JP2011200835A - ハニカム構造体およびこれを用いたフィルタならびに排気ガス処理装置 - Google Patents

ハニカム構造体およびこれを用いたフィルタならびに排気ガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 上流端部および下流端部に発生していた溶損およびクラックを長期間に亘って抑制することができるハニカム構造体、フィルタおよび排気ガス処理装置を提供する。
【解決手段】 軸方向に沿った壁面4aを有する隔壁4により仕切られた複数の流通孔2と、複数の流通孔2の一端および他端のそれぞれを交互に封止する封止材3とを備えたハニカム構造体1であって、ハニカム構造体1の両側の端面は凸状に湾曲しているとともに、一つの流通孔2の周りに配置された封止材3において、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置が異なるハニカム構造体1である。位置が異なると、熱が繰り返し与えられても隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置に発生する応力は、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置が一致している場合より緩和されやすいため、この位置に生じるクラック・溶損は抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車,フォークリフト,発電機,船舶,油圧ショベル,ブルドーザ,ホイールローダ,ラフテレンクレーン,トラクタ,コンバイン,耕転機,鉄道車両,工事用車両等の動力源である内燃機関,焼却炉およびボイラー等から発生する排気ガスに含まれる炭素を主成分とする微粒子等を捕集するフィルタ、有害なダイオキシンを分解して除去するフィルタ等に用いられるハニカム構造体およびこれを用いたフィルタならびに排気ガス処理装置に関する。
従来、内燃機関,焼却炉およびボイラー等から発生する排気ガス中に含まれる、炭素を主成分とする微粒子(特に、ディーゼルエンジンの排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子),硫黄が酸化してできる硫酸塩を主成分とする微粒子および高分子からなる未燃焼の炭化水素などの微粒子等は環境汚染の原因となるため、例えば、ハニカム構造体を用いたフィルタでこれらの微粒子を捕集して、除去している。
図11は、従来のフィルタに用いられるハニカム構造体を示す、(a)は側面図であり、(b)は部分破断した正面図である。
図11に示すハニカム構造体31は、軸方向Xに沿った壁面を有する隔壁33と、隔壁33により仕切られた複数の流通孔32と、複数の流通孔32の両端を交互に封止する封止材34とを備えたハニカム構造体である。
このハニカム構造体31の流入側の端面(IF)から流入した排気ガスは、流通孔32に導入された後、隔壁33を通って隣接する流通孔32に入り、流出側の端面(OF)から流出する。そして、排気ガスが隔壁33を通る際に、排気ガスに含まれる各種の微粒子が隔壁33に捕集されるようになっている。
そして、ハニカム構造体31は、このような微粒子の捕集を続けると、隔壁33の通気性が捕集した微粒子の蓄積によって次第に損なわれるため、定期的に微粒子を除去することによって再生しなければならない。
このハニカム構造体31を再生する方法としては、600℃以上に加熱して、微粒子を燃焼
除去する方法,ハニカム構造体21の排気ガスの流入側に酸化触媒を配置し、この酸化触媒に軽油等の燃料を供給することによって生じる酸化反応によって発生する熱を利用して、微粒子を燃焼除去する方法等がある。
しかしながら、これらの方法によりハニカム構造体31を再生すると、微粒子の捕集量が多いほど、微粒子を除去するのに多くの時間を要し、この間、ハニカム構造体31の温度が上昇し、上昇による熱応力に起因してハニカム構造体31にクラックや溶損が生じる場合があった。
このようなクラックや溶損を防止するために、特許文献1に示すようなハニカム構造体が提案されている。
即ち、特許文献1は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とよりなるハニカム構造体であって、外周部のセル長よ
り中心部のセル長が長いハニカム構造体が提案されている。この様な従来のハニカム構造体を図12,13に示す。
図12,13は、それぞれ従来のハニカム構造体の一例を示す断面図である。
図12に示すハニカム構造体31は、表出する中心部Xの外周表面に向かって外側に凸の断面円弧状に滑らかに連続するものである。
また、図14に示すハニカム構造体31は、表出する中心部Yの外周表面に向かって内側に凸の断面円弧状に滑らかに連続するものである。そして、これによれば、外周部のセル長さより中心部のセル長さが長いので、中心部と外周部との温度差を小さくすることができ、強制再生時における熱応力によるクラックの発生を抑制することができるというものである。
特開2007-138747号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている図12,13に示す従来のハニカム構造体31は、強制再生時にそれぞれ中心部が溶損したり、下流端部で中心部と外周部との境界部にクラックが発生したりするのをある程度抑制することができるものの、下流端部の中心部(
図12,13のX部,Y部)では、封止材34の内側端部の位置が直線状に揃っているため、こ
の位置における溶損およびクラックを抑制することができなかった。また同様に、上流端部では、中心部,外周部とも封止材34の内側端部の位置が直線状に揃っているため、この位置における溶損およびクラックを抑制することができなかった。
本発明はこのような課題に鑑み、強制再生時に上流端部および下流端部に発生していた溶損およびクラックを長期間に亘って抑制することができるハニカム構造体、フィルタおよび排気ガス処理装置を提供するものである。
本発明のハニカム構造体は、軸方向に沿った壁面を有する隔壁により仕切られた複数の流通孔と、該複数の流通孔の一端および他端のそれぞれを交互に封止する封止材とを備えてなるハニカム構造体であって、該ハニカム構造体の両側の端面は凸状に湾曲しているとともに、一つの前記流通孔の周りに配置された前記封止材において、隣り合う前記封止材の内側の表面と前記壁面との交わる位置が異なることを特徴とする。
また、本発明のハニカム構造体は、上記構成において、隣り合う前記封止材の内側の表面は、互いに形状の異なる凸状であることを特徴とする。
また、本発明のハニカム構造体は、上記いずれかの構成において、隣り合う前記封止材の内側の表面は、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種であることを特徴とするものである。
また、本発明のハニカム構造体は、上記いずれかの構成において、前記封止材の内側の表面と前記壁面とのなす角度が5度以上55度未満であることを特徴とするものである。
また、本発明のハニカム構造体は、上記いずれかの構成において、前記隔壁は、チタン
酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とするものである。
また、本発明のハニカム構造体は、上記いずれかの構成において、前記封止材は、チタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とするものである。
また、本発明のフィルタは、上記いずれかの構成において、前記流通孔の封止されていない一端を入口とし、この流通孔と前記隔壁を介した他の流通孔の封止されていない他端を出口として排気ガスを通過させて、該排気ガス中の微粒子を前記隔壁で捕集することを特徴とするものである。
また、排気ガス処理装置は、上記構成のフィルタを備えてなることを特徴とするものである。
本発明のハニカム構造体によれば、軸方向に沿った壁面を有する隔壁により仕切られた複数の流通孔と、複数の流通孔の一端および他端のそれぞれを交互に封止する封止材とを備えてなるハニカム構造体であって、ハニカム構造体の両側の端面は凸状に湾曲しているとともに、一つの流通孔の周りに配置された封止材において、隣り合う封止材の内側の表面と壁面との交わる位置が異なる場合には、強制再生時の熱が繰り返し与えられても隣り合う封止材の内側の表面と壁面との交わる位置に発生する応力は、隣り合う封止材の内側の表面と壁面との交わる位置が一致している場合より緩和されるため、この位置に生じていたクラックおよび溶損は抑制される。併せて、熱が繰り返し与えられてもハニカム構造体の両側の端面は凸状に湾曲しているので、端面に発生する応力は、端面が平面である場合よりも緩和されるため、端面に生じていたクラックおよび溶損が抑制される。
また、本発明のハニカム構造体によれば、隣り合う封止材の内側の表面は、互いに形状の異なる凸状である場合には、強制再生時の熱が繰り返し与えられても封止材の内側の表面に生じていた応力は、隣り合う封止材の内側の表面の形状が同じ凸状である場合より分散されやすいため、封止材の内側の表面に生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
また、本発明のハニカム構造体によれば、内側の表面は、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状の少なくともいずれか2種であるときには、強制再生時の熱が繰り返し与えられても封止材の内側の表面に生じていた応力は、内側の表面が角錐状または多面体状である場合より分散されやすいため、封止材の内側の表面に生じていたクラックおよび溶損はさらに抑制される。
また、本発明のハニカム構造体によれば、封止材の内側の表面と壁面とのなす角度が5度以上55度未満である場合には、この角度の範囲より小さい場合に比べ、流通孔の容積をわずかではあるが大きくできるので、微粒子の捕集量を増加できる。一方、この角度の範囲より大きい場合に比べ、封止材の内側の表面と壁面との交わる位置に発生する応力は、分散されやすいため、この位置に生じていたクラックおよび溶損はさらに抑制される。
また、本発明のハニカム構造体によれば、隔壁は、チタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなる場合には、このような焼結体は耐熱衝撃性が高いので、隔壁に堆積した微粒子を強制再生するために、バーナーまたはヒーター等で加熱して急激な温度変化を与えても隔壁は長期間に亘って破損することがない。
また、本発明のハニカム構造体によれば、封止材は、チタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなる場合には、このような焼結体は耐熱衝撃性が高いので、封止材に堆積した微粒子を燃焼して再生するために、バーナーまたはヒーター等で加熱して急激な温度
変化を与えても封止材は長期間に亘って破損することがない。
また、本発明のフィルタによれば、本発明のハニカム構造体の隔壁の壁面に触媒を担持したフィルタであって、流通孔の封止されていない一端を入口とし、この流通孔と隔壁を介した他の流通孔の封止されていない他端を出口として排気ガスを通過させて、排気ガス中の微粒子を隔壁で捕集するフィルタである場合には、強制再生時の熱が繰り返し与えられてもクラックおよび溶損の生じにくいハニカム構造体を用いているので、長期間に亘って効率よく微粒子を捕集して除去することができる。
本発明の排気ガス処理装置によれば、本発明のフィルタを備えている場合には、長期間に亘って効率よく微粒子を捕集して除去することができるので、長期間に亘って効率よく使用することができる。
本発明のハニカム構造体の実施の形態の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。 図1に示す例のハニカム構造体を示す、(a)は図1(a)におけるC−C’線での断面図であり、(b)は図1(a)におけるD−D’線での断面図である。 本発明のハニカム構造体の流入側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。 本発明のハニカム構造体の流出側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。 本発明のハニカム構造体の流入側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の形状が、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状の状態を示す部分断面図である。 本発明のハニカム構造体の流出側における封止材の実施の形態の他の例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。 封止材の内側の表面と隔壁の壁面とのなす角度を測定する方法を説明するための模式図であり、(a)〜(d)は、封止材の形状がそれぞれ異なる状態での測定する場所を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の実施の形態の他の例を示す、(a)は流入側の一部を示す側面図であり、(b)は流出側の一部を示す側面図である。 本発明のハニカム構造体の実施の形態の他の例を示す、(a)は流入側の一部を示す側面図であり、(b)は流出側の一部を示す側面図である。 本発明のハニカム構造体を用いたフィルタおよびこのフィルタを備えた排気ガス処理装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 従来のフィルタに用いられるハニカム構造体を示す、(a)は側面図であり、(b)は部分破断した正面図である。 従来のハニカム構造体の一例を示す断面図である。 従来のハニカム構造体の一例を示す断面図である。
以下、本発明のハニカム構造体およびこれを用いたフィルタならびに排気ガス処理装置の実施の形態の例について説明する。
図1は、本発明のハニカム構造体の実施の形態の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。また、図2は、図1のハニカム構
造体を示す、(a)は図1(a)におけるC−C’線での断面図であり、(b)は図1(a)におけるD−D’線での断面図である。
図1に示す例のハニカム構造体1は、軸方向Aに沿った壁面4aを有する通気性の隔壁4により仕切られた複数の流通孔2と、複数の流通孔2の一端および他端のそれぞれを交互に封止する封止材3,30とを備えている。
ハニカム構造体1の流入側にディーゼルエンジン(図示しない)が配置され、ディーゼルエンジン(図示しない)が作動して、排気ガス(EG)が発生すると、この排気ガス(EG)は、図1(b)に示すように、ハニカム構造体1の流入側に封止材3を備えていない流通孔2から導入されるが、流出側に備えた封止材30によってその流出が遮られる。流出が遮られた排気ガス(EG)は、多孔質の隔壁4を通過して、流出側に封止材30が備えていない隣接する流通孔2に導入される。排気ガス(EG)が隔壁4を通過するとき、隔壁4の気孔内で排気ガス(EG)中の炭素を主成分とする微粒子,硫黄が酸化してできる硫酸塩を主成分とする微粒子および高分子からなる完全に燃焼されない炭化水素等の粒子状物質(以下、これらを総称して微粒子という。)が捕集される。微粒子が捕集された排気ガス(EG)は、浄化された状態で、封止材30を備えていない流通孔2から外部に排出される。
図1に示す例のハニカム構造体1は、例えば、外径が100〜200mm、軸方向Aの長さが100〜250mmの円柱形状であって、軸方向Aに対して垂直な断面における流通孔2は、1平方インチ当たりの個数および1個当たりの断面積がそれぞれ50〜800個,1〜10mm
であって、隔壁4は厚みが0.05〜1.0mmである。
そして、図2に示すように本発明のハニカム構造体1は、ハニカム構造体1の両側の端面1a,1bは凸状に湾曲しているとともに、一つの流通孔2の一端に配置された封止材3において、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置P,Pが異なることが重要である。
隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置P,Pが異なることから、強制再生時に熱が繰り返し与えられても隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置P,Pに発生する応力は、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置が一致している場合より緩和されるので、この位置に生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
このことは、流通孔2において、流出側に形成された封止材30においても同様で、隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置P,Pが異なることが重要であり、上述した流入側の場合と同じ理由により、この位置に生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
また、強制再生時に熱が繰り返し与えられても両側の端面1a,1bは凸状に湾曲しているので、端面1a,1bに発生する応力は、端面1a,1bが平面である場合より緩和され、端面1a,1bに生じていたクラックおよび溶損が抑制される。
両側の端面1a,1bは、曲率半径が、ハニカム構造体1の直径の2.7倍以上4.2倍以下であることが好適である。
図3は、本発明のハニカム構造体の流入側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。
また、図4は、本発明のハニカム構造体の流出側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。
図3(a)〜(d)に示すように、隣り合う封止材3の内側の表面3aは、互いに形状の異なる凸状であることが好適である。強制再生時の熱が繰り返し与えられても封止材3の内側の表面3aに生じていた応力は、隣り合う封止材3aの内側の表面3aの形状が同じ凸状である場合より分散されやすいため、封止材3の内側の表面3aに生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
このことは、図4(a)〜(d)に示すように、流出側に形成された封止材30においても同様で、隣り合う封止材30の内側の表面30aは、互いに形状の異なる凸状であることが好適であり、上述した理由と同じ理由により、封止材30の内側の表面30aに生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
図5は、本発明のハニカム構造体の流入側における封止材の実施の形態の一例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の形状が、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状の状態を示す部分断面図である。
また、図6は、本発明のハニカム構造体の流出側における封止材の実施の形態の他の例を示す部分断面図であり、(a)〜(d)は、封止材の内側の表面形状がそれぞれ形状の異なる凸状の状態を示す部分断面図である。
図5(a)〜(d)に示すように、隣り合う封止材3の内側の表面3aは、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種であることが好適である。図5(c)に示す、上側の封止材3の内側の表面3aは、例えば、円錐状および半球状が複合化した形状である。隣り合う封止材3の内側の表面3aは、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状であると、熱が繰り返し与えられても封止材3の内側の表面3aに生じていた応力は、内側の表面3aが角錐状または多面体状である場合より分散されやすいため、封止材3の内側の表面3aに生じていたクラックおよび溶損はさらに抑制される。
このことは、図6(a)〜(d)に示すように、流出側に形成された封止材30においても同様で、隣り合う封止材30の内側の表面30aは、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種であることが好適であり、上述した理由と同じ理由により、封止材30の内側の表面30aに生じていたクラックおよび溶損は抑制される。
特に、本発明のハニカム構造体は、封止材3の内側の表面3aと壁面4aとのなす角度は5度以上55度未満であることが好適である。封止材3の内側の表面3aと壁面4aとのなす角度がこの範囲にあると、この範囲より小さい場合に比べ、流通孔2の容積をわずかではあるが大きくできるので、微粒子の捕集量をほとんど減少させないで済む。一方、上記角度が上記範囲より大きい場合に比べ、封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置に発生する応力は、分散されやすいため、この位置に生じていたクラックおよび溶損はさらに抑制される。
また、上述した理由と同様の理由により、封止材30の内側の表面30aと壁面4aとのなす角度は5度以上55度未満であることが好適である。
図7は、封止材3の内側の表面3aと隔壁4の壁面4aとのなす角度を測定する方法を説明するための模式図であり、(a)〜(d)は、封止材の形状がそれぞれ異なる状態で
の測定する場所を示す模式図である。
図7(a)〜(d)に示すように、封止材3の内側の表面3aと隔壁4の壁面4aとのなす角度をθ,表面3aの起点から頂点までの軸方向Aにおける高さをh,壁面4aから表面3aの頂点までの垂直距離をdとすると、角度θは、以下の式(1)を用いて求められ、hおよびdは、測定顕微鏡を用いて倍率を50〜200倍として測定し、その測定値を用
いればよい。
θ=tan−1(h/d)・・・(1)
また、本発明のハニカム構造体を構成する隔壁4は、熱膨張係数が小さい成分、例えば、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO),β−ユークリプトタイト(LiO・Al・2SiO),β−スポジュメン(LiO・Al・4SiO),炭化珪素(SiC),窒化珪素(Si),サイアロン(Si6−ZAl8−Z,但しzは固溶量で0.1以上1以下である。),ムライト(3Al・2SiO),燐酸ジルコニウムカリウム(KZr(PO)またはチタン酸アルミニウム(AlTiO)を主成分とする焼結体からなることが好適であるが、特に、本発明のハニカム構造体は、隔壁4がチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることが好適である。このようなチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体は耐熱衝撃性が高いので、隔壁4に捕集した微粒子を燃焼して再生するために、バーナー,ヒーター等で加熱して急激な温度変化を与えても隔壁4は長期間に亘って破損することがない。
同様に、本発明のハニカム構造体を構成する封止材3,30は、熱膨張係数が小さい成分、例えば、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)β−ユークリプトタイト,(LiO・Al・2SiO)β−スポジュメン(LiO・Al・4SiO),炭化珪素(SiC),窒化珪素(Si),サイアロン(Si6−ZAl8−Z,但しzは固溶量で0.1以上1以下である。)ムライト(3Al
・2SiO),燐酸ジルコニウムカリウム(KZr(PO))またはチタン酸アルミニウム(AlTiO)を主成分とする焼結体からなることが好適であるが、特に、本発明のハニカム構造体は、封止材3がチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることが好適である。このようなチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体は耐熱衝撃性が高いので、封止材3に堆積した微粒子を燃焼して再生するために、バーナー,ヒーター等で加熱して急激な温度変化を与えても封止材3,30は長期間に亘って破損することがない。
なお、本発明における主成分とは、隔壁4および封止材3をそれぞれ構成する焼結体の全成分100質量%に対して50質量%以上を占める成分をいう。隔壁4および封止材3をそ
れぞれ構成する成分の含有量は、蛍光X線分析法またはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合高周波プラズマ)発光分析法により求めることができる。具体的には、主成分がチタン酸アルミニウムの場合には、酸化チタンおよび酸化アルミニウムについては、各元素Ti,Alの含有量を測定して酸化物に換算した含有量の合計をチタン酸アルミニウムの含有量とすればよい。
図8,9は、本発明のハニカム構造体の実施の形態の他の例を示す、(a)は流入側の一部を示す側面図であり、(b)は流出側の一部を示す側面図である。
図8に示す例のハニカム構造体1は、(a)に示すように流入側で封止されていない流通孔2aおよび封止されている流通孔2bをそれぞれ4角形状,8角形状とし、流通孔2aを流通孔2bより端面の面積を大きくしたものである。
また、図9に示す例のハニカム構造体1は、(a)に示すように流入側で封止されてい
ない流通孔2aおよび封止されている流通孔2bとも4角形状であるが、流通孔2aを流通孔2bより端面の面積を大きくし、その角部を円弧状にしたものである。一方、流出側では図8,9に示す例のハニカム構造体1とも(b)に示すように流入側で封止されていない流通孔2aは封止され、流入側で封止されている流通孔2bは封止されないように構成されている。
図8,9に示す構成にすることにより、流通孔2の端面の面積が同じである場合よりも、微粒子を捕集する隔壁4の壁面4dの表面積を大きくすることができるため、微粒子の捕集量を増大させることができる。また、流入側で封止されていない流通孔2aの端面の面積を大きくすることで、排気ガス(EG)が流通孔2aに効率よく導入されるので、微粒子を容易に補集することができる。
特に、図9に示す例のハニカム構造体1は、端面の面積が大きい流通孔2aの角部が円弧状であることから、角部に生じやすいクラックを低減することができるので、より好適である。
特に、図9に示す例のハニカム構造体1は、流入側で封止されていない流通孔2aの直径が封止されている流通孔2bの直径に対して、1.55倍以上1.95倍以下であることが好適である。直径の比をこの範囲にすることで、微粒子の捕集量を増大させることができるとともに、隔壁に径方向からのクラックが入りにくくなるため、さらに強度の高いハニカム構造体とすることができる。ここで、流通孔2の直径とは、軸方向(A)に垂直な断面において、壁面4aに接する内接円の直径をいい、測定顕微鏡を用いて測定することができる。
図10は、本発明のハニカム構造体を用いたフィルタおよびこのフィルタを備えた排気ガス処理装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
図10に示す例の本発明のフィルタは、本発明のハニカム構造体1の隔壁4の壁面4aに触媒(図示しない)を担持したフィルタ5であって、流通孔2の封止されていない一端を入口とし、この流通孔2と隔壁4を介した他の流通孔2の封止されていない他端を出口として排気ガス(EG)を通過させて、排気ガス中の微粒子を隔壁4で捕集するものである。
隔壁4の壁面4aに担持された触媒は、軽油等の燃料が気化したガスを供給することによって、隔壁4で捕集された排気ガス中の微粒子を酸化して燃焼させるためのものであり、例えば、ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir)または白金(Pt)等の白金族金属は、いずれも酸化活性が高いので、これらの白金族金属から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、特に、これらの白金族金属のうち、白金(Pt)は酸化活性が最も高いので、白金(Pt)であることがより好適である。さらに、窒素酸化物(NO)を吸着するためにアルカリ金属,アルカリ土類金属,希土類金属から選択される少なくともいずれかを壁面4aに担持させてもよい。
また、図10に示す例の本発明の排気ガス処理装置は、本発明のフィルタ5を備えている排気ガス処理装置20であって、フィルタ5は断熱材層6によって外周面を被覆された状態でケース7に収容されている。ケース7は、例えば、SUS303,SUS304およびSUS316等のステンレスからなり、その中央部が円筒状に、両端部が円錐台状にそれぞれ形成
され、排気ガス(EG)の流入側および流出側がそれぞれ入口8および出口9である。ケース7の入口8には排気管10が連結され、排気ガス(EG)は排気管10からケース7内に流入するように構成されている。
また、断熱材層6は、マット状に形成され、例えば、セラミックファイバー,ガラスファイバー,カーボンファイバーおよびセラミックウィスカーの少なくともいずれか1種からなることが好適で、これらの材料はいずれも断熱性に優れているからである。
ディーゼルエンジン(図示しない)が作動して、排気ガス(EG)が排気管10よりケース7に流入すると、ハニカム構造体1の端面1a(IF)から封止材3で封止されていない流通孔2の中に排気ガス(EG)が導入される。排気ガス(EG)が導入された流通孔2は、端面1b(OF)側の端部が封止材30によって封止されているので、排気ガス(EG)の流出は遮られるため、排気ガス(EG)は多孔質の隔壁4を通過し、端面1b(OF)側が封止材30で封止されていない隣接する流通孔2より排出される。隔壁4では、その内部の気孔内で排気ガス(EG)中の微粒子が捕集される。つまり、排気ガス(EG)が導入された流通孔2に隣接する流通孔2には、浄化された空気が流入する。そして、隣接する流通孔2の端面1a(IF)側の端部は封止材3で封止されているので、浄化された空気に排気ガス(EG)が混入しない。このようにして、排気ガス処理装置20のハニカム構造体1に導入された排気ガス(EG)は、微粒子を含まない状態に浄化され、端面1b(OF)から外部に排出される。
このように本発明の排気ガス処理装置20は、本発明のフィルタを備えているので、長期間に亘って効率よく微粒子を捕集することができる。
なお、図10に示す例の本発明の排気ガス処理装置20は、排気ガス(EG)の流入側における断熱材層6が被覆されていない領域の軸方向における長さ(L)が、フィルタ5の軸方向Aにおける全長(L)の1/15以下(0を含まず)であることが好適である。
排気ガス処理装置20を使用したり、再生したりするときに、排気ガス(EG)の流入側における断熱材層6が被覆されていない領域の近傍と、断熱材層6が被覆されている領域との温度差が生じるが、フィルタ5の軸方向Aにおける全長の1/15以下とすることで、この温度差があって応力が分散されやすいため、残留した熱応力の影響を受けにくくなり、ハニカム構造体の流入側の端面に入るクラックを低減することができる。
次に、本発明のハニカム構造体1を得るための製造方法として、図1に示すハニカム構造体1の例について説明する。
まず、主成分がチタン酸アルミニウムであるハニカム構造体1を得る場合には、TiOとAlとの比率がモル比で40〜60:60〜40である成分100質量部と、組成式が(
Na1−y)AlSi(0≦y≦1)で表わされるアルカリ長石,Mgを含むスピネル型構造の酸化物,MgOおよび焼成によりMgOに転化するMg含有化合物、の少なくともいずれか1種からなる成分を1〜10質量部と、を調合して調合原料を得る。この調合原料にグラファイト、澱粉または樹脂粉末等の造孔剤の所定量を添加した後、さらに可塑剤,増粘剤,滑剤および水等を加えて、万能攪拌機,回転ミルまたはV型攪拌機等を使ってスラリー化した混練物を作製する。そして、この混練物を三本ロールミルや混練機等を用いて混練して、杯土を得る。
次に、ハニカム構造体1の隔壁4を形成するためのスリットを有する成形体の外径を決定する内径が、例えば、100〜250mmである成形型を備えた押出成形機に杯土を投入し、圧力を加えてハニカム状に成形して、乾燥させてから所定長さに切断する。
そして、電気炉またはガス炉等の焼成炉を用い、成形体を大気雰囲気中1250℃〜1700℃で焼成した後、端面1b(OF)を市松模様にマスキングし、焼結体の端面1b側を水を
加えてスラリー状の前記混練物に浸漬する。
そして、上記のスラリー化した前記混練物に焼結体の端面1b側を浸漬した状態で、端面1a(IF)から撥水性樹脂がコーティングされたピンを挿入し、隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置が異なるように、ピンの先端部の位置を調節した後、常温にて乾燥し、封止材30を形成する。
なお、封止材30の内側の表面30aは、ピンの先端部の表面が封止材30の内側の表面30aに転写されるため、隣り合う封止材30の内側の表面30aを互いに形状の異なる凸状とするには、ピンの先端部の表面を互いに形状の異なる凹状とすればよい。
また、隣り合う封止材30の内側の表面30aを円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種とするには、ピンの先端部を凹状として、その表面をそれぞれ円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種にすればよい。
そして、封止材30を形成させた後、ピンを抜き、上述した作業と同じ作業を焼結体の端面1a側でも行ない、封止材3を形成する。
封止材3,30を形成し、電気炉またはガス炉等の焼成炉を用いて、焼結体を1250℃〜1700℃で再度焼成した後、焼結体の両側の端面が凸状に湾曲するようにカップホイール型砥石,研磨布または研磨パッド等で研磨することによって、本発明のハニカム構造体1を得ることができる。
次に、主成分がコージェライトであるハニカム構造体1を得る場合には、焼結体におけるコージェライトの組成は、酸化珪素(SiO)が40〜56質量%、酸化アルミニウム(Alが30〜46質量%、酸化マグネシウム(MgO)が12〜16質量%となるように、カオリン,仮焼カオリン,酸化アルミニウム,水酸化アルミニウム,酸化珪素,タルクまたは焼タルクなどのコージェライト化する原料を調合して調合原料を得る。この調合原料を得た後、ハニカム構造体1を得るまでの工程は、焼成温度を1250℃〜1700℃から1350℃〜1450℃に変更する以外は、主成分がチタン酸アルミニウムの場合と同様である。
なお、ハニカム構造体1の隔壁4の壁面4aに触媒を担持したフィルタ5を得るには、ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir)または白金(Pt)等の白金族金属から選択される少なくともいずれかを含む混練物に、封止材3,30が形成された成形体を浸漬した後に、上述した方法により焼成すればよい。また、窒素酸化物(NO)を吸着するための触媒をさらに担持させる場合には、白金族金属に加え、アルカリ金属,アルカリ土類金属または希土類金属から選択される少なくともいずれかを混練物に添加しておけばよい。
そして、フィルタ5の外周面を断熱材層6で被覆した状態で、ケース7の円筒状の中央部に挿入した後、排気ガス(EG)の入口8および出口9をそれぞれ備える円錐台状のケースの両端部を接続することで、図10に示す例の本発明の排気ガス処理装置を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
先ず、酸化チタン(TiO)と酸化アルミニウム(Al)との比率がモル比で40:60である成分100質量部と、組成式が(Na1−y)AlSi(0≦y≦
1)で表わされるアルカリ長石(MgO)を5質量部とを調合して調合原料を得た。
この調合原料に造孔剤としてグラファイトを所定量添加した後、さらに可塑剤,増粘剤,滑剤および水を加えて、回転ミルで攪拌してスラリー状の混練物を作製した。そして、この混練物の一部を残し混練機を用いて回転ミルより得られた混練物を混練して、杯土を得た。
次に、ハニカム構造体1の隔壁4を形成するためのスリットを有する成形体の外径を決定する内径が160mmである成形型を備えた押出成形機に上記の杯土を投入し、圧力を加
えてハニカム状に成形した後、乾燥させてから所定長さに切断した。
そして、電気炉を用いて成形体を1500℃で焼成した後、端面1b(OF)側で封止材3bが封止する部分ができるように市松模様にマスキングし、焼結体の端面1b側を残しておいた混練物に水を加えてスラリー化して浸漬した。
そして、スラリー化した前記混練物に焼結体の端面1b側を浸漬した状態で、端面1a(IF)から撥水性樹脂がコーティングされたピンを挿入し、隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置が様々な位置になるように、ピンの先端部の位置を調節した後、常温にて乾燥し、封止材30を形成した。
封止材30を形成させた後、ピンを抜き、上述した作業と同じ作業方法で、今度は流出側で封止した場所とは別の場所を封止するよう市松模様にマスキングをして、焼結体の端面1a側でも行ない、封止材3を形成した。
隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置および隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置については、後述する耐久性試験を実施した後、測定顕微鏡を用い、倍率を100倍として、軸方向Aに対して垂直な断面で観察した。
なお、本実施例では、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置および隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置がそれぞれ異なる場合は、これらの位置の間隔が0.2mm以上離れた場合とし、位置が一致する場合とは、この
位置の間隔が0.2mm未満である場合として、それぞれ表1に○×を記入した。
なお、ピンの先端部の表面はいずれも凹状とし、封止材3,30の表面が表1に示されるような形状にするため、この形状と面対称となるものとした。
封止材3,30を形成し、電気炉を用い、焼結体を1500℃で再度焼成した後、焼結体の両側の端面が凸状に湾曲するように研磨布で研磨することによって、ハニカム構造体1である試料No.1〜13を得た。なお、比較例である試料No.14については、焼結体を1500℃で再度焼成した後、焼結体の両側の端面は研磨せずに、平面のままとした。
各試料の両側の端面の状態は、表1に示す通りである。
なお、試料No.1〜14は、それぞれ直径が144mm,長さが117mm,隔壁4および封止材3,30の各気孔率が48%,軸方向に垂直な方向における断面の流通孔4の密度が0.46個/mm,封止材3,30の各厚みが2〜5mm,隔壁4の幅が0.2mmであるハニカム構
造体とした。
そして、試料No.1〜14を排気ガス処理装置20に個別に設置し、エンジンの回転数およびトルクをそれぞれ3000min−1,50N・mとして、エンジンを所定時間運転させて
排気ガスを排気ガス処理装置20に導入し、微粒子を捕集した。次に、エンジンの回転数を4000min−1として、各試料の温度が700℃になったときに、エンジンの回転数を1050
min−1,トルクを30N・mにそれぞれ変更して微粒子を燃焼させるという耐久性試験を実施した。この排気ガスの導入,微粒子の捕集および燃焼という操作を、微粒子の捕集量が0.1mg/cm増加する毎に繰り返し、クラックが発生するまでの微粒子の捕集量
を求め、その値を表1に示した。この微粒子の捕集量の値が大きいほど、クラックが生じにくく、ハニカム構造体の耐久性が優れていることを意味する。
なお、クラックの確認については、各試料とも目視で排気ガス処理装置20の流入側から行なった。
Figure 2011200835
表1に示す結果から分かるように、試料No.13は、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置および隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置がともに一致していることから、これらの位置に発生する応力が緩和されにくいため、微粒子の捕集量が少ない段階でクラックが発生していることが分かる。
また、試料No.14はハニカム構造体1の両側の端面1a,1bが平面であることから、端面1a,1bに発生する応力が緩和されにくいため、微粒子の捕集量が少ない段階でクラックが発生していることが分かる。
一方、試料No.1〜12は、隣り合う封止材3の内側の表面3aと壁面4aとの交わる位置および隣り合う封止材30の内側の表面30aと壁面4aとの交わる位置がともに異なっていることから、これらの位置に発生する応力が緩和されやすく、また、ハニカム構造体1の両側の端面1a,1bは凸状に湾曲していることから、端面1a,1bに発生する応力が緩和されやすいため、微粒子の捕集量が増えてきてもクラックが容易に発生していないことが分かる。
特に、試料No.4〜12は、隣り合う封止材3の内側の表面3aおよび隣り合う封止材30の内側の表面30aは、いずれも互いに形状の異なる凸状であることから、熱が繰り返し与えられても封止材3,30の内側の表面に生じていた応力は、隣り合う封止材3の内側の表面3aおよび隣り合う封止材30の内側の表面30aの形状がいずれも同じ凸状である試料No.1,2より分散されやすいため、微粒子の捕集量が増えてきてもさらにクラックが発生しにくくなっていることが分かる。
また、試料No.5〜12は、隣り合う封止材3の内側の表面3aおよび隣り合う封止材30の内側の表面30aは、いずれも円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種であることから、熱が繰り返し与えられても封止材3,30の内側の表面3a,30aに生じていた応力は、内側の表面3a,30aが多面体状である試料No.1より分散されやすいため、微粒子の捕集量が増えてきてもさらにクラックが発生しにくくなっていることが分かる。
また、隣り合う封止材3,30の内側のそれぞれの表面3a,30aが円錐状,半球状であ
る試料No.5〜11を比べると、試料No.6〜10は、封止材3の内側の表面3aと壁面4aのなす角度および封止材30の内側の表面30aと壁面4aとのなす角度がともに5度以上55度未満であることから、角度がこの範囲外である試料No.5,11より、微粒子の捕集量が増えてきてもさらにクラックが発生しにくくなっていることが分かる。
表1に示す、隔壁4および封止材3,30がいずれもチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなるハニカム構造体である試料No.1と、隔壁4および封止材3,30が表2に示す成分を主成分とするハニカム構造体である試料No.15〜18を作製した。
なお、試料No.1,15〜18は、いずれも直径が144mm,長さが117mm,隔壁4およ
び封止材3,30の各気孔率が48%,軸方向に垂直な方向における断面の流通孔4の密度が0.46個/mm,封止材3,30の各厚みが2〜5mm,隔壁4の幅が0.2mmであるハニカ
ム構造体1とした。
そして、ハニカム構造体の耐熱衝撃性をJASO M 505−87に準拠して評価した。具
体的には、内部が800℃に保持された電気炉に試料を配置し、20分経過した後に試料を取
り出して、クラックの有無を目視で確認した。
クラックが確認された試料を△、クラックが確認されなかった試料を○として、その結果を表2に示す。
Figure 2011200835
表2に示す結果から分かるように、試料No.15は隔壁4がチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることから、耐熱衝撃性が高いので、急激な温度変化を与えても隔壁4は長期間に亘ってクラックが生じにくいことが分かる。
また、試料No.16は、封止材3,30がチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることから、耐熱衝撃性が高いので、急激な温度変化を与えても封止材3,30は長期間に亘ってクラックが生じにくいことが分かる。
特に、試料No.1は、隔壁4および封止材3,30がともにチタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることから、耐熱衝撃性が高いので、急激な温度変化を与えても隔壁4および封止材3,30は長期間に亘ってクラックが生じにくいことが分かる。
1:ハニカム構造体
2:流通孔
3,30:封止材
4:隔壁
5:フィルタ
6:断熱材層
7:ケース
8:排気ガス(EG)の入口
9:排気ガス(EG)の出口
10:排気管
20:排気ガス処理装置

Claims (8)

  1. 軸方向に沿った壁面を有する隔壁により仕切られた複数の流通孔と、該複数の流通孔の一端および他端のそれぞれを交互に封止する封止材とを備えてなるハニカム構造体であって、該ハニカム構造体の両側の端面は凸状に湾曲しているとともに、一つの前記流通孔の周りに配置された前記封止材において、隣り合う前記封止材の内側の表面と前記壁面との交わる位置が異なることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 隣り合う前記封止材の内側の表面は、互いに形状の異なる凸状であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 隣り合う前記封止材の内側の表面は、円錐状,半球状およびこれらが複合化した形状のいずれか2種であることを特徴とする請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記封止材の内側の表面と前記壁面とのなす角度が5度以上55度未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  5. 前記隔壁は、チタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  6. 前記封止材は、チタン酸アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハニカム構造体。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のハニカム構造体の前記隔壁の前記壁面に触媒を担持したフィルタであって、前記流通孔の封止されていない一端を入口とし、この流通孔と前記隔壁を介した他の流通孔の封止されていない他端を出口として排気ガスを通過させて、該排気ガス中の微粒子を前記隔壁で捕集することを特徴とするフィルタ。
  8. 請求項7に記載のフィルタを備えていることを特徴とする排気ガス処理装置。
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