JP2014136304A - 成形型及びその製造方法、並びに構造物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】その一部に微細加工面が形成されるとともに、全体として複雑な3次元構造をもつ構造物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】構造物10は、凹部11と、凹部11に連通する第1流路12と、凹部11に連通する第2流路13とを備えている。第1流路12の底面22と第2流路13の底面33とは高さが互いに異なっている。第1流路12の底面22および第2流路13の底面33に、それぞれ微細加工面24、34を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細加工面を有する成形型及びその製造方法、並びに構造物及びこのような構造物の製造方法に関する。
従来、構造物に対して大きさが1μm以下の凹凸パターンを形成する場合、フォトリソグラフィ法が多用されている。しかしながら、フォトリソグラフィ法を用いた場合、その形成するパターン形状がいかなる場合であれ、加工深さには限界が有る。このため、フォトリソグラフィ法を用いた加工は、平面的な加工に限定される事が多い。
一方、一般に切削加工では、構造物に、深さの深い複雑な3次元形状を加工することが可能であるが、工具サイズの制限等により、その微細度には限界がある。このため、大きさが1μm以下の凹凸面を有する3次元構造物を製造する場合、フォトリソグラフィ法と切削加工方法とをうまく組み合わせる方法を考慮する必要がある。しかしながら、予め形状が付与された3次元構造物に対して、選択的にフォトリソグラフィ法を行い、その一部に1μm以下の凹凸パターンを形成する事は事実上不可能であり、フォトリソグラフィ法と切削加工方法と組み合わせる事は従来困難な作業であった。
特表2000−506432号公報 特開2011−53334号公報
特許文献1には、複数のプレートを積層して構成される多層部品の製造方法に関する発明が記載されている。この場合、第1のプレートを射出成型で成形した後、第1のプレート上に第2のプレートを射出成型し、以降同様の動作を繰り返して多層部品を製造することようになっている。しかしながら、特許文献1には、多層部品に微細加工面を設けることに関する記載はない。
一方、特許文献2には、材料表面に微細な凹凸を形成することで濡れ性を変化させることが開示されている。しかしながら、このような微細な凹凸を例えば流路の底面など複雑な3次元構造をもつ構造物に形成する方法については一切記載されていない。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、その一部に微細加工面が形成されるとともに、全体として複雑な3次元構造をもつ構造物を容易に作製することが可能な、成形型及びその製造方法、並びに構造物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、構造物を製造するための成形型の製造方法であって、基材と、前記基材上に設けられた第1凸部とを有する中間構造物を準備する工程と、前記中間構造物の前記第1凸部の上面に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程とを備えたことを特徴とする成形型の製造方法である。
本発明は、前記中間構造物は、前記基材上に設けられ、前記第1凸部と高さが異なる第2凸部をさらに有することを特徴とする成形型の製造方法である。
本発明は、前記中間構造物の前記第2凸部の上面に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする成形型の製造方法である。
本発明は、前記加工バイトは、バイト基体と、前記バイト基体に対してストライプ状に形成された複数の微細凹溝とを有することを特徴とする成形型の製造方法である。
本発明は、前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする成形型の製造方法である。
本発明は、成形型を製造する工程と、前記成形型を用いて構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、凹部と、前記凹部に連通する第1流路と、前記凹部に連通する第2流路とを有する構造物を製造する、構造物の製造方法であって、基材と、前記基材上に設けられ、前記凹部に対応する筒状部と、前記基材上に設けられ、前記第1流路に対応する第1凸部と、前記基材上に設けられ、前記第2流路に対応する第2凸部とを有する中間構造物であって、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成することにより、成形型を作製する工程と、前記成形型を用いて前記構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、構造物の製造方法であって、基材と、前記基材上に設けられた第1凸部と、前記基材上に設けられた第2凸部とを有し、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、凹部と、前記凹部に連通する第1流路と、前記凹部に連通する第2流路とを有する構造物を製造する、構造物の製造方法であって、基材と、前記基材上に設けられ、前記凹部に対応する筒状部と、前記基材上に設けられ、前記第1流路に対応する第1凸部と、前記基材上に設けられ、前記第2流路に対応する第2凸部とを有する中間構造物であって、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成することにより、成形型を作製する工程と、前記成形型を用いて前記構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、前記加工バイトは、バイト基体と、前記バイト基体に対してストライプ状に形成された複数の微細凹溝とを有することを特徴とする構造物の製造方法である。
本発明は、構造物を製造するための成形型であって、基材と、前記基材上に設けられた第1凸部と、前記基材上に設けられた第2凸部とを備え、前記第1凸部と前記第2凸部とは高さが互いに異なり、前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、微細加工面を設けたことを特徴とする成形型である。
本発明は、前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする成形型である。
本発明は、構造物であって、凹部と、前記凹部に連通する第1流路と、前記凹部に連通する第2流路とを備え、前記第1流路の底面と前記第2流路の底面とは高さが互いに異なり、前記第1流路の前記底面および前記第2流路の前記底面の少なくとも一方に、微細加工面を設けたことを特徴とする構造物である。
本発明は、前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする構造物である。
本発明によれば、その一部に微細加工面が形成されるとともに、全体として複雑な3次元構造をもつ構造物を容易に作製することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による構造物を示す斜視図。 図2(a)〜(b)は、微細加工面を示す拡大概略斜視図。 図3(a)〜(c)は、構造物の製造方法を示す断面図。 図4は、ダイヤモンドバイト(加工バイト)を示す斜視図。 図5は、ダイヤモンドバイト(加工バイト)を用いて微細加工面を加工している状態を示す斜視図。 図6は、成形型を示す斜視図。 図7(a)〜(c)は、構造物の製造方法を示す断面図。
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
(構造物)
まず本発明の一実施形態に係る構造物の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る構造物の斜視図である。
図1に示すように、構造物10は、全体として略直方体形状の本体15と、本体15の略中央部に設けられた凹部11と、凹部11に連通する第1流路12と、凹部11に連通する第2流路13とを備えている。
このうち凹部11は、平面円形状を有するとともに、構造物10の厚み方向(Z方向)に貫通しない凹形状を有している。この凹部11は、円形状の底面14と、底面14の外周に設けられた円筒形の側面16とを有している。
なお、凹部11の深さは、任意であり、フォトリソグラフィで作れる深さであっても良いし(例えば10μm)、フォトリソグラフィで作れない深さであっても良い(例えば1mm)。凹部11の径は、例えば200mm以下(フォトリソグラフィで作製可能な径)としても良い。なお、凹部11の平面形状は、円形状に限られるものではなく、例えば楕円形状や、正方形状等の多角形状等としても良い。
第1流路12は、凹部11から一方向(X軸プラス方向)に延びるとともに、構造物10の厚み方向(Z方向)に貫通しない凹形状を有している。この第1流路12は、底面22と、底面22の両端から延びる側面26とを有している。第1流路12は平面直線(長方形)形状を有しているが、これに限られるものではなく、湾曲した形状や、蛇行した形状であっても良い。
なお、第1流路12の深さは、任意であり、フォトリソグラフィで作れる深さであっても良いし(例えば10μm)、フォトリソグラフィで作れない深さであっても良い(例えば1mm)。第1流路12の幅は、例えば200mm以下(フォトリソグラフィで作製可能な幅)としても良い。
また、底面22には、微細加工面24が設けられている。この微細加工面24は、図2に示すように、1μm以下(ナノオーダー)の開口寸法をもつ多数(複数)の微細凹部51、52が形成されている。
このような微細凹部は、図2(a)に示すように、それぞれ微細孔51からなっていても良い。図2(a)において、多数(複数)の微細孔51は、互いに同一形状を有するとともに、縦横それぞれ均等な間隔でマトリックス状に配置されている。具体的には、微細孔51のピッチpは1μm以下であり、好ましくは500nm〜1μmである。また、微細孔51の幅wは、1μm以下であり、800nm以下とすることが更に好ましい。また、微細孔51の深さdは、50nm〜1μmとすることが好ましい。なお、微細孔51の平面形状は、正方形状に限られるものではなく、円形状、楕円形状、多角形状等としても良い。
あるいは、図2(b)に示すように、微細加工面24に形成された多数の微細凹部は、それぞれ微細溝52からなっていても良い。図2(b)において、多数(複数)の微細溝52は、縦横それぞれ均等な間隔でマトリックス状に配置されている。具体的には、微細溝52のピッチpは1μm以下であり、好ましくは500nm〜1μmである。また、微細溝52の幅wは、1μm以下であり、800nm以下とすることが更に好ましい。また、微細溝52の深さdは、50nm〜1μmとすることが好ましい。なお、微細溝52は、縦横に配置される場合に限らず、斜め方向に延びていても良い。
なお、微細加工面24は、底面22の全域に形成されていても良く、底面22の一部の領域のみに形成されていても良い。
再度図1を参照すると、第2流路13は、凹部11を挟んで第1流路12の反対方向(X軸マイナス方向)に延びるとともに、構造物10の厚み方向(Z方向)に貫通しない凹形状を有している。この第2流路13は、底面33と、底面33の両端から延びる側面36とを有している。第2流路13は平面直線(長方形)形状を有しているが、これに限られるものではなく、湾曲した形状や、蛇行した形状であっても良い。
なお、第2流路13の深さは、第1流路12の深さより浅い任意の深さであり、フォトリソグラフィで作れる深さであっても良いし(例えば10μm)、フォトリソグラフィで作れない深さであっても良い(例えば1mm)。したがって、第1流路12の底面22の高さ(Z方向)と、第2流路13の底面33の高さ(Z方向)とは、互いに異なっている。また第2流路13の幅は、第1流路12の幅より狭くしても良く、例えば200mm以下(フォトリソグラフィで作製可能な幅)としても良い。
また、底面33には、微細加工面34が設けられている。この微細加工面34には、図2に示すように、1μm以下の開口寸法をもつ多数(複数)の微細凹部51、52が形成されている。なお、第2流路13の微細加工面34に形成される微細凹部51、52の構成は、上述した第1流路12の微細加工面24に形成される微細凹部51、52の構成と略同様とすることができるので、ここでは詳細な説明を省略する。ただし、微細加工面24と微細加工面34とで、微細凹部51、52のピッチp、p、幅w、wおよび/または深さd、dを互いに異ならせても良い。
なお、微細加工面34は、底面33の全域に形成されていても良く、底面33の一部の領域のみに形成されていても良い。
このような構造物10は、それぞれシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)等の熱可塑性樹脂、ウレタンアクリリレート、ポリエステルアクリレート、オキセタン樹脂等の光硬化性樹脂等の合成樹脂材料から作製されても良い。なお、構造物10が合成樹脂材料から作製される場合、合成樹脂材料としては透明な材料を用いることが好ましい。この場合、構造物10の裏面から光を照射することにより、凹部11、第1流路12および第2流路13の内部を観察することが可能になる。
このように第1流路12の底面22に微細加工面24を設けたことにより、第1流路12の底面22は、構造物10の他の面より親水性又は撥水性が高められている。同様に、第2流路13の底面33は、構造物10の他の面より親水性又は撥水性が高められている。このため、第1流路12の底面22および第2流路13の底面33に、フッ素樹脂などのコーティング層を設けることなく、第1流路12の底面22および第2流路13の底面33上の微細凹凸構造だけを用いて、親水性又は撥水性を発現できるようになっている。
以上説明した構造物10は、例えば医療用の検査チップや培養チップの様な高度な液体制御が要求されるマイクロ流路(マイクロチップ)として好適に用いることができる。この場合、凹部11、第1流路12および第2流路13が、それぞれ液体の収容部、液体の導入路および液体の排出路に対応しても良い。
(構造物の製造方法)
次に、図1に示す構造物10を製造する方法について、図3乃至図7を用いて説明する。なお、図3(a)〜(c)および図7(a)〜(b)は、それぞれ構造物10の製造方法を示す断面図(図1のX方向に沿う断面図)である。また、図4は、ダイヤモンドバイト(加工バイト)を示す斜視図であり、図5は、ダイヤモンドバイト(加工バイト)を用いて微細加工面を加工している状態を示す斜視図であり、図6は、成形型を示す斜視図である。
まず、中間構造物用材料70を準備する(図3(a))。中間構造物用材料70は、例えば無機材料または金属材料からなっていても良い。
中間構造物用材料70が無機材料からなる場合、中間構造物用材料70は、例えば、合成石英、サファイア、無アルカリガラス等の二酸化ケイ素を含む材料から作製されても良い。また、その全体が均一の材料からなっていなくてもよい。たとえば、自然酸化膜で覆われたシリコンウェハでもよい。
一方、中間構造物用材料70が金属材料からなる場合、中間構造物用材料70は、鋼、銅、チタン、アルミニウム等を含む材料から作製されても良い。なお、金属製の中間構造物用材料70を用いた場合、成形型80(後述)が金属から作製されるので、成形型80が破損するおそれが小さく、多数の構造物10を製造しやすいという効果が得られる。
次に、中間構造物用材料70に対して、例えば回転切削工具を用いて切削加工を施すことにより、中間構造物75を作製する(図3(b))。このような中間構造物75は、基材74と、基材74上に設けられ構造物10の凹部11に対応する筒状部71と、基材74上に設けられ、第1流路12に対応する第1凸部72と、基材74上に設けられ、第2流路13に対応する第2凸部73とを有している。
このうち筒状部71は、基材74の略中央部に位置しており、円筒形状を有している。また第1凸部72は、筒状部71から一方向に延びるとともに、細長い直方体形状を有している。さらに第2凸部73は、筒状部71を挟んで第1凸部72の反対方向に延びるとともに、細長い直方体形状を有している。なお、第1凸部72と第2凸部73とは互いに高さが異なっており、基材74表面からの高さは、第2凸部73より第1凸部72の方が高くなっている。さらに、筒状部71の高さは、第1凸部72の高さより高くなっている。
この場合、NC旋盤、マシニングセンタ等、従来一般に用いられている工作機械を用いて、中間構造物75の外形形状を形成しても良い。あるいは、中間構造物用材料70が金属材料からなる場合、例えばダイカスト成形法などの成形法や電鋳法により、所定の外形形状を有する中間構造物75を直接作製しても良い。
続いて、中間構造物75の第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに、それぞれ微細加工面76、77を形成することにより、成形型80を作製する(図3(c))。
この場合、微細加工面76、77は、それぞれ中間構造物75を形成する場合とは異なる切削工具、例えば1μm以下(ナノオーダー)の加工が可能なダイヤモンドバイト(加工バイト)90を用いて形成することが好ましい。
図4に示すように、ダイヤモンドバイト90は、例えば単結晶のダイヤモンドからなるダイヤモンド基体(バイト基体)91と、ダイヤモンド基体91に対してストライプ状に形成された複数の微細凹溝92とを有している。このうち微細凹溝92の内面は、結晶性を有するダイヤモンドから構成されていても良い。この場合、後述するように、中間構造物75の第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに切削加工を施して成形型80を作製する際、微細凹溝92が破壊されることを抑制することができる。
この場合、各微細凹溝92の長手方向に垂直な断面形状としては、例えば矩形状(正方形状、長方形状)、台形状、三角形状、半円形状等を挙げることができる。また、微細凹溝92の幅w、深さdおよびピッチpは、特に限定されないが、例えば幅wが50nm〜4000nmの範囲内であり、深さdが50nm〜4000nmの範囲内であり、ピッチpが100nm〜8000nmの範囲内であることが好ましい。なお、微細凹溝92のピッチとは、微細凹溝92の中心から隣接する微細凹溝92の中心までの距離をいう。
ダイヤモンドバイト90を作製する場合、まずダイヤモンド基体91および図示しない金属層の積層体を準備し、この積層体の金属層表面に形成されたレジスト層に対して電子線ビーム(EB:Electron Beam)を用いて描画する。その後、現像処理を施してレジスト層をパターニングし、パターニングされたレジスト層に合わせて金属層をパターン状に除去する。その後、金属層が除去されて露出したダイヤモンド基体91に酸素プラズマエッチング処理を施すことにより、複数の微細凹溝92が形成されたダイヤモンドバイト90が得られる。
このようなダイヤモンドバイト90は、図示しない精密切削加工機の台座に固定されて用いられる。
この際、微細凹溝92を第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに当接させつつ、ダイヤモンドバイト90を第1凸部72および第2凸部73に対して一方向に移動させることにより、第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aを切削する。
このように、ダイヤモンドバイト90により第1凸部72および第2凸部73を表面加工することにより、第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに直線状の微細溝79が形成される(図5)。すなわち、ダイヤモンドバイト90の形状に対応するように、凹凸を逆にして第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに微細溝79が形成される。そして、この表面加工を、第1凸部72および第2凸部73のそれぞれについて、ダイヤモンドバイト90を上面72a、73aの長手方向およびそれに垂直な方向にそれぞれ移動させつつ継続して切削することにより、上面72a、73aに、それぞれマトリックス状の多数の微細溝79を形成することができる。
図6は、このようにして得られた成形型80の斜視図である。図6に示すように、成形型80は、基材74と、基材74上に設けられた筒状部71と、基材74上に設けられた第1凸部72と、基材74上に設けられた第2凸部73とを有し、第1凸部72と第2凸部73とは互いに高さが異なっている(第2凸部73より第1凸部72の方が高い)。また、成形型80の第1凸部72の上面72aおよび第2凸部73の上面73aに、それぞれ微細加工面76、77が形成されている。
本実施の形態において、このように、高さが互いに異なる第1凸部72の上面(第1面)72aと、第2凸部73の上面(第2面)73aとを備え、上面(第1面)72aおよび上面(第2面)73aに、それぞれ微細加工面76、77を設けた構造物(成形型)80も提供する。
続いて、このような成形型80を用いて、構造物10を成形する。具体的には、成形型80の筒状部71と第1凸部72と第2凸部73とを、合成樹脂材料78に転写することにより、合成樹脂製の構造物10を成形する(図7(a)〜(b))。すなわち、成形型80の筒状部71、第1凸部72および第2凸部73によって、それぞれ凹部11、第1流路12および第2流路13が賦形される。
この際、第1凸部72の微細加工面76および第2凸部73の微細加工面77によって、それぞれ微細加工面24、34が賦形される。なお、微細加工面76、77が多数の微細溝79から構成される場合、微細加工面24、34には多数の微細孔51が形成される(図2(a)参照)。一方、微細加工面76、77が多数の微細孔から構成される場合、微細加工面24、34には多数の微細溝52が形成される(図2(b)参照)。
このようにして、凹部11と、凹部11に連通する第1流路12と、凹部11に連通する第2流路13とを有する構造物10(図1)が得られる(図7(c))。
成形型80を用いて構造物10を成形する方法としては、例えば熱ナノインプリント法や光ナノインプリント法等のナノインプリント法や、射出成形法等の成形法を挙げることができる。
このように、本実施の形態によれば、互いに高さが異なる第1凸部72の上面72aと第2凸部73の上面73aとを有する中間構造物75を準備し、この中間構造物75の第1凸部72の上面72aと第2凸部73の上面73aに、それぞれ加工バイトを用いて微細加工面76、77を形成して成形型80を作製する。その後、この成形型80を用いて構造物10を成形する。これにより、1μm以下の開口寸法をもつ構造(微細凹部51、52)と、大きく複雑な3次元構造(例えば凹部11、第1流路12および第2流路13)との両方を有する構造物10を容易に作製することができる。
とりわけ、任意の一定の深さを有する第1流路12および第2流路13の流路の底面22、33に、それぞれ1μm以下の開口寸法をもつ多数の微細凹部51、52を形成することができる。このような多数の微細凹部51、52を含む微細加工面24、34を設けることにより、第1流路12の底面22および第2流路13の底面33の親水性又は撥水性を高められる。これにより、構造物10において、第1流路12および第2流路13を流れる液体の流れ易さを制御することができる。
なお、上記において、構造物10は、互いに高さが異なる2つの面(底面22、33)を有しているが、これに限らず、互いに高さが異なる3つ以上の面を有していても良い。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組み合わせることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 構造物
11 凹部
12 第1流路
13 第2流路
14 底面
15 本体
22 底面
24 微細加工面
33 底面
34 微細加工面
51 微細孔(微細凹部)
70 中間構造物用材料
71 筒状部
72 第1凸部
73 第2凸部
74 基材
75 中間構造物
76 微細加工面
77 微細加工面
80 成形型
90 ダイヤモンドバイト(加工バイト)
91 ダイヤモンド基体(バイト基体)
92 微細凹溝

Claims (15)

  1. 構造物を製造するための成形型の製造方法であって、
    基材と、前記基材上に設けられた第1凸部とを有する中間構造物を準備する工程と、
    前記中間構造物の前記第1凸部の上面に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程とを備えたことを特徴とする成形型の製造方法。
  2. 前記中間構造物は、前記基材上に設けられ、前記第1凸部と高さが異なる第2凸部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の成形型の製造方法。
  3. 前記中間構造物の前記第2凸部の上面に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の成形型の製造方法。
  4. 前記加工バイトは、バイト基体と、前記バイト基体に対してストライプ状に形成された複数の微細凹溝とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の成形型の製造方法。
  5. 前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の成形型の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の方法により成形型を製造する工程と、
    前記成形型を用いて構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法。
  7. 凹部と、前記凹部に連通する第1流路と、前記凹部に連通する第2流路とを有する構造物を製造する、構造物の製造方法であって、
    基材と、前記基材上に設けられ、前記凹部に対応する筒状部と、前記基材上に設けられ、前記第1流路に対応する第1凸部と、前記基材上に設けられ、前記第2流路に対応する第2凸部とを有する中間構造物であって、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、
    前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成することにより、成形型を作製する工程と、
    前記成形型を用いて前記構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法。
  8. 構造物の製造方法であって、
    基材と、前記基材上に設けられた第1凸部と、前記基材上に設けられた第2凸部とを有し、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、
    前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法。
  9. 凹部と、前記凹部に連通する第1流路と、前記凹部に連通する第2流路とを有する構造物を製造する、構造物の製造方法であって、
    基材と、前記基材上に設けられ、前記凹部に対応する筒状部と、前記基材上に設けられ、前記第1流路に対応する第1凸部と、前記基材上に設けられ、前記第2流路に対応する第2凸部とを有する中間構造物であって、前記第1凸部と前記第2凸部とは互いに高さが異なる、中間構造物を準備する工程と、
    前記中間構造物の前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、加工バイトを用いて微細加工面を形成することにより、成形型を作製する工程と、
    前記成形型を用いて前記構造物を成形する工程とを備えたことを特徴とする構造物の製造方法。
  10. 前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする請求項8又は9記載の構造物の製造方法。
  11. 前記加工バイトは、バイト基体と、前記バイト基体に対してストライプ状に形成された複数の微細凹溝とを有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項記載の構造物の製造方法。
  12. 構造物を製造するための成形型であって、
    基材と、
    前記基材上に設けられた第1凸部と、
    前記基材上に設けられた第2凸部とを備え、
    前記第1凸部と前記第2凸部とは高さが互いに異なり、
    前記第1凸部の上面および前記第2凸部の上面の少なくとも一方に、微細加工面を設けたことを特徴とする成形型。
  13. 前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする請求項12記載の成形型。
  14. 構造物であって、
    凹部と、
    前記凹部に連通する第1流路と、
    前記凹部に連通する第2流路とを備え、
    前記第1流路の底面と前記第2流路の底面とは高さが互いに異なり、
    前記第1流路の前記底面および前記第2流路の前記底面の少なくとも一方に、微細加工面を設けたことを特徴とする構造物。
  15. 前記微細加工面は、1μm以下の開口寸法をもつ微細凹部を有することを特徴とする請求項14記載の構造物。
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