JP2011200890A - レーザー溶接方法 - Google Patents

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尚義 内山
Seiji Nakaoka
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Abstract

【課題】レーザー溶接を行う場合は、溶接すべき両母材の突合部にギャップがあると、該ギャップをレーザービームが通り抜けてしまい(溶接不良となる)、両母材の突合部をギャップなしにするために両突合面を隙間なしに突合させるための加工(例えばI型継手加工)をするにはその加工が非常に面倒である。
【解決手段】2つの母材1,2の突合面11,21をレーザービームRにより溶接開始位置から溶接終了側に向けて順次連続して溶接するようにしたレーザー溶接方法Iおいて、2つの母材の突合面間にルートギャップSがある状態で、該ルートギャップSにおける溶接開始位置に溶可材3を充填し、その溶可材充填位置を溶接開始位置としてルートギャップSの全長をレーザービームRで連続的に溶接していくことにより、ルートギャップのある状態でも両母材の突合面を確実に溶接し得るようにしている。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、2つの母材の突き合わせ面(以下、突合面という)をレーザービームにより溶接開始位置から溶接終了側に向けて順次連続して溶接するようにしたレーザー溶接方法に関するものである。
尚、本願のレーザー溶接方法は、2つの母材(主として板材)を平面状やL型やT型等に突き合わせた状態でその突合面同士を溶接するのに好適なものである。
2つの母材(金属材)を溶接する手法としては各種のものがあるが、その中でも、レーザー溶接方法は、2つの母材の突合面同士を局所的に加熱して溶接できるので、熱影響部が少なく、且つきれいで堅固な溶接が行える手法である。
又、近年では、レーザー溶接機の高出力化により、母材同士の突合面幅(板厚さ)が比較的広幅(例えば20mm幅程度)でも、その突合面同士をレーザービームで溶接可能になっている。
この種のレーザー溶接方法は、例えば図7に示すように、両母材1,2の突合面11,21部分(突合部)にレーザービームRを照射して、その突合部の両側を所定小幅ずつ溶融させることで両突合面11,21を融接(溶融溶接の略)するものである。尚、図7のレーザー溶接例では、長尺の両板材(母材)1,2の長辺部同士を平面状に接合して行うものである。
レーザー溶接時に照射されるレーザービームRの焦点部分は、一般に直径が1mm以下の極めて狭い範囲となっている。従って、溶接すべき突合部を溶融させるには、両突合面11,21を溶接すべき全長に亘ってギャップ(隙間)なしに突合させる(例えばI型継手にする)ことが望ましい。
ところで、両母材1,2の溶接すべき各突合面11,12の形状が相互に不揃いであると、両母材の突合面11,21を平行に維持した状態で突合させたときに、図7に鎖線図示するように両突合面11′,12′間にルートギャップSができることがある。
そして、そのルートギャップSの間隔が2mm以上あると、レーザービームRが図8に矢印Raで示すようにギャップS間を通り抜けて(所謂吹き抜け現象が起こる)溶接不能になる。
尚、2つの母材をL型に溶接する場合は、母材が板材であると該母材に反りが生じ易くなり、両母材の突合面を突合させたときにその突合部にルートギャップができ易くなる。又、母材にプレス加工(例えばL型折曲)を施したものでは、そのプレス加工によって溶接すべき箇所に加工公差が生じ易くなり、その場合も両母材の突合面を突合させたときにその突合部にルートギャップができ易くなる。
ところで、2つの母材1,2の突合面同士をレーザー溶接する場合に、上記のように両突合面11,21間にルートギャップS(例えば間隔が2mm以上)があると、そのギャップS部分をレーザービームRが通り抜けてしまい(母材の突合面を溶融させにくい)、溶接不能(又は溶接不良)になるという問題がある。
従って、レーザー溶接では、両母材1,2の各溶接面(突合面)11,21を溶接すべき全長に亘ってギャップなしに突合するように加工(例えばI型継手に加工)しておくことが望まれるが、そのI型継手の加工は面倒であり、特に溶接を必要とする部分が長大な母材では、その各突合面11,21を全長に亘ってI型継手に加工するのは非常に難しく且つ多大の手間が必要であるという問題があった。
そこで、本願発明は、両母材の突合面同士を隙間なしに突合させるための加工(例えばI型継手に加工)をすることなく、換言すれば両母材の突合部に若干間隔のルートギャップがある状態でも、該ルートギャップ部分を比較的簡単な手法で良好に溶接し得るようにしたレーザー溶接方法を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、2つの母材の突合面をレーザービームにより溶接開始位置から溶接終了側に向けて順次連続して溶接するようにしたレーザー溶接方法を対象にしている。
レーザー溶接する際には、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、両母材の溶接すべき各突合面を隙間なしに突合させ得るように加工(例えばI型継手に加工)しておくことが望ましいが、特に両母材の溶接部分が非常に長い場合には、その溶接部全長に亘って各突合面を隙間なしに突合させるための加工(例えばI型継手に加工)をするのは非常に面倒である。
そこで、本願発明のレーザー溶接方法では、両母材の突合面同士を精密に同形(例えばI型継手)に加工することなく、2つの母材の各突合面間に若干間隔(例えば2mm程度の間隔)のルートギャップを設けた状態で行うものである。尚、ルートギャップ部分には若干角度(例えば5°程度)の開先角度をもたせておくとよい。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明のレーザー溶接方法は、2つの母材の各突合面間にルートギャップがある状態で、該ルートギャップにおける溶接開始位置に溶可材を充填し、その溶可材充填位置を溶接開始位置としてルートギャップの全長をレーザービームで連続的に溶接していくものである。
本願で使用する充填用の溶可材としては、例えばギャップの間隔とほぼ同厚さのシムプレート(母材金属と同種の金属製)をギャップ深さに応じた幅に切断したもの使用することができる。尚、ここで使用する溶可材の長さは、特に特定する必要がないが、例えば20〜50mm程度の長さのものでよい。
本願請求項1のレーザー溶接方法では、まず両母材の突合面間にルートギャップを設けた状態で、そのルートギャップの溶接開始位置に上記溶可材を充填する。そして、レーザービームの照射位置を溶接開始位置にある溶可材の始端部分にセットし、そこからレーザー溶接を開始する。すると、レーザービームのエネルギー(熱)で該溶可材を溶融させ、その溶融溶可材(溶融ビード)の熱が両母材の突合面に伝導して該両突合面を溶融させるようになる。
ところで、レーザービーム照射位置の前後近傍位置にある金属は、熱の伝導により溶融している(溶融ビードとなる)が、金属が溶融すると流動性が生じ且つ熱膨張することで体積が大きくなる。そして、レーザービーム照射位置がギャップ内に充填している溶可材の終端位置付近まで移動した時点では、その付近にある溶可材が既に溶融しているが、その溶融溶可材(溶融ビード)は流動性があるものの表面張力によりレーザービーム照射位置のギャップ内に留まっている(レーザービーム照射位置の開先部を埋めている)。従って、レーザービーム照射位置では開先部を埋めた溶融ビードによりレーザービームの通り抜けが阻止され(レーザービームが溶融ビード部分に照射する)、該レーザービームのエネルギーが該溶融ビードを介してその溶接進行側近傍の母材両突合面にも伝導して該溶接進行側近傍の母材両突合面を溶融させるようになる。この各突合面の溶融部分(溶融ビード)は、流動性があり且つ熱膨張しているので両溶融ビード同士が接触し、しかも表面張力により下方に流れ落ちることなく開先部に留まって、次に移動してくるレーザービームの通り抜けを阻止する作用が生じる。
そして、本願のレーザー溶接方法では、上記のように、レーザービームの移動によってレーザービーム照射位置の前方側近傍の母材両突合面が順次連続して溶融・接合することにより、ルートギャップの全長に亘って切れ目なく溶接することができる。
このように、本願発明のレーザー溶接方法を行えば、溶接すべき両母材の突合部間にルートギャップがある場合でも、最初に溶接開始位置のギャップ内に充填している溶可材を溶融させることにより、両突合面を順次溶融・接合させていくことができる。従って、両母材の各突合面を高精度に同形(例えばI型継手)に加工しなくても、溶接部全長に亘って良好に融接することができる。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1のレーザー溶接方法において、ルートギャップ上に別の溶可材を添えて該添加溶可材をレーザービームで順次溶融させながら溶接していくようにしたものである。尚、この請求項2で使用される添加溶可材も両母材と同種の金属である。
ところで、上記請求項1のレーザー溶接方法は、両突合面を溶融させてその溶融ビードで開先部を閉塞させるものであるが、この場合、開先部の底部付近は溶接ビードがあるものの、開先部の上部側には溶接ビードが不足することがある(溶接部の継手強度が弱い)。
そこで、この請求項2のように、ルートギャップ上に別の溶可材を添えながら溶接していくと、その添加溶可材が溶融して開先部に充填され、溶接ビードが増量されることにより全断面溶接が行われ、溶接部の継手強度が強くなる。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1のレーザー溶接方法は、両母材の突合面間にルートギャップがある状態で、該ルートギャップにおける溶接開始位置に溶可材を充填し、その溶可材充填位置を溶接開始位置としてルートギャップの全長をレーザービームで連続的に溶接していくものである。
このように、本願請求項1のレーザー溶接方法では、ルートギャップの溶接開始位置に溶可材を充填させておくという簡単な手法で、ルートギャップの全長に亘って連続してレーザー溶接でき且つ良好な溶接部を得ることができるという効果がある。
又、本願請求項1のレーザー溶接方法では、両母材の突合面間にルートギャップを設けた状態でレーザー溶接が行えるので、該各突合面の形状が多少不揃いであってもレーザー溶接可能であり、従って該各突合面を隙間なしに突合させるための加工(例えばI型継手の加工)が不要となるという効果がある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2のレーザー溶接方法は、上記請求項1において、ルートギャップ上に別の溶可材を添えて該添加溶可材をレーザービームで順次溶融させながら溶接していくようにしたものである。尚、この添加溶可材は、レーザー溶接時に溶融されてその溶融ビードが開先部に充填される(溶接ビードが増量される)。
従って、この請求項3のレーザー溶接方法では、上記請求項1の効果に加えて、添加溶可材により溶接ビードが増量されるので、両母材の溶接強度を強くできるという効果がある。
本願実施例のレーザー溶接方法における溶可材充填工程を示す斜視図である。 図1の状態から溶可材をギャップ内に充填した状態の拡大図である。 図2のIII−III拡大断面図である。 図3における溶可材充填部分をレーザー溶接した状態の断面図である。 図2における溶可材充填部の直後付近での溶接状態を示す説明図(図2のV−V断面相当図)である。 図5のVI−VI断面図である 従来のレーザー溶接方法の説明図である。 図7の両母材の突合面間にルートギャップがある場合の説明図である。
図1〜図6を参照して本願実施例のレーザー溶接方法を説明する。尚、この実施例(図1〜図6)は、本願請求項1と2に対応するものである。
図1には、それぞれ長尺板材からなる2つの母材1,2を平面状に並置してその各長辺部分をレーザー溶接する場合を示している。
ところで、本願のレーザー溶接方法に関する背景として、上記[背景技術]の項で説明した次のことがある。
即ち、図7に示すように、レーザー溶接時に照射されるレーザービームRの焦点部分は、一般に直径が1mm以下の極めて狭い範囲となっており、2つの母材1,2をレーザー溶接する場合は、溶接すべき各突合面11,21を隙間なしに突合させるための加工(I型継手に加工)をしておくことが望ましいが、この各突合面11,21のI型継手加工は非常に面倒である。
そして、溶接すべき各突合面11,12が不揃いの状態で突き合わせたときには、その突合部にルートギャップSができるが、突合部にルートギャップSがあるままでレーザー溶接しようとすると、ギャップ部分をレーザービームが通り抜けるので溶接不能となる(図8参照)。
そこで、この実施例のレーザー溶接方法では、図1に示すように、溶接すべき両母材1,2を、その各突合面11,21間に小間隔のルートギャップSができる状態で並置し、該ルートギャップSの溶接開始位置に所定長さの溶可材3を充填して、該溶可材3の始端位置(溶接開始位置)からレーザー溶接を行うものである。尚、以下の説明では、溶接開始位置のギャップ内に充填される溶可材3を充填溶可材ということがある。
ルートギャップSの間隔は、2mm程度が適当である。又、この実施例では、両母材1,2の各突合面11,12は、図3に拡大図示するように、上部側2/3の厚さ部分に若干角度(例えば2.5°)の傾斜面11a,21aを設け、下部側1/3の厚さ部分を垂直面11b,21bにしている。従って、両突合面11,12を相互に近接させた状態では、図3に示すように上部側に角度5°程度の開先部が形成されるようになる。
この実施例で使用する溶可材(充填溶可材)3としては、ギャップの間隔とほぼ同厚さのシムプレート(母材金属と同種の金属製)をギャップ深さに応じた幅に切断したもの使用することができる。尚、ここで使用する充填溶可材3の長さは、特に特定する必要がなく、例えば20〜50mm程度の長さのものでよい。
この実施例(図1〜図6)のレーザー溶接方法では、レーザービームRの照射位置にシールドガス(図2及び図5の符号G)を噴出させるノズル4と、上記充填溶可材3とは別にルートギャップS上に添える溶可材(以下、これを添加溶可材という)5を使用している。尚、添加溶可材5は、本願請求項2に対応するものである。
ノズル4から噴出されるシールドガスGは、アルゴンガス等の不活性ガスであって高温になる溶接ビードBの表面が酸化するのを防止するためのものである。このノズル4からのシールドガスGは、レーザー溶接時にレーザービームRの照射位置近傍に吹き付けるもので、このノズル4は、レーザービームRの移動に連動して順次溶接進行側に移動する。尚、この実施例では、ノズル4は、図2及び図5に示すように、シールドガスGをレーザービーム照射位置に対して溶接進行方向に向く傾斜方向(例えば水平線に対して角度20〜30°の下向き傾斜方向)に噴出させるようにセットされているが、他の実施例では該ノズル4の向きを特に特定する必要はない。
添加溶可材5としては、一般的な溶可棒が使用できる。この添加溶可材5は、後述するようにルートギャップの開先部内に溶接ビードBc(図5)を補充するためのものである。そして、この添加溶可材5は、レーザー溶接の進行に伴って溶融される分ずつレーザービーム照射位置に送り込んでいく。
この実施例のレーザー溶接方法は、次のように行う。まず、図1に示すように、溶接すべき両母材1,2を、その各突合面11,21間に所定小間隔(例えば2mmの間隔)のルートギャップSを設けた状態で相互に平行姿勢で位置保持し、図2及び図3に示すように、ルートギャップSにおける溶接開始位置に上記充填溶可材3を充填する。
この状態で、レーザービーム照射装置から照射されるレーザービームRが溶接開始位置に照射されるようにセットする一方、該レーザービームRの進行経路及び進行スピード等を指定する。又、添加溶可材5は、その先端部がレーザービーム照射位置の直下近傍に位置するようにセットする。尚、この添加溶可材5は、レーザービームの進行とともに溶接終了側に移動させるが、消耗する長さずつ順次送り出すようにしている。
これらのセット完了後、レーザー溶接作業をスタートさせると、図2に示すようにレーザービームRが溶接開始位置にある充填溶可材3の始端部分に照射して、そのレーザービームRのエネルギー(熱)で充填溶可材3の始端部分を溶融させ、その溶融溶可材(図4の溶融ビードBa)の熱が両母材1,2の突合面11,21に伝導して該両突合面11,21を所定幅だけ溶融(図4の溶融ビードBb,Bb)させるようになる。そして、レーザービーム照射装置(レーザービームR)が順次後方に移動していくが、充填溶可材3の充填部分では、図4に示すように溶融溶可材(溶融ビードBa)と各突合面の溶融ビードBb,Bbとによる多量の溶融ビードBが生成される。尚、レーザービームの照射中は、ノズル4から連続してシールドガスGが噴出されているとともに、レーザービーム照射装置の移動に伴って該ノズル4も移動する。
ところで、レーザービーム照射位置の前後近傍位置にある金属は、熱の伝導により溶融している(溶融ビードBとなる)が、金属が溶融すると流動性が生じ且つ熱膨張することで体積が大きくなる。そして、レーザービーム照射位置が図5に示すように充填溶可材3の終端位置付近まで移動した時点では、その付近にある溶可材が既に溶融しており(溶融ビードBa)、その溶融溶可材(溶融ビードBa)の熱で両側の母材突合面11,21を溶融させるようになる(符号Bbの溶融ビードとなる)。この両溶融ビードBa,Bbは、流動性があるものの表面張力によりレーザービーム照射位置のギャップ内に留まって開先部を埋めている(下方に流れ落ちることはない)。
従って、レーザービーム照射位置では開先部を埋めた溶融ビード(Ba,Bb)によりレーザービームの通り抜けが阻止され(レーザービームが溶融ビード部分に照射する)、該レーザービームのエネルギーが該溶融ビードを介してその溶接進行側近傍の母材両突合面にも伝導して該溶接進行側近傍の母材両突合面を溶融させるようになる。この各突合面の溶融部分(溶融ビード)は、流動性があり且つ熱膨張しているので、図6に示すように両溶融ビードBb,Bb同士が接触し、しかも表面張力により下方に流れ落ちることなく開先部に留まっている(開先部を埋めている)。
このように(図6のように)、レーザービーム照射位置の開先部が溶融ビードBb,Bbで埋まっていると、該溶融ビードBb,BbによりレーザービームRの通り抜けが阻止され(レーザービームが溶融ビードBb部分に照射する)、該レーザービームRのエネルギーが該溶融ビードBb,Bbを介してその溶接進行側近傍の母材両突合面11,21にも伝導して、該溶接進行側近傍の母材両突合面を溶融させるようになる(熱膨張して両突合面同士が接合し、次に移動してくるレーザービームの通り抜けを阻止する)。
又、この実施例では、レーザービーム照射位置の直下近傍位置に添加溶可材5を添えてるので、レーザービームRが該添加溶可材5の先端付近を溶融させるようになっている。従って、その添加溶可材5の溶融ビードBc(図5)も開先部内に充填されることとなり、レーザービーム照射位置近傍の開先部には多量の溶融ビードが溜まり、その添加溶可材5の溶融ビードBcの熱でも両突合面11,21を加熱するようになる。
そして、この実施例のレーザー溶接方法では、レーザービームRの進行によってレーザービーム照射位置の前方側近傍の母材両突合面が順次連続して溶融されるとともに、添加溶可材5による溶融ビード増量によって、ルートギャップの全長に亘って切れ目なく且つ強固に溶接することができる。
このように、本願のレーザー溶接方法を行えば、溶接すべき両母材1,2の突合部にルートギャップSがある場合でも、最初に溶接開始位置のギャップ内に充填している溶可材3を溶融させることにより、両突合面11,21を順次溶融させていくことができる。従って、両母材の各突合面11,21を隙間なしに突合させる加工(例えばI型継手加工)をしなくても、溶接部全長に亘って良好に融接することができる。
又、添加溶可材5を溶融させながらレーザー溶接を行うと、開先部に充填される溶融ビードが多量になって開先部を順次確実に封止できるとともに、溶接強度を強固にすることができる。
尚、上記の実施例では、シールドガスGを溶接進行方向に向けて噴出させるようにしていること、及び添加溶可材5を添えながらレーザー溶接を行うこと(本願請求項2の内容)、を含めたものであるが、他の実施例ではこれらの内容(シールドガスの噴出方向の特定、及び添加溶可材5)を使用しないレーザー溶接方法も採用できる。
又、上記実施例では、両母材1,2を平面状に溶接する場合のものであるが、本願のレーザー溶接方法は、両母材をL型に溶接する場合や、両母材をT型に溶接する場合にも適用できることは勿論である。
1,2は母材、3は溶可材、5は添加溶可材、11,21は突合面、Bは溶接ビード、Gはシールドガス、Rはレーザービーム、Sはギャップである。

Claims (2)

  1. 2つの母材の突合面をレーザービームにより溶接開始位置から溶接終了側に向けて順次連続して溶接するようにしたレーザー溶接方法であって、前記2つの母材の突合面間にルートギャップがある状態で、該ルートギャップにおける溶接開始位置に溶可材を充填し、その溶可材充填位置を溶接開始位置として前記ルートギャップの全長をレーザービームで連続的に溶接していくことを特徴とするレーザー溶接方法。
  2. 請求項1において、ルートギャップ上に別の溶可材を添えて該添加溶可材をレーザービームで順次溶融させながら溶接していくことを特徴とするレーザー溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018023989A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 株式会社今仙電機製作所 溶接構造体及び溶接構造体の作製方法

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