JP2011203661A - 光学素子および被加工体、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

光学素子および被加工体、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンの周期性を向上させることの可能な光学素子および被加工体、ならびにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】原盤100の表面(被加工面100A)に下地構造体110を形成したのち、その表面に、偏光方向が、式(1)を満たす設定軸D2(図示せず)に対して直交する方向を向いているフェムト秒レーザ光Lfを照射する。これにより、式(2)で表されるばらつきを持って延在するナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されたナノ構造体120(図示せず)を形成する。
0°≦θp3≦30°…(1)
0°<Δθf3<1.5°…(2)
θp3:下地構造体110に含まれる凸部または凹部と設定軸D2とのなす角度
Δθf3:ナノ構造体120の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
【選択図】図5

Description

本発明は、表面の全体または一部にナノ構造を備えた光学素子および被加工体、ならびにそれらの製造方法に関する。
パルス幅が1ピコ秒(10-12秒)以下の超短パルスレーザ、いわゆるフェムト秒レーザを用いることにより、パターンを描画することが知られている。フェムト秒レーザによって描画されたパターンは、nm(ナノメータ)オーダーの微細な凹凸によって構成されており、その凹凸は、そのパターンを描画する際にフェムト秒レーザの偏光方向と略直交する方向に延在している。ただし、その凹凸の延在方向には、およそ±5°程度のばらつきがある。また、レーザ照射の条件によっては、その凹凸に、うねりが生じ、その凹凸が厳密には直線にならないことがある。そのため、フェムト秒レーザは、工業用途、特に光学部材の作製にはあまり向いていなかった。
そこで、例えば、特許文献1では、パルス状のフェムト秒レーザを、被照射面に対して、極短時間の間に2回照射することにより、パターンの周期性を向上させることが提案されている。
特開2006−212624号公報
しかし、上記特許文献1の方法では、レーザ光学系に特別な光学遅延回路を設けることが必要であり、レーザ光学系が複雑となってしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で形成された、パターンのばらつきの少ない光学素子および被加工体を提供することにある。また、第2の目的は、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンのばらつきを低減することの可能な光学素子の製造方法および被加工体の製造方法を提供することにある。
本発明の光学素子は、複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する表面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第1パターンを第1の面に転写することにより形成された第1ナノ構造体を備えたものである。ここで、第1ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第1凹凸を含んで構成されており、第1凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf1<1.5°
Δθf1:第1ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第1凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
本発明の光学素子において、第1ナノ構造体の形成されている表面に、第1凹凸よりも粗い間隔の複数の凸部または複数の凹部を含む第1下地構造体が形成されていてもよい。このとき、第1下地構造体に含まれる凸部または凹部は、例えば、第1凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在していてもよい。
また、本発明の光学素子において、複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する表面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第2パターンを第1の面のうち第1ナノ構造体とは異なる位置に転写することにより第2ナノ構造体が形成されていてもよい。このとき、第2ナノ構造体は、例えば、ナノメータオーダーの第2凹凸を含んで構成されていてもよく、第2凹凸は、例えば、第1凹凸の延在方向と交差する方向に、以下の式で表されるばらつきを持って延在していてもよい。
0°<Δθf2<1.5°
Δθf2:第2ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第2凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
さらに、上記の場合において、第2ナノ構造体の形成されている表面に、複数の第1下地溝の延在方向と交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第2下地構造体が形成されていてもよい。このとき、第2下地構造体に含まれる複数の凸部または複数の凹部は、第2凹凸よりも粗い間隔で形成されている。また、第2下地構造体に含まれる凸部または凹部は、例えば、第2凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在していてもよい。
また、上記の場合において、第1下地構造体は、例えば、第1ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、第2ナノ構造体の形成されている表面にも形成されていてもよい。さらに、第2下地構造体は、例えば、第2ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、第1ナノ構造体の形成されている表面にも形成されていてもよい。
本発明の光学素子では、表面に複数の凸部または複数の凹部を設けた上で超短パルスレーザを照射することにより形成された、パターンのばらつきの少ない第1パターンを転写することにより、パターンのばらつきの少ない第1ナノ構造体が形成される。
本発明の被加工体は、複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する第2の面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第3ナノ構造体を備えたものである。第3ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成されており、第3凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf3<1.5°
Δθf3:第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
本発明の被加工体において、第3ナノ構造体の形成されている表面に、第3凹凸よりも粗い間隔の複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体が形成されていてもよい。このとき、第3下地構造体に含まれる凸部または凹部は、例えば、第3凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在していてもよい。
本発明の被加工体では、表面に複数の凸部または複数の凹部を設けた上で超短パルスレーザを照射することにより、パターンのばらつきの少ない第3ナノ構造体が形成される。
本発明の光学素子の製造方法は、複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する第2の面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第3ナノ構造体を備えた型を用いた転写により、第1の面に第3ナノ構造体を反転させた形状を有する第1ナノ構造体を形成する工程を含んだものである。ここで、第3ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成されており、第3凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf3<1.5°
Δθf3:第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
本発明の光学素子の製造方法において、型は、例えば、第3ナノ構造体の形成されている表面に、第3凹凸よりも粗い間隔の複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体を備えていてもよい。このとき、第3下地構造体は、例えば、第2の面に超短パルスレーザを照射する前に第2の面に既に形成されていた凸部または凹部が超短パルスレーザの照射によって加工されることにより形成されたものであってもよい。また、第3下地構造体に含まれる凸部または凹部は、例えば、第3凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在していてもよい。
また、本発明の光学素子の製造方法において、型は、例えば、第2の面のうち第3ナノ構造体とは異なる位置に超短パルスレーザを照射することにより形成された第4ナノ構造体を備えていてもよい。このとき、第4ナノ構造体は、例えば、ナノメータオーダーの第4凹凸を含んで構成されていてもよく、第4凹凸は、例えば、第1凹凸の延在方向と交差する方向に、以下の式で表されるばらつきを持って延在していてもよい。この場合において、本発明の光学素子の製造方法が、例えば、第3ナノ構造体および第4ナノ構造体を備えた型を用いた転写により、第1の面に第1ナノ構造体と、第4ナノ構造体を反転させた形状を有する第2ナノ構造体とを形成する工程を含んでいてもよい。
0°<Δθf4≦1.5°
Δθf4:第4ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第4凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
また、本発明の光学素子の製造方法において、型は、例えば、第4ナノ構造体の形成されている表面に、第3ナノ構造体に含まれる凸部または凹部の延在方向と交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第4下地構造体を備えていてもよい。このとき、第4下地構造体に含まれる複数の凸部または複数の凹部は、第4凹凸よりも粗い間隔で形成されている。また、第4下地構造体は、例えば、第2の面に超短パルスレーザを照射する前に第2の面に既に形成されていた凸部または凹部が超短パルスレーザの照射によって加工されることにより形成されたものであってもよい。また、第4下地構造体に含まれる凸部または凹部は、例えば、第4凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在していてもよい。
また、本発明の光学素子の製造方法において、第3下地構造体は、例えば、第3ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、第4ナノ構造体の形成されている表面にも形成されていてもよい。このとき、さらに、第4下地構造体は、例えば、第4ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、第3ナノ構造体の形成されている表面にも形成されていてもよい。
また、本発明の光学素子の製造方法において、第3下地構造体は、例えば、その表面を砥粒で加工することにより形成されたものであってもよい。このとき、さらに、第4下地構造体は、例えば、その表面を砥粒で加工することにより形成されたものであってもよい。
本発明の光学素子の製造方法では、表面に複数の凸部または複数の凹部を設けた上で超短パルスレーザを照射することにより形成された、パターンのばらつきの少ない第3ナノ構造体を転写することにより、パターンのばらつきの少ない第1ナノ構造体が形成される。
本発明の被加工体の製造方法は、以下の2つの工程を含むものである。
(A)第2の面に、複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体を形成する第1工程
(B)第3下地構造体を含む表面の全体または一部に対して、偏光方向が、以下の式(1)を満たす第1設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、以下の式(2)で表されるばらつきを持って延在するナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成された第3ナノ構造体を形成する第2工程
0°≦θp3≦30°…(1)
0°<Δθf3<1.5°…(2)
θp3:第3下地構造体に含まれる凸部または凹部と第1設定軸とのなす角度
Δθf3:第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
本発明の被加工体の製造方法において、第1工程で、例えば、第2の面に、第3下地構造体と、第3下地構造体に含まれる凸部または凹部と45°以上90°以下の範囲内で交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第4下地構造体とを重複して形成してもよい。さらに、第2工程で、例えば、第3下地構造体および第4下地構造体を含む表面の一部に対して、偏光方向が、第1設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、第3ナノ構造体を形成してもよい。続いて、第2工程で、第3下地構造体および第4下地構造体を含む表面のうち第3ナノ構造体の未形成部分に対して、偏光方向が、以下の式(3)を満たす第2設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、以下の式(4)で表されるばらつきを持って延在するナノメータオーダーの第4凹凸を含んで構成された第4ナノ構造体を形成してもよい。
0°≦θp4≦30°…(3)
0°<Δθf4<1.5°…(4)
θp4:第4下地構造体に含まれる凸部または凹部と第2設定軸とのなす角度
Δθf4:第4ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第4凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
また、本発明の被加工体の製造方法において、第1工程で、第3下地構造体に含まれる凸部または凹部を、第3凹凸よりも粗い間隔で形成してもよい。さらに、第2工程において、第4下地構造体に含まれる凸部または凹部を、第4凹凸よりも粗い間隔で形成してもよい。また、本発明の被加工体の製造方法において、第3下地構造体は、例えば、その表面を砥粒で加工することにより形成されたものであってもよい。さらに、第3下地構造体および第4下地構造体は、その表面を砥粒で加工することにより形成されたものであってもよい。
本発明の被加工体の製造方法では、表面に複数の凸部または複数の凹部を設けた上で超短パルスレーザを照射することにより、パターンのばらつきの少ない第3ナノ構造体が形成される。
本発明の光学素子および被加工体、ならびにそれらの製造方法によれば、超短パルスレーザを照射する前に表面にあらかじめ複数の凸部または複数の凹部を設けておくことにより、パターンのばらつきの少ないナノ構造体を形成することができるようにした。これにより、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンのばらつきを低減することができる。また、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンのばらつきの少ない光学素子および被加工体を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る光学素子の一例を表す上面構成図および断面構成図である。 図1の光学素子の他の例を表す上面構成図および断面構成図である。 図1の光学素子の製造に際して使用される原盤の製造方法の一例を説明する上面図である。 図3に続く工程を説明する上面図である。 図4に続く工程を説明する上面図である。 レーザ光の偏光方向と、下地膜およびナノ構造体の延在方向との関係を表す関係図である。 図3〜図5の工程を経て製造された原盤の一例を表す上面図および断面図である。 図3〜図5の工程を経て製造された原盤の他の例を表す上面図および断面図である。 砥粒のメッシュ番号と、砥粒加工による下地構造体の最大高さ粗さとの関係を表す図である。 (A)各下地延在方向における、砥粒加工による下地構造体の最大高さ粗さと、ナノ構造体の延在方向との関係を表す図である。(B)各下地延在方向における、砥粒加工による下地構造体の最大高さ粗さと、ナノ構造体の延在方向の角度ばらつきの半値幅との関係を表す図である。 実施例に係る原盤の上面画像を表す図である。 図11の上面画像の2次元DTFによるパワースペクトル密度分布を表す図である。 比較例に係る原盤の上面画像を表す図である。 図13の上面画像の2次元DTFによるパワースペクトル密度分布を表す図である。 図7の原盤を用いた光学素子の製造方法の一例を説明する断面図である。 図3とは異なるタイプの原盤の製造方法の一例を説明する斜視図である。 図16に続く工程を説明する上面図である。 図17に続く工程を説明する上面図である。 図16〜図18の工程を経て製造された原盤の一例を表す斜視図である。 図16〜図18の工程を経て製造された原盤の他の例を表す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る光学素子の一例を表す上面構成図および断面構成図である。 図21の光学素子の他の例を表す上面構成図および断面構成図である。 図21の光学素子の製造に際して使用される原盤の製造方法の一例を説明する上面図である。 図23に続く工程を説明する上面図である。 図24に続く工程を説明する上面図である。 図25に続く工程を説明する上面図である。 第1領域における、レーザ光の偏光方向と、下地膜およびナノ構造体の延在方向との関係を表す関係図である。 第2領域における、レーザ光の偏光方向と、下地膜およびナノ構造体の延在方向との関係を表す関係図である。 図23〜図26の工程を経て製造された原盤の一例を表す上面図および断面図である。 図23〜図26の工程を経て製造された原盤の他の例を表す上面図および断面図である。 図29の原盤を用いた光学素子の製造方法の一例を説明する断面図である。 図23とは異なるタイプの原盤の製造方法の一例を説明する斜視図である。 図32に続く工程を説明する上面図である。 図33に続く工程を説明する上面図である。 図34に続く工程を説明する上面図である。 図32〜図35の工程を経て製造された原盤の一例を表す斜視図である。 図32〜図35の工程を経て製造された原盤の他の例を表す斜視図である。 本発明の一変形例に係る半導体ウェハの一例を表す上面構成図および断面構成図である。 図38の半導体ウェハの他の例を表す上面構成図および断面構成図である。 本発明の他の変形例に係る受動素子の一例を表す上面構成図である。 図40の受動素子の他の例を表す上面構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(単一領域を有する光学素子およびその製造に使用する原盤)
2.第2の実施の形態(2つの領域を有する光学素子およびその製造に使用する原盤)
3.変形例(半導体ウェハ、受動素子)
<第1の実施の形態>
[構成]
図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る光学素子1の上面構成の一例を表すものである。図1(B)は、図1(A)のA−A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。この光学素子1は、例えば、図1(B)に示したように、基材10の表面10Aにナノ構造体11Aがパターニングされたものである。ナノ構造体11Aは、例えば、図1(B)に示したように表面10A全体に形成されていてもよいし、表面10Aの一部にだけ形成されていてもよい。さらに、基材10の表面10Aのうち、ナノ構造体11Aの形成されている表面に、ナノ構造体11Aよりも粗い下地構造体11Bが形成されている。ナノ構造体11Aは、基材10の表面10Aにおいて下地構造体11Bの表面にも形成されており、下地構造体11Bは、文字通り、ナノ構造体11Aの下地となっている。
なお、基材10の表面10Aが本発明の「第1の面」の一具体例に相当する。また、ナノ構造体11Aが本発明の「第1ナノ構造体」の一具体例に相当し、下地構造体11Bが本発明の「第1下地構造体」の一具体例に相当する。
基材10は、樹脂フィルムまたは樹脂基板である。基材10は、例えば、プラスチックなどの熱可塑性を有する材料(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなど)から構成されている。光学素子1が、位相差をできるだけ小さくする用途に用いられる場合には、基材10は、非晶質シクロオレフィンポリマーや脂環式アクリル樹脂、ノルボルネン系樹脂から構成されることが好ましい。基材10の厚みは、例えば30μm〜500μmである。
基材10は、例えば単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。基材10が多層構造となっている場合には、基材10は、例えば、図1(B)に示したように、支持体12の表面に凹凸層11が形成された2層構造となっている。凹凸層11の表面には、上述のナノ構造体11Aおよび下地構造体11Bが形成されている。
ナノ構造体11Aは、後述の原盤100の表面100A(図3等参照)に形成されたパターンを基材10の表面に転写することにより形成されたものである。ナノ構造体11Aは、ナノメータオーダー(1nm以上1000nm未満)の凹凸を含んで構成されている。なお、原盤100の表面100Aに形成されたパターンが、本発明の「第1パターン」の一具体例に相当する。また、ナノ構造体11Aに含まれる凹凸が、本発明の「第1凹凸」の一具体例に相当する。
ナノ構造体11Aに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体11Aに含まれる凹凸は、下地構造体11Bに含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体11Aに含まれる凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf1<1.5°
ここで、Δθf1は、ナノ構造体11Aの、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
下地構造体11Bは、ナノ構造体11Aと同様、後述の原盤100の表面100Aに形成されたパターンを基材10の表面に転写することにより形成されたものである。下地構造体11Bは、ナノ構造体11Aよりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体11Bに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、所定の周期性、規則性、またはランダム性を有している。下地構造体11Bに含まれる凹凸は、ナノ構造体11Aよりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有していてもよいし、ナノ構造体11Aと同等またはそれよりも細かい周期性、規則性、またはランダム性を有していてもよい。下地構造体11Bに含まれる凹凸は、ナノ構造体11Aに含まれる凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。
なお、下地構造体11Bがナノ構造体11A内に埋もれてしまい、例えば、図2(A),(B)に示したように、判別できないこともある。以下では、特に断りのない限り、下地構造体11Bが、ナノ構造体11A内において判別可能な状態で形成されているものとする。
[製造方法]
次いで、光学素子1の製造方法について説明する。最初に、光学素子1の製造に際して使用する型(原盤)の製造方法について説明し、その後に、光学素子1の製造方法について説明する。なお、型(原盤)には、平板タイプと、ロールタイプの2種類がある。そこで、最初に、平板タイプの製造法について説明し、その後に、ロールタイプについて説明する。また、光学素子1の製造には、2P成型法(Photo Polymerization:光硬化を利用した成型法)や熱転写法を用いることが可能である。そこで、光学素子1の製造方法の説明に際して、まず、2P成型法による光学素子1の製造方法を説明し、その後に、熱転写法による光学素子1の製造方法について説明する。なお、2P成型法および熱転写法は、平板タイプ、ロールタイプのいずれのタイプの型(原盤)も使用可能である。
(平板タイプの原盤の製造方法)
まず、作業者は、転写用のパターンが未形成の平板タイプの原盤100を用意する(図3)。この原盤100は、金属部材(例えば、SUS(例えば、SUS304,SUS420J2)、Ni、NiP、Cr、Cu、Al、Fe)によって形成されたものである。この原盤100の被加工面である表面100Aは、例えば、鏡面状態となっている。なお、表面100Aは鏡面状態となっていなくてもよく、例えば、表面100Aに、転写用のパターンよりも細かな凹凸が形成されていてもよいし、転写用のパターンと同等か、それよりも粗い凹凸が形成されていてもよい。
次に、作業者は、表面100Aを砥粒で加工する。このとき、作業者は、砥粒として、最終的には、例えば、#2000,#4000,#6000,#8000,#10000,#15000程度の細かさのものを使用する。なお、作業者は、必要に応じて、上で例示したものよりも粗いものを使用してもよい。また、作業者は、必要に応じて、表面100Aに直線状に加工痕を入れてもよいし、所定の曲線を描くように加工痕を入れてもよい。図4は、作業者が表面100Aを直線状に加工痕を入れた結果、表面100Aに、下地構造体110が形成された様子を模式的に表したものである。なお、砥粒加工自体は、工作機械によって行うようにしてもよい。なお、下地構造体110が、本発明の「第3下地構造体」の一具体例に相当する。
下地構造体110は、後に形成するナノ構造体120(図7(A)参照)よりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体110に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体120よりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。
次に、下地構造体110を含む表面に対して、パルス幅が1ピコ秒(10-12秒)以下の超短パルスレーザ、いわゆるフェムト秒レーザを用いてパターンを描画する。例えば、図5に示したように、下地構造体110の形成された表面に対して、フェムト秒レーザ光Lfを照射すると共に、その照射スポットを表面100Aに対してスキャンさせる。
このとき、レーザ波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポット形状、偏光、表面100Aへ照射するレーザの強度、レーザの走査速度等が適宜設定されることにより、所望の凹凸を有するナノ構造体120が形成される。例えば、レーザ光の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D1を、下地構造体110に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D3と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体120が形成される(図6、図7(A),(B)、図8(A),(B))。なお、図8(A),(B)には、レーザ照射後の下地構造体110がナノ構造体120内に埋もれてしまい、判別できない状態になっている場合が例示されている。また、ナノ構造体120が、本発明の「第3ナノ構造体」の一具体例に相当する。
レーザ加工に用いるレーザの波長は、例えば800nmである。ただし、レーザ加工に用いるレーザの波長は、400nmや266nmなどでもかまわない。繰り返し周波数は、加工時間を考慮すると大きいほうが好ましいが、繰り返し周波数が1kHzや2kHzであっても加工は可能である。パルス幅は短い方が好ましく、200フェムト秒(10-15秒)〜1ピコ秒(10-12秒)程度であることが好ましい。表面100Aへ照射されるレーザのビームスポットは、四角形形状であることが好ましい。ビームスポットの整形は、例えば、アパーチャーやシリンドリカルレンズ等(図示せず)によって行うことが可能である。
また、ビームスポットの強度分布は、なるべく均一であることが好ましい。これは、型に形成する凹凸の深さなどの面内分布をなるべく均一化したいためである。ビームスポットのサイズを、Lx、Ly(図示せず)とし、レーザの走査方向をy方向とすると、Lxは、例えば、許容できる走査回数によって決まる。Lyはステージ速度やレーザ強度、繰り返し周波数などにより、適宜決めることができるが、例えば、30〜500μm程度である。
ところで、上述のナノ構造体120は、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。ナノ構造体120に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体120に含まれる凹凸は、下地構造体110に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体120に含まれる凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf3<1.5°
ここで、Δθf3は、ナノ構造体120の、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
ところで、上述のナノ構造体120が形成されるためには、下地構造体110を含む表面の全体または一部に対して照射するフェムト秒レーザ光Lfの偏光方向D1が、以下の式を満たす設定軸D2に対して直交する方向を向いていることが必要である。
0°≦θp3≦30°
ここで、θp3は、下地構造体110に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D3と、設定軸D2とのなす角度である。
次に、偏光方向D1を上述したように設定する理由について説明する。
図9は、砥粒のメッシュ番号と、砥粒加工による下地構造体の最大高さ粗さとの関係の一例を表したものである。図9の最大高さ粗さは、研磨後のSUS304を、下地の溝方向と直交する方向で切断したときの断面を測定することにより得られたものである。図10(A)は、各θp3における、砥粒加工による下地構造体110の最大高さ粗さと、ナノ構造体120に含まれる凹凸の延在方向D4と、設定軸D2とのなす角度θf3との関係の一例を表したものである。図10(B)は、各θp3における、砥粒加工による下地構造体110の最大高さ粗さと、θf3の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅Δθf3との関係の一例を表したものである。また、図10(A)中の2本の破線は、フェムト秒レーザ光Lfを鏡面に照射したときのθf3のばらつきの範囲(0°±5°)を表しており、図10(B)中の2本の破線は、フェムト秒レーザ光Lfを鏡面に照射したときのΔθf3のばらつきの範囲(1.5°以上8°以下)を表している。
図10(A)から、下地構造体110の最大高さ粗さが0.06μm以上の場合には、θp3が0°以上30°以下の範囲内、下地構造体110の最大高さ粗さが0.06μmよりも小さい場合には、θp3が0°以上15°以下の範囲内において、θf3がθp3と同一または略同一となっていることがわかる。これは、θp3が上記の範囲内において、ナノ構造体120に含まれる凹凸の延在方向D4が、下地構造体110に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D3と同一または略同一となっていることを示している。さらに、図10(A)から、θp3が30°よりも大きい場合には、θf3はθp3の大きさとは無関係に、概ね0°となっていることがわかる。これは、θp3が30°よりも大きい場合には、ナノ構造体120に含まれる凹凸の延在方向D4は、下地構造体110に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D3とは無関係に、フェムト秒レーザ光Lfの偏光方向D1と直交する方向(設定軸D2の延在方向)を向いていることを示している。
また、図10(A)から、下地構造体110を含む表面に対してフェムト秒レーザを照射した場合には、下地構造体110の最大高さ粗さが0.06μm以上の場合には、θp3が0°以上30°以下の範囲内、下地構造体110の最大高さ粗さが0.06μmよりも小さい場合には、θp3が0°以上15°以下の範囲内において、θf3のばらつきは、上述のばらつきと比べて極めて小さく、最大でも、せいぜい±数°であることがわかる。一方、下地構造体110を含む表面に対してフェムト秒レーザを照射した場合であって、θp3が30°よりも大きいときには、θf3のばらつきは、上述のばらつきと概ね等しくなっていることがわかる。
次に、図10(B)から、θp3が0°以上30°以下の範囲内において、Δθf3が0°よりも大きく1.5°よりも小さい範囲内にあることがわかる。一方、θp3が30°よりも大きい場合には、Δθf3が概ね、1.5°以上6°以下の範囲内にあることがわかる。
なお、図10(A),(B)に示したデータの傾向は、フェムト秒レーザの照射対象物の形状に依らない。従って、図10(A),(B)に示したデータの傾向は、型(原盤)が、平板タイプであっても、ロールタイプであっても、特に変化しない。
図11は、実際に、#8000の研磨フィルムを用いて、θp3が0°となるように、原盤100の表面100Aに下地構造体110を形成した後の表面100Aに対して、フェムト秒レーザ光Lfを照射することにより形成されたナノ構造体120の顕微鏡写真を示したものである。図12は、その表面の画像の2次元DFTによるパワースペクトル密度分布を示したものである。図13、図14は、比較例の結果を示したものである。具体的には、図13は、実際に、鏡面に対して、フェムト秒レーザ光Lfを照射することにより形成されたナノ構造体120の顕微鏡写真を示したものである。図14は、その表面の画像の2次元DFTによるパワースペクトル密度分布を示したものである。
図11〜図14から、フェムト秒レーザ光Lfを照射する前に表面100Aにあらかじめ下地構造体110を設けておくことにより、ばらつきの少ないナノ構造体120を形成することができることがわかった。
(平板タイプの原盤を用いた光学素子1の製造方法)
次に、上記のようにして製造した原盤100を用いて、光学素子1を製造する。
(2P成型法)
図15は、2P成型法により光学素子1を製造する工程を表したものである。例えば、支持体12上に紫外線や電子線などのエネルギー線Lで硬化する樹脂材料を塗布して樹脂層11Dを形成する。続いて、原盤100を、光学素子1の表面10Aのパターンを反転させた反転パターン(ナノ構造体120)を樹脂層11D側に向けて、樹脂層11Dに押し当てる。この後、例えば、エネルギー線Lを支持体12側から樹脂層11Dに向けて照射して樹脂層11Dを硬化させることにより、原盤100のパターンを樹脂層11Dの表面に転写する。その後、支持体12を離型する。このようにして、光学素子1が製造される。
(熱転写法)
まず、基材(図示せず)を用意する。このときの基材は、単層構造となっていてもよいし、多層構造(例えば、基材の表面に樹脂層が形成された2層構造)となっていてもよい。次に、例えば、基材をガラス転移温度付近まで加熱し、この加熱した基板の表面(2層構造の場合は、樹脂層の表面)に、原盤100を、光学素子1の表面10Aのパターンを反転させた反転パターン(ナノ構造体120)を基材側に向けて押し当てる。その後、冷却、離型する。これにより、光学素子1が製造される。
(ロールタイプの原盤の製造方法)
まず、作業者は、転写用のパターンが未形成のロールタイプの原盤200を用意する(図16)。この原盤200は、金属部材(例えば、SUS(例えば、SUS304,SUS420J2)、Ni、Cu、Al、Fe)によって形成されたものである。この原盤200の被加工面である表面200Aは、例えば、鏡面状態となっている。なお、表面200Aは鏡面状態となっていなくてもよく、例えば、表面200Aに、転写用のパターンよりも細かな凹凸が形成されていてもよいし、転写用のパターンと同等か、それよりも粗い凹凸が形成されていてもよい。
次に、作業者は、表面200Aを砥粒加工する。このとき、作業者は、砥粒として、最終的には、例えば、#2000,#4000,#6000,#8000,#10000,#15000程度の細かさのものを使用する。なお、作業者は、必要に応じて、上で例示したものよりも粗いものを使用してもよい。また、作業者は、必要に応じて、表面200Aに直線状に加工痕を入れてもよいし、所定の曲線を描くように研磨してもよい。図17は、作業者が表面200Aに直線状に加工痕を入れた結果、表面200Aに、下地構造体210が形成された様子を模式的に表したものである。なお、砥粒加工自体は、工作機械によって行うようにしてもよい。なお、下地構造体210が、本発明の「第3下地構造体」の一具体例に相当する。
下地構造体210は、後に形成するナノ構造体220(図19参照)よりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体210に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体220よりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。
次に、下地構造体210を含む表面に対して、フェムト秒レーザを用いてパターンを描画する。例えば、図18に示したように、下地構造体210の形成された表面に対して、フェムト秒レーザ光Lfを照射すると共に、その照射スポットを表面200Aに対してスキャンさせる。
このとき、レーザ波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポット形状、偏光、表面200Aへ照射するレーザの強度、レーザの走査速度等が適宜設定されることにより、所望の凹凸を有するナノ構造体220が形成される。また、レーザ光の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D1を、下地構造体210に含まれる凹凸の延在方向D3と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体220が形成される(図6、図19(A),(B)、図20(A),(B))。なお、図20(A),(B)には、レーザ照射後の下地構造体210がナノ構造体220内に埋もれてしまい、判別できない状態になっている場合が例示されている。また、ナノ構造体220が、本発明の「第3ナノ構造体」の一具体例に相当する。
レーザ加工に用いるレーザの波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポットの形状、ビームスポットの強度分布、ビームスポットのサイズは、平板タイプの原盤100のときと同様である。また、ナノ構造体220は、上述のナノ構造体120と同様の構成となっており、ばらつきの少ないパターンとなっている。また、下地構造体210も、上述の下地構造体110と同様の構成となっている。
[効果]
次に、光学素子1およびその製造方法の効果について説明する。
本実施の形態の原盤100,200の製造方法では、表面100A,200Aに下地構造体110,210を設けた上でフェムト秒レーザを照射することにより、パターンのばらつきの少ないナノ構造体120,220が形成される。これにより、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンのばらつきを低減することができる。
また、本実施の形態の光学素子1では、表面100A,200Aに下地構造体110,210を設けた上でフェムト秒レーザを照射することにより形成された、パターンのばらつきの少ないナノ構造体120,220を転写することにより、パターンのばらつきの少ないナノ構造体11Aが形成される。これにより、レーザ光学系を複雑にすることなく、簡易な方法で、パターンのばらつきの少ない光学素子1を実現することができる。
<第2の実施の形態>
[構成]
図21(A)は、本発明の第2の実施の形態に係る光学素子2の上面構成の一例を表すものである。図21(B)は、図21(A)のA−A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。この光学素子2は、例えば、図1(B)に示したように、基材20の表面20Aにナノ構造体21A,21Bがパターニングされたものである。
基材20の表面20Aのうち、ナノ構造体21Aの形成されている表面に、ナノ構造体21Aよりも粗い下地構造体21Cが形成されている。また、基材20の表面20Aのうち、ナノ構造体21Bの形成されている表面に、ナノ構造体21Bよりも粗い下地構造体21Dが形成されている。さらに、下地構造体21Cは、基材20の表面10Aにおいて、ナノ構造体21Aの形成されている表面だけでなく、ナノ構造体21Bの形成されている表面にも形成されている。また、下地構造体21Dは、基材20の表面10Aにおいて、ナノ構造体21Bの形成されている表面だけでなく、ナノ構造体21Aの形成されている表面にも形成されている。つまり、下地構造体21C,21Dは、文字通り、ナノ構造体21A,21Bの下地となっている。
なお、基材20の表面20Aが本発明の「第1の面」の一具体例に相当する。また、ナノ構造体21Aが本発明の「第1ナノ構造体」の一具体例に相当し、ナノ構造体21Bが本発明の「第2ナノ構造体」の一具体例に相当する。また、下地構造体21Cが本発明の「第1下地構造体」の一具体例に相当し、下地構造体21Dが本発明の「第2下地構造体」の一具体例に相当する。
基材20は、上記実施の形態の基材10と同様の材料・厚みによって構成されている。基材20は、例えば単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。基材20が多層構造となっている場合には、基材20は、例えば、図21(B)に示したように、支持体22の表面に凹凸層21が形成された2層構造となっている。凹凸層21の表面には、上述のナノ構造体21A,21Bおよび下地構造体21C,21Dが形成されている。
ナノ構造体21A,21Bは、基材20の表面において、例えばストライプ状に、交互に配列されている。これらのストライプ幅は、例えば表示装置における画素ピッチと同等の幅となっている。ナノ構造体21A,21Bは、後述の原盤300,400の表面300A,400A(図23、図32等参照)に形成されたパターンを基材20の表面に転写することにより形成されたものである。ナノ構造体21A,21Bは、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。なお、原盤300,400の表面300A,400Aに形成されたパターンが、本発明の「第1パターン」および「第2パターン」の一具体例に相当する。また、ナノ構造体21Aに含まれる凹凸が本発明の「第1凹凸」の一具体例に相当し、ナノ構造体21Bに含まれる凹凸が本発明の「第2凹凸」の一具体例に相当する。
ナノ構造体21Aに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体21Aに含まれる凹凸は、下地構造体21Cに含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体11Aに含まれる凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf1<1.5°
ここで、Δθf1は、ナノ構造体21Aの、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
ナノ構造体21Bに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体21Bに含まれる凹凸は、下地構造体21Dに含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体21Bに含まれる凹凸は、ナノ構造体21Aに含まれる凹凸の延在方向と交差する方向(例えば、ナノ構造体21Aに含まれる凹凸の延在方向と45°以上90°以下で交差する方向)に、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf2<1.5°
ここで、Δθf2は、ナノ構造体21Bの、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
下地構造体21Cは、後述の原盤300,400の表面300A、400Aに形成されたパターンを基材20の表面に転写することにより形成されたものである。下地構造体11Cは、ナノ構造体21Aよりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体21Cに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体21Aよりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。下地構造体21Cに含まれる凹凸(凹部または凸部)は、ナノ構造体21Aに含まれる凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。
下地構造体21Dは、後述の原盤300,400の表面300A、400Aに形成されたパターンを基材20の表面に転写することにより形成されたものである。下地構造体11Dは、ナノ構造体21Bよりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体21Dに含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体21Bよりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。下地構造体21Dに含まれる凹凸(凹部または凸部)は、ナノ構造体21Cに含まれる凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。従って、下地構造体21Dに含まれる凹凸(凹部または凸部)は、下地構造体21Cに含まれる凹凸(凹部または凸部)の延在方向と交差する方向(例えば、下地構造体21Cに含まれる凹凸(凹部または凸部)の延在方向と45°以上90°以下で交差する方向)に延在している。
ただし、下地構造体21C,21Dは、判別するのが容易ではないほど浅い、または緩やかな形状となっている場合もある。その場合には、下地構造体21C,21Dがナノ構造体21A,21B内に埋もれてしまい、例えば、図22(A),(B)に示したように、判別できないこともある。以下では、特に断りにない限り、下地構造体21C,21Dが、ナノ構造体21A,21B内において判別可能な状態で形成されているものとする。
[製造方法]
次いで、光学素子2の製造方法について、上述した光学素子1の製造方法と同様の手順で説明する。
(平板タイプの原盤の製造方法)
まず、作業者は、転写用のパターンが未形成の平板タイプの原盤300を用意する(図23)。この原盤300の材質、被加工面(表面300A)の状態等は、上記実施の形態の原盤100の場合と同様にすることができる。
次に、作業者は、表面300Aを砥粒加工する。具体的には、作業者は、表面300Aに対して、互いに交差する2方向に直線状に加工痕を入れる。交差角度は、例えば、45°以上90°以下の範囲内の一の角度である。その結果、例えば、図24に示したように、表面300Aの同一エリアには、所定の方向に延在する凸部または凹部(図示せず)を含む下地構造体310と、下地構造体310に含まれる凸部または凹部と交差する方向に延在する凸部または凹部(図示せず)を含む下地構造体320とが重複して形成される。
このとき、作業者は、砥粒として、最終的には、例えば、#2000,#4000,#6000,#8000,#10000,#15000程度の細かさのものを使用する。なお、作業者は、表面300Aに対して、互いに交差する2方向に曲線状に加工痕を入れてもよい。なお、砥粒加工自体は、工作機械によって行うようにしてもよい。なお、下地構造体310が、本発明の「第3下地構造体」の一具体例に相当し、下地構造体320が、本発明の「第4下地構造体」の一具体例に相当する。
下地構造体310、320は、それぞれ、後に形成するナノ構造体350、360(図29(A)参照)よりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体310、320に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。これらの凹凸は、それぞれ、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体350、360よりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。
次に、下地構造体310,320を含む表面に対して、パルス幅が1ピコ秒(10-12秒)以下の超短パルスレーザ、いわゆるフェムト秒レーザを用いてパターンを描画する。例えば、図25に示したように、下地構造体310,320の形成された表面のうち第1領域330に対して、フェムト秒レーザ光Lf1を照射すると共に、その照射スポットを表面300Aのうち第1領域330に対してスキャンさせる。なお、第1領域330は、後にナノ構造体350の形成される領域に対応している。
続いて、例えば、図26に示したように、下地構造体310,320の形成された表面のうち第2領域340に対して、フェムト秒レーザ光Lf2を照射すると共に、その照射スポットを表面300Aのうち第2領域340に対してスキャンさせる。なお、第2領域340は、後にナノ構造体360の形成される領域に対応している。
このとき、レーザ波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポット形状、偏光、表面300Aへ照射するレーザの強度、レーザの走査速度等が適宜設定されることにより、第1領域330に所望の凹凸を有するナノ構造体350が形成され、第2領域340に所望の凹凸を有するナノ構造体360が形成される。
例えば、フェムト秒レーザ光Lf1の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D10を、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D12と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体350が形成される(図27、図29(A),(B)、図30(A),(B))。さらに、フェムト秒レーザ光Lf2の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D20を、下地構造体320に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体360が形成される(図28、図29(A),(B)、図30(A),(B))。
なお、図30(A),(B)には、レーザ照射後の下地構造体310,320がナノ構造体350,360内に埋もれてしまい、判別できない状態になっている場合が例示されている。また、ナノ構造体350が本発明の「第3ナノ構造体」の一具体例に相当し、ナノ構造体360が本発明の「第4ナノ構造体」の一具体例に相当する。
レーザ加工に用いるレーザの波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポットの形状・整形方法・強度分布等は、上記実施の形態と同様の条件を採用することができる。
ところで、上述のナノ構造体350は、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。ナノ構造体350に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体350に含まれる凹凸は、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体350に含まれる凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf3<1.5°
ここで、Δθf3は、ナノ構造体350の、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
同様に、上述のナノ構造体360は、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。ナノ構造体360に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体360に含まれる凹凸は、下地構造体320に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体360に含まれる凹凸は、ナノ構造体350に含まれる凹凸の延在方向と交差する方向(例えば、ナノ構造体350に含まれる凹凸の延在方向と45°以上90°以下で交差する方向)に、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf4<1.5°
ここで、Δθf4は、ナノ構造体360の、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
ところで、上述のナノ構造体350が形成されるためには、下地構造体310,320を含む表面の全体または一部に対して照射するフェムト秒レーザ光Lf1の偏光方向D10が、以下の式を満たす設定軸D11に対して直交する方向を向いていることが必要である。
0°≦θp3≦30°
ここで、θp3は、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D12と、設定軸D11とのなす角度である。
同様に、上述のナノ構造体360が形成されるためには、下地構造体310,320を含む表面の全体または一部に対して照射するフェムト秒レーザ光Lf2の偏光方向D20が、以下の式を満たす設定軸D21に対して直交する方向を向いていることが必要である。
0°≦θp4≦30°
ここで、θp4は、下地構造体320に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22、設定軸D21とのなす角度である。
次に、偏光方向D10,20を上述したように設定する理由について説明する。図9から、θp3が0°以上30°以下の範囲内において、ナノ構造体350に含まれる凹凸の延在方向D13が、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D12と同一または略同一となることがわかる。同様に、θp4が0°以上30°以下の範囲内において、ナノ構造体360に含まれる凹凸の延在方向D23が、下地構造体320に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22と同一または略同一となることがわかる。
また、図9から、θp3が30°よりも大きい場合には、ナノ構造体350に含まれる凹凸の延在方向D13は、下地構造体320に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22とは無関係に、フェムト秒レーザ光Lf1の偏光方向D10と直交する方向(設定軸D11の延在方向)を向くことがわかる。また、θp4が30°よりも大きい場合には、ナノ構造体360に含まれる凹凸の延在方向D23は、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D13とは無関係に、フェムト秒レーザ光Lf2の偏光方向D20と直交する方向(設定軸D21の延在方向)を向くことがわかる。
このことから、フェムト秒レーザ光Lf1は、このフェムト秒レーザ光Lf1の偏光方向と45°以上ずれた方向に延在する凹凸(凸部または凹部)を含む下地構造体320の影響を受けることがないことがわかる。また、フェムト秒レーザ光Lf2は、このフェムト秒レーザ光Lf2の偏光方向と45°以上ずれた方向に延在する凹凸(凸部または凹部)を含む下地構造体310の影響を受けることがないことがわかる。従って、下地構造体310,320を含む表面の全体または一部に対してフェムト秒レーザ光Lf1を照射すると、フェムト秒レーザ光Lf1は、下地構造体310の影響だけを受けて、第1領域330に、ナノ構造体350を形成する。同様に、下地構造体310,320を含む表面の全体または一部に対してフェムト秒レーザ光Lf2を照射すると、フェムト秒レーザ光Lf2は、下地構造体320の影響だけを受けて、第2領域340に、ナノ構造体360を形成する。
従って、フェムト秒レーザ光Lf1,2を照射する前に表面300Aにあらかじめ下地構造体310,320を設けておくことにより、ばらつきの少ないナノ構造体350,360を形成することができる。
(平板タイプの原盤を用いた光学素子1の製造方法)
次に、上記のようにして製造した原盤300を用いて、光学素子2を製造する。
(2P成型法)
図31は、2P成型法により光学素子2を製造する工程を表したものである。例えば、支持体22上に紫外線や電子線などのエネルギー線Lで硬化する樹脂材料を塗布して樹脂層21Dを形成する。続いて、原盤300を、光学素子2の表面20Aのパターンを反転させた反転パターン(ナノ構造体350,360)を樹脂層21D側に向けて、樹脂層21Dに押し当てる。この後、例えば、エネルギー線Lを支持体22側から樹脂層21Dに向けて照射して樹脂層21Dを硬化させることにより、原盤300のパターンを樹脂層21Dの表面に転写する。その後、支持体22を離型する。このようにして、光学素子2が製造される。
(熱転写法)
まず、基材(図示せず)を用意する。このときの基材は、単層構造となっていてもよいし、多層構造(例えば、基材の表面に樹脂層が形成された2層構造)となっていてもよい。次に、例えば、基材をガラス転移温度付近まで加熱し、この加熱した基板の表面(2層構造の場合は、樹脂層の表面)に、原盤300を、光学素子2の表面20Aのパターンを反転させた反転パターン(ナノ構造体350,360)を基材側に向けて押し当てる。その後、冷却、離型する。これにより、光学素子1が製造される。
(ロールタイプの原盤の製造方法)
まず、作業者は、転写用のパターンが未形成のロールタイプの原盤400を用意する(図32)。この原盤400の材質、被加工面(表面400A)の状態等は、上記実施の形態の原盤200の場合と同様にすることができる。
次に、作業者は、表面400Aを砥粒加工する。具体的には、作業者は、表面400Aに対して、互いに交差する2方向に直線状に加工痕を入れる。交差角度は、例えば、45°以上90°以下の範囲内の一の角度である。その結果、例えば、図33に示したように、表面400Aの同一エリアには、所定の方向に延在する凸部または凹部(図示せず)を含む下地構造体410と、下地構造体410に含まれる凸部または凹部と交差する方向に延在する凸部または凹部(図示せず)を含む下地構造体420とが重複して形成される。
このとき、作業者は、砥粒として、最終的には、例えば、#2000,#4000,#6000,#8000,#10000,#15000程度の細かさのものを使用する。なお、作業者は、表面400Aに対して、互いに交差する2方向に曲線状に加工痕を入れてもよい。なお、砥粒加工自体は、工作機械によって行うようにしてもよい。なお、下地構造体410が、本発明の「第3下地構造体」の一具体例に相当し、下地構造体420が、本発明の「第4下地構造体」の一具体例に相当する。
下地構造体410、420は、それぞれ、後に形成するナノ構造体450、460(図36(A)参照)よりも粗い凹凸を含んで構成されている。下地構造体410に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。これらの凹凸は、それぞれ、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノ構造体450、460よりも粗い周期性、規則性、またはランダム性を有している。
次に、下地構造体410,420を含む表面に対して、フェムト秒レーザを用いてパターンを描画する。例えば、図34に示したように、下地構造体410,420の形成された表面のうち第1領域430に対して、フェムト秒レーザ光Lf1を照射すると共に、その照射スポットを表面400Aのうち第1領域430に対してスキャンさせる。なお、第1領域430は、後にナノ構造体450の形成される領域に対応している。
続いて、例えば、図35に示したように、下地構造体410,420の形成された表面のうち第2領域440に対して、フェムト秒レーザ光Lf2を照射すると共に、その照射スポットを表面400Aのうち第2領域440に対してスキャンさせる。なお、第2領域440は、後にナノ構造体460の形成される領域に対応している。
このとき、レーザ波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポット形状、偏光、表面400Aへ照射するレーザの強度、レーザの走査速度等が適宜設定されることにより、第1領域430に所望の凹凸を有するナノ構造体450が形成され、第2領域440に所望の凹凸を有するナノ構造体460が形成される。
例えば、フェムト秒レーザ光Lf1の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D10を、下地構造体410に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D12と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体450が形成される(図36(A),(B)、図37(A),(B))。さらに、フェムト秒レーザ光Lf2の偏光を直線偏光とし、その偏光方向D20を、下地構造体420に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22と所定の関係となるよう設定することにより、ナノ構造体460が形成される(図36(A),(B)、図37(A),(B))。
なお、図37(A),(B)には、レーザ照射後の下地構造体410,420がナノ構造体450,460内に埋もれてしまい、判別できない状態になっている場合が例示されている。また、ナノ構造体450が本発明の「第3ナノ構造体」の一具体例に相当し、ナノ構造体460が本発明の「第4ナノ構造体」の一具体例に相当する。
レーザ加工に用いるレーザの波長、繰り返し周波数、パルス幅、ビームスポットの形状・整形方法・強度分布等は、上記実施の形態と同様の条件を採用することができる。
ところで、上述のナノ構造体450は、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。ナノ構造体450に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体450に含まれる凹凸は、下地構造体410に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体450に含まれる凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf3<1.5°
ここで、Δθf3は、ナノ構造体450の、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
同様に、上述のナノ構造体460は、ナノメータオーダーの凹凸を含んで構成されている。ナノ構造体460に含まれる凹凸は、帯状の凸部または帯状の凹部(図示せず)が、その延在方向が概ね揃った状態で2次元配置された形状となっている。この凹凸は、当該凹凸の延在方向と交差する方向において、ナノメータオーダーの周期性、規則性、またはランダム性を有している。ナノ構造体460に含まれる凹凸は、下地構造体420に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向と同一または略同一の方向に延在している。さらに、ナノ構造体460に含まれる凹凸は、ナノ構造体450に含まれる凹凸の延在方向と交差する方向(例えば、ナノ構造体450に含まれる凹凸の延在方向と45°以上90°以下で交差する方向)に、以下の式で表されるばらつきを持って延在している。
0°<Δθf4<1.5°
ここで、Δθf4は、ナノ構造体460の、面内における一部(例えば1mm角)を抜き出し、その部分に含まれる凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅である。
ところで、上述のナノ構造体450が形成されるためには、下地構造体410,420を含む表面の全体または一部に対して照射するフェムト秒レーザ光Lf1の偏光方向D10が、以下の式を満たす設定軸D11に対して直交する方向を向いていることが必要である。
0°≦θp3≦30°
ここで、θp3は、下地構造体310に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D12と、設定軸D11とのなす角度である。
同様に、上述のナノ構造体460が形成されるためには、下地構造体410,420を含む表面の全体または一部に対して照射するフェムト秒レーザ光Lf2の偏光方向D20が、以下の式を満たす設定軸D21に対して直交する方向を向いていることが必要である。
0°≦θp4≦30°
ここで、θp4は、下地構造体420に含まれる凹凸(凸部または凹部)の延在方向D22、設定軸D21とのなす角度である。
なお、偏光方向D10,20を上述したように設定する理由については、平板タイプの原盤を用いた場合と同様である。
従って、フェムト秒レーザ光Lf1,2を照射する前に表面400Aにあらかじめ下地構造体410,420を設けておくことにより、ばらつきの少ないナノ構造体450,460を形成することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、上記実施の形態に限定されず、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、下地構造体110,210,310,320,410,420、ナノ構造体120,220,350,360、450,460が金属部材に形成されていた。しかし、これらは、例えば、半導体ウェハ(シリコンウェハ、GaAsウェハ、サファイアウェハなど)の表面に形成されてもよい。例えば、図38(A),(B)に示したように、半導体ウェハ3の表面3Aに、下地構造体110およびナノ構造体120が形成されていてもよい。また、例えば、図39(A),(B)に示したように、半導体ウェハ3の表面3Aに、ナノ構造体120が形成されていてもよい。また、例えば、図40に示したように、受動素子4の表面のうち機能部4Aとして設定した部位に、下地構造体110およびナノ構造体120が形成されていてもよい。また、例えば、図41に示したように、受動素子4の表面のうち機能部4Aとして設定した部位に、ナノ構造体120が形成されていてもよい。なお、図40、図41において、受動素子4の代わりに、能動素子(図示せず)を設けてもよい。
1,2…光学素子、3…半導体ウェハ、4…受動素子、10,10D,20,20D…基材、3A,4A,10A,20A,100A,200A,300A,400A…表面、11,21…凹凸層、11A,21A,21B,120,220,350,360,450,460…ナノ構造体、11B,21C,21D,110,210,310,320,410,420…下地構造体、11D,21D…樹脂層、12,22…支持体、22,330…第1領域、23,340…第2領域、100,200,300,400…原盤。

Claims (20)

  1. 複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する表面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第1パターンを第1の面に転写することにより形成された第1ナノ構造体を備え、
    前記第1ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第1凹凸を含んで構成され、
    前記第1凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している
    光学素子。
    0°<Δθf1<1.5°
    Δθf1:前記第1ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第1凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  2. 前記第1ナノ構造体の形成されている表面に、前記第1凹凸よりも粗い間隔で形成された複数の凸部または複数の凹部を含む第1下地構造体を備え、
    前記第1下地構造体に含まれる凸部または凹部は、前記第1凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している
    請求項1に記載の光学素子。
  3. 複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する表面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第2パターンを前記第1の面のうち前記第1ナノ構造体とは異なる位置に転写することにより形成された第2ナノ構造体を備え、
    前記第2ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第2凹凸を含んで構成され、
    前記第2凹凸は、前記第1凹凸の延在方向と交差する方向に、以下の式で表されるばらつきを持って延在している
    請求項1または請求項2に記載の光学素子。
    0°<Δθf2<1.5°
    Δθf2:前記第2ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第2凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  4. 前記第2ナノ構造体の形成されている表面に、前記第2凹凸よりも粗い間隔で形成されるとともに、前記第1下地構造体に含まれる凸部または凹部の延在方向と交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第2下地構造体を備え、
    前記第2下地構造体に含まれる凸部または凹部は、前記第2凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している
    請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記第1下地構造体は、前記第1ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、前記第2ナノ構造体の形成されている表面にも形成されており、
    前記第2下地構造体は、前記第2ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、前記第1ナノ構造体の形成されている表面にも形成されている
    請求項3または請求項4に記載の光学素子。
  6. 複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する第2の面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第3ナノ構造体を備え、
    前記第3ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成され、
    前記第3凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している
    被加工体。
    0°<Δθf3<1.5°
    Δθf3:前記第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  7. 前記第3ナノ構造体の形成されている表面に、前記第3凹凸よりも粗い間隔で形成された複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体を備え、
    前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部は、前記第3凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している
    請求項6に記載の被加工体。
  8. 前記第3ナノ構造体が形成された金属部材または半導体部材を備えた
    請求項6または請求項7に記載の被加工体。
  9. 複数の帯状の凸部または複数の帯状の凹部を有する第2の面に超短パルスレーザを照射することにより形成された第3ナノ構造体を備えた型を用いた転写により、第1の面に前記第3ナノ構造体を反転させた形状を有する第1ナノ構造体を形成する工程を含み、
    前記第3ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成され、
    前記第3凹凸は、以下の式で表されるばらつきを持って延在している
    光学素子の製造方法。
    0°<Δθf3<1.5°
    Δθf3:前記第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  10. 前記型は、前記第3ナノ構造体の形成されている表面に、前記第3凹凸よりも粗い間隔で形成された複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体を備え、
    前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部は、前記第3凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している
    請求項9に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記第3下地構造体は、前記第2の面に超短パルスレーザを照射する前に前記第2の面に既に形成されていた凸部または凹部が超短パルスレーザの照射によって加工されることにより形成されたものである
    請求項10に記載の光学素子の製造方法。
  12. 前記型は、前記第2の面のうち前記第3ナノ構造体とは異なる位置に超短パルスレーザを照射することにより形成された第4ナノ構造体を備え、
    前記第4ナノ構造体は、ナノメータオーダーの第4凹凸を含んで構成され、
    前記第4凹凸は、前記第1凹凸の延在方向と交差する方向に、以下の式で表されるばらつきを持って延在しており、
    前記第3ナノ構造体および前記第4ナノ構造体を備えた型を用いた転写により、前記第1の面に前記第1ナノ構造体と、前記第4ナノ構造体を反転させた形状を有する第2ナノ構造体とを形成する工程を含む
    請求項9ないし請求項11のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
    0°<Δθf4≦1.5°
    Δθf4:前記第4ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第4凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  13. 前記型は、前記第4ナノ構造体の形成されている表面に、前記第4凹凸よりも粗い間隔で砥粒加工により形成されるとともに、前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部の延在方向と交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第4下地構造体を備え、
    前記第4下地構造体に含まれる凸部または凹部は、前記第4凹凸の延在方向と同一または略同一の方向に延在している
    請求項12に記載の光学素子の製造方法。
  14. 前記第4下地構造体は、前記第2の面に超短パルスレーザを照射する前に前記第2の面に既に形成されていた凸部または凹部が超短パルスレーザの照射によって加工されることにより形成されたものである
    請求項13に記載の光学素子の製造方法。
  15. 前記第3下地構造体は、前記第3ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、前記第4ナノ構造体の形成されている表面にも形成されており、
    前記第4下地構造体は、前記第4ナノ構造体の形成されている表面だけでなく、前記第3ナノ構造体の形成されている表面にも形成されている
    請求項12ないし請求項14のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  16. 第2の面に、複数の凸部または複数の凹部を含む第3下地構造体を形成する第1工程と、
    前記第3下地構造体を含む表面の全体または一部に対して、偏光方向が、以下の式(1)を満たす第1設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、以下の式(2)で表されるばらつきを持って延在するナノメータオーダーの第3凹凸を含んで構成された第3ナノ構造体を形成する第2工程と
    を含む被加工体の製造方法。
    0°≦θp3≦30°…(1)
    0°<Δθf3<1.5°…(2)
    θp3:前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部と前記第1設定軸とのなす角度
    Δθf3:前記第3ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第3凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  17. 前記第1工程において、前記第2の面に、前記第3下地構造体と、前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部と45°以上90°以下の範囲内で交差する方向に延在する複数の凸部または複数の凹部を含む第4下地構造体とを重複して形成し、
    前記第2工程において、前記第3下地構造体よび前記第4下地構造体を含む表面の一部に対して、偏光方向が、前記第1設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、前記第3ナノ構造体を形成するとともに、前記第3下地構造体および前記第4下地構造体を含む表面のうち前記第3ナノ構造体の未形成部分に対して、偏光方向が、以下の式(3)を満たす第2設定軸に対して直交する方向を向いている超短パルスレーザを照射することにより、以下の式(4)で表されるばらつきを持って延在するナノメータオーダーの第4凹凸を含んで構成された第4ナノ構造体を形成する
    請求項16に記載の被加工体の製造方法。
    0°≦θp4≦30°…(3)
    0°<Δθf4<1.5°…(4)
    θp4:前記第4下地構造体に含まれる凸部または凹部と前記第2設定軸とのなす角度
    Δθf4:前記第4ナノ構造体の、面内における一部を抜き出し、その部分に含まれる第4凹凸の延在方向の角度ばらつきをガウス関数で表したときの半値幅
  18. 前記第1工程において、前記第3下地構造体を、その表面を砥粒で加工することにより形成し、
    前記第3下地構造体に含まれる凸部または凹部を、前記第3凹凸よりも粗い間隔で形成する
    請求項16に記載の被加工体の製造方法。
  19. 前記第1工程において、前記第3下地構造体および前記第4下地構造体を、その表面を砥粒で加工することにより形成し、
    前記第3下地構造体および前記第4下地構造体に含まれる凸部または凹部を、前記第4凹凸よりも粗い間隔で形成する
    請求項17に記載の被加工体の製造方法。
  20. 前記第2の面は、金属部材または半導体部材の表面である
    請求項16ないし請求項19のいずれか一項に記載の被加工体の製造方法。
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