JP2011202913A - マルチ形空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室外機3と、室外機3に並列に接続される複数台の室内機11A,11Bと、圧縮機13が室内機11A,11Bの負荷に応じた要求能力を全て満たすように設定された目標圧力に対応する回転数で運転され、室内機11A,11Bでは、室内温度が設定温度範囲に入るように室内機11A,11Bの要求能力が投入され、あるいは遮断されるオンオフ制御を行う構成を有する室外制御部53と、が備えられているマルチ形空気調和装置1であって、室外制御部53には、室内機11A,11Bの負荷が低い低負荷状態である場合に圧縮機13の回転数が低減するように目標圧力を変更させ、低負荷状態を脱した場合に圧縮機13の回転数を元に戻るように目標圧力を変更させる目標圧力変更部67を備える。
【選択図】図1
Description
このため、圧縮機の運転は実際に必要な出力よりも高い出力で運転されることになりやすく、運転点のCOPが悪化し、また,一般に圧縮機の効率も高回転数の方が効率が落ちるため,全体の効率が落ちるという課題がある。
また、室内機の室温制御においても設定温度付近での圧縮機出力の微調整ができないため、能力ムラが発生し、空調フィーリングが低下するという課題がある。
すなわち、本発明の一態様は、回転数が可変とされた圧縮機を有する室外機と、前記室外機に並列に接続されている複数台の室内機と、前記圧縮機が前記各室内機の負荷に応じた要求能力を全て満たすように設定された目標圧力に対応する回転数で運転され、前記各室内機では、室内温度が設定温度範囲に入るように当該室内機の前記要求能力が投入され、あるいは遮断されるオンオフ制御を行う構成を有する制御部と、が備えられているマルチ形空気調和装置であって、該制御部には、前記室内機の負荷が低い低負荷状態である場合に前記圧縮機の回転数が低減するように前記目標圧力を変更させ、前記低負荷状態を脱した場合に前記圧縮機の回転数を元に戻るように前記目標圧力を変更させる目標圧力変更部が備えられているマルチ形空気調和装置である。
このように圧縮機の出力が低減されると、室内機の空調能力が低下するので、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減し、温度ムラを生じにくくすることができる。これにより空調フィーリングを向上させることができる。
要求能力が設定された最大値である室内機が1台も存在しない場合には、全ての室内機で大きな要求能力を必要としていないこととなるので、目標圧力変更部は低負荷状態と判定し、余裕を持って設定された目標圧力を圧縮機の出力が低減する方向に変更することができる。
能力が投入されている(サーモオンしている)室内機において室内温度と設定温度との差が所定範囲に入っていない室内機が1台も存在しない、言い換えると、サーモオンしている室内機全ての室内温度が設定温度に近づいた場合には、全ての室内機で大きな要求能力を必要としていないこととなるので、目標圧力変更部は低負荷状態と判定し、余裕を持って設定された目標圧力を圧縮機の出力が低減する方向に変更することができる。
また、この構成では、前記目標圧力変更部は、能力が投入されている前記室内機の全容量に占める前記要求能力が設定された最大値である能力が投入されている前記室内機の容量が所定割合以下となると準低負荷状態であり、所定割合を超えると前記低負荷状態を脱した状態であると判定するようにしてもよい。
このように圧縮機の出力が低減されると、室内機の空調能力が低下するので、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減し、温度ムラを生じにくくすることができ、空調フィーリングを向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかるマルチ形空気調和装置1の冷媒回路図が示されている。
マルチ形空気調和装置1は、1台の室外機3と、室外機3から導出されるガス側配管5および液側配管7と、このガス側配管5および液側配管7間に分岐器9を介して並列に接続されている複数台の室内機11A,11Bと、から構成されている。
また、室外機3には、室外熱交換器19に対して外気を送風する室外ファン41が設けられている。さらに、油分離器15と圧縮機13の吸入配管37Eとの間には、油分離器15内で吐出冷媒ガスから分離された冷凍機油を所定量ずつ圧縮機21側に戻すための油戻し回路43が設けられている。
室内制御部55は、吸込み空気温度センサ63、吹出し空気温度センサ、熱交温度センサ、熱交出口温度センサ等からの入力情報に基づいて室外制御部53に必要な制御情報を送信するとともに、室内膨張弁49の開度や室内ファン51による風量等を適宜制御するように構成されている。また、室内制御部55は、吸込み空気温度センサ63が検出する室内温度と設定温度との差分から要求能力を計算し、室外制御部53へ送信するように構成されている。要求能力に換えて圧縮機13での相当回転数に変換した要求周波数を送信するようにしてもよい。
また、室外制御部53は、暖房運転時、高圧センサ59の検出値に基づいて高圧圧力を暖房目標高圧(目標圧力)HPに制御でき、冷房運転時、低圧センサ61の検出値に基づいて低圧圧力を冷房目標低圧(目標圧力)LPに制御できるように構成されている。
目標圧力変更部67は、室内機11A,11Bの負荷(要求能力)が低い低負荷状態である場合に圧縮機13の回転数が低減するように暖房目標高圧HPを低減し、あるいは冷房目標低圧LPを増加させるように変更し、低負荷状態を脱した場合に圧縮機13の回転数を暖房目標高圧HPあるいは冷房目標低圧LPに戻るように目標圧力を変更させる。
圧縮機13で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出され、油分離器15で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離される。
その後、冷媒ガスは、四方切換弁17によりガス配管37B側に循環され、室外熱交換器19で室外ファン41により送風される外気と熱交換されて凝縮液化される。
この液冷媒は、過冷却コイル21で更に冷却された後、室外膨張弁23を通過し、レシーバ25にいったん貯留される。
この液冷媒は、液側操作弁35を経て室外機3から液側配管7へと導出され、更に液側配管7に導出された液冷媒は、分岐器9により各室内機11A,11Bの分岐液側配管7A,7Bへと分流される。
室内熱交換器47では、室内ファン51により循環される室内空気と冷媒とが熱交換され、室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。一方、冷媒はガス化され、分岐ガス側配管5A,5Bを経て分岐器9に至り、他の室内機からの冷媒ガスとガス側配管5で合流される。
アキュムレータ31では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが圧縮機13へと吸入される。
この冷媒は、圧縮機13において再び圧縮され、以上のサイクルを繰り返すことによって冷房運転が行われる。
圧縮機13により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管37Aに吐出され、油分離器15で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離された後、四方切換弁17によりガス配管37D側に循環される。
この冷媒は、ガス側操作弁33、ガス側配管5を経て室外機3から導出され、更に分岐器9、室内側の分岐ガス側配管5A,5Bを経て室内機11A,11Bへと導入される。
室内熱交換器47で凝縮された液冷媒は、室内膨張弁(EEVC)49、分岐液側配管7A,7Bを経て分岐器9に至り、他の室内機からの冷媒と合流された後、液側配管7を経て室外機3に戻される。
この液冷媒は、液配管37Cを介して室外膨張弁(EEVH)23に供給され、そこで断熱膨張された後、過冷却コイル21を経て室外熱交換器19へと流入される。
この冷媒は、室外熱交換器19からガス配管37B、四方切換弁17、吸入配管37Eを経て過冷却用分岐配管37Fからの冷媒と合流され、アキュムレータ31に導入される。アキュムレータ31では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離されてガス分のみが圧縮機13へと吸入され、圧縮機13において再び圧縮される。以上のサイクルを繰り返すことによって暖房運転が行われる。
室内機11A,11Bでは、吸込み空気温度センサ63が検出する室内温度が設定温度範囲に入るように要求能力が投入されるサーモオンあるいは遮断されるサーモオフを繰り返すオンオフ制御が行われている。
この暖房目標高圧HP1あるいは冷房目標低圧LP1の設定について図2により説明する。図2は、目標圧力変更部67のフローを示すフロー図である。
目標圧力変更部67で目標圧力の変更を開始する(ステップS1)。
この判定は、たとえば、サーモオンしている室内機11A,11Bにおいて、要求能力が最大となっている室内機11A,11Bが1台もいない状態を検知したら、全ての室内機11A,11Bで大きな要求能力を必要としていないこととなるので、低負荷状態であると判定するようにしてもよい。
また、サーモオンしている室内機の全容量に占める要求能力が設定された最大値であるサーモオンしている室内機の合計した容量が所定割合、たとえば、50%よりも小さくなると、大きな要求能力を必要とする室内機11A,11Bの割合が小さくなるので、低負荷状態と判定するようにしてもよい。
たとえば、冷房目標低圧LPが約0.75MPa(約2.2℃)とすると、冷房目標低圧LP1は10分間に+0.015MPa(約0.5℃)の割合で上げるように設定される。
暖房目標高圧HPが約2.75MPa(約47.3℃)とすると、暖房目標高圧HP1は10分間に0.033MPa(約0.5℃)の割合で下げるように設定される。
ステップS5で低負荷状態から脱した(YES)と判定すると、暖房目標高圧HP1あるいは冷房目標低圧LP1は暖房目標高圧HPあるいは冷房目標低圧LPに戻るように変更される(ステップS6)。
たとえば、冷房目標低圧LP1は、1分間に0.015MPa(約0.5℃)の割合で下げられる。
暖房目標高圧HP1が1分間に0.033MPa(約0.5℃)の割合で上げられる。
ステップS5で低負荷状態を脱していない(NO)と判定されると、ステップS8に移行し、ステップS4で設定された暖房目標高圧HP1あるいは冷房目標低圧LP1が目標圧力として決定される。
したがって、圧縮機13は設定された暖房目標高圧HPあるいは冷房目標低圧LPよりも圧縮機13の回転数が低減、言い換えれば、出力を低減させた状態で運転されることになる。このように、圧縮機13の出力を低減することができるので、運転効率を向上させることができる。
これにより、室内機11A,11Bの室温制御においては、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減するので、温度ムラが生じにくくなる。
また、暖房運転時に圧縮機13の高圧が低く設定されるので、圧縮機13の回転数が低くなり、室内機11A,11Bからの吹出温度が高くなる。
これにより、室内機11A,11Bの室温制御においては、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減するので、温度ムラが生じにくくなる。
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、目標圧力変更部67における処理フローが異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
第1実施形態と同じ部分は同じ符号を用いて、詳細な説明を省略する。
図3は、目標圧力変更部67のフローを示すフロー図である。
目標圧力変更部67で目標圧力の変更を開始する(ステップS11)。
目標圧力変更部67は、サーモオンしている室内機11A,11Bにおいて、要求能力が最大となっている室内機11A,11Bが存在するか否かを判定する(ステップS12)。
この判定は、サーモオンしている室内機11A,11Bにおいて室内温度と設定温度との差が所定範囲、たとえば、3℃以内に入っていない室内機11A,11Bが存在しないことを判定するようにしてもよい。
たとえば、冷房目標低圧LPが約0.75MPa(約2.2℃)とすると、冷房目標低圧LP1は10分間に+0.015MPa(約0.5℃)の割合で上げるように設定される。
暖房目標高圧HPが約2.75MPa(約47.3℃)とすると、暖房目標高圧HP1は10分間に0.033MPa(約0.5℃)の割合で下げるように設定される。
ステップS15で50%以上、たとえば、サーモオンしている室内機の容量合計が14kWに対して、要求能力が最大となっているサーモオンしている室内機の容量合計が7kW以上(YES)と判定すると、低負荷状態を脱した状態と判断し、暖房目標高圧HP1あるいは冷房目標低圧LP1は暖房目標高圧HPあるいは冷房目標低圧LPに早く戻るように変更される(ステップS16)。
たとえば、冷房目標低圧LP1は、1分間に0.015MPa(約0.5℃)の割合で下げられる。
暖房目標高圧HP1が1分間に0.033MPa(約0.5℃)の割合で上げられる。
たとえば、冷房目標低圧LP1は、10分間に0.015MPa(約0.5℃)の割合で下げられる。
暖房目標高圧HP1が10分間に0.033MPa(約0.5℃)の割合で上げられる。
したがって、圧縮機13は設定された暖房目標高圧HPあるいは冷房目標低圧LPよりも圧縮機13の回転数が低減、言い換えれば、出力を低減させた状態で運転されることになる。このように、圧縮機13の出力を低減することができるので、運転効率を向上させることができる。
これにより、室内機11A,11Bの室温制御においては、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減するので、温度ムラが生じにくくなる。
また、暖房運転時に圧縮機13の高圧が低く設定されるので、圧縮機13の回転数が低くなり、室内機11A,11Bからの吹出温度が高くなる。
これにより、室内機11A,11Bの室温制御においては、設定温度近くでのサーモオン・サーモオフの切換頻度が低減するので、温度ムラが生じにくくなる。
たとえば、本実施形態では、冷房運転あるいは暖房運転のいずれかを行うマルチ形空気調和装置1に適用しているが、冷暖フリーのマルチ形空気調和装置1に適用するようにしてもよい。この場合は、暖房目標高圧HPおよび冷房目標低圧LPの変更をそれぞれ独立に実施するようにすればよい。
3 室外機
11A,11B 室内機
13 圧縮機
53 室外制御部
67 目標圧力変更部
HP,HP1 暖房目標高圧
LP,LP1 冷房目標低圧
Claims (6)
- 回転数が可変とされた圧縮機を有する室外機と、
前記室外機に並列に接続されている複数台の室内機と、
前記圧縮機が前記各室内機の負荷に応じた要求能力を全て満たすように設定された目標圧力に対応する回転数で運転され、前記各室内機では、室内温度が設定温度範囲に入るように当該室内機の前記要求能力が投入され、あるいは遮断されるオンオフ制御を行う構成を有する制御部と、が備えられているマルチ形空気調和装置であって、
該制御部には、前記室内機の負荷が低い低負荷状態である場合に前記圧縮機の回転数が低減するように前記目標圧力を変更させ、前記低負荷状態を脱した場合に前記圧縮機の回転数を元に戻るように前記目標圧力を変更させる目標圧力変更部が備えられていることを特徴とするマルチ形空気調和装置。 - 前記目標圧力変更部は、前記要求能力が設定された最大値である前記室内機が1台も存在しない場合に前記低負荷状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のマルチ形空気調和装置。
- 前記目標圧力変更部は、能力が投入されている前記室内機において前記室内温度と前記設定温度との差が所定範囲に入っていない室内機が1台も存在しない場合に前記低負荷状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のマルチ形空気調和装置。
- 前記目標圧力変更部は、能力が投入されている前記室内機の全容量に占める前記要求能力が設定された最大値である能力が投入されている前記室内機の容量が所定割合以下となると低負荷状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のマルチ形空気調和装置。
- 前記目標圧力変更部には、前記低負荷状態を脱した状態と前記低負荷状態との間に準低負荷状態が設けられ、該準低負荷状態では、前記圧縮機の回転数を元に戻す際における回転数の増加割合が前記低負荷状態を脱した状態時の増加割合よりも小さくなるようにされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマルチ形空気調和装置。
- 前記目標圧力変更部は、能力が投入されている前記室内機の全容量に占める前記要求能力が設定された最大値である能力が投入されている前記室内機の容量が所定割合以下となると準低負荷状態であり、所定割合を超えると前記低負荷状態を脱した状態であると判定することを特徴とする請求項5に記載のマルチ形空気調和装置。
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