JP2011205320A - 差動トランスインピーダンス増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】同相入力電流成分に対する耐性を大きくする。
【解決手段】入力端子IT,ICのそれぞれに一対の電流引抜回路IS1,IS2を接続し、入力信号合成回路12で得られた、入力端子IT,ICのそれぞれの信号を合成した同相入力電圧と、基準となる参照電圧VREFとの差電圧に応じた制御信号を制御用増幅器13で生成し、電流引抜回路IS1,IS2で、この制御信号に応じた電流引抜量を入力電流信号から引き抜く。
【選択図】 図1

Description

本発明は、増幅回路技術に関し、特に同相入力電流成分に対する耐性の大きな差動トランスインピーダンス増幅器に関する。
高速データ伝送を可能とする光伝送システム、光インターコネクション、パッシブオプティカルネットワーク(以下、PONという:Passive Optical Network)システム等の光伝送回路では、光信号を電気信号に変換する光受信器において、差動トランスインピーダンス増幅器を用いる。
差動トランスインピーダンス増幅器は、入力された差動入力電流信号を、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得で差動出力電圧信号に変換して出力する増幅器である。
図6は、従来の差動トランスインピーダンス増幅器を示すブロック図である。図7は、従来の差動トランスインピーダンス増幅器を示す回路図である。
従来の差動トランスインピーダンス増幅器50は、非反転入力端子ITおよび反転入力端子ICへ入力された入力電圧信号を増幅し、非反転出力端子OTおよび反転出力端子OCから出力電圧信号を出力するコア差動増幅器51と、非反転入力端子ITと反転出力端子OCとを接続する帰還抵抗RF1と、反転入力端子ICへと非反転出力端子OTとを接続する帰還抵抗RF2とから構成されている(例えば、非特許文献1など参照)。
具体的には、このコア差動増幅器51には、差動トランジスタ対をなすトランジスタQ11,Q12と、コレクタ接地増幅器をなすトランジスタQ21,Q22とが設けられている。
このうち、Q11は、ベース端子がITに接続され、コレクタ端子が負荷抵抗RL1を介して電源電位VCCに接続され、エミッタ端子がエミッタ抵抗RE1の一端に接続されている。Q12は、ベース端子がICに接続され、コレクタ端子が負荷抵抗RL2を介してVCCに接続され、エミッタ端子がエミッタ抵抗RE2の一端に接続されている。
また、Q21は、ベース端子がQ11のコレクタ端子に接続され、コレクタ端子がVCCに接続され、エミッタ端子が電流源IS21を介して供給電位VEE(VCC>VEE)に接続されている。Q22は、ベース端子がQ12のコレクタ端子に接続され、コレクタ端子がVCCに接続され、エミッタ端子が電流源IS22を介してVEEに接続されている。このコア差動増幅器51の動作については、例えば、非特許文献2など参照。
そして、RE1,RE2の他端とVEEとの間に電流源IS10が接続されている。差動トランスインピーダンス増幅器50は、このコア差動増幅器51において、ITとQ21のエミッタ端子すなわちOCとの間に帰還抵抗RF1を接続し、入力端子ICとQ22のエミッタ端子すなわちOTとの間に帰還抵抗RF2を接続したものである。通常、帰還抵抗RF1と帰還抵抗RF2の抵抗値は同じ値に設定する。
非反転入力端子ITと反転入力端子ICに差動入力電流信号がある場合を考える。非反転入力端子ITに+Iidの入力電流信号があって、非反転入力端子ITに+Vidの電圧が発生し、反転入力端子ICに−Iidの入力電流信号があって、反転入力端子ICに−Vidの電圧が発生しているものとする。コア差動増幅器51は、非反転入力端子ITと反転入力端子ICの電位差を増幅し、非反転出力端子OTと反転出力端子OCにはそれぞれ+Vod,−Vodの電圧を発生する。このときコア差動増幅器51の差動電圧増幅率をGDとすると、Vod=GD・Vidである。このため、帰還抵抗RF1,RF2において、それぞれ(1+1/GD)・Vod,−(1+1/GD)・Vodの電圧降下が生じる。
一方、コア差動増幅器51の入力インピーダンスは非常に高くなっているため、差動トランスインピーダンス増幅器50に入力された差動入力電流信号の大部分は、帰還抵抗RF1,RF2を介して非反転出力端子OTおよび反転出力端子OCに流れる。このため、RF・Iid=(1+1/GD)・Vodの関係が成立する。言い換えれば、単位入力電流あたり、RF/(1+1/GD)の抵抗値を乗じた値の出力電圧が得られる。この抵抗値をトランスインピーダンス利得と呼ぶ。通常、コア差動増幅器51の差動電圧増幅率GDの値は非常に大きな値であるため、差動トランスインピーダンス増幅器の差動トランスインピーダンス利得は、ほぼRFに等しい。
"Compound Semiconductor IC Symposium 2008", H. 2, pp. 120-123, Oct. 2008 P.R.グレイ・R.G.メイヤー著、永田穣監訳、「超LSIのためのアナログ集積回路設計技術(上)」、培風館、1990年
従来の差動トランスインピーダンス増幅器50において、入力インピーダンスに着目する。差動入力インピーダンスZIDは、前述した議論におけるIid,Vidから、ZID=Vid/Iidにより求められる。前述した議論においてRF・Iid=(1+1/GD)・Vod=(1+GD)・Vidであるから、ZID=RF/(1+GD)と導出される。
一方、従来の差動トランスインピーダンス増幅器50に、同相電流信号が入力した場合を考える。この場合、非反転入力端子ITと反転入力端子ICにはともに+Iicの入力電流信号があって、非反転入力端子ITと反転入力端子ICにはともに+Vicの電圧が発生する。コア差動増幅器51の同相電圧増幅率を−GC とすると、非反転出力端子OTと反転出力端子OCにはともに−Vocの電圧が発生し、VicとVocとの間には、Voc=GC・Vicの関係が成り立つ。帰還抵抗RF1とRF2の電圧降下は、それぞれ非反転入力端子IT−反転出力端子OC間電圧、反転入力端子IC−非反転出力端子OT間電圧に等しく、(1+GC)・Vicである。この値はRF・Iicと等しくなるはずであるので、同相入力インピーダンスZIC=Vic/Iicは、ZIC=RF/(1+GC)で表される。
この際、コア差動増幅器51では、一般に、GDが1に比べて充分大きな値となり、GCが1に比べて充分小さい値となるよう設計されており、その結果、同相除去比(GD/GC)は極めて大きくなっている。こうしたGD,GCに関する性質を考慮すると、ZIDはRFをGDで除した値とほぼ等しく、RFに比べて小さい値となり、ZICはほぼRFに等しい値となる。
ここで、差動トランスインピーダンス増幅器50に同相入力電流成分Iicが入力された場合には、入力端子ITおよびICの電位がZIC・Iicだけ増加することになる。また、ZIC≒RFであることを考慮するとRF・Iic程度と見積もられ、この変化量は差動入力電流成分Iidが入力された場合の変化量ZID・Iid≒RF・Iid/GDに比べて極めて大きくなる。
このため、従来の差動トランスインピーダンス増幅器によれば、同相電流入力がある場合に増幅器が良好な特性を発揮する条件から逸脱しやすくなり、出力波形が歪みやすくなるなどの不具合が発生するという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、同相入力電流成分に対する耐性の大きな差動トランスインピーダンス増幅器を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる差動トランスインピーダンス増幅器は、一対の入力端子から入力された入力電流信号の差動入力成分を、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得で出力電圧信号に変換し、一対の出力端子から出力する増幅器本体と、一対の入力端子に接続されて、これら入力端子のそれぞれの信号を合成することにより入力電流信号の同相入力成分を示す同相入力電圧を出力する入力信号合成回路と、同相入力電圧と基準となる参照電圧との差電圧に応じた制御信号を出力する制御用増幅器と、一対の入力端子にそれぞれ接続されて、制御信号に応じた電流引抜量を入力電流信号から引き抜く一対の電流引抜回路とを備えている。
この際、参照電圧を発生して制御用増幅器へ出力する参照電圧発生回路をさらに備え、参照電圧発生回路として、増幅器本体の同相半回路を用い、当該同相半回路の入力端子の電位を参照電圧として出力させてもよい。
また、一対の出力端子に接続されて、これら出力端子のそれぞれの信号を合成することにより出力電圧信号の同相出力成分を示す同相出力電圧を生成し、得られた同相出力電圧を参照電圧として制御用増幅器へ出力する出力信号合成回路をさらに備えてもよい。
本発明によれば、入力電流信号に含まれる同相入力成分を一対の電流引抜回路により吸収し、一対の入力端子に対する同相入力電圧を参照電圧に応じた一定電圧に保持することができ、同相入力電流成分に対する耐性の大きな差動トランスインピーダンス増幅器を実現することが可能となる。したがって、差動トランスインピーダンス増幅器が、良好な特性を発揮する条件から逸脱しにくくなり、出力波形の歪みなどの不具合の発生を抑制することができる。
第1の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の同相入力耐性特性を示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示す回路図である。 参照電圧発生回路の構成例を示す回路図である。 第3の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示す回路図である。 従来の差動トランスインピーダンス増幅器を示すブロック図である。 従来の差動トランスインピーダンス増幅器を示す回路図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示すブロック図である。
この差動トランスインピーダンス増幅器10は、非反転入力端子ITと反転入力端子ICとから入力された入力電流信号を、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得で出力電圧信号に変換し、非反転出力端子OTと反転出力端子OCとから出力する機能を有している。
本実施の形態は、入力端子IT,ICのそれぞれに一対の電流引抜回路を接続し、入力信号合成回路で得られた、入力端子IT,ICのそれぞれの信号を合成した同相入力電圧と、基準となる参照電圧との差電圧に応じた制御信号を制御用増幅器で生成し、電流引抜回路で、この制御信号に応じた電流引抜量を入力電流信号から引き抜くようにしたものである。
この差動トランスインピーダンス増幅器10には、主な回路部として、増幅器本体11、入力信号合成回路12、制御用増幅器13、および電流引抜回路IS1,IS2が設けられている。
増幅器本体11は、非反転入力端子と反転出力端子との間に帰還抵抗RF1が接続されるとともに、反転入力端子と非反転出力端子との間に帰還抵抗RF2が接続されたコア差動増幅器11Aからなり、入力端子IT,ICから入力された入力電流信号を、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得で出力電圧信号に変換し、一対の出力端子から出力する機能を有している。増幅器本体11の具体例としては、例えば前述した図7の回路構成を用いてもよい。
入力信号合成回路12は、抵抗ネットワーク回路などの信号合成回路からなり、入力端子IT,ICに接続されて、これら入力端子IT,ICのそれぞれの信号、すなわち非反転入力信号と反転入力信号とを合成して、入力電流信号の同相入力成分を示す同相入力電圧を出力する機能を有している。
入力信号合成回路12の具体例としては、図1に示すように、例えば、一端が非反転入力端子ITに接続されて他端が制御用増幅器13の非反転入力端子に接続された抵抗素子RM1と、一端が反転入力端子ICに接続されて他端が制御用増幅器13の非反転入力端子に接続された抵抗素子RM2とからなる抵抗ネットワーク回路を用いてもよい。この際、RM1,RM2として、互いに等して抵抗値であって、増幅器本体11の入力インピーダンスより十分大きな値を持つ抵抗素子を用いる。
制御用増幅器13は、一般的なオペアンプなどの増幅器からなり、入力信号合成回路12で得られた同相入力電圧を非反転入力端子から取り込むとともに、基準となる参照電圧VREFを反転入力端子から取り込み、これら同相入力電圧と参照電圧VREFとの差電圧を増幅することにより、差電圧に応じた電圧値を有する制御信号を出力する機能を有している。この制御信号は、同相入力電圧が参照電圧VREFを上回ると電圧値が上昇し、同相入力電圧が参照電圧VREFを下回ると電圧値が低下する。なお、参照電圧VREFについては、公知の電圧発生回路を用いて生成すればよい。
電流引抜回路IS1,IS2は、それぞれ一般的な電流源からなり、入力端子IT,ICにそれぞれ接続されて、入力電流信号、すなわち入力端子IT,ICの非反転入力信号と反転入力信号とから、制御信号に応じた同じ電流引抜量だけそれぞれ引き抜く機能を有している。この電流引抜回路IS1,IS2は、制御信号の電圧値が上昇すると電流引抜量が増加し、制御信号の電圧値が低下すると電流引抜量が減少する。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の動作について説明する。
入力端子IT,ICから入力電流信号が入力された場合、入力信号合成回路12は、これら入力端子IT,ICの非反転入力信号と反転入力信号とを合成して、入力電流信号の同相入力成分を示す同相入力電圧を出力する。
制御用増幅器13は、これら同相入力電圧と参照電圧VREFとの差電圧を増幅することにより、差電圧に応じた電圧値を有する制御信号を出力する。
電流引抜回路IS1,IS2は、制御用増幅器13から出力された制御信号の電圧に応じた電流引抜量を、入力端子IT,ICの入力電流信号から引き抜く。
したがって、入力電流信号に含まれる同相入力成分の大きさに応じた電流引抜量が、入力電流信号から電流引抜回路IS1,IS2により吸収されることになり、結果として、入力端子IT,ICに対する同相入力電圧を、参照電圧VREFに応じた一定電圧に保持することができる。
図2は、第1の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の同相入力耐性特性を示す説明図である。ここでは、差動トランスインピーダンス増幅器10へ入力される直流同相入力電流値に対する入力端子電圧の変化量を、シミュレーションにより求めたものである。横軸は入力端子IT,ICへの直流電流入力値、縦軸は入力端子IT,ICの電圧値である。
図6に示した従来の差動トランスインピーダンス増幅器の同相入力耐性特性21と、本実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の同相入力耐性特性22とを比較すると、本実施の形態を適用することにより、入力端子電圧の変動を大幅に抑制されていることがわかる。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、入力端子IT,ICのそれぞれに一対の電流引抜回路IS1,IS2を接続し、入力信号合成回路12で得られた、入力端子IT,ICのそれぞれの信号を合成した同相入力電圧と、基準となる参照電圧VREFとの差電圧に応じた制御信号を制御用増幅器13で生成し、電流引抜回路IS1,IS2で、この制御信号に応じた電流引抜量を入力電流信号から引き抜くようにしたので、入力電流信号に含まれる同相入力成分は電流引抜回路IS1,IS2によって吸収され、入力端子IT,ICに対する同相入力電圧を、参照電圧VREFに応じた一定電圧に保持することができる。
これにより、同相入力電流成分に対する耐性の大きな差動トランスインピーダンス増幅器を実現することが可能となる。
また、入力端子IT,ICに入力される電流信号は、通常その差動入力成分にのみ情報が重畳されている。このため、入力電流信号の差動入力成分の周波数スペクトルは広帯域にわたっているが、同相入力成分の有する周波数スペクトルの分布は特定の範囲に限られる。本実施の形態によれば、抵抗ネットワーク回路などの信号合成回路からなる入力信号合成回路を用いて同相入力成分が抽出でき、大容量の容量素子などの大型の受動素子を用いる必要がない。このため、このような受動素子を用いた場合と比較して、回路サイズやチップ面積の増大によるコストアップ、集積回路外に大型受動素子を備えた場合のモジュール構成の複雑化や実装コストの上昇など、各種のデメリットを回避することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器について説明する。図3は、第2の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示す回路図であり、図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
本実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器10は、制御用増幅器13で用いる参照電圧VREFの具体例として、参照電圧発生回路14を備えている。
参照電圧発生回路14は、増幅器本体の同相半回路からなり、増幅器本体の同相半回路の入力端子の電位を参照電圧VREFとして制御用増幅器13の反転入力端子へ出力する機能を有している。
同相半回路は、非反転入力端子ITから反転出力端子OCへ接続される回路構成と、反転入力端子ICから非反転出力端子OTへ接続される回路構成とが対称に接続されて構成されている差動増幅器の回路構成において、その対称軸に沿ってその差動増幅器を分離し、分離した点を開放とした回路であり、その回路規模は対応する差動増幅器の約半分となっている。この同相半回路は、対応する差動増幅器に同相信号が入力された場合と同一の動作を行い、また同相半回路中の各点の直流電圧は、対応する差動増幅器中の各点の直流電圧と同一の値となる(例えば、非特許文献2など参照)。
参照電圧発生回路14の出力端子は、制御用増幅器13の反転入力端子が接続されているだけで、それ以外の端子には接続されていないため、参照電圧発生回路14に含まれる増幅器本体の同相半回路には、如何なる信号も入力されない。従って、この同相半回路の入力端子電圧は、増幅器本体11に同相入力がなかった場合の入力端子電圧と同一の電圧を発生する。このため、増幅器本体11に同相入力がなかった場合の入力端子電圧と同一の電位が参照電圧VREFとして出力される。
図4は、参照電圧発生回路の構成例を示す回路図である。ここでは、増幅器本体11が、前述した図7の回路構成を有していることを前提とした回路が示されている。
この参照電圧発生回路14は、ベース端子が出力端子VREFに接続され、コレクタ端子が負荷抵抗RL3を介して電源電位VCCに接続され、エミッタ端子がエミッタ抵抗RE3および電流源IS30を介して供給電位VEEに接続されているトランジスタQ30と、ベース端子がQ30のコレクタ端子に接続され、コレクタ端子が電源電位VCCに接続され、エミッタ端子が電流源IS40を介して供給電位VEEに接続されているトランジスタQ40と、出力端子VREFとトランジスタQ40のエミッタ端子との間に接続された帰還抵抗RF3とから構成されている。
そして、Q30はQ11,Q12と同一のトランジスタを用い、Q40はQ21,Q22と同一のトランジスタを用い、RF3はRF1,RF2と同一の抵抗値を用い、RL3はRL1,RL2と同一の抵抗値を用い、RE3はRE1,RE2と同一の抵抗値を用いる。また、IS30はIS10の半分の電流値を流し、IS40はIS21,IS22と同一の電流値を流す。
この図4に示した参照電圧発生回路14の構成例と図7に示した増幅器本体11の構成例とを比較すると、図4に示した参照電圧発生回路14の構成例は、図7に示した増幅器本体11の構成例において、対称軸上に配置され単独の電流源となっているIS10を、電流値がIS10の半分で対称軸に対して対称に並列配置した2つの電流源に置き換え、RE1と置き換えた電流源の間の接点とRE2と置き換えたもう一方の電流源の間の接点とを接続する、対称軸を横切る結線を開放した回路構成と同一であり、図4に示した参照電圧発生回路14の構成例が図7に示した増幅器本体11の構成例の同相半回路となっていることがわかる。
このように、参照電圧発生回路14を、増幅器本体11の同相半回路に相当する回路構成とすると、参照電圧発生回路14において、増幅器本体11が無入力の場合の入力端子電圧と同一値の参照電圧VREFを発生することができるとともに、電源電圧変動や温度変動等の動作特性にも追従できる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、増幅器本体11の同相半回路からなる参照電圧発生回路14により、増幅器本体の同相半回路の入力端子の電位を参照電圧として制御用増幅器13へ出力するものである。
これにより、増幅器本体11が無入力の場合の入力端子電圧と同一値の参照電圧VREFを発生することができるとともに、電源電圧変動や温度変動等の動作特性にも追従できる。したがって、差動トランスインピーダンス増幅器において、同相入力電流成分に対して極めて大きな耐性を、安定して得ることができる。
本実施の形態は、最良の効果を得るための構成である。例えば、参照電圧発生回路14に含まれる同相半回路の出力端子は、帰還抵抗RF3を介して入力端子に接続されており、出力端子も入力端子とほぼ同一の電位となっている。この性質を利用すると、参照電圧VREFとして、参照電圧発生回路14に含まれる同相半回路の出力端子電圧、例えば図4の参照電圧発生回路の構成例においてはQ40のエミッタ端子の電位を出力させても、本実施の形態による効果には及ばないが、ほぼ同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器について説明する。図5は、第3の実施の形態にかかる差動トランスインピーダンス増幅器の構成を示す回路図であり、図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第2の実施の形態では、制御用増幅器13で用いる参照電圧VREFを、参照電圧発生回路14で発生させる場合について説明した。本実施の形態では、出力信号合成回路15を設けて、増幅器本体11の出力電圧信号から参照電圧VREFを生成する場合について説明する。
出力信号合成回路15は、抵抗ネットワーク回路などの信号合成回路からなり、出力端子OT,OCに接続されて、これら出力端子OT,OCのそれぞれの信号、すなわち非反転出力信号と反転出力信号とを合成することにより出力電圧信号の同相出力成分を示す同相出力電圧を生成し、得られた同相出力電圧を参照電圧VREFとして制御用増幅器13の反転入力端子へ出力する機能を有している。
出力信号合成回路15の具体例としては、図5に示すように、例えば、一端が非反転出力端子OTに接続されて他端が制御用増幅器13の反転入力端子に接続された抵抗素子RM3と、一端が反転出力端子OCに接続されて他端が制御用増幅器13の反転入力端子に接続された抵抗素子RM4とからなる抵抗ネットワーク回路を用いてもよい。この際、RM3,RM4として、互いに等して抵抗値であって、増幅器本体11の出力インピーダンスより十分大きな値を持つ抵抗素子を用いる。
増幅器本体11を構成するコア差動増幅器11Aの入力インピーダンスは非常に高くなっているため、図5から分かるように、増幅器本体11に入力された入力電流信号は、帰還抵抗RF1,RF2を介して出力端子OT,OCに流れる。このため、増幅器本体11では、入力電流信号の同相入力電流成分がゼロになると、入力端子IT,ICの同相電圧と出力端子OT,OCの同相電圧が一致する。また、前述したように、増幅器本体11を構成するコア差動増幅器11Aの同相除去比は非常に大きいため、出力端子OT,OCの同相電圧は入力端子IT,ICの同相電圧の値に対する依存性が小さいという性質を持つ。
したがって、出力端子IT,ICの同相電圧、すなわち出力電圧信号の同相出力成分を参照電圧VREFとして用いることができる。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、出力端子OT,OCに接続された出力信号合成回路15で、これら出力端子OT,OCのそれぞれの信号を合成することにより出力電圧信号の同相出力成分を示す同相出力電圧を生成し、得られた同相出力電圧を参照電圧VREFとして制御用増幅器13へ出力するようにしたので、第2の実施の形態のように、独立した参照電圧発生回路14を用いることなく、参照電圧VREFを得ることができるため、消費電力や回路面積を削減できる利点がある。
例えば、参照電圧発生回路14の消費電力は、増幅器本体11の約半分であるが、電流引抜回路IS1,IS2と制御用増幅器13の消費電力は、増幅器本体11に比べると小さく、無視できる程度か大きくても半分以下と見積もられる。このため、本実施の形態を適用すれば、第2の実施の形態と比較して、差動トランスインピーダンス増幅器10全体の消費電力を、3/4から2/3程度まで削減することができる。
また、回路面積については、消費電力と同程度までの削減効果はないが、差動トランスインピーダンス増幅器10自体は、他の回路要素とは異なり、入力段増幅器としてコンパクトな回路レイアウトが要求されるため、わずかでもレイアウト面積が削減できることは大きな利点となる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
また、以上の実施の形態において、実際の回路では、入力値のバランスの崩れや回路定数のばらつきなど、理想的でない場合がある。このような場合には、例えば制御用増幅器13の非反転入力端子と接地電位との間、あるいは制御用増幅器13の反転入力端子と接地電位との間に、僅かな容量値の容量素子を接続してもよい。これにより回路を安定動作させることができる。
10…差動トランスインピーダンス増幅器、11…増幅器本体、11A…コア差動増幅器、12…入力信号合成回路、13…制御用増幅器、14…参照電圧発生回路、15…出力信号合成回路、RF1,RF2,RF3…帰還抵抗、RM1,RM2,RM3,RM4…抵抗素子、IS1,IS2…電流引抜回路、Q11,Q12,Q21,Q22,Q30,Q40…トランジスタ、RL1,RL2,RL3…負荷抵抗、IS10,IS21,IS22…電流源、RE1,RE2,RE3…エミッタ抵抗、IT…非反転入力端子、IC…反転入力端子、OT…非反転出力端子、OC…反転出力端子、VCC…電源電位、VEE…供給電位。

Claims (3)

  1. 一対の入力端子から入力された入力電流信号の差動入力成分を、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得で出力電圧信号に変換し、一対の出力端子から出力する増幅器本体と、
    前記一対の入力端子に接続されて、これら入力端子のそれぞれの信号を合成することにより前記入力電流信号の同相入力成分を示す同相入力電圧を出力する入力信号合成回路と、
    前記同相入力電圧と基準となる参照電圧との差電圧に応じた制御信号を出力する制御用増幅器と、
    前記一対の入力端子にそれぞれ接続されて、前記制御信号に応じた電流引抜量を前記入力電流信号から引き抜く一対の電流引抜回路と
    を備えることを特徴とする差動トランスインピーダンス増幅器。
  2. 請求項1に記載の差動トランスインピーダンス増幅器は、
    前記参照電圧を発生して前記制御用増幅器へ出力する参照電圧発生回路をさらに備え、
    前記参照電圧発生回路は、前記増幅器本体の同相半回路からなり、前記同相半回路の入力端子の電位を前記参照電圧として出力することを特徴とする差動トランスインピーダンス増幅器。
  3. 請求項1に記載の差動トランスインピーダンス増幅器は、
    前記一対の出力端子に接続されて、これら出力端子のそれぞれの信号を合成することにより前記出力電圧信号の同相出力成分を示す同相出力電圧を生成し、得られた同相出力電圧を前記参照電圧として前記制御用増幅器へ出力する出力信号合成回路をさらに備えることを特徴とする差動トランスインピーダンス増幅器。
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