JP2011205214A - 受光装置および画像読み取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ列と受光素子列との熱膨張の差異に起因する、受光素子列での受光量の変動を抑制する。
【解決手段】CISは、主走査方向Xに沿って設けられたCMOSイメージセンサ322と、主走査方向Xに複数の柱状レンズ62を配列してなる第1レンズ列63と、主走査方向Xに複数の柱状レンズ62を配列してなる第2レンズ列64とを備え、第1レンズ列63と第2レンズ列64とが副走査方向Yに並べられた状態で、第1レンズ列63の各柱状レンズ62と第2レンズ列64の各柱状レンズ62とが主走査方向Xに互い違いとなるように、第1レンズ列63および第2レンズ列64が保持される。そして、CMOSイメージセンサ322が第1レンズ列63と第2レンズ列64との境界部に沿って配置されるように、CMOSイメージセンサ322を位置決めする。
【選択図】図7
【解決手段】CISは、主走査方向Xに沿って設けられたCMOSイメージセンサ322と、主走査方向Xに複数の柱状レンズ62を配列してなる第1レンズ列63と、主走査方向Xに複数の柱状レンズ62を配列してなる第2レンズ列64とを備え、第1レンズ列63と第2レンズ列64とが副走査方向Yに並べられた状態で、第1レンズ列63の各柱状レンズ62と第2レンズ列64の各柱状レンズ62とが主走査方向Xに互い違いとなるように、第1レンズ列63および第2レンズ列64が保持される。そして、CMOSイメージセンサ322が第1レンズ列63と第2レンズ列64との境界部に沿って配置されるように、CMOSイメージセンサ322を位置決めする。
【選択図】図7
Description
本発明は、受光装置および原稿の画像を読み取る画像読み取り装置に関する。
近年、原稿の画像を読み取る画像読み取り装置として、複数のレンズを並べて構成されたレンズ列および複数の受光素子を並べて構成された受光素子列とを備え、原稿からの反射光を、レンズ列を介して受光素子列で受光する、密着型イメージセンサと呼ばれるものが利用されるようになってきている。
公報記載の従来技術として、レンズ列と受光素子列とを対向して配置するとともに、複数のレンズの配列方向の中央部でレンズ列を位置決めする技術が存在する(特許文献1参照)。
本発明は、レンズ列と受光素子列との熱膨張の差異に起因する、受光素子列での受光量の変動を抑制することを目的とする。
請求項1記載の発明は、第1の方向に沿って配列された複数の受光素子を備えた受光素子列と、複数の第1のレンズを、それぞれの光軸が前記受光素子列に向かう第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第1レンズ列と、複数の第2のレンズを、それぞれの光軸が前記第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第2レンズ列と、前記第1レンズ列および前記第2レンズ列が前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向に並べられた状態で、当該第1レンズ列を構成する複数の前記第1のレンズと当該第2レンズ列を構成する複数の前記第2のレンズとが当該第1の方向に互い違いとなるように、当該第1レンズ列および当該第2レンズ列を保持する保持部と、前記受光素子列が前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に沿って配置されるように当該受光素子列を位置決めする位置決め手段とを含む受光装置である。
請求項2記載の発明は、前記位置決め手段は、前記受光素子列の前記第1の方向の両端部側がそれぞれ前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に位置するように当該受光素子列を位置決めすることを特徴とする請求項1記載の受光装置である。
請求項3記載の発明は、前記第1レンズ列および前記第2レンズ列の前記第1の方向における中央部にて、前記保持部の当該第1の方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項1または2記載の受光装置である。
請求項4記載の発明は、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズが、屈折率分布を有するGRIN(Gradient Index)レンズにて構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の受光装置である。
請求項3記載の発明は、前記第1レンズ列および前記第2レンズ列の前記第1の方向における中央部にて、前記保持部の当該第1の方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項1または2記載の受光装置である。
請求項4記載の発明は、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズが、屈折率分布を有するGRIN(Gradient Index)レンズにて構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の受光装置である。
請求項5記載の発明は、原稿が搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される原稿に光を照射する照射部と、前記原稿の搬送方向と交差する第1の方向に配列された複数の受光素子を備えた受光素子列と、複数の第1のレンズを、それぞれの光軸が前記搬送路および前記受光素子列に向かう第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第1レンズ列と、複数の第2のレンズを、それぞれの光軸が前記第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第2レンズ列と、前記第1レンズ列および前記第2レンズ列が前記原稿の搬送方向である第3の方向に並べられた状態で、当該第1レンズ列を構成する複数の前記第1のレンズと当該第2レンズ列を構成する複数の前記第2のレンズとが当該第1の方向に互い違いとなるように、当該第1レンズ列および当該第2レンズ列を保持する保持部と、前記受光素子列が前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に沿って配置されるように当該受光素子列を位置決めする位置決め手段とを含む画像読み取り装置である。
請求項6記載の発明は、前記位置決め手段は、前記受光素子列の前記第1の方向の両端部側がそれぞれ前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に位置するように、当該受光素子列を位置決めすることを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置である。
請求項7記載の発明は、前記搬送路を挟んで前記受光素子列に対向配置され、当該受光素子列による受光結果にシェーディング補正を行うのに使用されるシェーディング補正データを取得するために読み取られる白基準部材をさらに備え、前記受光素子列および前記白基準部材の相対的な位置が固定されていることを特徴とする請求項5または6記載の画像読み取り装置である。
請求項7記載の発明は、前記搬送路を挟んで前記受光素子列に対向配置され、当該受光素子列による受光結果にシェーディング補正を行うのに使用されるシェーディング補正データを取得するために読み取られる白基準部材をさらに備え、前記受光素子列および前記白基準部材の相対的な位置が固定されていることを特徴とする請求項5または6記載の画像読み取り装置である。
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、レンズ列と受光素子列との熱膨張の差異に起因する、受光素子列での受光量の変動を抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、より簡易に受光素子列の位置決めを行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、熱膨張が生じた際のレンズ列の伸び量を少なくすることができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、受光装置を小型化することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、レンズ列と受光素子列との熱膨張の差異に起因する、受光素子列での受光量の変動を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、より簡易に受光素子列の位置決めを行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、熱膨張が生じた際の光量変動を抑制した状態で、シェーディング補正を行うことが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、より簡易に受光素子列の位置決めを行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、熱膨張が生じた際のレンズ列の伸び量を少なくすることができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、受光装置を小型化することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、レンズ列と受光素子列との熱膨張の差異に起因する、受光素子列での受光量の変動を抑制することができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、より簡易に受光素子列の位置決めを行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、熱膨張が生じた際の光量変動を抑制した状態で、シェーディング補正を行うことが可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される読み取り装置の全体構成の一例を示す図である。
この読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次搬送する原稿送り装置10と、スキャンによって原稿の第1面(表面)の画像を読み取るスキャナ装置40とを備えている。
図1は本実施の形態が適用される読み取り装置の全体構成の一例を示す図である。
この読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次搬送する原稿送り装置10と、スキャンによって原稿の第1面(表面)の画像を読み取るスキャナ装置40とを備えている。
原稿送り装置10は、複数枚の原稿Mからなる原稿束を積載する原稿収容部11、この原稿収容部11の下方に設けられ、読み取りが終了した原稿Mを積載する排紙収容部12を備える。また、原稿送り装置10は原稿収容部11の原稿Mを取り出して搬送する取り出しロール13を備える。さらに、取り出しロール13の原稿搬送方向下流側には、原稿Mを1枚ずつに捌く捌き機構14が設けられる。原稿Mが搬送される搬送路15には、原稿搬送方向上流側から順に、プレレジロール16、レジロール17、プラテンロール18、アウトロール19、および排出ロール20が設けられる。プレレジロール16は、1枚ずつに捌かれた原稿Mを下流側のロールに向けて搬送すると共に原稿Mのループ形成を行う。レジロール17は、回転し一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿Mを供給する。プラテンロール18は、スキャナ装置40にて読み込み中の原稿Mの搬送を補助する。アウトロール19は、スキャナ装置40にて読み込まれた原稿Mをさらに下流に搬送する。そして、排出ロール20は、読み込まれた原稿Mをさらに搬送すると共に排紙収容部12に排出する。
また、原稿送り装置10において、プラテンロール18とアウトロール19との間には、搬送される原稿Mの第2面(裏面)の画像を読み取るCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)30が設けられている。
一方、スキャナ装置40は、上述した原稿送り装置10を開閉可能に支持すると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム41によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの第1面(表面)の画像読み取りを行う。このスキャナ装置40は、筐体を形成する装置フレーム41、画像を読み込むべき原稿Mが静止させた状態で置かれる第1プラテンガラス42A、プラテンロール18の下方に設けられ、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mを読み取るための光の開口部を構成する第2プラテンガラス42Bを備えている。
また、スキャナ装置40は、第2プラテンガラス42Bの下に静止し、あるいは第1プラテンガラス42Aの全体にわたってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ43、フルレートキャリッジ43から得られた光を結像部へ供給するハーフレートキャリッジ45を備えている。ここで、フルレートキャリッジ43は、原稿Mに光を照射する光源装置44Aおよび光源装置44Aからの光を原稿Mに向けて反射する光源ミラー44Bと、原稿Mから得られた反射光を受光する第1ミラー46Aとを備えている。さらに、ハーフレートキャリッジ45は、第1ミラー46Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー46Bおよび第3ミラー46Cを有している。
さらにまた、スキャナ装置40は、結像用レンズ47および受光部の一例としてのCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ48を備えている。これらのうち、結像用レンズ47は、第3ミラー46Cから得られた光学像を光学的に縮小する。また、CCDイメージセンサ48は、結像用レンズ47によって結像された光学像を光電変換する。
そして、スキャナ装置40は、制御・画像処理ユニット49をさらに備える。この制御・画像処理ユニット49は、CCDイメージセンサ48や上述したCIS30から入力される原稿の表裏面の画像データに各種画像処理を施す。また、制御・画像処理ユニット49は、読み取り装置の読み取り動作における各部の動作を制御する。
一方、スキャナ装置40は、第1プラテンガラス42Aの副走査方向一端部側に設けられ、プラテンロール18からアウトロール19に向かって搬送される原稿Mを、上方に向けて傾斜させながら案内するための案内部材50を備えている。また、案内部材50は、第1プラテンガラス42Aと対向する側において、主走査方向に伸びて設けられる第1白基準部材51と、搬送路15を挟んでCIS30と対向する側において、主走査方向に伸びて設けられる第2白基準部材52とを備えている。なお、第1白基準部材51は、搬送あるいは固定される原稿Mの第1面を読み取った際のシェーディング補正に使用する第1シェーディング補正データを作成するために用いられる。また、第2白基準部材52は、搬送される原稿Mの第2面を読み取った際のシェーディング補正に使用する第2シェーディング補正データを作成するために用いられる。
そして、図1に示す読み取り装置において、原稿送り装置10は、スキャナ装置40に対して図中奥側を支点として開閉自在に取り付けられている。そして、スキャナ装置40に対して原稿送り装置10が閉じられた際に、スキャナ装置40の案内部材50に取り付けられた第2白基準部材52が、原稿送り装置10に設けられたCIS30と対向するようになっている。
例えば第1プラテンガラス42Aに置かれた原稿Mの画像を読み取る固定読み取りモードでは、フルレートキャリッジ43とハーフレートキャリッジ45とが、2:1の割合で矢印方向に移動する。このとき、フルレートキャリッジ43に設けられた光源装置44Aからの光が、原稿Mの被読み取り面(第1面)に照射される。そして、原稿Mからの反射光が第1ミラー46A、第2ミラー46B、および第3ミラー46Cの順に反射されて結像用レンズ47に導かれる。結像用レンズ47に導かれた光は、CCDイメージセンサ48の受光面に結像される。CCDイメージセンサ48を構成する各色用のセンサは1次元のセンサであり、1ライン分を一括に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)と交差する方向(スキャンの副走査方向)にフルレートキャリッジ43およびハーフレートキャリッジ45を移動させ、原稿Mの次のラインを読み取る。これを原稿Mの全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
一方、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの画像を読み取る搬送読み取りモードでは、副走査方向に搬送される原稿Mがこの第2プラテンガラス42Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ43およびハーフレートキャリッジ45は、図1に示す実線の位置に停止した状態におかれる。そして、搬送されてくる原稿Mの1ライン目の反射光が、第1ミラー46A、第2ミラー46B、および第3ミラー46Cを経て結像用レンズ47にて結像され、CCDイメージセンサ48によって画像が読み込まれる。すなわち、CCDイメージセンサ48によって主走査方向の1ライン分を一括に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿Mの次の主走査方向の1ライン分が読み込まれる。そして、原稿Mの先端が第2プラテンガラス42Bの読み取り位置に到達した後、この原稿Mの後端が第2プラテンガラス42B上の読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの原稿読み取りが完了する。
そして、本実施の形態では、このようにフルレートキャリッジ43とハーフレートキャリッジ45とを停止させ、第2プラテンガラス42Bを介してCCDイメージセンサ48により原稿Mの第1面の読み取りを行う原稿Mの搬送時に、CIS30によって、この原稿Mの第2面の読み取りを行うことが可能となっている。すなわち、CCDイメージセンサ48とCIS30とを用いて、搬送路15への原稿Mの一度の搬送で、この原稿Mにおける表裏両面の画像を読み取ることを可能としている。
次に、上述したCIS30の構成について詳細に説明する。
図2は受光装置の一例としてのCIS30の構成の一例を示す断面図である。ここで、図2は、原稿Mの搬送方向に沿ってCIS30を切断した断面図を示している。なお、以下の説明においては、原稿Mの搬送方向を副走査方向Yと呼び、原稿Mの面に垂直な方向を光軸方向Zと呼び、副走査方向Yおよび光軸方向Zに直交する方向を主走査方向Xと呼ぶ。ここで、主走査方向Xは第1の方向に、光軸方向Zは第2の方向に、副走査方向Yは第3の方向に、それぞれ対応している。
図2は受光装置の一例としてのCIS30の構成の一例を示す断面図である。ここで、図2は、原稿Mの搬送方向に沿ってCIS30を切断した断面図を示している。なお、以下の説明においては、原稿Mの搬送方向を副走査方向Yと呼び、原稿Mの面に垂直な方向を光軸方向Zと呼び、副走査方向Yおよび光軸方向Zに直交する方向を主走査方向Xと呼ぶ。ここで、主走査方向Xは第1の方向に、光軸方向Zは第2の方向に、副走査方向Yは第3の方向に、それぞれ対応している。
CIS30は原稿M(図1参照)に向けて光を発する発光部31と、発光部31から発せられ、原稿Mにて反射される反射光を受光する受光部32とを備える。
ここで、図3(a)は図2のCIS30における発光部31の構成の一例を示す上面図であり、図3(b)は図2のCIS30における受光部32の構成の一例を示す上面図である。以下では、図2に加えて図3も参照しつつ、CIS30の構成についてさらに説明を行う。
ここで、図3(a)は図2のCIS30における発光部31の構成の一例を示す上面図であり、図3(b)は図2のCIS30における受光部32の構成の一例を示す上面図である。以下では、図2に加えて図3も参照しつつ、CIS30の構成についてさらに説明を行う。
発光部31は、筐体部311と、主走査方向Xに沿って筐体部311に取り付けられ、それぞれが光を発する照射部の一例としての2つの導光管312と、筐体部311によって保持され、2つの導光管312から発せられた光を原稿Mに向けて集光する発光側レンズユニット313と、筐体部311に設けられた開口を覆うとともに、発光側レンズユニット313を介して出力される光および原稿Mからの反射光を透過させるカバーガラス314と、筐体部311にて保持され、原稿Mにて反射し且つカバーガラス314を透過してきた光を集光する受光側レンズユニット315とを備えている。なお、図3(a)においては、カバーガラス314の記載を省略しており、カバーガラス314の背面側に存在する発光側レンズユニット313および受光側レンズユニット315を露出させている。
また、発光部31は、筐体部311に対するカバーガラス314の取り付け面側において光軸方向Zとは逆方向に突出形成される複数の突起316をさらに備える。本実施の形態では、4つの突起316が設けられており、主走査方向Xの両端部にそれぞれ2つずつ配置されている。なお、これらの突起316は、図1においてスキャナ装置40に対して原稿送り装置10を閉じた場合に、案内部材50に突き当たることで、案内部材50に対するCIS30の位置決めを行うとともに、CIS30と案内部材50との間に空間すなわち搬送路15を形成するようになっている。
ここで、本実施の形態では、筐体部311が、第1筐体311aと第2筐体311bとを備えており、第1筐体311aに第2筐体311bをはめ込むことによって構成されている。また、2つの導光管312の主走査方向Xの端部側には、図示しない光源が設けられており、2つの導光管312に向けて光を照射するようになっている。
さらに、筐体部311の光軸方向Z下流側の背面には、複数の丸穴311cが形成されている。本実施の形態では、4つの丸穴311cが設けられており、主走査方向Xの両端部に副走査方向Yに沿ってそれぞれ2つずつ配置されている。
一方、受光部32は、内部に電気的な配線(図示せず)が形成された基板321と、基板321の一方の面に取り付けられ、基板321に設けられた配線と電気的に接続されるとともに、発光部31に設けられた受光側レンズユニット315にて集光された光すなわち原稿Mからの反射光を受光するCMOSイメージセンサ322とを備えている。
ここで、基板321には、副走査方向Yに沿って伸びる複数の長穴321aが形成されている。本実施の形態では、発光部31の筐体部311に設けられた丸穴311cに対応して4つの長穴321aが設けられており、主走査方向Xの両端部に副走査方向Yに沿ってそれぞれ2つずつ配置されている。
また、受光素子列の一例としてのCMOSイメージセンサ322は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)構造を有する複数の受光素子(図示せず)を、主走査方向に沿って複数並べた構成を備えている。
そして、発光部31と受光部32とは、スペーサ33を介して対向配置されており、複数のネジ34によって発光部31および受光部32の相対的な位置決めがなされた状態で固定されている。このとき、各ネジ34は、受光部32の基板321に設けられた長穴321aを介して、発光部31の筐体部311に設けられた丸穴311cに保持されるようになっている。なお、複数のネジ34を用いた、発光部31と受光部32との相対的な位置決めの設定手法については後述する。また、本実施の形態では、発光部31の筐体部311に設けられた丸穴311cと、受光部32の基板321に設けられた長穴321aと、ネジ34とによって、位置決め手段が構成されている。
次に、CIS30に設けられた受光側レンズユニット315の構成について説明する。
図4(a)は受光側レンズユニット315の構成の一例を示す斜視図であり、(b)は受光側レンズユニット315の構成の一例を示す上面図である。
図4(a)は受光側レンズユニット315の構成の一例を示す斜視図であり、(b)は受光側レンズユニット315の構成の一例を示す上面図である。
受光側レンズユニット315は、例えば円柱状の形状を有する複数の柱状レンズ62と、複数の柱状レンズ62を内部に収容する枠状のレンズフレーム65とを備えている。そして、本実施の形態では、このレンズフレーム65の内側に、複数の柱状レンズ62が例えば主走査方向Xに沿って副走査方向Yに2列に互い違いに配列されている。そして、複数の柱状レンズ62はそれぞれが光軸方向Zを向くように配列され、接着剤等を用いてレンズフレーム65に固定されている。
以下の説明においては、複数の柱状レンズ62で構成されたレンズ群全体を柱状レンズアレイ61と呼ぶことにする。また、柱状レンズアレイ61のうち、副走査方向Yの上流側において主走査方向Xに並ぶ1列のレンズ群を第1レンズ列63と呼び、第1レンズ列63よりも副走査方向Yの下流側において主走査方向Xに並ぶ1列のレンズ群を第2レンズ列64と呼ぶ。そして、本実施の形態では、第1レンズ列63を構成する複数の柱状レンズ62が第1のレンズとなっており、第2レンズ列64を構成する複数の柱状レンズ62が第2のレンズとなっている。
本実施の形態において、GRIN(Gradient Index)レンズの一例としての柱状レンズ62は、半径方向に屈折率分布を有するガラス材料にて構成されている。なお、柱状レンズ62については、ガラス材料以外に、例えばプラスチック材料を用いて構成してもよい。
また、保持部の一例としてのレンズフレーム65は、例えばガラスファイバ等を分散させたプラスチック材料で構成されている。
また、保持部の一例としてのレンズフレーム65は、例えばガラスファイバ等を分散させたプラスチック材料で構成されている。
続いて、図1に示す制御・画像処理ユニット49について説明する。
図5は、制御・画像処理ユニット49の構成の一例を説明するためのブロック図である。この制御・画像処理ユニット49は、センサ(CCDイメージセンサ48およびCIS30に設けられたCMOSイメージセンサ322)から入力される画像データに処理を施す信号処理部80と、原稿送り装置10およびスキャナ装置40の動作を制御する制御部90とを備えている。
図5は、制御・画像処理ユニット49の構成の一例を説明するためのブロック図である。この制御・画像処理ユニット49は、センサ(CCDイメージセンサ48およびCIS30に設けられたCMOSイメージセンサ322)から入力される画像データに処理を施す信号処理部80と、原稿送り装置10およびスキャナ装置40の動作を制御する制御部90とを備えている。
信号処理部80は、原稿Mの表面(第1面)を読み取るCCDイメージセンサ48からの入力信号に処理を施す第1画像処理部81と、原稿Mの裏面(第2面)を読み取るCMOSイメージセンサ322からの入力信号に処理を施す第2画像処理部82とを備えている。そして、第1画像処理部81で処理が施されたデジタル画像データは第1面画像データとして、また、第2画像処理部82で処理が施されたデジタル画像データは第2面画像データとして、それぞれ外部に出力されるようになっている。
一方、制御部90は、メインコントローラ91、センサコントローラ92、光源コントローラ93、スキャンコントローラ94、および搬送コントローラ95を備える。これらのうち、メインコントローラ91は、原稿送り装置10およびスキャナ装置40の全体を制御する。センサコントローラ92はCCDイメージセンサ48およびCMOSイメージセンサ322による画像データの取り込み動作を制御する。光源コントローラ93は、読み取りタイミングに合わせてスキャナ装置40に設けられた光源装置44A(図1参照)およびCIS30に設けられた光源(図示せず)の点灯・消灯を制御する。スキャンコントローラ94は、スキャナ装置40におけるモータのオン/オフなどを行い、フルレートキャリッジ43およびハーフレートキャリッジ45によるスキャン動作を制御する。搬送コントローラ95は、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロールの動作やフィードクラッチの動作、ゲートの切り替え動作等を制御する。
これらの各種コントローラからは、原稿送り装置10およびスキャナ装置40に対して制御信号が出力され、かかる制御信号に基づいて、これらの動作制御が行われる。そして、メインコントローラ91は、ホストシステムからの制御信号や、例えば自動選択読み取り機能に際して検出されるセンサ出力、ユーザインタフェース(UI)等を介してユーザからの選択等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置10およびスキャナ装置40を制御している。この読み取りモードとしては、上述した固定読み取りモードや搬送読み取りモードが挙げられる。
図6は、図5に示す第2画像処理部82の構成の一例を示すブロック図である。
第2画像処理部82は、CMOSイメージセンサ322で読み取られた生の画像データに対してシェーディング補正を施すシェーディング補正部82aと、シェーディング補正がなされた画像データに対し各種画像処理を含む後処理を施す後処理部82bとを備えている。なお、後処理部82bが実行する画像処理としては、例えば、主走査方向および副走査方向に対する拡大/縮小処理、フィルタを用いたMTF補正あるいは平滑化処理、画像データに対するコントラスト調整、さらには原稿Mの下地除去等が挙げられる。また、CMOSイメージセンサ322がRGB各色の画像データを読み取る機能を備えている場合には、RGB3色の読み取り位置補正や色変換等を実行するようにしてもよい。
第2画像処理部82は、CMOSイメージセンサ322で読み取られた生の画像データに対してシェーディング補正を施すシェーディング補正部82aと、シェーディング補正がなされた画像データに対し各種画像処理を含む後処理を施す後処理部82bとを備えている。なお、後処理部82bが実行する画像処理としては、例えば、主走査方向および副走査方向に対する拡大/縮小処理、フィルタを用いたMTF補正あるいは平滑化処理、画像データに対するコントラスト調整、さらには原稿Mの下地除去等が挙げられる。また、CMOSイメージセンサ322がRGB各色の画像データを読み取る機能を備えている場合には、RGB3色の読み取り位置補正や色変換等を実行するようにしてもよい。
また、第2画像処理部82は、CIS30を用いて第2白基準部材52(図1参照)を読み取って得られたデータに基づいて、CIS30に対応する第2シェーディング補正データを作成するシェーディングデータ作成部82cと、シェーディングデータ作成部82cで作成された第2シェーディング補正データを記憶するとともに、シェーディング補正部82aからの要求に応じて第2シェーディング補正データを出力するシェーディングデータ記憶部82dとをさらに備えている。
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、図5に示す第1画像処理部81も、第2画像処理部82と同じ機能を備えている。
なお、ここでは詳細な説明を省略するが、図5に示す第1画像処理部81も、第2画像処理部82と同じ機能を備えている。
では、図1〜図6を参照して、上述した搬送読み取りモードにおける第2シェーディング補正データの取得手順について説明する。
図1に示す読み取り装置において、スキャナ装置40に対して原稿送り装置10を閉じた状態で、CIS30に設けられた図示しない光源を点灯させると、光源から出力される光が2つの導光管312を介してその周面から外側に出射される。そして、2つの導光管312から出射された光は、発光側レンズユニット313を通過することによって集光された状態でカバーガラス314を通過し、案内部材50に設けられた第2白基準部材52に照射される。そして、第2白基準部材52で反射した光は、カバーガラス314を通過し、受光側レンズユニット315にてCMOSイメージセンサ322の複数の受光素子に集光される。
図1に示す読み取り装置において、スキャナ装置40に対して原稿送り装置10を閉じた状態で、CIS30に設けられた図示しない光源を点灯させると、光源から出力される光が2つの導光管312を介してその周面から外側に出射される。そして、2つの導光管312から出射された光は、発光側レンズユニット313を通過することによって集光された状態でカバーガラス314を通過し、案内部材50に設けられた第2白基準部材52に照射される。そして、第2白基準部材52で反射した光は、カバーガラス314を通過し、受光側レンズユニット315にてCMOSイメージセンサ322の複数の受光素子に集光される。
CMOSイメージセンサ322では各受光素子が光電変換を行い、その結果、CMOSイメージセンサ322はそれぞれの光量に応じた画像データを出力する。CMOSイメージセンサ322から出力された第2白基準部材52の画像データは、第2画像処理部82のシェーディングデータ作成部82cに入力される。そして、シェーディングデータ作成部82cは、入力される画像データに基づいて第2白基準部材52に対応する第2シェーディング補正データを作成し、作成した第2シェーディング補正データをシェーディングデータ記憶部82dに記憶させる。
ここで、本実施の形態では、スキャナ装置40に対して原稿送り装置10を閉じた状態において、CIS30と案内部材50との相対的な位置関係が固定されるようになっている。したがって、第2シェーディング補正データを取得する際の、CIS30による第2白基準部材52の読み取り位置も、固定されるようになっている。
本実施の形態では、搬送路15に第2白基準部材52が露出した状態で配置されているため、原稿Mの搬送に伴って、第2白基準部材52の表面にゴミや汚れが付着しやすくなっている。第2白基準部材52の表面にゴミや汚れが付着した状態で第2シェーディング補正データを取得した場合には、ゴミや汚れに起因して局所的に受光量の変動が生じ、第2シェーディング補正データに局所的に大きな誤差が含まれることになる。特に、本実施の形態では、上述したようにCIS30と第2白基準部材52との相対的な位置関係が固定されているため、第2白基準部材52に局所的に汚れが付着している場合に、CIS30による第2白基準部材52の読み取り位置を副走査方向Yにずらすことが困難である。そして、局所的に大きな誤差を含む第2シェーディング補正データを用いて、原稿Mの画像データをシェーディング補正すると、得られる第2画像データが副走査方向Yに伸びる筋状のむらを局所的に含むものとなってしまう。
一方、本実施の形態では、CIS30において、受光側レンズユニット315として柱状レンズアレイ61を用いている。このため、仮に、2本の導光管312から出射される光の主走査方向Xの光量分布が平坦であり、且つ、第2白基準部材52にゴミや汚れが付着していない状態であったとしても、CMOSイメージセンサ322による第2白基準部材52の受光結果は、柱状レンズ62の配列ピッチに応じた波打ちを有するものとなる。
本実施の形態では、読み取り装置の使用時間の長期間化に伴って読み取り装置の各構成要素が徐々に加熱されていく。このとき、CIS30も加熱されることになり、CIS30を構成する受光側レンズユニット315が熱膨張する。このとき、受光側レンズユニット315の熱膨張に伴って複数の柱状レンズ62の配列ピッチが主走査方向Xに伸びる。また、CIS30が加熱されることにより、CIS30を構成するCMOSイメージセンサ322も熱膨張する。このとき、CMOSイメージセンサ322の熱膨張に伴って複数の受光素子の配列ピッチも主走査方向Xに伸びる。ただし、受光側レンズユニット315とCMOSイメージセンサ322とでは熱膨張の度合いが異なることから、受光側レンズユニット315の主走査方向Xへの伸び量とCMOSイメージセンサ322の主走査方向Xへの伸び量とに違いが生じる。すると、温度上昇に伴って、受光側レンズユニット315を構成する複数の柱状レンズ62とCMOSイメージセンサ322を構成する各受光素子との相対的な位置関係が変化する。その結果、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、波打ちのピーク値(最大点および最小点)が、温度上昇前に比べて主走査方向Xにずれる。また、受光側レンズユニット315とCMOSイメージセンサ322との相対的な位置関係によって、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、波打ちの最大点および最小点の差分が大きくなってしまうことがある。
そして、CIS30の温度上昇前に取得された第2シェーディング補正データを用いて、温度上昇後に取得された原稿Mの画像データをシェーディング補正すると、温度上昇の前後で受光光量の分布形状が変わってしまっているために、受光量のむらの影響が無視できなくなり、得られる第2面画像データがノイズを含むものとなってしまう。特に、波打ちの最大点と最小点との差分が大きくなっている場合には、差分の大きさに応じて副走査方向Yに伸びる周期的な筋状のむらの濃度差が大きくなってしまう。
図7(a)は、本実施の形態で用いたCIS30における柱状レンズアレイ61とCMOSイメージセンサ322との相対的な位置関係、および、このCIS30を用いて第2白基準部材52を読み取った際のCMOSイメージセンサ322による受光結果の一例を示す図である。一方、図7(b)は、比較の形態で用いたCIS30における柱状レンズアレイ61とCMOSイメージセンサ322との相対的な位置関係、および、このCIS30を用いて第2白基準部材52を読み取った際のCMOSイメージセンサ322による受光結果の一例を示す図である。なお、図7(a)、(b)に示すグラフ図において、横軸はCMOSイメージセンサ322を構成する複数の受光素子の主走査方向Xでの位置を、縦軸は各受光素子による受光強度を、それぞれ示している。また、図7(a)、(b)に示すグラフ図を取得するに際して、CIS30の光源の発光強度は同じ大きさとしており、また、読み取り対象となる第2白基準部材52も同じものを用いている。
図7(a)に示す例では、柱状レンズアレイ61を構成する第1レンズ列63と第2レンズ列64との境界部であり、第1レンズ列63および第2レンズ列64のそれぞれと重なる領域に、CMOSイメージセンサ322を配置している。このため、CMOSイメージセンサ322を構成する各受光素子には、第1レンズ列63を構成する柱状レンズ62を通過した光および第2レンズ列64を構成する柱状レンズ62を通過した光が入射するようになっている。したがって、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、受光強度の波打ちのピッチは、第1レンズ列63および第2レンズ列64をそれぞれ構成する柱状レンズ62の配列ピッチの半分に対応している。
一方、図7(b)に示す例では、柱状レンズアレイ61を構成する第1レンズ列63と重なり且つ第2レンズ列64とは重ならない領域に、CMOSイメージセンサ322を配置している。このため、CMOSイメージセンサ322を構成する各受光素子には、第1レンズ列63を構成する柱状レンズ62を通過した光は入射しやすいが、第2レンズ列64を構成する柱状レンズ62を通過した光は入射し難くなっている。したがって、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、受光強度の波打ちのピッチは、第1レンズ列63を構成する柱状レンズ62の配列ピッチに対応している。
なお、この例では、柱状レンズ62としてφ0.6mmのセルフォックレンズ(日本板硝子株式会社の登録商標)を用い、且つ、CMOSイメージセンサ322を構成する複数の受光素子を600dpi(dot per inch)の主走査方向解像度に対応して配置している。このため、例えば図7(a)に示す例では受光強度の波打ちのピッチが受光素子7個分(7画素分)となっており、例えば図7(b)に示す例では受光強度の波打ちのピッチが受光素子14個分(14画素分)となっている。
また、図7(a)に示すグラフ図と図7(b)に示すグラフ図とを比較すると、図7(b)に比べて、図7(a)では受光結果の波打ちの最大点と最小点との差分が小さくなっていることが分かる。これは、図7(b)に示す例では、CMOSイメージセンサ322に対し、主として第1レンズ列63を構成する複数の柱状レンズ62を通過した光が照射されるのに対し、図7(a)に示す例では、CMOSイメージセンサ322に対し、第1レンズ列63を構成する複数の柱状レンズ62を通過した光および第2レンズ列64を構成する複数の柱状レンズ62を通過した光の両者が照射されることに起因する。本実施の形態では、CMOSイメージセンサ322を構成する各受光素子に対し、副走査方向Yに互い違いに並べられた複数の柱状レンズ62を介して光が照射されている。このため、例えば第1レンズ列63を介して照射される光の受光強度が小さくなる部位では、第2レンズ列64を介して照射される光の受光強度が大きくなる。一方、例えば第1レンズ列63を介して照射される光の受光強度が大きくなる部位では、第2レンズ列64を介して照射される光の受光強度が小さくなる。したがって、本実施の形態の構成を採用することで、主走査方向Xに対する受光強度の変動を小さくすることができる。
本実施の形態では、発光部31に設けられた受光側レンズユニット315と受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322とを、図7(a)に示す位置関係を満足するようにCIS30の組み立てを行っている。このため、初期の状態で、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、波打ちの最大点および最小点の差分を、図7(b)に示すような位置関係に設定した場合よりも小さくしている。
また、図7(a)に示す位置関係を満足するように組み立てられたCIS30であっても、温度上昇が生じた場合には、上述した理由により、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、受光強度の波打ちのピーク値(最大点および最小点)が、温度上昇前に比べて主走査方向Xにずれる。ただし、温度上昇が生じた場合であっても、第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、受光強度の波打ちの最大点および最小点の差分が大きくなりにくい。
ここで、図7(a)に示す構成を備えたCISを用い、CIS30の温度上昇前に取得された第2シェーディング補正データを用いて、温度上昇後に取得された原稿Mの画像データをシェーディング補正する場合を考えてみる。この場合において、温度上昇の前後で受光光量の分布形状が変わることになるが、初期状態での受光強度の波打ちの最大点と最小点との差分が抑えられていることから、受光量のむらの影響が無視できる程度となり、得られる第2面画像データがノイズを含みにくいものとなる。また、図7(a)に示す構成を採用した場合、CMOSイメージセンサ322は、柱状レンズアレイ61の下方において第1レンズ列63と第2レンズ列64との境界部に沿って位置することとなるため、受光強度の波打ちの最大点および最小点の差分が大きくなりにくい。その結果、得られる第2面画像データにおいて、副走査方向Yに伸びる筋状のむらが生じにくくなり、且つ、濃度差も抑えることが可能になる。
続いて、本実施の形態におけるCIS30の製造方法について説明する。なお、ここでは、最初に、発光部31および受光部32の製造方法についてそれぞれ説明を行い、次いで、発光部31、受光部32、スペーサ33およびネジ34を用いたCIS30の製造方法について説明を行う。
発光部31の製造にあたっては、まず、第1筐体311aに受光側レンズユニット315の取り付けを行う。このとき、受光側レンズユニット315の主走査方向Xの中央部に、紫外線硬化型接着剤を塗布し、第1筐体311aの中央に設けられた貫通孔の側壁に受光側レンズユニット315をはめ込み、紫外線を照射することによって接着剤を固化させ、両者を接着させる。次に、第1筐体311aと受光側レンズユニット315とを、エポキシ樹脂系接着剤で接着させる。本実施の形態で使用している紫外線硬化型接着剤はエポキシ樹脂系接着剤よりも接着強度が高い。このため、受光側レンズユニット315は、紫外線硬化型接着剤で接着されたその主走査方向Xの中央部を中心として熱による膨張/収縮が許容されるように、第1筐体311aに取り付けられる。
次に、受光側レンズユニット315が取り付けられた第1筐体311aに、2本の導光管312および光源(図示せず)を取り付け、さらに2本の導光管312を覆うように発光側レンズユニット313を取り付ける。そして、第1筐体311aに対し第2筐体311bをはめ込むことで、第1筐体311aと第2筐体311bとの間に発光側レンズユニット313の一部を挟み込むことで、発光側レンズユニット313を固定する。
続いて、発光側レンズユニット313および受光側レンズユニット315を覆うように、第1筐体311aにカバーガラス314を取り付け、カバーガラス314の端部側と第1筐体311aとの間を封止剤(図示せず)にて封止する。また、このとき、第1筐体311aに対する第2筐体311bのはめ込み部を封止剤にて封止してもよい。その後、第1筐体311aに4つの突起316を接着等によって取り付け、発光部31を得る。ただし、第1筐体311aに予め4つの突起316を取り付けておいてもよいし、また、第1筐体311aと4つの突起316とを一体成型したものを用いてもよい。
次に、受光部32の製造にあたっては、まず、基板321にCMOSイメージセンサ322を接着等によって取り付ける。次に、基板321に設けられた電極とCMOSイメージセンサ322に設けられた電極とを、はんだ等によって電気的に接続し、発光部31を得る。
そして、CIS30の製造にあたっては、上述した手順によって得られた発光部31を、図示しない治具に取り付ける。なお、治具には、第2白基準部材52と同じ構造を有する白基準部材が設けられている。
次に、図示しない治具に取り付けられた発光部31に対し、スペーサ33を介して受光部32を配置する。このとき、受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322を、発光部31に設けられた受光側レンズユニット315に対向させるようにする。また、受光側レンズユニット315を構成する柱状レンズアレイ61(第1レンズ列63および第2レンズ列64)とCMOSイメージセンサ322とを、図7(a)に示した位置関係となるように調整する。
次に、図示しない治具に取り付けられた発光部31に対し、スペーサ33を介して受光部32を配置する。このとき、受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322を、発光部31に設けられた受光側レンズユニット315に対向させるようにする。また、受光側レンズユニット315を構成する柱状レンズアレイ61(第1レンズ列63および第2レンズ列64)とCMOSイメージセンサ322とを、図7(a)に示した位置関係となるように調整する。
続いて、受光部32の基板321に設けられた4つの長穴321aを介して、発光部31の筐体部311に設けられた4つの丸穴311cに、それぞれネジ34を取り付ける。ただし、このとき4つのネジ34によって締め付けを行わないようにする。すると、4つの長穴321aを有する基板321およびCMOSイメージセンサ322を有する受光部32は、発光部31に対して主走査方向Xに対する移動が制限される一方、副走査方向Yに対する移動が許容された状態となる。
それから、発光部31に設けられた光源および受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322を電源に接続するとともに、受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322の信号線を、図示しない測定装置に接続する。
それから、発光部31に設けられた光源および受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322を電源に接続するとともに、受光部32に設けられたCMOSイメージセンサ322の信号線を、図示しない測定装置に接続する。
次いで、発光部31に設けられた光源を点灯させると、光源から出力される光が2つの導光管312を介してその周面から外側に出射される。そして、2つの導光管312から出射された光は、発光側レンズユニット313を通過することによって集光された状態でカバーガラス314を通過し、案内部材50に設けられた第2白基準部材52に照射される。そして、第2白基準部材52で反射した光は、カバーガラス314を通過し、受光側レンズユニット315にてCMOSイメージセンサ322の複数の受光素子に集光される。CMOSイメージセンサ322では各受光素子が光電変換を行い、その結果、CMOSイメージセンサ322はそれぞれの光量に応じた画像データを、信号線を介して出力する。その結果、図7(a)および図7(b)のグラフ図に示したような、主走査方向位置と受光強度との関係を示す観測波形が得られる。
そして、観測波形の分布形状が図7(a)のグラフ図に示す波形に近づくように、換言すれば、受光側レンズユニット315を構成する柱状レンズアレイ61(第1レンズ列63および第2レンズ列64)とCMOSイメージセンサ322とが図7(a)に示した位置関係に近づくように、受光部32を副走査方向Yあるいはその反対方向に移動させる。より具体的には、受光強度の波打ちのピッチが、第1レンズ列63および第2レンズ列64をそれぞれ構成する柱状レンズ62の配列ピッチの半分となる位置を探し、その位置でネジ34を増し締めし、発光部31に対して受光部32を固定することで、CIS30を得る。
ここで、本実施の形態では、第1筐体311aに対し、受光側レンズユニット315の主走査方向Xの中央部で受光側レンズユニット315を固定している。このため、受光側レンズユニット315が熱膨張する際には、この主走査方向Xの中央部を中心として、一端側は主走査方向X側に、他端側は主走査方向Xとは逆側に、それぞれ伸びることになる。その結果、例えば第1筐体311aに対し、受光側レンズユニット315の主走査方向Xの一端側で受光側レンズユニット315を固定した場合と比較して、各部位における伸び量の大きさを小さくすることができる。このため、例えば温度上昇の前後で第2白基準部材52をCMOSイメージセンサ322で読み取った受光結果において、波打ちのピーク値(最大点および最小点)の主走査方向Xへのずれを抑制することが可能になる。
なお、実際には、柱状レンズアレイ61が主走査方向Xに対し湾曲していたり、あるいは、CMOSイメージセンサ322が主走査方向Xに対して湾曲していたりすることが生じ得る。この場合には、少なくともCMOSイメージセンサ322の主走査方向Xの両端部が、それぞれ第1レンズ列63と第2レンズ列64との境界部に位置するように、発光部31に対する受光部32の位置決めを行うとよい。
10…原稿送り装置、30…CIS(Contact Image Sensor)、31…発光部、311…筐体部、311c…丸穴、312…導光管、313…発光側レンズユニット、314…カバーガラス、315…受光側レンズユニット、316…突起、32…受光部、321…基板、321a…長穴、322…CMOSイメージセンサ、34…ネジ、40…スキャナ装置、50…案内部材、51…第1白基準部材、52…第2白基準部材、61…柱状レンズアレイ、62…柱状レンズ、63…第1レンズ列、64…第2レンズ列、65…レンズフレーム、M…原稿
Claims (7)
- 第1の方向に沿って配列された複数の受光素子を備えた受光素子列と、
複数の第1のレンズを、それぞれの光軸が前記受光素子列に向かう第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第1レンズ列と、
複数の第2のレンズを、それぞれの光軸が前記第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第2レンズ列と、
前記第1レンズ列および前記第2レンズ列が前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向に並べられた状態で、当該第1レンズ列を構成する複数の前記第1のレンズと当該第2レンズ列を構成する複数の前記第2のレンズとが当該第1の方向に互い違いとなるように、当該第1レンズ列および当該第2レンズ列を保持する保持部と、
前記受光素子列が前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に沿って配置されるように当該受光素子列を位置決めする位置決め手段と
を含む受光装置。 - 前記位置決め手段は、前記受光素子列の前記第1の方向の両端部側がそれぞれ前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に位置するように当該受光素子列を位置決めすることを特徴とする請求項1記載の受光装置。
- 前記第1レンズ列および前記第2レンズ列の前記第1の方向における中央部にて、前記保持部の当該第1の方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項1または2記載の受光装置。
- 前記第1のレンズおよび前記第2のレンズが、屈折率分布を有するGRIN(Gradient Index)レンズにて構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の受光装置。
- 原稿が搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送される原稿に光を照射する照射部と、
前記原稿の搬送方向と交差する第1の方向に配列された複数の受光素子を備えた受光素子列と、
複数の第1のレンズを、それぞれの光軸が前記搬送路および前記受光素子列に向かう第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第1レンズ列と、
複数の第2のレンズを、それぞれの光軸が前記第2の方向となるように前記第1の方向に配列してなる第2レンズ列と、
前記第1レンズ列および前記第2レンズ列が前記原稿の搬送方向である第3の方向に並べられた状態で、当該第1レンズ列を構成する複数の前記第1のレンズと当該第2レンズ列を構成する複数の前記第2のレンズとが当該第1の方向に互い違いとなるように、当該第1レンズ列および当該第2レンズ列を保持する保持部と、
前記受光素子列が前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に沿って配置されるように当該受光素子列を位置決めする位置決め手段と
を含む画像読み取り装置。 - 前記位置決め手段は、前記受光素子列の前記第1の方向の両端部側がそれぞれ前記第1レンズ列と前記第2レンズ列との境界部に位置するように、当該受光素子列を位置決めすることを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
- 前記搬送路を挟んで前記受光素子列に対向配置され、当該受光素子列による受光結果にシェーディング補正を行うのに使用されるシェーディング補正データを取得するために読み取られる白基準部材をさらに備え、
前記受光素子列および前記白基準部材の相対的な位置が固定されていることを特徴とする請求項5または6記載の画像読み取り装置。
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