JP2001346579A - Snp検出用オリゴヌクレオチド - Google Patents

Snp検出用オリゴヌクレオチド

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JP2001346579A JP2000165441A JP2000165441A JP2001346579A JP 2001346579 A JP2001346579 A JP 2001346579A JP 2000165441 A JP2000165441 A JP 2000165441A JP 2000165441 A JP2000165441 A JP 2000165441A JP 2001346579 A JP2001346579 A JP 2001346579A
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真 小宮山
Hiroyuki Asanuma
浩之 浅沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検出精度の高いSNP検出方法を提供する。 【解決手段】試験すべきオリゴヌクレオチドの配列と相
補的な配列または1〜数塩基を除いて相補的な配列を有
するオリゴヌクレオチドに特定波長の光の照射により構
造異性化する有機基を1または複数個結合させてなり、
試験すべきオリゴヌクレオチドとの二重鎖形成能を該光
の照射により変化させることが可能なSNP検出用オリ
ゴヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はSNP検出用オリゴ
ヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを固定化したDN
Aチップ、該オリゴヌクレオチドを使用するSNPの検
出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SNPは、疾患感受性、薬剤感受性等の
情報となり、将来的に診断、治療および予防に応用して
いくことが期待されている。従って、SNPの迅速な解
析が望まれている。現在、SNPの検出は、DNAチッ
プ、DNA解析ソフト等を用いて行われている。例え
ば、DNAチップ上にプローブとして標的シークエンス
のすべてのポジションについて中央の塩基がA,G,
C,Tをもつ4つの相補的オリゴDNAを固定化し、ど
のプローブにハイブリダイズするかで、そのポジション
の塩基が同定され、これによりSNPの検出が行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一定温
度において特定のプローブにハイブリダイズするか否か
のみによるSNPの検出は、検出精度が低いという問題
がある。この問題は、特に調べる配列が長い場合に深刻
である。本発明の発明者は、SNPの検出精度を高める
方法について、鋭意研究を行った。その結果、試験すべ
きオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせるオリゴヌ
クレオチドに特定波長の光の照射により構造異性化する
有機基(以下、場合により光応答性有機基と記す)を結
合し、該有機基の立体構造の変化による二重鎖形成能の
差を利用すると、SNPをより高い精度で検出できると
いう事実を見出した。以下、詳述する。
【0004】予め光応答性有機基を結合させておいたオ
リゴヌクレオチドに、該有機基が平面性の高い立体構造
をとる状態で、これに完全に相補的なオリゴヌクレオチ
ド(以下、フルマッチオリゴヌクレオチドと記す)をハ
イブリダイズさせると、安定にハイブリダイズするが、
これに光を照射して、有機基を平面性の低い立体構造に
異性化すると、ハイブリダイズが解けやすくなる。即
ち、有機基の立体構造により二重鎖形成能が極端に異な
る。これに対し、予め光応答性有機基を結合させておい
たオリゴヌクレオチドに、上記フルマッチオリゴヌクレ
オチドと1塩基またはそれ以上の塩基が異なるオリゴヌ
クレオチド(以下、ミスマッチオリゴヌクレオチドと記
す)をハイブリダイズさせる場合、フルマッチオリゴヌ
クレオチドをハイブリダイズさせる場合に比べて、有機
基の立体構造による二重鎖形成能の差が小さい。この立
体構造による二重鎖形成能の差を利用することにより高
い精度でSNPを検出し得ることを見出したのである。
【0005】このような違いは、本発明の発明者により
導かれた下記の理論により説明され得る。AGCTの塩
基はいずれも非常に平面性が高い。そして、A−T,G
−CがDNA二重鎖中で塩基対を形成すると、塩基対が
板状の構造をなし、二重鎖間で板を縦に積んだような構
造を形成する。板(即ち、塩基対)と板の間には、同じ
ように“平面性の高い板”(即ち、平面性の高い分子)
を入れることができる。この“第3の板”が入ると、二
重鎖はより安定になる。しかしこの第3の板が折れ曲が
っていると、二重鎖は不安定化する(一本鎖に戻りやす
くなる)。例えば、アゾベンゼンは、可視光を照射する
と平面性の高いトランス体となるので、板と板の間に入
ることができ二重鎖を安定化する。しかし紫外光を照射
するとシス体となり、折れ曲がった板状の立体構造とな
るため、二重鎖が不安定化する。従って、相補鎖がフル
マッチシークエンスの場合、光応答性有機基が平面性の
高い立体構造をとる時と折れ曲がった立体構造をとる時
とで、二重鎖の安定性(二重鎖形成能)が著しく異な
る。ところが、相補鎖にミスマッチ(A−G,A−C,
G−T等)がある場合は、もともとその部分に歪みが生
じているため、光応答性有機基が平面性の高い立体構造
をとっていても、二重鎖の安定化が図れない。従って、
光応答性有機基が平面性の高い立体構造をとる時と折れ
曲がった立体構造をとる時とで、二重鎖の安定性の差が
小さい。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、下記
のSNP検出用オリゴヌクレオチドに関する。 (1)試験すべきオリゴヌクレオチド(以下、場合によ
り被験オリゴヌクレオチドと記す)の配列と相補的な配
列または1〜数塩基を除いて相補的な配列を有するオリ
ゴヌクレオチドに特定波長の光の照射により構造異性化
する有機基を1または複数個結合させてなり、試験すべ
きオリゴヌクレオチドとの二重鎖形成能を該光の照射に
より変化させることが可能なSNP検出用オリゴヌクレ
オチド(以下、場合により光応答性オリゴヌクレオチド
と記す)。 (2)上記光応答性有機基の結合位置が、SNPが存在
するか存在する可能性のある位置またはその近傍である
ことを特徴とする(1)のSNP検出用オリゴヌクレオ
チド。 (3)上記光応答性有機基が、特定波長の光の照射によ
り可逆的に構造異性化する有機基であることを特徴とす
る(1)または(2)に記載のSNP検出用オリゴヌク
レオチド。 (4)上記光応答性有機基がアゾベンゼンまたはその誘
導体の残基であることを特徴とする(1)〜(3)のい
ずれかのSNP検出用オリゴヌクレオチド。 (5)上記光応答性有機基が、ポリメチレン鎖、好まし
くは炭素原子数2〜5のポリメチレン鎖中の炭素原子に
共有結合的に結合され、該ポリメチレン鎖の両端の炭素
原子の各々が隣り合うヌクレオチドのリン酸基の各々に
共有結合することにより、上記オリゴヌクレオチドに結
合していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか
に記載のSNP検出用オリゴヌクレオチド。 (6)該光応答性有機基がヌクレオチドのリボースの
2’位に共有結合することにより、上記オリゴヌクレオ
チドに結合していることを特徴とする(1)〜(4)の
いずれかのSNP検出用オリゴヌクレオチド。 (7)該光応答性有機基が5’末端の、3’末端のまた
はホスホジエステル結合を形成するリン酸基に直接また
は炭素原子数1〜10のアルキレン基を介して共有結合
することにより、上記オリゴヌクレオチドに結合してい
ることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのSNP
検出用オリゴヌクレオチド。
【0007】また、本発明は、上記(1)〜(7)のい
ずれかのSNP検出用オリゴヌクレオチドを1種類当た
り1または複数個、1または複数種類固定化したDNA
チップまたは該DNAチップを製造するためのDNAチ
ップ製造用キットに関する。
【0008】さらに、本発明は、試験すべきオリゴヌク
レオチドを、上記(1)〜(7)のいずれかのSNP検
出用オリゴヌクレオチドと接触させ、該有機基の立体構
造の違いによる二重鎖形成能の差を調べ、両オリゴヌク
レオチドが完全に相補的である場合の差と比較すること
により、両配列が完全に相補的である(即ち、フルマッ
チである)か1〜数塩基を除いて相補的である(即ち、
1〜数塩基のミスマッチを有する)かを判断することか
らなるSNPの検出方法に関する。さらに、本発明は、
上記(1)〜(7)のいずれかのSNP検出用オリゴヌ
クレオチドを含むSNP検出用キットに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】(試験すべきオリゴヌクレオチ
ド)本発明において、「試験すべきオリゴヌクレオチ
ド」は、リボ核酸のオリゴマーまたはポリマー、デオキ
シリボ核酸のオリゴマーまたはポリマー、あるいはその
両者が混在するオリゴマーまたはポリマーのいずれでも
よく、ヒトまたは他の生物のゲノムDNAの一部を構成
する配列であり得る。また、SNPが存在するか否かが
不明の配列に相当する配列に関するものであっても、S
NPが存在することが知られている配列に関するもので
あってもよい。また、本発明において、オリゴヌクレオ
チドの長さは、例えば、5〜500塩基、好ましくは1
0〜50塩基である。一般にSNPの検出には20塩基
以下のオリゴヌクレオチドを使用するのが好ましいとさ
れるが、本発明の方法によれば、20塩基以上、例えば
20〜50塩基のオリゴヌクレオチドであっても高い精
度で検出できる。また、配列中に複数のSNPを含む場
合等に、好ましくはSNPが存在するか存在する可能性
のある位置またはその近傍に複数の光応答性有機基を結
合すれば、さらに長いオリゴヌクレオチド、例えば10
0塩基以上のオリゴヌクレオチドにおけるSNPの検出
も可能である。
【0010】(光応答性オリゴヌクレオチド)上記光応
答性オリゴヌクレオチドは、リボ核酸のオリゴマーまた
はポリマー、デオキシリボ核酸のオリゴマーまたはポリ
マー、あるいはその両者が混在するオリゴマーまたはポ
リマーのいずれでもよい。該オリゴヌクレオチドの長さ
は、上記試験すべきオリゴヌクレオチドに対応する長さ
であり得る。また、該オリゴヌクレオチドは、コンセン
サス配列を有するものであっても、SNPを有する配列
を有するものであってもよい。コンセンサス配列である
場合は、二重鎖形成能の差がフルマッチの場合より小さ
く、ミスマッチであると判断された場合にSNPが存在
すると判定され、SNPを有する配列である場合は、二
重鎖形成能の差がフルマッチの場合と同等であり、フル
マッチであると判断された場合にそのSNPが存在する
と判定される。本発明において、光応答性有機基が特定
波長の光の照射により可逆的に構造異性化する有機基で
ある場合は、温度を下げて、ハイブリダイズした試験オ
リゴヌクレオチドを完全に解き、その後、光照射により
光応答性有機基を逆方向、即ち二重鎖の結合を安定させ
得る立体構造へ、好ましくは実質的に平面的な構造へ、
例えばトランス型からシス型へ構造異性化させることに
より、本発明の光応答性オリゴヌクレオチドを再利用す
ることが可能である。
【0011】本発明の光応答性オリゴヌクレオチドにお
いて、上記光応答性有機基は、例えば1〜10個結合さ
れ得る。ただし、必要な光応答性有機分子の数は、試験
すべきオリゴヌクレオチドの長さ、検出すべきSNPの
数等に応じて、求められる検出精度を達成できる最低限
の数とするのが好ましい。従って、光応答性有機基の数
は通常は1〜5個で十分である。ただし、光応答性有機
基は、好ましくは4塩基から50塩基に対して1分子、
より好ましくは5塩基から16塩基に対して1分子の割
合でオリゴヌクレオチドに結合される。また、二重鎖形
成能の差は、光応答性有機基がSNPの存在する位置ま
たはその近傍にある場合に、より小さくなるため、光応
答性有機基を、少なくともSNPが存在するか存在する
可能性のある位置、またはその近傍に結合するのが好ま
しい。ここで「近傍」とは、例えば隣の塩基または1〜
5塩基隔てた塩基の位置、好ましくは隣の塩基または1
もしくは2塩基隔てた塩基の位置を意味する。なお、本
明細書において、「SNP」とは、一塩基多型(single
nucleotidepolymorphism)を意味する。また、光応答性
有機基はオリゴヌクレオチドに側鎖として導入されてい
るのが好ましい。本明細書において、「側鎖として導
入」とは、オリゴヌクレオチドに、または、オリゴヌク
レオチドと光応答性有機基の間に介在するアルキレン基
等の介在基に、光応答性有機基が一つの共有結合によっ
て結合していることを意味する。従って、オリゴヌクレ
オチドの5’末端または3’末端に光応答性有機基が結
合している状態も、側鎖として導入されていることを意
味する。
【0012】(光応答性有機基)本発明において、「光
応答性有機基」は、特定波長の光により二重鎖の結合を
安定させ得る立体構造から二重鎖の結合を不安定にする
立体構造へ、好ましくは実質的に平面的な構造から平面
的でない構造へ、例えばトランス型からシス型へ、メロ
シアニン型からスピロピラン型へ、またはその逆方向
に、好ましくは可逆的に構造異性化する有機基であり得
る。そのように、立体構造が特定波長の光の照射によっ
て可逆的に変化する有機基は、例えば、アゾベンゼン、
スピロピラン、スチルベン、およびこれらの誘導体の残
基であり得るが、好ましくはアゾベンゼンまたはその誘
導体の残基である。アゾベンゼンまたはその誘導体の残
基は、直接、または適当な介在基、例えば炭素原子数1
〜10、好ましくは1〜6のアルキレン基、例えばトリ
メチレン基を介してオリゴヌクレオチドに結合すること
ができる。本発明の光応答性オリゴヌクレオチドは、例
えば下記式で表されるものであり得る。
【0013】
【化1】
【0014】上記式中、Xは光応答性有機基であり、A
及びBは各々水素、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオ
チドを示す。Nは核酸塩基(アデニン、シトシン、グア
ニン、チミンまたはウラシル)を示す。nは1以上の整
数、好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上
6以下の整数である。Pは、未置換またはハロゲン原
子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基等で置
換された炭素原子数1〜20,好ましくは1〜10,よ
り好ましくは1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ
基;未置換またはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニ
トロ基、カルボキシ基等で置換された炭素原子数2〜2
0,好ましくは2〜10,より好ましくは2〜4のアル
ケニル基もしくはアルキニル基;水酸基;ハロゲン原
子;アミノ基;ニトロ基;またはカルボキシ基を表す。
Xは、例えば下記式I、II及びIIIで表される。
【0015】
【化2】
【0016】式I、II及びIII中、R、R11、R21
は各々直接の結合;未置換もしくはハロゲン原子、水酸
基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基等で置換された
炭素原子数1〜20,好ましくは1〜10,より好まし
くは1〜4のアルキレン基、または未置換もしくはハロ
ゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基
等で置換された炭素原子数2〜20,好ましくは2〜1
0,より好ましくは2〜4のアルケニレン基であり、Q
は直接の結合、酸素原子、−NH−CO−基または−C
O−NH−基であり、R〜R10、R12〜R20
22〜R30は各々独立に、未置換またはハロゲン原
子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基等で置
換された炭素原子数1〜20,好ましくは1〜10,よ
り好ましくは1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ
基;未置換またはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニ
トロ基、カルボキシ基等で置換された炭素原子数2〜2
0,好ましくは2〜10,より好ましくは2〜4のアル
ケニル基もしくはアルキニル基;水酸基;ハロゲン原
子;アミノ基;ニトロ基;またはカルボキシ基を表す。
なお、上記R〜R10、R12〜R20、R22〜R
30において、未置換または置換アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基及びアルコキシ基は好ましくは直鎖
である。
【0017】Xのさらに具体的な例を下記式に示す。
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】式中、Z、Z及びZは各々独立に、
未置換またはハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ
基、カルボキシ基等で置換された炭素原子数1〜20,
好ましくは1〜10,より好ましくは1〜4のアルキル
基もしくはアルコキシ基;未置換またはハロゲン原子、
水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシ基等で置換さ
れた炭素原子数2〜20,好ましくは2〜10,より好
ましくは2〜4のアルケニル基もしくはアルキニル基;
水酸基;ハロゲン原子;アミノ基;ニトロ基;またはカ
ルボキシ基を表す。なお、上記未置換または置換アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基及びアルコキシ基は
好ましくは直鎖である。
【0020】(光応答性オリゴヌクレオチドの製造)光
応答性有機基のオリゴヌクレオチドへの導入方法として
は、ポリメチレン鎖(例えば炭素原子数2〜10のも
の、好ましくは炭素原子数2〜5のもの)の側鎖に共有
結合的に導入した後、これをホスホアミダイトモノマー
にして、既存のDNA合成機を使用してオリゴヌクレオ
チドに導入する方法を用いることができる。ホスホアミ
ダイトモノマーの合成は、ザ・ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Che
mistry)誌1997年第62巻846ページ以降に記載
の方法を用いればよい。ポリメチレン鎖は様々な長さの
ものを用いることができるが、エチレンまたはトリメチ
レン鎖が好ましい。この場合、有機基は、エチレン鎖の
場合はいずれかの炭素原子に、トリメチレン鎖の場合は
中央の炭素原子に共有結合的に導入するのが好ましい。
有機基は、リボースの2’位に導入しても、リン酸部位
に導入してもよい。
【0021】(二重鎖形成能)本明細書を通じて、「二
重鎖形成能」は、相補的または一部相補的なオリゴヌク
レオチド同士がハイブリダイズして二重鎖を形成する性
質の強さを意味し、慣用の方法により、例えばTm(融
解温度)を測定することにより、一定の温度においてハ
イブリダイズするオリゴヌクレオチドの量を測定するこ
とにより、または一定の温度においてハイブリダイズす
るかしないかを検出することにより調べることができ
る。従って、本発明において、「立体構造による二重鎖
形成能の差」は、有機基の光照射により異なる各立体構
造における上記のような二重鎖形成能を表す値の差で表
され得る。Tmの測定は、バイオコンジュゲート・ケミ
ストリー(Baioconjugate Chemistry)誌1997年第
8巻3頁以降およびジャーナル・オブ・ザ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティー(Journal of the Americ
an Chemical Society)誌1997年第119巻26
3頁以降に記載の方法を参考にすることができる。融解
温度は様々な方法で決定することができるが、融解温度
曲線の一次微分の極大を与える温度として決定するのが
好ましい。ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの量
の測定は、慣用の方法により、例えば溶液中での光吸収
量を測定することにより調べることができる。ハイブリ
ダイズしているか否かの検出、ハイブリダイズしたオリ
ゴヌクレオチドの量は、上記DNAチップを用い、これ
に標識した被験オリゴヌクレオチドを接触させ、ハイブ
リダイズした被験オリゴヌクレオチドを該標識に基づい
て検出することにより行ってもよい。立体構造による二
重鎖形成能の差は、まず、有機基が一の立体構造(例え
ばトランス体)をとる状態で上記Tm、ハイブリダイズ
量等により二重鎖形成能を測定し、その後、特定波長の
光、例えば紫外線を照射して、有機基を他の立体配置
(例えばシス体)とし、同様に二重鎖形成能を測定し、
この差を計算することにより、求めることができる。
【0022】(SNP検出用DNAチップ)本発明のS
NP検出用DNAチップは、上記で説明した本発明のオ
リゴヌクレオチドを1種類につき1または複数本、1ま
たは複数種類、公知または慣用のDNAチップ基盤に公
知または慣用のスポッティング法により固定化したもの
であり得る。また、本発明のSNP検出用DNAチップ
は、該オリゴヌクレオチドを、公知または慣用のDNA
チップ基盤上で、公知または慣用の方法により化学合成
したものであってもよい。本発明において、光応答性有
機基が特定波長の光の照射により可逆的に構造異性化す
る有機基である場合は、温度を下げて、ハイブリダイズ
した試験オリゴヌクレオチドを完全に解き、その後、光
照射により光応答性有機基を逆方向、即ち二重鎖の結合
を安定させ得る立体構造へ、例えばシス型からトランス
型へ構造異性化させることにより、本発明のSNP検出
用DNAチップを再利用することが可能である。
【0023】(SNP検出方法)さらに、本発明は、上
記SNP検出用オリゴヌクレオチド及びSNP検出用D
NAチップを用いて、試験すべきオリゴヌクレオチド
を、上記SNP検出用オリゴヌクレオチド、または上記
DNAチップと接触させ、該有機基の立体構造の違いに
よる二重鎖形成能の差を調べ、両オリゴヌクレオチドが
完全に相補的である場合の差と比較することにより、両
配列がフルマッチであるかミスマッチであるかを調べる
ことからなるSNPの検出方法に関する。二重鎖形成能
の差、フルマッチであるかミスマッチであるかの比較等
は、コンピューター解析により行い得る。有機基の構造
異性化のために照射する光は、該有機基の異性化が可能
ならば紫外領域から赤外領域までのすべての波長の光を
用いることができるが、DNAを損傷させない300n
m以上が好ましい。
【0024】(SNP検出方法の具体例)以下、本発明
のSNPの検出方法の具体例について説明するが、これ
らは本発明を限定するものではない。なお、本発明にお
いて、SNPの検出とは、SNPが存在することが知ら
れている配列について、被験オリゴヌクレオチド中に既
知のSNPが存在するか否かを判定することのほか、S
NPが存在することが知られていない配列においてSN
Pを検出することをも含む。 (i)上記コンセンサス配列に相補的な配列を有するオ
リゴヌクレオチドに予め光応答性有機基を結合してなる
オリゴヌクレオチドを一定濃度で含む溶液中(ここで、
有機基は安定なハイブリダイズを可能にする一の立体配
置、例えばトランスのような平面性の高い構造をとる)
に、試験すべきオリゴヌクレオチドの一定量を添加し、
一定の温度において、ハイブリダイズしたオリゴヌクレ
オチドの量を例えば光吸収量により測定し、その後、こ
の溶液に特定波長の光、例えば紫外光を照射し、有機基
がハイブリダイズを不安定化する他の立体配置(例えば
シスのような屈曲した構造)をとるようにして、同様に
ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの量を測定し、
両値の差を計算し、この差が予め測定しておいたフルマ
ッチの場合の値より小さい場合にミスマッチがある、即
ちSNPが存在すると判定し、フルマッチの場合の値と
同等の場合にはSNPは存在しないと判定する。上記と
は、逆に、SNPを有する配列に相補的な配列を有する
オリゴヌクレオチドに光応答性有機基を結合してなるオ
リゴヌクレオチドを一定濃度で含む溶液を用いて、立体
構造による二重鎖形成能の差を計算し、フルマッチの場
合にSNPが存在すると判定してもよい。
【0025】(ii)上記コンセンサス配列に相補的な配
列を有するオリゴヌクレオチドに予め光応答性有機基を
結合してなるオリゴヌクレオチドを一種類につき複数本
を1または複数種類有するDNAチップ(ここで、有機
基は安定なハイブリダイズを可能にする一の立体配置、
例えばトランスのような平面性の高い構造をとる)に、
標識(例えば、蛍光色素、放射性同位体元素等による標
識)した試験すべきオリゴヌクレオチド複数本を接触さ
せ、一定の温度において、ハイブリダイズしたオリゴヌ
クレオチドの量を該標識を検出することにより測定し、
その後、このDNAチップに特定波長の光、例えば紫外
光をあて、有機基がハイブリダイズを不安定化する他の
立体構造(例えばシスのような屈曲した立体構造)をと
るようにして、同様にハイブリダイズしたオリゴヌクレ
オチドの量を測定し、両値の差を計算し、この差がフル
マッチの場合の値より小さい場合にミスマッチがある、
即ちSNPが存在すると判定し、フルマッチの場合の値
と同等の場合にはSNPは存在しないと判定する。この
場合も、逆に、SNPを有する配列に相補的な配列を有
するオリゴヌクレオチドに光応答性有機基を結合してな
るオリゴヌクレオチドをDNAチップに固定化し、フル
マッチの場合にSNPが存在すると判定してもよい。
【0026】なお、SNPの存在が知られていない配列
について、SNPの存在を検出したい場合は、既知の配
列のコンセンサス配列に相補的な配列に光応答性有機基
を結合したものと試験すべきオリゴヌクレオチドとの立
体配置による二重鎖形成能の差をSNPを検出するのに
十分な数の試料について例えば上記(i)、(ii)の方
法により調べ、予め調べておいたコンセンサス配列と上
記光応答性の有機基を結合した相補的な配列との立体配
置による二重鎖形成能の差と比較し、この差が小さくな
るものがあればその配列にSNPが存在することを知る
ことができる。二重鎖形成能の差は、光応答性の有機基
がSNPの存在する位置またはその近傍にある場合に、
より小さくなるため、光応答性の有機基の結合位置が異
なるオリゴヌクレオチドを複数種類用い、各々の立体構
造による二重鎖形成能の差を調べることにより、SNP
のおおよその存在箇所を知ることができる。さらに、S
NPが存在すると考えられる位置の塩基(例えばA)が
コンセンサス配列と異なる(例えばG,C,T)配列に
相補的な配列を有し、光応答性の有機基が該位置または
その近傍に結合されたオリゴヌクレオチドを、SNPを
有する配列を有するオリゴヌクレオチドと接触させ、ど
の配列とフルマッチであるかを調べることにより、SN
Pの正確な位置及び塩基を特定することができる。得ら
れた結果をコンピューター解析することにより効率よく
SNPを解析することができる。
【0027】また、SNPの位置及び塩基が知られてい
る配列について、特定の試料がそのSNPを有するか否
かを調べる場合は、該SNPを有する配列に相補的な配
列を有し、好ましくは該SNPの位置またはその近傍に
光応答性の有機基を結合したオリゴヌクレオチドを用い
て、例えば上記(i)または(ii)の方法により、フル
マッチであるかミスマッチであるか調べ、フルマッチで
あれば、試験すべき配列にそのSNPが存在すると判定
することができる。また、逆にコンセンサス配列に相補
的な配列を有し、光応答性の有機基を結合したオリゴヌ
クレオチドを用い、ミスマッチであれば、そのSNPが
存在すると判定することもできる。なお、この場合、S
NPは特定の疾病、特定の体質に関するものであること
ができ、これにより、特定の疾病の罹患、特定の疾病に
対する感受性、特定の薬物に対する感受性、特定の体質
等を調べることができ、これにより得られた情報を用い
て診断、治療等を行うことが可能である。
【0028】
【実施例】実施例1:ホスホアミダイトモノマーの合成 まず、テトラヘドロン(Tetrahedron)誌1992年第
48巻2223頁、ニュークレイック・アッシズ・リサ
ーチ(Nucleic Acids Research)誌1987年第15
巻6131頁、およびザ・ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(The Journal of Organic Che
mistry)誌1989年第54巻2321頁に記載の手法
に従い、ウリジンの5’と3’の水酸基を1,3−ジク
ロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサ
ンで保護し、続いてN3位をベンジルクロリドで保護し
た。次にマクロモレキュールズ(Macromolecules)誌1
984年第17巻782頁以降に記載の方法に従って合
成した4−ブロモメチルアゾベンゼンを、上記保護ウリ
ジンに加え、ジメチルホルムアミドに溶解させた。これ
を−20℃に冷却し、ジメチルホルムアミドに分散させ
た水素化ナトリウムをゆっくり加えることによって、
2’位にアゾベンゼンを導入した。この後定法に従って
保護基を外し、2’−O−(p−フェニルアゾベンジ
ル)ウリジンを合成した(Uazo)。その後、ザ・ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journ
al of Organic Chemistry)誌1997年第62巻8
46頁に記載の方法にしたがって、下記式に示すよう
に、5’位にジメチルトリチル基を、3’位にホスホロ
アミジドを付加して、ホスホアミダイトモノマー(Amid
ite−Uazo)を合成した。
【0029】
【化5】
【0030】実施例2:ホスホアミダイトモノマーの合
成 オリゴヌクレオチドの5’末端に導入することを目的と
して、以下のようなホスホアミダイトモノマーを合成し
た。4−ブロモアゾベンゼンとエチレングリコールをジ
メチルホルムアミドに溶解させ、−20℃で水素化ナト
リウムを滴下して、2−(p−フェニルアゾ)ベンジル
オキシエタノール(下記式中、X1)を合成した。同様
にして3−(p−フェニルアゾ)ベンジルオキシ−1−
プロパノール(下記式中、X2)を合成した。これに上
記と同様にしてホスホロアミジドを付加したホスホアミ
ダイトモノマー(下記式中、Amidite-X1およびAmidite-
X2)を合成した。
【0031】
【化6】
【0032】実施例3:光応答性オリゴヌクレオチドの
合成 次にDNAを合成機を用いて、上記のホスホアミダイト
モノマーを使用して様々な配列を持つ本発明の光応答性
オリゴヌクレオチドを合成した。また比較のため、上記
アゾベンゼン導入ウリジンの代わりにチミジンを導入す
る以外は全く同じ配列の、天然型のオリゴヌクレオチド
も同様にDNA合成機を使用して合成した。表1に合成
したオリゴヌクレオチドを示す。
【0033】
【表1】
【0034】次に、これに対応する相補鎖を加えて二重
鎖の安定性を、融解温度で評価した。融解温度測定の条
件を以下に示す。 pH(10mmol/リットルNaHPOバッファ
ー):7.0 オリゴヌクレオチド:50μmol/リットル 塩化ナトリウム:1mol/リットル 測定波長:260nm 温度掃引速度:−1.0℃/min 測定温度範囲:60℃〜−5℃
【0035】以上の条件下で測定した融解温度を表2に
示す。UV光照射前のアゾベンゼン残基は80%以上が
トランス体であった。UV照射は、オリゴヌクレオチド
を入れた試料に、キセノンランプをUVD−36Cフィ
ルターを通して300nm以上400nm以下の光を1
0分間照射することにより行った。その結果、80%以
上がシス体に変化した。融解温度は、融解温度曲線の一
次微分の極大値を与える温度として求めた。
【0036】
【表2】
【0037】このように、アゾベンゼン誘導体残基を結
合したオリゴヌクレオチドを、これとフルマッチの相補
鎖とハイブリダイズさせる場合、UV光照射により、即
ち、アゾベンゼンをトランス体からシス体にすることに
より、5℃以上も融解温度が変化することが明らかとな
った。更に驚くべきことに実験番号1に示した本発明の
オリゴヌクレオチドは、トランス体では、対応する従来
のオリゴヌクレオチド(実験番号5)より5℃以上融解
温度が高く、アゾベンゼンの導入により二重鎖形成能が
高くなっていることがわかる。一方比較例に示すように
従来の未修飾のオリゴヌクレオチドでは、UV照射前後
でほとんど融解温度の変化はなかった。この後、キセノ
ンランプをL−42フィルターを通すことにより420
nm以上の可視光を10分間照射したところ、80%以
上がトランス体に戻った。上記と同じ条件で融解温度を
求めたところ、UV照射前の値と誤差範囲内で一致し
た。このように可逆的に融解温度が変化することが明ら
かとなった。上記の操作を5回繰り返したが、特に劣化
することなく可逆的にアゾベンゼン残基は異性化した。
それに伴い融解温度も可逆的に変化した。
【0038】実施例4:ホスホアミダイトモノマーの合
【0039】
【化7】
【0040】テトラヘドロン(Tetrahedron)誌1998
年第39巻9015〜9018頁に記載の方法に従い、
以下の手法でアゾベンゼンをオリゴヌクレオチドの側鎖
として導入した。まずジメチルスルホキシド(DMF)
中で、ジシクロヘキシルカルボジイミドと1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾールの存在下で反応させることによ
り、4−アミノアゾベンゼンを2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)プロピオン酸に、アミド結合によって導入し
た(上記式の1)。得られた化合物(上記式の1)はヘ
キサン−クロロホルム混合溶媒から再結晶することによ
り精製した。次にピリジン・塩化メチレン混合溶媒中で
4−ジメチルアミノピリジンの存在下で4,4−ジメト
キシトリチル(DMT)クロリドと反応させることによ
り、化合物(上記式の1)の一方の水酸基をジメトキシ
トリチル基(DMT)で保護した(上記式の2)。得ら
れた化合物(上記式の2)は、展開溶媒として塩化メチ
レン:トリエチルアミン:メタノール=90:5:10
の混合溶媒を使用して、シリカゲル・クロマトグラフ法
により分離精製した。この後ザ・ジャーナル・オブ・オ
ーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic C
hemistry)誌1997年第62巻846頁に記載の方法
に従って、もう一方の水酸基にホスホロアミジドを付加
して、ホスホアミダイトモノマー(上記式の3)を合成
した。
【0041】実施例5:光応答性オリゴヌクレオチドの
合成 DNA合成機を用いて、実施例4で合成したホスホアミ
ダイトモノマーを使用して様々な配列を持つ本発明の光
応答性オリゴヌクレオチドを合成した。得られた光応答
性オリゴヌクレオチドには全て、ホスホアミダイトモノ
マー(上記式の3)の不斉炭素に基づく二つのジアステ
レオマーが存在し、これらは液体クロマトグラフィー
(HPLC)で以下の条件で完全に分離することができ
た。 カラム:Merck LiChrospher 100 RP-18(e) 通液速度:1.0ml/min 展開溶媒:50mMの蟻酸アンモニウムを含むアセトニトリ
ル/水混合溶媒 その際、アセトニトリルの濃度が25分で5%から25
%に直線的に増加するような溶離条件で行った。以上の
条件で、保持時間の短い(先に溶出してくる)方のジア
ステレオマーを、以下の実験に使用した。合成した光応
答性オリゴヌクレオチドの一つ(光応答性オリゴヌクレ
オチド(6))を下記式に示す。
【0042】
【化8】
【0043】試験例:DNA合成機を用いて、表3に示
す4種類の被験オリゴヌクレオチドa,b,c,dを合
成し、上記実施例5で合成した光応答性オリゴヌクレオ
チド(6)との二重鎖形成能を測定した。オリゴヌクレ
オチドaは上記光応答性オリゴヌクレオチド(6)とフ
ルマッチの配列を有するオリゴヌクレオチドであり、b
は上記光応答性オリゴヌクレオチドで光応答性有機基を
結合させた塩基に相当する塩基がTではなくGである配
列を有するオリゴヌクレオチドであり、cは上記光応答
性オリゴヌクレオチドで光応答性有機基を結合させた塩
基に相当する塩基がTではなくAである配列を有するオ
リゴヌクレオチドであり、dは上記光応答性オリゴヌク
レオチドで光応答性有機基を結合させた塩基に相当する
塩基がTではなくCである配列を有するオリゴヌクレオ
チドである。
【0044】
【表3】
【0045】1MのNaClを含有する10mMリン酸
緩衝液(pH7.1)に実施例5で合成した光応答性オ
リゴヌクレオチドを50μMの濃度となるように添加し
た水溶液を調製した。また、1MのNaClを含有する
10mMリン酸緩衝液(pH7.1)に表3の4種の被
験オリゴヌクレオチドa,b,c,dを各々50μMの
濃度となるように添加して、水溶液を調製した。上記で
調製した光応答性オリゴヌクレオチドの水溶液と、被験
オリゴヌクレオチドの水溶液の各々とを混合し、260
nmの吸光度を測定することにより、アゾベンゼン基がト
ランス体である場合のTmを求めた。また、各々の混合
液につき、30℃で混合した時の260nmの吸光度か
らアゾベンゼン基がトランス体である場合の二重鎖形成
量を測定した。次に、各々の混合溶液に 紫外線(波長
300〜400nm)を照射することにより、アゾベン
ゼンの構造をシス体とした。その後、上記と同様の方法
により、Tm、30℃における二重鎖形成量を求めた。
各混合液の、アゾベンゼン基がトランス体である場合及
びシス体である場合のTm、その差、及び30℃におけ
る二重鎖形成量の差を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】表4に示されるように、フルマッチの場合
の立体構造による二重鎖形成量の差と、1塩基のミスマ
ッチがある場合の立体構造による二重鎖形成量の差は著
しく異なる。従って、この値に基づき、フルマッチであ
るかミスマッチがあるかを検出することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の光応答性オリゴヌクレオチドを
用いることにより、SNPの検出精度を著しく高めるこ
とができ、また長いオリゴヌクレオチドについても高い
検出精度でSNPを検出できるため、SNP解析の効率
を高めることができる。また、特定の体質や疾病を診断
する場合に、本発明の光応答性オリゴヌクレオチドを用
いて、該体質や疾病に関連するSNPがあるか否かを検
出することにより、信頼性の高い結果を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 F Fターム(参考) 2G054 CA22 CB10 GA02 GA03 4B024 AA01 AA11 AA20 CA09 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ42 QR32 QR55 QR66 QR84 QS03 QS32 QS36 QX02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験すべきオリゴヌクレオチドの配列と
    相補的な配列または1〜数塩基を除いて相補的な配列を
    有するオリゴヌクレオチドに特定波長の光の照射により
    構造異性化する有機基を1または複数個結合させてな
    り、試験すべきオリゴヌクレオチドとの二重鎖形成能を
    該光の照射により変化させることが可能なSNP検出用
    オリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 上記光応答性有機基の結合位置が、SN
    Pが存在するか存在する可能性のある位置またはその近
    傍であることを特徴とする請求項1記載のSNP検出用
    オリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 上記光応答性有機基が、特定波長の光の
    照射によりで可逆的に構造異性化する有機基であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のSNP検出用オ
    リゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 上記光応答性有機基がアゾベンゼンまた
    はその誘導体の残基であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のSNP検出用オリゴヌクレオ
    チド。
  5. 【請求項5】 上記光応答性有機基が、ポリメチレン鎖
    中の炭素原子に共有結合的に結合され、該ポリメチレン
    鎖の両端の炭素原子の各々が隣り合うヌクレオチドのリ
    ン酸基の各々に共有結合することにより、上記オリゴヌ
    クレオチドに結合していることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のSNP検出用オリゴヌクレオ
    チド。
  6. 【請求項6】 該光応答性有機基がヌクレオチドのリボ
    ースの2’位に共有結合することにより、上記オリゴヌ
    クレオチドに結合していることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のSNP検出用オリゴヌクレオ
    チド。
  7. 【請求項7】 該光応答性有機基が5’末端の、3’末
    端のまたはホスホジエステル結合を形成するリン酸基に
    直接または炭素原子数1〜10のアルキレン基を介して
    共有結合することにより、上記オリゴヌクレオチドに結
    合していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載のSNP検出用オリゴヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のS
    NP検出用オリゴヌクレオチドを1種類当たり1または
    複数個、1または複数種類固定化したDNAチップ。
  9. 【請求項9】 試験すべきオリゴヌクレオチドを、請求
    項1〜7のいずれか1項に記載のSNP検出用オリゴヌ
    クレオチドと接触させ、該有機基の立体構造の違いによ
    る二重鎖形成能の差を調べ、両オリゴヌクレオチドが完
    全に相補的である場合の差と比較することにより、両配
    列が完全に相補的であるか1〜数塩基を除いて相補的で
    あるかを判断することからなるSNPの検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    SNP検出用オリゴヌクレオチドを含むSNP検出用キ
    ット。
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