JP2011207643A - 乾式吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法 - Google Patents

乾式吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 吹付け時に発生する粉塵の低減及びリバウンド率を低減することができ、作業環境性に優れ、かつ圧縮強度に優れた均一な吹付けが可能となる吹付け安定性に優れた、乾式吹付け用モルタル材料及び該モルタル材料の製造法を提供する。
【解決手段】 乾式吹付け用モルタル材料は、セメント、細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を含む粉体混合物と、ポリマーディスパージョン液とを含み、粉体混合物中少なくともセメントは非水系液体収縮低減剤によりまぶされており、細骨材の平均粒子径は1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を該粉体混合物中1〜10質量%含み、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、乾式吹付け用モルタル材料及び該乾式吹付け用モルタル材料の製造方法に関し、特に、土木分野や建築分野で利用される乾式吹付け用モルタル材料における粉塵の発生の低減を図り、かつリバウンド率が低く、乾式吹付け工法に用いる際の粉体圧送性を安定させる、乾式吹吹付け用モルタル材料及び該吹付け材料の製造方法に関するものである。
近年、コンクリート構造物の劣化に対する補修、補強工法として乾式吹付けが実施されている。
乾式吹付けは良好な施工性を備えており、鉄道や道路等の高架橋、トンネル等の断面修復工法として広く利用されている。
乾式吹付け工法に用いる乾式吹付け材料は、湿式吹付け工法に比べ単位時間当たりの施工量が多いことが大きな特徴であるが、吹付け施工時の粉塵発生量が多く、作業環境改善のための粉塵の低減が求められている。
乾式吹付け工法は、湿式吹付け工法と異なり、粉体材料を空気圧送して、吐出吹付けノズル中で加水し、これを高圧エアで吹付け面に吹付けるシステムである。吹付けノズルの加水から高圧のエアで噴射されるまでの時間が極端に短く、粉塵低減剤を添加した吹付けコンクリートやモルタルを用いて乾式吹付け工法を行っても、かかる時間内に粉塵を凝集、低減することができず、吹付け施工時の粉塵を低減する効果は十分ではない。また、水系の粉塵低減剤を使用した場合、セメント等の水硬性物質が水和するため、予め粉体に均一に混合しておくことができない。
更に、水系の粉塵低減剤を用いたモルタルの施工時の粉塵発生を有効に抑制するためには、均一に混合できないため粉塵低減剤を大量に使用しなければ効果がなく、一方、大量に使用すると、強度の低下が顕著におこるという問題を有していた。
特開平11−209158号公報(特許文献1)には、細骨材の表面水率を6%以下にし、粗骨材をモルタル中に容積比で10〜30%混入した吹付けモルタルが記載されている。
かかるモルタルは、使用する細骨材の表面水率の管理が必要であり、非常に手間がかかる。また断面修復に用いた場合に、20mm程度の厚みの吹付け施工が困難であり、粒子径の大きい骨材を含むため、瞬結性モルタルとすることで、リバウンドを抑制しなければならない。
また、特開2000−96824号公報(特許文献2)には、セメント、細骨材、粉末エマルジョン、及び繊維の混合物を空気圧送し、吹付用ノズルの手前で該混合物に、水を添加混合し吹付けることを特徴とするモルタルの吹付工法が記載されており、細骨材は、吹付設備の圧送性の面から粒子径4mm以下が好ましいと記載されている。
しかし、かかる吹付け材料では、吹付け時の粉塵発生量を抑制することはできず、また、粒径が小さいことからホース内に材料が滞留する可能性があり、安定した粉体圧送、吹付けが困難である。
また特開2006−283335号公報(特許文献3)には、セメント、骨材、膨張材及び非水系減水剤からなる粉体混合物と、セメント混和用ポリマーディスパージョン含有液とを含む吹付けモルタル材料が開示されている。
しかし該モルタル材料を長距離圧送して吹付ける場合には、十分な吹付け安定性が得られない可能性がある。
特開平11−209158号公報 特開2000−96824号公報 特開2006−283335号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、具体的には、吹付け時に発生する粉塵の低減及びリバウンド率を低減することができ、作業環境性に優れ、材料圧送性、吹き付け安定性に優れ、圧縮強度に優れた、乾式吹付け用モルタル材料を提供することである。
さらに本発明の他の目的は、上記本発明の乾式吹付け用モルタル材料を有効に製造することができる、乾式吹付け用モルタル材料の製造方法を提供することである。
本発明は、乾式吹付け用モルタル材料に関して種々研究を重ねた結果、セメントを非水系の液体収縮低減剤により予め被覆した粉体物を用いるとともに、配合する細骨材の粒子径や配合割合を特定範囲とし、またポリマーの配合割合を特定範囲とすることで、上記課題が解決できることを見出し、別途調製した液体物と混合することで、吹付け施工時のリバウンド率を低下し、粉塵発生が低減できるとともに、乾燥収縮率を低減することでひび割れ発生を抑制し、従って長期にわたり強度発現性が保持できることを見出したものである。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料は、セメント、細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を含む粉体混合物と、ポリマーディスパージョン液とを含み、粉体混合物中の少なくともセメントは非水系液体収縮低減剤によりまぶされており、細骨材の平均粒子径は1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を該粉体混合物中1〜10質量%含み、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%であることを特徴とする。
好適には、前記本発明の乾式吹付け用モルタル材料において、セメント100質量部に対して非水系液体収縮低減剤を0.1〜3.0質量部の割合で含むことを特徴とする。
また、本発明の乾式吹付け用モルタルの製造方法は、セメント、平均粒子径が1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を粉体混合物中1〜10質量%含む細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を混合して、前記細骨材がセメント100質量部に対して50〜300質量部含有され且つ少なくともセメントが非水系液体収縮低減剤によりまぶされた、粉末混合物を調製し、別途、ポリマーと水とを混合してポリマーディスパージョン液を調製し、前記粉末混合物と前記ポリマーディスパージョン液とを、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%となるように配合することを特徴とする。
好適には、前記本発明の乾式吹付け用モルタル材料の製造方法において、前記粉体混合物中、セメント100質量部に対して非水系液体収縮低減剤を0.1〜3.0質量部の割合で配合することを特徴とする。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料は、現場での乾式吹付け施工時の粉塵を大幅に減少させることができるとともに、リバウンド率を低減でき、従って作業環境を著しく改善し、更に、材齢初期から強度発現に優れ、また吹付け充填性(吹付け安定性)に優れる。従って、コンクリート構造物の劣化に対する補修、補強に用いる材料として有効に利用することができる。
また、本発明の乾式吹付けモルタル材料の製造方法は、本発明の乾式吹付け用モルタル材料を有効に、また経済的に製造することができるものである。
本発明を以下の好適例を例示しつつ説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料は、セメント、細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を含む粉体混合物と、ポリマーディスパージョン液とを含み、粉体混合物中少なくともセメントは非水系液体収縮低減剤によりまぶされており、細骨材の平均粒子径は1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を該粉体混合物中1〜10質量%含み、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%である。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料に含まれるセメントとしては、水硬性カルシウムシリケート化合物を主体とするセメントであればその種類は限定されず、普通、早強などの各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセメントの各種混合セメントや、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、及びカルシウムアルミネート系、カルシウムサルフォアルミネート系、カルシウムフルオロアルミネート系等の超速硬系セメント等、市場で入手できる種々のセメントを例示することができ、これらを単独で、あるいは混合して用いることができる。好適には、普通セメントや早強セメント等を用いることが好ましい。
また、本発明の乾式吹付け用モルタル材料に含まれる細骨材としては、特に限定されるものではなく、川砂、山砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂1〜7号等細骨材、または珪石粉、石灰石粉等の微粉末等を使用できる。
本発明において使用される細骨材全体の平均粒子径は、1.2〜3.6mm、好ましくは1.4〜3.4mmの範囲である。
かかる範囲内の平均粒子径を有する、調整された細骨材を配合することで、粉体圧送安定性が向上し、さらに粉塵の発生やリバウンド率を、より有効に低減させることも可能となる。
ここで、本発明において粒子径はJIS A 1102 「骨材のふるい分け試験方法」に準じて測定した値で、平均粒子径とは積算%分布曲線より求めた50%径の値をいうものとする。
また、最大粒子径が5mm以上の細骨材は、粉体混合物中1〜10質量%含むものであり、好ましくは4〜8質量%である。
このようにすることで、ホース内での材料の滞留を防ぎ、安定した吹付け施工が可能となる。
また、細骨材全体の含有量は、特に限定されないが、通常、上記セメント100質量部に対して、50〜300重量部であることが好ましく、100〜250質量部とすることがより好ましい。これは、かかる範囲であると補修箇所、特に鉄筋裏への充填性が良好だからである。
さらに本発明の乾式吹付け用モルタル材料に含まれる膨張材としては、カルシウムサルフォアルミネート系、生石灰系、もしくは両者を混合したものが例示される。
膨張材は、本発明の乾式吹付用モルタル材料の乾燥収縮を低減するという機能を有するものである。
その配合量は、特に限定されないが、通常、上記セメント100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、3〜7質量部とすることがより好ましい。
これは、かかる範囲であると吹付けたモルタルの乾燥収縮を効果的に低減できるからである。
また本発明の乾式吹付け用モルタル材料に含まれる非水系液体収縮低減剤は、一般的には、アルキレンオキシド及びその付加物であり、セメントの水和反応を阻害することがない組成物であれば、市場で入手しうる任意のものが使用でき、組成としては、RO(AO)nR(R,R:H、アルキル基、フェニル基等、A:アルキレン基等、n:重合度)の一般式で表され、水またはアルコールに可溶となるものである。
非水系液体収縮低減剤は、本発明の吹付けモルタル材料の乾燥収縮を低減するという機能を有するとともに、少なくともセメントの周囲にまぶされた状態とすることで、吹付け時における粉塵発生を著しく抑制することが可能となる。
その配合量は、特に限定されないが、通常、上記セメント100質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部とすることがより好ましい。
これは、かかる範囲であると、本発明の吹付けモルタル材料の乾燥収縮を効果的に低減でき、少なくともセメントを該非水系液体収縮低減材でまぶすことができるからである。
また、本発明の上記効果を損なわない範囲で、必要に応じて混和材(例えば、高炉スラグ、シリカヒューム、フライアッシュ)や混和剤(例えば、減水剤、増粘剤、消泡剤等)や繊維(例えば、有機繊維、鋼繊維等)を含有することもできる。
上記セメント、細骨材、膨張材及び非水系液体収縮低減剤、更には必要に応じて前記混和剤や混和材を混合して、セメントの周囲に非水系液体収縮低減材をまぶすとともに、吹付けモルタル材料を調製する際に用いる粉体混合物(ドライミックス粉末)とすることができる。
当該ドライミックス粉末は、現場で混合してもよいが、設備装置や作業の簡略化のために、予めプレミクスされることが望ましい。
該ドライミックス粉末中には、非水系液体低減収縮剤で、少なくともセメント粉体がまぶされており、好ましくは、他の粉体もまぶされた状態となっている。
従って、ドライミックス粉末を調製する際には、非水系液体低減収縮剤が、少なくともセメント粉体をまぶすように、好ましくは、他の粉体もまぶすように、均一に混合されてドライミックス粉末が調製される。
このように、セメント、骨材、膨張材等の粉体を予め非水系液体収縮低減剤と混合し、好適には少なくともセメントが非水系液体収縮低減剤で被われる状態となることで、非水系液体収縮低減剤がセメント表面に吸着し、セメント粒子間に吸引力が働き、吹付けに使用されるセメント等から発生する微粒子が凝集された状態となり、施工時の粉塵の発生を抑制することができるものと推測される。
また、本発明の吹付けモルタル材料にはセメント混和用ポリマーディスパージョン液が含まれ、該ポリマーディスパージョンに含まれるセメント混和用ポリマーとしては、JIS A 6203に例示されるポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステルなどを主成分とするポリマーディスバージョンが例示でき、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
再乳化形粉末樹脂は、粉末樹脂が水に再分散し再乳化するためには数十秒から数分かかり、吹付けノズル手前からノズル先端までのわずかな時間では均一に再乳化するのは困難であり、好ましくない。
特に好適には、アクリル系ポリマーを用いることができ、かかるアクリル系ポリマーのディスパージョン液を用いることが、耐久性の点から好ましい。
かかる混和用ポリマーを水に分散させてセメント混和用ポリマーディスパージョン液とする。
かかる混和用ポリマーは、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15%、好ましくは2〜10質量%となるよう添加混和されていることが望ましい。かかる範囲であると、吹付けモルタルの強度を低下させず、粘性を良好に保持でき、粉塵の低減及び付着性に優れるからである。
また、本発明の乾式吹付け用モルタルの製造方法は、セメント、平均粒子径が1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を粉体混合物中1〜10質量%含む細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を混合して、前記細骨材が粉体混合物中1〜10質量%含有され且つ少なくともセメントが非水系液体収縮低減剤によりまぶされた、粉末混合物を調製し、別途、ポリマーと水とを混合してポリマーディスパージョン液を調製し、前記粉末混合物と前記ポリマーディスパージョン液とをポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%となるように配合して調製される。
また好ましくは、前記粉体混合物中、セメント100質量部に対して非水系液体収縮低減剤を0.1〜3.0質量部の割合で配合する。
ポリマーディスパージョン液は、該ポリマーディスパージョン液と上記ドライミックス粉体(粉末混合物)を混合する際に、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%添加混和されている状態となるように調製しておくことが施工性の点から望ましい。
例えば、予め作製されたポリマーディスパージョン液に水を混合して希釈したポリマーディスパージョン液であっても、ポリマーと水とを混合したポリマーディスパージョン液であっても、吹付け施工の際にポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%、好ましくは2〜10質量%添加混和されている状態となれば、いずれのポリマーディスパージョン液も適用することができる。
このような範囲となるようにポリマーディスパージョン液を調製することで、吹付けモルタルの強度を低下させず、粘性を良好に保持でき、付着性を優れるものとすることができる。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料を吹付ける際には、前記粉末混合物と希釈ポリマーディスパージョン液とを、別個に搬送する乾式吹付け工法に適用されるものであり、好適には、吹付け用ノズルの中で両者を混合して、吹付け施工するものである。
具体的には、かかるドライミックスモルタルを乾式吹付け装置に用いて、空気圧送し、別途予め混合したポリマーディスパージョン液をポンプ圧送し、両者を当該ノズル部分で混合し、断面修復箇所へ乾式吹付け工法を施工するものである。
このように、ノズル内でドライミックスモルタルと、希釈ポリマーディスパージョン液とを均一に混合して、モルタル吹付けを施工することにより、材料の安定的な圧送及び施工が可能となり、また粉塵の発生を低減し、かつリバウンド率の低い、コンクリート構造物の劣化に対する補修及び補強工法、例えば鉄道や道路等の高架橋、トンネル等の断面補修工法に有効に使用できる。
本発明を次の実施例及び試験例により説明するが、これらに限定されるものではない。
使用材料
乾式吹付け用モルタル材料を調製するにあたって、以下の材料を使用して、吹付けモルタル材料を調製した。
・セメント:早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
・細骨材 :珪砂1号、2号、4号、5号、6号、7号
・膨張材 :商品名 サクス(住友大阪セメント株式会社製)
・非水系液体収縮低減剤:テスタF(住友大阪セメント株式会社製)
・セメント混和用ポリマーディスパージョン液:商品名 ライオンボンドA
(スチレンアクリル系ポリマーエマルション;住友大阪セメント株式会社製)
・フライアッシュ:ファイナッシュ(四国電力株式会社製)
・水:水道水
(実施例1〜5・比較例1〜14)
上記各材料を使用して、次の表1に示す配合割合で、セメント、膨張材、珪砂及び乾燥液体収縮低減剤を均質に混合して、セメントに非水系液体収縮低減剤がまぶされた、各ドライミックス粉末を調製した。
次いで、東和式ロータリーガン吹付け機を用いて、上記各ドライミックス粉末を圧縮空気にてホース内を水平方向に60m圧送し、また別途、上記セメント混和用ポリマーディスパージョン液を水と予め混合した希釈ポリマーディスパージョン液を、ポンプにてホース内を水平方向に60m圧送し、当該ドライミックス粉体と、上記セメント混和用ポリマーディスパージョン液及び水が予め混合した希釈ポリマージョン液とを当該ノズル内で混合して乾式吹付け用モルタル材料とし、型枠体に垂直に乾式吹付けた。
得られた各ドライミックス粉末、(ポリマーディスパージョン液及び水:希釈ポリマーディスパージョン液)/ドライミックス粉末比(質量%)、水/セメント比(質量%)、及びポリマー固形分/セメント質量比(%)を、下記表1に示す。
Figure 2011207643
上記型枠に乾式吹付けした際の粉塵量、リバウンド率、圧縮強度を下記のようにして測定して、表2にその結果を示す。
(1)粉塵量
上記吹付けを1.8m×4.0mの簡易密閉空間内で実施した際に、柴田科学社製デジタル粉塵計「LD−5D」を用いて、吹付け位置より3mの距離において該5分間の粉塵量をカウントした。その結果をカウント数(cpm)で示す。
評価基準:粉塵量が5000cpm未満を良好とする。
(2)リバウンド率(%)
JSCE−F563−2005記載の地面に対して垂直に設置した型枠に、1分間垂直に吹付けた際のリバウンド率を測定した。
リバウンド率は、前記吹付け施工時における、(吹付け時に跳ね返ったモルタル材料の質量/吹付け時の材料の全使用質量)×100(%)で示した値である。
また、モルタルが柔らかいため、垂直に設置した型枠より垂れ落ちたモルタルも吹付け時に跳ね返ったモルタル材料の質量に含めるものとした。
評価基準:リバウンド率が10%未満のものを良好とする。
(3)圧縮強度
JSCE−F561(吹付けコンクリートの圧縮強度試験用供試体の作り方)に記載の型枠に吹付け、2日後にコア抜き(Φ10×20cm)したコア硬化体を、材齢28日まで20℃の水中にて養生した後、JIS A 1108に準じて、圧縮強度を測定し結果の値である。
評価基準:圧縮強度が24N/mm以上のものを良好とする。
(4)圧縮強度の変動係数
前記(3)のコア硬化体3個の圧縮強度の標準偏差及び平均値から算出した変動係数(CV:%)値である。
なお、変動係数が大きいと、コア硬化体の圧縮強度のばらつきが大きいことを意味し、吹付け材料の充填性(吹付け安定性)に問題がある。
評価基準:圧縮強度変動係数が5.0未満のものを良好とした。
Figure 2011207643
表2中、上記(1)〜(4)までの試験例において全ての評価が良好であったものを、総合評価○とし、いずれかの評価が良好ではないものを総合評価×として表した。
上記表より、本発明の乾式吹付け用モルタル材料は、粉塵量の発生が抑制され、リバウンド率も著しく低減され、また、コア硬化体圧縮強度測定結果から、優れた圧縮強度を有するとともに、乾式吹付け用モルタル材料の充填性(吹付け安定性)に優れていることがわかる。
本発明の乾式吹付け用モルタル材料は、コンクリート構造物の補修及び補強分野において、断面修復材等として有効に用いることができ、特に、鉄道や道路等の高架橋、トンネル等の断面補修工法等の施工に適切に用いることが可能となる。

Claims (4)

  1. セメント、細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を含む粉体混合物と、ポリマーディスパージョン液とを含み、粉体混合物中少なくともセメントは非水系液体収縮低減剤によりまぶされており、細骨材の平均粒子径は1.2〜3.6mmで且つ最大粒子径5mm以上の細骨材を該粉体混合物中1〜10質量%含み、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%であることを特徴とする、乾式吹付け用モルタル材料。
  2. 請求項1記載の乾式吹付け用モルタル材料において、セメント100質量部に対して非水系液体収縮低減剤を0.1〜3.0質量部の割合で含むことを特徴とする、乾式吹付け用モルタル材料。
  3. セメント、平均粒子径が1.2〜3.6mmで、最大粒子径5mm以上の細骨材を粉体混合物中1〜10質量%含む細骨材、膨張材および非水系液体収縮低減剤を混合して、前記細骨材が粉体混合物中1〜10質量%含有され且つ少なくともセメントが非水系液体収縮低減剤によりまぶされた、粉末混合物を調製し、別途、ポリマーと水とを混合してポリマーディスパージョン液を調製し、前記粉末混合物と前記ポリマーディスパージョン液とを、ポリマー固形分/セメント質量比が1〜15質量%となるように配合することを特徴とする、乾式吹付け用モルタル材料の製造方法。
  4. 請求項3記載の乾式吹付け用モルタル材料の製造方法において、前記粉体混合物中、セメント100質量部に対して非水系液体収縮低減剤を0.1〜3.0質量部の割合で配合することを特徴とする、乾式吹付け用モルタル材料の製造方法。
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