JP2011208085A - 塗膜、その製造方法、並びに積層体及び保護部材 - Google Patents

塗膜、その製造方法、並びに積層体及び保護部材 Download PDF

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Abstract

【課題】防汚染性に優れ、高い光線透過率を有する塗膜、その製造方法、並びにそれを用いた積層体及び保護部材を提供すること。
【解決手段】(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、及び(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子を含むコーティング組成物に紫外線を照射することにより得られる塗膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜、その製造方法、並びにそれを用いた積層体及び保護部材に関する。
近年、世界的な温暖化現象により環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化ガスを発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。太陽電池発電や風力発電等のように環境にやさしい再生可能なエネルギーは、温暖化を誘発するといわれている炭酸ガス等を排出しないため、クリーンなエネルギーとして研究開発が盛んに行われており、安全性や扱いやすさに優れることから、太陽電池発電の技術が急速に普及している。
しかし、太陽電池の表面に使用されているガラス等の保護カバーは煤塵や砂塵の堆積等で汚れることによって、太陽光の光線透過率が低下し、太陽電池のエネルギー出力が低下することが問題となっている。そのため、太陽電池のエネルギー出力の低下を長期間抑制できる実用的な防汚技術が求められている。
このような防汚技術に応用可能な技術として、例えば、特許文献1には、アナターゼ型酸化チタン含有層上に、アンモニア水に溶解させたタングステン酸と蒸留水を加えたコーティング液を塗布し、700℃で焼付け処理を施して酸化タングステンからなる層を形成して、表面層を形成する技術が開示されている。特許文献2には有機無機複合組成物が開示されている。
特開平10−114545号公報 国際公開第2007/069596号
しかしながら、太陽光を用いたエネルギー変換装置等において、そのエネルギー変換効率を向上させるため、太陽光の透過率が高い部材を用いることが望まれている。この観点から、粉塵の付着による透過率の低下を防ぐことだけでなく、部材そのものの透過率も高いことが部材には望まれている。したがって、防汚染性に優れるだけでなく、太陽光の透過率が高い部材を実現できる技術が求められている。また、特許文献1に記載の技術等では、無機成分のみを配合しているため、基板表面に塗膜を形成させた場合、クラックが生じ易く剥がれ易いという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、防汚染性に優れ、高い光線透過率を有する塗膜、その製造方法、並びにそれを用いた積層体及び保護部材を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定成分のコーティング組成物に紫外線照射することにより得られる塗膜は、防汚染性に優れるだけでなく、高い光線透過率を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
以下の(A)成分及び(B)成分を含むコーティング組成物に紫外線を照射することにより得られる塗膜;
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子。
〔2〕
屈折率が1.10〜1.45である、〔1〕に記載の塗膜。
〔3〕
前記紫外線の光源が、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、及びカーボンアーク灯からなる群より選ばれる少なくとも1種である、〔1〕又は〔2〕に記載の塗膜
〔4〕
前記紫外線の照度は1〜100mW/cm2である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の塗膜。
〔5〕
前記(B)成分が、
(b1)成分:加水分解性珪素化合物と、
(b2)成分:水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、及びエーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するビニル単量体と、
を含む重合原液を重合して得られる重合体エマルジョン粒子である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の塗膜。
〔6〕
以下の(A)成分及び(B)成分を含むコーティング組成物に紫外線を照射する工程を有する、塗膜の製造方法;
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子。
〔7〕
基材と、
前記基材の少なくとも一方の表面に形成された、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の塗膜と、
を備えた積層体。
〔8〕
〔7〕記載の積層体を用いた保護部材。
〔9〕
太陽電池の保護カバーである、〔8〕に記載の保護部材。
本発明によれば、防汚染性に優れ、高い光線透過率を有する塗膜、その製造方法、並びにそれを用いた積層体及び保護部材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」と略記することがある。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の塗膜は、以下の(A)成分及び(B)成分を含むコーティング組成物に紫外線を照射することにより得られる塗膜である;
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子。
上記(A)成分と(B)成分とを含有するコーティング組成物に紫外線を照射することにより、防汚染性に優れ、高い光線透過率を有する塗膜を得ることができる。本実施の形態では、(A)成分は、(B)成分と相互作用することにより、(B)成分の硬化剤として作用すると考えられる。この相互作用により、優れた防汚染性と高い光線透過率を有する塗膜とすることができるのではないかと考えられる(ただし、本実施の形態の作用はこれらに限定されない)。当該相互作用としては、例えば、(A)成分が一般に有する水酸基と、(B)成分が有する官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エーテル基等)との水素結合等が挙げられる。これについては、(A)成分及び(B)成分の種類を選択することで、相互作用をより一層顕著にすることもできる。
上記の観点等から、塗膜において、(A)成分が連続相であることが好ましく、(A)成分は、(B)成分と相互作用しながら(B)成分の粒子間に連続層を形成して存在することがより好ましい。本実施の形態において、塗膜中の分散形態は限定されるものではないが、このような分散形態をとることにより、得られる塗膜や積層体の防汚染性、光線透過率、耐候性がより一層向上する。
本実施の形態の塗膜に含まれるコーティング組成物は、上記した(A)成分及び(B)成分を含む。以下、各成分について説明する。
(A)成分に用いられる金属酸化物は、数平均粒子径(単に、「粒子径」と略記することがある)が1nm〜400nmであればよく、その種類は限定されず、公知のものを用いることもできる。金属酸化物としては、(B)成分との相互作用の観点から、例えば、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム、及びそれらの複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
これらの中でも、表面水酸基の多い二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アンチモン、及びそれらの複合酸化物は、(B)成分との相互作用をより一層強くできるため、より好ましい。さらに、表面水酸基の多い(A)成分が連続層を形成することで塗膜表面の水酸基密度が高くなり、それ自身の親水性が高くなるため更に好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗膜に有機物分解性を付与したい場合、(A)成分は、光照射により、光触媒活性及び/又は親水性を発現する化合物(以下、単に「光触媒」と略記することがある)を含むことが好ましい。(A)成分として、光触媒を用いることにより、塗膜の表面に優れた汚染有機物質の分解活性や防汚染性を発現し得る。なお、本実施の形態において「親水性」とは、測定対象物の表面に対する水(23℃)の接触角として、好ましくは60゜以下、より好ましくは30゜以下、更に好ましくは20゜以下、より更に好ましくは10°以下になることを意味する。したがって、本実施の形態では、コーティング組成物に紫外線を照射することにより、23℃における水接触角が60°以下である表面を有する塗膜を形成することが可能である。
光触媒としては、例えば、TiO2、ZnO、SrTiO3、BaTiO3、BaTiO4、BaTi49、K2NbO3、Nb25、Fe23、Ta25、K3Ta3Si23、WO3、SnO2、Bi23、BiVO4、NiO、Cu2O、RuO2、CeO2等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等参照)が挙げられる。これらの中でも、TiO2(酸化チタン)は、無害であり、化学的安定性にも優れるため、より好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれも使用できる。
塗膜に帯電防止性能等を付与したい場合には、(A)成分は導電性を有する金属酸化物を含むことが好ましい。このような導電性を有する金属酸化物としては、例えば、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。
(A)成分の形態としては、特に限定されず、例えば、粉体、分散液、ゾル等が挙げられる。ここで、「分散液」又は「ゾル」とは、(A)成分が水及び/又は親水性有機溶媒中に0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜50質量%の濃度で、1次粒子及び/又は2次粒子として分散された状態を意味する。
親水性有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(A)成分の数平均粒子径(1次粒子と2次粒子との混合物であってもよいし、1次粒子、2次粒子いずれかのみであってもよい)は、1nm〜400nmである。(A)成分の数平均粒子径が400nm以下とすることで、透明性等の光学特性が十分な塗膜や積層体等が得られる。(A)成分の数平均粒子径が1nm以上とすることで、貯蔵安定性及びハンドリング性が十分なコーティング組成物が得られる。(A)成分の数平均粒子径は、好ましくは3nm〜80nmであり、更に好ましくは5nm〜50nmである。(A)成分の数平均粒子径を上記範囲とすることにより、本実施の形態の効果をより一層顕著にすることができる。本実施の形態における数平均粒子径は、後述する実施例の方法に準じて測定することができる。
金属酸化物(A)としては、取扱い性の観点から、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカの調整方法等は、特に限定されず、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62−69 (1968)、Rickey D.Badley et al;Lang muir 6, 792−801 (1990)、色材協会誌,61 [9] 488−493 (1988)等を参照できる。
コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であり、その数平均粒子径は1nm〜400nmであることが必要であり、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜50nmである。コロイダルシリカの数平均粒子径が1nm以上とすることにより、塗液(コーティング組成物等)の貯蔵安定性が特に良好であり、400nm以下とすることにより、塗膜の透明性が特に良好となる。上記範囲の数平均粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する(B)成分の安定領域に応じて、適宜選択することができる。(B)成分として上述の重合体エマルジョン粒子を用いるので、その粒子が凝集して粒子径が極度に大きくならず、沈降しない領域が形成されると推測されるが、このような安定領域の環境(例えば、酸性度等)を考慮して、好適なコロイダルシルカを選択することもできる(ただし、本実施の形態の作用はこれらに限定されない)。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば、市販品として日産化学工業社製、スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OS、スノーテックス−OL、旭電化工業社製、アデライト(商標)AT−20Q、クラリアントジャパン社製、クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25等が利用できる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカ等が挙げられ、例えば、日産化学工業社製、スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−L等;旭電化工業社製、アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50等;クラリアントジャパン社製、クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50等;デュポン社製、ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30等が挙げられる。
水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業社製、MA−ST−M(粒子径が20nm〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10nm〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10nm〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70nm〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10nm〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)等が挙げられる。
コロイダルシリカは1種又は2種以上を組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウム等を更に含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)を含んでいてもよい。
(B)成分は、数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子である。かかるエマルジョン粒子を用いることで、上述の(A)成分との相互作用を発現させることができる。重合体エマルジョン粒子であることにより、後述する塗膜とした場合に(A)成分と(B)成分とにより海島構造を容易に形成することが可能となり、塗膜最表面に金属酸化物が局在化し、金属酸化物の水酸基等の親水基によって良好な親水性を発現させることも可能となる(ただし、本実施の形態の作用はこれに限定されない)。
重合体エマルジョン粒子としては、不飽和結合を有する単量体成分が、ラジカル、カチオン、アニオン等の介在によって重合が行われたものであればよく、エマルジョン粒子の種類は特に限定されず、例えば、アクリルエマルジョン、スチレンエマルジョン、アクリルスチレンエマルジョン、アクリルシリコンエマルジョン、シリコンエマルジョン、フッ素樹脂エマルジョン等が挙げられる。
(B)成分の数平均粒子径は、10nm〜800nmである。この様な粒子径の範囲に調整し、(A)成分と組み合わせることにより、防汚染性に優れるとともに、光線透過率が高い、塗膜及び積層体とすることができる。(B)成分の数平均粒子径は、光線透過率向上の観点から、10nm〜100nmであることが好ましい。
(B)成分は、以下の(b1)及び(b2)成分を含む重合原液を重合して得られる重合体エマルジョン粒子であることが好ましく、以下の(b1)〜(b4)成分を含む重合原液を重合して得られる重合体エマルジョン粒子であることがより好ましい。
(b1)成分:加水分解性珪素化合物、
(b2)成分:水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するビニル単量体、
(b3)成分:乳化剤、
(b4)成分:水。
(b1)成分及び(b2)成分を少なくとも含む重合原液から得られる重合体エマルジョン粒子(B)では、(b1)成分に由来する水酸基と、(b2)成分の重合生成物とを水素結合等により複合化させることができる。このような(B)成分を用いることで、上述した(A)成分との相互作用をより一層強くすることができる。エマルジョン重合の重合条件等は特に限定されないが、通常、上記した(b1)成分及び(b2)成分に加えて、(b3)成分や(b4)成分を併用することにより、重合体エマルジョン粒子(B)を得ることができる。
(b1)成分としては、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤等が挙げられる。

SiWxRy (1)
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1〜4の整数であり、yは0〜3の整数である。また、x+y=4である。)
シランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する化合物を意味する。
式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類;等が挙げられる。また、これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(b1)成分としては、フェニル基を有する珪素アルコキシド(例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等)等が挙げられる。フェニル基を有する珪素アルコキシドを用いた場合、水及び乳化剤の存在下における重合安定性がより一層良好となり好適である。
(b1)成分は、上記したメルカプト基等を有するシランカップリング剤や、(b1−1)成分:ビニル重合性基を有する加水分解性珪素化合物を、更に含んでもよい。これらを用いた場合、得られる塗膜や積層体の長期防汚染性がより一層良好となり好適である。
上記メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(b1−1)成分としては、例えば、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤は、後述する(b2)成分との共重合又は連鎖移動反応により化学結合を生成し得る。ビニル重合性基やメルカプト基を有するシランカップリング剤を、上述した(b1)成分と混合又は複合化させて用いた場合、(b1)の重合生成物と後述する(b2)成分の重合生成物とを化学結合により複合化させることができる。
なお、(b1−1)成分にいう「ビニル重合性基」としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられ、これらの中でも3−(メタ)アクリルオキシプロピル基が好ましい。
(b1)成分は、(b1−2)成分:環状シロキサンオリゴマーを含んでいてもよい。(b1−2)成分を用いた場合、得られる塗膜や積層体の柔軟性がより良好となり好適である。環状シロキサンオリゴマーとしては、下記式(2)で表される化合物等が挙げられる。

(R’2SiO)m (2)
(式中、R’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種を表す。mは2〜20の整数である。)
これらの中でも、反応性等の観点から、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
(b1)成分が縮合生成物として使用される場合、当該縮合生成物のポリスチレン換算の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による)は、好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜1000である。
(B)成分に対する(b1)成分の比((b1)/(B))(質量比)は、重合安定性の観点から、好ましくは0.01/100〜80/100であり、より好ましくは0.1/100〜70/100であり、更に好ましくは0.2/100〜40/100である。
(b1)成分として(b1−1)成分を用いる場合、重合安定性の観点から、(B)成分に対する(b1−1)成分の比((b1−1)/(B))(質量比)は、好ましくは0.01/100〜20/100であり、より好ましくは0.5/100〜10/100である。重合安定性の観点から、(b2)成分における(b−1)成分の比((b1−1)/(b2))(質量比)は、好ましくは0.1/100〜100/100であり、より好ましくは0.5/100〜50/100である。
(b1)成分として(b1−2)成分を用いる場合、親水性の観点から、(B)成分に対する(b1−2)成分の比((b1−2)/(B))(質量比)は、好ましくは0.01/100〜20/100であり、より好ましくは0.5/100〜5/100である。重合安定性の観点から、(b2)成分に対する(b1−2)成分の比((b1−2)/(b2))(質量比)は、好ましくは0.5/100〜50/100であり、より好ましくは1.0/100〜20/100である。
(b2)成分は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、及びエーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を含有するビニル単量体である。
水酸基含有ビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル若しくは4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオールと、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とから得られるポリオキシアルキレングリコールのモノエステル類;上記した各種の水酸基含有単量体類と、ε−カプロラクトン等のラクトン類との付加物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有不飽和単量体と、酢酸等の酸類との付加物;(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸類と、「カーデュラ E」(オランダ国シェル社製の商品名)等の、α−オレフィンのエポキサイド以外の、種々のモノエポキシ化合物との付加物等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−ブチル等の不飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコール類とのモノエステル類(ハーフエステル類);アジピン酸モノビニル、コハク酸モノビニル等の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の飽和ポリカルボン酸の無水物類と、上記した各種の水酸基含有ビニル系単量体類との付加反応生成物;じょうきした各種のカルボキシル基含有単量体類と、ラクトン類とを付加反応せしめて得られるような単量体類等が挙げられる。
アミノ基含有ビニル単量体としては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジ−n−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、4−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート又はN−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エチルモルホリン等の3級アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾールN−ビニルキノリン等の3級アミノ基含有芳香族ビニル系単量体類;N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(4−ジメチルアミノ)ブチル(メタ)アクリルアミド又はN−[2−(メタ)アクリルアミド]エチルモルホリン等の3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド類;N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロピルクロトン酸アミド又はN−(4−ジメチルアミノ)ブチルクロトン酸アミド等の3級アミノ基含有クロトン酸アミド類;2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、3−ジメチルアミノプロピルビニルエーテル又は4−ジメチルアミノブチルビニルエーテルの如き、各種の3級アミノ基含有ビニルエーテル類等である。
エーテル基含有ビニル単量体としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のポリエーテル鎖を側鎖に有するビニルエーテル類、アリルエーテル類又は(メタ)アクリル酸エステル類のビニル単量体類等が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、具体例としては、ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350、PME−100、PME−200、PME−400、AE−350(以上、いずれも商品名、日本油脂社製)、MA−30、MA−50、MA−100、MA−150、RA−1120、RA−2614、RMA−564、RMA−568、RMA−1114、MPG130−MA(以上、いずれも商品名、日本乳化剤社製)等が挙げられる。ここで、ポリオキシエチレン鎖のオキシエチレン単位は2〜30が好ましい。2未満では、塗膜の柔軟性が不十分となり、30を超えると、塗膜が軟らかくなり、耐ブロッキング性に劣る。
アミド基含有ビニル単量体としては、例えば、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。より具体的には、例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等が挙げられる。
(b2)成分としては、他成分との水素結合性をより向上させる観点から、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体を用いることが好ましい。特に水素結合力の観点から、3級アミド基を有するビニル単量体がより好ましい。
(B)成分に対する(b2)成分の比((b2)/(B))(質量比)は、重合安定性の観点から、好ましくは0.05/1〜1/1、より好ましくは0.1/1〜0.8/1、更に好ましくは0.2/1〜0.5/1である。また、(A)成分に対する(b2)成分の比((b2)/(A))(質量比)は、(A)成分との水素結合性や配合安定性の観点から、好ましくは0.05/1〜1/1、より好ましくは0.1/1〜0.8/1、更に好ましくは0.2/1〜0.5/1である。
(b3)成分としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
(b3)成分としては、得られる(B)成分の水分散安定性を向上させる観点、及び、得られる塗膜や積層体の長期防汚染性を向上させる観点から、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を用いることが好ましい。
反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
上記スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体としては、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のような置換基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、フェニル基、ナフチル基、及びコハク酸基からなる群より選ばれる置換基を有する化合物;スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のような置換基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物等が挙げられる。
硫酸エステル基を有するビニル単量体としては、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のような置換基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、フェニル基、及びナフチル基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の置換基を有する化合物が挙げられる。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のような置換基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物の具体例としては、アリルスルホコハク酸塩が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、例えば、エレミノールJS−2(商品名、三洋化成社製)、ラテムルS−120、S−180A、S−180(商品名、花王社製)等が挙げられる。
上記スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、市販品を用いることもでき、例えば、アクアロンHS−10、KH−1025(商品名、第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE−1025N、SR−1025(商品名、旭電化工業社製)等が挙げられる。
上記ノニオン基を有するビニル単量体として具体的には、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業社製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業社製)等が挙げられる。
(b3)成分の使用量としては、重合安定性の観点から、(B)成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.001〜5質量部である。
(B)成分において(b4)成分(即ち「水」)を含む場合、(b4)成分の使用量としては、重合安定性の観点から、重合原液中の含有率として好ましくは30〜99.9質量%である。
重合原液には、(b1)〜(b4)成分に加え、更に種々の成分を混合することができる。まず、重合原液には、以下の(b5)成分:(b2)成分と共重合可能な他のビニル単量体、を更に混合することができる。このような(b5)成分を用いることは、生成する重合生成物の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)を制御する観点から好適である。
(b5)成分としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等が挙げられる。
全ビニル単量体中における(b5)成分の割合は、好ましくは0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲である。このような使用量とすることにより、ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等を制御することができる。
重合原液には、連鎖移動剤を更に混合することができる。連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量としては、全ビニル単量体合計量100質量部に対して、好ましくは0.001〜30質量部、より好ましくは0.05〜10質量部である。このような使用量とすることにより、重合安定性をより一層向上させることができる。
重合原液には分散安定剤を更に混合することができる。このような分散安定剤としては、例えば、ポリカルボン酸やスルホン酸塩等の各種の水溶性オリゴマー類や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂等の合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散安定剤の使用量は、(B)成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは0.001〜5質量部である。
上述した重合原液の重合は、重合触媒の存在下で実施するのが好ましい。(b1)成分の重合触媒としては、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類、酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸等の酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン等の塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。これらの中でも、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が非常に好ましい。
(b2)成分の重合触媒としては、熱又は還元性物質等によってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好適である。(b2)成分の重合触媒としては、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が好ましく使用される。より具体的には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
重合触媒の使用量は、全ビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望むときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
本実施の形態において、(b1)成分の重合と、(b2)成分の重合とは、別々に実施することも可能であるが、同時に実施すると水素結合等によるミクロな有機・無機複合化が達成できるので好ましい。
(B)成分を得る重合方法としては、特に限定されないが、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下に(b1)成分と(b2)成分とを重合する、いわゆる乳化重合が適している。乳化重合の方法としては、例えば、(b1)成分と(b2)成分、更には必要に応じて(b3)成分や(b4)成分等を、そのまま、又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合させる方法が挙げられる。場合によっては、これ以上の圧力で、又はこれ以下の温度条件で重合を行っても差し支えない。
なお、重合原液の配合としては、重合安定性の観点から、最終固形分量が0.1〜70質量%、好ましくは1〜55質量%の範囲になるように各成分を配合するのが好ましい。
更に、乳化重合を行うに際しては、粒子径を適度に成長又は制御する観点から、シード重合法を用いることが好ましい。シード重合法とは、予め水相中にエマルジョン粒子(シード粒子)を存在させて重合させる方法である。シード重合法を行う際の重合系中のpHとしては、好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0である。pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
(B)成分を得る方法としては、例えば、(b3)成分や(b4)成分を用いる場合、(b1)成分及び(b2)成分を、(b3)成分及び(b4)成分の存在下、必要により溶剤存在下で重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで(b4)成分である水を更に添加する手法も適用できる。
(B)成分としては、コア層と、当該コア層を被覆する1層又は2層以上のシェル層とを備えたコア/シェル構造を有することが好ましい。このようなコア/シェル構造を有することにより、得られる塗膜の基材密着性、塗膜間の密着性等を向上させることができる。そして、当該コア/シェル構造を形成する方法としては、特に限定されないが、乳化重合を多段で行う、多段乳化重合が非常に有用である。
例えば、(b1)〜(b5)成分を用いる場合の多段乳化重合の具体例としては、第一段階として、(b3)成分及び(b4)成分の存在下、(b1)、(b2)、及び(b5)成分からなる群より選択される少なくとも1種以上を重合してシード粒子を形成し、第二段階として、当該シード粒子の存在下、(b1)成分及び(b2)成分、更には必要に応じ(b5)成分を含む重合原液を添加して重合する(2段重合法)。3段以上の多段乳化重合を実施する場合は、例えば、第三段階として、さらに(b1)成分及び(b2)成分、必要に応じ(b5)成分を含む重合原液を添加して重合することができる。このような方法は、重合安定性の観点からも好適である。
2段重合法においては、第一段階において用いられる重合原液中の固形分質量(M1)と、第二段階において添加される重合原液中の固形分質量(M2)の質量比((M1)/(M2))は、重合安定性の観点から、好ましくは9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜2/8である。
コア/シェル構造としては、重合安定性の観点から、シード粒子の粒径分布(体積平均粒子径/数平均粒子径)が大きく変化することなく、第二段階の重合によって粒子径が増大した構造を有することが好ましい。なお、体積平均粒子径は、数平均粒子径と同様に測定し得る。
コア/シェル構造は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により観察することができる。コア/シェル構造のコア層のガラス転移温度(Tg)としては、好ましくは0℃以下である。この場合、得られる保護部材の室温における柔軟性に優れ、厚膜化した場合の割れ等が生じにくくなるため好ましい。なお、本実施の形態におけるTgは示差走査熱量測定装置(DSC)にて測定することができる。
(B)成分に対する(A)成分の比((A)/(B))(質量比)は、好ましくは10/100〜500/100であり、より好ましくは50/100〜300/100であり、更に好ましくは100/100〜250/100である。これにより、光線透過率、防汚染性に優れた塗膜、積層体が実現し得るため好ましい。また、そのような防汚染性が長期に亘り持続する傾向となるため好ましい。
また、(B)成分の表面積(SB)に対する(A)成分の表面積(SA)の比((SA)/(SB))としては、好ましくは0.001〜1000の範囲である。なお表面積は、(A)成分及び(B)成分の各々の数平均粒子径、及び各々の配合質量数から算出することができる。
本実施の形態のコーティング組成物には、その用途及び使用方法等に応じて、通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される添加剤成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、酸化防止剤、レオロジーコントロール剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤、帯電調整剤等をそれぞれの目的に応じて選択したり、組み合わせたりして配合することができる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく用いられる。中でも、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性光安定剤が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、有機系紫外線吸収剤が挙げられる。このような有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中でも、分子内にラジカル重合性の二重結合を有するラジカル重合性紫外線吸収剤を用いることが好ましい。また、紫外線吸収能の高いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤も好ましい。有機系紫外線吸収剤は光安定剤と併用することがより好ましい。両者を併用することにより、塗膜や積層体の耐候性向上に寄与し得る。
有機系紫外線吸収剤や光安定剤等の各種添加剤成分は、(A)成分及び(B)成分と単に配合することも可能であるし、(B)成分を合成する際に共存させることも可能である。
得られる塗膜の強度及び防汚染性を向上させる観点から、コーティング組成物は、(C)成分として加水分解性珪素化合物を更に含むことが好ましい。(C)成分に用いられる加水分解性珪素含有化合物としては、下記式(3)で表される加水分解性珪素含有化合物(c1)、式(4)で表される加水分解性珪素含有化合物(c2)、及び下記式(5)で表される加水分解性珪素含有化合物(c3)を用いることができる。

1 nSiX4-n (3)
(式中、R1は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を表す。またこれらの置換基上にさらにハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の官能基を有していてもよい。Xは加水分解基を表し、nは0〜3の整数である。加水分解基とは加水分解により水酸基が生じる基であればよく、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基等が挙げられる。)

3Si−R2 n−SiX3 (4)
(式中、Xは加水分解基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。また、nは0又は1である)

3−(O−Si(OR32n−OR3 (5)
(式中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
加水分解性珪素化合物(c1、c2)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(i−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(i−ブトキシ)シラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリフェノキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリフェノキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリフェノキシシリル)プロパン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラキス(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラキス(トリフルオロアセトキシ)シラン、トリアセトキシシラン、トリス(トリクロロアセトキシ)シラン、トリス(トリフルオロアセトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(トリクロロアセトキシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラフルオロシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、メチルトリフルオロシラン、テトラキス(メチルエチルケトキシム)シラン、トリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、ビス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルビス(メチルエチルケトキシム)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルシラン等が挙げられる。
また、式(5)で表される加水分解性珪素含有化合物(c3)としては、市販品を用いることもできる。具体例としては、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(Mシリケート51、商品名、多摩化学工業社製;MSI51、商品名、コルコート社製);MS51、MS56、いずれも商品名、三菱化学社製)、テトエトキシシランの部分加水分解縮合物(シリケート35、シリケート45、いずれも商品名、多摩化学工業社製;ESI40、ESI48、いずれも商品名、コルコート社製)、テトラメトキシシランとテトラエトキシシランとの共部分加水分解縮合物(FR−3、商品名、多摩化学工業社製;EMSi48、商品名、コルコート社製)等が挙げられる。
上記加水分解性珪素化合物(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。また、上記加水分解性珪素化合物(C)は予め加水分解と縮合を進めてから配合することもできるが、金属酸化物(A)及び又はエマルジョン粒子(B)に配合して使用してもよい。
(A)成分に対する(C)成分の質量比((C)/(A))は、好ましくは0.01/100〜300/100であり、より好ましくは1/100〜200/100であり、更に好ましくは10/100〜120/100である。((C)/(A))を0.01/100以上とすることにより塗膜の強度がより一層優れたものになり、((C)/(A))を300/100以下とすることによりクラックの発生をより一層防ぐことができる。
コーティング組成物の形態は、特に限定されず、例えば、水等の溶媒等に溶解又は分散させた状態として調製することができる。
本実施の形態では、上記したコーティング組成物に紫外線照射することで塗膜とすることができる。すなわち、本実施の形態の塗膜の製造方法としては、上述したコーティング組成物に紫外線照射を行う工程を有する。なお、塗膜形成の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、基材(後述する)上にコーティング組成物を塗布し、乾燥させた後、これに紫外線を照射することで形成させる方法が挙げられる。コーティング組成物から塗膜を形成させる方法としては、上記した紫外線照射する工程を有する方法であればよく、特に限定されない。なお、本実施の形態にいう「塗膜」は、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
紫外線による照射によって屈折率が低下する作用機序については明確ではないが、重合体エマルジョン粒子の分解や、収縮によって塗膜内部に適度な数の空隙が形成されていると推測される。その結果、高い光線透過率を維持できるとともに、塗膜の機械的強度が低下せず、優れた強度を維持することができると推測される(ただし、本実施の形態の作用はこれに限定されない)。
本実施の形態で使用される紫外線の光源は、特に限定されないが、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、及びカーボンアーク灯からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ここで、紫外線とは400nm以下の波長であり、300nm以下の波長強度が強いことが好ましい。このような観点から高圧水銀灯、低圧水銀灯を使用することが好ましい。
紫外線の照度は、特に限定されないが、1〜100mW/cm2であることが好ましく、より好ましくは5〜60mW/cm2、更に好ましくは10〜40mW/cm2である。1mW/cm2以上とすることにより、所望する親水性や屈折率等を有する塗膜をより一層効率よく製造することができ、100mW/cm2以下とすることにより塗膜の劣化をより一層効果的に防止することができる。コーティング組成物に対する紫外線量は、特に限定されないが、10〜6000J/cm2であることが好ましく、1500〜5500J/cm2であることがより好ましく、2000〜4000J/cm2であることが更に好ましい。紫外線量を上記範囲とすることにより、所望する親水性や屈折率等を有する塗膜をより一層効率よく製造することができるとともに、塗膜の劣化をより一層効果的に防止することができる。上記した条件で紫外線を照射することにより、塗膜の物性に悪影響を及ぼすことなく、上述した空隙を塗膜内部に適度な数だけ効率よく形成することができるものと推測される(ただし、本実施の形態の作用はこれに限定されない)。
この他にも真空紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、電子線、β線、γ線等を併用することができる。具体的には、白熱電球、ハロゲンランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーレーザー、太陽等を光源とする光線を併用することができる。これらの光源は、1種を単独で使用してもよく、複数種を同時に又は順次に使用してもよい。その照射強度、照射時間等の照射条件は適宜選択することができる。
本実施の形態の塗膜の屈折率は、光線透過率の観点から、1.10〜1.45が好ましい。光線透過率を1.10以上とした場合、塗膜内部に空隙を増やす必要がないため、塗膜の機械的強度の低下を抑制できる。屈折率が1.45以下とすることにより、塗膜の光線透過率をより高くすることができる。屈折率の下限値は、1.20以上がより好ましく、1.22以上が更に好ましく、1.25以上がより更に好ましい。屈折率の上限値は、1.36以下がより好ましく、1.34以下が更に好ましく、1.32以下がより更に好ましい。ここで、屈折率は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
本実施の形態の塗膜は基材上に形成可能であるので、基材と、この基材の少なくとも一方の表面に形成された上記塗膜と、を備えた積層体とすることができる。かかる積層体は、上述した塗膜の効果を併せ持つものであり、防汚染性に優れるだけでなく、高い光線透過率を有する積層体とすることができる。
基材は、上記した塗膜が形成可能な部材であればよく、その材料は限定されない。例えば、ガラス製や樹脂製の等を用いることができる。これらの中でも、透明性や耐候性の観点から、ガラスが好ましい。
ガラスとしては、特に限定されず、通常用いられるガラスを使用でき、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス等も目的に応じて使用することができる。
樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレン−フルオロエチレン共重合体等が挙げられる。これら樹脂製の基材には、耐候性を付与する目的で紫外線吸収剤等の耐候剤等を更に練り込んでもよい。
基材は、単層から構成させるものであってもよいし、材質が異なる複数の層から構成されるものであってもよい。積層体に所望する性質に応じて、複数の層を積層した基材としてもよい。
基材の可視光における透過率は、好ましくは30〜99%であり、より好ましくは80〜99%であり、更に好ましくは92〜99%である。また光線透過率を向上させる目的でテクスチャーを形成していてもよい。ここでのテクスチャーとは、ガラスの片面又は両面に規則的に凹凸構造を有しているガラスのことである。ここで、光線透過率とは、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
本実施の形態の積層体は、例えば、水等の溶媒等に分散させたコーティング組成物(以下、「水分散体」と略記することがある。)を上記した基材上に塗工し、乾燥させた後、紫外線を照射することにより形成される。ここで、水分散体の固形分濃度としては、好ましくは0.01〜60質量%、より好ましくは1〜40質量%である。また、水分散体の粘度としては、20℃において0.1〜100000mPa・sであることが好ましく、1〜10000mPa・sであることがより好ましい。
塗工方法としては、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
なお、積層体は、例えば、基材に塗布した水分散体を乾燥させた後、所望により好ましくは20〜500℃、より好ましくは40〜250℃で熱処理を行うことも可能である。塗膜の補修を目的にする場合には、形成された塗膜の表面に水分散体を更にスプレーコート(重ね塗り)することが好ましい。この場合、設置した現場でコーティングすることが可能となり好ましい。また、長さが1mを超えるような大判の積層体(例えば、後述する保護部材等)に再度積層する場合にはフローコート、ディップコートして積層体を得る方法が、ハンドリング、コストの面から好ましい。
本実施の形態の積層体に設ける塗膜は乾燥時の膜厚で10nm〜4000nm、好ましくは50nm〜1000nm、さらには80nm〜500nmが好ましい。膜厚が10nmよりも小さい場合には膜厚制御が難しくなる。膜厚が4000nmを超えると塗膜にクラックが生じやすくなる。
本実施の形態の積層体は、防汚染性に優れ、かつ高い光線透過率を有する積層体として、透明性が求められる各種の保護部材として好適に用いることができる。特に、太陽光をエネルギー変換する太陽電池の保護カバーとして好適である。太陽電池の保護カバーは、太陽電池の発電素子等を保護するものであるが、高いエネルギー変換効率とするためにはより多くの太陽光を発電素子に到達させる必要がある。本実施の形態の保護部材は、高い光線透過率有するので、発電素子に多くの太陽光を送り込むことができる。また、防汚染性にも優れるので、太陽電池を野外に設置した場合であっても砂埃等の付着を防止することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。各種物性は下記の方法で評価した。
全光線透過率
保護部材の全光線透過率は、濁度計(日本電色工業社製、NDH2000)を用い、JIS−K7105に準じて測定した。
屈折率
膜厚計(大塚電子社製、FE−3000)を用いて屈折率(633nm)を測定した。
初期接触角
保護部材の塗膜の最表面に脱イオン水の水滴を乗せ、23℃で10秒放置した後、接触角計(協和界面科学製、CA−X150型接触角計)を用いて初期接触角を測定した。
数平均粒子径
数平均粒子径は、湿式粒度分析計(日機装製、マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
紫外線の照度(照射量)の測定
紫外線の照度は、紫外線照度計UV−M03A(オーク社製)を用いて測定した。
(製造例1)
重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸6gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、ジメチルジメトキシシラン185g、フェニルトリメトキシシラン117gの混合液を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応容器中の温度が80℃の状態で約1時間撹拌を続行した。次にアクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド137g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化社製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1900gの混合液を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応容器中の温度が80℃の状態で約8時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、反応物を100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径70nmの重合体エマルジョン粒子(B)水分散体を得た。水相成分は5質量%であった。なお、水相成分の含有率は以下の式に基づいて求めた。

水相成分の含有率(%)=((B)成分を分画分子量50,000でろ過したろ液の乾燥質量)×(100−全固形分質量)/(前記ろ液の質量−前記ろ液の乾燥質量)×100/全固形分質量
(実施例1)
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、商品名「スノーテックO」)((A)成分)を水で希釈して固形分10質量%の分散液(数平均粒子径10nm)に調整し、製造例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を配合し、テトラエトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBE−04」)((C)成分)を表1に示す条件(固形分換算で、単位は(g))で配合し、コーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を膜厚500nmになるように白板ガラス(SCHOTT社製、厚み2mm、6×6cm角)の上に、ディップコートした後、70℃、30分間乾燥させた後、さらに、ハンディUV1200、QRU−2161(オーク社製、照度40mW/cm2)で2時間照射して保護部材を得た。
(実施例2)
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、商品名「スノーテックOS」)((A)成分)を水で希釈して固形分10質量%の分散液(数平均粒子径10nm)に調整し、製造例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を配合し、表1に示す配合にてコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を膜厚500nmになるように白板ガラス(SCHOTT社製、厚み2mm、6×6cm角)の上に、ディップコートした後、70℃、30分間乾燥させた後、さらに、ハンディUV1200、QRU−2161(オーク社製、照度40mW/cm2)で2時間照射して保護部材を得た。表1記載の組成になるように実施例1と同様の方法で保護部材を得た。得られた保護部材の物性を表1に示す。
(実施例3)
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、商品名「スノーテックOS」)((A)成分)を水で希釈して固形分10質量%の分散液(数平均粒子径10nm)に調整し、製造例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を配合し、表1に示す配合にてコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を膜厚500nmになるように白板ガラス(SCHOTT社製、厚み2mm、6×6cm角)の上に、ディップコートした後、70℃、30分間乾燥させた後、さらに、ハンディUV1200、QRU−2161(オーク社製、照度40mW/cm2)で2時間照射して保護部材を得た。表1記載の組成になるように実施例1と同様の方法で保護部材を得た。得られた保護部材の物性を表1に示す。
(比較例1)
塗膜を形成せずに白板ガラス(SCHOTT社製、厚み2mm、6×6cm角)の物性を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
コロイダルシリカ(日産化学工業社製、商品名「スノーテックOS」)((A)成分)を水で希釈して固形分10質量%の分散液(数平均粒子径10nm)に調整し、製造例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体を配合し、表1に示す配合にてコーティング組成物を得た。得られたコーティング組成物を膜厚500nmになるように白板ガラス(SCHOTT社製、厚み2mm、6×6cm角)の上に、ディップコートした後、70℃、30分間乾燥させて保護部材を得た。得られた保護部材の物性を表1に示す。
Figure 2011208085
表1に示すように、実施例1〜3の保護部材は、高い親水性を有し、防汚染性に優れるとともに、光線透過率が高く、保護部材として好適な屈折率であることが確認された。一方、比較例1、2の保護部材は、接触角、光線透過率及び屈折率の少なくともいずれかが良好ではないことが確認された。
本発明による塗膜及び積層体は各種保護部材として用いることができ、とりわけ、太陽電池の保護カバー等に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 以下の(A)成分及び(B)成分を含むコーティング組成物に紫外線を照射することにより得られる塗膜;
    (A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、
    (B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子。
  2. 屈折率が、1.10〜1.45である、請求項1に記載の塗膜。
  3. 前記紫外線の光源が、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、及びカーボンアーク灯からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の塗膜。
  4. 前記紫外線の照度は1〜100mW/cm2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜。
  5. 前記(B)成分が、
    (b1)成分:加水分解性珪素化合物と、
    (b2)成分:水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、及びエーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するビニル単量体と、
    を含む重合原液を重合して得られる重合体エマルジョン粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗膜。
  6. 以下の(A)成分及び(B)成分を含むコーティング組成物に紫外線を照射する工程を有する、塗膜の製造方法;
    (A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物、
    (B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子。
  7. 基材と、
    前記基材の少なくとも一方の表面に形成された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗膜と、
    を備えた積層体。
  8. 請求項7記載の積層体を用いた保護部材。
  9. 太陽電池の保護カバーである、請求項8に記載の保護部材。
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