JP2011205849A - 電動車両制御装置および電動車両制御方法 - Google Patents

電動車両制御装置および電動車両制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外乱の相殺によるドライバの運転負荷の軽減を図るとともに、自然な運転感覚を残しドライバに与える違和感の軽減を図る。
【解決手段】トルク検出手段と、走行速度検出手段と、ドライバによるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度とに基づいて、トルク指示値を生成する制駆動力制御手段1と、トルク検出値がトルク指示値になるようにフィードバック制御を行う電動機制御手段とを備え、制駆動力制御手段は、アクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度とに基づいて、トルク基本値を算出するトルク基本値演算部11と、走行速度およびトルク検出値に基づいて、変動量の推定値を算出する変動量推定部12と、推定値に基づいてトルク補正値を算出し、トルク基本値に所望量のトルク補正値を加算することでトルク指示値を生成するトルク指示値演算部13とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輪を駆動するための動力源として電動機を備える自動車の制御に関し、特に、電動機による駆動や回生制動を車両状態や道路状況に応じて制御する電動車両制御装置および電動車両制御方法に関する。
内燃機関や油圧ブレーキに比べて、電動機による制動や駆動は、その制駆動力の出力調整および検出が容易である。このため、動力源として電動機を備える自動車においては、ドライバの運転負荷低減を図る種々の制御方法が考案されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。このような従来の制御方法における運転負荷低減は、特に、外乱と称される意図しない環境の変化を打ち消すものが多い。
特許文献1では、自動車の走行路面における縦断勾配を、打ち消されるべき外乱の主対象としている。具体的な制御方法としては、この勾配を推定することで、勾配による斜面分力に相当する制動力を付与する制御を実施し、縦断勾配という外乱の影響を打ち消している。これにより、ドライバは、勾配のある坂道を走行する場合においても、平坦な路面を走行している場合と同じ加減速特性を得ることができ、坂道走行時の運転負荷が軽減される。
また、特許文献2では、外乱の主対象として、追い風や向かい風や車重の増加を具体例とし、さらには想定外の外乱も考慮している。具体的な制御方法としては、平坦で外乱のない路面を走行する場合の仮想的な目標加速度を定め、実際の加速度をこの仮想的な目標加速度に一致するようにフィードバック制御系を構成することで、あらゆる外乱を打ち消している。
さらに、この特許文献2は、坂道を走行する場合においては、この勾配による斜面分力の全てを相殺すると、かえって逆にドライバに違和感を与えることを指摘している。この点を考慮して、特許文献2では、勾配のみを別途推定し、全てを打ち消すのではなく、その影響の一部のみを打ち消すようにしている。
特許第3263844号公報 特開2009−106130号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
外乱の相殺によるドライバの運転負荷軽減技術と、その逆効果として、ドライバに与える違和感とについて考察を進めた結果、ドライバによっては、次の状況においても違和感を持つ場合があることをつきとめた。その状況とは、荷物の積載量や乗車人員が増減した場合において、この重量増加分の全てを打ち消す場合である。言い換えると、車重が重い場合には、アクセルの踏込みに対する加速感が、ある程度ゆっくりとしたものである方が、ドライバに自然な感じを与えるということである。
従って、特許文献2に開示されているように、車重の変化による加減速の変化を全て打ち消した場合においては、ドライバによっては、逆に違和感を覚える場合がある。
一方で、特許文献1に開示されているように、車重の変化に対する加減速の変化をなんら抑制しない場合においては、車重の変化に対して、アクセルやブレーキの踏込み量の調整をするドライバの運転負荷をなんら軽減できないことになる。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、外乱の相殺によるドライバの運転負荷の軽減を図ることと、自然な運転感覚を残しドライバに与える違和感の軽減を図ることの両立を図った電動車両制御装置および電動車両制御方法を得ることを目的とする。
本発明に係る電動車両制御装置は、走行用動力源として電動機を備えた車両の走行制御を行う電動車両制御装置において、電動機の駆動トルクまたは制動トルクをトルク検出値として検出するトルク検出手段と、車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、ドライバによるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度検出手段により検出された走行速度とに基づいて、トルク指示値を生成する制駆動力制御手段と、トルク検出手段により検出されたトルク検出値が制駆動力制御手段で生成されたトルク指示値になるようにフィードバック制御による走行制御を行う電動機制御手段とを備え、制駆動力制御手段は、アクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度とに基づいて、想定した基本状態に対応したトルク基本値を算出するトルク基本値演算部と、走行速度およびトルク検出値に基づいて、乗車人員数や積載荷重の多寡によって、想定した基本状態から変動する全車重を推定値として算出する変動量推定部と、想定した基本状態に相当する全車重に対する変動量推定部で算出された全車重推定値の比率から車重増減量を算出し、算出した車重増減量に所定の車重補正係数を乗算することで車重増減量に起因して変動する加減速度の変動分の所望量を打ち消す方向に働く車重補正トルクを算出し、トルク基本値演算部で算出されたトルク基本値に車重補正トルクを加算することでトルク指示値を生成するトルク指示値演算部とを有するものである。
また、本発明に係る電動車両制御方法は、走行用動力源として電動機を備えた車両の走行制御を行う電動車両制御方法において、電動機の駆動トルクまたは制動トルクをトルク検出値として検出するトルク検出ステップと、車両の走行速度を検出する走行速度検出ステップと、ドライバによるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度検出ステップにより検出された走行速度とに基づいて、トルク指示値を生成する制駆動力制御ステップと、トルク検出ステップにより検出されたトルク検出値が制駆動力制御ステップで生成されたトルク指示値になるようにフィードバック制御による走行制御を行う電動機制御ステップとを備え、制駆動力制御ステップは、アクセル操作量およびブレーキ操作量と、走行速度とに基づいて、想定した基本状態に対応したトルク基本値を算出するトルク基本値演算ステップと、走行速度およびトルク検出値に基づいて、乗車人員数や積載荷重の多寡によって、想定した基本状態から変動する全車重を推定値として算出する変動量推定ステップと、想定した基本状態に相当する全車重に対する変動量推定ステップで算出された全車重推定値の比率から車重増減量を算出し、算出した車重増減量に所定の車重補正係数を乗算することで車重増減量に起因して変動する加減速度の変動分の所望量を打ち消す方向に働く車重補正トルクを算出し、トルク基本値演算ステップで算出されたトルク基本値に車重補正トルクを加算することでトルク指示値を生成するトルク指示値演算ステップとを有するものである。
本発明に係る電動車両制御装置および電動車両制御方法によれば、車速およびトルク検出値から全車重推定値を算出し、算出した推定値に基づいて自動車および走行環境が基本状態であるときのトルク基本値に対して所望の補正を加えたトルク指示値を算出し、電動機のトルク制御を行うことにより、外乱の相殺によるドライバの運転負荷の軽減を図ることと、自然な運転感覚を残しドライバに与える違和感の軽減を図ることとの両立を図った電動車両制御装置および電動車両制御方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1における電気自動車の全体的なシステム構成図である。 本発明の実施の形態1における制駆動力制御器の主要な機能的構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における制駆動力制御器による一連の制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の電動車両制御装置および電動車両制御方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電気自動車(以下、単に自動車ということがある)の全体的なシステム構成図であり、電動車両制御装置を含む主要部分を示している。図1に示す全体構成は、制駆動力制御器1、電動機制御回路2、アクセル操作量検出器3、ブレーキ操作量検出器4、車速検出器5、バッテリ6、電動機7、および駆動輪8を示している。
制駆動力制御器1は、本発明の要所であり、ドライバのアクセル操作量、ブレーキ操作量、および車速に基づいて、電動機7が出力すべきトルクであるトルク指示値を逐次決定する部分であり、詳細は後述する。
電動機制御回路2は、いわゆるパワーエレクトロニクス回路であり、トルク指示値に応じて電動機制御回路2中に含まれるスイッチング素子(図示せず)のオン・オフを繰り返すことで、電動機7に流すべき電流量を調整し、電動機から生じるトルク量を制駆動力制御器1から出力されるトルク指示値に一致させるものである。
アクセル操作量検出器3は、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ量に相当するアクセル操作量を検出するための検出器である。また、ブレーキ操作量検出器4は、ドライバがブレーキペダルを踏み込んだ量に相当するブレーキペダル操作量を検出するための検出器である。
車速検出器5は、自動車の走行速度である車速を検出するための検出器である。この車速検出器5は、必ずしもセンサとしての実体を備えるわけではなく、電動機の回転速度から演算した値をもって、当該検出値の代用としてもよい。
バッテリ6は、電動機7の電力源としてエネルギーを蓄える蓄電池であり、電動機制御回路2を通じて電動機7に電力を供給する。また、回生制動中においては、電動機7からの回生電流を、電動機制御回路2を経由して回生電力として収受する。
駆動輪8には、走行用の動力源としての電動機7の発生するトルクが、ドライブシャフト(図示せず)や変速機(図示せず)を通して伝達され、自動車を駆動ないし制動する力が、走行路面との間で発生する。なお、図1においては、駆動輪8が2輪である場合を例示しているが、前輪および後輪の計4輪が駆動輪であってもよい。
次に、制駆動力制御器1のより詳細な機能について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態1における制駆動力制御器1の主要な機能的構成を示す図である。これらの機能は、ハードウェアとして実装される必要はなく、同機能をマイコンのソフトウェアプログラムとして実装させることでも実現できる。図2に示す制駆動力制御器1は、トルク基本値演算部11、変動量推定部12、およびトルク指示値演算部13を備えて構成されている。
トルク基本値演算部11は、車速およびドライバのアクセルやブレーキの操作に基づいて、自動車および走行環境が基本状態である場合に電動機7が出力すべきトルク(以下、トルク基本値と呼ぶ)を演算する部分である。
ここで、「自動車が基本状態である」とは、この自動車を設計した際に想定した乗車人員と積載荷重と自動車自身の車重の総和であるところの、設計時に想定した全車重と、実際の全車重(詳細は後述する)とが等しい状態であることを指す。なお、この設計時に想定した全車重を、「実際の全車重」と対比させて「基本の全車重」と呼ぶこととする。この基本の全車重は、自動車の設計時に定まる値である。
また、「走行環境が基本状態である」とは、追い風、向かい風などがなく、平坦な路面である状態を指す。
変動量推定部12は、実際の走行時における変動要素(変動量)を推定する部分であり、自動車の走行する路面の縦断勾配を推定するとともに、「実際の全車重」を推定する。ここで、実際の全車重とは、自動車の実際の車重と、実際の乗車人員と、実際の積載荷重の総和を指す。また、以下では、この変動量推定部12が出力する縦断勾配の推定値および実際の全車重の推定値を、それぞれ勾配推定値、全車重推定値と呼ぶこととする。
トルク指示値演算部13は、トルク基本値演算部11が演算したトルク基本値と、変動量推定部12が推定した勾配推定値および全車重推定値を用いて、トルク指示値を演算する部分である。すなわち、このトルク指示値演算部13は、前述のとおり、自動車が基本状態にある場合に好適なトルクであるトルク基本値を、実際の勾配と実際の全車重を加味して補正することで、実際の走行環境や実際の全車重において好適なトルクであるトルク指示値へと変換する演算をおこなう部分である。
次に、以上の機能的構成を有する制駆動力制御器1の制御処理を、図3に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態1における制駆動力制御器1による一連の制御処理を示すフローチャートである。制駆動力制御器1は、所定の演算周期で、この図3に示すフローチャートを実行し、トルク指示値を電動機制御回路へ送信する。以下、制駆動力制御器1によるこの一周期分の一連処理の内容について説明する。
制駆動力制御器1内のトルク基本値演算部11は、まず、当該時間周期におけるトルク基本値Tbを求める(ステップS301)。このトルク基本値Tbは、アクセル操作量検出値と、ブレーキ操作量検出値と、車速の3つの検出値によって一意に決まる。具体的には、これら3つの検出値を軸とする3次元マップがマイコン中のメモリにプログラムされており、トルク基本値演算部11は、表引き処理と必要に応じた補間処理によって、トルク基本値Tbを算出する。
このマップの設定値は、一般には、アクセル操作量が多いほどトルク基本量が大きくなるように、そして、ブレーキ操作量が多いほどトルク基本量が小さくなるように(通例、負の値であるから、その絶対値は大きくなる)設定されている。ただし、数字の正負については、自動車をその前方へと加速させる駆動側のトルクを正とし、減速させる制動側のトルクを負と定義する。
次いで、制駆動力制御器1内の変動量推定部12は、当該時間周期における全車重推定値Mestおよび勾配推定値θestを決定する(ステップS302)。なお、変動量推定部12は、これらの推定値を求める具体的な方法としては、公知の手法を用いる。例えば、以下の文献を挙げることができる。
・「シャシー制御システムのための車両質量推定方法」社団法人自動車技術会2008年春季学術講演会前刷集No.57-08
・Vahidi, A.; Druzhinina, M.; Stefanopoulou, A.; Huei Peng, "Simultaneous mass and time-varying grade estimation for heavy-duty vehicles," American Control Conference, 2003. Proceedings of the 2003 , vol.6, no., pp. 4951-4956 vol.6, 4-6 June 2003
次いで、制駆動力制御器1内のトルク指示値演算部13は、当該時間周期におけるトルク指示値Tcを決定する(ステップS303)。このトルク指示値Tcの決定方法の処理内容の主要部分は、車重補正と勾配補正から構成されるので、以下では、この2つに分けて詳細に説明する。
[車重補正処理について]
トルク指示値演算部13は、この車重補正処理において、まず、車重増減係数Δmを求める。この車重増減係数Δmは、下式(1)によって算出される。
Δm=(全車重推定値Mest)÷(基本の全車重)− 1 (1)
なお、この車重増減係数Δmは、基本の全車重に比して、実際の車重がどの程度増減しているのかを示す割合に相当する。
次いで、トルク指示値演算部13は、車重補正トルクΔTmを求める。この車重補正トルクΔTmは、下式(2)によって算出される。
ΔTm
=(車重補正係数αm)×(車重増減係数Δm)×(トルク基本値Tb) (2)
ここで、車重補正係数αmは、車重補正をどの程度行うかを定量的に示す係数である。この車重補正係数αmの値は、ドライバ自身が好適と感じるようにドライバが設定可能としてもよいし、あるいは、本装置の製造工程段階においてマイコンのフラッシュメモリ中に書き込むなどしてもよく、この係数の設定方法自体は問わない。ただし、車重補正係数αmとしては、通常、0以上1以下の値が設定される。
ドライバが、ある一定の加減速度を得ようと、アクセルやブレーキを操作する状況において、乗車人員数や積載荷重の多寡によって全車重が基本値から変動している場合には、必要となるアクセル操作量やブレーキ操作量も、全車重の変動に応じて変動することとなる。このため、ドライバの運転負荷が大きくなっていた。
これに対して、上式(2)のように車重補正トルクΔTmを求めることで、全車重の推定結果に基づいて、基本の全車重に対する車重変動量を打ち消す方向に電動機の制駆動トルクを補正することができる。この結果、全車重の変動に対するドライバの運転負荷を軽減することができる。
さらに、車重補正係数αmによる重みを適切に設定することで、全車重の増減量の一部のみを打ち消すような所望の加減速度を付与することができる。言い換えると、車重の変化によってドライバがアクセルやブレーキの踏込み量を調整するという負荷を軽減しつつも、車重が重ければ重いほど加減速が鈍くなる(すなわち、アクセルやブレーキの踏込み量を多くする必要がある)という自然な運転間隔を残すという2点の両立を図ることができる。
[勾配補正処理について]
トルク指示値演算部13は、この勾配補正処理において、まず、斜面分力のトルク換算値Tgradを求める。このTgradは、下式(3)によって算出される。
Tgrad=(全車重推定値Mest)
×(重力加速度g)
×(勾配推定値θestの正接値)
×(トランスミッション係数Gtrans) (3)
次いで、トルク指示値演算部13は、勾配補正トルクΔTgを求める。この勾配補正トルクΔTgは、下式(4)によって算出される。
ΔTg=(勾配補正係数αg)×(斜面分力のトルク換算値Tgrad) (4)
ここで、勾配補正係数αgは、勾配補正をどの程度行うかを定量的に示す係数である。この勾配補正係数αgの値の設定方法は、前述した車重補正係数の設定方法と同様、その設定方法は問わない。また、勾配補正係数αgとしては、通常、0以上1以下の値が設定される。
ドライバが、ある一定の加減速度を得ようと、アクセルやブレーキを操作する状況において、平坦で外乱のない路面を走行する状態から道路勾配が変動している場合には、必要となるアクセル操作量やブレーキ操作量も、道路勾配の変動に応じて変動することとなる。このため、ドライバの運転負荷が大きくなっていた。
これに対して、上式(4)のように勾配補正トルクΔTgを求めることで、勾配の推定結果に基づいて、走行路の状況に応じた斜面分力の変動量を打ち消す方向に電動機の制駆動トルクを補正することができる。この結果、ドライバが道路勾配に応じてアクセルやブレーキを操作する量を減らすことができ、勾配の変動に対するドライバの運転負荷を軽減することができる。
さらに、勾配補正係数αgによる重みを適切に設定することで、斜面分力の増減量の一部のみを打ち消すような所望の加減速度を付与することができる。言い換えると、道路勾配の変化によってドライバがアクセルやブレーキの踏込み量を調整するという負荷を軽減しつつも、例えば、上り勾配が急であれば急なほど加速が鈍く、減速が速くなる(すなわち、アクセルやブレーキの踏込み量を多くする、あるいは少なくする必要がある)という自然な運転間隔を残すという2点の両立を図ることができる。
最終的に、トルク指示値演算部13は、以上のように算出した、車重補正トルクΔTmと、勾配補正トルクΔTgとを、トルク基本値Tbに合算して、トルク指示値Tcとする。
Tc=トルク基本値Tb+車重補正トルクΔTm+勾配補正トルクΔTg (5)
以上のように、実施の形態1によれば、車速およびトルク検出値から全車重推定値および勾配推定値を算出し、算出したこれらの推定値に基づいて自動車および走行環境が基本状態であるときのトルク基本値に対して所望の重みで補正を加えたトルク指示値を算出し、電動機のトルク制御を行うことができる。この結果、外乱の相殺によるドライバの運転負荷の軽減を図ることと、自然な運転感覚を残しドライバに与える違和感の軽減を図ることとの両立を図った電動車両制御装置および電動車両制御方法を実現できる。
なお、上式(5)では、車重補正トルクΔTmと勾配補正トルクΔTgの両方を加算することでトルク指示値Tcを算出していたが、いずれか一方のみを加算することによっても、上述した両立の効果を得ることが可能である。
また、トルク補正値(車重補正トルクΔTmおよび勾配補正トルクΔTg)を算出するに当たっては、先の図1には図示していない前後加速度検出手段により検出した前後加速度を加味することで、推定精度の向上を図ることができる。
また、電動機だけで制駆動を行うのではなく、他の制駆動力源も併用している場合(例えば、油圧ブレーキを作動させるような場合)には、他の制駆動力源による制駆動力も考慮して全車重推定値あるいは勾配推定値を算出することで、推定精度の向上を図ることができる。この結果、ドライバの運転負荷をさらに軽減することができる。
1 制駆動力制御器(制駆動力制御手段)、2 電動機制御回路(電動機制御手段)、3 アクセル操作量検出器、4 ブレーキ操作量検出器、5 車速検出器(走行速度検出手段)、6 バッテリ、7 電動機、8 駆動輪、11 トルク基本値演算部、12 変動量推定部、13 トルク指示値演算部。

Claims (5)

  1. 走行用動力源として電動機を備えた車両の走行制御を行う電動車両制御装置において、
    前記電動機の駆動トルクまたは制動トルクをトルク検出値として検出するトルク検出手段と、
    車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
    ドライバによるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、前記走行速度検出手段により検出された前記走行速度とに基づいて、トルク指示値を生成する制駆動力制御手段と、
    前記トルク検出手段により検出された前記トルク検出値が前記制駆動力制御手段で生成された前記トルク指示値になるようにフィードバック制御による走行制御を行う電動機制御手段と
    を備え、
    前記制駆動力制御手段は、
    前記アクセル操作量および前記ブレーキ操作量と、前記走行速度とに基づいて、想定した基本状態に対応したトルク基本値を算出するトルク基本値演算部と、
    前記走行速度および前記トルク検出値に基づいて、乗車人員数や積載荷重の多寡によって、想定した前記基本状態から変動する全車重を推定値として算出する変動量推定部と、
    想定した基本状態に相当する全車重に対する前記変動量推定部で算出された全車重推定値の比率から車重増減量を算出し、算出した前記車重増減量に所定の車重補正係数を乗算することで前記車重増減量に起因して変動する加減速度の変動分の所望量を打ち消す方向に働く車重補正トルクを算出し、前記トルク基本値演算部で算出された前記トルク基本値に前記車重補正トルクを加算することで前記トルク指示値を生成するトルク指示値演算部と
    を有することを特徴とする電動車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動車両制御装置において、
    前記変動量推定部は、前記走行速度および前記トルク検出値に基づいて、走行路の状態によって変動する道路勾配を推定値としてさらに算出し、
    前記トルク指示値演算部は、想定した基本状態に相当する平坦な状態からの勾配として前記変動量推定部で算出された道路勾配推定値に基づいて、道路勾配に起因して変動する加減速度の変動分の所望量を打ち消す方向に働く勾配補正トルクを算出し、前記トルク基本値演算部で算出された前記トルク基本値に前記車重補正トルクおよび前記勾配補正トルクを加算することで前記トルク指示値を生成する
    ことを特徴とする電動車両制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両制御装置において、
    前後加速度を検出する前後加速度検出手段をさらに備え、
    前記変動量推定部は、前記前後加速度検出手段により検出された前記前後加速度の情報も利用して前記推定値を算出する
    ことを特徴とする電動車両制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動車両制御装置において、
    前記変動量推定部は、他の制駆動力源が備わっており、前記他の制駆動力源が動作状態にある場合には、前記他の制駆動力源による制駆動力も考慮して前記推定値を算出する
    ことを特徴とする電動車両制御装置。
  5. 走行用動力源として電動機を備えた車両の走行制御を行う電動車両制御方法において、
    前記電動機の駆動トルクまたは制動トルクをトルク検出値として検出するトルク検出ステップと、
    車両の走行速度を検出する走行速度検出ステップと、
    ドライバによるアクセル操作量およびブレーキ操作量と、前記走行速度検出ステップにより検出された前記走行速度とに基づいて、トルク指示値を生成する制駆動力制御ステップと、
    前記トルク検出ステップにより検出された前記トルク検出値が前記制駆動力制御ステップで生成された前記トルク指示値になるようにフィードバック制御による走行制御を行う電動機制御ステップと
    を備え、
    前記制駆動力制御ステップは、
    前記アクセル操作量および前記ブレーキ操作量と、前記走行速度とに基づいて、想定した基本状態に対応したトルク基本値を算出するトルク基本値演算ステップと、
    前記走行速度および前記トルク検出値に基づいて、乗車人員数や積載荷重の多寡によって、想定した前記基本状態から変動する全車重を推定値として算出する変動量推定ステップと、
    想定した基本状態に相当する全車重に対する前記変動量推定ステップで算出された全車重推定値の比率から車重増減量を算出し、算出した前記車重増減量に所定の車重補正係数を乗算することで前記車重増減量に起因して変動する加減速度の変動分の所望量を打ち消す方向に働く車重補正トルクを算出し、前記トルク基本値演算ステップで算出された前記トルク基本値に前記車重補正トルクを加算することで前記トルク指示値を生成するトルク指示値演算ステップと
    を有することを特徴とする電動車両制御方法。
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