JP2011208541A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料供給装置において、設置スペースに制限があっても燃料供給装置を好適に設置する技術を提供する。
【解決手段】原料燃料を蓄える燃料タンク4と、燃料タンク4から供給された原料燃料を加熱する燃料加熱器61と、燃料加熱器61で加熱された原料燃料を、オクタン価の高い成分を原料燃料よりも多く含む高オクタン価燃料と、オクタン価の低い成分を原料燃料よりも多く含む低オクタン価燃料と、に分離する燃料分離器62と、燃料分離器62によって分離された後の高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を冷却する燃料冷却器63と、を備え、燃料加熱器61と燃料分離器62と燃料冷却器63とを一体化して統合燃料分離装置6に構成し、統合燃料分離装置6を、燃料タンク4の下部の凹部5に設置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。
メイン燃料タンクの原料燃料を燃料分離器に供給し、燃料分離器で排気の熱を利用して原料燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料に分離する内燃機関の燃料供給装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この燃料供給装置は、高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を夫々サブ燃料タンクに貯蔵し、各サブ燃料タンクから供給する高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料の量を調整することで、燃料噴射弁から噴射される高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との使用比率を変更する。
特開2001−050070号公報 特開2010−013948号公報
上記の燃料供給装置は、車両に搭載されるため、燃料供給装置の設置スペースに制限がある。このため、車両上で燃料供給装置の設置スペースを確保する必要があった。
本発明は上記問題点に鑑みたものであり、本発明の目的は、内燃機関の燃料供給装置において、設置スペースに制限があっても燃料供給装置を好適に設置する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
原料燃料を蓄える燃料タンクと、
前記燃料タンクから供給された原料燃料を加熱する燃料加熱器と、
前記燃料加熱器で加熱された原料燃料を、オクタン価の高い成分を原料燃料よりも多く含む高オクタン価燃料と、オクタン価の低い成分を原料燃料よりも多く含む低オクタン価燃料と、に分離する燃料分離器と、
前記燃料分離器によって分離された後の高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を冷却する燃料冷却器と、
を備え、
前記燃料加熱器と前記燃料分離器と前記燃料冷却器とを一体化して統合燃料分離装置に構成し、
前記統合燃料分離装置を、前記燃料タンクの近傍に設置していることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置である。
本発明によると、燃料加熱器と燃料分離器と燃料冷却器とが一体化されて統合燃料分離装置に構成されているため、統合燃料分離装置を小型化することができ、統合燃料分離装置の設置スペースが少なくて済み、レイアウトの自由度が増す。また、燃料加熱器と燃料分離器との間や燃料分離器と燃料冷却器との間をつなぐ接続管が必要なくなり、部品点数を削減することができる。
また、統合燃料分離装置が燃料タンクの近傍に設置されているので、車両における燃料搭載部分を分散させずにまとめておくことができる。
前記統合燃料分離装置を、前記燃料タンクの一部を凹ませた部分に設置しているとよい。
これによると、燃料タンクの設計変更のみで統合燃料分離装置を設置することができる。また、燃料タンクの容量が削減されると、車両の走行可能距離が短縮されてしまう可能性があるが、統合燃料分離装置を有する燃料供給装置を搭載することによる燃費向上によって、車両の走行可能距離が短縮されることを抑制することができる。
前記燃料冷却器は、外気と熱交換して高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を冷却するものであり、
前記統合燃料分離装置は、車両の前方から前記燃料冷却器、前記燃料分離器、前記燃料加熱器の順に並んでいるとよい。
これによると、燃料冷却器が車両の前方に配置されているので、燃料冷却器は車両走行時に外気を受け易く、外気との熱交換をよりよく行うことができる。
また、統合燃料分離装置での燃料の流れる方向が、車両後方の燃料タンクから車両前方の内燃機関に供給される燃料の供給方向と同じになるので、余計な燃料配管を必要としない。
さらに、燃料加熱器と燃料分離器とが隣接することで、両者の間の冷却損失を低減することができる。
前記燃料加熱器は、内燃機関の排気管の放熱を受けた熱媒体で原料燃料を加熱するヒートパイプであり、
前記燃料加熱器と前記排気管との間は離間しており、
前記燃料加熱器と前記排気管との間をつなぎ前記熱媒体が流通する熱媒体流通管をさらに備えるとよい。
これによると、統合燃料分離装置と排気管との間を離間することができる。また、車両衝突時に排気管が車両からずれると、熱媒体流通管が破断し熱媒体を流出させることができる。
前記燃料タンク及び前記統合燃料分離装置と、内燃機関の排気管と、の間を遮断する遮断部材をさらに備えるとよい。
これによると、燃料タンク及び統合燃料分離装置を排気管の放熱から保護することができる。また、燃料タンク及び統合燃料分離装置から燃料漏れが生じた場合に、排気管への燃料の飛散を防止することができる。
本発明によると、内燃機関の燃料供給装置において、設置スペースに制限があっても燃料供給装置を好適に設置することができる。
本発明の実施例1に係る車両の概略構成を示す図である。 実施例1に係る燃料供給装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
(燃料供給装置の構成)
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の燃料供給装置を適用する車両の概略構成を示す図である。図1に示す車両1の前方部にはエンジンルームが形成され、エンジンルームに内燃機関2が搭載されている。内燃機関2から車両1の後方へ向けて排気管3が配置されている。排気管3には内燃機関2で燃焼した後の排気が流通し、排気は車両1の後方で外部に排出される。
一方、車両1の後方部には燃料タンク4が設置されている。燃料タンク4は、原料燃料を貯蔵するもので、排気管3をまたがり車両1の車幅方向に幅広く占有領域を有する。燃料タンク4の一部には、後述する統合燃料分離装置6で分離された高オクタン価燃料を貯蔵する高RON燃料タンク41も設けられている。
図2は、本実施例に係る燃料供給装置の概略構成を示す図である。図2(a)は燃料供給装置の水平断面図であり、図2(b)は図2(a)のA矢視図である。図2(b)に示すように、燃料タンク4の下部は、排気管3の周りで凹ませた部分である凹部5が設けられている。凹部5には、排気管3と離間して統合燃料分離装置6が設置されている。図2(a)に示すように、統合燃料分離装置6は、燃料加熱器61と、燃料分離器62と、燃料冷却器63と、を一体化して構成されたものである。統合燃料分離装置6は、車両1の前方から燃料冷却器63、燃料分離器62、燃料加熱器61の順に並んでいる。
燃料加熱器61には、燃料タンク4の原料燃料が燃料ポンプ7で汲み上げられて供給される。燃料加熱器61は、原料燃料を加熱するもので、ヒートパイプを使用している。ヒートパイプは、熱媒体としての水が排気管3の放熱を受け、その熱で原料燃料を加熱する。しかしながら、本実施例では、統合燃料分離装置6と排気管3とを離間させていることから、統合燃料分離装置6の一部である燃料加熱器61と排気管3との間も離間することになる。このため、熱媒体である水を排気管3の周りに近付けて排気管3の放熱を受けられるように、熱媒体である水が流通する熱媒体流通管としてのフレキシブルパイプ8で燃料加熱器61と排気管3との間をつないでいる。
燃料分離器62には、燃料加熱器61で加熱された原料燃料が供給される。燃料分離器62は、燃料加熱器61で加熱された原料燃料(例えば90RON)を、オクタン価の高い成分を原料燃料よりも多く含む高オクタン価燃料(例えば103RON)と、オクタン価の低い成分を原料燃料よりも多く含む低オクタン価燃料(例えば88RON)と、に分離する。
燃料分離器62は、例えば特表2004−522039号公報に開示された分離装置と同様に分離膜(アロマ分離膜)を用いた構成とすることができる。このような分離装置に用いられる分離膜は、原料燃料中の芳香族成分を選択的に透過させる性質を有している。ここで、オクタン価(RON)は、芳香族成分量が増大すると、高くなるものである。よって、分離膜を透過した燃料は、芳香族成分の含有量が多い高オクタン価燃料となり、分離膜を透過しなかった燃料は、芳香族成分の含有量が少ない低オクタン価燃料となる。
具体的には、燃料分離器62では、燃料ポンプ及びレギュレータで昇圧され燃料加熱器61で加熱され高温高圧となった原料燃料が、燃料分離器62の2つの区画のうち一方の区画に送られる。ここで、2つの区画の間には分離膜が配置され、他方の区画はジェットポンプ等の負圧生成手段の作用よって低圧に制御されている。このため、一方の区画を高圧に保ち、他方の区画を一方の区画よりも低圧に保つと、一方の区画の原料燃料中の芳香族成分が分離膜を透過して他方の区画へ移動する。これによって、原料燃料が高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料に分離される。
燃料冷却器63には、燃料分離器62によって分離された後の高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料が夫々混ざることなく供給される。燃料冷却器63は、燃料分離器62によって分離された後の高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を、外気と熱交換することで冷却する。
燃料冷却器63で冷却された低オクタン価燃料は、低RON燃料配管を流れて内燃機関2の第1インジェクタに供給される。一方、燃料冷却器63で冷却された高オクタン価燃料は、高RON燃料タンク41に供給される。高RON燃料タンク41の高オクタン価燃料は、燃料ポンプ9で汲み上げられ高RON燃料配管を流れて内燃機関2の第2インジェクタに供給される。内燃機関2では、ノッキングを発生させずに安定したトルクを発生できるように、運転条件に応じた最適なオクタン価が設定されている。内燃機関2に併設されたECU10は、要求オクタン価の大小によって第1、第2インジェクタを切り替えて燃料噴射する。
ここで、図2(b)に示すように、燃料タンク4及び統合燃料分離装置6と、内燃機関2の排気管3と、の間を遮断する遮断部材としてのシュラウド11が設けられている。シュラウド11は、排気管3の上方及び側方を囲み、排気管3を燃料タンク4及び統合燃料分離装置6から遮断している。
(効果)
燃料加熱器61と燃料分離器62と燃料冷却器63とが一体化されて統合燃料分離装置6に構成されているため、統合燃料分離装置6を小型化することができ、統合燃料分離装置6の設置スペースが少なくて済み、レイアウトの自由度が増す。このため、設置スペースに制限があっても燃料供給装置を好適に設置することができる。また、燃料加熱器61と燃料分離器62との間や燃料分離器62と燃料冷却器63との間をつなぐ接続管が必要なくなり、部品点数を削減することができる。
統合燃料分離装置6が燃料タンク4の下部の凹部5に設置されているので、車両1における燃料搭載部分を分散させずにまとめておくことができる。また、従来の燃料タンクに凹部5を設けるという燃料タンク4の設計変更のみで統合燃料分離装置6を設置することができる。このため、設置スペースに制限があっても燃料供給装置を好適に設置することができる。また、燃料タンクの容量が削減されると、車両1の走行可能距離が短縮されてしまう可能性があるが、本実施例に係る燃料供給装置を搭載することによる燃費向上によって、車両1の走行可能距離が短縮されることを抑制することができる。
統合燃料分離装置6は、車両の前方から燃料冷却器63、燃料分離器62、燃料加熱器61の順に並び、燃料冷却器63が車両の前方に配置されているので、燃料冷却器63は車両走行時に外気を受け易く、外気との熱交換をよりよく行うことができる。また、統合燃料分離装置6での燃料の流れる方向が、車両後方の燃料タンク4から車両前方の内燃機関2に供給される燃料の供給方向と同じになるので、余計な燃料配管を必要としない。さらに、燃料加熱器61と燃料分離器62とが隣接することで、両者の間の冷却損失を低減することができる。
燃料加熱器61と排気管3との間をフレキシブルパイプ8でつないでいるので、統合燃料分離装置6と排気管3との間を離間することができる。また、車両衝突時に排気管3が車両1からずれると、フレキシブルパイプ8が破断し水を流出させることができる。
シュラウド11を設けることで、燃料タンク4及び統合燃料分離装置6を排気管3の放熱から保護することができる。また、シュラウド11は、燃料タンク4及び統合燃料分離
装置6から燃料漏れが生じた場合に、その下方にある排気管3への燃料の垂れや飛散を防止することができる。
(その他)
本発明に係る内燃機関の燃料供給装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
例えば、統合燃料分離装置6は、燃料タンク4の下部の凹部5に設置されるものではなく、燃料タンク4の近傍に配置されるものでもよい。燃料加熱器61は、ヒートパイプではなくてもよく、原料燃料を排気管3の放熱で直接加熱するものでもよいし、原料燃料をヒータで加熱するものでもよい。統合燃料分離装置6の並び順も、車両の前方から燃料冷却器63、燃料分離器62、燃料加熱器61の順に並ばなくてもよい。
1:車両、2:内燃機関、3:排気管、4:燃料タンク、5:凹部、6:統合燃料分離装置、7:燃料ポンプ、8:フレキシブルパイプ、9:燃料ポンプ、10:ECU、11:シュラウド、41:高RON燃料タンク、61:燃料加熱器、62:燃料分離器、63:燃料冷却器

Claims (5)

  1. 原料燃料を蓄える燃料タンクと、
    前記燃料タンクから供給された原料燃料を加熱する燃料加熱器と、
    前記燃料加熱器で加熱された原料燃料を、オクタン価の高い成分を原料燃料よりも多く含む高オクタン価燃料と、オクタン価の低い成分を原料燃料よりも多く含む低オクタン価燃料と、に分離する燃料分離器と、
    前記燃料分離器によって分離された後の高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を冷却する燃料冷却器と、
    を備え、
    前記燃料加熱器と前記燃料分離器と前記燃料冷却器とを一体化して統合燃料分離装置に構成し、
    前記統合燃料分離装置を、前記燃料タンクの近傍に設置していることを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 前記統合燃料分離装置を、前記燃料タンクの一部を凹ませた部分に設置していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 前記燃料冷却器は、外気と熱交換して高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料を冷却するものであり、
    前記統合燃料分離装置は、車両の前方から前記燃料冷却器、前記燃料分離器、前記燃料加熱器の順に並んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 前記燃料加熱器は、内燃機関の排気管の放熱を受けた熱媒体で原料燃料を加熱するヒートパイプであり、
    前記燃料加熱器と前記排気管との間は離間しており、
    前記燃料加熱器と前記排気管との間をつなぎ前記熱媒体が流通する熱媒体流通管をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 前記燃料タンク及び前記統合燃料分離装置と、内燃機関の排気管と、の間を遮断する遮断部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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