JP2011206009A - 標的塩基配列の識別方法 - Google Patents
標的塩基配列の識別方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011206009A JP2011206009A JP2010079023A JP2010079023A JP2011206009A JP 2011206009 A JP2011206009 A JP 2011206009A JP 2010079023 A JP2010079023 A JP 2010079023A JP 2010079023 A JP2010079023 A JP 2010079023A JP 2011206009 A JP2011206009 A JP 2011206009A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- probe
- nucleic acid
- group
- base sequence
- target base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】
(a)反応液中で、1本鎖からなる試料核酸と、第1プローブと、第2プローブとをハイブリダイズさせることにより、複合体を形成する工程と、(b)前記工程(a)の後、前記複合体に光を照射する工程と、(c)前記工程(b)の後、前記複合体中の試料核酸を、1本鎖化する工程と、(d)前記工程(c)の後、前記反応液中に存在する、前記第1プローブと前記第2プローブとの連結体を検出する工程と、(e)前記工程(d)により得られた結果に基づき、前記試料核酸が標的塩基配列を有する核酸であるかを識別する工程と、を有し、新規な光応答性核酸類縁体を第1プローブ及び第2プローブとして用いることを特徴とする、標的塩基配列の識別方法。
【選択図】なし
Description
(1) 標的塩基配列を識別する方法であって、
(a)反応液中で、1本鎖からなる試料核酸と、第1プローブと、第2プローブとをハイブリダイズさせることにより、複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体に光を照射する工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記複合体中の試料核酸を、1本鎖化する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記反応液中に存在する、前記第1プローブと前記第2プローブとの連結体を検出する工程と、
(e)前記工程(d)により得られた結果に基づき、前記試料核酸が標的塩基配列を有する核酸であるかを識別する工程と、
を有し、
前記第1プローブ及び前記第2プローブは、標的塩基配列からなる1本鎖の標的核酸に対して、第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末端とが近接した状態でハイブリダイズし得るものであり、
前記第1プローブは、ヌクレオシド部分として下記一般式(I)で表される構造を有する核酸類縁体であり、
前記第2プローブは、ヌクレオシド部分として下記一般式(II)で表される構造を有する核酸類縁体であることを特徴とする、標的塩基配列の識別方法、
(2) 前記R1又はR2が有する置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、カルボキサミド基、及びアルコキシカルボニル基からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の標的塩基配列の識別方法、
(3) 前記R1及びR2が、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい式(III)−(m)又は式(III)−(r)であることを特徴とする請求項1又は2記載の標的塩基配列の識別方法、
(4) 前記工程(b)において照射される光が紫外光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法、
(5) 前記第2プローブの3’末端が、ポリメラーゼによる伸長反応の阻害物質により修飾されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法、
(6) 前記第1プローブ及び前記第2プローブの少なくとも一方が、核酸類縁体を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法、
(7) 前記第1プローブ及び前記第2プローブが、互いに異なる種類の標識物質によりそれぞれ標識されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法、
(8) 前記第1プローブを標識する標識物質と前記第2プローブを標識する標識物質との間で、エネルギー移動が可能であることを特徴とする請求項7記載の標的塩基配列の識別方法、
(9) 前記第1プローブ及び前記第2プローブのいずれか一方が、固相担体と結合可能な標識物質により標識されていることを特徴とする請求項7記載の標的塩基配列の識別方法、
(10) 前記試料核酸が、核酸増幅反応により増幅された核酸であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法、
(12) 前記R2が有する置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、カルボキサミド基、及びアルコキシカルボニル基からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項11記載の核酸類縁体、
(13) 標的塩基配列を識別する方法に用いられるキットであって、
ヌクレオシド部分として前記一般式(I)で表される構造を有する核酸類縁体である第1プローブと、
ヌクレオシド部分として前記一般式(II)で表される構造を有する核酸類縁体である第2プローブとを有し、
前記第1プローブ及び前記第2プローブは、標的塩基配列からなる1本鎖の標的核酸に対して、第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末端とが近接した状態でハイブリダイズし得るものであることを特徴とする、標的塩基配列識別用キット、
(14) 前記標的塩基配列が、遺伝子変異の特定の遺伝子型の変異部位を含む領域と相同的な塩基配列であることを特徴とする請求項13記載の標的塩基配列識別用キット、
を提供するものである。
また、本発明の核酸類縁体は、新規な骨格を有する光応答性核酸類(光連結性核酸類)である。本発明の核酸類縁体は、どの種類の塩基に対しても統一した手法で光応答性官能基が修飾されているため、全ての塩基種において光反応の効果が同等であり、さらに、置換基導入の自由度も高い。このため、本発明の核酸類縁体は、核酸光連結法を利用した標的塩基配列の識別方法に好適に用いることができる。
一般式(III)−(a)〜(u)中、nは0〜6である。なお、nが0の場合、単結合を意味する。本発明においては、一般式(III)−(a)〜(u)中、nは0〜3であることが好ましく、0〜2であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
(a)反応液中で、1本鎖からなる試料核酸と、第1プローブと、第2プローブとをハイブリダイズさせることにより、複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体に光を照射する工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記複合体中の試料核酸を、1本鎖化する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記反応液中に存在する、前記第1プローブと前記第2プローブとの連結体を検出する工程と、
(e)前記工程(d)により得られた結果に基づき、前記試料核酸が標的塩基配列を有する核酸であるかを識別する工程。
以下、工程ごとに説明する。
<一般式(II)中、R2が式(III)−(m)であるプローブの合成>
下記反応式(A)−1により、一般式(II)で表わされるヌクレオシド部位を有し、かつ、R2が式(III)−(m)であるR16G12V−Cinプローブを合成した。
チミジン(2.5g、10.3mmol)を脱水DMF(10ml)で1回共沸した後、窒素置換してから脱水DMF(12ml)に溶かし込み、トリフェニルホスフィン(4.06g、15.5mmol)及び四塩化炭素(1.56ml)を加え、室温で24時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)により、原料消失と生成物を確認した。エバポレーターによって溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=95:5から9:1)を用いて精製を行い、目的化合物である化合物(2)を得た(収量:1.83g(7.01mmol)、収率:68%)。化合物(2)のNMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,DMSO):11.3(br.s,1H,NH);7.47(d.like,1H,J=1.2,H−C(6)); 6.20(dd,1H,J= 8.0,6.4,H−C(1’));5.45(d,1H,J=4.4,3’−OH);4.23(dt,1H,J=7.0,3.2,H−C(3’));3.91(dt,1H,J=5.6,3.2,H−C(4’));3.85 (dd,1H,J=11.4,5.6,H−C(5’));3.77(dd,1H,J=11.4,5.6,H−C(5’));2.24(m,1H,H−C(2’));2.07(dq,1H,J=12.6,6.2,3.2,H−C(2’)); 1.78(d.like,3H,J=1.2,5−Me).
はじめに、水素化ナトリウム(132 mg,3.84mmol)を窒素置換した後に、脱水DMF(2ml)に溶かし込み、次いで4−ヒドロキシケイ皮酸メチル(680mg, 3.84mmol)を加えて、5〜10℃(氷浴下)で10分間攪拌した。この反応溶媒に化合物(2)(1.0g,3.84mmol)を添加して90℃の湯浴で24時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=93:7)により確認したところ、原料の残存が見られたが、原料よりもやや速い移動度の位置に生成物と見られるバンドも見られた。反応終了後、エバポレーターにて溶媒を除去し、クロロホルムに溶かし込んだ後に、分液ろうとを用いて有機層を水で3回洗浄した。硫酸ナトリウムを用いて有機層から水分を除去した後、エバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=95:5から9:1)を用いて9:1)にて精製を行い、NMRにより目的化合物(3)を得たことを確認した(収量:152mg(0.38mmol)、収率:11%)。化合物(3)のNMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,DMSO):11.3(br.s,1H,NH);7.68(d,2H,J=6.6,arom.H);7.61(d,1H,J=8.0,vinyl H);7.46(d.like,1H,J=1.0,H−C(6));7.03(d,2H,J=6.6,arom.H);6.50(d,1H,J=8.0,Vinyl H); 6.23(t,1H,J=6.8,H−C(1’));5.43(br.s,1H,3’−OH);4.36(m,1H,H−C(3’));4.27 (dd,1H,J=10.8,3.2,H−C(5’));4.18(dd,1H,J=10.8,3.2,H−C(5’)); 4.06(dd,1H,J=8.0,3.2,H−C(4’));3.70(s,3H,OMe);2.27(m,1H,H−C(2’));2.14(dq,1H,J=9.6,6.4,3.2,H−C(2’));1.68(d.like,3H,J=1.0,5−Me).
化合物(3)(150mg,0.25mmol)を脱水DMF(0.5ml)により3回共沸した後、脱水DMF(0.5ml)に溶かし込み、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロアミダイト(90μl,0.25mmol)を添加した。最後に、活性化剤として0.25M BTT/アセトニトリル溶液(1.2mml)を添加して18時間攪拌した後、TLC(CHCl3:MeOH=9:1)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、水(10ml)と酢酸エチル(15ml)で3回分液を行い、有機層を集めて硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を除去した。DMFは分液で完全に取り除けないため、アセトニトリルで3回ほど共沸してから計量を行い、目的化合物(4)を得た(収量:230mg(0.28mmol)、収率:quant.)。
<一般式(I)中、R1が式(III)−(r)であるプローブの合成>
下記反応式(A)−2により、一般式(I)で表わされるヌクレオシド部位を有し、かつ、R1が式(III)−(r)であるL16G12V−Pyrプローブを合成した。
チミジン(2.5g,10.3mmol)を脱水ピリジン(5ml)で3回共沸した後、脱水ピリジン(12ml)に溶かし込み、窒素雰囲気下において塩化トリフェニルメタン(3.45g,12.4mmol)及びDMAP(0.76g,6.19mmol)を添加して18時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)により確認したところ、原料が3割程度残っていたため、DMAP(0.76g,6.19mmol)をさらに添加して4時間攪拌した。4時間攪拌後に大きな変化は見られなかったため、反応を終了した。エバポレーターで溶媒を除去した後、クロロホルム(50ml)を用いて3回分液を行い、硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=95:5)にて精製を行った。精製後のサンプルは、近傍のフラクションと分離ができなかったため、酢酸エチル(5ml)に溶かし込んだ後に攪拌しながらヘキサンを加えて再沈殿により精製を仕上げ、目的化合物(5)を得た(収量:3.35g(6.90mmol)、収率:67%)。化合物(5)のNMRの測定結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,DMSO):11.3(br.s,1H,NH);7.48(s,1H,H−C(6));7.47−7.25(m,15H,arom.H);6.20(t,1H,J=6.8,H−C(1’)); 5.31(d,1H,J=4.4,3’−OH);4.31(dd.like,1H,J=6.4,4.0,H−C(3’)); 3.88(m,1H,H−C(4’));3.22(dd,1H,J=10.4,4.4,H−C(5’));3.16(dd,1H,J=10.4,2.8,H−C(5’));2.23(m,1H,H−C(2’));2.14(dq,1H,J=13.2,6.4,4.0,H−C(2’));1.46(s,3H,5−Me).
はじめに、化合物(5)(4g,8.26mmol)を脱水DMF(10ml)で3回共沸した後、脱水DMF(5ml)に溶かし込んだ。そこへ、水素化ナトリウム(666mg,16.5mmol)を加えて5〜10℃(氷浴下)で1時間攪拌した。1時間後に、反応溶媒へ1−クロロピレン(1.95g,8.26mmol)を添加して110℃のオイルバスで3時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=97:3)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去した後、酢酸エチルと水を用いて分液を行うことにより有機層を集め、硫酸ナトリウムで有機層から水分を除去した後、エバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=97:3)にて精製を行い、生成物を得た(収量:365mg(0.53mmol), 収率:6%)。NMR測定の結果から、目的化合物(6a)であることを確認した。
はじめに、化合物(5)(500mg,1.03mmol)を脱水DMF(2ml)で3回共沸した後、脱水DMF(5ml)に溶かし込んだ。そこへ、水素化ナトリウム(100mg,2.58mmol)を加えて5〜10℃(氷浴下)で1時間攪拌した。1時間後に、反応溶媒へ1−クロロメチルピレン(240mg,1.03mmol)を添加して70℃のオイルバスで3時間攪拌した。TLC(C6H14:AcOEt=1:1)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去した後、酢酸エチルと水を用いて分液を行うことにより有機層を集め、硫酸ナトリウムで有機層から水分を除去した後、エバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラム(C6H14:AcOEt=1:1)にて精製を行い、生成物を得た(収量:216mg(0.31mmol), 収率:30%)。NMR測定の結果から、目的化合物(6b)であることを確認した。
1H−NMR(400MHz,DMSO):11.3(br.s,1H,NH);11.3(br.s,1H,NH);8.33−8.23(m,4H,arom.H);8.18(s,2H,arom.H);8.15−8.05(m,3H,arom.H);7.48(s,1H,H−C(6));7.29−7.27(m,6H,arom.H);7.25−7.20(m,9H,arom.H);6.22(t,1H,J=6.8,H−C(1’));5.30(d,1H,J=12.4,ArH2);5.20(d,1H,J=12.4,ArH2);4.39(m,1H,H−C(3’));4.12(m,1H, H−C(4’));3.18(m,2H,H−C(5’));2.50−2.47(m, 1H,H−C(2’));2.40−2.33(m,1H,H−C(2’));1.45(s,3H,5−Me).
はじめに、化合物(6a)(350mg,0.51mmol)を80%酢酸に懸濁させ、オイルバスにより60℃に過熱して1.5時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=97:3)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、クロロホルムと水を用いて分液を行うことにより有機層を集めた後、硫酸ナトリウムで有機層から水分を除去した。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=97:3)にて精製を行い、生成物(7a)を得た(収量:110mg(0.24mmol)、収率:47%)。
はじめに、化合物(6b)(950mg,1.36mmol)を80%酢酸に懸濁させ、オイルバスにより60℃に過熱して1.5時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、クロロホルムと水を用いて分液を行うことにより有機層を集めた後、硫酸ナトリウムで有機層から水分を除去した。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、シリカゲルカラム(CHCl3:MeOH=9:1)にて精製を行い、生成物(7b)を得た(収量:467mg(1.03mmol)、収率:75%)。NMR測定の結果から、目的化合物(7b)であることを確認した。
1H−NMR(400MHz,DMSO):11.3(br.s,1H,NH);8.39−8.25(m,5H,arom.H);8.17(s,2H,arom.H);8.14−8.06(m,2H,arom.H);7.72(s,1H,H−C(6));6.21 dd,1H,J=8.4,6.4,H−C(1’));5.27(s,2H,ArH2);5.13(t,1H,5’−OH);4.37−4.33(m,1H,H−C(3’)); 4.12−4.09(m,1H,H−C(4’));3.46−3.40(m,2H,H−C(5’));2.43−2.37(dq,1H,J=13.6,5.6,2.4,H−C(2’));2.25−2.18(m,1H,H−C(2’));1.78 (s,3H,5−Me).
化合物(7a)(100mg,0.23mmol)を脱水DMF(0.5ml)により3回共沸した後、脱水DMF(1.0ml)に溶かし込み、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロアミダイト(100μl,0.30mmol)を添加した。最後に、活性化剤として0.25M BTT/アセトニトリル溶液(0.92ml,0.23mml)を添加して5時間攪拌した後、TLC(CHCl3:MeOH=97:3)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、水(100ml)とクロロホルム(50ml)用いてで3回分液を行い、有機層を集めて硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を除去した。DMFは分液で完全に取り除けないため、アセトニトリルで3回ほど共沸してから計量を行い、目的化合物(8a)を得た(収量:220mg(0.34mmol)、収率:quant.)。
化合物(7b)(200mg,0.30mmol)を脱水DMF(0.5ml)により3回共沸した後、脱水DMF(0.5ml)に溶かし込み、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロアミダイト(100μl,0.30mmol)を添加した。最後に、活性化剤として0.25M BTT/アセトニトリル溶液(1.2ml, 0.30mml)を添加して18時間攪拌した後、TLC(CHCl3:MeOH=9:1)により、原料の消失と新たな生成物のバンドを確認した。反応終了後、水(10ml)と酢酸エチル(15ml)用いてで7回分液を行い、有機層を集めて硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を除去した。DMFは分液で完全に取り除けないため、アセトニトリルで3回ほど共沸してから計量を行い、目的化合物(8b)を得た(収量:300mg(0.34mmol)、収率:quant.)。
合成例2で合成したL16G12V−Pyr0プローブ又はL16G12V−Pyr1プローブを第1プローブとし、合成例1で合成したR16G12V−Cinプローブを第2プローブとして、本発明の標的塩基配列の識別方法を行った。
試料核酸として、rc49G12V、rc49G12A、rc49G12G、及びrc49G12Dを準備した。L16G12V−Pyrプローブは、rc49G12Vと完全に相補的な塩基配列を有するが、rc49G12A、rc49G12G、及びrc49G12Dとは1塩基非相補的である。これらの1本鎖核酸は、化学合成法により合成した。各プローブ及び試料核酸の塩基配列を表1に示す。なお、表1中、「Ale488」はAlexa 488標識を示し、「Ale594」はAlexa 594標識を示し、「T−Pyr0」又は「T−Pyr1」は化合物(8a)又は(8b)の誘導体由来の光応答性チミンヌクレオチドを示し、「T−Cin」は化合物(4)の誘導体由来の光応答性チミンヌクレオチドを示す。また、rc49G12V〜D中、下線が付された塩基は、互いに相違する塩基である。
有機溶媒を含有させた反応液中で、4種類の試料核酸(rc49G12V、rc49G12A、rc49G12G、及びrc49G12D)とL16G12V−Pyr1プローブ及びR16G12V−Cinプローブを用いて、本発明の標的塩基配列の識別方法を行った。
具体的には、テトラヒドロフラン(THF)を50%の条件で混合した2xSSCバッファー、又はジメチルホルムアミド(DMF)を50%の条件で混合した2xSSCバッファー溶媒に、rc49G12V、rc49G12A、rc49G12G、又はrc49G12Dのいずれかの試料核酸、L16G12V−Pyr1プローブ、及びR16G12V−Cinプローブを、それぞれ終濃度が0.5pmol/μlとなるように添加し、全量40μlの反応液を調製した。これらの反応液に対して、実施例2と同様にして光連結反応を行い、経時的にAlexa 594の蛍光発光の変化を観測した(光連結反応後)。
以上の結果から、本発明の標的塩基配列の識別方法は、有機溶媒を含む反応液中でも、高い精度で標的塩基配列を識別することが可能であることが示された。
Claims (14)
- 標的塩基配列を識別する方法であって、
(a)反応液中で、1本鎖からなる試料核酸と、第1プローブと、第2プローブとをハイブリダイズさせることにより、複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体に光を照射する工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記複合体中の試料核酸を、1本鎖化する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記反応液中に存在する、前記第1プローブと前記第2プローブとの連結体を検出する工程と、
(e)前記工程(d)により得られた結果に基づき、前記試料核酸が標的塩基配列を有する核酸であるかを識別する工程と、
を有し、
前記第1プローブ及び前記第2プローブは、標的塩基配列からなる1本鎖の標的核酸に対して、第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末端とが近接した状態でハイブリダイズし得るものであり、
前記第1プローブは、ヌクレオシド部分として下記一般式(I)で表される構造を有する核酸類縁体であり、
前記第2プローブは、ヌクレオシド部分として下記一般式(II)で表される構造を有する核酸類縁体であることを特徴とする、標的塩基配列の識別方法。
- 前記R1又はR2が有する置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、カルボキサミド基、及びアルコキシカルボニル基からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記R1及びR2が、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい式(III)−(m)又は式(III)−(r)であることを特徴とする請求項1又は2記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記工程(b)において照射される光が紫外光であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記第2プローブの3’末端が、ポリメラーゼによる伸長反応の阻害物質により修飾されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記第1プローブ及び前記第2プローブの少なくとも一方が、核酸類縁体を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記第1プローブ及び前記第2プローブが、互いに異なる種類の標識物質によりそれぞれ標識されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記第1プローブを標識する標識物質と前記第2プローブを標識する標識物質との間で、エネルギー移動が可能であることを特徴とする請求項7記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記第1プローブ及び前記第2プローブのいずれか一方が、固相担体と結合可能な標識物質により標識されていることを特徴とする請求項7記載の標的塩基配列の識別方法。
- 前記試料核酸が、核酸増幅反応により増幅された核酸であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の標的塩基配列の識別方法。
- ヌクレオシド部分として下記一般式(I)又は(II)で表される構造を有することを特徴とする核酸類縁体。
- 前記R2が有する置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、カルボキサミド基、及びアルコキシカルボニル基からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項11記載の核酸類縁体。
- 標的塩基配列を識別する方法に用いられるキットであって、
ヌクレオシド部分として下記一般式(I)で表される構造を有する核酸類縁体である第1プローブと、
ヌクレオシド部分として下記一般式(II)で表される構造を有する核酸類縁体である第2プローブとを有し、
前記第1プローブ及び前記第2プローブは、標的塩基配列からなる1本鎖の標的核酸に対して、第1プローブの3’末端と第2プローブの5’末端とが近接した状態でハイブリダイズし得るものであることを特徴とする、標的塩基配列識別用キット。
- 前記標的塩基配列が、遺伝子変異の特定の遺伝子型の変異部位を含む領域と相同的な塩基配列であることを特徴とする請求項13記載の標的塩基配列識別用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010079023A JP5724200B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 標的塩基配列の識別方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010079023A JP5724200B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 標的塩基配列の識別方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011206009A true JP2011206009A (ja) | 2011-10-20 |
JP5724200B2 JP5724200B2 (ja) | 2015-05-27 |
Family
ID=44937842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010079023A Expired - Fee Related JP5724200B2 (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 標的塩基配列の識別方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5724200B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114672542A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-06-28 | 中南大学 | 一种基于紫外光损伤的粘性末端介导链取代反应的方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001346579A (ja) * | 2000-06-02 | 2001-12-18 | Makoto Komiyama | Snp検出用オリゴヌクレオチド |
WO2009101810A1 (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-20 | Japan Science And Technology Agency | 光応答性核酸の製造方法 |
-
2010
- 2010-03-30 JP JP2010079023A patent/JP5724200B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001346579A (ja) * | 2000-06-02 | 2001-12-18 | Makoto Komiyama | Snp検出用オリゴヌクレオチド |
WO2009101810A1 (ja) * | 2008-02-14 | 2009-08-20 | Japan Science And Technology Agency | 光応答性核酸の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114672542A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-06-28 | 中南大学 | 一种基于紫外光损伤的粘性末端介导链取代反应的方法 |
CN114672542B (zh) * | 2022-03-28 | 2024-02-06 | 中南大学 | 一种基于紫外光损伤的粘性末端介导链取代反应的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5724200B2 (ja) | 2015-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6902900B2 (en) | Nucleic acid probes and methods to detect and/or quantify nucleic acid analytes | |
JP6999976B2 (ja) | Rna配列の簡便検出法 | |
JP6019120B2 (ja) | 光応答性核酸類を含むプローブを用いた光連結方法 | |
JP6514364B2 (ja) | 長ストークスシフトを有するポリメチン化合物と、蛍光標識としてのその使用 | |
JP2002501102A (ja) | 非対称シアニン色素クエンチャー | |
JPS61146198A (ja) | 触媒作用されたルミネセンスを用いるポリヌクレオチドハイブリツド形成分析 | |
JP5618436B2 (ja) | 核酸プローブ、核酸プローブの設計方法、およびターゲット配列の検出方法 | |
US10066264B2 (en) | Method for analyzing target nucleic acid, kit, and analyzer | |
CA2645136A1 (en) | Oligonucleotides comprising signalling pairs and hydrophobic nucleotides, stemless beacons, for detection of nucleic acids, methylation status and mutants of nucleic acids | |
JP2005015395A (ja) | 新規ピリミドピリミジンヌクレオシドとその構造類縁体 | |
CN106536483A (zh) | Cosmic猝灭剂 | |
JP5724200B2 (ja) | 標的塩基配列の識別方法 | |
JP6495333B2 (ja) | 一塩基多型検出用オリゴヌクレオチドプローブ及び一塩基多型検出方法 | |
JP5920763B2 (ja) | 蛍光標識オリゴヌクレオチド誘導体及びその利用 | |
JP5834413B2 (ja) | エネルギー移動を用いた蛍光物質による核酸検出法 | |
WO2007111324A1 (ja) | 遺伝子中の5-メチルシトシン検出方法および検出キット | |
EP1086245A2 (en) | Multi-fluorescent hairpin energy transfer oligonucleotides | |
JP2015104329A (ja) | 核酸プライマー又は核酸プローブの設計方法、およびターゲット配列の検出方法 | |
JP4467930B2 (ja) | ヌクレオチド標識試薬およびそれが導入されたオリゴヌクレオチド誘導体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140708 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140908 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5724200 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |