JP2011207783A - 透明絶縁性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
以上のような種々の用途において、諸特性を満足するような、透明絶縁性組成物は存在せず、その開発が望まれていた。
本願発明は、一般式(I)
A1、及びA2はそれぞれ独立的に
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はメチル基、エチル基、CN又はハロゲンで置換されていても良く、
L1は単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表す。)表される液晶化合物を少なくとも一種含有し、液晶相上限温度が0℃以下であるか又は液晶相を発現しないことを特徴とする透明絶縁性組成物及び当該組成物を構成部材とするタッチパネル並びにタッチパネルを具備した表示素子を提供する。
2 下側のガラス基板
3 透明導電性膜
4 空隙
5 シール材料
6 透明絶縁性組成物層
透明絶縁性組成物はタッチパネルとして用いる場合には、粘性が低いことが好ましい、具体的は、50Pa・s以下が好ましく、40Pa・s以下がより好ましく、30Pa・s以下が特に好ましい。
透明絶縁性組成物の比抵抗は、1×1010以上が好ましく、1×1011以上がより好ましく、3×1011以上が特に好ましい。
本願発明の透明絶縁性組成物は、一般式(I)で表される液晶化合物を含有するものであるが、一般式(I)で表される化合物を2種以上含有することが好ましく、2種から20種含有することが好ましく、2種から10種含有することが更に好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、A1、又はA2としては次の式(2−1)から式(2−9)で表される環構造が好ましい。
この中でも、式(2−1)、式(2−3)、式(2−6)又は式(2−7)がより好ましく、式(2−1)、式(2−3)又は式(2−6)がより好ましく、式(2−1)又は式(2−6)が特に好ましい。
又、A1及びA2の何れか一つはトランス-1,4-シクロへキシレン基を表すことが好ましい。
このような観点から、一般式(I)の化合物のより具体的な好ましい形態として、下記の一般式(I-1)〜(I-11)で表される化合物群が好ましい。
中でも、一般式(I-1)〜(I-8)が好ましく、一般式(I-1)〜(I-5)がより好ましい。
(使用することが可能な単環化合物)
本願発明の透明絶縁性組成物は一般式(I)で表される化合物以外に一つのみの環構造を有する一般式(II)
Bは、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はメチル基、エチル基、CN又はハロゲンで置換されていても良い。。)で表される化合物を更に含有することができる。
環Bは、次の式(2−1)から式(2−9)で表される環構造が好ましい。
含有する一般式(II)で表される化合物の数は、二種以下が好ましく、二種がより好ましい。
本願発明の透明絶縁性組成物は、前述した一般式(I)で表される化合物の必要な含有率を除くその他の成分として、三つの環を有する液晶化合物を添加することができる。
液晶化合物として具体的には、一般式(III)
A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はメチル基、CN又はハロゲンで置換されていても良く、
L1及びL2はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表す。)で表される化合物が好ましい。
R1が炭素数1〜15のアルキル基を表し、R2がフッ素原子を表すことが特に好ましい。
このような観点から、一般式(1)の化合物のより具体的な好ましい形態として、下記の一般式(III-1)〜(III-5)で表される化合物が好ましい。
一般式(III)で表される化合物を含有す場合、その含有量は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。
又、帯電を防止するための帯電防止剤や粘度を調節するための重合体又は重合性化合物を更に添加することもできる。
本願発明の透明絶縁性組成物を構成部材とするタッチパネルは、種々の表示素子の構成部材として、表示素子にタッチセンサーとしての機能を付与することができる。
TN-I :ネマチック相-等方性液体相転移温度(℃)を液晶相上限温度とする
n :25℃における屈折率
η :20℃における粘性(Pa・s)
R :25℃における比抵抗(Ωcm)
安定性試験:
試験対象となる透明絶縁性組成物を、150℃1時間放置、又は耐光性試験器で30分間照射試験を行った後、組成物を構成する化合物の分解が認められる、透過率の低下又は、比抵抗の低下が認められる場合を×とし、いずれの試験においても問題のないものに○とした。
(実施例1)
二つの液晶化合物からなる透明絶縁性組成物(M−1)を作製した。
(実施例2)
二つの液晶化合物からなる透明絶縁性組成物(M−2)を作製した。
尚、実施例1の透明絶縁性組成物の質量平均分子量は282である。
図2に示す構成を有するタッチパネルを作製し、透明絶縁性組成物として実施例1又は2で作製した(M−1)又は(M−2)を使用して各種特性の測定を行いその結果を表1に示す。
図1に示すタッチパネルを作製し、各種特性の測定を行いその結果を表1に示す。尚、比較例1においては、空隙に空気が存在する条件で測定を行った。
(比較例2)
実施例3と同様に、図2に示す構成を有するタッチパネルを作製し、透明絶縁性組成物に替えてヨウ化メチレンを用い各種特性の測定を行いその結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例3と同様に、図2に示す構成を有するタッチパネルを作製し、透明絶縁性組成物に替えてシリコーンオイルを用い各種特性の測定を行いその結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例3と同様に、図2に示す構成を有するタッチパネルを作製し、透明絶縁性組成物に替えてフッ化炭化水素であるPF−5080(住友スリーエム(株)の商品名、C8F18を90%以上含有)を用い各種特性の測定を行いその結果を表2に示す。
シリコーンオイル又はフッ化炭化水素を用いた比較例3及び4のタッチパネルは、安定性には問題がないものの、屈折率が低いため、パネルの透過率が十分に高くならない問題を有している。
(実施例5から6)
以下の化合物を用い、実施例1と同様にして透明絶縁性組成物(M−3)から(M−4)を作製した。
これらの透明絶縁性組成物もまた、液晶相下限温度が低く、その屈折率もガラスの屈折率に近い1.5程度の屈折率を有し、又、粘性も低く、9×1011Ωcm又は8×1011Ωcmと高い比抵抗を有しているものであった。 これらの透明絶縁性組成物を用いたタッチパネルも屈折率がガラスと近いことから、透過率が高く、安定性も優れたものであった。
Claims (11)
- 一般式(I)
A1、及びA2はそれぞれ独立的に
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はメチル基、エチル基、CN又はハロゲンで置換されていても良く、
L1は単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-又は-C≡C-を表す。)表される液晶化合物を少なくとも一種含有し、液晶相上限温度が0℃以下であるか又は液晶相を発現しないことを特徴とする透明絶縁性組成物。 - 一般式(I)においてR1が炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数1〜15のアルコキシ基を表し、R2がフッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はジフルオロメチル基を表す、請求項2記載の透明絶縁性組成物。
- 一般式(I)で表される化合物を少なくとも5%以上含有する請求項2記載の透明絶縁性組成物。
- 一般式(II)
Bは、
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -O- 及び又は -S- に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は -N- に置き換えられてもよい)
(c) 1,4-シクロヘキセニレン、1,4-ビシクロ(2.2.2)オクチレン、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はメチル基、エチル基、CN又はハロゲンで置換されていても良い。)で表される化合物を更に含有する請求項1記載の透明絶縁性組成物。 - 一般式(II)においてR3及びR4が異なった置換基を表す、請求項4記載の透明絶縁性組成物。
- 透明絶縁性組成物の質量平均分子量が150以上350以下である請求項1から5の何れかに記載の透明絶縁性組成物。
- 一般式(I)で表される化合物の含有量が40%以上である請求項1から5の何れかに記載の透明絶縁性組成物。
- 透明絶縁性組成物の粘性が40Pa・s以下であり、比抵抗が1×1010Ωcm以上である請求項1から5の何れかに記載の透明絶縁性組成物。
- 請求項1から8の何れかに記載の透明絶縁性組成物を構成部材とするタッチパネル。
- 透過率が90%である請求項9記載のタッチパネル。
- 請求項1から8の何れかに記載の透明絶縁性組成物を構成部材とするタッチパネルを具備した表示素子。
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