JP2011209555A - 発光ユニット及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期に亘って輝度の高い蛍光光を射出することのできる発光ユニットと、この発光ユニットを備えることで投影画像の色再現性を長期に亘って維持することのできるプロジェクタと、を提供する。
【解決手段】 本発明の発光ユニットは、両面に蛍光発光部を有する蛍光板と、励起光を前記蛍光板の一方の面に照射する光源と、前記蛍光板における前記光源からの励起光の照射面を、前記蛍光板の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置と、を備え、前記蛍光発光部には、前記光源からの励起光を受けて所定の波長帯域光を射出する蛍光体の層が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、発光ユニットと、この発光ユニットを内蔵するプロジェクタに関する。
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、更にメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させる。
このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として発光ダイオードやレーザーダイオード、あるいは、有機EL、蛍光体等を用いるプロジェクタの開発が多々なされている。例えば、特開2004−341105号公報(特許文献1)では、光源としての発光ダイオードと、この光源から射出する紫外光を可視光に変換する蛍光発光部を透明基材に形成させた蛍光ホイールと、を有する発光ユニットについての提案がなされている。
また、特開2009−277516号公報(特許文献2)では、紫外光よりもエネルギーの低い可視光を励起光として蛍光体に照射する発光ユニットについての提案がなされている。この発光ユニットは、入射光を吸収することにより蛍光光を発する赤色蛍光発光部や緑色蛍光発光部、入射光を拡散して透過させる拡散部が円周方向に隣接して形成された蛍光ホイールに、青色光などの可視光をレンズによって集光して照射することで、赤色、緑色、青色等の各色の光を順次生成することができるものである。
特開2004−341105号公報 特開2009−277516号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の発光ユニットは、プロジェクタを連続運転させるために蛍光発光部に励起光を長時間照射し続ける必要がある。したがって、この蛍光体に対する励起光の長時間照射を起因として蛍光体が劣化し、プロジェクタから投影されるカラー画像の色の再現性に影響を及ぼしてしまうことがあった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、長期に亘って輝度の高い蛍光光を射出することのできる発光ユニットと、この発光ユニットを備えることで投影画像の色再現性を長期に亘って維持することのできるプロジェクタと、を提供することを目的としている。
本発明の発光ユニットは、両面に蛍光発光部を有する蛍光板と、励起光を前記蛍光板の一方の面に照射する光源と、前記蛍光板における前記光源からの励起光の照射面を、前記蛍光板の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置と、を備え、前記蛍光発光部には、前記光源からの励起光を受けて所定の波長帯域光を射出する蛍光体の層が形成されていることを特徴とする。
そして、本発明の発光ユニットにおいて、前記蛍光板は円板形状であり、前記蛍光板を円周方向に回転させる回転駆動装置を有していることが好ましい。
また、本発明の発光ユニットにおいて、前記照射面切換駆動装置は、前記蛍光板を所定時間ごとに反転させるように動作される構成とすることができる。
さらに、本発明の発光ユニットにおいて、前記蛍光板は、複数色成分の蛍光体が塗布された蛍光発光部を有し、前記蛍光板の一方の面と他方の面とで、当該複数色成分の蛍光体の配列順が逆順となるように配列されることもある。
そして、本発明の発光ユニットにおいて、前記蛍光板には拡散部が形成されることもある。前記拡散部は、前記光源からの光を拡散して射出する。
また、本発明の発光ユニットにおいて、前記蛍光板における蛍光発光部には、赤色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、緑色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、青色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、が形成されていることもある。
そして、本発明のプロジェクタは、光源からの励起光を受けて所定の波長帯域光を発する蛍光発光部を両面に有する蛍光板と、励起光を前記蛍光板の一方の面に照射する光源と、前記蛍光板における前記光源からの励起光の照射面を、前記蛍光板の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置と、を有する発光ユニットと、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光を所定の一面に集光する光源側光学系と、表示素子と、前記光源側光学系により所定の一面に集光された光を前記表示素子に導光する導光光学系と、前記表示素子から射出される画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明のプロジェクタは、赤色波長帯域光を発する赤色光源装置をさらに具備し、前記光源は青色波長帯域光を発するレーザー発光器であり、前記発光ユニットの蛍光板は緑色波長帯域光を発する蛍光発光部と前記光源からの光を拡散して射出する拡散部とを有し、前記光源側光学系は、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光と前記赤色光源装置から射出される光とを所定の一面に集光する構成とすることができる。
また、本発明のプロジェクタは、赤色波長帯域光を発する赤色光源装置と、青色波長帯域光を発する青色光源装置と、さらに具備し、前記光源は青色波長帯域光を発するレーザー発光器であり、前記発光ユニットの蛍光板は緑色波長帯域光を発する蛍光発光部からなり、前記光源側光学系は、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光と前記赤色光源装置及び前記青色光源装置から射出される光とを所定の一面に集光する構成とすることができる。
さらに、本発明のプロジェクタは、前記蛍光板における蛍光発光部に赤色、緑色、青色波長帯域の光を発する蛍光体の層が形成されている発光ユニットと、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光を所定の一面に集光する光源側光学系と、表示素子と、前記光源側光学系により所定の一面に集光された光を前記表示素子に導光する導光光学系と、前記表示素子から射出される画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備える構成とすることもできる。
本発明によれば、長期に亘って輝度の高い蛍光光を射出することのできる発光ユニットと、この発光ユニットを備えることで投影画像の色再現性を長期に亘って維持することのできるプロジェクタと、を提供することができる。
本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。 本発明の実施例に係るプロジェクタの機能ブロック図である。 本発明の実施例に係るプロジェクタの光源ユニットの機能ブロック図である。 本発明の実施例に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。 本発明の実施例に係る蛍光ホイールの正面模式図及び一部断面を示す平面模式図である。 本発明の実施例に係る蛍光ホイールの反転動作を示す側面模式図である。 本発明の実施例に係る蛍光ホイールの反転動作制御フローを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る別の形態の蛍光ホイールの正面模式図及び一部断面を示す平面模式図である。 本発明の実施例に係る別の形態の光学レイアウトを示す平面模式図である。 本発明の変形例に係る蛍光ホイールの正面模式図及び背面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロジェクタ10は、光源ユニット60と、表示素子51と、導光光学系170と、投影側光学系220と、プロジェクタ制御手段と、を備える。
導光光学系170は、光源ユニット60からの光を表示素子51に導光する。投影側光学系220は、表示素子51から射出される画像をスクリーンに投影する。プロジェクタ制御手段は、光源ユニット60や表示素子51を制御する。この光源ユニット60は、発光ユニットと、赤色光源装置120と、光源側光学系140と、を備える。
発光ユニットは、励起光照射装置70における励起光源71と、蛍光発光装置100と、から構成される。励起光照射装置70は、青色波長帯域光を発するレーザー発光器である励起光源71を有する。
蛍光発光装置100は、円板形状の蛍光ホイール101と、回転モータ110と、反転モータ108と、を備える。そして、蛍光ホイール101は、励起光照射装置70の励起光源71から射出される励起光の光軸上に配置される。つまり、励起光源71は、青色波長帯域のレーザー光を励起光として蛍光ホイール101の一方の面に照射するものである。
蛍光ホイール101は、円板形状の金属基材であって、この基材の両面には半円弧状の蛍光発光部103が設けられている。また、この蛍光発光部103と周方向に並設されるように拡散部104が、設けられている。蛍光発光部103は、基材に設けられる半円弧状の凹部に蛍光体の層が敷設されてなる。この蛍光体の層は、励起光照射装置70の励起光源71からの励起光(青色波長帯域光)を受けて緑色の波長帯域光を射出する緑色蛍光体とバインダとにより形成されるものである。
拡散部104は、基材に設けられる半円弧状の切欠き部にブラスト処理の施されたガラスが配設されてなる。つまり、この拡散部104は、入射される青色レーザー光の波長帯域を変換することなく拡散して射出する光学部材である。
回転モータ110は、蛍光ホイール101を円周方向に回転させる回転駆動装置である。つまり、蛍光発光装置100は、励起光源71からの光が回転する蛍光ホイール101の一方の面に照射されると、順次蛍光発光部103と、拡散部104と、に青色光が入射するようになっている。
したがって、蛍光ホイール101は、回転する当該蛍光ホイール101の一方の面に励起光源71からの光が照射されることにより、蛍光発光部103に励起光を受けることで緑色波長帯域の蛍光光を発し、拡散部104に励起光源71からの青色波長帯域光を受けることで、この青色光を拡散して射出する蛍光板として機能する。
そして、反転モータ108は、蛍光ホイール101の向きを変化させるように180度反転させて、蛍光ホイール101における励起光源71からの青色光の照射面を、蛍光ホイール101の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置である。
また、赤色光源装置120は、赤色波長帯域の光を発する発光ダイオードである赤色発光素子121を有する。
そして、光源側光学系140は、蛍光発光装置100の蛍光ホイール101から射出される青色及び緑色波長帯域の光と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域の光と、を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光するレンズやミラー等から構成される。つまり、蛍光発光装置100の蛍光ホイール101から射出される青色及び緑色光、並びに、赤色光源装置120から射出される赤色光は、光源側光学系140によりライトトンネル175の入射口に集光され、集光された各色光は、更に導光光学系170により表示素子51に導光されることとなる。
したがって、光源ユニット60は、プロジェクタ制御手段が、蛍光ホイール101を円周方向に回転させる回転モータ110を動作させる制御を実行するとともに、赤色光源装置120及び励起光照射装置70の発光を個別に制御することで、当該光源ユニット60から順次赤色、緑色、青色の波長帯域光を射出させることができる。そして、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
さらに、プロジェクタ制御手段は、所定時間ごとに蛍光ホイール101を反転させるように反転モータ108を動作させる制御を実行する反転駆動制御手段としても機能する。つまり、照射面切換駆動装置である反転モータ108は、蛍光ホイール101を所定時間ごとに反転させるように動作される。したがって、このプロジェクタ10は、所定時間が経過する度に、蛍光ホイール101における励起光源71からの励起光の照射面を切換えることができる。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
そして、上面パネル11には、音声を出力するスピーカが配設されている。なお、この上面パネル11には、設定メニューやエラー表示を表示する液晶パネルが配設されることもある。
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15における背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について、図2及び図3の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、図2に示すように、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束、即ち光源ユニット60の光源側光学系により所定の一面に集光された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から複数個の冷却ファンの回転速度を個別に制御させる。さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
そして、制御部38は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット駆動回路41を制御する。具体的には、図3に示すように、制御部38は、光源駆動回路41aを制御して、光源ユニット60における励起光照射装置の励起光源71及び赤色光源装置の赤色発光素子121の発光を個別に制御する。また、制御部38は、回転モータ駆動回路41bを制御することで、回転モータ110を駆動して蛍光発光装置の蛍光ホイール101を円周方向に回転させる。さらに、制御部38は、反転モータ駆動回路41cを制御することで、反転モータ108を駆動して蛍光ホイール101を水平方向に180度回転(反転)させる。
そして、回転モータ110及び反転モータ108には、それぞれ回転位置及び反転位置を検出できる回転位置検出手段56及び反転位置検出手段55が接続されている。回転位置検出手段56は、蛍光ホイール101の面上の一部に設けられるマークを光検出する光センサ、又はホール素子などを用いた磁気センサであり、この光センサ又は磁気センサにより検出された回転位置データは制御部38に送出される。また、反転位置検出手段55は、蛍光ホイール101の水平方向の角度データを検出するエンコーダであり、このエンコーダにより検出された角度データは制御部38に送出される。なお、反転位置検出手段55としては、エンコーダを用いずに、蛍光ホイール101が反転して所定位置に配置されたときに接触されるスイッチ、あるいは光センサや磁気センサなどによって構成することもできる。
そして、制御部38は、励起光源71を点灯させてからの時間を計る計時手段としても機能する構成とされる。なお、この点灯時間は積算されてEPROMやMRAMなどの積算時間記憶手段に記憶される。さらに、制御部38は、点灯積算時間が所定時間に達したことを検知したとき、反転モータ108を動作させる反転駆動制御手段としても機能する。つまり、照射面切換駆動装置である反転モータ108は、蛍光ホイール101を所定時間ごとに反転させるように動作される。したがって、このプロジェクタ10は、点灯積算時間が数十〜数百時間などの所定時間に達する度に、蛍光ホイール101を自動で反転させて、蛍光ホイール101における励起光源71からの励起光の照射面を切換えることができるようになっている。
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図4は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図4に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
この光源ユニット60は、青色光及び緑色光を生成する発光ユニットと、赤色光を生成する赤色光源装置120と、各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光する光源側光学系140と、を備える。この発光ユニットは、励起光照射装置70における励起光源71と、蛍光発光装置100と、を有する。
励起光照射装置70は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される。そして、蛍光発光装置100は、励起光照射装置70における励起光源71から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される。また、赤色光源装置120は、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される。そして、光源側光学系140は、蛍光発光装置100からの射出光(青色光及び緑色光)や赤色光源装置120からの射出光(赤色光)の光軸が同一の光軸となるように変換して、ライトトンネル175の入射口に集光するように構成されている。
そして、励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の励起光源71から成る光源群、各励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する複数の反射ミラー75、複数の反射ミラー75で反射した各励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78、及び、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
光源群は、青色波長帯域光を発するレーザー発光器とされる励起光源71がマトリクス状に配列されて成る。また、各励起光源71の光軸上には、各励起光源71からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。そして、複数の反射ミラー75は、階段状に配列されて、各励起光源71から射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ78に向けて反射する。
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー75や集光レンズ78が冷却される。
蛍光発光装置100は、蛍光ホイール101と、回転モータ110と、反転モータと、を備える。この蛍光ホイール101は、円板形状であって、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置される。これにより、励起光源71から射出される光は、蛍光ホイール101の一方の面に照射されることになる。
回転モータ110は、蛍光ホイール101を円周方向に回転させる回転駆動装置であり、反転モータは、蛍光ホイール101を水平方向に180度回転(反転)させることで、励起光照射装置70からの励起光の照射面を蛍光ホイール101の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置である。さらに、この蛍光発光装置100は、励起光照射装置70から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備えている。
そして、上記した励起光照射装置70における各励起光源71から射出されたレーザー光が励起光として蛍光ホイール101の蛍光発光部に照射されると、蛍光発光部における緑色蛍光体が励起されて、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された緑色光が直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、上記した励起光照射装置70における各励起光源71から射出された青色波長帯域のレーザー光が蛍光ホイール101の拡散部に照射されると、入射した青色レーザー光が微細凹凸によって拡散して射出され、集光レンズ115に入射する。
つまり、この蛍光発光装置100と、上記した励起光照射装置70の励起光源71と、によって構成される発光ユニットからは、順次青色光と緑色光とが生成されることになる。なお、回転モータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光発光装置100等が冷却される。また、この蛍光発光装置100における蛍光ホイール101及び蛍光ホイール101を反転させる機構の具体的な構成については後述する。
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色発光素子121と、赤色発光素子121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える単色光源装置である。この赤色発光素子121は、赤色波長帯域の光を発する発光ダイオードである。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。さらに、赤色光源装置120は、赤色発光素子121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色発光素子121が冷却される。
そして、光源側光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光とが交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、このライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、光源側光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する導光光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する導光光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
画像生成ブロック165は、導光光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
このようにプロジェクタ10を構成することで、蛍光ホイール101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を射出すると、赤色、緑色及び青色の波長帯域光が光源側光学系140を介してライトトンネル175に順次入射され、更に導光光学系170を介して表示素子51に入射されるため、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
次に、蛍光発光装置100における蛍光ホイール101及び蛍光ホイール101を反転させる機構の具体的な構成について、図5及び図6を参照して説明する。蛍光ホイール101は、図5(a)、(b)に示すように、円板形状の銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材の両面には半円弧状の蛍光発光部103が設けられ、更にこの蛍光発光部103と周方向に並設されるように半円弧状の拡散部104が設けられている。
蛍光発光部103は、図示するように、励起光源71が配置される側の面である基材の一方の面(表面)と、他方の面(裏面)と、に設けられる半円弧状の凹部に蛍光体の層が敷設されてなる。この蛍光体の層は、励起光照射装置70の励起光源71からの射出光(青色波長帯域光)を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する緑色蛍光体が、耐熱性を有し且つ透光性の高いシリコン樹脂等のバインダに均一に混合されることで形成されるものである。また、この基材における凹部の表面は、銀蒸着等によってミラー加工が施されており、このミラー加工された凹部の表面に蛍光体の層が敷設されている。
拡散部104は、基材に設けられる半円弧状の切欠き部に透光部材が配設されてなる。この切欠き部は、基材の一方の面から他方の面、即ち励起光源71が配置される側の面から反対側の面までを貫通開口とするものである。この拡散部104は、例えば、ガラス材の一方の面にブラスト処理を施すことによって微細凹凸が形成されている。つまり、拡散部104は、励起光源71から照射される光の波長帯域を変換することなく拡散して射出する(拡散透過する)光学部材である。そして、この拡散部104は、蛍光ホイール101の基材に設けられた切欠き部に対応した形状であって、この円弧状の切欠き部を塞ぐように配設されてなる。
なお、この拡散部104は、微細凹凸をガラス材の一方の面に形成する場合に限定することなく、両方の面に形成する、あるいは光を拡散させる粒子をガラス材に均一に混入させるなど、種々の態様を採用することができる。そして、上記したように、蛍光ホイール101は、励起光照射装置70の励起光源71から射出される光の光軸上に配置されており、回転モータ110により円周方向に回転する構成とされているため、励起光源71からの光が回転する蛍光ホイール101の一方の面に照射されると、順次蛍光発光部103と、拡散部104と、に青色光が入射することになる。
したがって、蛍光ホイール101は、回転する当該蛍光ホイール101の一方の面に励起光源71からの光が照射されることにより、蛍光発光部103に励起光を受けることで緑色波長帯域の蛍光光を励起光源71側に発し、拡散部104に励起光照射装置70からの青色波長帯域光を受けることで、この青色光を透過拡散して射出する蛍光板として機能する。よって、この蛍光発光装置100は、青色光と緑色光とを生成することができる。そして、赤色光源装置120が赤色光を生成するため、この光源ユニット60は、光の三原色を順次に射出することができる。そして、このプロジェクタ10は、表示素子51(DMD)がデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
そして、この蛍光ホイール101は、図6(a)及び(b)に示すように、照射面切換駆動装置である反転モータ108によって当該蛍光ホイール101の向きを変化させるように180度反転する構成とされる。蛍光ホイール101は、基材の中央部に回転モータ110の回転軸の形状に対応した円形開口が形成されており、この円形開口に回転軸が挿着されている。そして、モータハブが基材の中央部近傍に接着されることで、この蛍光ホイール101は回転モータ110の回転軸に強固に接続される。
そして、この回転モータ110には、蛍光ホイール101を水平方向に180度回動させる反転モータ108が、反転モータ軸109を介して接続されている。また、蛍光ホイール101の反転前後で励起光照射装置70からホイール面までの距離が変わることの無いように、この反転モータ108は、当該反転モータ108の回転中心線Xが蛍光ホイール101の中心点Oを通るように配置されている。
ここで、蛍光ホイール101の中心点Oは、当該蛍光ホイール101の幅方向(肉厚方向)を二分する面と、当該蛍光ホイール101の回転中心線とが交わる点である。そして、この反転モータ軸109は、反転モータ108の回転軸から上方に延びる軸基部109aと、この軸基部109aから水平方向(横方向)に延在する水平軸部109bと、水平軸部109bの端部から更に上方に延在する回転モータ支持軸109cと、からなる。
したがって、照射面切換駆動装置である反転モータ108が動作すると、蛍光ホイール101における励起光源71からの青色光の照射面が、蛍光ホイール101の一方の面(表面)から他方の面(裏面)へと切換えられることになる。さらに、反転モータ108の回転中心線Xが、蛍光ホイール101の中心点Oを通るように、蛍光ホイール101及び反転モータ108が配設されているため、反転前後で、励起光照射装置70と蛍光ホイール101の面との距離が変わることはない。
なお、図4に示したように、蛍光ホイール101の近傍には、集光レンズ群111や集光レンズ115が配置されるも、これらのレンズ群は蛍光ホイール101の反転スペース117を確保するように、左側パネル15側の移動スペース118へと移動して、蛍光ホイール101の反転後元の位置へと復帰するように構成されているため、蛍光ホイール101の反転中に当該蛍光ホイール101や回転モータ110の一部がレンズなどの周辺部材に干渉することはない。
次に、蛍光ホイール101の反転動作制御の流れについて、図7を参照して説明する。使用者が、プロジェクタ10の電源を入れて当該プロジェクタ10を起動させると、制御部38は、RAMチェックやプログラムチェック、冷却ファン261の駆動などの初期設定処理(ステップS101)を実行する。そして、初期設定処理(ステップS101)の後、制御部38は、反転位置検出手段55から送信される角度データを受信して、蛍光ホイール101が所定の位置に配置されているか否かを判定する位置確認処理(ステップS105)を実行する。
ここで、蛍光ホイール101が正しい位置に配置されていないと判定された場合、制御部38は、反転モータ108を駆動して蛍光ホイール101を正しい位置まで回動させる位置合わせ処理(ステップS107)を実行する。
そして、位置確認処理(ステップS105)において、蛍光ホイール101が正しい位置に配置されていると判定された場合、制御部38は、励起光源71の点灯積算時間が規定の時間に達したか否かを判定する点灯積算時間判定処理(ステップS110)を実行する。
そして、点灯積算時間判定処理(ステップS110)により、励起光源71の点灯積算時間が規定の時間(例えば100時間)が経過したと判定されたとき、制御部38は、積算時間記憶手段に記憶されている点灯積算時間を消去する処理(ステップS115)を実行する。
次に、制御部38は、反転モータ108を動作させて蛍光ホイール101を180度回動させるホイール反転処理(ステップS121)を実行する。そして、制御部38は、反転位置検出手段55から送信される角度データを受信して、蛍光ホイール101が反転されて所定の位置に配置されたか否かを判定する位置確認処理(ステップS125)を実行する。
ここで、蛍光ホイール101が正しい位置に配置されていないと判定された場合、制御部38は、スピーカ48によりその旨を音声出力する、あるいは、プロジェクタ10に液晶パネルが設けられている場合、この液晶表示パネルにエラー表示を出力させるエラー出力処理(ステップS205)を実行する。なお、赤色光源装置120の赤色発光素子121を点灯させて、スクリーンにエラー表示を示す画面を表示させることとしてもよい。また、プロジェクタ10上面などに設けられるインジケータを点灯させることでエラー表示を出力させることとしてもよい。
そして、位置確認処理(ステップS125)において、蛍光ホイール101が正しい位置に配置されていると判定された場合、制御部38は、蛍光ホイール101を円周方向に回転させるホイール回転処理(ステップS131)を実行する。ホイール回転処理(ステップS131)が実行されると、制御部38は、蛍光ホイール101が回転しているか否かを判定する回転確認処理(ステップS135)を実行する。
この回転確認処理(ステップS135)では、回転位置検出手段56から送信される位置データを受信した制御部38が、規定の回転数で蛍光ホイール101が回転しているか否かを判定する。
ここで、蛍光ホイール101が正常に回転していないと判定された場合、制御部38は、スピーカ48によりその旨を音声出力する、あるいは、プロジェクタ10に設けられる液晶表示パネルにエラー表示を出力させる、あるいは、プロジェクタ10の上面などに設けられるインジケータを点灯させるエラー出力処理(ステップS205)を実行する。なお、赤色光源装置120の赤色発光素子121を点灯させて、スクリーンにエラー表示を示す画面を表示させることとしてもよい。
そして、回転確認処理(ステップS135)において、蛍光ホイール101が正常に回転していると判定された場合、制御部38は、励起光照射装置70の励起光源71の点灯制御を開始する光源点灯処理(ステップS141)を実行する。なお、赤色光源装置120の赤色発光素子121の点灯制御も開始される。
光源点灯処理(ステップS141)が実行されると、制御部38は、計時手段として機能して、計時処理を合わせて開始する。次いで制御部38は、表示素子51であるDMDを駆動させて、データに応じて各色の光を時分割表示する投影制御処理(ステップS145)を実行する。
そして、使用者が電源をオフすると、制御部38は、励起光源71を消灯させる光源消灯処理(ステップS151)を実行する。また、光源消灯処理(ステップS151)が実行されると、制御部38は、次いで回転モータ110の動作を止めて、蛍光ホイール101の回転を停止させる。
そして、制御部38は、計時手段として計測した励起光源71の点灯時間を積算時間記憶手段に記憶させる点灯時間積算処理(ステップS155)を実行する。この点灯時間は、電源が落とされても消去されることはなく、点灯時間積算処理(ステップS155)が実行される度に今までの点灯時間に加算されて記憶され、この点灯積算時間データは、上記した点灯積算時間を消去する処理(ステップS115)が実行されるまで保持される。
また、制御部38は、温度センサからの情報に基づき冷却ファン261の駆動を停止させるなど、各部を順次停止させる終了制御処理(ステップS161)を実行して、プロジェクタ10の制御を終了する。
つまり、このプロジェクタ10は、起動後に点灯積算時間のチェックを行って、規定時間に達している場合には、蛍光ホイール101を反転させてから通常の投影制御を実行するように構成されている。
なお、起動直後に点灯積算時間をチェックして蛍光ホイール101を反転させるか否かを判定せずに、代わりに終了信号受信時に点灯積算時間をチェックして蛍光ホイール101を反転させるか否かを判定する処理を実行することとしてもよい。
このように、本発明によれば、照射される蛍光発光部103を切換えることができるため、長期に亘って輝度の高い蛍光光を射出することのできる発光ユニットと、この発光ユニットを備えることで投影画像の色再現性を長期に亘って維持することのできるプロジェクタ10と、を提供することができる。
また、反転モータ108を動作させるタイミングは、点灯時間にて制御する場合に限定されるものでない。例えば、手動で反転モータ108を動作させて蛍光ホイール101の向きを変えることもできる。また、プロジェクタ10の電源投入の度に蛍光ホイール101を反転させる構成とすることもできる。なお、上述したように、所定時間が経過するごとに反転モータ108を動作させる制御を実行することで、自動的に蛍光発光部103への長期照射を防止するとともに、均等に蛍光ホイール101の両面に励起光を照射させることができるため好適である。
また、蛍光ホイール101の構成は、上記したものに限定されることなく種々の態様が採用され得る。そして、光源側光学系140もこの蛍光ホイール101の形態に合わせて、また、プロジェクタ10内に配置される部品に合わせて様々なレイアウトが採用される。例えば、図8に示すように、蛍光ホイール101に拡散部104を設けずに、蛍光発光部103だけを設ける場合もある。この蛍光発光部103は、円環状の凹部に蛍光体の層が敷設されて成るものであり、蛍光ホイール101の両面に形成される。
これにより、蛍光ホイール101からは一色の波長帯域光を射出することができる。このとき、プロジェクタ10には、図9に示すように、青色光源装置300が配置される。青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色発光素子301と、青色発光素子301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色発光素子301は、青色の波長帯域光を発する発光ダイオードである。さらに、青色光源装置300は、青色発光素子301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。
したがって、このプロジェクタ10は、赤色光源装置120から射出される赤色光と、蛍光ホイール101から発光される緑色光と、青色光源装置300から射出される青色光と、を光源側光学系140によりライトトンネル175の入射口へ集光させて、順次光源ユニット60からの光源光として射出して、スクリーンにカラー画像を投影することができる。なお、プロジェクタ10は、赤色光源装置120に代えて赤色波長帯域光を生成可能な発光ユニット(励起光源と、赤色蛍光体を有する蛍光ホイールと、を有する赤色発光ユニット)を備え、青色光源装置300に代えて青色波長帯域光を生成可能な発光ユニット(励起光源と、青色蛍光体を有する蛍光ホイールと、を有する青色発光ユニット)を備える構成とすることもできる。
また、このように蛍光ホイール101に拡散部104を設けない場合、励起光には紫外光を利用することもできる。そして、このようなプロジェクタ10も、上記と同様に、蛍光ホイール101の向きを変えることができるため、長期に亘って性能を維持することができる。
そして、赤色光源装置120や青色光源装置300、あるいは赤色発光ユニットや青色発光ユニットを配置することに代えて、蛍光ホイール101の正面模式図である図10(a)に示すように、蛍光ホイール101における基材の一方の面(表面)に赤色蛍光発光部103R、緑色蛍光発光部103G及び青色蛍光発光部103Bの三種類の蛍光発光部103を設ける構成とすることもできる。つまり、この蛍光ホイール101は、赤色、緑色、青色成分の蛍光体が塗布された蛍光発光部103を有する蛍光板である。
この場合、他方の面(裏面)には、蛍光ホイール101の背面模式図である図10(b)に示すように、表面の蛍光体と同種類の蛍光体が配置されるように、三種類の蛍光発光部103が形成される。即ち、表面の赤色蛍光発光部103Rに対応する位置の裏面には赤色蛍光発光部103Rが形成され、表面の緑色蛍光発光部103Gに対応する位置の裏面には緑色蛍光発光部103Gが形成され、表面の青色蛍光発光部103Bに対応する位置の裏面には青色蛍光発光部103Bが形成されている。
このように、蛍光ホイール101の一方の面(表面)と他方の面(裏面)とで、複数色成分の蛍光体の配列順が逆順となるように配列する、即ち、表面と裏面との蛍光発光部103に夫々同種類の蛍光体の層からなる蛍光発光部103を配置させることで、蛍光ホイール101の反転前後で、光源ユニット60から順次射出される各色光の順番が変わることがない。これにより、光の三原色を順次に射出することができる発光ユニットであって、上記と同様に、長期に亘って輝度の高い蛍光光を射出することができる発光ユニットを提供することができる。また、蛍光ホイール101からの射出光を利用してカラー画像をスクリーンに投影することのできるプロジェクタ10であって、上記と同様に、蛍光ホイール101の向きを変えることで、長期に亘って性能を維持することのできるプロジェクタ10を提供することができる。
そして、この蛍光ホイール101の青色蛍光発光部103Bに代えて、上述した拡散部104を配置させ、励起光源71を青色波長帯域光を射出するレーザー発光器とすることもできる。
また、本実施例における発光ユニットは、上述したように蛍光板を円形板状の蛍光ホイール101として形成し、この蛍光ホイール101を回転させる構成としている。よって、シンプルな発光ユニットであって、照射面積を拡張して熱の集中を避けることができる発光ユニットを提供することができる。
なお、発光ユニットは、蛍光板を上記のように円形板状として回転させる構成とした蛍光発光装置100を備える場合に限ることなく、矩形状に形成した蛍光板を固定した蛍光発光装置100を備えることとしてもよい。このように蛍光板を固定させる場合、励起光照射装置70の励起光源71と蛍光板との間に、励起光源71からの光の照射方向を変化させる調整装置を配設する、あるいは、励起光源71の位置及び/又は照射方向を変化させるように駆動する光源駆動装置を設けて、励起光源71からの光の照射スポット位置を移動させることで、蛍光光及び拡散光を蛍光板から射出することができる。なお、調整装置としては、例えば、KTN結晶、音響光学素子、MEMSミラー等を用いた光偏光器を採用することができる。
また、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、励起光照射装置70にレーザー発光器に代えて発光ダイオードを励起光源71として採用することもできる。また、赤色発光素子121や青色発光素子301には、発光ダイオードに代えてレーザー発光器を採用することもできる。この場合、赤色発光素子121及び青色発光素子301の光軸上に、当該光源からの光を拡散させる光学部品を配置させる。さらに、各光学部品のレイアウトも、上述した構成(図4、図9参照)に限ることなく様々なレイアウトを採用することができる。また、反転駆動制御手段は、プロジェクタ10に設けずに、発光ユニットに個別に設けることとしてもよい。
そして、照射面切換駆動装置は、励起光源71からの光の照射面を、蛍光ホイール101の一方の面から他方の面へと切換える構成であればよいため、蛍光ホイール101を水平方向に反転する場合に限定されることなく、例えば、蛍光ホイール101を上下方向に回転させて180度反転させる構成としてもいい。さらに、上述した発光ユニットは、プロジェクタ10に搭載する場合に限定されることなく、様々な電子機器に搭載する発光ユニットとして利用することができる。
10 プロジェクタ
11 上面パネル 12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮伸長部
32 メモリカード 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源ユニット駆動回路
41a 光源駆動回路 41b 回転モータ駆動回路
41c 反転モータ駆動回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 55 反転位置検出手段
56 回転位置検出手段
60 光源ユニット 70 励起光照射装置
71 励起光源
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー
78 集光レンズ
81 ヒートシンク 100 蛍光発光装置
101 蛍光ホイール
103 蛍光発光部 103R 赤色蛍光発光部
103G 緑色蛍光発光部 103B 青色蛍光発光部
104 拡散部
108 反転モータ 109 反転モータ軸
109a 軸基部 109b 水平軸部
109c 回転モータ支持軸 110 回転モータ
111 集光レンズ群 115 集光レンズ
117 反転スペース 118 移動スペース
120 赤色光源装置 121 赤色発光素子
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 光源側光学系 141 第一ダイクロイックミラー
143 第一反射ミラー 145 第二反射ミラー
148 第二ダイクロイックミラー 160 光学系ユニット
161 照明側ブロック 165 画像生成ブロック
168 投影側ブロック 170 導光光学系
173 集光レンズ 175 ライトトンネル
178 集光レンズ 181 光軸変換ミラー
183 集光レンズ 185 照射ミラー
190 ヒートシンク 195 集光レンズ
220 投影側光学系 225 固定レンズ群
235 可動レンズ群 241 制御回路基板
261 冷却ファン
300 青色光源装置 301 青色発光素子
305 集光レンズ群 310 ヒートシンク

Claims (10)

  1. 両面に蛍光発光部を有する蛍光板と、
    励起光を前記蛍光板の一方の面に照射する光源と、
    前記蛍光板における前記光源からの励起光の照射面を、前記蛍光板の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置と、を備え、
    前記蛍光発光部には、前記光源からの励起光を受けて所定の波長帯域光を射出する蛍光体の層が形成されていることを特徴とする発光ユニット。
  2. 前記蛍光板は円板形状であり、前記蛍光板を円周方向に回転させる回転駆動装置を有していることを特徴とする請求項1に記載の発光ユニット。
  3. 前記照射面切換駆動装置は、前記蛍光板を所定時間ごとに反転させるように動作されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光ユニット。
  4. 前記蛍光板は、複数色成分の蛍光体が塗布された蛍光発光部を有し、
    前記蛍光板の一方の面と他方の面とで、当該複数色成分の蛍光体の配列順が逆順となるように配列されることを特徴とする請求項2に記載の発光ユニット。
  5. 前記蛍光板には拡散部が形成され、
    前記拡散部は、前記光源からの光を拡散して射出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発光ユニット。
  6. 前記蛍光板における蛍光発光部には、赤色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、緑色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、青色波長帯域の光を発する蛍光体の層と、が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発光ユニット。
  7. 光源からの励起光を受けて所定の波長帯域光を発する蛍光発光部を両面に有する蛍光板と、励起光を前記蛍光板の一方の面に照射する光源と、前記蛍光板における前記光源からの励起光の照射面を、前記蛍光板の一方の面から他方の面へと切換える照射面切換駆動装置と、を有する発光ユニットと、
    前記発光ユニットの蛍光板から射出される光を所定の一面に集光する光源側光学系と、
    表示素子と、
    前記光源側光学系により所定の一面に集光された光を前記表示素子に導光する導光光学系と、
    前記表示素子から射出される画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
    前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、
    を備えることを特徴とするプロジェクタ。
  8. 赤色波長帯域光を発する赤色光源装置をさらに具備し、
    前記光源は青色波長帯域光を発するレーザー発光器であり、
    前記発光ユニットの蛍光板は緑色波長帯域光を発する蛍光発光部と前記光源からの光を拡散して射出する拡散部とを有し、
    前記光源側光学系は、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光と前記赤色光源装置から射出される光とを所定の一面に集光することを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。
  9. 赤色波長帯域光を発する赤色光源装置と、
    青色波長帯域光を発する青色光源装置と、
    をさらに具備し、
    前記光源は青色波長帯域光を発するレーザー発光器であり、
    前記発光ユニットの蛍光板は緑色波長帯域光を発する蛍光発光部からなり、
    前記光源側光学系は、前記発光ユニットの蛍光板から射出される光と前記赤色光源装置及び前記青色光源装置から射出される光とを所定の一面に集光することを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。
  10. 請求項6に記載の発光ユニットと、
    前記発光ユニットの蛍光板から射出される光を所定の一面に集光する光源側光学系と、
    表示素子と、
    前記光源側光学系により所定の一面に集光された光を前記表示素子に導光する導光光学系と、
    前記表示素子から射出される画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
    前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、
    を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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