JP2011199350A - アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 交差偏波レベルを低減し、また、指向性利得の最適化と整合とを両立することを可能にするアンテナを提供する。
【解決手段】 平板状の誘電体基板1の裏面に地導体2を具備するアンテナにおいて、地導体2と対向して誘電体基板1の表面に設けられ、所定の周波数で共振し、外縁部が円形状の放射導体3と、放射導体3の中心に設けられた給電点8と、放射導体3にスリット9A、9Bをそれぞれ設けることにより形成され、給電点8と電気的に接続されているとマイクロストリップ線路4、5を備え、マイクロストリップ線路4、5は、給電点8を中心にして対称に、放射導体3の外縁部に向けて、かつ、外縁部8から所定の距離だけ離れて設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は平面状に形成されたアンテナに関する。
平面状のアンテナとして、衛星等からの電波を受信する高次モードパッチアンテナがある。こうした従来のアンテナを利用したアンテナ装置がある(例えば、特許文献1参照。)。このアンテナ装置は、円錐状の円偏波ビームを発生して、静止衛星からの電波を受信する。また、次のようなアンテナ装置がある(例えば、特許文献2参照。)。このアンテナ装置は、TM110モードとTM210モードの二つの放射素子を組み合わせて、ビーム方向を制御している。
これらのアンテナ装置に使用されているアンテナには、例えば図12に示すものがある。なお、図12(a)のV−V断面が図12(b)である。図12のパッチアンテナは、所定の誘電率を持つ平板状の誘電体基板101を備えている。誘電体基板101の裏面には、アース側に接続される地導体102が設けられている。地導体102は、薄平板状の導電体である。誘電体基板101の表面には、円板状の放射導体103が設けられている。放射導体103は、誘電体基板101を介在して、地導体102と向かい合うように配置されている。
放射導体103の表面には、アンテナの給電点104が設けられている。なお、一般的に給電点には、アンテナが受信した電波による高周波信号または電波を送信する際の高周波信号が加えられる。アンテナの給電点104は、放射導体103の中心Oからオフセット距離rだけ離れた位置に設けられている。給電点104の部分には、誘電体基板101と放射導体103とを貫通する貫通孔104Aが空けられている。地導体102には、貫通孔104Aと同心で、かつ、貫通孔104Aに比べて大口径の開口102Aが空けられている。地導体102の開口102Aの部分には、接続具105が取り付けられている。接続具105は例えばパッチアンテナが受信した高周波信号を同軸ケーブルに流すためのものである。接続具105の同軸線路の外側導体105Aは地導体102に電気的に直接接続され、同軸線路の内側導体105Bは、開口102Aと貫通孔104Aを通って放射導体103に半田104Bで電気的に直接接続されている。内側導体105Bは、地導体102の開口102Aに端部が挿入されているテフロン(登録商標)等の絶縁体105Cにより、地導体102と外側導体105Aとから絶縁されている。そして、接続具105の外側導体105Aが、ネジ止め等で同軸ケーブルの外部導体と電気的に接触し、接続具7の内側導体105Bの挿入孔105Dに同軸ケーブルの内部導体が挿入されて、内側導体105Bが同軸ケーブルの内部導体に電気的に接触される。
この従来の高次モードパッチアンテナは、給電点104の内側導体105Bである給電ピンにて励振し、図13に示すように、高次モード(TM21モード)の電流分布を放射導体103上に形成する。これにより、高次モードパッチアンテナは、図14に示すような、天頂方向(Z軸方向)にヌル(不感点)を持ち、仰角斜め方向に放射ビームの最大値を持つ、円錐状の指向性を発生している。このとき、放射導体103は、通常の一次モード(TM11モード)の場合に対して、二倍の大きさである。一次モード(TM11モード)の電界分布と磁界分布とを図15に示す。この場合、天頂方向に放射ビームの最大値が向くことになる。一般的な単峰指向性のパッチアンテナはこのモードである。
特開2000−252739号公報 特開平6−334427号公報
ところで、従来のパッチアンテナには、次の課題がある。図12に示す形状の場合は、給電点104とパッチ中心Oとを含む面内(YZ面)でZ軸を中心としてみると、給電がY軸のマイナス方向つまり片側だけである。このために、XZ面内の指向性が左右非対称となり、交差偏波が発生しやすい、という問題がある。図16に示す理想的な円錐形指向性に対して、先の図14に示すように、天頂方向のヌルが浅くなり、交差偏波が発生する。
さらに、先の図12に示す従来の形状では、給電点104の位置を放射素子の中心Oからオフセットさせて、アンテナの入力インピーダンスを、図17に示すように、50オームに整合させている。なお、図17は50オームで正規化されており、以下のスミスチャートも同様である。
しかし、オフセットさせた給電位置は、放射導体103上の電流分布が最適な状態となる給電位置とは異なる、という課題がある。つまり、最適な円錐ビーム指向性が得られるように給電位置を選ぶと、入力インピーダンスが50オームとならない。図18にアンテナ指向性利得の周波数特性の例を実線で示す。このように、指向性利得の最大値が中心周波数に一致するように給電点位置を選ぶと、つまり、放射素子上の電流分布が最適となるようにすると、その際の入力インピーダンスは図19に示すような値となる。つまり図19では、スミスチャート上のプロットが中心を通らないので、整合が取れていない状態となる。この給電点の不整合損を含む実効利得の周波数特性を、先の図18に破線で示す。また、この場合の中心周波数における指向性を図20に示す。ここでは、天頂方向にヌルが形成されているが、不整合損により利得が低下している。先の図18に実線で示す指向性利得のピークと破線で示す実効利得のピークを限りなく近づけることが理想であるが、この矛盾する二つの位置はトレードオフの関係にある。
この発明の目的は、前記の課題を解決し、交差偏波レベルを低減し、また、指向性利得の最適化と整合とを両立することを可能にするアンテナを提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、平板状の誘電体基板の裏面に地導体を具備するアンテナにおいて、前記地導体と対向して前記基板の表面に設けられ、所定の周波数で共振し、外縁部が所定形状の放射導体と、前記放射導体の中心に設けられた給電点と、前記放射導体にスリットをそれぞれ設けることにより形成され、前記給電点と電気的に接続されているマイクロストリップ線路とを備え、前記マイクロストリップ線路は、前記給電点を中心にして対称に、前記放射導体の外縁部に向けて、かつ、外縁部から所定の距離だけ離れて設けられている、ことを特徴とするアンテナである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のアンテナにおいて、前記放射導体は環状の形状であり、前記マイクロストリップ線路は放射導体の内側の環状側面から前記給電点に向けてそれぞれ突出して設けられ、この放射導体に電気的に直接接続され、前記放射導体の環状側面の内部には、前記給電点に電気的に直接接続され、容量を形成する容量パッチが設けられ、前記容量パッチにギャップを設けることで、前記マイクロストリップ線路を前記容量パッチ内に延長して設け、前記容量パッチにより形成した並列容量と、前記ギャップにより形成した直列容量とにより、インピーダンス変換をして給電点を前記マイクロストリップ線路に電気的にそれぞれ接続する変換器を形成する、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のアンテナにおいて、前記容量パッチの広さと、前記ギャップの幅および長さとを基にインピーダンスの変換を調整する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、給電点を放射導体の中心に設け、かつ、給電点を中心に対称位置にマイクロストリップ線路を設けることにより、両方のマイクロストリップ線路に対して給電が対照的に行われる。この結果、指向性については天頂方向に深いヌルを形成することができる。これにより、交差偏波を抑圧した指向性を得ることができる。
請求項2の発明によれば、給電点を放射導体の中心に設けて、天頂方向に深いヌルを形成するので、交差偏波を抑圧することができる。かつ、容量パッチによる並列容量と、ギャップによる直列容量とにより変換器を形成するので、指向性の最適化と給電状態の整合とを行うことができ、しかも理想的な整合状態を実現することができる。
請求項3の発明によれば、容量パッチの広さとギャップの幅および長さと変えることにより、インピーダンス変換の調整を容易に行うことができる。
実施の形態1によるパッチアンテナを示す図であり、図1(a)はアンテナの斜視図、図1(b)は図1(a)のI‐I断面を示す断面図である。 放射導体を拡大した様子を示す平面図である。 インピーダンス変換の等価回路を示す回路図である。 静電容量を説明する図であり、図4(a)は平行平板キャパシターを説明する図、図4(b)はインターデジタルキャパシターを説明する図、図4(c)はインターデジタルキャパシターの実際の等価回路を示す図である。 本発明のパッチアンテナの指向性の一例を示す、ピークでノーマライズした図である。 本発明のパッチアンテナの入力インピーダンス特性を示すスミスチャートである。 本発明のパッチアンテナの利得周波数特性を示す図である。 本発明のパッチアンテナの指向性の実測値を示す図であり、図8(a)はX−Z面指向性を表す図、図8(b)はY−Z面指向性を表す図である。 本発明のパッチアンテナの入力インピーダンス特性の実測値を表す図である。 実施の形態1の変形例を示す斜視図である。 実施の形態2によるパッチアンテナを示す図であり、図11(a)はアンテナの斜視図、図11(b)は図11(a)のII‐II断面を示す断面図である。 従来の高次モードパッチアンテナを示す図であり、図12(a)はアンテナの斜視図、図12(b)は図12(a)のV‐V断面を示す断面図である。 TM21モードの電界分布と磁界分布の例を示す図である。 図12のTM21高次モードパッチアンテナの指向性の実際例を示す図である。 TM11モードの電界分布と磁界分布の例を示す図である。 TM21高次モードパッチアンテナの指向性理論値を基にした指向性を示す図である。 図12のアンテナの入力インピーダンス特性を示すスミスチャートである。 アンテナ指向性利得の周波数特性を示す図である。 アンテナの入力インピーダンス特性を示すスミスチャートである。 アンテナの指向性の例を示す図である。
次に、この発明の実施の形態について、高次モード(TM21)のパッチアンテナを例として詳しく説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態によるパッチアンテナを図1に示す。なお、図1(a)はアンテナの斜視図であり、図1(b)は図1(a)のI−I断面を表す。図1のパッチアンテナは、誘電体基板1と、地導体2と、放射導体3と、マイクロストリップ線路4、5と、容量パッチ6と、接続具7とで構成されている。
誘電体基板1は、所定の誘電率と厚さaとを持つ、平板状の絶縁部材で作られている。誘電体基板1の裏面には、地導体2が設けられている。地導体2は、薄い平板状の導体で作られ、アース側に接続される。この実施の形態では、誘電体基板1の裏面を、導体として銅で被覆することにより、地導体2が形成されている。
誘電体基板1の表面には、外縁部と内縁部とが円形をした環状の放射導体3が設けられている。放射導体3は、厚さが値bである薄い平板状の導体で作られ、地導体2と対向するように、誘電体基板1の表面に設けられている。この実施の形態では、誘電体基板1の表面に、導体として銅を環状に被覆することにより、放射導体3が形成されている。つまり、表面に銅を被覆した基板を加工して、放射導体3を形成する。以下の部材についても同様に銅基板を加工して形成される。放射導体3は、例えば衛星からの電波を受信するために、所定の周波数で共振する。この放射導体3と誘電体基板1と地導体2とにより、TM21高次モードパッチアンテナの本体部が形成されている。なお、放射導体3の外縁部と内縁部とは四角であってもよい。
マイクロストリップ線路4は、放射導体3の内側の環状側面から中心に向けて突出して設けられている。マイクロストリップ線路4は、細長形状をした、厚さが値bである薄い平板状の導体で作られ、誘電体基板1の表面に設けられている。この実施の形態では、銅基板を加工することにより、放射導体3と一体でマイクロストリップ線路4が形成される。マイクロストリップ線路4は、例えば放射導体3が受信することで発生する高周波信号を流すためのものである。
マイクロストリップ線路5は、放射導体3の環状の中心に対して、マイクロストリップ線路4とは対称位置に、つまり、放射導体3の内側の環状側面に沿ってマイクロストリップ線路4を180度移動した位置に、放射導体3の内側の環状側面から中心に向けて設けられている。マイクロストリップ線路5は、マイクロストリップ線路4と同様であり、放射導体3と一体で形成されている。マイクロストリップ線路5は、マイクロストリップ線路4と同じように、例えば放射導体3が受信することで発生する高周波信号を流すためのものである。
これらのマイクロストリップ線路4、5により、放射導体3に対して電力分配器と二本の給電線を代替している。従来であれば、給電点をYZ面内の対象位置二ヶ所に設けて、放射導体上の電流分布の対象性を高めることで、XZ面内の指向性が乱れることを回避する。そのために、通常は放射導体の二ヶ所に設けた給電点に対して地導体板の裏側に二本の給電線と電力分配器を設ける必要がある。しかし、この実施の形態では、マイクロストリップ線路4、5によりこれらを省くことができる。
接続具7は外側導体7Aと内側導体7Bとを備えている。接続具7は、高周波信号を伝送するための同軸ケーブルを接続するためのものであり、アンテナの本体部に給電点8を次のようにして形成する。放射導体3の環状の中心には、誘電体基板1と容量パッチ6の後述するパッチ素子6Cとを貫通する貫通孔8Aが空けられている。地導体2には、貫通孔8Aと同心で、かつ、貫通孔8Aに比べて大口径の開口2Aが空けられている。開口2Aの部分には、図12の接続具105と同様の接続具7が取り付けられている。接続具7の外側導体7Aは地導体2に電気的に直接接続され、内側導体7Bは、開口2Aと貫通孔8Aを通ってパッチ素子6Cに半田8Bで電気的に直接接続されている。内側導体7Bは、地導体2の開口2Aに端部が挿入されている絶縁体7Cにより、地導体2と外側導体7Aとから絶縁されている。これにより、容量パッチ6に給電点8が形成される。そして、接続具7の外側導体7Aが、ネジ止め等で同軸ケーブルの外部導体と電気的に接触し、接続具7の内側導体7Bの挿入孔7Dに同軸ケーブルの内部導体が挿入されて、内側導体7Bが同軸ケーブルの内部導体に電気的に接触される。
容量パッチ6は、図2に示すように、放射導体3の環状内側とマイクロストリップ線路4、5の外側に、かつ誘電体基板1の表面に形成されている2つの半円部分、および、マイクロストリップ線路4、5が対向して誘電体基板1の表面に形成されている四角形部分の両方に設けられている。2つの半円形部分には、容量パッチ6のパッチ素子6A、6Bが設けられている。パッチ素子6A、6Bは、半円形をした薄い平板状の導体で作られ、放射導体3の環状内側およびマイクロストリップ線路4、5と非接触の状態で誘電体基板1の表面に配置されている。この実施の形態では、銅基板を加工することにより、パッチ素子6A、6Bが形成される。
パッチ素子6Aとパッチ素子6Bとは、パッチ素子6Cによって電気的に直接接続されている。パッチ素子6Cは、四角形をした薄い平板状の導体で作られ、マイクロストリップ線路4、5と非接触の状態で誘電体基板1の表面に配置されている。この実施の形態では、銅基板を加工することにより、パッチ素子6A、6Bと一体でパッチ素子6Cが形成される。これにより、パッチ素子6A〜6Cにより、容量パッチ6が形成されている。
これらのパッチ素子6A〜6Cは、マイクロストリップ線路4、5から距離cだけ離れて設けられ、かつ、マイクロストリップ線路4、5と向かい合う部分の長さがd、eである。つまり、パッチ素子6A〜パッチ素子6Cとマイクロストリップ線路4、5との間には、長さdおよび長さeのコ字状をした幅cのスリット9A、9Bが形成されている。
こうして形成された容量パッチ6は、図3に示すように、マイクロストリップ線路4、5と対向することで、給電点8に対して直列容量Cを形成する。つまり、長さdおよび長さeのコ字状をしたスリット9A、9Bの部分で、直列容量Cが形成される。また、容量パッチ6は、地導体2と対向することで、給電点8に対して並列容量Cを形成する。
並列容量Cは次のようにして算出可能である。一般的に、平行平板の静電容量Cは、図4(a)に示すように、厚さが値hであり、誘電率が値εである基板の上下に、縦が値Lであり、横が値Wである導体板P1、P2を設けた平行平板があるとき、この平行平板の静電容量Cは次の計算式で算出される。
平行平板が容量パッチ6である場合、パッチ素子6A〜6Cの面積を基に、数1式の値「LW」を求める。これにより、数1式を利用して、並列容量Cを算出することができる。
直列容量Cは次のようにして算出可能である。一般的に、図4(b)に示すマイクロストリップ線路がある場合、この線路の端部間で生じる静電容量Cは次の計算式で算出される。
なお、数2式では、値Lがマイクロストリップ素子の長さであり、値wがマイクロストリップ素子の並んでいる幅である。値εはマイクロストリップ素子が設けられている基板の誘電率である。値xはマイクロストリップ素子の幅と間隔であり、値tはマイクロストリップ素子の厚さである。さらに、値Nはフィンガーの数である。この数2式を基に直列容量Cを算出することが可能である。なお、マイクロストリップ線路の場合、この線路の端部間で生じる静電容量Cについては、図4(c)の等価回路に示すCを直列容量として使うが、容量Cと抵抗Rが僅かに生じる。実際には、並列容量としての並行平板と組み合わせた状態で、電磁界解析して寸法を最適化する。
容量パッチ6においては、マイクロストリップ線路4、5と共に直列容量Cを給電点8に対して形成し、誘電体基板1と共に並列容量Cを給電点8に対して形成するので、容量パッチ6の形状と、スリット9A、9Bの幅cおよび長さd、eを調整することにより、先の図3に示すように、直列容量Cと並列容量Cの値を調整することができる。つまり、給電点8のインピーダンスを値Zinとし、アンテナの入力インピーダンスZとすれば、次の式により、アンテナの入力インピーダンスZと給電点8のインピーダンスZinとの整合をとることができる。
つまり、直列容量Cと並列容量Cとにより、入力インピーダンスを50オームに変換するインピーダンス変成器を形成する。具体的には、この実施の形態である、円環状のTM21高次モードパッチアンテナの入力インピーダンスZを、直列容量Cと並列容量Cで分圧し、給電点のインピーダンスZinを50オームに変換する。
上記構成のパッチアンテナについて、指向性を計算すると、図5のようになる。この指向性では天頂方向で深いヌルが形成されていることから、交差偏波が抑圧された、良好な指向性が得られていることが判る。つまり、従来の課題である交差偏波の抑圧が達成されている、ということを表している。なお、図5はピークでノーマライズされている。
また、入力インピーダンスの計算値をスミスチャート上にプロットしたものを図6に示す。プロットは中心周波数においてスミスチャートの中央を通り、50オームに整合できていることが判る。図7に仰角45度方向の利得の周波数特性を示す。指向性利得に対して、給電点の不整合損を含む実効利得のピーク値が概ね一致していることから、従来の課題である電流分布の最適な状態、つまり指向性の最適化と給電状態の整合という二つを両立させることができている、ということを表している。
この実施の形態によるTM21高次モードパッチアンテナを試作し、実測した指向性を図8(a)と図8(b)とに示す。図8(a)、(b)において、交差偏波が概ねマイナス30dB以下に抑圧されている。さらに図9に試作アンテナの入力インピーダンスの実測値を示す。この図に示すように、プロットが中心付近を通る理想的な整合状態が実現されている。
このように、この実施の形態によれば、給電点8を放射導体3の中心に設け、かつ、給電点8に対して対称位置にマイクロストリップ線路4、5を設けることにより、マイクロストリップ線路4、5の両方に対して給電を対照的に行うので、天頂方向に深いヌルを形成することができる。これにより、交差偏波を抑圧することができ、かつ、指向性の最適化と、直列容量Cと並列容量Cとにより給電状態の整合とを行うことができ、しかも理想的な整合状態を実現することができる。つまり、高い利得を得ながら50オームに整合することができる。また、複雑な給電回路や電力分配器を外付けすること無く、高い利得を得ながら50オームに整合するという、二つの特性を実現することができる。さらに、利得と整合のトレードオフを克服することができるので、コスト、消費電力、重量等の面で有利となる。さらに、この実施の形態によれば、誘電体基板1の両面に銅を被覆した銅基板を用いてアンテナを形成するので、アンテナの製造が極めて容易である。
なお、この実施の形態の変形例としては、例えば図10に示すように、片側だけにマイクロストリップ線路4を設けるパッチアンテナ等の各種のものがある。
(実施の形態2)
この実施の形態によるTM21高次モードパッチアンテナを図11に示す。なお、図11(a)はアンテナの斜視図であり、図11(b)は図11(a)のII−II断面を表す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、実施の形態1の誘電体基板1に形成される表面パターンが簡略化されている。この実施の形態によるパッチアンテナでは、誘電体基板1の表面に円形状の放射導体21が設けられている。この実施の形態では、;実施の形態1と同様に、銅基板を加工することにより、放射導体21が形成される。
放射導体21の中心には、給電点8が設けられている。給電点8と、それを構成する接続具7とは、実施の形態1と同様であるので、これらの説明を省略する。
給電点8を挟むようにして、平行なスリット22、23が放射導体21に設けられている。つまり、円形状の放射導体21上にスリット22、23が二本設けられている。これにより、給電点8を中心にして対称位置に、所定幅で長さが値fのマイクロストリップ線路24、25が形成される。このとき、マイクロストリップ線路24、25の各先端が、放射導体21の外縁部から所定の距離だけ内側に位置するように、マイクロストリップ線路24、25が形成されている。
なお、先にも述べたように、従来であれば、給電点をYZ面内の対象位置二ヶ所に設けて、放射導体上の電流分布の対象性を高める。これにより、XZ面内の指向性が乱れることを回避する。そのために、通常は放射導体の二ヶ所に設けた給電点に対して、地導体板の裏側に二本の給電線と電力分配器を設ける必要がある。しかし、この実施の形態では、二本のスリット22、23を設けてマイクロストリップ線路24、25を形成することで、電力分配器と二本の給電線を代替している。
上記構成のパッチアンテナについて、アンテナ指向性利得の周波数特性が先に示した図18と同じになり、入力インピーダンスは先に示した図19と同じになる。さらに、中心周波数における指向性は先に示した図20と同じになる。
このように、この実施の形態によれば、給電点8を放射導体3の中心に設け、かつ、給電点8を中心にして対称位置にマイクロストリップ線路24、25を設けることにより、マイクロストリップ線路24、25の両方に対して給電点8から給電を対照的に行うので、天頂方向の深いヌルを形成することができる。これにより、交差偏波が抑圧された、良好な指向性を得ることができる。また、誘電体基板1の表面に放射導体21およびスリット22、23だけを形成するので、誘電体基板1の表面に形成されるパターンを簡略化することができる。
この発明は、水平面に設置して斜め上方に通信相手が存在する用途、例えば日本のような中緯度地域から静止軌道上の通信衛星にアクセスするような用途に最適である。また、この発明によるアンテナを素子として、配列アンテナを構成することができる。その場合、各素子に移相制御機能を設ければ、斜め上方に高い利得を持つフェーズドアレーアンテナを実現することができる。
1 誘電体基板
2 地導体
3 放射導体
4、5 マイクロストリップ線路
6 容量パッチ
7 接続具
8 給電点
9A、9B スリット

Claims (3)

  1. 平板状の誘電体基板の裏面に地導体を具備するアンテナにおいて、
    前記地導体と対向して前記基板の表面に設けられ、所定の周波数で共振し、外縁部が所定形状の放射導体と、
    前記放射導体の中心に設けられた給電点と、
    前記放射導体にスリットをそれぞれ設けることにより形成され、前記給電点と電気的に接続されているマイクロストリップ線路とを備え、
    前記マイクロストリップ線路は、前記給電点を中心にして対称に、前記放射導体の外縁部に向けて、かつ、外縁部から所定の距離だけ離れて設けられている、
    ことを特徴とするアンテナ。
  2. 前記放射導体は環状の形状であり、
    前記マイクロストリップ線路は放射導体の内側の環状側面から前記給電点に向けてそれぞれ突出して設けられ、この放射導体に電気的に直接接続され、
    前記放射導体の環状側面の内部には、前記給電点に電気的に直接接続され、容量を形成する容量パッチが設けられ、
    前記容量パッチにギャップを設けることで、前記マイクロストリップ線路を前記容量パッチ内に延長して設け、
    前記容量パッチにより形成した並列容量と、前記ギャップにより形成した直列容量とにより、インピーダンス変換をして給電点を前記マイクロストリップ線路に電気的にそれぞれ接続する変換器を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記容量パッチの広さと、前記ギャップの幅および長さとを基にインピーダンスの変換を調整する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
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