JP2011206866A - レジンボンド砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】砥粒の高い保持力、高い研削力及び研削後の高い表面精度の全てを満たすことができるレジンボンド砥石及びそれを用いた研削方法の提供。
【解決手段】本発明によれば、樹脂結合層が熱硬化樹脂からなり、前記樹脂結合層中に砥粒および金属粉が分散配置されているレジンボンド砥石が提供される。この砥石に含まれる金属粉は、金属粒子の粒度分布において45μm以上の非球状金属粉粒子の重量比率が50%を超えて含み、且つ、前記金属粒子の1粒子当たりの表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径より算出した真球としての1粒子当たりの表面積Yとの比X/Yが10以上である。
【選択図】なし

Description

本発明はレジンボンド砥石に関するものである。
ダイヤモンド砥粒や立方晶窒化ホウ素砥粒(以下、CBN砥粒という)は、極めて硬度が高く、研削力とその持続性に優れており、砥石の材料として用いられることが多い。特に粒度の細かいダイヤモンド砥粒やCBN砥粒を用いた砥石は超硬合金、硬質セラミックス、合成樹脂、ガラス、レンズ等の光学部品、若しくはそれらの複合材料等の硬脆材料の高精度仕上げ加工用として汎く活用されている。
一般に砥石は、砥粒が結合剤により固定された構造を有している。そして、用いられている結合剤の種類により、メタルボンド砥石、レジンボンド砥石、ビトリファイドボンド砥石、電着砥石に区分されるが、これらの砥石は結合剤の種類及び結合構造によって大きくその性能が変化する。例えば、メタルボンド砥石は結合剤として合金をベースにした金属性結合剤を含んでおり、砥粒固着力、形状維持性能(耐久性、耐磨耗性)に優れているという特徴を有している。しかし、加工物へのくいつきや切れ味が劣る傾向にあり、また、チップポケットの生成も不十分で目詰まりを起こして上滑りが発生し易いため、切削性も低下し易い。また、ビトリファイドボンド砥石は、高温で焼成するため砥粒が劣化し易く、焼成物であるために品質が不安定であり、しかも焼成コストも高い。電着砥石は電解めっきを応用した方法により、砥層に相当する部分が台金やシャンクにコーティングされてたものである。このタイプの砥石は様々な形状の台金またはシャンクを選択できるという利点があるが、砥層が薄い単層であることが多く、他のタイプの砥石に比べると寿命が短いという点で改良の余地があった。
一方、レジンボンド砥石は、結合剤として熱硬化性樹脂等の有機高分子材料を使用しているものである。このタイプの砥石においては、結合剤が砥粒の緩衝材として作用し、他のタイプの砥石に比べて加工物に対するくいつきや切れ味が優れているという傾向がある。しかし、従来のレジンボンド砥石では砥粒と樹脂との固着力が不十分であることがあり、砥粒の脱落が非常に起き易く、その結果研磨性能が悪化することがあり、改良の余地があった。
このようなレジンボンド砥石の特性を改良するために種々の検討がなされている。例えば、特許文献1及び2には、ダイヤモンド砥粒、熱硬化性樹脂、及び金属微粉末からなるレジンボンド砥石が開示されている。これらの発明は、熱硬化性樹脂中に砥粒保持体として金属微粉末を均一に分散固着させることでダイヤモンド砥粒の脱落を防止し、且つ耐摩耗性や研磨特性も向上させようとするものである。しかし、これらの発明だけでは砥粒の保持力が十分に改良されておらず、さらなる改良が望まれていた。
特開平3−60978号公報 特開昭62−246474号公報
そこで本発明の目的は、従来の問題点を改善し、砥粒の、研削力の高いレジンボンド砥石と、それを用いた研削方法を提供することにある。
本発明による第1の実施態様によるレジンボンド砥石は、熱硬化性樹脂、砥粒、および金属粉を含んでなる樹脂結合層を具備してなり、
前記金属粉が、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含み、
且つ、前記金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10以上である
ことを特徴とするものである。
本発明による第2の実施態様によるレジンボンド砥石は、熱硬化性樹脂と、砥粒と、金属粉とを含んでなる原料混合物を焼成することによって形成された樹脂結合層を具備してなり、
前記金属粉が、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含み、
且つ、前記金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10以上である
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、砥粒の脱落が少なく、研削力に優れたレジンボンド砥石が提供される。そして、このレジンボンド砥石を用いて材料表面を研削することによって、表面精度の高い研削表面を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
以下、本発明の一実施形態を説明する。尚、本発明に係るレジンボンド砥石は、樹脂結合層の組成に主たる特徴を有するものであり、砥石の形状や寸法等は如何なるものであってもよい。例えば、台金の外周または端面に砥粒層を形成又は固定した砥石であってもよいし、台金を使用せずに樹脂結合層そのものによって砥石を形成したものであってもよい。また、砥石の形状はホイール型、カップ型、総型、セグメント砥石、内周研削砥石など従来使用されている如何なる形式であってもよい。すなわち、樹脂結合層以外の構成は、従来知られている砥石の構成を任意に組み合わせることができる。
砥粒
本発明において使用することができる砥粒の種類は特に限定されず、従来知られている任意のものを用いることができる。このような砥粒としては、例えば、アルミナ系砥粒、炭化ケイ素系砥粒、ジルコニア系砥粒、酸化セリウム粒子、シリカ粒子、酸化クロム粒子、CBN砥粒、及びダイヤモンド砥粒が挙げられる。これらの砥粒は、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。これらのうち高い硬度を有するいわゆる超砥粒と呼ばれることがある、CBN砥粒およびダイヤモンド砥粒のいずれかを使用することが好ましい。最も好ましい砥粒は、ダイヤモンド砥粒である。ここで砥粒は無機質物質又は金属質物質で被覆されていてもよい。
本発明によるレジンボンド砥石中に含まれる砥粒の平均粒子径は砥石の研削対象などに応じて適切に選択され、特に限定されない。しかし、砥石の研削速度を高くするという観点から、1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、3.0μm以上であることが特に好ましく、4.0μm以上であることが最も好ましい。砥粒の平均粒子径がこのようなサイズであれば、レジンボンド砥石による被研削物の研削速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることができる。
また、レジンボンド砥石で被研削物を研削した後の被研削物の表面粗さを好適な範囲に維持するという観点から、レジンボンド砥石中に含まれる砥粒の平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。
尚、本発明において、砥粒の平均粒子径はレーザー回折・散乱法により測定されるものである。具体的には、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(商品名、日機装株式会社製)などの測定装置を用いて測定することができる。他にも、平均粒子径を測定する方法はBET法や光散乱法等があげられる。これらによって測定された平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定された平均粒子径と直接比較することは困難であるが、測定方法などを考慮しながらレーザー回折・散乱法以外の方法により測定された平均粒子径を利用することが可能な場合もある。
砥粒の含有量が多くなるにつれて、レジンボンド砥石による被研削物の研削速度は向上する傾向にある。このため、本発明によるレジンボンド砥石中の砥粒の含有量は樹脂結合層の全体積を基準として0.5体積%以上であることが好ましく、1.0体積%以上であることがより好ましい。
また、経済的な観点から、比較的高価な砥粒の含有量は少ないことが好ましい。また、過剰な量の砥粒を用いても、含有量にみあった特性が得られないこともある。このためにレジンボンド砥石中の砥粒の含有量は樹脂結合層の全体積を基準として30体積%以下であることが好ましく、10体積%以下であることがより好ましく、5.0体積%以下であることがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂
本発明において使用することができる熱硬化性樹脂は特に種類を限定されるものではなく、従来レジンボンド砥石に用いられていた一般的な熱硬化性樹脂から選択することが可能である。具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群から選択される樹脂を単独もしくは組合わせて使用することができる。熱硬化性樹脂は、製造時に後述する金属粉を大量に含有させることが容易であるという点から、原材料が粉末で供給される樹脂が好ましい。また、製造時には加熱溶解して各成分を配合するために耐熱性のある樹脂が好ましい。このような観点から、ポリイミド樹脂が最も好ましい。
一般に、樹脂結合層中の樹脂含有量が多くなるにつれて、レジンボンド砥石による被研削物の表面粗さは向上する傾向にある。このような観点から、樹脂含有量は樹脂結合層の全体積を基準として5.0体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましく、15体積%以上であることが最も好ましい。
一方、一般に樹脂結合層中の樹脂含有量が少なくなるにつれて、レジンボンド砥石の研削比は向上する。ここで研削比とは、研削を行ったときの砥石の磨耗量に対する被研削物の磨耗量の割合である。このような観点から、樹脂含有量は樹脂結合層の全体積を基準として90体積%以下であることが好ましく、40体積%以下であることがより好ましく、30体積%以下であることが最も好ましい。
金属粉
本発明によるレジンボンド砥石において、樹脂結合層中に含まれる金属粉は、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含み、且つ、金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10以上であることを含むものである。以下、このような粒子を非球状金属粉とよぶことがある。
非球状金属粉の材質は、砥石の用途などを考慮して適切に選択され、特に限定されないが、例えば、銅、鉄、ブロンズ、錫およびアルミニウムなどの単体金属もしくはそれらの合金が挙げられる。また、非球状金属粉の製造方法も限定されないが、具体例としてはアトマイズ法、粉砕法、化学還元法、熱処理法、プラズマ回転電極法、均一液滴噴霧法又は電解法が挙げられる。これらのうち、電解法または粉砕法で作成した非球状金属粉が好ましく、電解銅粉がより好ましい。
本発明におけるレジンボンド砥石において、樹脂結合層に含まれる非球状金属粉は、特定の粒度分布を有することが必要である。すなわち、非球状金属粉が、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含むことが必須である。非球状金属粉に含まれる、平均粒子径が45μm以上の金属粒子の割合が、これよりも少ないと、レジンボンド砥石による被研削物の研削比は低下する傾向にある。このため、粒子径が45μm以上の金属粒子が金属粉の全重量を基準として、70%以上含まれることが好ましく、86%以上含まれることがより好ましい。
本発明に用いられる非球状金属粉に含まれる金属粒子の粒子径は、大きいほど被研削物に対する研削比が大きくなる傾向にある。このような観点から、非球状金属粉の平均粒子径は50μm以上であることが好ましく、70μm以上であることがより好ましく、90μm以上であることが最も好ましい。なお、本発明において金属粉の平均粒子径はレーザー回折・散乱法により求められるものである。例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(商品名、日機装株式会社製)などにより測定することができる。
本発明における非球状金属粉は、粒子が非球状の形状を有しているものである。このような非球状金属粉の具体的な形状は、例えば楕円状、鎖状、扁平状、鱗片状等のアスペクト比の大きい形状や、金属粒子表面が金平糖状、樹枝状等の表面に微小な凹凸を有するものである。本発明においては、用いることのできる非球状粒子は以下のように定量的に定義される。
まず、非球状金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積をXとする。一方、前記非球状金属粉の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積をYとする。これらの比X/Yは、粒子形状が真球から遠ざかるほど大きくなる。そして、本発明においてはこの比が大きくなるほど被研削物に対する研削比が大きくなるので好ましい。このような観点から、本発明における比X/Yは10以上であることが必須であり、15以上であることが好ましく、18以上であることがより好ましい。
一方、本発明において、比X/Yが大きすぎることで本発明の効果が小さくなることはないので、効果の観点からは比X/Yの上限は特に限定されない。ただし、一般的に用いられる非球状金属粉の比X/Yの上限は、30程度である。
尚、本発明において金属粒子の1粒子当たりの表面積Xとは、金属粒子の平均粒子径より算出した金属粒子の1粒子当たりの体積に、当該金属粒子を構成する金属の20℃での比重を乗じることで金属粒子の1粒子当たりの重量を算出し、その得られた値に比表面積の値を乗じて算出したものをいう。尚、ここでいう比表面積とは、ガス吸着法に基づき測定した金属粒子の単位重量当たりの表面積の値であり、具体的には流動式比表面積自動測定装置フローソーブII(商品名、株式会社島津製作所製)を使用して測定することができる。また、ここでいう非球状金属粉の平均粒子径より算出した真球としての1粒子当たりの表面積Yとは、非球状金属粉の平均粒子径をもつ真球1粒子当たりの表面積を算出したものをいう。
本発明において、樹脂結合層中の非球状金属粉の含有量は多いほど被研削物に対する研削比が大きくなる傾向にある。このため非球状金属粉の含有量は、樹脂結合層の全体積を基準として60体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、80体積%以上であることが最も好ましい。
一方、樹脂結合相中の非球状金属粉の含有量が過度に多いと、研削比改善効果が飽和してしまい、さらには効果が低下してしまうことがある。このために、樹脂結合層中の非球状金属粉の含有量は樹脂結合層の全体積を基準として95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましく、85体積%以下であることがより好ましい。
本発明によるレジンボンド砥石は、上記したような金属粉を樹脂結合層中に含むものであるが、この金属粉は2種類以上の金属粉を組み合わせたものであってもよい。ここで、組み合わせる金属粉は、すべてが上記の条件を満たすものであっても、また一部またはすべてが上記の条件を満たさないものであってもよい。ただし、いずれの組み合わせにおいても、組み合わせたあとの粒度分布や比X/Yは上記の条件を満たす必要がある。
ここで、金属粉の一成分として、特定の条件を満たすものを用いると、レジンボンド砥石による研削速度が改良される。以下、本発明においてこのような金属粉を追加金属粉という。追加金属粉は、それに含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積X’と、追加金属粉に含まれる金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Y’の比X’/Y’が10未満、好ましくは7未満であるものである。すなわち、追加金属粉は、前記した非球状金属粉に対して、形状が真球に近い金属粉であるといえる。
追加金属粉に用いられる金属の種類は特に限定されないが、具体例としては、銅、鉄、ブロンズ、錫およびアルミニウムなどの単体金属もしくはそれらの合金からなる群から選ばれるものが挙げられるが、これらのうち研削力促進の観点から、鉄からなる金属粉が好ましい。
追加金属粉に含まれる金属粒子の粒子径は、主たる金属粉に混合されたあと、全金属粉が必須条件を満たすのであれば特に限定されない。しかし、追加金属の粒子径が大きいほうが研削速度が向上する傾向にある。このため、追加金属粉に含まれる金属粒子の平均粒子径は、0.5μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることがより好ましい。
一方、追加金属粉の平均粒子径は、小さいほうが研削後の被研削物の表面粗さが改善される傾向にある。このような観点から、追加金属粉の平均粒子径は、100μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがより好ましい。ここで、追加金属粉に含まれる金属粒子の粒子径は、前記した金属粉と同様の方法により測定することができる。
追加金属粉を用いる場合、金属粉に含まれる追加金属粉の配合比を多くすると研削速度が改善される。しかし、追加金属粉の配合比を過度に多くすると研削比が劣化することがある。このため、追加金属粉の配合比は、金属粉の全体積を基準として30体積%未満であることが好ましく、20体積%未満であることがより好ましく、10体積%未満であることがより好ましく、5体積%未満であることが最も好ましい。
砥石の製造方法
本発明によるレジンボンド砥石は、上記した成分を用いて、従来知られている任意の方法により製造することができる。一般的な製造方法を説明すると以下の通りである。
まず、熱硬化性樹脂、砥粒、および金属粉からなる原料混合物を準備する。各原料は混合前または混合後に必要に応じて破砕または混練して均一なものとされる。ここで必要に応じて、原料混合物に公知の添加剤を適宜選択して、配合することもできる。例えば、砥粒並びに金属粉の分散性を向上させるために増粘剤を添加することもできるし、熱硬化性樹脂を数種類組合わせることもできる。
次に原料混合物を金型などに充填し、成形する。このとき必要に応じて、加圧したり、振動をあたえるなどして、混合物を緻密に充填することができる。また、台金などの表面に原料混合物を直接成形することもできる。
引き続き、成形された原料混合物を加熱して硬化させる。加熱は大気圧条件下で行うほか、不活性雰囲気下や減圧条件下に行うこともできる。また、加圧しながら過熱することもできる。
このような方法により、本発明によるレジンボンド砥石を得ることができる。このような本発明によるレジンボンド砥石は、セラミックス、金属、合成樹脂、および光学ガラスなどのガラスなどを被研削体として研削するのに用いるのに好適なものである。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜13及び比較例1〜5
砥粒、熱硬化性樹脂、および金属粉を表1に示すとおりに組み合わせて、下記の方法に従ってレジンボンド砥石を具備した試料を作成した。
なお、砥粒には、平均粒子径6.8μmのダイヤモンド砥粒を用い、樹脂結合層の全体積に対する割合が2.7体積%になるように調整した。また、熱硬化性樹枝としてはポリイミド樹脂およびフェノール樹脂を用いたが、具体的にはポリイミド樹脂としてイミダロイ KIR−30(商品名、京セラケミカル株式会社製)、フェノール樹脂としてベルパール S−899(商品名、エア・ウォーター株式会社製)を用いた。また、追加金属粉を用いる場合には、平均粒子径10μm、X‘/Y’の比が10未満のアトマイズ鉄粒子を用いた。
試料製造方法
1.各原料をVミルにて混合する
2.原料混合物を成型金型に充填する
3.約3t/cmの圧力で加圧成型する
4.成形された原料混合物を200℃の環境下に10時間放置して硬化して砥石を得る
5.硬化により得られたペレット状の砥石を直径55mmの貼り皿(台金)に面積占有率50%の割合で均一に貼り付け、評価用の試料とした。
作製した試料を用いて下記に示す条件で研削試験、および各評価を実施した。
研削条件
装置: 球芯研磨機(HPD-700(商品名、株式会社春近精密製))
研削条件: 回転数2000rpm、加重5000g(約700g/cm)、加工時間1分
被研磨物: 光学ガラスLAC14(商品名、HOYA株式会社製) 直径30mmφ
研削速度
研削前後の被研磨物の重量差を被研磨物の厚さに換算し、それを研削時間で除することで求めた。
研削比
研削前後の被研磨物の重量差を被研磨物の厚さに換算した値を、研削前後のレジンボンド砥石の重量差をレジンボンド砥石の厚さに換算した値で除することで求めた。
仕上げ面粗さ
表面粗さ・輪郭形状測定機サーフコム1400(商品名、株式会社東京精密製)により以下の条件で表面粗さRaをμmの単位で測定した。
測定長: 5mm
測定速度: 0.3mm/秒
測定倍率: 1000倍
測定分解能: 10nm
カットオフ波長: 0.8mm
得られた結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2011206866
表1中
“熱硬化性樹脂”の欄の”種類”欄には、樹脂結合層中の熱硬化性樹脂の種類を示した。
“熱硬化性樹脂”の欄の”含有量”欄には、樹脂結合層中の熱硬化性樹脂の含有量を体積%で示した。
“主たる金属粉”の欄の”含有量”欄には、樹脂結合層中の主たる金属粉の含有量を示した。
“主たる金属粉”の欄の”平均粒子径”欄には、主たる金属粉の平均粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(商品名、日機装株式会社製)を使用してレーザー開回折・散乱法に基づき測定した値を示した。
“主たる金属粉”の欄の”45μm以上の粒子の重量比”欄には、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(商品名、日機装株式会社製)を使用してレーザー開回折・散乱法に基づき測定した、主たる金属粉の全重量に対する45μm以上の金属粉の割合を示した。
“主たる金属粉”の欄の”X”欄には、金属粒子の平均粒子径より算出した金属粒子の1粒子当たりの体積に、当該金属粒子を構成する金属の20℃での比重を乗じることで金属粒子の1粒子当たりの重量を算出し、その得られた値に比表面積の値を乗じて算出した主たる金属粉の1粒子当たりの平均表面積Xを、”Y”欄には、平均粒子径より算出した真球としての1粒子当たりの表面積を示した。尚、ここでいう比表面積は、流動式比表面積自動測定装置フローソーブII(商品名、株式会社島津製作所製)を使用してガス吸着法に基づき測定した金属粒子の単位重量当たりの表面積の値を用いた。
“追加金属粉”の欄の”含有量”欄には、樹脂結合層中の追加金属粉の含有量を示す。
“追加金属粉”の欄の”配合比”欄には、全金属粉の総体積を基準とした場合の追加金属粉の配合比を示した。
含有量*1は、樹脂結合層の全体積を基準とした体積の割合を%単位で示した。
配合比*2は、全金属粉の体積に対する、追加金属粉の体積の割合を%単位で示した。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂、砥粒、および金属粉を含んでなる樹脂結合層を具備してなるレジンボンド砥石であって、
    前記金属粉が、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含み、
    且つ、前記金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10以上である
    ことを特徴とするレジンボンド砥石。
  2. 前記金属粉を、樹脂結合層の全体積を基準として60〜95体積%含有する、請求項1に記載のレジンボンド砥石。
  3. 前記追加金属粉が電解銅粉である、請求項1または2に記載のレジンボンド砥石。
  4. 熱硬化性樹脂と、砥粒と、金属粉とを含んでなる原料混合物を焼成することによって形成された樹脂結合層を具備してなるレジンボンド砥石であって、
    前記金属粉が、粒子径が45μm以上の金属粒子を金属粉の全重量を基準として50%を超えて含み、
    且つ、前記金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10以上である
    ことを特徴とするレジンボンド砥石。
  5. 前記原料混合物が追加金属粉を含んでなり、
    前記追加金属粉に含まれる金属粒子の1粒子当たりの平均表面積X’と、前記追加金属粉に含まれる金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Y’の比X’/Y’が10未満である、請求項4に記載のレジンボンド砥石。
  6. 前記金属粉の総体積を基準として、前記追加金属粉の比率が30体積%未満である、請求項5に記載のレジンボンド砥石。
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