JP2011206678A - 混合装置、グラデーション混合物及び混合物製造方法 - Google Patents

混合装置、グラデーション混合物及び混合物製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混合物において全体的にも局所的にも混合精度を向上させること。
【解決手段】 第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合装置であって、第1分割流路と第2分割流路と少なくとも2つの混合流路と集約流路を備える。第1分割流路は、第1被混合物を投入する第1投入口と、第1投入口から投入された第1被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第1排出口とを備える。第2分割流路は、第2被混合物を投入する第2投入口と、第2投入口から投入された第2被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第2排出口と、を備える。混合流路は、第1排出口の1つ及び第2排出口の1つに連結され、第1排出口から排出された第1被混合物と第2排出口から排出された第2被混合物とを混合させて部分混合物を生成する。集約流路は、少なくとも2つの混合流路から排出された部分混合物同士を集約して混合物を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粉粒体や液体等を混合する技術に関する。
現在、粉粒体や液体等の流体を混合する技術として様々なものが知られている。例えば、粉粒体を混合する場合に一般的に用いられる混合機としては、V型ベッセルやボールミルと呼ばれるものがある。或いは、液体を混合する場合には、容器内に貯留した液体内でプロペラを回転させるミキサーが知られている。
しかしながら、この種の混合機は、大量の流体を大まかに混ぜるのには適しているものの、局所的な混合比率の偏りを回避することができない。
一方、例えば、特許文献1には、生産ロット、取り扱いロットごとの特性のばらつきを無くすため、一旦、各ロットを数等分したのち、それらの一つずつを寄せ集めて少量ずつ混合していく多ロット部分混合方式について記載がある。そして、特許文献1の図1には、各ロットを数等分するための分割縮分器1、2、2'について開示がある。
このように、流路を繰り返し2分割する流路分割機構については、特許文献2にも開示がある。特許文献2では、複数種類の流体を小さな流れに分けてから混合させる構成となっている。
特開昭59-160521号公報(2頁右上欄2〜4行目、図1) 米国公開公報 US2003/0039169A1
しかしながら、上述した第1特許文献では、粉体の混合自体は従来型の混合機で行なっており、排出された1ロットの粉体が、混合機内で均一に混ざっていることは何ら保証されていない。そもそも、特許文献1の表1乃至表7でその効果について説明しているように、特許文献1は、異なるタイミングで各ロットを投入して積層させたのちに混合機に投入することによって、設備の小規模化、ロット間のバラツキの低下を図るものであるため、1ロット内で粉体を均一に混合しようとするものではない。
また、特許文献2でも、混合自体は、1箇所の大きな混合室(cylindrical mixing chamber 5)で行なっているため、やはり従来と同様に局所的な混合精度を担保できるものではなかった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、全体的にも局所的にも混合精度を向上させる技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合装置であって、
前記第1被混合物を投入する第1投入口と、該第1投入口から投入された前記第1被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第1排出口と、を備えた第1分割流路と、
前記第2被混合物を投入する第2投入口と、該第2投入口から投入された前記第2被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第2排出口と、を備えた第2分割流路と、
前記第1排出口の1つ及び前記第2排出口の1つに連結され、前記第1排出口から排出された前記第1被混合物と前記第2排出口から排出された前記第2被混合物とを混合させて部分混合物を生成する少なくとも2つの混合流路と、
前記少なくとも2つの混合流路から排出された前記部分混合物同士を集約して混合物を生成する集約流路と、
を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るグラデーション混合物は、上述の混合装置に対して投入される前記第1被混合物と前記第2被混合物の割合を徐々に変化させることにより生成されたことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合物製造方法であって、
投入した前記第1被混合物を第1分割流路によって分割して排出する第1分割工程と、
投入した前記第2被混合物を第2分割流路によって分割して排出する第2分割工程と、
前記第1分割流路で分割された前記第1被混合物と前記第2分割流路で分割された前記第2被混合物とを少なくとも2つの混合流路内で混合させつつ流動させて部分混合物を生成する混合工程と、
前記少なくとも2つの混合流路から排出された前記部分混合物同士を集約流路内で集約させつつ流動させて混合物を生成する集約工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、混合物において全体的にも局所的にも混合精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態としての混合装置の全体構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる分割ブロックの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる分割ブロックの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる分割ブロックの他の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる分割流路全体の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる混合集約ブロックの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態としての混合装置に含まれる集約ブロックの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態としての混合装置の全体構成を示す図である。 本発明の第3実施形態としての混合装置の全体構成を示す図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置に含まれる混合流路の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置に含まれる混合流路の他の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置に含まれる混合流路の様々な構成を示す図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置に含まれる集約流路の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態としての混合装置の全体構成を示す断面図である。 本発明の第5実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第6実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第7実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第8実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第9実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の第9実施形態としての混合装置に含まれる凝集流路の例を示す概略図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置の変形例を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置の変形例を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置の変形例を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置の変形例を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置を用いたグラデーション混合物の製造方法を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置を用いたグラデーション混合物の製造方法を説明する図である。 本発明の第1乃至第9実施形態としての混合装置を用いたグラデーション混合物の製造方法を説明する図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(概要)
以下に説明する本発明の実施形態は、第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合装置に係るものである。この混合装置は、少なくとも、第1、第2分割流路、少なくとも2つの混合流路、及び集約流路を有する。これらのうち、第1分割流路は、第1被混合物を投入する第1投入口と、第1投入口から投入された第1被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第1排出口と、を備える。また、第2分割流路は、第2被混合物を投入する第2投入口と、第2投入口から投入された第2被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第2排出口と、を備える。更に、混合流路は、第1排出口の1つ及び第2排出口の1つに連結され、第1排出口から排出された第1被混合物と第2排出口から排出された第2被混合物とを混合させ混合物を生成する。一方、集約流路は、少なくとも2つの混合流路から排出された混合物同士を集める。つまり、本実施形態に係る混合装置は、分割流路、混合流路、集約流路の3段階の流路で構成され、流路分割によって被混合物を少量化し、少量化された2種の被混合物同士を混合流路内で混合し、更に複数の混合流路を合流させて混合物を生成する。
このように、分割流路を用いて被混合物を少量化し、少量化された被混合物同士を混合して混合物を生成し、生成した混合物を集約することにより、局所的な少量の混合物における混合比を担保しつつ、大量の混合物を得ることができる。つまり、全体的に見ても第1被混合物と第2被混合物とのモザイク模様になっており、かつ、どの一部を拡大してみても、第1被混合物と第2被混合物とのモザイク模様になっているような混合精度の高い混合物を得ることができる。
(第1実施形態)
[全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態としての混合装置1の概略構成を示す図である。この混合装置1は、立体的に被混合物を混合させるためのブロック柱であり、分割ブロック101、分割ブロック102、混合集約ブロック201、集約ブロック202を含む。
それぞれのブロック内における、被混合物の概略的な流れについては、図1の立体混合ブロック柱1の右側に示されている。つまり、分割ブロック101内に投入された被混合物A又は被混合物Bは、分割流路によって、2分割が2回繰り返され、4分割される。一方、分割ブロック102内でも、被混合物A及び被混合物Bは、分割流路によって、2分割が2回繰り返され、4分割される。すなわち、分割ブロック101と分割ブロック102とからなる分割流路によって、被混合物A及び被混合物Bは、それぞれ16分割される。したがって、分割ブロック102の排出口は合計32個設けられている。
分割ブロック101、102によって分割された被混合物は、次に、混合集約ブロック201に投入される。混合集約ブロック201では、まず、分割ブロック102の1の排出口から排出された被混合物Aと分割ブロック102の他の排出口から排出された被混合物Bとを混合し、混合物を生成する。これらの被混合物は少量化されているため、被混合物Aと第2被混合物Bとを流れの中で少量ずつ混合することができ局所的な混合比を担保できる。また、混合集約ブロック201では、流路の合流を行なうことにより、少量の混合物同士を流れの中で集約し、1つの流路内の混合物の流量を増やしていく。具体的には、図1の混合集約ブロック201では、32個の投入口から投入された被混合物A、Bを16の混合流路内で混合し、その16の混合流路を4つの流路に集約して、4つの排出口から、混合物A+Bを排出する。混合集約ブロック201から排出された混合物は、次に集約ブロック202に投入されて、4つの流路が1つの流路に集約される。最終的には、1つの排出口から混合物A+Bが排出される。
[分割ブロック101]
分割ブロック101の詳細構成について、図2を用いて説明する。図2に示すように、分割ブロック101は、被混合物Aを分割するためのブロック101aと、被混合物Bを分割するためのブロック101bと、ブロック101aとブロック101bに狭持される境界板101cとの3つの部分を含む。ブロック101aには、投入口101aaと、分割流路101abと、排出口101acとを含む溝が形成されている。同様に、ブロック101bには、投入口101baと、分割流路101bbと、排出口101bcとを含む溝が形成されている。溝は逆Y字形状であり、1つの上流流路が2つの下流流路に接続される。これにより、流れてきた被混合物は、分岐にぶつかって、繰り返し2分割される。
分割流路101bbは、2段階の2分割によって被混合物を4分割する形状となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3段階以上の2分割で、2のn乗分割してもよい。例えば、5段階の分岐構造にすれば、32分割を可能とする。また、ここで、境界板101cは、一定の厚さを有する板であるが、図2において、上側の板厚が厚く、下側が薄くなるような逆向きの台形形状であっても良い。その場合、投入口101aaと、投入口101baとを、境界板101cの厚みに対応する距離だけ離間させることができる。また、その場合、分割流路101abと分割流路bbは、垂直方向に対して傾きを有することになる。
ブロック101aとブロック101bは、全く同じ形状であることが生産効率の面で望ましい。なお、これらの3つの部分は、必要に応じて流路の洗浄を行なうことができるように、例えばねじ止めなどの分解可能な方法で互いに固定される。
[分割ブロック102]
分割ブロック102の詳細構成について、図3を用いて説明する。図3に示すように、分割ブロック102は、被混合物Aを分割するためのブロック102b、102d、102f、102hと、被混合物Bを分割するためのブロック102a、102c、102e、102gと蓋102iとを含む。
図3の構成では、ブロック102a〜102hはそれぞれ同じ形状であり、投入口102aa〜102haと、分割流路102ab〜102hbと、排出口102ac〜102hcとを含む溝が形成されている。投入口102ba、102da、102fa、102haは、それぞれ、図2で示した4つの排出口101acの何れか1つに接続され、投入口102aa、102ca、102da、102gaは、それぞれ、図2で示した4つの排出口101bcの何れか1つに接続されている。
なお、図1に示したように、分割ブロック101の排出口は、それぞれ境界板101cを挟んで両側にずれている。したがって、図3のブロック102a〜102hの投入口102aa〜102haは、それぞれ幅が大きめに形成されており、分割ブロック101の排出口の位置ずれを吸収するように構成されている。一方、分割ブロック102の投入口102aa〜102haを図4に示すように、分割ブロック101の排出口の位置に合わせて前後にずらしても良い。
[分割流路全体]
分割流路全体の構成を、図5に示す。図5のように、2つの投入口のそれぞれから投入された被混合物A、Bは、2つの分割ブロック101、102を経てそれぞれ16分割され、分割ブロック102の底面に設けられた32個の排出口から排出される。被混合物Aを排出するための4個1列の排出口と、被混合物Bを排出するための4個1列の排出口とが交互に、4列ずつ計8列設けられている。ここでは、流路長は、どの流路についても同一であり、かつ、流路抵抗は均一である。
なお、分割流路の各ブロックでは、それぞれ2分割×2回で4分割される構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各分割ブロックで、5段階分割、つまり、2の5乗=32分割する構成とすれば、分割流路において、32×32=1024分割を実現できる。分割流路では流動性が高いほうがよく、塊にならないように高温乾燥環境を実現することが望ましい。ただし、被混合物A、Bに対する分割数は同数であり、続く混合流路の投入口の数も、その分割数と同数である。
分割ブロック101内の分割流路及び分割ブロック102内の分割流路は、互いに所定の角度(ここでは直角)をなしている。このように、分割流路全体を、互いに所定の角度を為す少なくとも2つの平面状分割流路の組合せで構成することにより、流れの方向に垂直をなす面方向において小さなスペースで被混合物の少量分割を実現することができる。
[混合・集約ブロック201]
混合・集約ブロック201の詳細構成を図6に示す。混合・集約ブロック201は、分割された少量ずつの被混合物Aと被混合物Bとを混合して、混合された混合物A+Bを徐々に集約する。図6のように、本実施形態での混合・集約ブロック201は、流路となる溝が形成された4つのブロック201a〜201dと、蓋201eとを含む。溝は、Y字形状であり、2つの上流流路が1つの下流流路に流れ込む構成となっている。
ブロック201a〜201dのそれぞれは、投入口201aa〜201daと、混合流路201ab〜201dbと、排出口201ac〜201dcを含む。各投入口201aa〜201daは、分割流路における被混合物Aの排出口の1つ及び被混合物Bの排出口の1つに連結されている。そして、混合流路では、分割ブロック102の排出口102bc、102dc、102fc、102hcの何れか1つから排出された被混合物Aと排出口102ac、102cc、102dc、102gcの何れか1つから排出された被混合物Bとを混合させて部分混合物を生成する。集約流路は、混合流路から排出された部分混合物同士を集約して混合物を生成する。1つのブロック201aを例にとると、投入口201aaから投入された被混合物Aと被混合物Bとは、混合流路201abで少量ずつ混合されて4つの流路にまとめられる。混合された混合物A+Bは下流の集約流路にて集約されて1つの排出口201acから排出される。他のブロック201b〜201dでも全く同じことが行なわれる。
[集約ブロック202]
集約ブロック202の詳細構成を図7に示す。図のように、集約ブロック202は、2つのブロック202a、202bを含む。ブロック202bにはその表面に集約流路としての溝が形成されている。溝は、Y字形状であり、2つの上流流路が1つの下流流路に流れ込む構成となっている。これにより、4つの投入口から投入された混合物A+Bが1つに集約されて排出口から排出される。
混合・集約ブロック201内の集約流路及び集約ブロック202内の集約流路は、互いに直角をなしている。そのため、水平方向のサイズが小さくても、集約数を増やすことができる。小さなスペースで被混合物の混合を行なうことができる。
[混合ブロック203]
集約ブロック202の下流側には、混合物A+Bを収容する収容容器が設けられても良いし、或いは、点線で示すような混合物処理部203が設けられていても良い。混合物処理部203が行なう処理は、如何なる処理でも良い。例えば、排出された混合物に対して加熱処理、冷却処理、圧縮処理などを施すことが考えられる。
[本実施形態の効果]
以上のように、本実施形態に係る混合装置は、分割流路を用いて被混合物を少量化し、少量化された被混合物同士を混合して混合物を生成し、生成した混合物を集約する。これにより、少量の混合物における局所的な混合比を担保しつつ、全体としても混合精度の高い混合物を得ることができる。また、本混合装置によれば、量の異なる被混合物同士、形の異なる被混合物同士、大きさの異なる被混合物同士、或いは重さの異なる被混合物同士を高い混合精度で混合することができる。特に、立体的に被混合物を混合させるブロック柱によって混合を実現したので、省スペース化を図ることができる。
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態としての混合装置2を示す図である。第1実施形態の混合装置1と比較すると、混合・集約流路が、混合ブロック301及び集約ブロック302に分離されている点で、図1と異なる。その他の構成及び動作については、上記実施形態と同様であるため、ここでは同じ構成については同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施形態では、混合流路301を集約流路302と切り離して、異なるブロックにすることにより、混合流路に対して特に有効な環境・条件と、集約流路に対して特に有効な環境・条件とを、それぞれ別々に制御できる。また、本実施形態では、集約ブロック302と集約ブロック202とに形成される流路としての溝の平面デザインを、共通化することができる。更に、集約流路とは切り離して混合流路のみを異なるデザインにすることができ、被混合物の性質や環境に合わせた混合装置を実現することができる。
(第3実施形態)
図9は本発明の第3実施形態としての混合装置3を示す図である。第2実施形態の混合装置2と比較すると、まず、被混合物が、A,B,Cの3種類存在する点で異なる。3種類の被混合物から1つの混合物を生成するため、分割ブロック401は、3つのブロックと境界板とを含む。分割ブロック401により、被混合物A,B,Cはそれぞれ4分割され、その後分割ブロック402において、それぞれ更に4分割される。これにより、被混合物A、B、Cは、投入量に対して16分割される。分割ブロック402は、蓋以外に、12枚の溝付き板を含む。それぞれの板は、4分割流路としての溝が形成されている。
混合ブロック501では、被混合物A,B,Cを少量ずつ混合する。混合ブロック501は蓋以外に16枚の溝付き板を含むが、それぞれの溝付き板は、分割ブロック402の排出口の位置の並びに沿った面を有する必要があるため、その形状はまちまちである。
混合流路での混合によって生成された混合物A+B+Cは、集約ブロック601、602によって最終的に1つの流れに集約され混合装置3から排出される。
本実施形態では、3種類の被混合物をそれぞれ分割して、その後、混合しているので、流路301を集約流路302と切り離して、異なるブロックにすることにより、混合流路に対して特に有効な環境・条件と、集約流路に対して特に有効な環境・条件とを、それぞれ別々に制御できる。また、本実施形態では、集約ブロック302と集約ブロック202とに形成される流路としての溝の平面デザインを、共通化することができる。更に、集約流路とは切り離して混合流路のみを異なるデザインにすることができ、被混合物の性質や環境に合わせた混合装置を実現することができる。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態としての混合装置4を示す図である。この混合装置4は、図1に示した第1実施形態を単純化したものであり、被混合物A用の分割流路としての分割ボード1001と、被混合物B用の分割流路としての分割ボード1002と、混合流路としての混合ボード1003と、集約流路としての集約ボード1004とを含む。
分割ボード1001、1002には、第1実施形態の分割ブロック101において説明したものと同様の分割流路が施されている。分割ボード1001、1002による分割数は同数であり、混合ボードの投入口の数も、その分割数と同数である。
分割ボード1001、1002は、それぞれ角度を変化させることが可能である。例えば比重の小さい被混合物に対しては、図中縦方向に分割ボード1001、1002を立てて、比重の大きい被混合物に対しては、図中横方向に分割ボード1001、1002を寝かせることが望ましい。これは、比重の小さい被混合物は、空気抵抗を受けて分割流路内で分散しやすいのに対して、比重の大きい被混合物は、分割流路内で遍在しやすいからである。分割ボード1001、1002を寝かせれば、被混合物が自重によって分割流路の壁面に接触したりぶつかったりする回数又は確率があがるため、比重の大きい被混合物が、分割流路内で偏って流れることを防止できる。一方、比重の小さな被混合物の場合、分割ボード1001、1002を寝かせると、流速が極端に小さくなる恐れがあるため、分割ボード1001、1002を立てることが好適である。つまり、分割ボード1001と分割ボード1002とは、左右対称配置でなくともよい。
分割流路1001、1002の各排出口に対して流量計(例えば本発明者が提案した特開2004−138574号公報に開示の衝撃式流量計など)を配して、それぞれの排出量が望ましい量になるようにリアルタイムで角度調整を行なう角度調整機構を設けてもよい。なお、図10では示されていないが、それぞれの分割ボード1001、1002には、蓋が設けられていても良い。
集約ボード1004に設けられた流路形状は、図14に示すように分割ボード1001、1002とほぼ同じ形状であって、向きを逆にしたものである。図10、図14では、分割ボード1001、1002が3段階に2分割して計8分割し、集約ボード1004は、8流路を3段階に集約している。分割流路及び集約流路は、1つの板に対して切削によって形成した溝と蓋によって構成されてもよいし、1つの板に対して複数の仕切板を取り付けることによって流路を形成する構成でも良い。更には、パイプのような流路管をつなぎ合わせて形成された流路でも良い。
混合ボード1003の詳細構成について、図11に示す。混合ボード1003は、分割流路における分割数に応じた仕切板1003a〜gを備えた管状部材である。被混合物A、Bが1つの開口部に飛び込む構成でも良いし、別体の仕切板1101を挿入することによって、混合ボード内で確実に被混合物A、Bが混ざる構成にしてもよい。仕切板1101は、隣り合う分割流路から排出された被混合物が混合流路に投入される前に混ざることを防止する機能も有する。図12に、図11とは異なる流路形状を有する混合ボード1201を示す。この混合ボード1201は、図11に示したものに比べて排出口が小さく形成されている。そのため、被混合物同士がぶつかり合う確率が高く、混合効果が高くなる。この混合ボード1201に対して、図11に示す仕切り板1101を組み合わせても良い。
被混合物同士の混合効果を促進させる様々な機構について、図13に示す。図13(a)は、混合流路内で、被混合物A、Bが、角度を付けてぶつかるように構成したものである。基本的に、混合を促進するには被混合物同士の流路同士(粉体であれば飛翔経路)が交差した方がよい。図13(b)、(c)は、混合物A、Bがぶつかる板や凸部を壁面から突出させて乱流を起こし、混合を促進させるものである。図13(d)は、混合流路全体を流路方向又は流路に垂直な方向に振動させて、流路内の被混合物が流路内で動き、結果として良く混ざるように構成したものである。
図13(e)は、混合流路内にエアーを送り込むことにより、乱流を起こし、混合を促進させるものである。ここで送り込む気体は、空気に限らず、被混合物の比重や性質に合わせて、窒素ガスやヘリウムガスなどを用いても良い。例えば、被混合物の比重が軽い場合には、やはり比重の軽いヘリウムガスを流入させて、流速を確保することが望ましい。或いは、空気と反応する粉体、例えば酸化しやすい金属などの場合にはアルゴンなどの不活性ガスを用いてもよい。
図13(f)〜(h)は、磁界又は電界を生成して、粉体などの被混合物に力を加えるものである。例えば、図13(f)では、混合流路を挟む位置に配置された2つの電磁石に対し、交互に通電することにより、磁性体をなす被混合物を図中左右方向に動かすことができ、混合を促進させることができる。また同様に、図13(g)のように混合流路を挟む位置に配置された2つの電極に対して、交互に通電することにより、微細な被混合物を図中左右方向に電気泳動させることができ、混合を促進させることができる。さらには、図13(h)に示すように、電極又は電磁石を流路に沿って複数配置し、位相を変えて順次通電させることにより、流路中の被混合物を加速又は減速させることもでき、それによって、混合を促進させることができる。
図15は、第4実施形態としての混合装置4の流路周りの構成を示す断面図である。図15に示すように、混合装置4は、分割ボード1001、1002、混合ボード1003、集約ボード1004を支持する複数のブロックが配置されていても良い。その場合、図に示すように、分割ボード1001、1002の傾きを変えるためのブロック1501、1502、分割ボード1001、1002の蓋として機能するブロック1503が考えられる。また、混合ボード1003、集約ボード1004を左右から支持するブロック1504、混合ボード1003、集約ボード1004の長さに合わせて調整するためのブロック1505、1506を設けても良い。
[本実施形態の効果]
以上のように、本実施形態に係る混合装置によれば、分割流路を用いて被混合物を少量化し、少量化された被混合物同士を混合して混合物を生成し、生成した混合物を集約する。これにより、少量の混合物における局所的な混合比を担保しつつ、全体としても混合精度の高い混合物を得ることができる。また、本混合装置によれば、量の異なる被混合物同士、形の異なる被混合物同士、大きさの異なる被混合物同士、或いは重さの異なる被混合物同士を高い混合精度で混合することができる。特に、本実施形態では各流路を平面的に構成したので、より単純な構成で混合精度の高い混合装置を提供することができる。
(第5実施形態)
図16を用いて、本発明の第5実施形態に係る混合装置5について説明する。本実施形態は、図10に示した混合装置4を複数組み合わせて、3つ以上(ここでは4つ)の被混合物を混合させるものである。各混合装置の構成は同じであるため、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、混合装置5は、混合装置41、42、43を組み合わせたものである。混合装置41で生成された被混合物A、Bの混合物A+Bと混合装置42で生成された被混合物C、Dの混合物C+Dとを、更に混合装置43に投入して、混合物A+B+C+Dを得る。
本実施形態によれば、4種類の被混合物を自由に精度良く混合させることができるという効果がある。
(第6実施形態)
図17を用いて、本発明の第6実施形態に係る混合装置6について説明する。本実施形態は、図10に示した混合装置4を複数組み合わせて、3つ以上(ここでは6つ)の被混合物を混合させるものである。各混合装置の構成は同じであるため、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図17に示すように、混合装置6は、混合装置44〜48を組み合わせたものである。混合装置44で生成された被混合物A、Bの混合物A+Bと混合装置45で生成された被混合物C、Dの混合物C+Dとを、更に混合装置46に投入して、混合物A+B+C+Dを得る。さらに、その混合物A+B+C+Dと、混合装置47で生成された被混合物E、Fの混合物E+Fとを混合装置48に投入して、混合物A+B+C+D+E+Fを得る。
本実施形態によれば、6種類の被混合物を精度良く混合させることができる。本実施形態を発展させれば、混合装置4を複数組み合わせることにより、2種類以上の如何なる数の被混合物であろうとも、精度良く混合することができる。
(第7実施形態)
図18を用いて、本発明の第7実施形態に係る混合装置7について説明する。本実施形態は、図10及び図15に示した混合装置4に対して、被混合物C、D用の分割流路1801、1802を追加して、被混合物A、B、C、Dを混合させるものである。混合装置の他の構成は同じであるため、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、混合装置7では、混合流路1003の1つの投入口に対して、4つの分割流路の排出口から同時に被混合物が流れ込む構成である。
本実施形態によれば、第5、第6実施形態に比べて、簡単かつ省スペースな構成で4種類の被混合物を精度良く混合させることができる。
(第8実施形態)
図19を用いて、本発明の第8実施形態に係る混合装置8について説明する。本実施形態に係る混合装置8は、図10及び図15に示した混合装置4の、分割流路、混合流路、集約流路のそれぞれに、分割促進装置1901、混合促進装置1902、集約促進装置1903を設けたものである。混合装置の他の構成は上述の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、分割促進装置1901としては、被混合物が粉体の場合、それらが塊にならないように、乾燥及び・又は除電する装置が考えられる。また、例えば混合促進装置1902としては、図13を用いて説明したように、振動を加える装置、気体を送り込む装置、磁界や電界を生成する装置などが考えられる。更に、集約促進装置1903としては、混合物同士を、偏析が起こることなく集めるように、水やエタノール等の液体の蒸気を噴霧する装置、接着剤を噴霧する装置、溶融によって混合物同士の集約を促進する直接加熱装置、誘導加熱装置、凝固によって混合物同士の集約を促進する冷却装置が考えられる。その他にも、集約促進装置1903としては、帯電によって混合物同士の集約を促進する帯電装置などが考えられる。
ここでは、分割促進装置1901、混合促進装置1902、集約促進装置1903を、第4実施形態としての混合装置4と組み合わせたが、第1乃至第3実施形態として記載した混合装置1〜3と組み合わせても良いし、他の実施形態と組み合わせても良い。
本実施形態によれば、分割、混合、集約の各処理をより高精度、効果的に行なうことができ、最終的な混合の精度を一層向上させることができる。
(第9実施形態)
図20を用いて、本発明の第9実施形態に係る混合装置9について説明する。本実施形態に係る混合装置9は、図10及び図15に示した混合装置4の混合流路としての混合ボード1003と集約流路としての集約ボード1004との間に、混合物の凝集を目的とする凝集流路としての凝集ボード2001を設けたものである。混合装置の他の構成は上述の実施形態と同様であるため、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
凝集ボード2001は、図11〜13で説明したような混合ボード1003の各排出口から排出された、混合されたばかりの混合物に対して凝集処理を加え混合物の塊を生成するものである。具体的な凝集ボード2001内の凝集流路の様々な構成例を図21に示す。
図21(a)の凝集流路では、混合物同士を、偏析が起こらないように凝集すべく、水やエタノール等の液体或いは接着剤を噴霧する。図21(b)の凝集流路では、静電気力やファンデルワールス力による凝集を助けるため、減圧して粒間の気体を減らす。これは特に被混合物が粒の小さな粉体であって、比重も小さい場合に有効である。図21(c)は帯電によって混合物同士を凝集させる電極及び帯電装置を用いる。図21(d)、(e)は、溶融によって混合物同士の集約を促進すべく、加熱装置を用いて直接加熱又は誘導加熱を行なう。図21(f)の凝集流路では、凝固によって混合物同士の集約を促進すべく、冷却装置を用いる。
本実施形態によれば、混合後、集約の前に、凝集流路において集中的に凝集を行なうことにより、集約中の偏析を防止し、最終的な混合の精度を一層向上させることができる。なお、ここでの凝集処理として、いわゆる固結処理を利用しても良い。
(その他の実施形態)
上述の第1乃至第9実施形態に示した混合装置に対して、以下のような変形例を考えることができる。
[被混合物]
上記第1乃至第9実施形態では、混合対象となる物体を単に「被混合物」と称したが、実際には、被混合物には粉体、液体及び気体が含まれる。このうち、粉体としては、工業品、食品、医化学品が含まれる。工業品としての粉体には、カーボン、砂、セメント、硝子ビーズ、セラミックス、研磨剤、合成樹脂等の粉が含まれる。また、食品としての粉体には、小麦粉、コーヒー、乳製品、ビール酵母、香辛料、塩、砂糖、デンプン、その他調味料が含まれる。更に、医化学品としての粉体には、顆粒、化粧品、粉薬、飼料、洗剤、粉体塗料、DNA、タンパク質などが含まれる。また液体や気体としても同様に、工業品、食品、医化学品が考えられる。例えば、上記の粉体が溶融した液体が含まれる。
[流路]
上記第1乃至第9実施形態では、分割流路、混合流路、集約流路の生成方法や形状について詳しくは言及していないが、流路は、NCエンドミルで切削することによって成形した溝であっても、射出成形で製造した溝であってもよい。或いは板状部材に流路壁を接着することによって流路を形成しても良いし、パイプをつなげることで流路を形成してもよい。また、流路断面の形状としては、図22(a)に示すような角を有する溝の他に、図22(b)のような角にアールを有する溝であってもよいし、更に、図22(c)のように底面が円弧状の溝であっても良い。図22(b)、(c)のようにアールを有する溝であれば、流路の洗浄を容易に行なうことができるという効果がある。
分割流路、混合流路、集約流路において、投入口からの距離によらず、流路の総断面積を一定にすることは好適である。これにより、単位面積当たりに流れる被混合物の密度(流体圧力)を入口から出口まで一定にすることができ、流路中の位置に拘わらず、被混合物の挙動を一定にすることができる。
一方、被混合物が粉粒体であって、その粒子が直進運動を行なうと想定できる場合には、壁に当たる粒子の個数は断面積に反比例するため、壁に当たる粒子の数を一定にするため、断面の径に比例した流路長とすることが望ましい。つまり、混合流路では断面積が大きければ大きいほど、混合に長い流路とすることが好適である。粒子同士のぶつかり合いが多い方が良いため、2つ分割流路が混合流路の入口で交差する角度はある程度大きいほうがよい。特に被混合物の比重が大きい場合には、この交差角は大きい方が良い。逆に集約流路では粒子同士のぶつかり合いは少ない方が良く、そのため、集約の過程で流路同士が交わる角度は小さい方が良い。
一方、分割流路及び集約流路において、分岐した各ルートでの流路長はそれぞれ同じである方がよい。つまり、どの流路を経過するルートでも被混合物が流路内の壁面に接する長さが同じである方がよい。そうすれば、例え被混合物が粘性流体であっても、最初に投入して途中で分かれた被混合物は、理論上、同じタイミングで出口に達することになり、混合精度を制御しやすくなる。
第1乃至第9実施形態の何れかに記載の分割流路について、図23のように、分割流路のそれぞれの分岐箇所に回動可能な分割量調整部2301〜2307を設けてもよい。分割量調整部2301〜2307は、角部を有する板状部材が軸を中心に図中左右に回動することによって、分岐箇所での分割割合を調整する。基本的には、分割後の被混合物が等しい流量になるように調整を行なうが、意図的に分割割合を変えても良い。分割流路の各排出口に流量センサを設置して被混合物の流量を測定することにより、それぞれの分割量調整部の回動方向及び角度を決定することができる。
例えば、図23のように各排出口からの排出量をD1〜D8とすると、まず、D1=D2、D3=D4、D5=D6、D7=D8となるように分割量調整部2304〜2307のそれぞれの角度を決定する。次に、D1+D2=D3+D4、D5+D6=D7+D8となるように、分割量調整部2302、2303の角度を決定する。更に、D1+D2+D3+D4=D5+D6+D7+D8となるように、分割量調整部2301の角度を決定する。このように下流側の分割量調整部から徐々に上流側の分割量調整部へと調整を繰り返すことにより、設置時、或いはリアルタイムに、全ての排出口からの排出量が等しくなるように制御することができる。
図13(d)でも、混合流路について説明したが、混合流路以外においても垂直往復振動又は水平往復振動又は水平円振動を加えることにより、壁面に付着した粉体を落とすことができるという効果がある。真空環境化において、凝集した粉体をバラバラにしてうまく分散させるためにも振動は有効である。更には、流体の壁面部材を弾性体で作って振動させればより効果的に壁面に付着した粉体等を落とすことができる。なお、流路内壁への粉体付着を防止するためには、流路表面を摩擦係数の小さい部材でコーティングすることも重要である。そのようなコーティングにより、流路内壁の耐摩耗性を向上させることもできる。例えば、分岐箇所のくさび状部分の上側のみ、摩擦係数を減らすコーティングすることも好適である。その部分が最も被混合物による衝突を受ける部分だからである。
[雰囲気]
上記第1乃至第9実施形態では、混合装置の雰囲気については詳しくは言及していないが、上述の混合装置は真空ポンプにより排気した減圧又は真空環境下で混合処理を行なうこともできる。又は、ボンベから所望のガスを導入してガス雰囲気下に混合装置全体を配置し、混合処理を行なわせてもよい。ここでガスとしては窒素、アルゴン、水蒸気など、対象に応じて選択すればよい。
被混合物の比重が非常に小さい場合、空気抵抗を過大に受けてしまって自重での流動速度が非常に小さい場合がある。この場合、装置全体を真空又は減圧環境下にして空気抵抗を抑えることが望ましい。真空又は減圧下では粒子が凝集してしまうという現象も起こりえるが、本発明によれば、分割流路の分岐箇所に、凝集した粒子群を衝突させて強制的に分割させることにより、減圧環境でも被混合物の少量化を図ることができる。
また、粘性流体同士を混合する場合、圧力を加えて押し込むことによって混合装置内を流動させることも可能である。その場合、第1乃至第9実施形態に記載した混合装置を上下逆に配して圧力をかけて下から上に吹き出させつつ混合を行なうことができる。また、混合装置を横向きに配して、横方向に流動させつつ混合させることもできる。
[回転機構の追加]
上述したように、被混合物の比重が非常に小さい場合、空気抵抗を過大に受けてしまい自重での流動速度が非常に小さくなる(ほとんど流動しない)場合がある。この場合、図24、図25のように、第1乃至第9実施形態の何れか1つに記載の混合装置を、投入口側を中心として回転させることにより、遠心力による流速の増加を実現することもできる。この時、このような混合装置と回転装置とを組み合わせた混合システム全体を真空又は減圧環境下にすれば更に被混合物の流動効果を高めることができる。
[リニアモータ機構の追加]
図13(h)に示したような、流路中の混合物を加速又は減速させるリニアモータ機構は、混合流路のみならず分割流路や集約流路に対しても有効である。流路の片側又は両側に、電極又は電磁石を所定間隔に複数並べ、それぞれの電極又は電磁石を、位相をずらして駆動させることにより移動電界又は移動磁界を生成して、電気泳動又は磁力によって被混合物を加速又は減速させる。
例えば120度ずつ位相がずれた三相交流を利用することでもこの機能を実現することができる。そのような構成により、流体抵抗を受けやすく、流れにくい被混合物又は混合物を所望の速度で流すことが可能となり、被混合物同士の高精度な混合を短時間に実現することが可能になる。このようなリニアモータの構成は、分割流路、混合流路、集約流路のそれぞれに追加してもよく、例えば、分割流路で加速し、混合流路で減速し、更に、集約流路で加速すれば、混合精度を保ちつつ、全体的な混合処理を高速化することが可能となる。
[特殊な混合物の製造方法]
図26に示すように、図10に示した混合装置4(分割ボード1001、1002を垂直にしたもの)を複数並べて、それぞれに投入する被混合物の割合を変えれば(ここでは混合物A:混合物B=1:9〜9:1)、グラデーションのある混合物を生成することができる。また、図27に示すように、第1乃至第9実施形態の何れかに記載の混合装置に対して投入する被混合物の比率を時間的に変化させることにより、被混合物A100%から被混合物B100%まで徐々に変化するグラデーション混合柱2701を生成することもできる。
さらには、図28に示すように、混合装置から排出された混合物から柱状部材を生成するための生成装置2801においては、その壁面から吸引する構成になっているため、先に排出された混合物が壁面に張り付き、徐々にその内部を満たすように混合物が配置される。混合装置に対して投入する被混合物の比率を時間的に変化させて排出した、グラデーション混合物をこの生成装置2801に送り込むと、中心から外周に向けて被混合物の混合比率が徐々に変化するグラデーション混合柱2802を生成することができる。
このようにグラデーション混合物の生成により、異種材料の結合を行なうことが可能となる。例えば、金属とセラミックとの結合は非常に困難とされているが、上述のように、金属粉とセラミック粉とを混合してグラデーション混合柱を生成すれば、1本の棒状部材であって、一端から他端へ連続的に材質が変化する物体を作ることができる。

Claims (7)

  1. 第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合装置であって、
    前記第1被混合物を投入する第1投入口と、該第1投入口から投入された前記第1被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第1排出口と、を備えた第1分割流路と、
    前記第2被混合物を投入する第2投入口と、該第2投入口から投入された前記第2被混合物が分割されて排出される少なくとも2つの第2排出口と、を備えた第2分割流路と、
    前記第1排出口の1つ及び前記第2排出口の1つに連結され、前記第1排出口から排出された前記第1被混合物と前記第2排出口から排出された前記第2被混合物とを混合させて部分混合物を生成する少なくとも2つの混合流路と、
    前記少なくとも2つの混合流路から排出された前記部分混合物同士を集約して混合物を生成する集約流路と、
    を備えることを特徴とする混合装置。
  2. 前記第1分割流路は、前記第1投入口から前記第1排出口まで2分割を複数回繰り返すことによって前記第1被混合物を分割する多段階分割流路であり、
    前記第2分割流路は、前記第2投入口から前記第2排出口まで2分割を複数回繰り返すことによって前記第2被混合物を分割する多段階分割流路であることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
  3. 前記集約流路は、前記少なくとも2つの混合流路に含まれる第1混合流路から排出された混合物と、前記少なくとも2つの混合流路に含まれる第2混合流路から排出された混合物とを段階的に集約することを特徴とする請求項1又は2に記載の混合装置。
  4. 前記第1、第2分割流路、前記混合流路、及び前記集約流路のそれぞれは、表面に流路が形成された板状部材を組み合わせたブロックによって形成され、前記ブロックを組み合わせることで柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の混合装置。
  5. 前記混合流路から排出された混合物を凝集して前記集約流路に投入する凝集流路を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の混合装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の混合装置に対して投入される前記第1被混合物と前記第2被混合物の割合を徐々に変化させることにより生成されたことを特徴とするグラデーション混合物。
  7. 第1被混合物と第2被混合物とを混合するための混合物製造方法であって、
    投入した前記第1被混合物を第1分割流路によって分割して排出する第1分割工程と、
    投入した前記第2被混合物を第2分割流路によって分割して排出する第2分割工程と、
    前記第1分割流路で分割された前記第1被混合物と前記第2分割流路で分割された前記第2被混合物とを少なくとも2つの混合流路内で混合させつつ流動させて部分混合物を生成する混合工程と、
    前記少なくとも2つの混合流路から排出された前記部分混合物同士を集約流路内で集約させつつ流動させて混合物を生成する集約工程と、
    を含むことを特徴とする混合物製造方法。
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