JP2011199611A - 音響信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イベントリスト途中のイベントを実行するときに、イベントリストの先頭からそのイベントまでを実行したときと同じ結果を得ることができるようにする。
【解決手段】ユーザの第2の操作に応じて、カレントメモリの内容をバッファ領域にコピーし(S17)、先頭イベントからカレントポインタcpの直前のイベントデータまでの各イベントデータのシーンデータについて、それぞれ、シーンリコール対象範囲内のパラメータグループpg毎のパラメータブロックPBをバッファ領域に範囲制限コピーし(S18〜S22)、その後、カレントポインタ(cp)のイベントデータED(cp)のシーンデータ(s(cp))について、シーンリコール対象範囲内のパラメータグループpg毎のパラメータブロックPBをバッファ領域にコピーする(S24)。そして、バッファ領域の内容をカレントメモリにコピーする(S25〜S27)。
【選択図】図10

Description

本発明は、音響信号に対して信号処理を施して出力する音響信号処理装置に関し、詳しくは音響信号処理装置において、シーンリコール等のイベントを登録順に実行するイベントリスト機能の改良に関する。
従来から知られるデジタルオーディオミキサにおいて、現在のミキサの設定状態(各種パラメータの値)を1つのシーンとするシーンデータを、各シーン毎にシーンメモリに記録しておき、シーンメモリに記録された1つのシーンをリコールすることで、そのシーンに対応するミキサの設定状態を示す各種パラメータの値を一括して速やかに再現する機能があった。
従来のシーン機能において、シーンをリコールするときに、リコールするパラメータの範囲をシーン毎に選択的に設定できる選択リコール機能があった。選択リコール機能によれば、ミキサの設定状態を示す全てのパラメータのうちの一部のみを選択的にリコールできた(例えば下記特許文献1を参照)。
また、従来のデジタルオーディオミキサにおいて、シーンリコール等のイベントについて、順次実行すべき複数のイベントと、各イベントの実行タイミングのデータを対応付けたデータを記憶しておき、各イベントを実行すべき順番に並べたイベントリストを用いて、リストの順番に従ってイベントを実行させるイベントリスト機能があった(例えば下記特許文献2を参照)。
特許文献2に示すイベントリスト機能によるイベントの実行方法として、外部からのタイムコードの進行に応じて、実行タイミングに達したイベントを順次自動的に実行する方法と、ユーザによる手動操作に応じて1つのイベントを実行する方法があった。
イベント実行を指示する手動操作には、イベントリスト上の現在のポインタ位置が指摘しているイベントを実行するDirectボタンの操作と、イベントリスト上の現在のポインタ位置を1つ先に進めて、そのポインタ位置が指摘しているイベントを実行するNextボタンの操作と、イベントリスト上の現在のポインタ位置を1つ前に戻して、そのポインタ位置が指摘しているイベントを実行するNextボタンの操作があった(下記非特許文献1の6頁を参照)。
特開2005‐045425号公報 特開2005‐243075号公報
"PM1D V2システムソフトウェア追補マニュアル"、[online]、2005年作成、ヤマハ株式会社、[平成22年2月24日検索]、インターネット〈URL:http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/pm1dv2_ja.pdf〉
選択リコール機能によりリコールするパラメータの範囲が設定されている場合、シーンリコール実行直前のミキサの設定状態に応じて、シーンリコール実行後のミキサの設定状態(実行結果)が異なる。シーンリコールから除外される範囲についてはシーンリコール実行直前のミキサの設定状態が残るからである。
選択リコール機能とイベントリスト機能を備えたミキサにおいて、イベントリスト途中の任意のイベントを実行する場合、当該イベントに対して選択リコール機能による範囲設定があると、当該イベントに基づくシーンリコール実行直前のミキサの設定状態に応じて、シーンリコール実行後のミキサの設定状態(実行結果)が異なってしまうという不都合があった。
これに伴い、イベントリスト途中の任意のイベントを単に実行するだけでは、イベントリストの先頭から当該イベントまで順番に実行したときのミキサの設定状態(期待される実行結果)を得ることができなかった。このため、イベントリスト途中の任意のイベントに対して期待される実行結果(イベントリストの先頭から当該イベントまで順番に実行したときのミキサの設定状態)を任意のタイミングで呼び出すことができなかった。
従来の技術で上記の不都合がないように、イベントリスト途中の任意のイベントを実行する場合は、その位置にはイベントが選択リコール機能によるリコール範囲設定をしない(全パラメータを対象とした)シーンリコールイベントを配置しておくという回避策をとらなければならず、不便だった。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、イベントリスト途中の任意のイベントを実行するときに、イベントリストの先頭からそのイベントまでを実行したときと同じ結果を得ることができるようにした音響信号処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、音響信号処理装置の現在の動作を制御するための複数の制御データを記憶するカレント記憶手段と、前記カレント記憶手段に記憶された複数の制御データの設定状態を1つのシーンとするシーンデータを複数記憶するシーン記憶手段と、順次実行すべきイベントを示す複数のイベントデータを、実行すべきイベントの順番に並べて登録したイベントリスト手段であって、前記イベントデータが前記シーン記憶手段に記憶された1つのシーンのリコールを指示するイベントを示すデータであるものと、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータの各々について、そのイベントでリコールすべきシーンに含まれる前記複数の制御データ全体のうちの一部の制御データをリコールする範囲として指定することで、シーンのリコールを行う範囲を選択的に設定する範囲指定手段と、ユーザの第1の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、指定された1つのイベントデータに基づくシーンのリコールを実行する通常実行手段であって、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記指定されたイベントデータに基づいてリコールすべきシーンのシーンデータを特定し、特定されたシーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、当該指定されたイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更する通常実行手段と、ユーザの第2の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、該イベントリスト手段に登録された先頭のイベントから前記指定されたイベントまでの複数のイベントデータに基づくシーンのリコールを実行するトレース実行手段であって、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記複数のイベントデータに基づいてリコールすべき各シーンのシーンデータを特定し、特定された各シーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、そのイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更するトレース実行手段を備える音響信号処理装置である。
本発明によれば、ユーザの第1の操作に応じて、実行対象に指定されたイベントデータについて、ユーザにより指定された範囲の制御データをカレント記憶手段に上書きする(シーンリコールする)ことにより、直前のカレント記憶手段の内容に応じた当該イベントデータに基づくシーンリコールの実行結果(音響信号処理装置の設定状態)を得ることができる。他方、ユーザの第2の操作に応じて、イベントリストの先頭から実行対象に指定されたイベントデータまでの各イベントデータのシーンデータについて、ユーザにより指定された範囲の制御データをカレント記憶手段に上書きする(シーンリコールする)ことにより、直前のカレント記憶手段の内容に関係なく、常に一定のトレース実行手段による実行結果、すなわち、イベントリストの先頭から実行対象に指定されたイベントデータまでの各イベントデータに基づくシーンリコールを行ったときの音響信号処理装置の設定状態を得ることができるという優れた効果を奏する。
本発明の音響信号処理装置の一実施例であるデジタルミキサの電気的ハードウェア構成を説明するブロック図。 図1のミキサが実行する音響信号処理の信号処理構成を説明するブロック図。 イベントリストのデータ構造図。 図1のデジタルミキサの操作パネルの要部を示す平面図。 図2の操作パネルに備わるドットマトリクス表示部に表示されるイベントリスト画面を示す図。 図2の操作パネルに備わるドットマトリクス表示部に表示されるリコールフィルタ設定画面を示す図。 手動操作に応じた処理の手順を説明するフローチャートであって、(a)はnextボタン又はNEXTボタンの操作に応じたイベント実行処理、(b)はprevボタン又はPREVボタンの操作に応じたイベント実行処理、(c)はexeボタン又はEXEボタンの操作に応じたイベント実行処理、(d)はUpボタン又はDownボタンの操作に応じた処理。 自動実行機能によるイベント実行処理の手順を説明するフローチャート。 イベント内容の通常実行処理の手順を説明するフローチャート。 イベント内容のトレース実行処理の手順を説明するフローチャート。 シーンデータをバッファへコピーする処理の手順を説明するフローチャート。 カレントメモリ及びバッファ領域の制御データ全体のデータ構造図。
以下に、本発明に係る音響信号処理装置の一実施形態であるデジタルオーディオミキサについて、添付図面を参照して、説明する。
《ミキサ全体構成》
図1において、デジタルミキサデジタルオーディオミキサ(「デジタルミキサ」又は、単に「ミキサ」とも言う)1は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)10、フラッシュメモリ11、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)12、操作子3、音量レベル制御用操作子(電動フェーダ)4、表示器5、波形入出力インターフェース(波形I/O)6、信号処理部(DSP(Digital Signal Processing)部)7、及び、その他I/O8を備え、各構成要素がバスライン9を介して接続される。
CPU10は、フラッシュメモリ11又はRAM12に記憶された制御プログラムを実行して、デジタルミキサ1の全体動作を制御する。フラッシュメモリ11は、CPU10が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを格納した不揮発性メモリである。RAM12は、CPU10が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。フラッシュメモリ11には、ミキサ1の現在の動作を制御するための全ての制御データ(パラメータの値)を記憶するカレントメモリが設けられている。また、フラッシュメモリ11には、後述するシーンリコールを行うときに制御データ(パラメータの値)を一時保存するために用いるバッファ領域が設けられている。
操作子3、電動フェーダ4及び表示器(ディスプレイ)5、ミキサ1の操作パネル2上に設けられたユーザインターフェースである。表示器5は、CPU10からバス9を介して与えられた表示制御信号に基づいて各種画面を表示できる。操作子3及び電動フェーダ4は、操作パネル上に配置された操作子群であり、オーディオ信号の処理に関する各種パラメータの値の調整を含む各種指示を入力するために用いる。電動フェーダ4は、信号処理チャンネル毎にオーディオ信号の音量レベルを調整する操作子であり、CPU10から与えられる駆動制御信号に基づいて操作位置が自動制御されるものである。操作子3は電動フェーダ4以外の各種操作子であって、ミキサ1に外部接続されたパーソナルコンピュータ用のマウスおよびキーボードも含まれる。オペレータが、操作子3及び電動フェーダ4を用いて各種指示を入力すると、CPU10は、入力された指示に応じた処理を行う。
波形I/O6は、アナログオーディオ信号及びデジタルオーディオ信号を入出力するためのインターフェースであり、アナログデジタル変換(AD変換)、デジタルアナログ変換(DA変換)、及びデジタル変換(フォーマット変換)を行うための機構を含む。ミキサ1は、波形I/O6を介して、複数チャンネル分のアナログオーディオ信号入力(図において下向き矢印で示す)、複数チャンネル分のアナログオーディオ信号出力(図において上向き矢印で示す)、及び複数チャンネル分のデジタルオーディオ信号入出力(図において双方向矢印で示す)を行うことができる。
DSP部7は、CPU10の指示に基づいて各種のマイクロプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ11に設けられたカレントメモリに記憶された現在の各種パラメータの設定に基づいて、波形I/O6を介して入力されたデジタルオーディオ信号に対するデジタル信号処理を行い、処理結果を波形I/O6を介して外部に出力する。DSP部7が実行する信号処理は、ミキシング処理や、効果付与処理等である。DSP部7は、1つのDSP(Digital Signal Processor)で構成してもよいし、バスで相互接続された複数のDSPで構成し、複数のDSPで信号処理を分散処理するようにしてもよい。
また、ミキサ1は、その他I/O8を介してその他周辺機器と通信できる。その他I/O8は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、GPI(General Purpose. Interface)端子、或いは、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)端子を含む。本実施例では、ミキサ1は、その他I/O8を介して接続された周辺機器との間でタイムコードを入出力できる。また、ミキサ1は、その他I/O8を介して接続された周辺機器(MIDI機器やGPI機器)に対して制御信号(MIDI信号やGPI信号など)を出力できる。
《信号処理の構成》
図2は、図1の波形I/O6及びDSP部7で行われるオーディオ信号に対する信号処理の構成を説明するブロック図である。図2において、アナログ入力部(A入力)20及びデジタル入力部(D入力)21は、波形I/O6によるアナログオーディオ信号及びデジタルオーディオ信号の入力を示す。CPU10は、オペレータが指定したパッチ設定に基づいて、入力パッチ部22に対して、入力元(A入力20,D入力21)毎に、その出力先(後段の入力チャンネル部23の1ch)を割り当てる。本明細書において、「パッチ」とは、オーディオ信号の入力元に出力先を割り当てることである。
A入力20又はD入力21から入力されたオーディオ信号は、入力パッチ部22を介して、入力ch部23の入力chに入力される。なお、本明細書では「チャンネル」という文言を「ch」と表記することがある。入力ch部23は、所定の複数本の入力ch(図では24ch)により構成される。各入力chはDSP部7の信号処理により実現される論理的な信号処理chであって、例えばヘッドアンプゲイン、アッテネータ、ディレイ、フェーズ切り替え、EQ(イコライザ)、コンプレッサ、音量レベル、チャンネルオン・オフ、後段のMIXバス24へのセンドレベル、及びパン等、多数のパラメータを備える。入力ch部23の各入力chに入力されたオーディオ信号は、フラッシュメモリ11(カレントメモリ)に記憶された現在の各種パラメータの設定値に基づく信号処理を受けた後、後段のMIXバス24へ出力される。
入力ch部23の各入力chから出力されたオーディオ信号は、12本のMIXバス24のうちの任意の1又は複数のバスに供給され、MIXバス24の各バスにおいてミキシング処理される。各バスにおけるミキシング結果は、そのバスに対応する1つの出力chへ出力される。
MIX出力ch部25は、24本のMIXバス24の1つずつに対応する24本の出力chにより構成される。各出力chは、DSP部7の信号処理により実現される論理的な信号処理chであって、それぞれ、EQ、コンプレッサ、音量レベル、及びチャンネルオン・オフ等の多数のパラメータを具備する。各出力chに入力されたオーディオ信号は、フラッシュメモリ11(カレントメモリ)に記憶された現在の各種パラメータの設定値に基づいて信号処理される。
MIX出力ch部25の各出力chの出力信号は、出力パッチ部26を介して、A出力27及びD出力28へ出力される。CPU10は、オペレータが指定したパッチ設定に基づいて、出力パッチ部26に対して、出力ch部25の各出力ch毎に、その出力先(A出力27又はD出力28)を割り当てる設定を行う。アナログ出力部(A出力)27及びデジタル出力部(D出力)28は、波形I/O6によるアナログオーディオ信号及びデジタルオーディオ信号の出力を示す。
また、入力ch部23及び出力ch部25の任意の信号処理chに対して、インサーションエフェクタを挿入できる。DSP部7は、挿入された信号処理chのオーディオ信に対して、フラッシュメモリ11(カレントメモリ)に記憶されたインサーションエフェクタに関する各種パラメータの設定値に基づいて、オペレータが指定したエフェクト種類の効果付与処理を施すことができる。
《シーンメモリ》
ミキサ1の現在の設定状態、言い換えれば、ミキサ1の現在の動作を制御するための制御データ(各パラメータの値)の設定状態を「シーン」と呼ぶ。現在の「シーン」の内容は、フラッシュメモリ11内のカレントメモリに記憶された内容(各パラメータの値)である。ユーザは、操作子3を用いたシーンストア操作により、カレントメモリの内容を、1つの「シーン」とするシーンデータとして、フラッシュメモリ11又はRAM12に設けられたシーンメモリに保存(ストア)させることができる。1つのシーンデータは、ミキサ1の現在の動作を制御するための全て又は一部の制御データ(複数のパラメータの値)からなる。シーンメモリには、複数のシーンデータを格納することができ、各シーンデータにはそれぞれ固有のシーン番号と任意の名前(シーンネーム)が付与される。ユーザは、操作子3を用いたシーンリコール操作により、任意のシーンに対応するシーンデータをシーンメモリから読み出して、読み出したシーンデータに基づくミキサ1の設定状態を、カレントメモリに再現(シーンリコール)することができる。
《イベントリストのデータ》
また、フラッシュメモリ11又はRAM12には、順次実行すべき「イベント」の内容を示すイベントデータを、実行すべきイベントの順番に並べて登録したイベントリストを記録する領域が設けられている。イベントリストのデータ構造について、図3を参照して説明する。図3において、イベントリストは、「n」個のイベントの内容を規定するイベントセットES1〜ESnから構成されている。1つのイベントセットESk(kは1〜n)は、実行すべきイベントの内容を示すイベントデータEDkと、当該イベントデータの実行タイミングを示すトリガデータTDkにより構成される。
《イベントデータ》
1つのイベントデータEDkは、シーンのリコールを指示するイベントを示すデータ又は1つの制御信号の出力を指示するイベントを示すデータである。シーンのリコールを指示するイベントデータEDkには、当該イベントにおいてリコールすべきシーンに対応するシーンデータを特定する情報が記録される。シーンデータを特定する情報とは、例えば、そのシーンに該当するシーン番号やシーンメモリにおける当該シーンデータ記録位置を示すポインタである。また、1つの制御信号の出力を指示するイベントは、その他I/O8を介して接続された周辺機器(MIDI機器やGPI機器)に対する制御信号(MIDI信号やGPI信号など)を、当該ミキサ1から周辺機器へ出力するイベントである。制御信号の出力を指示するイベントデータEDkには、出力すべき制御信号が記録される。
各トリガデータTDkには、それぞれ、次に述べる3種類のトリガタイプTTkのいずれかが設定される。トリガタイプTTkは、後述するイベントの自動実行機能がオンのときに当該イベントを自動実行するトリガの種類を規定している。(1)「タイムコード型」:タイムコードが所定の時刻に達したときにイベントデータに基づくイベントを実行するタイプ。(2)「インターバル型」:直前のイベントセットES(k−1)が実行された後、所定時間経過後にイベントデータに基づくイベントを実行するタイプ。(3)「マニュアル型」:操作者による手動操作に応じてイベントデータに基づくイベントを実行するタイプ。
トリガタイプTTkが「タイムコード型」であるとき、そのトリガデータTDkには、対応するイベントデータEDkの実行タイミングを示す時刻(絶対時刻)の情報が記録される。また、トリガタイプTTkが「インターバル型」であるとき、そのトリガデータTDkには、イベントデータEDkの直前のイベントデータED(k−1)の実行後から当該イベントデータEDkの実行タイミングまでの時間間隔(待機時間)を示す相対時間の情報が記録される。なお、トリガタイプTTkが「マニュアル型」であるときには、トリガデータTDkの値は無効である。
《操作パネルの構成》
操作パネル2の要部構成を図3を参照し説明する。図3において、ドットマトリクス表示部202、NEXTイベント表示部204、及び、シーン番号表示部206は、図1の表示器5に相当するもので、各種情報をグラフィカルに提示する。ドットマトリクス表示部202は、後述するイベントリスト画面(図4)や、信号処理ch毎のパラメータ設定を行う画面等、ミキサ1の各種設定に関する画面を表示する。ユーザは、ドットマトリクス表示部202に表示されたカーソルやボタン画像(GUIパーツ)を用いて、各種指示を入力できる。NEXTイベント表示部204は、前述したイベントリストに基づくイベントの実行に関して、直前に実行されたイベントセットの次の実行順位にあるイベントセットの情報(シーケンスナンバ、トリガデータ、リコールされるシーンのシーン番号およびシーンネーム)を表示する。
シーン番号表示部206は、ユーザのマニュアル操作に応じたシーンストア機能・シーンリコール機能に関して、ユーザの操作に応じてストア又はリコールされるシーンのシーン番号を表示する。ストア指示ボタン208は、現在のカレントメモリの内容を新たなシーンデータとしてシーン・シーケンス領域12bにストアする指示を入力するためのボタンである。UPボタン210は、シーン番号表示部206に表示されているシーン番号を1つずつインクリメントする指示を入力するボタンである。DOWNボタン212はであり、この表示されているシーン番号を1つずつデクリメントする指示を入力するボタンである。リコール指示ボタン214は、シーン番号表示部206に表示されているシーン番号に対応するシーンのリコールの指示を入力するボタンである。
カーソル・ボタン216〜220は、ドットマトリクス表示部202に表示されているカーソルを上下左右方向に移動させるために用いる。なお、マウスカーソルの位置は、ミキサ1に外部接続されたマウス操作子を用いても制御可能である。デクリメント・ボタン224及びインクリメント・ボタン226は、ドットマトリクス表示部202に表示された数値情報を減少及び増加するために用いる。ホイール227は、操作者による回動操作に応じて、ボタン224及び226と同様に、ドットマトリクス表示部202に表示された数値情報の増減を指示を入力するものである。エンター・ボタン228は、カーソル等により指摘又は選択された数値情報や、表示部202に表示されたGUIパーツが示す命令等を確定するために用いる。例えば、ユーザは、ドットマトリクス表示部202の画面上に表示された或る機能に関するボタンパーツをカーソルで指摘した状態でエンター・ボタン228を押すことで、当該機能の実行を指示できる。
NEXTボタン230及びPREVボタン232は、後述するイベントリスト画面(図4)のイベントリスト110上のカレントポインタ118の位置を移動させる指示等に利用できてよい。
《イベントリスト画面》
図4は、ドットマトリクス表示部202に表示されるイベントリスト画面の構成を説明する図である。ユーザの所定の操作に応じて、CPU10は、ドットマトリクス表示部202に図4に示すイベントリスト画面を表示する制御を行う。イベントリスト画面に表示された各種GUIパーツ(ボタン等)に対する操作は、操作パネルの各種スイッチ類やマウス操作子等(操作子3)を用いて入力できる。
《イベントリスト》
イベントリスト110は、図3に示すイベントリストのデータに基づく順番で、順次実行すべきイベントセットES1〜ESnを表示するリストである。イベントリスト110の各行には、各イベントセットES1〜ESnの内容が表示される。イベントリスト110のシーケンスナンバ表示部112は、各イベントセットの実行順位を昇順の数字によって表示する。
トリガデータ表示部114は、各イベントセットに含まれるトリガデータの内容を表示する。トリガデータ表示部114には、対応するトリガデータに設定されたトリガタイプが「タイムコード型」の場合、当該イベントデータセットの実行タイミングを示す時刻の情報が、例えば、行111aにおける「00:00:38:02」のように、「時:分:秒:百分の1秒」の単位のタイムコードにより表示される。また、対応するトリガデータに設定されたトリガタイプが「インターバル型」の場合、直前のイベントセットが実行された後に当該イベントセットが実行されるまでの相対時間が、例えば、行111bにおける「↑After30.0sec」のように、イベントデータED(k−1)の実行後から当該イベントデータEDkの実行タイミングまでの時間間隔(待機時間)により表示される。また、対応するトリガデータに設定されたトリガタイプが「マニュアル型」の場合、当該イベントセットの実行タイミングが手動により制御される旨が、例えば行111cのように[MANUAL]という文字列により表示される。
イベントデータ表示部116は、当該イベントセットにおいて実行すべきイベントの内容を表示する。イベントデータがシーンのリコールを指示するデータの場合、例えば行111aにおける「015:MonitorMix2」のように、当該イベントセットに基づいてリコールされるシーンデータのシーン番号(行111aの「015」)とシーンネーム(行111aの「MonitorMix2」)が表示される。また、イベントデータが制御信号の出力を指示するデータの場合、当該イベントセットに基づいて出力される制御信号を示す情報が表示される。制御信号を示す情報としては、当該制御信号の種類と命令内容が表示される。例えば、行111cのイベントデータ表示部116には、GPI端子から出力される制御信号(GPI機器に対するGPI信号)を示す情報として、「out GPI(5,high)」と表示される。また、行111dのイベントデータ表示部116には、MIDI端子から送信されるMIDI信号(MIDIのコントロールテェンジ命令cc)を示す情報として、「send cc(11,64)」と表示される。
《カレントポインタ》
カレントポインタ118は、イベントリスト110上の1つのイベントセットに対応する1行を指標(指摘)する指標手段であり、イベントセットの実行時にはカレントポインタ118が指標している行に対応するイベントセットが実行される。カレントポインタ118は、イベントリスト110の左右両脇に配置された左右一対の指標子(三角形の表示物)からなる。カレントポインタ118により指摘された行(指標子が指摘している行)は、表示色反転等により他の行と異なる表示態様で明示される。図では、カレントポインタ118により指摘された行(シーケンスナンバ「005」の行)を斜線で示している。カレントポインタで指標された行のイベントセットの情報は、操作パネル2のNEXTイベント表示部204に表示される(図3参照)。なお、操作者は、カレントポインタ118で現在氏的中の行のトリガデータ表示部114およびシーン表示部116の内容を編集(変更)できる。編集された内容はイベントリストに直ちに反映され、且つ、必要に応じて、イベントリスト110におけるイベントセットの順番がソートされる。
イベントリスト画面におけるカレントポインタ118の表示位置は、イベントリスト110に対して固定位置である。イベントリスト110の各行の表示位置が、カレントポインタ118に対して画面上下方向に移動することで、カレントポインタ118の指標位置(ポインタ118に指標される行)が移動する。なお、本明細書では、カレントポインタ118に対して行が移動することを、説明の便宜上、移動主体をカレントポインタ118と言い換えることがある。
《手動実行指示用のボタン》
手動実行指示用ボタン120〜127は、ユーザの手動操作により、イベントリスト110上のイベントセットに基づくイベントの実行を指示するために用いるボタンである。ボタン120〜122は、イベントセットを1つずつ実行する通常実行の指示(第1の操作)を入力するために用いる。また、ボタン123〜125は、イベントリスト110の先頭からユーザにより指定されたイベントセットまでの複数イベントデータに基づくシーンリコールを実行するトレース実行の指示(第2の操作)を入力するために用いる。
《通常実行の指示用のボタン》
nextボタン120は、カレントポインタ118により現在指標されているイベントデータの直後のイベントデータに基づくイベントの実行を指示するボタンである。exeボタン121は、カレントポインタ118により現在指標されているイベントデータに基づくイベントの実行を指示するボタンである。また、prevボタン122は、カレントポインタ118により現在指標されているイベントデータの直前のイベントデータに基づくイベントの実行を指示するボタンである。各ボタン120〜122の操作に応じた動作は後述する。
《トレース実行の指示用のボタン》
EXEボタン123は、イベントリストの先頭のイベントデータからカレントポインタ118により現在指標されているイベントデータまでの各イベントデータに基づくイベントを順次実行するトレース実行を指示するボタンである。NEXTボタン124は、イベントリストの先頭のイベントデータから、カレントポインタ118により現在指標されているイベントデータの直後のイベントデータまでの各イベントデータに基づくイベントを順次実行するトレース実行を指示するボタンである。PREVボタン125は、イベントリストの先頭のイベントデータから、カレントポインタ118により現在指標されているイベントデータの直前のイベントデータまでの各イベントデータに基づくイベントを順次実行するトレース実行を指示するボタンである。各ボタン123〜125の操作に応じた動作は後述する。
《その他の構成要素》
Auto/Manual切り替えボタン134は、ユーザの操作に応じて、イベントの自動実行機能のオン/オフを交互に切り替えるボタンである。自動実行機能(Auto)は、当該機能がオンのとき、タイムコード供給手段により供給されたタイムコードに基づいて、イベントリストに基づく順番でイベントセットを順次実行する機能である。自動実行機能がオフのときは、後述する手動実行指示用のボタン120〜125を用いた手動操作による実行指示を受け付ける手動実行機能(MANUAL)がオンの状態となる。「自動実行機能」がオンのとき、トリガタイプが「タイムコード型」及び「インターバル型」のイベントセットは、供給されたタイムコードに基づいて自動的に実行される。トリガタイプが「マニュアル型」のイベントセットは、自動実行機能がオンであっても自動的に実行はされず、ユーザの手動操作に応じて実行される。なお、自動実行機能による動作は後述する。
Upボタン102は、カレントポインタ118に指標される行を、現在指標中の行から1行ずつ上に移動させるボタンである。Downボタン104は、カレントポインタ118に指標される行を、現在指標中の行から1行ずつ下に移動させるボタンである。前述の通り、カレントポインタ118の表示位置はイベントリスト110に対して固定されており、Upボタン102又はDownボタン104の1回の操作に応じて、イベントリスト110内の表示内容(各行)がカレントポインタ118に対して上又は下に1行ずつ移動する。なお、カレントポインタ118に指標された行のイベントセットのトリガタイプが「マニュアル型」または「インターバル型」であり、その後にさらに1又は複数の「インターバル型」行が続いている場合(例えば、図4のイベントリスト110においては、ポインタ118の現在位置であるシーケンスナンバ「005」の「マニュアル型」行の後ろにシーケンスナンバ「006」の「インターバル型」行が続いているような場合)、Up/Downボタン102,104の操作に応じて、ポインタ118により指標中の行が移動されたとき、これに追従して該1又は複数の「インターバル型」の行も移動されるとよい。
タイムコード表示部136は、タイムコード供給手段から供給されたタイムコードを表示するタイムコード供給手段は、ミキサ1のCPU10の処理によりタイムコードを生成する構成であってもよいし、その他I/O8を介して外部接続された周辺機器からタイムコードを受信する構成であってもよい。タイムコードは例えば「時:分:秒:百分の1秒」単位で時刻を表す信号であり、タイムコード供給手段は百分の1秒毎にタイムコードを供給する。
また、トレースリコールボタン126(Trace Recall)は、後述するトレース実行処理によるシーンリコールの実行結果をリコールするために用いる。
《リコールフィルタ設定画面》
図5は、ドットマトリクス表示部202に表示されるリコールフィルタ設定画面の構成を説明する図である。ユーザの所定の操作に応じて、CPU10は、ドットマトリクス表示部202に図5に示すリコールフィルタ設定画面を表示する制御を行う。リコールフィルタ設定画面に表示された各種GUIパーツ(ボタン等)に対する操作は、操作パネルの各種スイッチ類やマウス操作子等(操作子3)を用いて入力できる。
リコールフィルタ設定画面300は、シーン毎にリコールフィルタ機能に関する設定を行う画面である。リコールフィルタ機能は、シーンのリコールを行う際に、そのシーンのシーンリコール対象となる範囲(シーンデータに基づいてカレントメモリを上書きする範囲)を、シーンリコール対象となる全範囲(カレントメモリに記録された制御データ全体)のうちの一部に選択的に制限する機能である。
セーフモードボタン301は、「セーフモード」のオンオフを切り替えるボタンであり、リコールモードボタン302は、「リコールモード」のオンオフを切り替えるボタンである。セーフモードは、シーンのシーンリコール対象から除外する範囲(シーンデータに基づく設定状態を再現しない範囲)をリコールフィルタ設定画面300で選択するモードである。他方、リコールモードは、シーンのシーンリコール対象となる範囲(シーンデータに基づく設定状態を再現する範囲)を、リコールフィルタ設定画面300で選択するモードである。「セーフモード」及び「リコールモード」のオンオフは択一的に切り替わるもので、一方がオンのとき他方がオフとなる。図においてハッチングは、そのボタンがオン状態であることを示している。
入力ch選択部303は、リコールフィルタ設定を変更する入力chを選択するためのボタンを設けた部分であり、入力ch部23の各入力chに対応する24個の入力chボタン304が設けられている。また、出力ch選択部305は、リコールフィルタ設定の対象となる出力chを選択するためのボタンを設けた部分であり、MIX出力ch部25の各出力chに対応する12個の出力chボタン306が設けられている。各入力chボタン304及び各出力chボタン306のうち、ユーザにより操作された1つが、パラメータグループ選択部310の制御対象として選択される。また、各入力chボタン304及び各出力chボタン306は、それぞれに対応するchに対するリコールフィルタ機能オンオフ状態を、現在のモード(セーフモード又はリコールモードのいずれか)に応じて表示する。リコールフィルタ機能オンのchに対して、リコールフィルタ機能が作用する。図においてハッチングは、そのボタンに対応するchのリコールフィルタ機能がオンであることを示す。
パラメータグループ選択部310は、信号処理chのパラメータをグループ化したパラメータグループについて、パラメータグループ毎に選択又は選択解除を切り替えるためのボタン311〜319、及び、各ボタン311〜319に対応する全てのパラメータを一括して選択又は選択解除させるためのALLボタン320が設けられている。図においてハッチングは、そのボタンに対応するパラメータグループが選択状態であることを示す。パラメータグループ選択部310において選択されたパラメータグループに対して、リコールフィルタ機能が作用する。
パラメータグループ選択部310に設けられた各ボタン311〜320は、入力ch選択部303又は出力ch選択部305において直前に選択されたボタンに対応する信号処理chのパラメータを対象とするものであり、現在制御対象のchの当該パラメータについて、設定内容(選択状態)を反映した状態で表示される。従って、入力ch選択部303又は出力ch選択部305において新たにch選択操作が行われたとき、パラメータグループ選択部310の各ボタン311〜320の表示状態(選択状態)は当該新たに選択されたchに関する設定内容(選択状態)に切り替わる。
パラメータグループ選択部310のボタン311〜319には、FADER311(音量制御パラメータ)、ON312(chオンオフ)、PAN313(ステレオパン)、EQ314(イコライザ)、COMP315(コンプレッサ)、GATE316(ノイズゲート)、SED_LV317(バスセンドレベル)、SEND_ON318(バスセンドオンオフ)、Routing319(パッチ設定)がある。
これらの各ボタンン311〜319に対応する各パラメータグループは、入力ch部23及び出力ch部25の各信号処理chの信号処理において、1つの機能を構成する1又は複数のパラメータを1組とするグループものである。パラメータグループには、例えばEQ314のように複数のパラメータから構成されるものもあるし、ON312のように1つのパラメータのみからなるものもある。これら信号処理chの信号処理に関する各パラメータグループは、それぞれ、信号処理ch毎に設けられている。なお、これらパラメータグループには入力ch又は出力chの何れか一方にしか設けられていないものもある。
ユーザは、入力ch選択部303、出力ch選択部305及びパラメータグループ選択部310の各ボタンを用いて、ch毎に、「セーフモード」及び「リコールモード」に関して、各パラメータグループの選択又は選択解除を設定できる。セーフモードでは、選択されたパラメータグループがシーンリコール対象範囲から除外(上書き制限)され、非選択のパラメータグループがシーンリコール対象範囲となる。逆に、リコールモードでは選択されたパラメータグループがシーンリコール対象範囲となり、シーンリコール対象範囲から除外(上書き制限)される。要するに、セーフモード及びリコールモードのいずれにせよ、パラメータグループ毎の選択/非選択の状態により、リコールフィルタ機能で上書き制限するかどうか(シーンリコール対象範囲とするかどうか)を設定する。なお、一方のモードで選択されたパラメータグループは、必ず他方のモードで選択解除となる。「セーフモード」又は「リコールモード」において少なくとも1つのパラメータグループが選択されたchは、そのモードにおいてリコールフィルタ機能がオンとなる。
また、エフェクタ選択部307には、インサートエフェクタのパラメータについてのリコールフィルタ設定を行うボタン308が設けられている。インサートエフェクタに関しては、1つのエフェクタに関する全てのパラメータを1組パラメータグループとして扱い、エフェクタ選択部307に設けた4つのボタン308によって、エフェクタ単位でパラメータグループの選択又は選択解除を行う。
このデジタルミキサ1においては、以上のようなリコールフィルタ設定画面300から、前述したイベントリスト110に登録された複数のイベントセット(シーンリコールを指示するイベント)の各々について、そのイベントでリコールすべきシーンに含まれる制御データ全体のうちの一部の制御データをシーンリコール対象範囲(リコールする範囲)として指定することにより、シーンのリコールを行う範囲を選択的に設定することができる。
また、全てのシーンに共通してシーンリコール対象範囲を制限する(フィルタ機能を作用させる)「リコールセーフ機能」についても、パラメータグループ毎の選択/非選択の状態によりリコールセーフ機能で上書き制限するかどうか(シーンリコール対象範囲とするかどうか)を、図6のリコールフィルタ設定画面と同様な構成の画面から、設定できる。リコールセーフ機能によれば、全てのシーンのリコールに対して、共通して、シーンリコール対象となる範囲を、シーンリコール対象となる全範囲(カレントメモリに記録された制御データ全体)のうちの一部に選択的に制限できる。
《手動操作に応じた処理》
イベントリスト画面におけるボタン操作に応じて、CPU10が実行する処理を、図7(a)〜(d)の各フローチャートを参照して説明する。
《通常実行の指示》
nextボタン120が操作されたとき、CPU10は、図7(a)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置を、次のイベントセット(図5のイベントリスト110において1行下のイベントセット)の位置に移動し(ステップS1)、移動されたカレントポインタcpの位置のイベントセットに基づいて、後述する通常実行処理を実行する(ステップS2)。なお、ここで、カレントポインタcpは、図5のイベントリスト110におけるカレントポインタ118の現在位置(ポインタ118が指標している行のイベントセット)を示すデータである。また、prevボタン122が操作されたとき、CPU10は、図7(b)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置を1つ前のイベントセット(図5のイベントリスト110において1行上のイベントセット)の位置に移動し(ステップS3)、移動されたcpの位置のイベントセットに基づいて、後述する通常実行処理を実行する(ステップS4)。また、exeボタン121が操作されたとき、CPU10は、図7(c)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置のイベントセットに基づいて、後述する通常実行処理を実行する(ステップS5)。ステップS2、S4、又はS5の通常実行処理において、詳しくは後述する通り、カレントポインタcpの位置のイベントセットに含まれるイベントデータを実行対象として、当該イベントデータに基づく1つのイベントが実行される。
《トレース実行の指示》
EXEボタン123が操作されたとき、CPU10は、図7(c)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置のイベントセットに基づいて、後述するトレース実行処理を実行する(ステップS5)。また、NEXTボタン124が操作されたとき、CPU10は、図7(a)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置を次のイベントセットの位置に移動し(ステップS1)、移動されたcpの位置のイベントセットに基づいて、後述するトレース実行処理を実行する(ステップS2)。また、PREVボタン125が操作されたとき、CPU10は、図7(b)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置を1つ前のイベントセットの位置に移動し(ステップS3)、移動されたcpの位置のイベントセットに基づいて、後述するトレース実行処理を実行する(ステップS4)。ステップS2、S4、又はS5のトレース実行処理では、詳しくは後述する通り、カレントポインタcpの位置のイベントセットに含まれるイベントデータを実行対象として、イベントリストの先頭のイベントセットから、当該実行対象のイベントセットまでの各イベントセットに基づく複数のイベントが順次実行される。
また、Upボタン102又はDownボタン104が操作されたとき、CPU10は、図7(d)に示す通り、カレントポインタcpの現在位置を1つ前のイベントセット又は次のイベントセットの行に移動させる(ステップS6)。これにより、イベントリスト110に対してカレントポインタ118を任意の位置に移動させることができる。なお、前記ステップS1、S3及びS6において、cpを移動させる処理には、cpのデータを書き換える処理と、イベントリスト画面におけるカレントポインタ118の現在位置を更新する表示更処理が含まれる。
《自動実行処理》
自動実行機能(Auto)がオンのとき、タイムコード供給手段により供給されたタイムコードに基づいて、イベントリストに基づく順番でイベントセットが自動的に実行される。自動実行機能(Auto)がオンのとき、CPU10は、カレントポインタcpの現在位置の次のイベントセット(図5のイベントリスト110において1行下のイベントセット)の実行タイミングを、そのイベントセットのトリガデータに基づいて取得しておき、タイムコード供給手段により供給されたタイムコードが当該イベントセットの実行タイミングの時刻に達したときに、図8の処理を実行する。ここで、「次のイベントセット」とはトリガタイプが「タイムコード型」又は「インターバル型」のものである。「マニュアル型」はトリガデータによる実行タイミングが規定されていないので含まない。
タイムコード供給手段により供給されたタイムコードが当該イベントセットの実行タイミングの時刻に達したとき、CPU10は、ステップS7において、cpの位置を当該の実行タイミングの時刻に達したイベントセットに移動し、ステップS8において、前記移動されたcpの位置のイベントセットに基づくイベントの内容を、後述する通常実行処理により実行する。cpの現在位置以降のイベントセットの実行タイミングが到達する毎に図8の処理を行うことで、複数のイベントセットに基づくイベントを、イベントリストの順番で順次実行できる。なお、自動実行機能がオンであっても、トリガタイプが「マニュアル型」のイベントセットは、ユーザが手動操作により実行指示を行わなければ、実行されない。
《通常実行処理》
前記ステップS2、S4、S5及びS8において、CPU10が実行する通常実行処理の手順について、図9を参照して説明する。ステップS10において、CPU10は、カレントポインタcpにより現在指標されているイベントセットにおけるイベントデータED(cp)がシーンリコールを指示するデータかどうかを判断する。ここで、カレントポインタcpにより指標中のイベントデータED(cp)が、ユーザの第1の操作(ボタン120乃至122のいずれかの操作)に応じて、今回の通常実行処理の実行対象に指定されたイベントデータである。
イベントデータED(cp)がシーンリコールの場合(ステップS10のYES)、CPU10は、カレントメモリに現在記録されている全ての制御データ(全パラメータの値)を、シーンリコール用のバッファ領域にコピーする(ステップS11)。ステップS12において、CPU10は、シーンメモリに記憶された複数のシーンデータの中から、イベントデータED(cp)に基づきリコールすべき1つのシーンデータ(s(cp))を特定して、特定されたシーンデータ(s(cp))を、当該シーンについて設定されたシーンリコール対象範囲で、シーンリコール用バッファ領域にコピーする処理を行う。イベントデータED(cp)に基づきリコールすべきシーンデータはシーン番号(s(cp))により特定できる。当該ステップS12の範囲制限コピー処理により、前記ステップS11においてバッファ領域にコピーされたカレントメモリの内容が、イベントデータED(cp)のシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)に基づいて上書きされる。なお、シーンデータの範囲制限コピーの動作は後述する。
ステップS13において、CPU10は、カレントメモリに基づくDSP部7の制御を一時停止する。ステップS14において、CPU10は、バッファ領域の内容を、カレントメモリにコピーする。これにより、カレントメモリの内容がイベントデータED(cp)のシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)により上書きされる。前記ステップS13でDSP部7の動作を一時停止しているので、バッファからカレントメモリへコピー中の内容(つまりリコールによるデータ上書き中の内容)はDSP部7の信号処理に反映されない。そして、バッファからカレントメモリへコピーが終了した後、ステップS15において、CPU10は、範囲制限コピーされたシーンデータ(s(cp))により上書きされたカレントメモリに基づくDSP部7の制御を再開する。従って、イベントデータED(cp)を実行対象に指定した通常実行処理を行うことにより、ミキサ1においては、イベントデータED(cp)のシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)に基づくパラメータの設定状態が再現される。
また、ステップS10において、イベントデータED(cp)がシーンリコールを指示するデータでない場合(ステップS10のNO)、CPU10は、当該イベントデータED(cp)に基づくイベントの処理を実行する(ステップS16)。シーンリコール以外のイベントは、例えば、ミキサ1から周辺機器に対する制御信号(MIDI信号やGPI信号)を出力するイベント等である。
《トレース実行処理》
前記ステップS2、S4、及びS5において、CPU10が実行するトレース実行処理の手順について、図10を参照して説明する。ステップS17において、カレントメモリに現在記録されている全ての制御データ(全パラメータの値)を、シーンリコール用のバッファ領域にコピーする。ステップS18において、CPU10は、テンポラリポインタtpを、イベントリストに基づいて、当該イベントリストの先頭のイベントセットの位置へ移動する。テンポラリポインタtpは、トレース実行処理において現在処理中の1つのイベントセットの位置を指標するデータである。
ステップS19において、CPU10は、テンポラリポインタtpの位置がカレントポインタcpの位置に達したかどうかを判断する。ここでカレントポインタcpのイベントデータED(cp)がユーザの第2の操作(ボタン123乃至125のいずれかの操作)により実行対象に指定されたイベントデータである。テンポラリポインタtpの位置がカレントポインタcpの位置に達していない場合(ステップS19のNO)、CPU10は、ステップS20において、テンポラリポインタtpにより現在指標されているイベントセットのイベントデータED(tp)がシーンリコールを指示するデータかどうかを判断する。
イベントデータED(tp)がシーンリコールの場合(ステップS20のYES)、ステップS21において、CPU10は、シーンメモリに記憶された複数のシーンデータの中から、イベントデータED(tp)に基づきリコールすべきシーンデータ(s(tp))を特定して、特定されたシーンデータ(s(tp))を、当該シーンについて設定されたシーンリコール対象範囲で、シーンリコール用バッファ領域にコピーする処理を行う。当該ステップS21の範囲制限コピー処理により、前記ステップS17においてバッファ領域にコピーされたカレントメモリの内容が、イベントデータED(tp)のシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)に基づいて上書きされる。
ステップS22において、CPU10は、イベントリストに基づいて、テンポラリポインタtpの現在位置を次のイベントセットの位置に移動させる。そして、CPU10は、テンポラリポインタtpがカレントポインタcpに達するまで、ステップS19をNOに分岐してステップS19〜S22の処理を繰り返す。これにより、イベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントデータED(cp−1)までの各イベントセットに基づくステップS21の範囲制限コピー処理を、当該イベントリストの順番で実行できる。この結果、バッファ領域の内容は、イベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントデータED(cp−1)までの各イベントデータのシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)に基づいてシーンリコールを実行したときのミキサ1の設定状態と同じ状態になる。
なお、ステップS19〜S22のループ処理において、イベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントデータED(cp−1)までの各イベントデータのシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)に基づくシーンリコールは、バッファ領域の内容にシーンデータ(範囲制限されたシーンデータ)を上書きする処理であって、各シーンリコールの都度、実際の信号処理に結果を反映させる(カレントメモリを上書きする)のではない。また、ステップS19〜S22のループ処理においてイベントデータED(tp)がシーンリコール以外のイベントの場合(ステップS20のNO)、CPU10は、そのイベントに該当する処理を行わずに、ステップS22においてテンポラリポインタtpを次のイベントセットの位置に移動させる。ステップS19〜S22のループ処理が、イベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントセットまでの各イベントセットに基づくシーンリコールを実行したときのミキサ1の設定状態と同じ状態をバッファ領域に再現することを目的としているためである。
テンポラリポインタtpの位置がカレントポインタcpの位置に達したとき(ステップS19のYES)、CPU10は、ステップS23において、カレントポインタcpが現在指標するイベントセットにおけるイベントデータED(cp)がシーンリコールを指示するデータかどうかを判断する。イベントデータED(cp)がシーンリコールの場合(ステップS23のYES)、CPU10は、イベントデータED(cp)のシーンデータ(s(cp))を、バッファ領域に範囲制限コピーし(ステップS24)、カレントメモリの制御データに基づくDSP部7の制御を一時停止してから(ステップS25)、バッファ領域の内容をカレントメモリにコピーし(ステップS26)、バッファからカレントメモリへのコピー終了後、カレントメモリの制御データに基づくDSP部7の制御を再開する(ステップS27)。
ステップS25〜S27によるイベントデータED(cp)に基づくシーン(s(cp))のリコール実行に先立って、前記ステップS19〜S22の処理により、バッファ領域の内容がイベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントセットまでの各イベントセットのシーンリコールを、実行したときのミキサ1の設定状態と同じ状態になっている。従って、イベントデータED(cp)を実行対象に指定して、トレース実行処理を行うことにより、イベントリストの先頭のイベントからcpの現在位置までの各イベントデータ毎に基づくシーンリコールを、イベントリストの順番で実行したときと同じ設定状態を、ミキサ1に再現することができる。
また、ステップS23においてイベントデータED(cp)がシーンリコールを指示するデータでない場合(ステップS23のNO)、CPU10は、当該イベントデータED(cp)に基づいて、ミキサ1から周辺機器に対する制御信号(MIDI信号やGPI信号)を出力するイベント等の、その他イベントの処理を実行する(ステップS28)。
《範囲制限コピー処理》
前記ステップS12、S21、及びS24において、1つのシーン(s)に対応するシーンデータをバッファ領域へコピーする処理の手順について、図11を参照して説明する。また、図12はカレントメモリ及びバッファ領域において1つのシーンとなる制御データ(パラメータの値)全体のデータ構造を説明する図である。カレントメモリ及びバッファ領域内のデータ構造は共通するものである。
図12に示す通り、カレントメモリ及びバッファ領域において、複数のパラメータは複数N個のパラメータグループpg(1)〜pg(Npg)にグループ化されている。各パラメータグループpgには、信号処理chの信号処理に用いる1又は複数のパラメータを1組とする信号処理ch毎のパラメータグループ(図6のリコールフィルタ設定画面300におけるパラメータグループ選択部310の各ボタン311〜319に対応するもの)、及び、インサートエフェクタ毎のパラメータグループがある。リコールフィルタ機能は、前述の通り、パラメータグループpg毎に設定できる。
カレントメモリ及びバッファ領域においては、パラメータグループpg毎に記憶領域(pg=1〜Npg)が割り当てられている。そして、各パラメータグループpgに割り当てられた記憶領域には、各領域に対応するパラメータグループpgを構成する1又は複数のパラメータの値が、1つのパラメータブロックPBとしてまとめて格納される。パラメータブロックPBはパラメータグループpgの実体的データ(1又は複数のパラメータの値)である。CPU10は、パラメータグループpg(1)乃至pg(Npg)のいずれかを指定することで、指定されたパラメータグループpgに対応するパラメータブロックPB(1)乃至PB(Npg)のいずれかを、カレントメモリ及びバッファ領域に対して書き込み及び読み出しできる。
図9のステップS29において、CPU10は、先頭のパラメータグループpg(1)を指定する。ここで、先頭のパラメータグループpgは、カレントメモリ及びバッファ領域において先頭のアドレスに割り当てられたパラメータグループである(図12参照)。ステップS30及びステップS31において、CPU10は、当該指定されたパラメータグループpg(1)がリコールセーフ機能又はリコールフィルタ機能により上書き制限されているかどうかを調べる。リコールセーフ機能により上書き制限されている場合(ステップS30のYES)、当該指定されたパラメータグループpg(1)は、全てのシーンにおいてシーンリコール対象の範囲から除外されているので、後述するステップS32のコピー処理を行わない。また、リコールフィルタ機能により上書き制限されている場合(ステップS31のYES)、当該指定されたパラメータグループpgは、今回の処理対象であるシーン(s)に関して、シーンリコール対象の範囲から除外されているので、後述するステップS32のコピー処理を行わない。
指定されたパラメータグループpg(1)がリコールセーフ機能及びリコールフィルタ機能のいずれによっても上書き制限されていない場合(ステップS30及びステップS31のNO)、当該指定されたパラメータグループpg(1)はシーン(s)においてシーンリコール対象の範囲である。ステップS32において、CPU10は、シーンメモリから、当該シーン(s)のシーンデータのうち、当該指定されたパラメータグループpg(1)のパラメータブロックPB(1)を読み出して、パラメータブロックPB(1)をバッファ領域へコピーする。これにより、バッファ領域におけるパラメータグループpgに、当該シーン(s)のシーンデータに基づくパラメータブロックPB(1)を上書きする。なお、シーン(s)は、前記ステップS12及び前記ステップS24においてはカレントポインタcpの位置のイベントセットに基づくシーン(s(cp))であり、前記ステップS21においてはテンポラリポインタtpの位置のイベントセットに基づくシーン(s(tp))である。
ステップS33において、CPU10は、次のパラメータグループpgを指定する。次のパラメータグループpgは、カレントメモリ及びバッファ領域において、直前まで指定されていたパラメータグループpgに続くアドレスに割り当てられたパラメータグループである(図12参照)。例えば、上記の説明では、パラメータグループpg(1)が指定されることを想定したので、パラメータグループpg(2)が次のパラメータグループpgとなる。そして、CPU10は、当該ステップS33で指定されたパラメータグループpgについてステップS31〜S32の処理を行う。これにより、指定されたパラメータグループpgがリコールセーフ機能及びリコールフィルタ機能のいずれによっても上書き制限されていない場合(ステップS30及びステップS31のNO)、当該指定されたパラメータグループpgのパラメータブロックPB(pg)をバッファ領域へコピーすることで、バッファ領域におけるパラメータグループpgに当該パラメータブロックPB(pg)を上書きする(ステップS32)。
CPU10は、ステップS31〜S33の処理を、最後のパラメータグループpg(Npg)について処理し終えるまで繰り返す(ステップS34)。これにより、全パラメータグループpg(1)〜pg(Npg)のうち、リコールフィルタ及びリコールセーフで上書き制限されたパラメータグループpgを除く、シーンリコール対象範囲の各パラメータグループpgについて、シーンデータに基づくパラメータブロックPBをバッファ領域へコピーすることができる。図12において、データ上書きする(シーンリコール対象範囲の)パラメータブロックPB(1)、PB(4)、PB(5)・・・をハッチングで示した。このように、図9の処理によれば、リコールすべきシーン(s)を、シーンリコール対象範囲に設定された範囲のパラメータグループpg毎に選択的にバッファ領域にコピー(範囲制限コピー)することができる。よって、例えば、図12のパラメータグループpg(2)、pg(3)、pg(6)・・・のようにシーンリコール対象範囲外のパラメータグループpgは、シーンデータで上書きせずに、元のデータを残しておくことができる。
《まとめ》
ユーザの第1の操作(ボタン120〜122の何れかの操作)に応じて、通常実行処理(図9)が行われる。この場合、カレントポインタcpのイベントデータED(cp)のシーンデータ(s(cp))について、シーンリコール対象範囲内のパラメータグループpg毎のパラメータブロックPBをバッファ領域にコピーすることで、当該通常実行処理の指示(ユーザの第1操作)が行われた時点でのカレントメモリの設定内容に、シーンリコール対象範囲内の各パラメータグループpgのパラメータブロックPBを上書きする。シーンリコール対象範囲外のパラメータグループpgに関しては、当該通常実行処理によるイベント(シーンリコール)を実行する直前のカレントメモリの設定内容(例えば、図12ではパラメータグループpg(2)、pg(3)、pg(6)・・・)が残る。従って、直前のカレントメモリの内容に応じて、イベントデータED(cp)のシーンリコール結果が異なる。
これに対して、ユーザの第2の操作(ボタン123〜125の何れかの操作)に応じてトレース実行処理(図10)を行った場合、イベントリストの先頭からカレントポインタcpの直前のイベントデータED(cp−1)までの各イベントデータのシーンデータについて、それぞれ、シーンリコール対象範囲内のパラメータグループpg毎のパラメータブロックPBをバッファ領域に範囲制限コピーしておき(ステップS17〜S22)、その後に、カレントポインタ(cp)のイベントデータED(cp)のシーンデータ(s(cp))について、シーンリコール対象範囲内のパラメータグループpg毎のパラメータブロックPBをバッファ領域にコピーする(ステップS24)。従って、トレース実行の場合には、イベントデータED(cp)に基づくシーンリコール結果は、必ず、イベントリストの先頭からカレントポインタcpのイベントデータED(cp)までの各イベントデータのシーンデータに基づいて、各イベント(シーン)毎にシーンリコール対象範囲内でシーンリコールを行ったときの設定状態を再現したものとなる。
このように本実施例のミキサ1においては、ユーザの第2の操作(ボタン123〜125のいずれかの操作)に応じて、イベントリストの任意の位置cpにあるイベントデータED(cp)に基づくトレース実行処理を行うだけで、直前のカレントメモリの内容に関係なく、イベントデータED(cp)に基づくシーンリコール結果として常に一定のカレントメモリの設定状態を得ることができる。
また、図8の自動実行機能によれば、カレントポインタ118の位置以降の各イベントデータに基づく通常実行処理を自動的に行う。この自動実行機能をトレース実行機能と組み合わせて利用することで、先ずトレース実行機能によりイベントリストの先頭から任意の位置cpのイベントデータED(cp)までのシーンリコールを行ったときの設定状態を再現しておき、その後、位置cp以降の複数のイベントを自動的に実行させることができる。つまり、イベントリストの途中から自動実行するときでも、イベントリストの先頭から自動実行を行った場合と同じ実行結果を得ることができる。
《イベントリスト画面の変形例》
図6のイベントリスト画面において、トレース実行を指示するためのボタン(第2の操作入力用のボタン)としてEXEボタン123のみを設ける構成であってもよい。更に別の構成例として、トレース実行指示用のボタン123〜125を設けずに、イベント実行モードとして「トレース実行モード」のオンオフを切り替えるボタンを設け、「トレース実行モード」がオンのとき、「prev」122、「exe」121、又は「next」120のいずれかの操作に応じて,「PREV」125、「EXE」123、又は「NEXT」124のいずれかが操作されたときと同じトレース実行処理を行う構成、或いは、「トレース実行モード」がオンのとき「exe」121の操作に応じてトレース実行処理を行う構成(「prev」122、及び「next」120の操作は無効とする構成)であってもよい。
なお、イベントリストの途中のイベントデータED(cp)に基づくシーンリコール結果として、直前のカレントメモリの内容に関係なく、常に一定のカレントメモリの設定状態を得ることができるようになる、という本願の効果を得るための構成には、自動実行機能は必須ではない。すなわち、自動実行機能を有さない構成の音響信号処理装置にも本願発明を適用できる。
また、イベントセットのトリガデータは、タイミングコード型に関する「時刻(絶対時刻)」の情報、又は、「インターバル型」に関する相対時間の情報のいずれか1つだけであってもよい。また、イベントセットのトリガタイプがマニュアル型のみであれば、イベントセットのトリガデータは不要である。すなわち、イベントリストは、トリガデータを持たない複数のイベントデータを順番に登録したものであってもよい。
なお、本発明を適用するミキサ1は、操作パネル2、波形I/O6、及びDSP部7が1つの筐体に納められて構成されるものであってもよいし、機能毎に独立した装置をネットワーク経由で接続するミキシングシステムであってもよい。また、操作パネル2は、ディスプレイ、chストリップグループなど機能要素毎に独立しているハードウェアを組み合わせた構造であってもよい。
1 デジタルオーディオミキサ、2 操作パネル、3 操作子、4 電動フェーダ、5 表示器、6 波形I/O、7 DSP部、8 その他I/O、9 バスライン、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、20 アナログ入力部、21 デジタル入力部、22 入力パッチ部、23 入力チャンネル部、24 MIXバス、25 MIX出力チャンネル部、26 出力パッチ部、27 アナログ出力部、28 デジタル出力部、110 イベントリスト、112 シーケンスナンバ表示部、114 トリガデータ表示部、116 イベントデータ表示部、118 カレントポインタ 120〜121 第1の操作用ボタン、123〜125 第2の操作用ボタン、202 ドットマトリクス表示部、227 ホイール、228 エンター・ボタン、300 リコールフィルタ設定画面、301 セーフモードボタン、302 リコールモードボタン、303 入力ch選択部、304 入力chボタン、305 出力ch選択部、306 出力chボタン、307 エフェクタ選択部、308 エフェクタボタン、310 パラメータグループ選択部、310〜320 パラメータグループ選択用のボタン

Claims (5)

  1. 音響信号処理装置の現在の動作を制御するための複数の制御データを記憶するカレント記憶手段と、
    前記カレント記憶手段に記憶された複数の制御データの設定状態を1つのシーンとするシーンデータを複数記憶するシーン記憶手段と、
    順次実行すべきイベントを示す複数のイベントデータを、実行すべきイベントの順番に並べて登録したイベントリスト手段であって、前記イベントデータが前記シーン記憶手段に記憶された1つのシーンのリコールを指示するイベントを示すデータであるものと、
    前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータの各々について、そのイベントでリコールすべきシーンに含まれる前記複数の制御データ全体のうちの一部の制御データをリコールする範囲として指定することで、シーンのリコールを行う範囲を選択的に設定する範囲指定手段と、
    ユーザの第1の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、指定された1つのイベントデータに基づくシーンのリコールを実行する通常実行手段であって、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記指定されたイベントデータに基づいてリコールすべきシーンのシーンデータを特定し、特定されたシーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、当該指定されたイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更する通常実行手段と、
    ユーザの第2の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、該イベントリスト手段に登録された先頭のイベントから前記指定されたイベントまでの複数のイベントデータに基づくシーンのリコールを実行するトレース実行手段であって、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記複数のイベントデータに基づいてリコールすべき各シーンのシーンデータを特定し、特定された各シーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、そのイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更するトレース実行手段
    を備える音響信号処理装置。
  2. 前記イベントリスト手段が、前記イベントデータと当該イベントデータの実行タイミングを示すトリガデータを含む複数のイベントセットを、実行すべきイベントの順番に並べて登録したものであり、
    現在の時刻を示すタイムコードを供給するタイムコード手段と、
    前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントセットのうち1つを指標するカレントポインタ手段と、
    前記イベントリスト手段に基づく順番で自動的に前記イベントセットに基づくシーンのリコールを実行する自動実行手段であって、前記カレントポインタ手段により現在指標されているイベントセット以降の各イベントセットに関して、前記タイムコード手段からのタイムコードが、前記現在指標されているイベントセット以降の各イベントセットに含まれるトリガデータが示す実行タイミングの時刻に達する毎に、そのイベントセットを実行対象に指定して、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記指定されたイベントセットに基づいてリコールすべきシーンのシーンデータを特定し、特定されたシーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、当該指定されたイベントセットに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更し、且つ、前記イベントリスト手段に基づいて、前記カレントポインタ手段より指標するイベントセットを現在位置から次のイベントセットに移動させる自動実行手段
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  3. 前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうち1つを指標するカレントポインタ手段を備え、
    前記通常実行手段が、前記第1の操作に応じて、前記イベントリスト手段に基づいて前記カレントポインタ手段により現在指標されているイベントデータの直後のイベントデータ、前記カレントポインタ手段により現在指標されているイベントデータ、又は、前記イベントリスト手段に基づいて前記カレントポインタ手段により現在指標されているイベントデータの直前のイベントデータのいずれか1つを実行対象に指定すること特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  4. 前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうち1つを指標するカレントポインタ手段と、
    前記トレース実行手段が、前記第2の操作に応じて、前記カレントポインタ手段により現在指標されているイベントデータを実行対象に指定して、前記イベントリスト手段に登録された先頭のイベントから前記実行対象に指定されたイベントデータまでのイベントデータに基づくシーンのリコールを実行することを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  5. 音響信号処理装置の現在の動作を制御するための複数の制御データを記憶するカレント記憶手段と、
    前記カレント記憶手段に記憶された複数の制御データの設定状態を1つのシーンとするシーンデータを複数記憶するシーン記憶手段と、
    順次実行すべきイベントを示す複数のイベントデータを、実行すべきイベントの順番に並べて登録したイベントリスト手段であって、前記イベントデータが前記シーン記憶手段に記憶された1つのシーンのリコールを指示するイベント又は1つの制御信号の出力を指示するイベントを示すデータであるものと、
    前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータの各々について、そのイベントでリコールすべきシーンに含まれる前記複数の制御データ全体のうちの一部の制御データをリコールする範囲として指定することで、シーンのリコールを行う範囲を選択的に設定する範囲指定手段と、
    ユーザの第1の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、前記指定された1つのイベントデータに基づくイベントを実行する通常実行手段であって、指定されたイベントデータがシーンのリコールを指示するデータである場合は、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記指定されたイベントデータに基づいてリコールすべきシーンのシーンデータを特定し、特定されたシーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、当該指定されたイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更し、他方、前記指定されたイベントデータが制御信号の出力を指示するデータである場合は、該指定されたイベントデータに基づく制御信号を出力する通常実行手段と、
    ユーザの第2の操作に応じて、前記イベントリスト手段に登録された複数のイベントデータのうちの何れか1つを実行対象に指定して、指定されたイベントデータがシーンのリコールを指示するデータである場合は、該イベントリスト手段に登録された先頭のイベントから前記指定されたイベントまでの複数のイベントデータに基づくシーンのリコールを実行するトレース実行手段であって、前記シーン記憶手段に記憶された複数のシーンデータの中から、前記複数のイベントデータに基づいてリコールすべき各シーンのシーンデータを特定し、特定された各シーンデータに基づいて、前記カレント記憶手段の記憶する制御データのうち、そのイベントデータに関して前記範囲指定手段により指定された範囲の制御データの値を変更し、他方、前記指定されたイベントデータが制御信号の出力を指示するデータである場合は、該指定されたイベントデータに基づく制御信号を出力するトレース実行手段
    を備える音響信号処理装置。
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