95の寸法を更に大きくする必要がある。その結果、電力変換装置9の大型化を招いてしまう。
また、板バネ部材96とフレーム95の内壁との間に支障ピン97を配置するため、この支障ピン97を配置するスペースについても、フレーム95の寸法の拡大につながる。
その結果、電力変換装置9の大型化を招いてしまう。
また、板バネ96を配置した後、板バネ96とフレーム95の内壁との支承ピン97を配置する必要があるため、組み付け工数の増加という問題も生じる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、小型化が容易となり、生産性に優れる電力変換装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置であって、
上記半導体積層ユニットの積層方向の一端には、該半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配されており、
上記フレームは、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端に対向する位置に、上記加圧部材の少なくとも一部を挿入するための挿入開口部を有し、
上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットを加圧する方向に付勢されたバネ部材と、該バネ部材における上記半導体積層ユニットと反対側に配設された押圧板とを有し、
上記加圧部材は、上記積層方向から見たとき上記バネ部材の少なくとも一部が上記挿入開口部の内側に配置され、上記押圧板が上記フレームに固定された状態で配設されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
第2の発明は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置を製造する方法であって、
挿入開口部を有する上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の一端を上記挿入開口部に対向させるように配置した後、
バネ部材と、該バネ部材の伸縮方向の一端に配設された押圧板とを有する加圧部材を、上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置することによって、上記半導体積層ユニットを上記積層方向に加圧して上記フレーム内に保持し、
上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記バネ部材を上記挿入開口部から上記フレーム内に挿入するとともに、上記押圧板を上記半導体積層ユニットへ向かって押し込むことによって、上記バネ部材を圧縮変形させた状態で、上記押圧板を上記フレームに固定することを特徴とする電力変換装置の製造方法にある(請求項5)。
第3の発明は電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置を製造する方法であって、
挿入開口部を有する上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の一端を上記挿入開口部に対向させるように配置した後、
バネ部材と、該バネ部材の伸縮方向の一端に配設された押圧板と、他端に配設された圧接板とを有する加圧部材を、上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置することによって、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧して上記フレーム内に保持し、
上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記圧接板と上記押圧板とを保持部材によって保持して上記バネ部材を圧縮した状態で、上記圧接板及び上記バネ部材を上記フレーム内に配置し、上記押圧板を上記挿入開口部
に配置すると共に上記フレームに固定した後、
上記保持部材による上記圧接板と上記押圧板との保持を解除することにより、上記バネ部材の付勢力を、上記圧接板を介して上記半導体積層ユニットに付与することを特徴とする電力変換装置の製造方法にある(請求項6)。
第1の発明にかかる電力変換装置においては、上記フレームが、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端に対向する位置に、上記挿入開口部を有する。そのため、上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの積層方向の一端に配置する際に、上記積層方向における上記フレームの外側から半導体積層ユニットに上記バネ部材が当接するように上記加圧部材をフレームに取り付けることができる。
これにより、半導体積層ユニットをバネ部材が押圧する状態で、加圧部材をフレーム内に配設することができる。
このように、フレームの外側から半導体積層ユニットに向かって加圧部材を配設することができるため、加圧部材を押圧するための押圧治具を上記フレーム内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム内に押圧治具を配置するためのスペースを設ける必要がない。
また、加圧部材による半導体積層ユニットへの加圧力の保持も、押圧板をフレームに固定することにより実現できるため、支承ピン等をフレーム内に配置する必要がない。
その結果、フレームの小型化を容易にして、電力変換装置の小型化を容易にすることができる。
そして、電力変換装置への上記加圧部材の組み付けは、上記積層方向からの上記押圧板の押し込みと、該押圧板の上記フレームへの固定とによって行うことができるため、組み付け工数を少なくすることができる。その結果、生産性に優れた電力変換装置を得ることができる。
第2の発明にかかる電力変換装置の製造方法において、上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記バネ部材を上記挿入開口部から上記フレーム内に挿入するとともに、上記押圧板を上記半導体積層ユニットへ向かって押し込むことによって、上記バネ部材を圧縮変形させる。そのため、加圧部材を押圧するための押圧治具をフレーム内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム内に押圧治具を配置するためのスペースを設ける必要がない。
そして、上記バネ部材を圧縮変形させた状態で、上記押圧板を上記フレームに固定する。このように、電力変換装置への加圧部材の組み付けにあたっては、上記積層方向への押圧板の押し込みと、上記押圧板のフレームへの固定とによって行うことができるため、組み付け工数を少なくすることができる。
また、加圧部材による半導体積層ユニットへの加圧力の保持も、上記押圧板をフレームに固定することにより実現できるため、支承ピン等を、フレーム内に配置する必要がない。それゆえ、フレームの体格を小さくすることができ、電力変換装置の小型化を容易にすることができる。
第3の発明にかかる電力変換装置の製造方法において、上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記圧接板と上記押圧板とを保持部材によって保持して上記バネ部材を圧縮した状態(圧縮状態)に維持された上記加圧部材を、上記押圧板においてフレームに固定する。そのため、上記フレームへの加圧部材の取付けを容易に行うことができる。
そして、あとは上記保持部材による上記圧接板と上記押圧板との保持を解除することにより、上記加圧部材によって、バネ部材を積層方向に押圧できる。
そのため、加圧部材を押圧するための押圧治具をフレーム内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム内に押圧治具を配置するためのスペースを設ける必要がない。
このように、電力変換装置への加圧部材の組み付けにあたっては、フレーム外におけるバネ部材の圧縮と、上記押圧板のフレームへの固定と、上記圧縮状態の解除とよって行うことができるため、組み付け工数を少なくすることができる。
また、加圧部材による半導体積層ユニットへの加圧力の保持も、上記押圧板をフレームに固定することにより実現できるため、支承ピン等を、フレーム内に配置する必要がない。それゆえ、フレームの体格を小さくすることができ、電力変換装置の小型化を容易にすることができる。
以上のごとく、本発明によれば、小型化が容易となり、生産性に優れた電力変換装置及びその製造方法を提供することができる。
実施例1における、電力変換装置の平面説明図。 図1のA1視図。 実施例1における、フレームの正面図。 実施例1における、フレームの平面説明図。 実施例1における、フレーム内に半導体積層ユニットを配置した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例1における、フレーム内に加圧部材を配置して押圧した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例1における、押圧後の加圧部材をフレーム内に固定した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例2における、電力変換装置の平面説明図。 図8のA2視図。 実施例3における、電力変換装置の平面説明図。 図10のA3視図。 実施例3における、圧縮状態に保持された加圧部材の断面説明図。 実施例3における、フレーム内に半導体積層ユニットを配置した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例3における、圧縮された加圧部材をフレーム内に配置する前の状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例3における、圧縮された加圧部材のフレーム内固定後、かつ圧縮状態解除前の状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 実施例3における、圧縮された加圧部材のフレーム内固定後、かつ圧縮状態解除後の状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 従来例における、フレーム内に半導体積層ユニットを配置し、板バネ形状の加圧部材を配置した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 図17のB−B断面説明図。 従来例における、押圧後の加圧部材の両端部とフレームの間に支承ピンを配置した状態における電力変換装置の製造方法の平面説明図。 図19のB−B断面説明図。 従来例における、電力変換装置の製造方法の平面説明図。 図21のB−B断面説明図。
第1の発明、第2の発明及び第3の発明において、上記電力変換装置としては、例えば、DC−DCコンバータやインバータ等がある。また、上記電力変換装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータに通電する駆動電流の生成に用いることができる。
なお、上記半導体モジュールと上記冷却管とは、直接密着していてもよいし、絶縁材等を介して密着していてもよい。
また、上記第1の発明において、上記バネ部材は、螺旋状に形成されたコイルバネであることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記積層方向に直交する方向のバネ板部材の寸法を小さくしやすい。
そのため、上記フレーム内における、バネ部材の設置スペースを縮小でき、フレームの小型化を図り、ひいては電力変換装置の一層の小型化を図ることができる。
また、上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットに当接する圧接板を有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記加圧部材から上記冷却管への押圧力が上記圧接板を介することによって均一に伝わり、かつ上記加圧部材の上記冷却管に対する局部的な押圧による変形を防ぐことができる。
また、上記加圧部材は、上記バネ部材を圧縮した状態で上記圧接板と上記押圧板とを保持部材に保持させるための被保持部を有していてもよい(請求項4)。
この場合には、加圧部材を電力変換装置に組み付ける際に、上記圧接板と上記押圧板とを保持部材によって保持して上記バネ部材を圧縮して、加圧部材を圧縮状態に保つことができる。
そして、この上記加圧部材の圧縮状態の形成は上記フレームの外で行うことができるため、電力変換装置への加圧部材の組み付けを容易に行うことができる。
また、第2の発明において、上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットに当接する圧接板を有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記加圧部材から上記冷却管への押圧力が上記圧接板を介することによって均一に伝わり、かつ上記加圧部材の上記冷却管に対する局部的な押圧による変形を防ぐことができる。
また、第2の発明又は第3の発明において、上記バネ部材は、螺旋状に形成されたコイルバネであることが好ましい(請求項8)。
この場合には、上記積層方向に直交する方向のバネ板部材の寸法を小さくしやすい。
そのため、上記フレーム内における、バネ部材の設置スペースを縮小でき、フレームの小型化を図り、ひいては電力変換装置の一層の小型化を図ることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図7を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1に示すごとく、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール2と、該半導体モジュール2を冷却する冷却管3とを交互に積層してなる半導体積層ユニット4を、フレーム5内に収容してなる。
半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端には、該半導体積層ユニット4を積層方向Xに加圧する加圧部材6が配されている。
フレーム5は、半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端に対向する位置に、加圧部材6の少なくとも一部を挿入するための挿入開口部52を有する。
加圧部材6は、半導体積層ユニット4を加圧する方向に付勢されたバネ部材61と、該バネ部材6における半導体積層ユニット4と反対側に配設された押圧板62とを有する。
加圧部材6は、積層方向Xから見たときバネ部材61が挿入開口部52の内側に配置され、押圧板62がフレーム5に固定された状態で配設されている。
図1に示すごとく、半導体積層ユニット4は半導体モジュール2と冷却管3とを交互に積層してなる。半導体モジュール2は、IGBT等のスイッチング素子やFWD等のダイオードを内蔵してなる(図示略)。
複数の冷却管3は積層方向Xに直交する方向に長く、その長手方向(以下、この方向を適宜「横方向Y」という。)の両端部において、隣り合う冷却管3同士が変形可能な連結管32によって連結されて、1つの冷却器30を構成している。
冷却器30は、積層方向Xの一端(これを以下、適宜「前端」という。)に配された冷却管3における横方向Yの両端部に接続した冷媒導入管331及び冷媒排出管332を有する。
これにより、冷媒導入管331から導入された冷却媒体は、連結管32を適宜通り、各冷却管3に分配されると共にその長手方向(横方向Y)に流通する。そして、各冷却管3を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール2との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は下流側の連結管32を適宜通り、冷媒排出管332に導かれ、冷却器30から排出される。
冷却媒体としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
冷媒導入管331及び冷媒排出管332は、その先端側をフレーム5の外部に露出させている。
フレーム5は、積層方向X及び横方向Yの双方に直交する高さ方向の両側に開口していると共に、高さ方向から見た形状が略長方形状を有する。そして、この長方形状の一辺を構成する前板部503に、図4に示すごとく、その高さ方向の所定範囲にわたって形成された挿入開口部52が配置している。挿入開口部52は前板部503の横方向Yの中央位置に形成されている。また、挿入開口部52は、半導体積層ユニット4の横方向Yの中央に向かって開口している。
電力変換装置1は、フレーム5の高さ方向の両側に蓋体を被せることによって、外殻となるケースを構成することもできるし、別途用意したケースにフレーム5ごと構成部品を収容して構成することもできる。すなわち前者の場合はフレーム5がケースの一部となり、後者の場合はフレーム5がケースの内部に収容されることとなる。
図3に示すとおり、前板部503の略中央には、挿入開口部52が形成され、また冷媒導入管331及び冷媒排出管332の形状に対応した凹状の係止部505が各々形成される。
また、挿入開口部52の両側には押圧板62を固定するための押圧板取付部51が形成してある。押圧板取付部51の略中央部には、固定用ボルト7が積層方向Xの外側から螺挿可能な形状のボルト取付孔510が形成される。
図2に示すとおり、加圧部材6は、積層方向Xから見たとき、バネ部材61が挿入開口部52の内側に配置され、押圧板62がフレーム5に固定された状態で配設される。
図1に示すごとく、バネ部材6は螺旋状に形成されたコイルバネからなる。
また、加圧部材6は半導体積層ユニット4に当接する圧接板63を有する。
図1に示すごとく、半導体積層ユニット4の前端面42に、加圧部材6における圧接板63が当接している。圧接板63は例えば、炭素鋼からなり、十分な剛性を有すると共に半導体積層ユニット4の前端面42に冷却管3に対して広い範囲で面接触している。これにより、加圧部材6が冷却管3を局部的に押圧することを防いで、冷却管3の変形を防いでいる。
冷却器30はアルミニウム又はその合金からなる。フレーム5もアルニムウム又はその合金からなる。
電力変換装置1を組み立てるに当たっては、図5に示すごとく、挿入開口部52を有するフレーム5に、半導体積層ユニット4を、該半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端(前端面42)を挿入開口部52に対向させるように配置する。
次いで、図6に示すごとく、バネ部材61と、該バネ部材61の伸縮方向の一端に配設された押圧板62とを有する加圧部材6を、半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端に配置することによって、半導体積層ユニット4を積層方向Xに加圧してフレーム5内に保持する。
加圧部材6を半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端(前端)に配置するに当たっては、バネ部材61を挿入開口部52からフレーム5内に挿入するとともに、押圧板62を半導体積層ユニット4へ向かって押し込むことによって、バネ部材61を圧縮変形させた状態で、押圧板62をフレーム5に固定する。
半導体積層ユニット4をフレーム5内に配置する際に半導体積層ユニット4の後端面43は、フレーム5の後板部502に対向させる。
また、半導体積層ユニット4に接続された冷媒導入管331と冷媒排出管332とを、フレーム5の係止部505に各々嵌合すると共に、フレーム5の外側へ突出させる。
その後、半導体積層ユニット4の前端面42に圧接板63が面接触し、バネ部材61が挿入開口部52の内側に位置し、押圧板62が挿入開口部52の外側(前方)に位置するように、加圧部材6を配置する。そして、フレーム5の挿入開口部52の外側から押圧冶具8によって、加圧部材6における押圧板62を積層方向Xに押圧して、押圧板取付部51に当接するまで押圧板62を移動させる(矢印F)。
このとき、加圧部材6におけるバネ部材61が弾性変形し、その付勢力(復元力)が蓄えられる。
この状態において、固定ボルト7を、押圧板62におけるボルト挿通孔620に挿通すると共に、押圧板取付部51におけるボルト取付孔510に螺合することにより、押圧板62を押圧板取付部51に固定する。
次いで、押圧冶具8を外部側に離し、加圧部材6のフレーム5内への取付が完了する。
なお、押圧持具8には、固定ボルト7を通すための貫通孔80が各々形成される。
以上により、本例に係る電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール2と、該半導体モジュール2を冷却する冷却管3とを交互に積層してなる半導体積層ユニット4を、フレーム5内に収容してなる電力変換装置1を製造できる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
第1の発明にかかる電力変換装置1においては、フレーム5が、半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端に対向する位置に、挿入開口部52を有する。そのため、加圧部材6を半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端に配置する際に、積層方向Xにおけるフレーム5の外側から半導体積層ユニット4にバネ部材61が当接するように加圧部材6をフレーム5に取り付けることができる。
これにより、半導体積層ユニット4をバネ部材61が押圧する状態で、加圧部材6をフレーム5内に配設することができる。
このように、フレーム5の外側から半導体積層ユニット4に向かって加圧部材6を配設することができるため、加圧部材6を押圧するための押圧治具8をフレーム5内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム5内に押圧治具8を配置するためのスペースを設ける必要がない。
また、加圧部材6による半導体積層ユニット4への加圧力の保持も、押圧板62をフレーム5に固定することにより実現できるため、支承ピン(図19〜図22の符号97参照)等をフレーム5内に配置する必要がない。
その結果、フレーム5の小型化を容易にして、電力変換装置1の小型化を容易にすることができる。
そして、電力変換装置1への加圧部材6の組み付けは、積層方向Xからの押圧板62の押し込みと、該押圧板62のフレーム5への固定とによって行うことができるため、組み付け工数を少なくすることができる。その結果、生産性に優れた電力変換装置1を得ることができる。
また、バネ部材61は、螺旋状に形成されたコイルバネであるため、積層方向Xに直交する方向のバネ部材61の寸法を小さくしやすい。
そのため、フレーム5内における、バネ部材61の設置スペースを縮小でき、フレーム5の小型化を図り、ひいては電力変換装置1の一層の小型化を図ることができる。
また、加圧部材6は、半導体積層ユニット4に当接する圧接板63を有するため、加圧部材6から冷却管3への押圧力が圧接板63を介することによって均一に伝わり、かつ加圧部材6の冷却管3に対する局部的な押圧による変形を防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、小型化が容易となり、生産性に優れた電力変換装置1を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図8、図9に示すごとく、固定用ボルト7の締結位置を押圧板62及びフレーム5の上面において配置した例である。
ここで、本例では、押圧板取付部51及び挿入開口部52はフレーム5における後板部502に形成される。
そして、本例の場合においては、フレーム5における押圧板取付部51の位置及び挿入開口部52の位置は、フレーム5における後板部502から外側に突出して形成される。
図9に示すごとく、押圧板62におけるボルト挿通孔620は押圧板62の上面に位置し、押圧板取付部51におけるボルト取付孔510の位置も、押圧板取付部51の上面に形成される。
押圧板62は、高さ方向の上端部から横方向Yの両側に突出した突出部630が一対形成され、該突出部630には高さ方向に貫通したボルト挿通孔620が形成されている。
また、押圧板取付部51においては、突出部630を載置可能な載置面520が形成され、該載置面520から高さ方向にボルト取付孔510が形成されている。
図8に示されるように、本例の場合においては、半導体積層ユニット4のフレーム5内への取り付けに際し、半導体積層ユニット4の前端面42をフレーム5の前板部503に対向させる。
そして、加圧部材6を半導体積層ユニット4の後端面43に配置する。
具体的には、半導体積層ユニット4の後端面43と、加圧部材6における圧接板63とを面接触させた状態で、フレーム5の挿入開口部52の外側から押圧冶具(図示略)によって、加圧部材6における押圧板62を積層方向Xに押圧して移動させる。
そして、載置面520に突出部630が載置される状態まで、押圧板62を押し込んだ後、ボルト挿通孔620とボルト取付孔510の位置を一致させる。
この状態において固定用ボルト7を、押圧板62におけるボルト挿通孔620に挿通すると共に、押圧板取付部51におけるボルト取付孔510に螺合することにより、押圧板62を押圧板取付部51に固定する。
次いで、押圧冶具(図示略)を外部側に離し、加圧部材6のフレーム5への取付が完了する。
これにより、加圧部材6によって半導体積層ユニット4を加圧した状態の電力変換装置1が得られる。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、押圧板取付部51の位置が、後板部502よりも外側に突出して形成されことにより、後板部502と半導体積層ユニット4の後端面43との間の距離を縮小することが可能になる。
その結果、バネ部材61の両脇におけるフレーム5内のスペースを小さくして、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図10〜図16に示すごとく、第3の発明に係る電力変換装置1の製造方法の実施例である。
なお、最終的に得られる電力変換装置1の構成(図10、図11)は実施例2(図8、図9)と略同様である。
本例においては、図13に示すごとく、まず実施例1、2と同様に、挿入開口部52を有するフレーム5に、半導体積層ユニット4を、該半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端(後端面43)を挿入開口部52に対向させるように配置する。
そして、図16に示すごとく、加圧部材6を、半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端(後端)に配置することによって、半導体積層ユニット4を積層方向Xに加圧してフレーム5内に保持する。
加圧部材6を半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端(後端)に配置するに当たっては、図14、図15に示すごとく、圧接板63と押圧板62とを保持部材64によって保持してバネ部材61を圧縮した状態(圧縮状態)で、圧接板63及びバネ部材61をフレーム5内配置し、押圧板62を挿入開口部52に配置すると共に、フレーム5に固定する。
その後、図16に示すごとく、保持部材64による圧接板63と押圧板62との保持を解除することにより、バネ部材61の付勢力を、圧接板63を介して半導体積層ユニット4に付与する。
これにより、半導体積層ユニット4を、フレーム5内に収容してなる電力変換装置1を製造することができる。
本例において、図12に示すごとく、加圧部材6は、バネ部材61を圧縮した状態で、圧接板63と押圧板62とを保持部材64に保持させるための被保持部640を有する。 ここで、保持部材64はボルトからなり、被保持部640はボルト(保持部材64)と螺合する雌ネジからなる。
保持部材64は押圧板62のボルト挿通孔620に挿通されると共に、コイルバネからなるバネ部材61の内側を通り、圧接板63の被保持部640に螺合される。
その他は、実施例2と同様である。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例の電力変換装置1の製造方法において、加圧部材6を半導体積層ユニット4の積層方向Xの一端に配置するに当たっては、上記圧縮状態に維持された加圧部材6を押圧板62においてフレーム5に固定する。そのため、フレーム5への加圧部材6の取付けを容易に行うことができる。
そして、あとは、保持部材64による圧接板63と押圧板62との保持を解除することにより、加圧部材6によって、バネ部材61を積層方向Xに押圧できる。
そのため、加圧部材6を押圧するための押圧治具8をフレーム5内に配置する必要がない。換言すれば、フレーム5内に押圧治具8を配置するためのスペースを設ける必要がない。
このように、電力変換装置1への加圧部材6の組み付けにあたっては、フレーム5外におけるバネ部材61の圧縮と、押圧板62のフレーム5への固定と、圧縮状態の解除とよって行うことができるため、組み付け工数を少なくすることができる。
また、加圧部材6による半導体積層ユニット4への加圧力の保持も、押圧板62をフレーム5に固定することにより実現できるため、支承ピン(図19〜図22の符号97参照)等を、フレーム5内に配置する必要がない。それゆえ、フレーム5の体格を小さくすることができ、電力変換装置1の小型化を容易にすることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 電力変換装置
2 半導体モジュール
3 冷却管
4 半導体積層ユニット
5 フレーム
52 挿入開口部
6 加圧部材
61 バネ部材
62 押圧板

Claims (8)

  1. 電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置であって、
    上記半導体積層ユニットの積層方向の一端には、該半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配されており、
    上記フレームは、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端に対向する位置に、上記加圧部材の少なくとも一部を挿入するための挿入開口部を有し、
    上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットを加圧する方向に付勢されたバネ部材と、該バネ部材における上記半導体積層ユニットと反対側に配設された押圧板とを有し、
    上記加圧部材は、上記積層方向から見たとき上記バネ部材の少なくとも一部が上記挿入開口部の内側に配置され、上記押圧板が上記フレームに固定された状態で配設されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、上記バネ部材は、螺旋状に形成されたコイルバネであることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットに当接する圧接板を有することを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載の電力変換装置において、上記加圧部材は、上記バネ部材を圧縮した状態で上記圧接板と上記押圧板とを保持部材に保持させるための被保持部を有することを特徴とする電力変換装置。
  5. 電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置を製造する方法であって、
    挿入開口部を有する上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の一端を上記挿入開口部に対向させるように配置した後、
    バネ部材と、該バネ部材の伸縮方向の一端に配設された押圧板とを有する加圧部材を、上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置することによって、上記半導体積層ユニットを上記積層方向に加圧して上記フレーム内に保持し、
    上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記バネ部材を上記挿入開口部から上記フレーム内に挿入するとともに、上記押圧板を上記半導体積層ユニットへ向かって押し込むことによって、上記バネ部材を圧縮変形させた状態で、上記押圧板を上記フレームに固定することを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  6. 電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷却管とを交互に積層してなる半導体積層ユニットを、フレーム内に収容してなる電力変換装置を製造する方法であって、
    挿入開口部を有する上記フレームに、上記半導体積層ユニットを、該半導体積層ユニットの積層方向の一端を上記挿入開口部に対向させるように配置した後、
    バネ部材と、該バネ部材の伸縮方向の一端に配設された押圧板と、他端に配設された圧接板とを有する加圧部材を、上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置することによって、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧して上記フレーム内に保持し、
    上記加圧部材を上記半導体積層ユニットの上記積層方向の一端に配置するに当たっては、上記圧接板と上記押圧板とを保持部材によって保持して上記バネ部材を圧縮した状態で、上記圧接板及び上記バネ部材を上記フレーム内に配置し、上記押圧板を上記挿入開口部
    に配置すると共に上記フレームに固定した後、
    上記保持部材による上記圧接板と上記押圧板との保持を解除することにより、上記バネ部材の付勢力を、上記圧接板を介して上記半導体積層ユニットに付与することを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  7. 請求項5に記載の電力変換装置において、上記加圧部材は、上記半導体積層ユニットに当接する圧接板を有することを特徴とする電力変換装置の製造方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記バネ部材は、螺旋状に形成されたコイルバネであることを特徴とする電力変換装置の製造方法。
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