JP2011204404A - アルカリ電池並びにそれ用の正極添加剤及び正極合剤 - Google Patents

アルカリ電池並びにそれ用の正極添加剤及び正極合剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2011204404A
JP2011204404A JP2010069001A JP2010069001A JP2011204404A JP 2011204404 A JP2011204404 A JP 2011204404A JP 2010069001 A JP2010069001 A JP 2010069001A JP 2010069001 A JP2010069001 A JP 2010069001A JP 2011204404 A JP2011204404 A JP 2011204404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
additive
positive electrode
alkaline battery
electrode mixture
discharge performance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010069001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5541692B2 (ja
Inventor
Takeo Nogami
武男 野上
Hideji Murakami
秀二 村上
Shusuke Tsuzuki
秀典 都築
Miki Maebashi
美希 前橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Energy Co Ltd
Original Assignee
FDK Energy Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Energy Co Ltd filed Critical FDK Energy Co Ltd
Priority to JP2010069001A priority Critical patent/JP5541692B2/ja
Publication of JP2011204404A publication Critical patent/JP2011204404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5541692B2 publication Critical patent/JP5541692B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • Y02E60/12

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】アルカリ電池の内部短絡を抑えつつ放電性能を十分に発揮させることができるアルカリ電池用正極添加剤を提供すること。
【解決手段】アルカリ電池の正極合剤12は、電解二酸化マンガン、黒鉛、水酸化カリウム、及びバインダーを混合した正極合剤粉31を整粒した後、添加剤32を加えて円筒状にプレス成形することで作製される。正極合剤12に含まれる添加剤32は、表面に導電性炭素被膜34を有する二酸化けい素(SiO)の粒子35からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルカリ電池の正極合剤に添加されるアルカリ電池用正極添加剤、その添加剤を含有するアルカリ電池用正極合剤、及びその正極合剤を用いたアルカリ電池に関するものである。
一般に、アルカリ電池は、有底筒状の正極缶と、その正極缶内に収納されるリング状の正極合剤と、正極缶の中心部に配置されるゲル状負極合剤と、正極合剤とゲル状負極合剤との間に介在される有底筒状のセパレータと、正極缶の開口部に装着される集電体とを備えている。
アルカリ電池における正極合剤は、活物質としての二酸化マンガンを用いて形成されている。アルカリ電池において、電池性能を高めるために二酸化マンガンに対して微量の添加剤を加えた電池が実用化されている(特許文献1〜3等参照)。添加剤としては、けい素、チタン、ジルコニウムなどの金属酸化物が用いられており、その添加剤を加えることにより、電池の内部短絡の防止や放電性能の向上などの効果が得られる。なお、電池の内部短絡は、電池反応により生成される亜鉛酸化物の結晶成長によって、セパレータが突き破られることで発生する。けい素などの金属酸化物を正極合剤に加えると、その結晶成長による内部短絡が抑えられる。
因みに、特許文献4には、水酸化ニッケルを主材料とするニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池において、導電性を付与した酸化チタン繊維を正極に含ませる技術が開示されている。
特開2002−367614号公報 特開2002−313329号公報 特開2007−287672号公報 特開2002−313342号公報
ところで、けい素、チタン、ジルコニウムなどの金属酸化物からなる添加剤はそれ自体に導電性がないため、正極合剤に含ませる添加剤の量を多くすると、正極合剤の導電性が低下する。さらに、添加剤の量を多くすると、正極合剤における活物質の使用量が減ってしまう。このため、アルカリ電池の放電性能が低下する。つまり、従来では、正極合剤における添加剤の使用可能な範囲が限定され、その効果も十分に得ることができなかった。
また、特許文献4のように、繊維状の添加剤を加えた場合では、正極合剤において添加剤を十分に分散させることがでず、粒子状の添加剤を加えた場合と比較して十分な効果を得ることができない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、正極合剤に加える添加量を増大させることができ、アルカリ電池の内部短絡を抑えたり、放電性能を高めたりすることができるアルカリ電池用正極添加剤を提供することにある。また、別の目的は、より多くの添加剤を加えることができ、アルカリ電池の内部短絡を抑えたり、放電性能を高めたりすることができるアルカリ電池用正極合剤を提供することにある。さらに、別の目的は、より多くの添加剤を正極合剤に加えることができ、内部短絡を抑えたり、放電性能を高めたりすることができるアルカリ電池を提供することにある。
上記課題を解決するための手段[1]〜[10]を以下に列挙する。
[1]金属酸化物または金属水酸化物からなる粒子に導電性を付与したことを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
従って、手段1に記載の発明によると、アルカリ電池用正極添加剤は金属酸化物または金属水酸化物からなる粒子であるため、正極合剤中に均一に分散させることができ、電池の内部短絡を確実に抑えることができる。また、添加剤の粒子に導電性が付与されるので、添加剤を加えたことによる正極合剤の導電性の低下を抑えることができる。この結果、従来よりも多くの添加剤を加えることができ、アルカリ電池の放電性能を十分に確保することができる。
[2]手段1において、前記粒子の表面に導電性被膜を有することを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
従って、手段2に記載の発明によると、例えばスプレーコートなどの手法で導電性材料を含んだ溶剤を粒子の表面に吹き付けることにより、粒子の表面に導電性被膜を容易に形成することができる。
[3]手段1において、前記粒子の表面に導電性炭素被膜を有することを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
従って、手段3に記載の発明によると、導電性炭素被膜は、正極合剤の活物質と反応することがなく、正極合剤の導電性を確実に高めることができる。またこの場合、炭素材料は導電性金属材料と比較して安価であるため、低コストで導電性炭素被膜を形成することができる。
[4]手段1乃至3のいずれかにおいて、主成分としてけい素を含有することを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
従って、手段4に記載の発明によると、主成分としてけい素を含有するので、アルカリ電池の内部短絡を確実に抑えることができる。また、けい素は安価な材料であるため、添加剤の材料コストを抑えることができる。
[5]手段4に記載の添加剤を含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
従って、手段5に記載の発明によると、従来技術と比較して、より多くの添加剤を正極合剤に加えることができるため、アルカリ電池の内部短絡を回避しつつ放電性能を十分に確保することができる。
[6]手段5において、二酸化マンガンに対してけい素を0.01重量%以上0.20重量%以下の範囲で含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
従って、手段6に記載の発明によると、二酸化マンガンに対して0.01重量%以上のけい素を含むので、アルカリ電池の内部短絡を確実に抑えることができる。また、二酸化マンガンに対して0.20重量%以下のけい素を含むので、アルカリ電池の放電性能の低下を回避することができる。
[7]手段1乃至3のいずれかにおいて、主成分としてチタン及び/またはジルコニウムを含有することを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
従って、手段7に記載の発明によると、チタン及び/またはジルコニウムを含有するので、アルカリ電池の放電性能を十分に高めることができる。
[8]手段7に記載の添加剤を含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
従って、手段8に記載の発明によると、従来技術と比較して、より多くの添加剤を正極合剤に加えることができるため、アルカリ電池の放電性能を十分に高めることができる。
[9]手段8において、二酸化マンガンに対してチタン及び/またはジルコニウムを0.02重量%以上1.00重量%以下の範囲で含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
従って、手段9に記載の発明によると、二酸化マンガンに対して0.02重量%以上のチタン及び/またはジルコニウムを含むので、アルカリ電池の放電性能を十分に高めることができる。また、二酸化マンガンに対して1.00重量%以下のチタン及び/またはジルコニウムを含むので、アルカリ電池の放電性能の低下を回避することができる。
[10]手段5,6,8または9に記載の正極合剤を用いたことを特徴とするアルカリ電池。
従って、手段10に記載の発明によると、より多くの添加剤を正極合剤に加えることができるため、アルカリ電池における内部短絡を回避しつつ放電性能を十分に確保することができる。
以上詳述したように、手段1〜10に記載の発明によると、アルカリ電池の内部短絡を回避したり、放電性能を十分に高めたりすることができる。
第1の実施の形態のアルカリ電池を示す断面図。 正極合剤の概略構成を示す模式図。 第1の実施の形態における添加量と放電性能との関係を示すグラフ。 第2の実施の形態における添加量と放電性能との関係を示すグラフ。
[第1の実施の形態]
以下、本発明をアルカリ電池に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるアルカリ電池10の概略構成を示す断面図である。なお、本実施の形態のアルカリ電池10は、LR6タイプ(単3形)の電池である。
図1に示されるように、アルカリ電池10は、有底筒状の正極缶11と、リング状の正極合剤12と、有底筒状のセパレータ13と、ゲル状負極合剤14と、集電体16とを備える。アルカリ電池10において、正極合剤12は、正極缶11の内面に沿って嵌着され、正極合剤12の内側にセパレータ13が挿入されている。ゲル状負極合剤14は、正極缶11の中心部となるセパレータ13の中空部に配置される。集電体16は、正極缶11の開口部に装着されている。
正極缶11は、ニッケルメッキ鋼板を有底筒状にプレス成形することで作製され、その底部の中央に正極端子18が突設されている。セパレータ13は、ビニロン・レーヨン不織布やポリオレフィン・レーヨン不織布などのセパレータ原紙を円筒状に巻回し、重なり合う部分を熱融着させることで作製される。
ゲル状負極合剤14は、水と酸化亜鉛と水酸化カリウムとを混ぜて溶解し、ポリアクリル酸などのゲル化剤と亜鉛粉とを混合することで作製される。
集電体16は、負極端子板21、負極集電子22、及び封口ガスケット23を含んで構成されている。正極缶11の開口部付近には、集電体16を載置するためのビード部24が形成されている。そして、そのビード部24上に集電体16を載置した状態で、正極缶11の開口部にカール及び絞り加工を施すことにより、正極缶11が封口されている。
集電体16は、真鍮を用いて棒状に形成された負極集電子22をその基端側の頭部で負極端子板21に抵抗溶接するとともに、負極集電子22の首部に封口ガスケット23を嵌着することで、形成されている。そして、負極集電子22の先端側がゲル状負極合剤14に挿入されている。
負極端子板21は、正極缶11と同じくニッケルメッキ鋼板をプレス成形することで作製され、封口ガスケット23を介して正極缶11の開口部を封口している。封口ガスケット23は、樹脂材料を用いて射出成形された樹脂成形品である。封口ガスケット23の形成材料としては、6,12ナイロン樹脂、6,10ナイロン樹脂、6,6ナイロン樹脂などのポリアミド樹脂が好適である。
正極合剤12は、電解二酸化マンガン、黒鉛、水酸化カリウム、及びバインダーを混合した正極合剤粉を整粒した後、添加剤を加えて円筒状にプレス成形することで作製される。
図2は、正極合剤12の概略構成を説明するための模式図である。正極合剤12は、例えば、直径が数10μm〜1mm程度のサイズに整粒された正極合剤粉31と、正極合剤粉31よりも小さな直径(数μm〜数10μm程度の直径)の添加剤32とを含む。正極合剤12において、正極合剤粉31の粒子間に添加剤32が介在するように配置されている。なお、本実施の形態の正極合剤12では、これら正極合剤粉31や添加剤32の他にも離型剤として機能するステアリン酸カルシウムの粒子33を含んでいる。
正極合剤粉31は、二酸化マンガン、黒鉛、水酸化カリウム、及びバインダーを混合し、圧延、粉砕、篩分の工程を経て得られるものであり、二酸化マンガンの粒子や黒鉛の粒子が凝集した顆粒状に形成されている。添加剤32は、表面に導電性炭素被膜34を有する二酸化けい素(SiO)の粒子35からなる。添加剤32は、炭素粒子を含んだ溶剤をスプレーコートの手法により二酸化けい素の粒子35の表面に吹き付け、乾燥させることで得られる。なお、添加剤32としては、導電性炭素被膜34により、粒子35の表面全体を完全に覆う必要はなく、部分的に被覆されるものであればよい。このように添加剤32に導電性が付与されているので、添加剤32が正極合剤粉31の粒子間に介在された場合でも、導電性炭素被膜34によって正極合剤粉31の粒子間の導電性が確保されている。
本発明者らは、以下に示す従来例1〜3、比較例1〜3、実施例1〜3のアルカリ電池10を作製し、それら電池10の放電性能、内部短絡の有無、耐漏液性能を確認した。その確認結果を表1に示している。
従来例1のアルカリ電池10は、導電性被膜が形成されていない添加剤(二酸化けい素の粒子35)を0.005重量%の割合で加えた正極合剤12を用い、さらに正極合剤12とゲル状負極合剤14との間に介在されるセパレータの厚さを240μmとして作製されている。従来例2のアルカリ電池10は、従来例1のアルカリ電池10に対してセパレータ13の厚さを半分(120μm)に変更して作製されている。従来例3のアルカリ電池10は、従来例2のアルカリ電池10に対して添加剤を0.10重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
実施例1のアルカリ電池10は、導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.10重量%の割合で加えた正極合剤12を用い、セパレータ13の厚さを120μmとして作製されている。実施例2のアルカリ電池10は、実施例1のアルカリ電池10に対して添加剤32を0.01重量%に減量した正極合剤12を用いて作製されている。実施例3のアルカリ電池10は、実施例1のアルカリ電池10に対して添加剤32を0.20重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
比較例1のアルカリ電池10は、スズ(Sn)の酸化物からなる導電性被膜を有する添加剤(二酸化けい素の粒子35)を0.10重量%の割合で加えた正極合剤12を用い、セパレータ13の厚さを120μmとして作製されている。比較例2のアルカリ電池10は、実施例1のアルカリ電池10に対して導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.009重量%に減量した正極合剤12を用いて作製されている。比較例3のアルカリ電池10は、実施例1のアルカリ電池10に対して導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.21重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
放電性能の試験としては、1Aの電流値、10秒/分、1時間/1日の条件で放電を行い、放電終止電圧が0.9Vとなるまでの期間を測定した。表1では、従来例1のアルカリ電池10の放電性能を100とし、その相対値を各電池10の放電性能として示している。
内部短絡の試験としては、3.9Ωの負荷抵抗で5分間の間欠放電を1日あたり2回行い、内部短絡の有無を確認した。表1では、内部短絡が発生した場合は「×」、内部短絡が発生しない場合は「○」として示している。
耐漏液性能の試験としては、90℃の温度においてドライ状態で30日間保存した後に、電解液の漏出の有無を確認した。表1では、電解液の漏出があった場合は「×」、電解液の漏出がなかった場合は「○」として示している。
Figure 2011204404
従来例2のアルカリ電池10のように、従来例1のアルカリ電池10と比較してセパレータ13を薄くすると、放電性能を120%に上げることができるが、セパレータ13が破れやすくなるため、亜鉛酸化物の結晶成長によって内部短絡が発生してしまう。また、従来例3のアルカリ電池10のように、添加剤を0.1重量%に増量すると、内部短絡は発生しなくなるが、従来例2と比較して放電性能が下がってしまう。これに対して、実施例1のアルカリ電池10のように、導電性炭素被膜34を有する添加剤32を用いれば、添加剤32を0.1重量%に増量しても、放電性能は120%と高く、内部短絡も発生しない。
また、比較例1のアルカリ電池10のように、スズの酸化物からなる導電性被膜を有する添加剤を用いた場合、放電性能は120%と高く、内部短絡も発生しないが、スズによって電池内にガスが発生し、電解液の漏出が生じてしまう。なお、表1における比較例1以外のアルカリ電池10では、耐漏液性能は良好であり、電解液は漏出しなかった。
また、実施例2のアルカリ電池10のように、実施例1のアルカリ電池10と比較して添加剤32を0.01重量%まで減量しても、放電性能は121%と高く、内部短絡も発生していない。これに対して、比較例2のアルカリ電池10のように添加剤32を0.009重量%まで減量すると、放電性能は121%と高いが、添加剤32の効果が薄れ、内部短絡が発生してしまう。
さらに、実施例3のアルカリ電池10のように、実施例1のアルカリ電池10と比較して添加剤32を0.20重量%まで増量しても、放電性能は119%と高く、内部短絡も発生していない。これに対して、比較例3のアルカリ電池10のように添加剤32を0.21重量%まで増量すると、内部短絡は発生しないが、放電性能が105%まで低下してしまう。
図3には、添加量と放電性能との関係を示している。図3に示されるように、二酸化けい素の粒子35に導電性を付与しない添加剤を用いる場合には、添加量を0.10重量%まで増量すると、放電性能が低下する。つまり、狭い限られた範囲でしか添加剤の効果を得ることができない。これに対して、二酸化けい素の粒子35に導電性を付与した添加剤32を用いる場合には、添加量を0.20重量%まで増量しても、放電性能が良好に維持され、0.21重量%以上に増量されると、放電性能が低下する。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態では、正極合剤12に含まれる添加剤32は、金属酸化物としての二酸化けい素からなる比較的直径が小さな粒子35であるため、正極合剤12中に均一に分散させることができ、アルカリ電池10の内部短絡を確実に抑えることができる。また、添加剤32の粒子35に導電性が付与されるので、添加剤32を加えたことによる正極合剤12の導電性の低下を抑えることができ、アルカリ電池10の放電性能を十分に確保することができる。
(2)本実施の形態の添加剤32は、二酸化けい素の粒子35の表面に導電性炭素被膜34を有している。この場合、炭素粒子を含んだ溶剤をスプレーコートの手法で二酸化けい素の粒子35の表面に吹き付けることにより、粒子表面に導電性炭素被膜34を容易に形成することができる。また、導電性炭素被膜34は正極合剤12の形成材料(二酸化マンガンなど)と反応することがなく正極合剤12の導電性を確実に高めることができる。さらに、炭素材料は金属材料と比較して安価であるため、粒子表面に導電性炭素被膜34を比較的低コストで形成することができる。また、二酸化けい素も比較的安価であるため、添加剤32の材料コストを抑えることができる。
(3)本実施の形態の正極合剤12では、二酸化マンガンに対してけい素を0.01重量%以上0.20重量%以下の範囲で含有するので、アルカリ電池10内での内部短絡を回避しつつアルカリ電池10の放電性能を十分に確保することができる。
(4)本実施の形態の添加剤32は、二酸化けい素の粒子35の表面が導電性炭素被膜34によって部分的に被覆されているので、導電性炭素被膜34により導電性が付与された状態であっても内部短絡を防止する効果を十分に得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を説明する。本実施の形態では、正極合剤12に含まれる添加剤32の形成材料が上記第1の実施の形態と異なり、それ以外は、第1の実施の形態のアルカリ電池10と同じである。
本実施の形態では、添加剤32として、酸化チタン(TiO)及び/または酸化ジルコニウム(ZrO)の粒子35を用いており、その粒子表面に導電性炭素被膜34を有している。
本発明者らは、以下に示す従来例4〜6、比較例4〜6、実施例4〜6のアルカリ電池10を作製し、それら電池10の放電性能、耐漏液性能を確認した。その確認結果を表2に示している。
従来例4のアルカリ電池10は、添加剤32を含まない正極合剤12を用いて作製されている。従来例5のアルカリ電池10は、導電性被膜が形成されていない添加剤(酸化チタン及び/または酸化ジルコニウムの粒子35)を0.01重量%の割合で加えた正極合剤12を用いて作製されている。従来例6のアルカリ電池10は、従来例5のアルカリ電池に対して添加剤を0.10重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
実施例4のアルカリ電池10は、導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.10重量%の割合で加えた正極合剤12を用いて作製されている。実施例5のアルカリ電池10は、実施例4のアルカリ電池10に対して添加剤32を0.01重量%に減量した正極合剤12を用いて作製されている。実施例6のアルカリ電池10は、実施例4のアルカリ電池10に対して添加剤32を1.00重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
比較例4のアルカリ電池10は、スズ(Sn)の酸化物からなる導電性被膜を有する添加剤(酸化チタン及び/または酸化ジルコニウムの粒子35)を0.10重量%の割合で加えた正極合剤12を用いて作製されている。比較例5のアルカリ電池10は、実施例4のアルカリ電池10に対して導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.01重量%に減量した正極合剤12を用いて作製されている。比較例6のアルカリ電池10は、実施例4のアルカリ電池10に対して導電性炭素被膜34を有する添加剤32を1.10重量%に増量した正極合剤12を用いて作製されている。
Figure 2011204404
表2では、従来例4のアルカリ電池10の放電性能を100とし、その相対値を各電池10の放電性能として示している。
従来例5のアルカリ電池10のように、従来例4のアルカリ電池10と比較して、導電性被膜がない添加剤を0.01重量%の割合で正極合剤12に加えると、放電性能が103%まで僅かに向上する。さらに、従来例6のアルカリ電池10のように、添加剤を0.10重量%まで増量すると、添加剤の効果が薄れて従来例4と同様の放電性能(=100%)となる。
実施例4のアルカリ電池10のように、導電性炭素被膜34を有する添加剤32を0.10重量%の割合で加えると、放電性能が120%まで向上する。また、比較例4のアルカリ電池10のように、スズの酸化物からなる導電性被膜を有する添加剤を用いた場合、放電性能は120%と高くなるが、スズによって電池内にガスが発生し、電解液の漏出が生じてしまう。
また、実施例5のアルカリ電池10のように、実施例4のアルカリ電池10と比較して添加剤32を0.02重量%まで減量しても、放電性能は118%と比較的高く維持される。これに対して、比較例5のアルカリ電池10のように添加剤32を0.01重量%まで減量すると、放電性能は105%まで低下してしまう。
さらに、実施例6のアルカリ電池10のように、実施例4のアルカリ電池10と比較して添加剤32を1.00重量%まで増量しても、放電性能は120%と高く維持される。これに対して、比較例6のアルカリ電池10のように、添加剤32を1.10重量%まで増量すると、放電性能は106%まで低下し、さらに電解液の漏出が生じてしまう。なお、表2における比較例4,6以外のアルカリ電池10では、耐漏液性能は良好であり、電解液は漏出しなかった。
図4には、酸化チタン及び/または酸化ジルコニウムの添加量と放電性能との関係を示している。図4に示されるように、導電性を付与しない添加剤を用いた場合には、添加剤による放電性能の向上は僅かである。これに対して、導電性を付与した添加剤32を用いた場合には、二酸化マンガンに対して0.02重量%〜1.00重量%の割合で添加剤32を加えると、放電性能が向上される。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態では、正極合剤12に含まれる添加剤32は、酸化チタン及び/または酸化ジルコニウムからなる粒子35であるため、正極合剤12中に均一に分散させることができ、アルカリ電池10の内部短絡を確実に抑えることができる。また、添加剤32の粒子35に導電性が付与されるので、添加剤32を加えたことによる正極合剤12の導電性の低下を抑えることができ、アルカリ電池10の放電性能を十分に確保することができる。
(2)本実施の形態の正極合剤12は、二酸化マンガンに対してチタン及び/またはジルコニウムを0.02重量%以上1.00重量%以下の範囲で含有するので、アルカリ電池10内での内部短絡を回避しつつアルカリ電池10の放電性能を十分に確保することができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・第1の実施の形態では、添加剤32として二酸化けい素を用いるものであったが、その代替品として珪酸ナトリウム(NaSiO)や珪酸カリウム(KSiO)を用いることも可能である。また、第2の実施の形態では、添加剤32として、酸化チタンや酸化ジルコニウムを用いるものであったが、その代替品として水酸化チタン(TiO(OH),Ti(OH))、水酸化ジルコニウム(ZrO(OH),Zr(OH))を用いることも可能である。
・上記各実施の形態では、添加剤32の粒子35において、粒子表面に導電性炭素被膜34を形成することで導電性を付与していたが、これに限定されるものではない。例えば、メカノヒュージョン法などにより粒子表面に炭素粒子を物理的に擦り付けて導電性を付与するようにしてもよい。
・上記実施の形態では、LR6タイプ(単3形)のアルカリ電池10に具体化したが、LR20タイプ(単1形)、LR14タイプ(単2形)、LR03タイプ(単4形)等の他のアルカリ電池に具体化してもよい。
10…アルカリ電池
12…正極合剤
32…添加剤
34…導電性炭素被膜
35…粒子

Claims (10)

  1. 金属酸化物または金属水酸化物からなる粒子に導電性を付与したことを特徴とするアルカリ電池用正極添加剤。
  2. 前記粒子の表面に導電性被膜を有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用正極添加剤。
  3. 前記粒子の表面に導電性炭素被膜を有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用正極添加剤。
  4. 主成分としてけい素を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルカリ電池用正極添加剤。
  5. 請求項4に記載の添加剤を含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
  6. 二酸化マンガンに対してけい素を0.01重量%以上0.20重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項5に記載のアルカリ電池用正極合剤。
  7. 主成分としてチタン及び/またはジルコニウムを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルカリ電池用正極添加剤。
  8. 請求項7に記載の添加剤を含有することを特徴とするアルカリ電池用正極合剤。
  9. 二酸化マンガンに対してチタン及び/またはジルコニウムを0.02重量%以上1.00重量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項8に記載のアルカリ電池用正極合剤。
  10. 請求項5、6、8または9に記載の正極合剤を用いたことを特徴とするアルカリ電池。
JP2010069001A 2010-03-24 2010-03-24 アルカリ電池及びアルカリ電池用正極合剤 Active JP5541692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010069001A JP5541692B2 (ja) 2010-03-24 2010-03-24 アルカリ電池及びアルカリ電池用正極合剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010069001A JP5541692B2 (ja) 2010-03-24 2010-03-24 アルカリ電池及びアルカリ電池用正極合剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011204404A true JP2011204404A (ja) 2011-10-13
JP5541692B2 JP5541692B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=44880866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010069001A Active JP5541692B2 (ja) 2010-03-24 2010-03-24 アルカリ電池及びアルカリ電池用正極合剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5541692B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08510355A (ja) * 1993-05-17 1996-10-29 デュラセル インコーポレイテッド 二酸化マンガンカソードを有する一次電気化学電池用添加剤
JP2002313329A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Nippon Shokubai Co Ltd アルカリ電池
JP2002313342A (ja) * 2001-04-19 2002-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池
JP2002367614A (ja) * 2001-06-04 2002-12-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ乾電池
JP2007287672A (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08510355A (ja) * 1993-05-17 1996-10-29 デュラセル インコーポレイテッド 二酸化マンガンカソードを有する一次電気化学電池用添加剤
JP2002313329A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Nippon Shokubai Co Ltd アルカリ電池
JP2002313342A (ja) * 2001-04-19 2002-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池
JP2002367614A (ja) * 2001-06-04 2002-12-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ乾電池
JP2007287672A (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5541692B2 (ja) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009151958A (ja) アルカリ電池
JP4222488B2 (ja) アルカリ電池
JP2005310616A (ja) アルカリ電池
US11637278B2 (en) Alkaline dry batteries
JP2007227011A (ja) アルカリ電池
JP5541692B2 (ja) アルカリ電池及びアルカリ電池用正極合剤
WO2021186805A1 (ja) アルカリ乾電池
JP4253172B2 (ja) 密閉型ニッケル亜鉛一次電池
JP5019634B2 (ja) アルカリ電池
JP2009043461A (ja) アルカリ電池
JP2003017079A (ja) 亜鉛アルカリ電池
JP2019153402A (ja) アルカリ二次電池
JP5981807B2 (ja) アルカリ電池
WO2024171535A1 (ja) アルカリ乾電池
WO2024171568A1 (ja) アルカリ乾電池
JP2002117859A (ja) アルカリ電池
JP7315381B2 (ja) アルカリ電池
WO2024181089A1 (ja) アルカリ乾電池
JP5802489B2 (ja) アルカリ電池
JP3968248B2 (ja) アルミニウム電池
JP2003257423A (ja) 密閉形アルカリ亜鉛一次電池及びこの電池に用いるアルカリ亜鉛系化合物正極合剤
JP2004164863A (ja) 密閉型ニッケル亜鉛一次電池
JP2022143474A (ja) アルカリ乾電池
WO2019008886A1 (ja) アルカリ乾電池
JP2007123051A (ja) アルカリ亜鉛一次電池、およびそれに用いるアルカリ亜鉛系化合物正極合剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5541692

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250