JP2011207012A - インクリボンカセット及びそれを用いるカラープリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な機構によって、インクリボンカセットがカラープリンタに装着されていないときにインクリボンの弛みを防止すると共に、インクリボンカセットをカラープリンタに装着する際に位置を間違えても誤印字を防止する。
【解決手段】このインクリボンカセットは、複数の異なる位置に複数の開口がそれぞれ形成されたカセットケースと、カセットケースに回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパーが設けられたインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸と、ストッパーに係合してインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸をロックし、カセットケースに形成された複数の開口の内からインクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に少なくとも1つのピンが挿入されたときにインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸のロックを解除する係止部とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、印字を行う際に用いられる各色のインクリボンが装填されたインクリボンカセット、及び、そのようなインクリボンカセットを用いて複数の色で印字を行うカラープリンタに関する。
例えば、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の被印字媒体(以下、「用紙」ともいう)に印字を行うプリンタとして、サーマルヘッドを用いてインクリボンのインクを用紙に転写することにより印字を行うサーマル転写式プリンタが用いられている。サーマル転写式プリンタにおいては、用紙とインクリボンとを同一方向に同一速度で搬送しながら、サーマルヘッドの発熱体が発生する熱によってインクリボンのインクを用紙に転写することにより印字が行われる。
サーマル転写式プリンタにおいて複数の色で印字を行うためには、複数色のインクリボンが必要となるので、一般的に、各色のインクリボンが装填されたインクリボンカセットが用いられる。しかしながら、複数種類のインクリボンカセットをカラープリンタに装着する際に、インクリボンカセットを装着する位置を間違えると、誤った色で印字が行われてしまう。
また、インクリボンカセットを運搬等する際に、インクリボンに弛みが生じると、インクリボンカセットをカラープリンタに装着する際の操作性が悪化したり、インクリボンに損傷が及んでしまうという問題が発生する。そのような問題を解決するために、不使用時にインクリボンにブレーキを掛ける機構が提案されている。
関連する技術として、特許文献1には、インクリボンの弛みを安定的に防止するインクインクリボンカセットが開示されている。このインクリボンカセットは、リボン収納部、リボン送り出し通路、及び、リボン受け入れ通路が一体化したケースと、一部がリボン送り出し通路からリボン収納部の外に出てリボン受け入れ通路を通じて再びリボン収納部内に循環している無終端のインクリボンと、リボン収納部内に設けられているリボン走行機構とを備えている。
このリボン走行機構においては、通過するインクリボンの一面に駆動ギアが当接し、他面に走行方向後方で引き入れ従動ギア、先方で押込従動ギアが当接し、インクリボンを間に挟んで駆動ギアが各従動ギアに噛み合って設けられており、押込従動ギアの回転軸が、駆動ギアの回転軸を中心点にして、引き入れ従動ギア及び押込従動ギア同士が噛み合う点まで弧状に形成されている円弧ガイドに摺動可能に係合している。
特許文献1のインクリボンカセットによれば、インクリボンが逆方向に走行しようとすると、駆動ギア、引き入れ従動ギア、及び、押込従動ギアが三すくみの状態で噛み合い、リボン走行機構によるインクリボンの噛み込みが防止される。しかしながら、このように複雑なリボン走行機構を採用すれば、インクリボンカセットのコストが上昇してしまう。
実開平5−63864号公報(第1−2、7頁、図1)
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、インクリボンカセットにおいて、簡単な機構によって、インクリボンカセットがカラープリンタに装着されていないときにインクリボンの弛みを防止すると共に、インクリボンカセットをカラープリンタに装着する際に位置を間違えても誤印字を防止することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係るインクリボンカセットは、カラープリンタにおいて印字に用いられるインクリボンが装填されたインクリボンカセットであって、複数の異なる位置に複数の開口がそれぞれ形成されたカセットケースと、未使用のインクリボンを供給するためにカセットケースに回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状の第1のストッパーが設けられたインクリボン供給軸と、使用済みのインクリボンを巻き取るためにカセットケースに回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状の第2のストッパーが設けられたインクリボン巻取り軸と、第1及び第2のストッパーに係合してインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸をロックし、カセットケースに形成された複数の開口の内からインクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に少なくとも1つのピンが挿入されたときにインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸のロックを解除する係止部とを具備する。
本発明の1つの観点によれば、係止部が、第1及び第2のストッパーに係合してインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸をロックし、カセットケースに形成された複数の開口の内からインクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に少なくとも1つのピンが挿入されたときにインクリボン供給軸及びインクリボン巻取り軸のロックを解除するので、インクリボンカセットがカラープリンタに装着されていないときにインクリボンの弛みを防止すると共に、インクリボンカセットをカラープリンタに装着する際に位置を間違えても誤印字を防止することができる。
本発明の各実施形態に係るインクリボンカセットが装着されたカラープリンタを示す概略断面図である。 本発明の各実施形態に係るインクリボンカセットがプリンタに装着される状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の各実施形態に係るインクリボンカセットが装着されたカラープリンタを示す概略断面図である。このカラープリンタは、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の被印字媒体(用紙)に印字を行うためのプリンタであって、サーマルヘッドを用いてインクリボンのインクを用紙に転写することにより印字を行う。以下においては、4色のインクリボンがそれぞれ装填された4種類のインクリボンカセットを用いて用紙に印字を行う場合を例にとって説明する。
図1に示すように、用紙1が、ロール状に巻回されたロール紙2として、プリンタ10の筐体に設けられた用紙供給軸11に回転可能に支持されている。用紙供給軸11から引き出された用紙1は、筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転する駆動ローラ12と、駆動ローラ12の回転に伴って回転する従動ローラ13との間に供給され、駆動ローラ12と従動ローラ13とによって挟持搬送される。
また、筐体のフレーム14には、搬送方向上流側(図中右側)から搬送方向下流側(図中左側)に向けて、4種類のインクリボンカセット20a〜20dが装着されている。例えば、インクリボンカセット20aには、イエロー(黄色)のインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20bには、マゼンタのインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20cには、シアンのインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20dには、ブラック(黒色)のインクリボンが装填されている。
インクリボンカセット20a〜20dの各々において、インクリボン23が、インクリボン供給軸21とインクリボン巻取り軸22との間に架け渡されている。インクリボン巻取り軸22は、筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転する。
プリンタ10は、4種類のインクリボンカセット20a〜20dに対応して、4つのプラテンローラ15a〜15dと、4つのサーマルヘッド16a〜16dとを有している。サーマルヘッド16a〜16dは、インクリボンカセット20a〜20dの内部にそれぞれ挿入され、プラテンローラ15a〜15dにそれぞれ対向して配置される。
インクリボンカセット20aのインクリボン供給軸21にロール状に巻回された状態で支持された未使用のインクリボン23は、プラテンローラ15aとサーマルヘッド16aとの間に用紙1と共に供給され、転写後のインクリボン23は、インクリボン巻取り軸22によって巻き取られる。
プラテンローラ15aは、筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転することにより、用紙1及びインクリボン23を同一方向に同一速度で搬送する。サーマルヘッド16aは、電流を流すことによって発熱する複数の微細な発熱体を幅方向に有している。これらの発熱体に電圧を印加して電流を流すことにより発熱体を発熱させ、インクリボン23のインクを用紙1に転写することにより、インクリボンカセット20aに装填されたイエローのインクリボンを用いた印字が行われる。
プラテンローラ15b〜15dもプラテンローラ15aと同様に構成され、サーマルヘッド16b〜16dもサーマルヘッド16aと同様に構成されている。プラテンローラ15aの位置を通過した用紙1は、プラテンローラ15b〜15dの位置を順次通過し、サーマルヘッド16b〜16dによって、インクリボンカセット20b〜20dにそれぞれ装填されたマゼンタ、シアン、ブラックのインクリボンを用いた印字が順次行われる。印字が完了した用紙1は、用紙排出口から排出される。
入力部30は、複数の操作キー、及び/又は、外部のホストコンピュータに接続されるインタフェースを含んでおり、プリンタ10を操作するために用いられる。制御部40は、例えば、CPUとソフトウェアを含んでおり、プリンタ10の各部の動作を制御する。表示部50は、エラーメッセージ等を表示するためのLCD(液晶表示)パネル又は複数のLED(発光ダイオード)を含んでおり、制御部40から供給される信号に基づいて各種の表示を行う。電源部60は、プリンタ10の各部に電力を供給する。
このように複数種類のインクリボンカセットを用いるカラープリンタにおいては、複数種類のインクリボンカセットをプリンタに装着する際に、インクリボンカセットを装着する位置を間違えると、誤った色で印字が行われてしまう。また、インクリボンカセットを運搬等する際に、インクリボンに弛みが生じると、インクリボンカセットをカラープリンタに装着する際の操作性が悪化したり、インクリボンに損傷が及んでしまう。
そこで、本発明の各実施形態においては、インクリボンカセット20a〜20dがプリンタ10に装着されていないときにインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22がロックされ、インクリボンカセット20a〜20dがプリンタ10の正しい位置に装着されたときにインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除されるように、インクリボンカセット20a〜20dが構成されている。
そのために、各々のインクリボンカセットのカセットケースの側面(フレーム14側の面)における複数の異なる位置に、複数の開口がそれぞれ形成されている。それらの開口は、インクリボンの色の種類に対応している。本実施形態においては、4色のインクリボンが用いられるので、カセットケースの側面に形成された4つの開口が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色にそれぞれ対応している。
また、プリンタ10のフレーム14において、複数のインクリボンカセット20a〜20dが装着される複数の領域には、装着されるべきインクリボンの色の種類に対応して異なる位置に、複数のピン17a〜17dがそれぞれ設けられている。それらのピン17a〜17dは、複数のインクリボンカセット20a〜20dについて異なる位置に形成された開口にそれぞれ挿入される。インクリボンカセットがプリンタ10の正しい位置に装着されると、そのインクリボンカセットに装填されたインクリボンの色に対応する開口にピンが挿入されるので、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除される。
一方、インクリボンカセットを装着する位置を間違えると、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除されず、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22が回転しないので、インクリボン巻取り軸22を駆動するモータの回転も停止する。制御部40は、モータの回転の停止を検出して、当該インクリボンカセットに関するエラー表示を表示部50に行わせる。
例えば、イエローのインクリボンが装填されたインクリボンカセットの装着位置を間違えた場合には、表示部50のLCDパネルにおいて、「イエローインクリボンカセットエラー」と表示される。これにより、オペレータは、イエローのインクリボンカセットの装着位置を間違えたか、又は、イエローのインクリボンを使い切ったことを認識することができる。
以上においては、インクリボンの1つの種類に対応して、カセットケースの側面に1つの開口が形成され、プリンタに1つのピンが設けられる場合について説明したが、インクリボンの1つの種類に対応して、カセットケースの側面に複数の開口が形成され、プリンタに複数のピンを設けるようにしても良い。
図2は、本発明の各実施形態に係るインクリボンカセットがプリンタに装着される状態を示す斜視図である。なお、図2においては、プラテンローラ及びサーマルヘッドを省略している。図2に示すように、プリンタ10には、インクリボンカセットを収納するための収納部18が設けられている。収納部18の扉19を開けることにより、インクリボンカセットの着脱が行われる。図2においては、インクリボンカセット20a〜20cが既に装着され、インクリボンカセット20dがこれから装着される状態が示されている。
プリンタ10のプレーム14には、インクリボン供給軸21に嵌合する回転軸141と、インクリボン巻取り軸22に嵌合する回転軸142とが設けられている。また、インクリボンカセットをガイドするためのガイドピン143及び144が設けられ、インクリボンカセット20dに装填されているインクリボンの種類(ブラック)に対応する位置にピン17dが設けられている。一方、インクリボンカセット20dのカセットケースの側面には、ガイドピン143及び144が挿入される2つのガイド孔と、インクリボンの複数の種類に対応する複数の開口とが形成されている。
インクリボンカセット20dが、ガイドピン143及び144にガイドされながらプリンタ10の正しい位置に装着されると、インクリボンカセット20dに装填されているインクリボンの種類(ブラック)に対応する位置の開口にピン17dが挿入されるので、インクリボンカセット20dにおいてインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除される。
次に、本発明の各実施形態に係るインクリボンカセットについて詳しく説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。図3の(a)は、インクリボンカセットを図1とは反対側から見た側面図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示すB−B’面におけるインクリボンカセットの断面図であり、図3の(c)は、インクリボンカセットのストッパーと係止板との位置関係を示す図である。ここでは、例として、図1に示す4種類のインクリボンカセット20a〜20dの内で、イエローのインクリボンが装填されたインクリボンカセット20aについて説明する。
図3の(a)及び(b)に示すように、インクリボンカセット20aは、複数の異なる位置に複数の開口24a〜24dがそれぞれ形成された側面を有するカセットケース25と、未使用のインクリボンを供給するためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー21aが設けられたインクリボン供給軸21と、使用済みのインクリボンを巻き取るためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー22aが設けられたインクリボン巻取り軸22と、ストッパー21a及び22aに係合してインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする係止部26とを含んでいる。
係止部26は、カセットケース25に回動可能に支持された係止板261と、係止板261を付勢する板ばね262とによって構成される。なお、板ばねの替わりにコイルスプリングを用いるようにしても良い。図3の(a)に示すように、係止板261は、ストッパー21aに係合する係合部分26aと、ストッパー22aに係合する係合部分26bと、インクリボン23の種類に対応して予め定められた開口24aの位置に延在する延在部分26cとを有している。
インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されていない状態においては、係合部分26a及び26bがストッパー21a及び22aにそれぞれ係合するように板ばね262が係止板261を付勢するので、係止板261がインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする。従って、インクリボンカセット20aを運搬等してもインクリボン23に弛みが生じないので、インクリボン23を保護することができる。また、インクリボンカセット20aを装着する位置を間違えると、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除されず、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22が回転しない。
インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されると、図3の(a)及び(b)に示すように、カセットケース25の側面に形成された複数の開口24a〜24dの内からイエローのインクリボン23に対応して予め定められた開口24aに、プリンタのフレーム14に設けられたピン17aが挿入されるので、ピン17aが延在部分26cに当接することにより、図3の(c)に示すように、係止板261が回動して、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックを解除する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。図4の(a)は、インクリボンカセットを図1とは反対側から見た側面図であり、図4の(b)は、インクリボンカセットのストッパーと係止板との位置関係を示す図である。ここでは、例として、図1に示す4種類のインクリボンカセット20a〜20dの内で、イエローのインクリボンが装填されたインクリボンカセット20aについて説明する。
図4の(a)に示すように、インクリボンカセット20aは、複数の異なる位置に複数の開口24a〜24d及び28a〜28dがそれぞれ形成された側面を有するカセットケース25と、未使用のインクリボンを供給するためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー21aが設けられたインクリボン供給軸21と、使用済みのインクリボンを巻き取るためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー22aが設けられたインクリボン巻取り軸22と、ストッパー21a及び22aに係合してインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする係止部27とを含んでいる。
係止部27は、カセットケース25に平行移動可能に支持された係止板271と、係止板271を付勢する板ばね272及び273とによって構成される。なお、板ばねの替わりにコイルスプリングを用いるようにしても良い。係止板271は、ストッパー21aに係合する係合部分27aと、ストッパー22aに係合する係合部分27bと、インクリボン23の種類に対応して予め定められた開口24a及び28aの位置にそれぞれ延在する延在部分27c及び27dとを有している。
インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されていない状態においては、係合部分27a及び27bがストッパー21a及び22aにそれぞれ係合するように板ばね272及び273が係止板271を付勢するので、係止板271がインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする。従って、インクリボンカセット20aを運搬等してもインクリボン23に弛みが生じないので、インクリボン23を保護することができる。また、インクリボンカセット20aを装着する位置を間違えると、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除されず、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22が回転しない。
本実施形態においては、図4の(b)に示すようなテーパー形状を有する2つのピン17aが、プリンタのフレーム14に設けられている。インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されると、図4の(a)及び(b)に示すように、カセットケース25の側面に形成された複数の開口24a〜24d及び28a〜28dの内からイエローのインクリボンに対応して予め定められた開口24a及び28aに、プリンタのフレーム14に設けられた2つのピン17aが挿入されるので、ピン17aが延在部分27c及び27dに当接することにより、係止板271がY軸方向の負の向きに略平行に移動して、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックを解除する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係るインクリボンカセットを示す図である。図5の(a)は、インクリボンカセットを図1とは反対側から見た側面図であり、図5の(b)は、インクリボンカセットのストッパーと係止板との位置関係を示す図である。ここでは、例として、図1に示す4種類のインクリボンカセット20a〜20dの内で、イエローのインクリボンが装填されたインクリボンカセット20aについて説明する。
図5の(a)に示すように、インクリボンカセット20aは、複数の異なる位置に複数の開口24a〜24dがそれぞれ形成された側面を有するカセットケース25と、未使用のインクリボンを供給するためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー21aが設けられたインクリボン供給軸21と、使用済みのインクリボンを巻き取るためにカセットケース25に回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状のストッパー22aが設けられたインクリボン巻取り軸22と、ストッパー21a及び22aに係合してインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする係止部29とを含んでいる。
係止部29は、カセットケース25に平行移動可能に支持された係止板291と、係止板291を付勢するコイルスプリング292とによって構成される。なお、コイルスプリングの替わりに板ばねを用いるようにしても良い。係止板291は、ストッパー21aに係合する係合部分29aと、ストッパー22aに係合する係合部分29bと、インクリボン23の種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口24aの位置に延在する延在部分29cとを有している。
インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されていない状態においては、係合部分29a及び29bがストッパー21a及び22aにそれぞれ係合するようにコイルスプリング292が係止板291を付勢するので、係止板291がインクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22をロックする。従って、インクリボンカセット20aを運搬等してもインクリボン23に弛みが生じないので、インクリボン23を保護することができる。また、インクリボンカセット20aを装着する位置を間違えると、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックが解除されず、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22が回転しない。
本実施形態においては、図5の(b)に示すようなテーパー形状を有するピン17aが、プリンタのフレーム14に設けられている。インクリボンカセット20aがプリンタの正しい位置に装着されると、図5の(a)及び(b)に示すように、カセットケース25の側面に形成された複数の開口24a〜24dの内からイエローのインクリボンに対応して予め定められた開口24aに、プリンタのフレーム14に設けられたピン17aが挿入されるので、ピン17aが延在部分29cに当接することにより、係止板291がZ軸方向の負の向きに略平行に移動して、インクリボン供給軸21及びインクリボン巻取り軸22のロックを解除する。
以上説明したような各実施形態に係るインクリボンカセットによれば、係止部がインクリボンの弛み防止機構と装着位置の検出機構とを兼ねるので、簡単な機構によってインクリボンの弛みや誤印字を防止することができる。また、樹脂等で作製されるカセットケースの金型を複数種類のインクリボンについて共通にすることができるので、本発明を実施する際のコストの上昇を抑えることができる。
1 用紙
2 ロール紙
10 プリンタ
11 用紙供給軸
12 駆動ローラ
13 従動ローラ
14 フレーム
141、142 回転軸
143、144 ガイドピン
15a〜15d プラテンローラ
16a〜16d サーマルヘッド
17a〜17d ピン
18 収納部
19 扉
20a〜20d インクリボンカセット
21 インクリボン供給軸
21a、22a ストッパー
22 インクリボン巻取り軸
23 インクリボン
24a〜24d、28a〜28d 開口
25 カセットケース
26、27、29 係止部
26a、26b、27a、27b、29a、29b 係合部分
26c、27c、27d、29c 延在部分
261、271、291 係止板
262、272、273 板ばね
292 コイルスプリング
30 入力部
40 制御部
50 表示部
60 電源部

Claims (6)

  1. カラープリンタにおいて印字に用いられるインクリボンが装填されたインクリボンカセットであって、
    複数の異なる位置に複数の開口がそれぞれ形成されたカセットケースと、
    未使用のインクリボンを供給するために前記カセットケースに回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状の第1のストッパーが設けられたインクリボン供給軸と、
    使用済みのインクリボンを巻き取るために前記カセットケースに回転可能に支持され、回転方向に沿って歯車状の第2のストッパーが設けられたインクリボン巻取り軸と、
    前記第1及び第2のストッパーに係合して前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸をロックし、前記カセットケースに形成された複数の開口の内から前記インクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に少なくとも1つのピンが挿入されたときに前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸のロックを解除する係止部と、
    を具備するインクリボンカセット。
  2. 前記カセットケースに形成された複数の開口が、インクリボンの色の種類に対応しており、前記カセットケースに装填されたインクリボンの色に対応する少なくとも1つの開口に少なくとも1つのピンが挿入されたときに、前記係止部が前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸のロックを解除する、請求項1記載のインクリボンカセット。
  3. 前記係止部が、
    前記第1のストッパーに係合する第1の係合部分と、前記第2のストッパーに係合する第2の係合部分と、前記インクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口の位置に延在する延在部分とを有し、前記カセットケースに回動可能に支持された係止板と、
    前記第1及び第2の係合部分が前記第1及び第2のストッパーにそれぞれ係合して前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸をロックするように前記係止板を付勢するばねと、
    を有し、前記インクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に挿入された少なくとも1つのピンが前記延在部分に当接することにより、前記係止板が回動して前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸のロックを解除する、請求項1又は2記載のインクリボンカセット。
  4. 前記係止部が、
    前記第1のストッパーに係合する第1の係合部分と、前記第2のストッパーに係合する第2の係合部分と、前記インクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口の位置に延在する延在部分とを有し、前記カセットケースに平行移動可能に支持された係止板と、
    前記第1及び第2の係合部分が前記第1及び第2のストッパーにそれぞれ係合して前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸をロックするように前記係止板を付勢するばねと、
    を有し、前記インクリボンの種類に対応して予め定められた少なくとも1つの開口に挿入された少なくとも1つのピンが前記延在部分に当接することにより、前記係止板が略平行に移動して前記インクリボン供給軸及び前記インクリボン巻取り軸のロックを解除する、請求項1又は2記載のインクリボンカセット。
  5. 被印字媒体を搬送して印字を行うカラープリンタであって、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の複数のインクリボンカセットが装着され、前記複数のインクリボンカセットについて異なる位置に形成された開口に挿入される複数のピンが設けられた筐体と、
    前記筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転することにより、前記被印字媒体及び複数のインクリボンを搬送する複数のプラテンローラと、
    前記複数のプラテンローラにそれぞれ対向して配置され、前記複数のインクリボンカセットに装填されたインクリボンをそれぞれ用いて前記被印字媒体に印字を行う複数のサーマルヘッドと、
    を具備するカラープリンタ。
  6. 前記複数のインクリボンカセットの内のいずれかのインクリボンカセットにおいて前記インクリボン巻取り軸が回転しないときに、当該インクリボンカセットに関するエラー表示を表示部に行わせる制御部をさらに具備する、請求項5記載のカラープリンタ。
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