JP2011200781A - 排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法 - Google Patents

排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱回収部におけるフライアッシュの付着性を低減させて、ランニングコストを増大させずに熱回収効率を維持できる排ガス処理装置及びその運転方法の提供である。
【解決手段】石炭を燃料としたボイラ1と、ボイラ1出口の排ガス温度を下げるための熱媒体を通す伝熱管群を備えた熱回収部4と、熱回収部4出口の排ガス中の媒塵を除去する集塵機5とを設けた排ガス処理装置において、熱回収部4前流側にアルカリ供給装置18を設け、集塵機5入り口の煤塵濃度に基づき煤塵中のアルカリ濃度を求めると共に、排ガス中の除去されたSO3濃度からSO3除去により消費されたアルカリ濃度を求め、煤塵中のアルカリ濃度から消費されたアルカリ濃度を引いたアルカリ濃度がゼロ以上になるようアルカリを供給することで、熱回収部4におけるフライアッシュの付着を防止して、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持し、伝熱管の閉塞を防止できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、石炭焚きボイラの排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法に関し、特に排ガス温度を酸露点以下に下げる伝熱管式の熱交換器の耐久性を向上させて、高効率に排ガス中の微量成分を除去することができる排ガス処理装置と排ガス処理装置の運転方法に関するものである。
従来技術による微粉炭焚きボイラの排ガス処理装置の全体構成図を図12に示す。
ボイラ火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温排ガスは、ボイラ火炉1の出口付近では1200〜1300℃となり、それ以降の後部伝熱部では400℃程度にまで冷却される。その後、脱硝装置2において脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去されて、無水硫酸の露点以上で運転されるエアヒータ3及びガス−ガスヒータ(GGH)熱回収部4を経由してさらに冷却されて、乾式の電気集塵機(EP)5において大部分のフライアッシュ(石炭を燃焼させた時に発生する微粉末の灰)が除去される。
次に、排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、排ガス中の硫黄酸化物(主にSO2)が除去される。そして、湿式脱硫装置6から排出された排ガスは、煙突8から大気へ排出される。乾式のEP5と湿式脱硫装置6との間の排ガス流路及び湿式脱硫装置6と煙突8との間の排ガス流路には、循環ファン7が設けられている。
GGH熱回収部4の底部にはフライアッシュの一部が堆積し、抜出ライン10からGGH灰として系外へ排出される。乾式のEP5の底部にはフライアッシュの大部分が堆積し、抜出ライン12からEP灰として系外へ排出される。更に、燃焼用の空気をエアヒータ3を経由させて脱硝装置2の出口排ガスと熱交換させることで加熱してボイラ1の入口に戻す循環ラインが設置されている。
石炭に含まれる硫黄分が多い場合は、排ガス中の三酸化硫黄(SO3)濃度は高くなる。SO3は、ボイラ火炉1からガス状で排出され、SO2と同様に酸性成分であるが、湿式脱硫装置6においては排ガス温度の低下によりミスト状となるため、除去されにくい。
下記特許文献1及び特許文献2によれば、排ガス中のSO3を除去するために、炭酸カルシウム等のアルカリ中和剤をエアヒータ3の前流などの排ガス中に添加している。また、SO3を除去するための対策として、湿式脱硫装置6の後流に排ガスが酸露点(無水硫酸の露点)以下となるように運転される湿式のEPを設置することが有効であるが、そのためには大きな集塵面積と耐食材料を必要とするため、コストが非常に高くなり経済的ではない。
そこで、湿式のEPを小型化あるいは省略するために、図12の排ガス処理装置においては、GGH熱回収部4において排ガス温度を160〜170℃から酸露点(SO3と水分の濃度により、125〜155℃)よりも低い90〜100℃程度に下げることで、ガス状のSO3を凝縮させてフライアッシュに付着させることにより、乾式のEP5において排ガス中のSO3をフライアッシュと共に除去している。そして、下記特許文献3には、GGH熱回収部出口の排ガス温度を酸露点以下にすることで排ガス中のSO3を硫酸ミストとして後流の集塵装置などで除去する構成が開示されている。
図13には、GGH熱回収部4内の模式図を示す。
GGH熱回収部4では、排ガス流路内に熱媒体を通す伝熱管14が、ガス流れに直行するように複数段設置されている。排ガス中に含まれるフライアッシュの大部分は、ガス流に乗ってGGH熱回収部4後流の乾式のEP5へと流されるが、一部は伝熱管14及びフィン14aの表面に徐々に堆積する。下記特許文献4に記載の構成では、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムなどの排ガス処理剤に分散剤を含有して、排ガス処理剤由来又は酸性成分との反応生成物由来のスケールの付着を防止している。
また、これら堆積灰に対しては、伝熱管14の管群15の上下に設置したスートブロア(図13では上のみ図示している)16から蒸気や空気を間欠的に噴射して灰を除去している。
灰の除去手段としては、スートブロア16の他に管群15上から鋼球を散布するショットクリーニングが用いられる場合もある。下記特許文献5には、スートブロアの運用方法として、GGH熱回収部4のガス流れ方向の前後に差圧計又は温度計を設けて差圧値や温度が所定値以上(又は以下)となった場合にスートブロアを起動させる方法が開示されている。そして、このような灰除去手段を所定の頻度で運転することにより、GGH熱回収部4の伝熱管14の表面に堆積したフライアッシュを剥離、飛散させる。飛散したフライアッシュの大部分はガス流に乗って後流の乾式のEP5へと流されるが、一部はホッパ部5aに落下して系外へ抜き出される。
排ガス中にはSO3が含まれるため、GGH熱回収部4における排ガス温度の低下に伴って排ガス中のSO3が凝集し、伝熱管14やフィン14aの表面に付着した灰が湿潤状態となり、スートブロア16による清掃によっても除去しにくくなる。したがって、伝熱効率の低下ばかりではなく、伝熱管14の腐食や伝熱管14周りの詰まりを誘発するという問題がある。
このような問題に対応するために、従来、排ガス中の煤塵濃度DとSO3濃度Sの比率D/Sを高くすることが提案されている。すなわち、排ガス中の煤塵濃度を高くすることにより、SO3が凝縮しても煤塵が乾燥状態を保つことが出来るようにして、伝熱管14の腐食や詰まりを防止するものである。
特開2001−145818号公報 特開2002−191936号公報 国際公開2008/078721号パンフレット 特開2007−800号公報 国際公開2004/042280号パンフレット
前述の従来技術においては、以下のような問題がある。
上記特許文献1及び特許文献2に記載のように、排ガス中のSO3を除去するために、炭酸カルシウム等のアルカリ中和剤を排ガス中に添加しても、石炭に含まれる硫黄分が多い場合は添加するアルカリ中和剤の量が多くなって、経済的ではない。そして、SO3とアルカリ中和剤との反応によりSO3を除去するため、反応等量以上のアルカリ中和剤が必要になって、すなわち多量のアルカリ中和剤が必要となる。
また、上記特許文献3に記載のようにGGH熱回収部4出口の排ガス温度を酸露点以下にすると、GGH熱回収部4においては、排ガスが酸露点である125〜155℃という温度域を経ることになる。排ガス温度が酸露点付近まで低下すると、SO3は凝縮し始めて粘着性のあるミスト状となってフライアッシュ表面に付着する。上記特許文献4に記載の構成でも、石炭に含まれる硫黄分が多い場合に、反応生成物由来のスケールの付着を防止することは未だ不十分である。
図14には、各炭種別に排ガス温度とフライアッシュ中のアルカリ濃度との関係を示す。5種類の炭種(A炭からE炭)を燃料として図12の排ガス処理装置を使用し、GGH熱回収部4出口の排ガス温度を酸露点以下(90〜100℃)にして、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度を測定した。図14の縦軸に示すアルカリ濃度は、煤塵濃度×アルカリ成分(重量%)−SO3減少によるアルカリ消費量によって求めた。すなわち、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度と予め求めておいた石炭灰中のアルカリ濃度から煤塵中のアルカリ濃度を求め、また、SO3濃度の減少によるアルカリ消費量は、エアヒータ3の入り口のSO3濃度から、乾式のEP5出口のSO3濃度を引いた数値(SO3の除去量)から求めた。
灰中のアルカリ濃度は使用する石炭の灰分に含まれるアルカリ成分(主にカルシウム)によって決まり、200℃以上の条件では灰へのSO3の付着がほとんど無いため、ほぼ炭種固有の値で推移する。そして、排ガス温度の低下に伴い、SO3のフライアッシュへの付着量は増加する。特に、酸露点(150℃前後)付近で急激に上昇して100℃以下ではSO3の99%(体積%)以上がフライアッシュに付着する。SO3は酸性であるため、フライアッシュに付着すると石炭灰由来のアルカリ成分によって中和され、これによって灰分中のアルカリ濃度が低下することになる。図14に示すA炭からD炭はいずれも石炭中S含有量1%以上(%は重量%を意味する)の高S炭であるが、その灰分中のカルシウム含有量が異なるため、200℃以上の温度域においてもアルカリ濃度は0.02mmol/g(A炭)から0.9mmol/g(D炭)と異なる。
一方、排ガス中のSO3濃度は50ppm以上であり、排ガスの温度低下によりフライアッシュに付着する。A炭及びB炭はフライアッシュ中のアルカリ濃度が低いため、煤塵量DはC炭及びD炭と大きく変わらなくても、温度低下後のアルカリ濃度はゼロmmol/g以下(酸性)になる。排ガス中のSO3が付着してアルカリ濃度の低下したフライアッシュは若干の付着性を有し、伝熱管に付着しやすくなる。したがって、GGH熱回収部内における伝熱管やフィンへの灰の付着量は、排ガス温度が酸露点以上の領域では比較的少なく、酸露点を下回った後の領域で急増する。
一方、E炭は硫黄含有量の低い低S炭であり、排ガスの温度低下によりフライアッシュに吸着するSO3は僅かであるが、もともとフライアッシュ中のアルカリ濃度が僅かなため、排ガス温度が低下後の灰中のアルカリ濃度はゼロmmol/g以下になる。これら石炭中S分及び灰分中アルカリ濃度の異なる炭種に対して、これまでのD/Sの考え方を適用しても、湿潤状態で付着性の高い灰が存在することが明らかになった。
そして、これら付着性の高い灰の存在によりGGH熱回収部の伝熱効率の低下ばかりではなく、伝熱管の腐食や伝熱管周りの詰まりを誘発するという問題がある。これらの灰に対しては、特許文献5に記載のようにスートブロアを起動させても、スートブロアなどの灰除去手段を強力化したり運転の頻度を上げたりする必要が生じる。しかし、灰除去手段の強力化などによって、それに関わるユーティリティが増大するだけでなく、磨耗による伝熱管の交換サイクルが短くなるため、ランニングコストが上昇してしまう。
本発明の課題は、熱回収部におけるフライアッシュの付着性を低減させて、ランニングコストを増大させずに熱回収効率を維持できる排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法を提供することである。
具体的に本発明の課題は、次の手段により解決することができる。
請求項1記載の発明は、石炭を燃料とした燃焼ボイラを含む燃焼装置と、該燃焼装置の出口から発生する排ガスを導入して該排ガスの温度を無水硫酸の露点以下に下げるための熱媒体を通す伝熱管群を備えた熱回収部と、該熱回収部出口の排ガス中の媒塵を除去する集塵装置とを設けた排ガス処理装置において、前記集塵装置の入り口に排ガス中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度測定装置を設け、前記熱回収部の前流側に排ガス中のSO2濃度を測定するSO2測定装置を設け、前記熱回収部の前流側に排ガス中のアルカリ濃度を調整するためにアルカリを供給するアルカリ供給装置を設け、前記熱回収部の出口に排ガス温度を測定するための排ガス温度計を設け、前記煤塵濃度測定装置により測定された煤塵濃度に基づいて煤塵中のアルカリ濃度を求めると共に、前記SO2測定装置により測定されるSO2濃度と前記排ガス温度計により測定される熱回収部の出口温度に基づいて排ガス中の除去されたSO3濃度及びSO3の除去により消費されたアルカリ濃度を求め、前記煤塵中のアルカリ濃度から前記消費されたアルカリ濃度を差し引いたアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う制御装置を設けた排ガス処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記伝熱管の熱媒体の入り口と伝熱管の熱媒体の出口に熱媒体の温度を測定するための熱媒体温度計を設け、前記制御装置は、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う機能を有する請求項1記載の排ガス処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記伝熱管の熱媒体の入り口と伝熱管の熱媒体の出口に熱媒体の温度を測定するための熱媒体温度計を設け、熱回収部の入り口に排ガス温度を測定するための排ガス温度計を設け、前記制御装置は、前記排ガス温度計により測定された熱回収部の入り口温度、熱回収部の出口温度、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う機能を有する請求項1記載の排ガス処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記熱回収部の伝熱管群を清掃するためのスートブロアを設け、前記制御装置は、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてスートブロアにより伝熱管群を清掃する制御を行う機能を有する請求項2記載の排ガス処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記熱回収部の伝熱管群を清掃するためのスートブロアを設け、前記制御装置は、前記排ガス温度計により測定された熱回収部の入り口温度、熱回収部の出口温度、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置により供給するアルカリの供給量及びスートブロアにより伝熱管群を清掃する周期を調整する制御を行う機能を有する請求項3記載の排ガス処理装置である。
請求項6記載の発明は、石炭を燃料とした燃焼ボイラを含む燃焼装置と、該燃焼装置の出口から発生する排ガスを導入して該排ガスの温度を無水硫酸の露点以下に下げるための熱媒体を通す伝熱管群を備えた熱回収部と、該熱回収部出口の排ガス中の媒塵を除去する集塵装置とを設けた排ガス処理装置の運転方法において、集塵装置の入り口の排ガス中の媒塵濃度を測定し、該測定した排ガス中の媒塵濃度に基づいて煤塵中のアルカリ濃度を求めると共に、熱回収部の前流側の排ガス中のSO2濃度と熱回収部の排ガス出口温度に基づいて排ガス中の除去されたSO3濃度及びSO3の除去により消費されたアルカリ濃度を求め、前記煤塵中のアルカリ濃度からSO3除去により消費されたアルカリ濃度を差し引いたアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように熱回収部の前流側の排ガス中にアルカリを供給する排ガス処理装置の運転方法である。
請求項7記載の発明は、前記熱回収部の伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給する請求項6記載の排ガス処理装置の運転方法である。
請求項8記載の発明は、前記熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、前記伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給する請求項6記載の排ガス処理装置の運転方法である。
請求項9記載の発明は、前記熱回収部の伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてスートブロアにより伝熱管群を清掃する請求項7記載の排ガス処理装置の運転方法である。
請求項10記載の発明は、前記熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、前記伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリの供給量及びスートブロアにより伝熱管群を清掃する周期を調整する請求項8記載の排ガス処理装置の運転方法である。
(作用)
上記手段を用いることにより、排ガス温度を酸露点以下に下げる伝熱管式の熱回収部の熱回収効率を維持しながら、熱回収部におけるフライアッシュの付着性を低減させてランニングコストを抑えて、高効率に微量成分を除去することができる。そして、本発明によれば、排ガス中のSO3はすでにGGH熱回収部によるガス温度域で除去されるので、特許文献1及び特許文献2に記載の発明に比べて、必要なアルカリ添加量はGGH熱回収部の伝熱管やフィンの表面から灰を除去しやすくする程度の量で足り、添加量は少なくて済む。
図1には、後述する図5の排ガス処理装置を使用して、高S炭を燃焼した時のGGH熱回収部の排ガス入り口温度及びGGH熱回収部の排ガス出口温度、GGH熱回収部の伝熱管の伝熱係数αの変化を運転条件(スートブロアの運転及びアルカリの添加)と共に示す。測定条件として、図14のB炭を用い、エアヒータ3の入り口のSO3濃度は90ppmであった。なお、伝熱管の伝熱係数αは、GGH熱回収部入り口の温度変化、GGH熱回収部出口の温度変化及び媒体の温度変化(伝熱管入り口の媒体温度と伝熱管出口の媒体温度との差)を測定して求め、スートブロアは1回/4時間(h)の周期で使用した。
フィンチューブでの伝熱量Qは、下記式(1)で表される。
Figure 2011200781
ΔTは、対数平均温度であり、Aはチューブ表面積である。そして、伝熱量Q、ΔTは下記式(2)から(4)より算出される。
Figure 2011200781
上記の式において、Wは媒体の流量、Cp(water)は媒体(水)の比熱、Wgはガスの流量、Cp(gas)はガスの比熱、Tgはガス温度、Twは媒体温度を示す。また、Tginはガス入り口温度を、Tgoutはガス出口温度を示し、更にTwinは伝熱管入り口の媒体温度を、Twoutは伝熱管出口の媒体温度を示す。そして、これらGGH熱回収部の排ガス入り口温度、GGH熱回収部の排ガス出口温度、伝熱管の熱媒体の入り口温度、伝熱管の熱媒体の出口温度などから、伝熱係数αが求まる。すなわち伝熱係数αを求めるための方法が上記式(1)〜(4)による。
スートブロアによりGGH熱回収部の伝熱管を清掃するとGGH熱回収部の排ガス出口温度は90℃となるが、僅かであるが経時的に出口温度は上昇する。これは、GGH熱回収部の伝熱管に灰が付着することで伝熱管の伝熱係数αを低下させているためである。そして、排ガス処理装置の運転を開始して4時間後にスートブロアにより伝熱管を清掃すると、伝熱管の伝熱係数αは急激に回復してGGH熱回収部の排ガス出口温度もほぼ90℃まで低下した。しかし、経時的には伝熱係数αの回復値は僅かに低下していった。すなわち、運転時間が5時間では0.4であるが、9時間及び13時間では0.4以下となった。
このときの(伝熱係数が回復する9時間から13時間の間)灰(煤塵)中のアルカリ濃度は−0.2mmol/gであった。一方、灰中のアルカリ濃度をゼロ(mmol/g)以上にするために、アルカリをエアヒータ3の入り口にSO3に対するモル当量1.0程度添加したところ、伝熱管の伝熱係数αの低下は認められず、GGH熱回収部の排ガス出口温度は一定値で推移した。このときの灰中のアルカリ濃度は1.2mmol/gであった。
図2には、図14の各炭種別に示した排ガス温度とフライアッシュ中のアルカリ濃度との関係に、高S炭としてB炭を用い、更にアルカリを添加した場合の排ガス温度とフライアッシュ中のアルカリ濃度との関係を加えた図を示す。
また、図1中のAの時点及びBの時点における伝熱管表面の外観写真を、図3(a)及び(b)にそれぞれ示す。
排ガス処理装置の運転初期では、灰中のアルカリ濃度が−0.2mmol/gであった。なお、アルカリ濃度は、前述のように煤塵濃度×アルカリ成分(重量%)−SO3減少によるアルカリ消費量によって求めた。図5の排ガス処理装置を使用して、GGH熱回収部4出口の排ガス温度を酸露点以下(90〜100℃)にして、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度を測定し、予め求めておいた石炭灰中のアルカリ濃度から煤塵中のアルカリ濃度を求めた。また、SO3減少によるアルカリ消費量は、エアヒータ3の入り口のSO3濃度から、乾式のEP5出口のSO3濃度を引いた数値(SO3の除去量)から求めた。なお、この入り口SO3濃度と出口SO3濃度は、後述する図6より、エアヒータ3の入り口のSO2濃度とGGH熱回収部4出口の排ガス温度から求まる。
そして、この条件(灰中のアルカリ濃度が−0.2mmol/g)の時に、スートブロアを使用して約4時間後のGGH熱回収部の伝熱管表面の状態は、図3(a)に示すように、伝熱管表面のフィン間に灰がぎっしりと詰まっていた。この条件でスートブロアによる清掃をした後は、外見上は灰が除去されてGGH熱回収部の伝熱管表面が初期状態に戻ったように見えたが、伝熱係数αは僅かに低下したことから、一部、灰が付着したままになっていると考えられる。
一方、排ガス処理装置の運転の途中でエアヒータ3の入り口にアルカリ(カルシウム系の添加剤、石灰石、消石灰など)を添加し、灰中のアルカリ濃度が1.2mmol/gとなるように運転した場合、スートブロアによる清掃後4時間を経過しても伝熱係数αは低下せず、図3(b)に示すように、GGH熱回収部の伝熱管の外見上も灰の付着は見られなかった。
さらに、灰分濃度及び灰中アルカリ濃度の異なる各種石炭による各種試験を実施して、スートブロアによる清掃直後から最初の1時間における灰中のアルカリ濃度と伝熱係数αの変化量(低下速度)との関係を図4に示す。
灰中のアルカリ濃度が−0.2mmol/g〜1.2mmol/gの範囲で、アルカリ濃度を増加させると伝熱係数αの低下速度は小さくなり、アルカリ濃度が0.8mmol/g以上では伝熱係数αは低下速度がゼロになって低下しなくなる。
すなわち、灰中のアルカリ濃度が0.8mmol/g以上では、スートブロアによる清掃を行わなくても、GGH熱回収部の伝熱管には灰は付着しないということである。
このように、伝熱管入り口の媒体温度、伝熱管出口の媒体温度、GGH熱回収部入り口の排ガス温度及びGGH熱回収部出口の排ガス温度を監視して、伝熱係数αの変化を見ながら、その値の変化に応じてアルカリの供給を行うことで、伝熱管のフィンへの灰の付着を防止できる。
なお、スートブロアの清掃により伝熱係数αが初期値へ戻る条件は、図4より、伝熱係数αの低下速度が0.07以下、灰中のアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上の条件のときであった。したがって、スートブロアで灰を除去できる、灰中のアルカリ濃度をゼロ(mmol/g)以上とする排ガス処理装置の運用が好ましいと言える。
したがって、請求項1又は請求項6記載の発明によれば、灰中のアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように排ガス中にアルカリを供給することで、熱回収部の伝熱管の清掃により伝熱係数αが初期値へ戻るため、効率よく灰を除去できる。
また、請求項2又は請求項7記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項6記載の発明の作用に加えて、伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給することで、熱回収部の回収率の低下を防止して、熱回収部の伝熱管への灰の付着を防止できる。
更に、請求項3又は請求項8記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項6記載の発明の作用に加えて、熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給することで、伝熱係数αの変化が分かるため、きめ細かなアルカリの供給制御により熱回収部の伝熱管への灰の付着を防止できる。
そして、請求項4又は請求項9記載の発明によれば、上記請求項2又は請求項7記載の発明の作用に加えて、熱回収部の伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてスートブロアにより伝熱管群を清掃することで、清掃効率が良くなる。
更に、請求項5又は請求項10記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項8記載の発明の作用に加えて、熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリの供給量及びスートブロアにより伝熱管群を清掃する周期を調整することで、最適な量のアルカリ供給と最適な周期によるスートブロアの清掃を行うことが可能となる。
本発明によれば、熱回収部におけるフライアッシュの付着を防止して、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持し、熱回収部の伝熱管の閉塞を防止することができる。
請求項1又は請求項6記載の発明によれば、灰中のアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように排ガス中にアルカリを供給することで、熱回収部の伝熱管に堆積した灰を効率よく除去できる。
更に、請求項2又は請求項7記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項6記載の発明の効果に加えて、熱回収部の回収率の低下を防止して、熱回収部の伝熱管への灰の付着を防止できる。
また、請求項3又は請求項8記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項6記載の発明の効果に加えて、きめ細かなアルカリの供給制御により熱回収部の伝熱管への灰の付着を防止できる。
そして、請求項4又は請求項9記載の発明によれば、上記請求項2又は請求項7記載の発明の効果に加えて、スートブロアにより伝熱管群を清掃する清掃効率が向上する。
更に、請求項5又は請求項10記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項8記載の発明の効果に加えて、最適な量のアルカリ供給と最適な周期によるスートブロアの清掃を行うことが可能となる。
排ガス処理装置の運転条件を変化させたときのGGH熱回収部の排ガス入り口温度及びGGH熱回収部の排ガス出口温度と伝熱係数の経時変化を示した図である。 各炭種別に排ガス温度とフライアッシュ中のアルカリ濃度との関係を示した図である。 GGH熱回収部の伝熱管への灰の付着状況を示した図である。図3(a)は図1中のAの時点における伝熱管表面の外観写真であり、図3(b)は図1中のBの時点における伝熱管表面の外観写真である。 灰中のアルカリ濃度と伝熱係数の変化量(低下速度)との関係を示した図である。 本発明の一実施形態の排ガス処理装置の全体構成図である(実施例1)。 GGH熱回収部の排ガス出口温度とSO3濃度との関係を示した図である。 本発明の他の実施形態の排ガス処理装置の全体構成図である(実施例2)。 本発明の他の実施形態の排ガス処理装置の全体構成図である(実施例3)。 本発明の他の実施形態の排ガス処理装置のスートブロア起動装置周辺を示した図である(実施例4)。 本発明の他の実施形態の排ガス処理装置のスートブロア起動装置周辺を示した図である(実施例5)。 本発明の一実施形態の排ガス処理装置の運転条件と運転コストとの関係を示した図である。 従来の微粉炭焚きボイラの排ガス処理装置の全体構成図である。 排ガス処理装置のGGH熱回収部内の模式図である。 各炭種別に排ガス温度とフライアッシュ中のアルカリ濃度との関係を示した図である。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施例1を、図5を用いて説明する。図5に示す排ガス処理装置は、図12に示す従来の排ガス処理装置とは、アルカリ供給装置18、制御装置20、煤塵濃度計21、SO2計22などを設けた点で異なる。なお、測定条件等は特に断りがないかぎり、他の実施例においても同様とした。
ボイラ火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温排ガスは、ボイラ火炉1の出口付近では1200〜1300℃となり、それ以降の後部伝熱部では400℃程度にまで冷却される。その後、脱硝装置2において脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去されて、無水硫酸の露点以上で運転されるエアヒータ3及びガス−ガスヒータ(GGH)熱回収部4を経由してさらに冷却されて、乾式の電気集塵機(EP)5において大部分のフライアッシュが除去される。
次に、排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、排ガス中の硫黄酸化物(主にSO2)が除去される。そして、湿式脱硫装置6から排出された排ガスは、煙突8から大気へ排出される。乾式のEP5と湿式脱硫装置6との間の排ガス流路及び湿式脱硫装置6と煙突8との間の排ガス流路には、循環ファン7が設けられている。
GGH熱回収部4の底部にはフライアッシュの一部が堆積し、抜出ライン10からGGH灰として系外へ排出される。乾式のEP5の底部にはフライアッシュの大部分が堆積し、抜出ライン12からEP灰として系外へ排出される。更に、燃焼用の空気をエアヒータ3を経由させて脱硝装置2の出口排ガスと熱交換させることで加熱してボイラ1の入口に戻す循環ラインが設置されている。
石炭(図2のB炭)に含まれる硫黄分は3.5%(重量%)、排ガス中のSO3濃度は、SO2計22の測定値3000ppmより、SO3の変換率を3%として求めた値で90ppmであり、実測値も同等であった。図6には、図5の装置によりB炭を使用した場合のGGH熱回収部4の排ガス出口温度とSO3濃度との関係を示す。図6によれば、GGH熱回収部4の排ガス出口温度が100℃以下ではSO3の出口濃度が1ppm以下となる。したがって、図5のGGH熱回収部4において排ガス温度を160℃から90℃に下げることにより、ガス状のSO3を凝縮させてフライアッシュに付着させることによって、乾式のEP5においてSO3をフライアッシュと共に除去することができる。
灰(煤塵)中のアルカリ濃度は次式(5)により求め、他の実施例においても同様とした。
灰中のアルカリ濃度=煤塵濃度×アルカリ成分(重量%)−SO3減少によるアルカリ消費量 (5)
乾式のEP5の入り口に設けた煤塵濃度計21により排ガス中の煤塵濃度を測定し、予め求めておいた石炭灰中のアルカリ濃度から煤塵中のアルカリ濃度を求めた。また、SO3減少によるアルカリ消費量は、エアヒータ3の入り口のSO3濃度から乾式のEP5出口のSO3濃度を引いた数値(SO3の除去量)から求めた。なお、図6の入り口SO3濃度はエアヒータ3の入り口SO3濃度に相当し、図6の出口SO3濃度は乾式のEP5出口SO3濃度に相当する。図6から、SO3の除去量は、エアヒータ3の入り口に設けたSO2計22の測定値とGGH熱回収部4の排ガス出口に設けた温度計27の測定値から求められる。そして、この時(図1の5時間から14時間)の灰中のアルカリ濃度は−0.08mmol/gであった。
そして、このアルカリ濃度(−0.08mmol/g)では、フライアッシュはGGH熱回収部4の伝熱管14へ堆積し、図4の結果から、4時間に一度程度のスートブロア清掃では堆積灰を完全に除去できないことが予想されたので、制御装置20によってアルカリ供給装置18からの石灰石(CaCO3)の供給量を調整、制御し、スートブロアで付着灰を完全に除去できるようにフライアッシュ中のアルカリ濃度(灰中のアルカリ濃度)が0.5mmol/gになるように、安価な石灰石(粉体)を連続的に供給した。
そして、石灰石の供給後はスートブロア16による清掃により、伝熱管14の堆積灰が除去されたことが目視及び伝熱係数αの回復値より確認できた。
なお、灰中のアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように、アルカリ供給装置18からの石灰石の供給量を制御装置20によって調整、制御すれば、GGH熱回収部4の伝熱管14の清掃により伝熱係数αが初期値へ戻るため、ゼロ(mmol/g)以上の運用としても良い。
本実施例1により、GGH熱回収部4の伝熱管14にフライアッシュが堆積することを防止できるため、堆積灰の除去手段としてスートブロアを使用する場合は、他の段(ガス流れに対し、GGH熱回収部4の管群15数段ごとに対してスートブロアが設置されている他の段)に比べてその噴射圧を増大させたり、噴射頻度を上げたりする必要がなくなる。したがって、灰除去手段の強力化に関わるユーティリティを低く抑えることができるだけでなく、強力で頻繁な灰除去による伝熱管14の磨耗も軽減することが可能となる。
以上のことから、本実施例1ではGGH熱回収部4において、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持して、GGH熱回収部4の伝熱管14の閉塞を防止することができる。
なお、アルカリ成分として、SO3除去剤として通常使われるライムに比べて安価な石灰石を使用したが、アルカリ成分を供給する目的はSO3の除去ではなく、灰中のアルカリ濃度の保持に有るため、安価なアルカリ剤の利用で問題ない。また、石灰石(CaCO3)に限らず、カルシウム系の添加剤であれば、例えば消石灰(Ca(OH)2)、生石灰(CaO)などでも良い。他の実施例においても同様である。
本発明の他の実施例(実施例2)を、図7を用いて説明する。図7に示す排ガス処理装置は、図5に示す排ガス処理装置とは、伝熱管14に供給される媒体の温度差(入り口と出口の温度差)によりアルカリ供給装置18からのアルカリ供給量を制御装置20によって調整、制御する点で異なる。
ボイラ火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温排ガスは、ボイラ火炉1の出口付近では1200〜1300℃となり、それ以降の後部伝熱部では400℃程度にまで冷却される。その後、脱硝装置2において脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去されて、無水硫酸の露点以上で運転されるエアヒータ3及びガス−ガスヒータ(GGH)熱回収部4を経由してさらに冷却されて、乾式の電気集塵機(EP)5において大部分のフライアッシュが除去される。次に、排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、排ガス中の硫黄酸化物(主にSO2)が除去される。そして、湿式脱硫装置6から排出された排ガスは、煙突8から大気へ排出される。乾式のEP5と湿式脱硫装置6との間の排ガス流路及び湿式脱硫装置6と煙突8との間の排ガス流路には、循環ファン7が設けられている。
GGH熱回収部4の底部にはフライアッシュの一部が堆積し、抜出ライン10からGGH灰として系外へ排出される。乾式のEP5の底部にはフライアッシュの大部分が堆積し、抜出ライン12からEP灰として系外へ排出される。更に、燃焼用の空気をエアヒータ3を経由させて脱硝装置2の出口排ガスと熱交換させることで加熱してボイラ1の入口に戻す循環ラインが設置されている。
排ガス中のSO3濃度は、SO2計22の測定値3000ppmより、SO3の変換率を3%として求めた値で90ppmであり、実測値も同等であった。図7のGGH熱回収部4において排ガス温度を160℃から90℃に下げることにより、ガス状のSO3を凝縮させてフライアッシュに付着させることによって、乾式のEP5においてSO3をフライアッシュと共に除去することができる。乾式のEP5の出口のSO3濃度は図6に示すGGHシステムにより、0.9ppmであった。図6によれば、GGH熱回収部4の排ガス出口温度が100℃以下ではSO3の出口濃度が1ppm以下となる。したがって、排ガス中のSO3の99%が除去されたことがわかる。
一方、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度は煤塵濃度計21により求め、灰中のアルカリ濃度を実施例1と同様に求めたところ、−0.08mmol/gであった。
そして、排ガス処理装置の運転中4時間ごとに一度スートブロア16によりGGH熱回収部4の伝熱管14の堆積灰を清掃した。しかし、伝熱管14に供給される媒体の温度差(入り口と出口の温度差)を温度計27(図9)により計測したところ、運転の継続と共に、その温度差が小さくなっていき、熱回収量の低下が認められた。そこで、伝熱管14に供給される媒体の温度差を監視して12時間ごとに2時間アルカリを供給し(12時間の運転時間に2時間の供給時間が含まれる)、また、具体的な運用方法として、伝熱管14に供給される媒体の入り口と出口の温度差が初期値を保持するように、アルカリを供給した。また、アルカリ濃度は0〜0.8mmol/gで十分であるが、本実施例では安全を期するため、0〜0.8mmol/gの中間値に対して若干多めに、具体的には灰中のアルカリ濃度が0.5mmol/gになるように、安価な石灰石を供給した。石灰石の供給後はスートブロア16による清掃により、伝熱管14入り口の媒体と伝熱管14出口の媒体の温度差が初期値に回復し、伝熱管14への堆積灰が除去されたことが目視及び伝熱係数αの回復値より確認できた。
本実施例2によっても、GGH熱回収部4の伝熱管14にフライアッシュが堆積することを防止できるため、堆積灰の除去手段としてスートブロアを使用する場合は、他の段に比べてその噴射圧を増大させたり、噴射頻度を上げたりする必要がなくなる。したがって、灰除去手段の強力化に関わるユーティリティを低く抑えることができるだけでなく、強力で頻繁な灰除去による伝熱管14の磨耗も軽減することが可能となる。
以上のことから、本実施例2ではGGH熱回収部4において、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持して、GGH熱回収部4の伝熱管14の閉塞を防止することができる。
なお、アルカリ成分として、SO3除去剤として通常使われるライムに比べて安価な石灰石を使用したが、アルカリ成分を供給する目的はSO3の除去ではなく、灰中のアルカリ濃度の保持に有るため、安価なアルカリ剤の利用で問題ない。
本発明の他の実施例(実施例3)を、図8を用いて説明する。図8に示す排ガス処理装置は、図5に示す排ガス処理装置とは、伝熱管14に供給される媒体の温度差(入り口と出口の温度差)とGGH熱回収部4の入り口の排ガス温度及びGGH熱回収部4の出口の排ガス温度によりアルカリ供給装置18からのアルカリ供給量を制御装置20によって調整、制御する点で異なる。
ボイラ火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温排ガスは、ボイラ火炉1の出口付近では1200〜1300℃となり、それ以降の後部伝熱部では400℃程度にまで冷却される。その後、脱硝装置2において脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去されて、無水硫酸の露点以上で運転されるエアヒータ3及びガス−ガスヒータ(GGH)熱回収部4を経由してさらに冷却されて、乾式の電気集塵機(EP)5において大部分のフライアッシュが除去される。次に、排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、排ガス中の硫黄酸化物(主にSO2)が除去される。そして、湿式脱硫装置6から排出された排ガスは、煙突8から大気へ排出される。乾式のEP5と湿式脱硫装置6との間の排ガス流路及び湿式脱硫装置6と煙突8との間の排ガス流路には、循環ファン7が設けられている。
GGH熱回収部4の底部にはフライアッシュの一部が堆積し、抜出ライン10からGGH灰として系外へ排出される。乾式のEP5の底部にはフライアッシュの大部分が堆積し、抜出ライン12からEP灰として系外へ排出される。更に、燃焼用の空気をエアヒータ3を経由させて脱硝装置2の出口排ガスと熱交換させることで加熱してボイラ1の入口に戻す循環ラインが設置されている。
石炭に含まれる硫黄分は3.5%(重量%)、排ガス中のSO3濃度は、SO2計22の測定値3000ppmより、SO3の変換率を3%として求めた値で90ppmであり、実測値も同等であった。図8のGGH熱回収部4において排ガス温度を160℃から90℃に下げることにより、ガス状のSO3を凝縮させてフライアッシュに付着させることによって、乾式のEP5においてSO3をフライアッシュと共に除去することができる。乾式のEP5の出口のSO3濃度は図6に示すGGHシステムにより、0.9ppmであった。図6によれば、GGH熱回収部4の排ガス出口温度が100℃以下ではSO3の出口濃度が1ppm以下となる。したがって、排ガス中のSO3の99%が除去されたことがわかる。
一方、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度は煤塵濃度計21により求め、灰中のアルカリ濃度を実施例1と同様に求めた。この時(図1の5時間から14時間)の灰中のアルカリ濃度は−0.08mmol/gであった。
このアルカリ濃度(−0.08mmol/g)ではフライアッシュはGGH熱回収部4の伝熱管14へ堆積し、図4の結果から、4時間に一度程度のスートブロア清掃では堆積灰を完全に除去できないことが予想されたので、アルカリ供給装置18によりフライアッシュ中のアルカリ濃度(灰中のアルカリ濃度)が0.5mmol/gになるように、安価な石灰石(粉体)を連続的に供給した。
このとき伝熱管14の入り口の媒体温度、伝熱管14の出口の媒体温度、GGH熱回収部4の入り口の排ガス温度及びGGH熱回収部4の出口の排ガス温度を温度計27(図10)により計測して制御装置20によって監視し、これらの値から算出される伝熱係数αの変化を見ながら、その値の変化に応じてアルカリを供給した。具体的には、伝熱係数αが初期値に回復するようにアルカリを供給した。この時の伝熱係数αの低下速度は1時間で5%程度であった。
石灰石の供給後はスートブロア16による清掃により伝熱管14入り口の媒体と伝熱管14出口の媒体の温度差は初期値に回復し、伝熱管14の堆積灰が除去されたことが目視及び伝熱係数αの回復値より確認できた。
本実施例3によっても、GGH熱回収部4の伝熱管14にフライアッシュが堆積することを防止できるため、堆積灰の除去手段としてスートブロアを使用する場合は、他の段に比べてその噴射圧を増大させたり、噴射頻度を上げたりする必要がなくなる。したがって、灰除去手段の強力化に関わるユーティリティを低く抑えることができるだけでなく、強力で頻繁な灰除去による伝熱管14の磨耗も軽減することが可能となる。
以上のことから、本実施例3ではGGH熱回収部4において、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持して、GGH熱回収部4の伝熱管14の閉塞を防止することができる。
なお、アルカリ成分として、SO3除去剤として通常使われるライムに比べて安価な石灰石を使用したが、アルカリ成分を供給する目的はSO3の除去ではなく、灰中のアルカリ濃度の保持に有るため、安価なアルカリ剤の利用で問題ない。
本発明の他の実施例(実施例4)は、図7に示す排ガス処理装置を用いる点で実施例2と同様であるが、更に、図9に示すように、スートブロア16の起動装置25が伝熱管14に供給される媒体の温度差に基づいて制御装置20により制御される場合を示したものである。
ボイラ火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温排ガスは、ボイラ火炉1の出口付近では1200〜1300℃となり、それ以降の後部伝熱部では400℃程度にまで冷却される。その後、脱硝装置2において脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去されて、無水硫酸の露点以上で運転されるエアヒータ3及びガス−ガスヒータ(GGH)熱回収部4を経由してさらに冷却されて、乾式の電気集塵機(EP)5において大部分のフライアッシュが除去される。次に、排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、排ガス中の硫黄酸化物(主にSO2)が除去される。そして、湿式脱硫装置6から排出された排ガスは、煙突8から大気へ排出される。乾式のEP5と湿式脱硫装置6との間の排ガス流路及び湿式脱硫装置6と煙突8との間の排ガス流路には、循環ファン7が設けられている。
GGH熱回収部4の底部にはフライアッシュの一部が堆積し、抜出ライン10からGGH灰として系外へ排出される。乾式のEP5の底部にはフライアッシュの大部分が堆積し、抜出ライン12からEP灰として系外へ排出される。更に、燃焼用の空気をエアヒータ3を経由させて脱硝装置2の出口排ガスと熱交換させることで加熱してボイラ1の入口に戻す循環ラインが設置されている。
石炭に含まれる硫黄分は3.5%(重量%)、排ガス中のSO3濃度は、SO2計22の測定値3000ppmより、SO3の変換率を3%として求めた値で90ppmであり、実測値も同等であった。図12のGGH熱回収部4において排ガス温度を160℃から90℃に下げることにより、ガス状のSO3を凝縮させてフライアッシュに付着させることによって、乾式のEP5においてSO3をフライアッシュと共に除去することができる。乾式のEP5の出口のSO3濃度は図6に示すGGHシステムにより、0.9ppmであった。図6によれば、GGH熱回収部4の排ガス出口温度が100℃以下ではSO3の出口濃度が1ppm以下となる。したがって、排ガス中のSO3の99%が除去されたことがわかる。
一方、乾式のEP5の入り口の煤塵濃度は煤塵濃度計21により求め、灰中のアルカリ濃度を実施例1と同様に求めた。この時(図1の5時間から14時間)の灰中のアルカリ濃度は−0.08mmol/gであった。
そして、排ガス処理装置の運転中4時間ごとに一度スートブロア16によりGGH熱回収部4の伝熱管14の堆積灰を清掃した。しかし、伝熱管14に供給される媒体の温度差(入り口と出口の温度差)を温度計27(図9)により計測したところ、運転の継続と共に、その温度差が小さくなっていき、熱回収量の低下が認められた。
そこで、伝熱管14に供給される媒体の温度差を監視して、実施例2と同様に、12時間ごとに2時間アルカリを供給し、灰中のアルカリ濃度が0.5mmol/gになるように、安価な石灰石を供給した。石灰石の供給後は8時間に一度、制御装置20によりスートブロア起動装置25を起動させてスートブロア16による清掃を行った。
その結果、GGH熱回収部4の伝熱管14で入り口と出口の媒体の温度差は初期値に回復し、伝熱管14への堆積灰が除去されたことが、目視及び伝熱係数αの回復値より確認できた。そして、灰中のアルカリ濃度を0.5mmol/gとした場合は、8時間に一度とスートブロア16による清掃の頻度を少なくしても、GGH熱回収部4の性能が得られた。
本実施例4によっても、GGH熱回収部4の伝熱管14にフライアッシュが堆積することを防止できるため、堆積灰の除去手段としてスートブロアを使用する場合は、他の段に比べてその噴射圧を増大させたり、噴射頻度を上げたりする必要がなくなる。したがって、灰除去手段の強力化に関わるユーティリティを低く抑えることができるだけでなく、強力で頻繁な灰除去による伝熱管14の磨耗も軽減することが可能となる。
以上のことから、本実施例4ではGGH熱回収部4において、ランニングコストを増大させることなく熱回収効率を維持して、GGH熱回収部4の伝熱管14の閉塞を防止することができる。
なお、アルカリ成分として、SO3除去剤として通常使われるライムに比べて安価な石灰石を使用したが、アルカリ成分を供給する目的はSO3の除去ではなく、灰中のアルカリ濃度の保持に有るため、安価なアルカリ剤の利用で問題ない。
前述の実施例3において、伝熱係数αの変化を見ながらアルカリの供給量及びスートブロア16による清掃の周期を調整して運転した。具体的には、アルカリの添加なしの場合、1回/4時間(h)の周期のスートブロア16によるGGH熱回収部4の伝熱管14の清掃では付着灰が完全に除去されず、スートブロア16による清掃の周期を1回/3時間(h)に短縮することで、伝熱係数αの回復を図った。一方、灰中のアルカリ濃度が0mmol/gとなるようにアルカリを添加することで、1回/4時間(h)のスートブロア16による清掃の周期で伝熱係数αは初期値に回復した。
すなわち、本実施例は、図10に示すように、スートブロア16の起動装置25が伝熱管14の入り口の媒体温度、伝熱管14の出口の媒体温度、GGH熱回収部4の入り口の排ガス温度及びGGH熱回収部4の出口の排ガス温度等に基づいて制御装置20により制御される場合を示したものである。
また、図11には、スートブロアによる蒸気消費に伴うコスト及びアルカリ添加によるコストの変化を示す。なお、縦軸の運転コストの100はスートブロアによる清掃によって付着灰が除去される場合の蒸気コスト(1回/4時間(h)の場合)を示している。
図11に示すように、添加するアルカリの供給量を灰中のアルカリ濃度が0.8mmol/gになるように運転及び清掃を行えば、運転コストが最小になり、更に安定して運転することが出来た。一方、アルカリ濃度がゼロmmol/g以下の場合は周期が短くなるので、蒸気コストが上がってしまう。なお、これは運転条件の一例であり、蒸気消費に伴うコスト及びアルカリの単価によって最適な運転条件は変化する。
本発明によれば、石炭焚きボイラの排ガス処理装置及び排ガス処理装置の運転方法に限らず、他の燃焼装置やその運転方法においても利用可能性がある。
1 ボイラ火炉
2 脱硝装置
3 エアヒータ
4 GGH(ガスガスヒータ)熱回収部
5 乾式のEP(電気集塵機)
6 湿式脱硫装置
7 ファン
8 煙突
10 GGH灰抜き出しライン
12 EP灰抜き出しライン
14 伝熱管
15 管群
16 スートブロア
18 アルカリ供給装置
20 制御装置
21 煤塵濃度計
22 SO2
25 スートブロア起動装置
27 温度計

Claims (10)

  1. 石炭を燃料とした燃焼ボイラを含む燃焼装置と、該燃焼装置の出口から発生する排ガスを導入して該排ガスの温度を無水硫酸の露点以下に下げるための熱媒体を通す伝熱管群を備えた熱回収部と、該熱回収部出口の排ガス中の媒塵を除去する集塵装置とを設けた排ガス処理装置において、
    前記集塵装置の入り口に排ガス中の煤塵濃度を測定する煤塵濃度測定装置を設け、
    前記熱回収部の前流側に排ガス中のSO2濃度を測定するSO2測定装置を設け、
    前記熱回収部の前流側に排ガス中のアルカリ濃度を調整するためにアルカリを供給するアルカリ供給装置を設け、
    前記熱回収部の出口に排ガス温度を測定するための排ガス温度計を設け、
    前記煤塵濃度測定装置により測定された煤塵濃度に基づいて煤塵中のアルカリ濃度を求めると共に、前記SO2測定装置により測定されるSO2濃度と前記排ガス温度計により測定される熱回収部の出口温度に基づいて排ガス中の除去されたSO3濃度及びSO3の除去により消費されたアルカリ濃度を求め、前記煤塵中のアルカリ濃度から前記消費されたアルカリ濃度を差し引いたアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う制御装置を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記伝熱管の熱媒体の入り口と伝熱管の熱媒体の出口に熱媒体の温度を測定するための熱媒体温度計を設け、
    前記制御装置は、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記伝熱管の熱媒体の入り口と伝熱管の熱媒体の出口に熱媒体の温度を測定するための熱媒体温度計を設け、
    熱回収部の入り口に排ガス温度を測定するための排ガス温度計を設け、
    前記制御装置は、前記排ガス温度計により測定された熱回収部の入り口温度、熱回収部の出口温度、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置によりアルカリを供給する制御を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  4. 前記熱回収部の伝熱管群を清掃するためのスートブロアを設け、
    前記制御装置は、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてスートブロアにより伝熱管群を清掃する制御を行う機能を有することを特徴とする請求項2記載の排ガス処理装置。
  5. 前記熱回収部の伝熱管群を清掃するためのスートブロアを設け、
    前記制御装置は、前記排ガス温度計により測定された熱回収部の入り口温度、熱回収部の出口温度、前記熱媒体温度計により測定された伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じて前記アルカリ供給装置により供給するアルカリの供給量及びスートブロアにより伝熱管群を清掃する周期を調整する制御を行う機能を有することを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
  6. 石炭を燃料とした燃焼ボイラを含む燃焼装置と、該燃焼装置の出口から発生する排ガスを導入して該排ガスの温度を無水硫酸の露点以下に下げるための熱媒体を通す伝熱管群を備えた熱回収部と、該熱回収部出口の排ガス中の媒塵を除去する集塵装置とを設けた排ガス処理装置の運転方法において、
    集塵装置の入り口の排ガス中の媒塵濃度を測定し、該測定した排ガス中の媒塵濃度に基づいて煤塵中のアルカリ濃度を求めると共に、熱回収部の前流側の排ガス中のSO2濃度と熱回収部の排ガス出口温度に基づいて排ガス中の除去されたSO3濃度及びSO3の除去により消費されたアルカリ濃度を求め、前記煤塵中のアルカリ濃度からSO3除去により消費されたアルカリ濃度を差し引いたアルカリ濃度がゼロ(mmol/g)以上になるように熱回収部の前流側の排ガス中にアルカリを供給することを特徴とする排ガス処理装置の運転方法。
  7. 前記熱回収部の伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給することを特徴とする請求項6記載の排ガス処理装置の運転方法。
  8. 前記熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、前記伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリを供給することを特徴とする請求項6記載の排ガス処理装置の運転方法。
  9. 前記熱回収部の伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてスートブロアにより伝熱管群を清掃することを特徴とする請求項7記載の排ガス処理装置の運転方法。
  10. 前記熱回収部の排ガス入り口温度、熱回収部の排ガス出口温度、前記伝熱管の熱媒体の入り口温度及び伝熱管の熱媒体の出口温度を監視し、それらの値の変化に応じてアルカリの供給量及びスートブロアにより伝熱管群を清掃する周期を調整することを特徴とする請求項8記載の排ガス処理装置の運転方法。
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