JP2011201147A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像濃度を低下することなく、耐オゾン性および耐水性に優れたインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体と、該支持体上に設けられ、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有するインク受容層とを有するインクジェット記録媒体である。前記水溶性アルミノケイ酸塩化物は、Al/Si比が5〜20であることが好ましく、前記水溶性アルミノケイ酸塩化物の前記インク受容層中の含有量は、Al換算で0.2g/m〜2g/mであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録媒体に関する。
近年、情報産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報システムに適した記録方法及び装置も開発され、各々実用化されている。
上記記録方法の中で、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
また、近年のインクジェットプリンタの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきた。更に、ハード(装置)の発展に伴って、インクジェット記録媒体も各種開発されてきている。
上記インクジェット記録媒体に要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく、寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。
例えば、前記(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性を発現するために、インクジェット記録媒体のインク受容層に、多価金属塩を媒染剤として添加し、保存性や耐水性をもたせることが知られている。多価金属塩としては、従来からポリ塩化アルミニウムが用いられている。ポリ塩化アルミニウムが媒染剤として優れるのは、多価金属塩としては、重合度が高いためと考えられる。
ポリ塩化アルミニウムよりも重合度を高くし得る多価金属塩として、アルミノケイ酸塩化物があり、例えば、顔料組成物の成分として、コロイダルシリカの表面にアルミノケイ酸塩を被覆した粒子を含む水性ゾルを含有する顔料組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。記録媒体の成分としては、インク受容層に、顔料として、シリカとともにアルミノケイ酸塩を含有する記録要素が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2008−519177号公報 特表2007−528809号公報
しかし、特許文献1で用いられているアルミノケイ酸塩化物を含む水性ゾルは、粒子径が大きく、染料の発色濃度が低くなり易い。また、特許文献2で用いられているアルミノケイ酸塩化物は、化合物中のケイ酸の割合が高く、重合度が大きいため同様に粒子径が大きく、インクジェット記録媒体としての発色性が不十分であった。
本発明は、画像濃度を低下することなく、耐オゾン性および耐水性に優れたインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 支持体と、該支持体上に設けられ、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有するインク受容層とを有するインクジェット記録媒体である。
<2> 前記水溶性アルミノケイ酸塩化物は、Al/Si比が5〜20である前記<1>に記載のインクジェット記録媒体である。
<3> 前記水溶性アルミノケイ酸塩化物の前記インク受容層中の含有量は、Al換算で0.2g/m〜2g/mである前記<1>または前記<2>に記載のインクジェット記録媒体である。
本発明によれば、画像濃度を低下することなく、耐オゾン性および耐水性に優れたインクジェット記録媒体を提供することができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体と、該支持体上に設けられ、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有するインク受容層とを有する。上記構成とすることで、フォト用途に耐える発色濃度を有しながら、さらに、耐オゾン性および耐水性に優れたインクジェット記録媒体とすることができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体を構成するインク受容層および支持体等、各構成要素について詳細に説明する。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上に設けられ、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物(以下、「特定化合物」とも称する)、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有するインク受容層を有する。
インク受容層は、さらに必要に応じて、特定化合物以外の水溶性多価金属塩、架橋剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
(水溶性アルミノケイ酸塩化物(特定化合物))
本発明におけるインク受容層は、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物(特定化合物)を含む。
特定化合物は、下記式(A)で表され、ケイ酸由来の構造を有する化合物であり、後述する水溶性多価金属塩の1種であるポリ塩化アルミニウムとは異なる化合物である。
Al(OH)(SiO(HO) 式(A)
〔式(A)中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはカチオン種を示し、Xはアニオン種を示す。また、a、b、c、d、e、及びfは、組成比を表す。〕
式(A)中、Mで表されるアルカリ金属としては、Na、Kなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、Mg、Caなどが挙げられ、カチオン種としては、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
式(A)中、Xで表されるアニオン種としては、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどが挙げられる。
特定化合物は、Al/Si比(モル比)が5以上、OH/Al比(モル比)が1〜2であることで水溶性を示す。すなわち、本発明において、アルミノケイ酸塩化物が水溶性であるとは、アルミノケイ酸塩化物におけるAl/Si比(モル比)が5以上、OH/Al比(モル比)が1〜2である場合をいう。また、特定化合物のAl/Si比、OH/Al比は整数でなくともよく、実際には異なる組成の化合物の混合物の形態でもちいたほうがより好ましい。
インク受容層が、特定化合物、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有することで、インクジェット記録媒体を、フォト用途に耐える発色濃度を有しながら、さらに、耐オゾン性および耐水性に優れる記録媒体とし得るのは、次の理由によると考えられる。
従来から水溶性多価金属塩としてインク受容層に用いられてきたポリ塩化アルミニウムは、重合度が高い化合物として知られるものの、アルミノケイ酸塩に比べ、重合度を高くすることができなかった。また、顔料として用いられてきたアルミノケイ酸塩は、化合物中のAl/Si比(モル比)が5よりも小さい化合物であった。Si比率が高いと、アルミノケイ酸塩は水溶性を示さなくなり、水中ではコロイド状の粒子となり易い。
本発明では、アルミノケイ酸塩を、Al/Si比(モル比)が5以上、OH/Al比(モル比)が1〜2であるアルミノケイ酸塩化物(特定化合物)とすることで、重合度が高く、水溶性に富む化合物とすることができる。特定化合物が、重合度が高く、水溶性に富む化合物であることで、媒染力が強くかつインク受容層へ添加した際にインク受容層の透明性を下げないという特性を有する。その結果、インクジェット記録媒体を、フォト用途に耐える発色濃度を有しながら、さらに、耐オゾン性および耐水性に優れる記録媒体とすることができると考えられる。
特定化合物は、水溶性の低下を抑制するため、重合度を高くしすぎないことが好ましく、そのため特定化合物のAl/Si比(モル比)は、5〜20であることが好ましく、10〜15であることがより好ましい。
特定化合物は、塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウム化合物、水酸化ナトリウム等の塩基、水ガラスなどの珪酸化合物を混合することにより生成することができる。
特定化合物のAl/Si比(モル比)は、水溶性アルミニウム化合物及び珪酸化合物のモル比を調整することにより制御することができる。
また、特定化合物のOH/Al比(モル比)は、塩基の添加量と水溶性アルミニウムの組成比を調整することにより制御することができる。
特定化合物は、インク受容層中に1種単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
特定化合物のインク受容層中の含有量は、発色濃度と耐水性の両立の観点から、Al換算で、0.2g/m〜2g/mであることが好ましく、0.5g/m〜1.5g/mであることがより好ましい。
(無機微粒子)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子を含む。
インク受容層に含まれる無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイト型水酸化アルミ微粒子等が挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子、及びアルミナ微粒子が好ましい。
無機微粒子としては、その平均一次粒子径が50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、特に15nm以下であることが好ましい。無機微粒子の平均一次粒子径が50nm以下であると、インク吸収特性を効果的に向上させることができ、また同時にインク受容層表面の光沢性をも高めることができる。また、無機微粒子の平均一次粒子径の下限は特に限定はないが、1nm以上であることが好ましい。
無機微粒子の中でも、気相法にて製造された気相法シリカ又は気相法アルミナは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性及び保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。この様に受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性及び光沢度を得る観点より重要である。
特に、シリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有し、該シラノール基の水素結合により粒子同士が付着し易いため、また該シラノール基と水溶性樹脂を介した粒子同士の付着効果のため、上記の様に平均一次粒子径が15nm以下の場合にはインク受容層の空隙率が大きく、透明性の高い構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
一般にシリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法(沈降法)粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、上記「気相法シリカ」とは、当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を指す。
気相法シリカは、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nmと多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmと少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
無機微粒子は、沈降法又は気相法にて合成された非晶質シリカ又はアルミナであることが好ましい。特に、平均一次粒子径が30nm以下の気相法シリカ又は気相法アルミナを用いることが好ましく、該気相法シリカ又は気相法アルミナを全微粒子の50質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上)用いた場合に顕著な効果が得られる。また、気相法シリカの場合、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmであるシリカ微粒子が好ましい。
本発明では、気相法アルミナは、気相法シリカと比較して発色濃度が高く、光沢度が高くできる特徴がある。これは気相法アルミナの屈折率が、気相法シリカの屈折率より高く、表面での光の反射が強いためによるものと考えられる。また、気相法アルミナは、擬ベーマイトのようなアルミナ水和物と比較して、粒子が球状であり、インク吸収性に優れるという特徴があり、本発明と組み合わせることによってさらにインク吸収性を向上させることが可能となる。また理由は定かではないが、気相法アルミナは、気相法シリカと比較してインク受容層の微小なひび割れが生じにくくなるという特徴がある。このような微小のひび割れは、製造過程のさまざまな要因で発生するものであるが、気相法アルミナと組み合わせることによって、例えば、乾燥過程における塗膜の収縮により引き起こされる微小な亀裂を大幅に改善することが可能となる。
また、気相法アルミナを用いると、気相法シリカを使用した場合よりも塗膜の強度が向上する傾向があり、スクラッチなどの故障もおきにくくなる。さらに気相法シリカと比較して、顔料分散液の固形分を高くすることが可能となるため、最終的な塗布液の固形分を高めることが可能となり、乾燥負荷が小さく生産性の高い製造方法で製造できる利点も有する。気相法アルミナの水分散液を作製する場合には、酸性成分を少量使用すると分散固形分を更に高めることができる。このような酸性成分としては、特にホウ酸を顔料分散時に少量添加することが好ましい。
また無機微粒子分散濃度を上げるために、公知の分散剤を使用することが好ましい。これらの分散剤としては、例えば、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーや、ノニオン性またはカチオン性界面活性剤、さらに低分子量のポリビニルアルコールなどを併用することが好ましい。
無機微粒子として気相法アルミナを使用する場合、その好ましい使用量は水溶性樹脂1質量部に対して4質量部〜12質量部、更に好ましくは5質量部〜10質量部、特に好ましくは6質量部〜9質量部であり、気相法シリカを用いる場合よりも少ない量の水溶性樹脂で十分な膜強度を得ることが可能となる。
また重層構造のインク受容層とする場合には、最外層に気相法アルミナを含めることが、上記気相法アルミナの特徴を引き出すために好ましい。
無機微粒子としてコロイダルシリカを用いることも好ましい。
コロイダルシリカとは、表面に多くの水酸基を持ち、内部はシロキサン結合(−Si−O−Si−)を構成している粒子径1〜500nmのシリカ超微粒子が、水もしくは極性溶媒中に分散したものである。具体的には、加賀美敏郎、林瑛監修「高純度シリカの応用技術」第4章および第5章、(株)シーエムシー刊(1991年)第3章等に記載されている。また、例えば、日産化学工業(株)からスノーテックスとして、触媒化成工業(株)からカタロイドとして市販されている。
ただし、コロイダルシリカを使用した場合には、コロイダルシリカ自身の空隙形成能力が小さいために空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し難いが、その場合、たとえば沈降法シリカあるいは気相法シリカとコロイダルシリカを同一層内に併用したり、コロイダルシリカ含有層を重層により設けることにより、高い空隙形成効果を得ることができる。
気相法シリカを使用する場合、1次粒子径はほぼBET法で測定した比表面積と相関しており、BET比表面積が、100m/g〜400m/gのものが好ましく、塗布液の安定性とインク吸収性、光沢性をすべて満たす観点において、BET比表面積が、300〜350m/gのものが特に好ましい。
インク受容層に用いられるコロイダルシリカには、上記のような市販品を用いることができ、インク受容層中のコロイダルシリカの含有量は、0.1〜3g/mであることが好ましく、0.2〜1g/mであることがより好ましい。
本発明における微粒子として有機微粒子を用いるのであれば、インク受容層を形成した場合に粒子状で存在することが必要である。該有機微粒子としては、例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。有機微粒子は、表面がカチオン化されていることが好ましい。有機微粒子のTgは特に限定はないが、単独で用いる場合には、40℃以上が好ましく、80℃以上が更に好ましい。
無機微粒子は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。2種以上の無機微粒子を併用する場合には、沈降法シリカと気相法シリカ、気相法アルミナを任意に併用する態様が好ましい。
(水溶性樹脂)
インク受容層に含まれる特定化合物および無機微粒子を固定化し、インク受容層を多孔質構造とするため、インク受容層は、水溶性樹脂(親水性バインダー)を含有する。
水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
上記の水溶性樹脂の中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシ基を有する樹脂、及びゼラチン類から選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。
水溶性樹脂としては、上記の中でも、特に、ポリビニルアルコール(PVA)であることが好ましい。前記ポリビニルアルコールには、無変性のポリビニルアルコール(PVA)に加え、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、シラノール変性PVA及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
PVAは、その構造単位に水酸基を有するが、無機微粒子としてシリカ粒子を用いる場合、PVAの水酸基と、シリカ粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。このような三次元網目構造の形成によって、より空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
よって、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
本発明に用いられるポリビニルアルコール(PVA)のけん化度としては、インク受容層に形成される画像の発色濃度の観点から、75〜95モル%が好ましく、77〜90モル%がより好ましく、80〜90モル%が特に好ましい。また、ポリビニルアルコール(PVA)の重合度としては、充分な膜強度を得る観点から、1,400〜5,000が好ましく、2,300〜4,000がより好ましい。なお、重合度1400未満と重合度1400以上のポリビニルアルコールを併用して使用してもかまわない。
水溶性樹脂のインク受容層中における含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層中に含まれる全固形分質量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
尚、インク受容層を主に構成する微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数素材の混合系であってもよい。
−微粒子と水溶性樹脂との含有比−
インク受容層において、微粒子(好ましくはシリカ微粒子)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比;インク受容層中の微粒子質量(x)/インク受容層中の水溶性樹脂質量(y)〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
インクジェット記録媒体がインクジェットプリンタの搬送系を通過する場合、記録媒体に応力が加わることがある。そのため、インク受容層は充分な膜強度を有していることが好ましい。更に、インクジェット記録媒体をシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ及び剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度があることが好ましい。この様な観点より、上記PB比(x/y)としては6/1以下が好ましく、インクジェットプリンタで高速インク吸収性をも確保する観点からは、3/1以上であることが好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比(x/y)が3/1〜6/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
(他の成分)
本発明におけるインク受容層には、上記成分以外に、界面活性剤、ラテックス、カチオン性物質、水溶性多価金属塩、架橋剤等、他の成分を含有することができる。
−界面活性剤−
インク受容層は、界面活性剤を含んでいてもよい。
詳細は後述するが、インクジェット記録媒体は、特定化合物と無機微粒子と水溶性樹脂とを含有するインク受容層用塗布液を支持体に付与(例えば、塗布)することにより、支持体上にインク受容層を形成する。かかるインク受容層用塗布液の液粘度安定性を向上させ、良好な塗布面状を得る観点から、インク受容層用塗布液には、特定化合物と無機微粒子と水溶性樹脂のほか、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、種々の公知の界面活性剤を用いることができる。
例えば、アルキルアンモニウム塩等のイオン性界面活性剤、アルキルエーテル等の非イオン性(ノニオン性)界面活性剤が挙げられる。
中でも、ポリオキシアルキレンデシルエーテル又はポリオキシアルキレントリデシルエーテルの界面活性剤(以下「POE界面活性剤」ともいう)を用いることが好ましい。前記POE界面活性剤中のデシル基又はトリデシル基は分岐形状であることが好ましく、また、塗布液の安定性を高め、また湿熱にじみの悪化を引き起こさない観点から、前記POE界面活性剤はノニオン性であることが特に好ましい。
POE界面活性剤の具体例としては、ノイゲンXL−100、ノイゲンSD−60、ノイゲンSD−70、ノイゲンSD−110、ノイゲンXL−100、エマルゲン109P、ノイゲンET106A等を挙げることができる。
インク受容層中の界面活性剤の含有量(固形分)としては、インク受容層用塗布液の塗布時の塗りつけ、スジ、ブツなどの塗布故障抑制の点から、インク受容層用塗布液質量に対して0.005〜0.3質量%であることが好ましく、0.01〜0.1質量%であることがより好ましい。
また、界面活性剤として、ポリオキシアルキレンデシルエーテル界面活性剤またはポリオキシアルキレントリデシルエーテル界面活性剤を用いる場合には、その含有量(固形分)は、液粘度を所望の低粘度とする観点から、微粒子に対して1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
−カチオン性物質−
インク受容層は、更にカチオン性物質を含んでいてもよい。
カチオン性物質としては、前述のカチオン変性ラテックスを用いることが好ましく、また、その他のカチオン性ポリマーを用いることもできる。他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記カチオン性ポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、特に、経時滲みの防止の観点から、重量平均分子量が200,000以下、I/O値が3.0以下のカチオン性ポリマーが好ましい。
上述した他のカチオン性ポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、他のカチオン性ポリマーと他の有機媒染剤及び/又は無機媒染剤を併用してもよい。
インク受容層中のカチオン性物質の含有量としては、インク受容層の全固形分質量に対して1〜30質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
−水溶性多価金属塩−
インク受容層は、既述の特定化合物であるアルミノケイ酸塩化物以外の水溶性多価金属塩を含んでいてもよい。
水溶性多価金属塩としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
−架橋剤−
インク受容層は、更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含んでいてもよい。
特に微粒子と水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤によって水溶性樹脂が架橋反応して硬化された多孔質構造を有する態様が好ましい。
架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましい。ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO、ScBO、YBO、LaBO、Mg(BO、Co(BO、二硼酸塩(例えば、Mg、Co)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO、Ca(BO、NaBO、KBO)、四硼酸塩(例えば、Na・10HO)、五硼酸塩(例えば、KB・4HO、Ca11・7HO、CsB)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましく、これを水溶性樹脂であるポリビニルアルコールと組合わせて使用することが最も好ましい。
架橋剤は、インク受容層に含まれる水溶性樹脂1.0質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、水溶性樹脂を効果的に架橋してひび割れ等を防止することができる。
前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合などには、ホウ素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、1種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明において架橋剤は、インク受容層を形成する際に、インク受容層塗布液中及び/又はインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、或いは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した支持体上に、上記インク受容層塗布液を塗布する、又は架橋剤非含有のインク受容層塗布液を塗布し乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする等してインク受容層に架橋剤を供給することができる。製造効率の観点からは、インク受容層塗布液又はこの隣接層形成用の塗布液中に架橋剤を添加し、インク受容層の形成と同時に架橋剤を供給するのが好ましい。特に、画像の印画濃度及び光沢感の向上の観点より、インク受容層塗布液に含有するのが好ましい。また、インク受容層塗布液中の架橋剤の濃度としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。
−他の成分−
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位又は6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
酸化防止剤(褪色性防止剤)としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同310552号公報、同459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報;
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、同2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これら酸化防止剤(褪色性防止剤)は、単独でも2種以上を併用してもよい。酸化防止剤(褪色性防止剤)は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。酸化防止剤(褪色性防止剤)は、インク受容層用塗布液全質量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
本インク受容層は、カール防止用に高沸点有機溶媒を含有してもよい。高沸点有機溶媒としては、水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
高沸点有機溶剤のインク受容層塗布液中における含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
〔保護層、中間層〕
本発明のインクジェット記録媒体は、さらに保護層、中間層等を有していてもよい。
保護層は、主として擦過等によるインク受容層の損傷を抑制するためにインク受容層の上に設けられ、例えば、無機微粒子および水溶性樹脂を含有する。
中間層は、電気抵抗値を適切に調整する機能、インク受容層と支持体との接着性を向上する機能等の種々の機能層として、インク受容層と支持体との間に設けられる。中間層が、電気抵抗値を調整するための層である場合、例えば、中間層は、金属酸化物粒子を含有する。
<支持体>
本発明に適用される支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。インク受容層の透明性を生かす上では、透明支持体又は高光沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを支持体として用い、レーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
上記透明支持体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。この様な材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜200μmが好ましい。
高光沢性の不透明支持体としては、インク受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。該光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法に従って求められる値である。具体的には、下記の様な支持体が挙げられる。
例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支持体、前記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に、銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
不透明支持体の厚みについても特に制限はないが、取り扱い易さの点で、50〜300μmが好ましい。
また、上記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用するのが好ましい。
次に、レジンコート紙など紙支持体に用いられる原紙について述べる。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好適に用いられ、漂白処理を行なって白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量としては、30〜250g/mが好ましく、特に50〜200g/mが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm(JIS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。尚、高密度ポリエチレンの触媒の触媒失活剤として、ハイドロタルサイト類化合物を用いた態様が好ましく、高密度ポリエチレン中における含有量としては、高密度ポリエチレンの量に対して、100〜2,000ppmが好ましく、200〜1,000ppmがより好ましい。酸化防止剤としては、二次酸化防止剤(特にリン系酸化防止剤)のみを用いることが好ましく、構成する高密度ポリエチレン中における含有量としては、高密度ポリエチレン(HDPE)に対して100ppm以上2,000ppm以下が好ましく、200ppm以上1,000ppm以下がより好ましい。
特に、インク受容層を形成する側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行なわれている様に、ルチル又はアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度及び色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チタン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜40質量%が好ましく、4〜30質量%がより好ましい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。更にポリエチレン層上にインク受容層との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られる様なマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
<インクジェット記録媒体の製造方法>
インクジェット記録媒体は、既述のインク受容層の構成成分を配合して塗布液としたインク受容層塗布液を、支持体上に塗布し、乾燥して製造することができる。
インクジェット記録媒体が、インク受容層、および、例えば保護層を有する場合は、既述のインク受容層の構成成分を配合して塗布液としたインク受容層塗布液Aと、既述の保護層の構成成分を配合して塗布液とした保護層塗布液Bとを、支持体上に塗布し、乾燥して製造することができる。
また、インク受容層塗布液Aと、保護層塗布液Bとは、次のように支持体上に塗布してもよい。
例えば、(1)インク受容層塗布液Aと保護層塗布液Bとを同時塗布して、インク受容層と保護層とを形成すると同時、又は(2)インク受容層塗布液Aと保護層塗布液Bとを塗布して形成されるインク受容層および保護層の乾燥途中であって該インク受容層と保護層とが減率乾燥を示す前、の何れかの時に、ホウ素化合物を有する塩基性溶液を上記インク受容層と保護層とに付与することにより、インクジェット記録媒体を作製することができる。
前記各塗布液の塗布は、例えば、スライドビードコーターを用いて行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
<支持体の作製>
アカシアからなるLBKP50部及び、アスペンからなるLBKP50部を、それぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで、前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン性でんぷん(日本NSC製、CATO 304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学社製、ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製、サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製、アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、KL−118〕を1g/m塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は166g/mで抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレンを厚さ25μmとなるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「ウラ面」と称する。)。このウラ面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム〔日産化学工業(株)製、アルミナゾル100〕と二酸化ケイ素〔日産化学工業(株)製、スノーテックスO〕とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/mとなるように塗布し、乾燥した。
さらに、熱可塑性樹脂層の設けられていない側のフェルト面(表面)側に、コロナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10%、東京インキ(株)製の群青を0.3%の含有量に調整し、更に(株)日本化学工業所製の蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」を0.08%の含有量となるように調整したMFR(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押出機を用いて厚み25μmとなるように押出して、高光沢な熱可塑性樹脂層を形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称する。)、耐水性支持体を作製した。この耐水性支持体を、幅1.5m、巻き長3000mに揃えて長尺ロール体とし、インクジェット記録用シートの支持体とした。
<アルミノケイ酸塩化合物Aの調製>
(塩化アルミニウム水溶液Aの調製)
塩化アルミニウムの0.55mol/L水溶液100mLに、OH/Alモル比が2になるように、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を220mL加え、1時間攪拌した。このようにしてpHを調整した塩化アルミニウム水溶液Aを得た。
(水ガラス水溶液Aの調製)
別途、水ガラスを水で希釈し、SiO濃度が0.5mol/Lになるように調整し、水ガラス希釈溶液を得た。その後、水ガラス希釈溶液に、1N塩酸を、pHが4になるまで加え、3時間攪拌した。3時間後にpHは約2まで低下し、SiO濃度0.38mol/Lの水ガラス水溶液Aを得た。
(アルミノケイ酸塩化合物Aの調製)
得られた塩化アルミニウム水溶液A100mLに、水ガラス水溶液Aを3mL加え、Al/Siモル比が15になるように調整したアルミノケイ酸塩化合物Aの水溶液を得た。その後、アルミノケイ酸塩化合物Aの水溶液について、濃縮処理(加熱蒸発により水分を除去した)を行い、Al濃度として2mol/Lのアルミノケイ酸塩化合物Aを調製した。
<インクジェット記録用シートの作製>
(インク受容層用塗布液Aの調製)
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)シャロールDC−902P(51.5%水溶液)とを混合し、超音波分散機〔(株)エスエムテー製〕を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し、20時間保持した。その後、これに下記組成中の(4)ホウ酸と(5)ポリビニルアルコールの7%水溶液と(6)界面活性剤の10%水溶液と(7)アルミノケイ酸塩化合物Aとを30℃下で加え、インク受容層用塗布液Aを調製した。
−インク受容層用塗布液Aの組成−
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子)
〔AEROSIL300、日本アエロジル社製〕 ・・・100部
(2)イオン交換水 ・・・480部
(3)シャロールDC−902P(51.5%水溶液)(分散剤)
〔第一工業製薬社製〕 ・・・8.7部
(4)ホウ酸(架橋剤) ・・・45.4部
(5)ポリビニルアルコール〔JM33、日本合成化学社製〕の7%水溶液
・・・290部
(6)界面活性剤〔エマルゲン109P、花王社製〕の10%水溶液 ・・・5部
(7)アルミノケイ酸塩化合物A(特定化合物) ・・・30.7部
(架橋剤溶液Aの調製)
下記組成の成分を常温で溶解、混合し、架橋剤溶液Aを調製した。
(1)イオン交換水 ・・・89.4部
(2)炭酸アンモニウム(pH調整剤) ・・・4部
(3)ホウ酸(架橋剤) ・・・0.65部
(3)界面活性剤〔エマルゲン109P、花王社製〕の10%水溶液 ・・・6部
(インクジェット記録用シートの作製)
上記で得た支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、インク受容層塗布液Aを130g/mになるようにスライドビードコーターで塗布して塗布膜を形成し、熱風乾燥機により80℃(風速3m/秒)で2分間乾燥した。この間、塗布膜は、恒率乾燥を示した。2分間の乾燥直後に、塗布膜が形成された支持体を架橋剤溶液Aに1秒間浸漬させ、架橋剤溶液Aから取り出して80℃で10分間乾燥した。このようにして、実施例1のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例2〕
実施例1のインク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aの添加量(30.7部)を92.1部に、イオン交換水の添加量(480部)を418.6部に変更した以外は同様にしてインク受容層用塗布液Bを調製した。
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えてインク受容層用塗布液Bを用いたほかは同様にして、実施例2のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例3〕
実施例1のアルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、水ガラス水溶液Aの添加量(3mL)を4.5mLに変更し、Al/Siモル比が10になるように調整した他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Bを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Bを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Cを調製した。
次いで、実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Cを用いたほかは同様にして、実施例3のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例4〕
実施例1のアルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、水ガラス水溶液Aの添加量(3mL)を9mLに変更し、Al/Siモル比が5になるように調整した他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Cを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Cを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Dを調製した。
次いで、実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Dを用いたほかは同様にして、実施例4のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例5〕
実施例1のアルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、水ガラス水溶液Aの添加量(3mL)を2.25mLに変更し、Al/Siモル比が20になるように調整した他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Dを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Dを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Eを調製した。
次いで、実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Eを用いたほかは同様にして、実施例5のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例6〕
実施例1の塩化アルミニウム水溶液Aの調製において、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の添加量(220mL)を110mLに変更し、更にイオン交換水を110mL添加して、OH/Alモル比が1になるように調整したほかは同様にして、塩化アルミニウム水溶液Bを調製した。次いで、アルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、塩化アルミニウム水溶液Aに代えて塩化アルミニウム水溶液Bを用いた他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Eを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Eを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Fを調製した。
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Fを用いたほかは同様にして、実施例6のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例7〕
実施例1のインク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aの添加量(30.7部)を122.8部に、イオン交換水の添加量(480部)を388部に変更した以外は同様にしてインク受容層用塗布液Gを調製した。
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えてインク受容層用塗布液Gを用いたほかは同様にして、実施例7のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例8〕
実施例1のアルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、水ガラス水溶液Aの添加量(3mL)を0.45mLに変更し、Al/Siモル比が100になるように調整した他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Fを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Fを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Hを調製した。
次いで、実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Hを用いたほかは同様にして、実施例8のインクジェット記録用シートを作製した。
〔実施例9〕
実施例6のインク受容層用塗布液Fの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Eの添加量(30.7部)を184.2部に、イオン交換水の添加量(480部)を326.5部に変更した以外は同様にしてインク受容層用塗布液Iを調製した。
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えてインク受容層用塗布液Iを用いたほかは同様にして、実施例9のインクジェット記録用シートを作製した。
〔比較例1〕
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aを、特定化合物(アルミノケイ酸塩化合物A)を含まない下記インク受容層用塗布液Sに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
−インク受容層用塗布液Sの調製−
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)シャロールDC−902P(51.5%水溶液)とを混合し、超音波分散機〔(株)エスエムテー製〕を用いて分散させた後、分散液を45℃に加熱し、20時間保持した。その後、これに下記組成中の(4)ホウ酸と(5)ポリビニルアルコールの7%水溶液と(6)界面活性剤の10%水溶液とを30℃下で加え、インク受容層用塗布液Sを調製した。
−インク受容層用塗布液Sの組成−
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子)
〔AEROSIL300、日本アエロジル社製〕 ・・・100部
(2)イオン交換水 ・・・510.7部
(3)シャロールDC−902P(51.5%水溶液)(分散剤)
〔第一工業製薬社製〕 ・・・8.7部
(4)ホウ酸(架橋剤) ・・・45.4部
(5)ポリビニルアルコール〔PVA235、クラレ社製〕の7%水溶液
・・・290部
(6)界面活性剤〔エマルゲン109P、花王社製〕の10%水溶液 ・・・5部
〔比較例2〕
実施例1のアルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、水ガラス水溶液Aの添加量(3mL)を22.5mLに変更し、Al/Siモル比が2になるように調整した他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Gを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Gを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Tを調製した。
次いで、実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Tを用いたほかは同様にして、比較例2のインクジェット記録用シートを作製した。
〔比較例3〕
実施例1の塩化アルミニウム水溶液Aの調製において、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の添加量(220mL)を330mLに変更し、OH/Alモル比が3になるように調整したほかは同様にして、塩化アルミニウム水溶液Cを調製した。次いで、アルミノケイ酸塩化合物Aの調製において、塩化アルミニウム水溶液Aに代えて塩化アルミニウム水溶液Cを用いた他は同様にして、アルミノケイ酸塩化合物Hを調製した。また、インク受容層用塗布液Aの調製において、アルミノケイ酸塩化合物Aに代えてアルミノケイ酸塩化合物Hを用いた他は同様にしてインク受容層用塗布液Vを調製した。
実施例1のインクジェット記録用シートの作製において、インク受容層用塗布液Aに代えて、インク受容層用塗布液Uを用いたほかは同様にして、比較例4のインクジェット記録用シートを作製した。
<評価>
上記より得られた実施例1〜9のインクジェット記録用シート及び比較例1〜3のインクジェット記録用シートの各々について、以下の評価を行った。
〔耐オゾン性〕
純正インクセットを装填したインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PM−A820)を用いて、23℃、50%RHの環境下で各インクジェット記録用シート上にイエロー、マゼンタ、シアン、グレーの10段からなる階調画像を印字し24時間乾燥した。その後、JEITA規格CP−3901の評価方法にしたがい、23℃50%RH、オゾン濃度5ppmのオゾン槽を用いて耐オゾン性の寿命を評価した。耐オゾン性寿命に応じて下記のようにランク付けをおこなった。
−評価基準−
A:寿命が20年以上
B:寿命が15年以上20年未満
C:寿命が10年以上15年未満
D:寿命が10年以下
〔発色濃度(黒濃度)〕
純正インクセットを装填したインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PM−A820)を用いて、各インクジェット記録用シート上に、黒のベタ画像をそれぞれ印画し、23℃、50%RHの環境下で24時間乾燥した。その後、各インクジェット記録用シートについて黒のベタ画像部分の濃度を反射濃度計(X−rite社製、Xrite310TR)にて測定した。
その後インクジェット記録用シートの発色濃度を下記基準により評価した。
−評価基準−
A:2.5以上
B:2.2以上2.5未満
C:2.0以上2.2未満
D:2.0未満
〔耐水性〕
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製 A820」)を用いて、各インクジェット記録用シート上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、およびレッドのベタ印画を印字し、23℃50%RH環境下で一晩放置した。その後、水滴を各色べた画像の端部に滴下し、更に一晩放置し、乾燥させた。各インクジェット記録用シートのインクのにじみ程度を、目視により確認し、下記基準で評価した。
−評価基準−
A:染料のにじみが認められない
B:染料のにじみが認められるが極わずかで目立たない
C:染料のにじみがはっきり分かる
D:染料のにじみの程度が悪く許容できない
実施例1〜9のインクジェット記録用シート及び比較例1〜3のインクジェット記録用シートの各々についてのインク受容層の内容、すなわち、インク受容層中の特定化合物のAl/Si比(モル比)、OH/Al比(モル比)、及びインク受容層中の特定化合物の含有量(Al換算)〔g/m〕と、評価(耐オゾン性、発色濃度、及び耐オゾン性)の評価結果を、下記表1に示す。

Claims (3)

  1. 支持体と、該支持体上に設けられ、Al/Si比が5以上、OH/Al比が1〜2である水溶性アルミノケイ酸塩化物、無機微粒子、及び水溶性樹脂を含有するインク受容層と、を有するインクジェット記録媒体。
  2. 前記水溶性アルミノケイ酸塩化物は、Al/Si比が5〜20である請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記水溶性アルミノケイ酸塩化物の前記インク受容層中の含有量は、Al換算で0.2g/m〜2g/mである請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
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