JP2011199094A - 半導体集積回路及び半導体集積回路の電源スイッチ制御方法 - Google Patents

半導体集積回路及び半導体集積回路の電源スイッチ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電源スイッチを非導通状態から導通状態に遷移させる時間を最適化できる半導体集積回路及びその電源スイッチ制御方法を提供する。
【解決手段】共通電源配線と、第1の回路と、それぞれ電源スイッチ制御信号に基づいて導通、非導通が制御され共通電源配線と第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチと、電源スイッチ制御信号と複数の電源スイッチとの間に接続され電源スイッチ制御信号が非導通状態から導通状態に遷移するときに電源スイッチ制御信号の遷移をそれぞれ異なった遅延時間だけ遅延させて複数の電源スイッチに伝え複数の電源スイッチをそれぞれ時間をずらして非導通状態から導通状態に遷移させる遅延回路と、各遅延回路の遅延時間の増減を制御する遅延時間制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路及び半導体集積回路の電源スイッチ制御方法に関する。特に、半導体集積回路の内部回路の内、少なくとも一部の回路の電源供給を遮断することのできる電源スイッチを設けた半導体集積回路及びその電源スイッチの制御方法に関する。
半導体集積回路の分野において、微細化が進むにつれて、MOSトランジスタのサブスレッシュホールド領域でのリーク電流が問題となって来ている。従来はCMOSの論理回路であれば、クロックを停止すれば電流はほとんど流れないので、単にクロックを停止するだけで問題のないレベルに低消費電力化できた。しかし、プロセスの微細化、素子数の増大、さらなる低消費電力化の市場の要求に対して、単にクロックを停止するだけでは、低消費電力化が不十分になって来ている。
特に携帯用機器など、低消費電力を要求される機器に用いられる半導体集積回路において、増大するリーク電流に対する対策として、一部の回路について、動作が必要なときにのみ通電し、動作が必要のないときには、電源を遮断してリーク電流が流れないようにするパワーゲーティングの技術が用いられるようになって来ている。このパワーゲーティングは、電源を遮断する回路を第1の回路としたときに、半導体集積回路内部の共通電源配線と第1の回路との間に電源スイッチを設け、第1の回路が動作していないときには、その電源スイッチを非導通として、第1の回路に対する電力の供給を遮断する。一方、第1の回路の動作が必要なときは、電源スイッチを導通状態に制御し、共通電源配線から第1の回路に電源を供給する。この様に制御することにより、第1の回路によるリーク電流を削減することができる。また、電源スイッチをトランジスタで構成する場合に、電源スイッチを構成するトランジスタ自体のリーク電流が問題になる場合は、電源スイッチを構成するトランジスタを、たとえば第1の回路に用いられるトランジスタよりリーク電流の少ない、たとえば閾値電圧の高いトランジスタを用いることができる。この様にすれば、第1の回路には、閾値電圧の低いリーク電流は大きくても高速に動作するトランジスタを用い、電源スイッチには、閾値電圧の高い動作速度は遅くともリーク電流の小さいトランジスタを用いることができる。
この様な電源スイッチを用いた半導体集積回路において、第1の回路の電源を遮断しているときに、第1の回路の動作が必要になった場合、速やかに第1の回路を動作させるためには、電源スイッチの非導通状態から導通状態への遷移は速やかであることが必要である。しかし、第1の回路の電源が遮断している状態から通電状態への変化が急峻であると、電源スイッチを導通させる時に大電流が突入電流として流れ、他の回路が誤動作する恐れがある。
特許文献1には、この突入電流による誤動作を防ぐため、突入電流の上限値をあらかじめ決め、電源スイッチを非導通の状態から導通状態に遷移するときに、突入電流がその上限値を超えないように回路を設計する半導体集積回路の設計方法が記載されている。
図9は、特許文献1に記載されている電源スイッチ回路の回路図である。図9において、VDDLは半導体集積回路の共通電源配線である。共通電源配線VDDLは半導体集積回路外部電源端子VDDに接続される。また、SW1〜SWnは電源スイッチであり、共通電源配線VDDLと第1の回路(図示せず)の電源端子VSDとの間に接続されている。電源スイッチSW1〜SWnはPMOSトランジスタで構成されている。/ENは電源スイッチSW1〜SWnの導通、非導通を制御する電源スイッチ制御信号であり、/ENがロウレベルのときに各電源スイッチSW1〜SWnは導通するように制御され、/ENがハイレベルのときに各電源スイッチSW1〜SWnは非導通となるように制御される。11−2、11−3〜11−nは遅延回路であり、電源スイッチ制御信号/ENがハイレベルからロウレベルに立ち下がるときに、電源スイッチSW1〜SWnが突入電流の制約を満足し、かつ、できるだけ速やかに各電源スイッチSW1〜SWnが非導通から導通状態に遷移するようにその遅延値を決めることが記載されている。特に、各遅延回路を直列に接続し、直列に接続した各遅延素子により各電源スイッチの導通、非導通を制御するようにしているので、遅延素子の遅延時間によって、各電源スイッチが非導通から導通状態に遷移するタイミングを設定することができる。
特開2008−65732号公報
以下の分析は本発明により与えられる。特許文献1には、突入電流の制約の範囲内で電源スイッチを非導通状態から導通状態へ遷移させる半導体集積回路の設計方法が開示されている。しかし、電源スイッチを備えた半導体集積回路が突入電流により誤動作を発生するか否かをテストする方法は開示されていない。突入電流は一般的に電源電圧が低い場合より高い方が大きくなる。しかし、突入電流による電源電圧変動により誤動作が発生するのは、必ずしも電源電圧が高いときとは、限らない。また、突入電流による誤動作をテストするためには、第1の回路以外の動作中の回路のタイミングと第1の回路の電源スイッチを導通させるタイミングに依存し、ワースト条件を見極めてテストすることは困難である。
本発明の第1の側面による半導体集積回路は、共通電源配線と、第1の回路と、それぞれ電源スイッチ制御信号に基づいて導通、非導通が制御され、前記共通電源配線と前記第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチと、前記電源スイッチ制御信号と前記複数の電源スイッチとの間に接続され、前記電源スイッチ制御信号が非導通状態から導通状態に遷移するときに、前記電源スイッチ制御信号の前記遷移をそれぞれ異なった遅延時間だけ遅延させて前記複数の電源スイッチに伝え、前記複数の電源スイッチをそれぞれ時間をずらして非導通状態から導通状態に遷移させる遅延回路と、前記各遅延回路の遅延時間の増減を制御する遅延時間制御部と、を備える。
本発明の第2の側面による半導体集積回路の電源スイッチ制御方法は、共通電源配線と、第1の回路と、前記共通電源配線と前記第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチとを含む半導体集積回路において、前記半導体集積回路の機能テストの途中で、前記複数の電源スイッチが非導通であり前記第1の回路に電源が供給されていない状態から第1の時間をかけて、前記複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御し、前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるテストを行い、前記テスト以外の場合に前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるときは、前記第1の時間より所定の時間だけ長い第2の時間をかけて、前記複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御する。
本発明によれば、共通電源配線と、第1の回路と、前記共通電源配線と前記第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチとを含む半導体集積回路において、電源スイッチを遮断状態から通電状態に遷移する時間についてテスト時には、通常使用時と異なる時間に設定してテストすることができる。したがって、ワースト条件でテストすることもできる。
本発明の実施例1による半導体集積回路のブロック図である。 実施例1における遅延回路の第2の例を示す回路ブロック図である。 実施例1における遅延回路の第3の例を示す回路ブロック図である。 実施例1における遅延回路の第4の例を示す回路ブロック図である。 実施例1における遅延回路の第5の例を示す回路ブロック図である。 実施例1におけるテスト方法の処理フロー図である。 実施例2による半導体集積回路の主要部のブロック図である。 実施例2におけるテスト方法の処理フロー図である。 従来の電源スイッチ回路の回路図である。
最初に本発明の好ましい実施形態について概説し、その後で各実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、実施形態の概説において引用する図面及び図面の符号は実施形態の一例として示すものであり、それにより本発明による実施形態のバリエーションを制限するものではない。
実施形態1による半導体集積回路は、上記第1の側面に記載したとおりである。一例を挙げれば図1に示すように、電源スイッチ制御信号/ENに基づいて並列に接続された複数の電源スイッチSW1〜SWnの導通、非導通が制御されるが、電源スイッチ制御信号/ENが非導通状態から導通状態に遷移するときに、遅延回路40により複数の電源スイッチSW1〜SWnをそれぞれ時間をずらして非導通状態から導通状態に遷移させる。この遅延回路により、電源スイッチが導通状態に遷移するときの突入電流が避けられる。さらに、遅延回路の遅延時間が遅延時間制御部50により制御可能に構成されているので、テスト時に、突入電流を通常動作時より厳しい条件に設定してテストすることができる。
また、好ましい実施形態による半導体集積回路100は、一例を挙げれば図1に示すように、複数の電源スイッチSW1〜SWnがすべて非導通に制御され、前記共通電源配線から第1の回路への電源の供給が遮断されているときにも共通電源配線20から電源が供給されて動作する第2の回路32をさらに備える。そのような半導体集積回路において、電源スイッチSW1〜SWnが非導通状態から導通状態に遷移し、突入電流が流れると共通電源配線20の電位が変動し、第2の回路が誤動作する可能性が生じるので、テスト時に、突入電流を通常動作時より厳しい条件に設定して、第2の回路の誤動作の有無をテストすることができる。
また、好ましい実施形態による半導体集積回路100において、一例を挙げれば図1に示すように、遅延時間制御部50がテスト時に遅延回路40の遅延時間を減少させ、電源スイッチ制御信号/ENが非導通状態から導通状態に遷移してから複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に遷移させるまでの時間を短くしてテストすることができる。すなわち、遅延回路40は遅延時間が遅延時間制御信号TMにより容易に遅延時間が制御できる構成とされる。テスト時に遅延時間制御信号TMを制御して電源スイッチが非導通状態から導通状態に遷移する時間を短くしてテストできるので、突入電流をより厳しい条件でテストすることができる。
また、一実施形態による半導体集積回路100は、一例を図1、図7に示すように、遅延時間制御部50が、遅延回路40の遅延時間を増減させてテストすることができるテストモードと、遅延回路40の遅延時間を固定させる通常動作モードを備えることが好ましい。上記構成によれば、テストモードにおいて、遅延回路の遅延時間を増減させてテストすることができるので、通常動作モードにおける電源スイッチが非導通の状態から導通状態に遷移する時間に対して、マージンを持たせてテストすることができる。例えば、図7に示すように2ビットの信号(TM1、TM2)により遅延回路40の遅延値を制御すれば、4通りの値に遅延回路40の遅延時間を設定してテストすることができる。
また、一実施形態による半導体集積回路は、一例を図7に示すように、不揮発性メモリ51をさらに備え、テストモードにおいて、遅延回路40の遅延時間を増減させてテストしたテスト結果に基づく遅延時間制御値を不揮発性メモリ51に記憶し、通常動作モードにおいて、遅延時間制御部50は、不揮発性メモリ51から読み出した遅延時間制御値に基づいて、遅延回路40の遅延時間を制御することが好ましい。上記構成によれば、テスト結果に基づいて、一定のマージンを持たせた遅延回路40の遅延時間制御値を不揮発性メモリ51に書き込み、通常動作モードでは、不揮発性メモリに書き込んだ遅延回路の遅延時間制御値により、各電源スイッチが非導通状態から導通状態に遷移するタイミングを遅らせることができる。
また、一実施形態による半導体集積回路100において、図1乃至図5、及び図7にいくつか例を示すように、遅延回路40が直列に接続された複数の遅延素子(41−2〜41−n等)を備え、直列に接続された複数の遅延素子の初段の入力には前記電源スイッチ制御信号/ENが接続され、複数の電源スイッチSW1〜SWnには、それぞれ直列に接続された複数の遅延素子のいずれかの入力または出力信号が接続されていることが好ましい。上記構成によれば、複数の電源スイッチSW1〜SWnを、一定の時間差を持って非導通状態から導通状態に遷移させることができるので、突入電流の増大を防ぐことができる。また、各遅延素子の遅延時間を制御することにより、比較的容易に電源スイッチSW1〜SWnが非導通状態から導通状態に遷移する時間を制御することができる。
また、一実施形態による半導体集積回路100において、一例を図4、図7に示すように、遅延回路40は、直列に接続された複数の遅延素子のうち、一部の遅延素子(例えば、図4の44−2b、44−3b、44−nb、図7の46−2b、46−2d)をバイパスして遅延時間を短縮するバイパススイッチ(例えば、図4の44−2c、44−3c、44−nc、図7の46−2c、46−2e)が設けられており、遅延時間制御部50は、バイパススイッチを制御することにより遅延時間の増減を制御することが好ましい。上記構成によれば、遅延時間制御信号TM、TM1、TM2によって容易に遅延回路40の遅延時間を制御することができる。
また、一実施形態による半導体集積回路において、一例を図5に示すように、遅延素子45−2〜45−nは、容量素子45−2c、45−3c、45−ncを備えており、遅延時間制御部は、容量素子のバイアス電圧を制御することにより容量素子の容量値を制御して前記遅延時間の増減を制御する。上記構成によれば、遅延時間制御部が出力する遅延時間制御信号TMが各容量素子に接続されている。たとえば、MOSダイオードは、端子間の電圧により容量値が異なることが知られているので、遅延時間制御信号TMを容量素子のDCバイアス電圧として与えることにより、容量素子の容量値を変化させ、その容量値の変化によって、遅延素子の遅延時間を制御することができる。
さらに、一実施形態による半導体集積回路の電源スイッチ制御方法は、一例として図1、図6を参照すると、共通電源配線(図1の20参照)と、第1の回路31と、共通電源配線20と第1の回路31との間を並列に接続する複数の電源スイッチSW1〜SWnとを含む半導体集積回路100において、半導体集積回路の機能テストの途中で、複数の電源スイッチが非導通であり第1の回路に電源が供給されていない状態から第1の時間をかけて、複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御し、前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるテストを行い(図6参照)、テスト以外の場合に第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるときは、第1の時間より所定の時間だけ長い第2の時間をかけて、複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御する。例えば、図1の遅延時間制御部50は、テスト信号TESTを受けて、遅延時間制御信号TMを制御することにより、テスト時よりテスト以外の時に遅延回路40の遅延時間を一定時間だけ長く制御することにより、電源スイッチを一定の時間だけゆっくりと非導通状態から導通状態に遷移させることができる。上記方法により、テスト時よりテスト以外の通常動作時において、電源スイッチの非導通状態から導通状態への遷移を遅くすることができるので、通常モード時より、テストモード時において、より突入電流の多いより厳しい条件によりテストすることができる。
また、半導体集積回路100は共通電源配線20から電源が供給されて動作する第2の回路32をさらに備え、テストモードにおいて、第2の回路32の動作中に第1の回路31を電源遮断状態から通電状態に遷移させる制御を行い、第1の回路31の通電状態への遷移によって第2の回路の動作に異常が生じないことをテストする。一例を挙げれば、図6に示すように、電源スイッチをすべて遮断し(ステップS1)、第2の回路を初期設定(ステップS2)した後に電源スイッチを導通させて第1の回路に電源を供給し(ステップS3)、電源スイッチの導通による突入電流の影響により第2の回路が誤動作したか否かをテストすることができる(ステップS4)。
さらに、図8に一例を示すように、テストモードにおいて第2の回路32が正常動作する第1の時間の最短値を求め、最短値に動作余裕を持たせて第2の時間を決定することもできる。図8では、正常動作する遅延時間の最短値がステップS12のYesの場合に求められ、そのテスト結果に基づいて不揮発性メモリ(図7の51)に通常動作時の遅延値を設定する。通常動作時には、遅延時間制御部50は、その不揮発性メモリに設定された値に基づいて遅延回路の遅延値を制御することにより、テスト結果に基づいて遅延値を設定することができる。
以上で実施形態の概説を終了し、以下、実施例について、図面に基づいてより詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1は、実施例1による半導体集積回路のブロック図である。図1において、半導体集積回路100は、第1の回路31と、第2の回路32とを備えている。第1の回路31の電源端子VSDが電源端子VDDに接続された共通電源配線20から並列に接続された複数の電源スイッチSW1〜SWnを介して供給されるのに対して、第2の回路32の電源VDDLは、共通電源配線20に直接接続されている。また、第1の回路31と第2の回路32には、共通接地配線GNDLを介して接地端子GNDに接続されている。なお、半導体集積回路100の内部には、第1の回路31、第2の回路32以外の他の回路も備えていてもよいが、図1では第1の回路、第2の回路以外の回路は、記載を省略している。
電源端子VDD、接地端子GNDは、それぞれ半導体集積回路100の外部接続端子であり、電源端子VDDと接地端子GNDから半導体集積回路100の内部回路に電源が供給される。半導体集積回路100には、電源端子VDD、接地端子GND以外にも外部接続端子を備えているが、図1では、記載を省略している。電源端子VDDは、半導体パッケージや半導体チップ内部の寄生容量C、寄生抵抗R、寄生インダクタンスLを介して半導体チップ内部の共通電源配線20に接続されている。同様に、接地端子GNDは、半導体パッケージや半導体チップ内部の寄生容量C、寄生抵抗R、寄生インダクタンスLを介して半導体チップ内部の共通接地配線GNDLに接続されている。
電源スイッチSW1〜SWnは、第1の回路が動作しないときには、非導通となり、共通電源配線20から第1の回路31への電源供給を停止する。一方、第1の回路31が動作するときは、電源スイッチSW1〜SWnは導通状態となり、電源スイッチSW1〜SWnを介して電源端子VDDから共通電源配線20と電源スイッチSW1〜SWnを介して第1の回路31へ電源が供給される。電源スイッチW1〜SWnが非導通となるときは、第1の回路への通電が遮断されるので、第1の回路のリーク電流による無駄な電力の消費を抑制することができる。
各電源スイッチSW1〜SWnは、PMOSトランジスタにより構成され、ソースが共通電源配線20、ドレインが第1の回路に接続される。電源スイッチを非導通に制御したときのリーク電流を防ぐため、電源スイッチに用いられるPMOSトランジスタは、第1の回路や第2の回路の論理ゲートに用いられるPMOSトランジスタより閾値の絶対値の高いリーク電流が流れにくいトランジスタを用いてもよい。各PMOSトランジスタの導通、非導通の制御は、電源スイッチ制御部60が出力する電源スイッチ制御信号/ENにより、制御される。基本的には、電源スイッチ制御部60が出力する電源スイッチ制御信号/ENがロウレベルのときに、各電源スイッチSW1〜SWnは導通し、電源スイッチ制御信号/ENがハイレベルのときに、各電源スイッチSW1〜SWnは非導通となるように制御される。電源スイッチ制御信号/ENは、バッファ回路61と遅延回路40を介して各電源スイッチSW1〜WnとなるPMOSトランジスタのゲートに接続されている。詳しく説明すると、電源スイッチ制御部60が出力する電源スイッチ制御信号/ENはバッファ回路61に入力し、バッファ回路61の出力信号が電源スイッチSW1のゲートと遅延回路40に入力する。さらに、遅延回路40の内部では、複数の遅延素子41−2〜41−nが直列に接続されており、各遅延素子により遅延された電源スイッチ制御信号/ENがそれぞれ、SW1以外の残りの電源スイッチSW2〜SWnのゲートに接続されている。この構成により、電源スイッチ制御信号/ENが、ハイレベルからロウレベルに立ち下がった場合、電源スイッチSW1のゲートには、すぐにロウレベルが印加されるのに対して、電源スイッチSW2〜SWnには、それぞれ遅延回路40の直列に接続された遅延素子により遅延された電源スイッチ制御信号/ENが遅れて各電源スイッチのゲートに印加されることになる。したがって、電源スイッチSW1が非導通から導通に制御されるタイミングに対して、電源スイッチSW2〜SWnは、それぞれ遅延素子によって遅れて非導通から導通状態に制御される。この構成により、複数の電源スイッチSW1〜SWnが同時に非導通から導通状態に制御される場合に共通電源配線20から電源スイッチSW1〜SWnを介して第1の回路にいっせいに突入電流が流れるのを避けることができる。
さらに、遅延回路40の各遅延素子41−2〜41−nの遅延値は、遅延制御部50が出力する遅延時間制御信号TMによって制御される。ここでは、遅延時間制御部50には、テストモードか否かを識別するテスト信号TESTが入力されており、遅延時間制御部50は、テストモードのときは、テストモード以外のときに比べて遅延素子41−2〜41−nの遅延時間を一定時間だけ短くするように制御する。
なお、図1の説明において、遅延時間制御部50、電源スイッチ制御部60、バッファ回路61、遅延回路40内部の素子の電源の接続について特に説明しなかったが、上記回路については、常時動作している必要があるので、第2の回路32と同様に直接共通電源配線20と共通接地配線GNDLから電源が供給されることが望ましい。
[実施例1の作用]
図1の半導体集積回路において、各電源スイッチSW1〜SWnが非導通のときは、第1の回路31の電源端子VSDは、第1の回路31内部に流れるリーク電流等によって接地電位GNDに近い電位まで低下する。その状態において、各電源スイッチSW1〜SWnを非導通から導通状態に制御すると、電源端子VDDから共通電源配線20と電源スイッチSW1〜SWnを介して第1の回路31の電源端子VSDへ電流が流れ、図示しない第1の回路31の共通接地配線GNDLとの寄生容量を充電する。このとき、電源スイッチSW1〜SWnの非導通から導通への遷移が急激で、電源スイッチのインピーダンスが急激に低下すると、電源端子VDDと共通電源配線20との間の寄生容量C、寄生抵抗R、寄生インダクタンスLにより、共通電源配線20の電圧が変動する。共通電源配線20は、第2の回路32にも電源を供給する配線であるので、共通電源配線20の電位の変動により、第2の回路32が誤動作する恐れがある。しかし、遅延回路40により、電源スイッチ制御信号/ENがハイレベルからロウレベルに立ち下がったときに、各電源スイッチSW1〜SWnが時間差を持って非導通から導通状態に遷移するので、電源スイッチSW1〜SWn全体としては比較的ゆっくりとインピーダンスが低下することなり、電源スイッチSW1〜SWnの急激なインピータダンスの変化による突入電流を防ぐことができる。
また、図1の半導体集積回路によれば、遅延回路の各遅延素子41−2〜41−nは遅延時間制御信号TMによって、遅延時間が制御可能に構成されている。この構成により、半導体集積回路100のテスト時に、遅延回路の遅延時間を通常使用時より厳しい条件(遅延時間が短く突入電流がより多くなる条件)に設定してテストすることができる。
一般に、電源スイッチを非導通の状態から導通状態への遷移に要する時間を不必要に長くすると半導体集積回路の動作が遅くなるので好ましくない。したがって、この観点からは、突入電流が誤動作を発生しない範囲でできるだけ、短い時間で非導通から導通状態に遷移することが望ましい。しかし、遷移時間を短くしたときに、突入電流により誤動作が起こりうるか否かをテストすることは困難である。
その理由の第1としては、電圧や温度などの条件がどのような条件のときに突入電流による誤動作が発生しやすいか判定が困難なことである。たとえば、電源電圧は高いほうが低いより突入電流が大きくなる。しかし、誤動作が起こりやすいのは必ずしも電源電圧が高く、突入電流が大きい場合とは限らない。例えば、動作速度は、電源電圧が低いほうが条件は厳しくなる。電源電圧が低い場合に、突入電流により電源電圧が最低動作電圧より低い電圧まで低下する恐れがあるならば、電源電圧が低いときの方が突入電流の電流値そのものは小さくても突入電流により誤動作を発生する可能性が高いことも考えられる。
その理由の第2としては、第1の回路の電源スイッチを非導通から導通状態に切り替えるタイミングと、そのときの第2の回路の状態との組み合わせについてワースト条件となる状態の設定が難しいことである。たとえば、第1の回路と第2の回路が、共にマルチプロセッサシステムのCPUであるとする。第1の回路(CPU)の電源スイッチが非導通状態から導通状態に遷移するタイミングとそのときの第2の回路(CPU)が実行する処理は、それぞれのCPUの実行するタスク(ソフトウェア)に依存し、どのような場合がワースト条件であるのかを調べて、ワースト条件に設定してテストすることは困難である。
実施例1の半導体集積回路100は、遅延時間制御信号TMにより、通常動作モードにおいて、実際に電源スイッチが非導通状態から導通状態に遷移するより短い時間で遷移させることができるので、擬似的に突入電流のワースト条件を作り出してテストすることができる。したがって、実施例1の半導体集積回路100によれば、比較的容易に半導体集積回路100が電源スイッチのスイッチングによる突入電流により誤動作を起こすことがあり得るか否かをテストすることができる。
[実施例1における遅延回路40の変形例]
なお、実施例1の遅延回路40の内部の構成については、様々なバリエーションが考えられる。その遅延回路40のバリエーションについて説明する。
図2は、実施例1における遅延回路40の第2の例を示す回路ブロック図である。遅延回路40の内部の構成以外は、図1の半導体集積回路100の構成、動作と同一である。したがって、重複する説明は避け、図1の半導体集積回路100と遅延回路40の内部構成が異なる点のみについて説明する。図1では、各遅延素子41−2〜41−nが直列に接続されていたが、図2では、各遅延素子42−2〜42−nは、バッファ回路61の出力と、各電源スイッチSW2〜SWnのゲートとの間に並列に接続されている。また、各遅延素子42−2〜42−nの遅延時間は、SW1〜SWnの順番で順次非導通状態から導通状態に遷移するように遅延時間の大きさがそれぞれ異なる値に設定されている。すなわち、図1と図2では、遅延回路40内部の遅延素子が直列に接続されているか、並列に接続されているかの違いだけであり、各電源スイッチが非導通の状態から導通状態に遷移する時間等は図1と図2では、変わりはない。時間差を置いて導通させる電源スイッチの数が多い場合は、図2の方が各遅延素子に要求される遅延時間が図1の遅延素子より大きいので、遅延回路のレイアウトに要する面積は、図1の構成より大きくなる。しかし、電源スイッチの数が少なく図2の構成を用いても面積的に大きくならない場合は、図2の遅延回路の構成を用いてもよい。
図3は、実施例1における遅延回路40の第3の例を示す回路ブロック図である。図3では、各電源スイッチSW2〜SWnの導通タイミングを制御する遅延素子が遅延時間の短い遅延素子43−2a、43−3a〜43−naと遅延時間の長い遅延素子43−2b、43−3b〜43−nbが並列に設けられており、並列に設けられた遅延素子のうち、どちらか一方を選択するセレクタ43−2c、43−3c〜43−ncが並列に設けられた遅延素子の後段に設けられており、セレクタを介して各電源スイッチSW2〜SWnのゲートと後段の遅延素子の入力端子に接続されている。また、遅延時間制御信号TMが各セレクタ43−2c、43−3c〜43−ncの選択信号として接続されており、遅延時間制御信号TMの論理レベルによって、並列に設けられた遅延素子のどちらか一方が選択されて後段に出力される。ここでは、テストモードのときに、遅延時間制御信号TMがハイレベルとなり、遅延時間が短い方の遅延素子43−2a、43−3a〜43−naが選択され、非テストモードのときに、遅延時間制御信号TMがロウレベルとなり、遅延時間が長い方の遅延素子43−2b、43−3b〜43−nbが選択される。
図4は、実施例1における遅延回路40の第4の例を示す回路ブロック図である。図4では、各電源スイッチは、二段直列に接続された遅延素子(例えば44−2aと44−2b)の二段目の遅延素子(例えば44−2b)をバイパスするか否かを選択するバイパスセレクタとなるセレクタ44−2c、44−3c、44−ncを介して導通、非導通が制御される。すなわち、テストモードのときは、遅延制御信号TMはハイレベルとなり、遅延素子44−2b、44−3b〜44−nbはバイパスセレクタ44−2c、44−3c、44−ncによりバイパスされて遅延回路40の遅延時間は短く設定される。一方、テストモード以外の通常動作モードのときは、遅延制御信号TMはロウレベルとなり、遅延素子44−2b、44−3b〜44−nbはバイパスされずに、遅延素子44−2b、44−3b〜44−nbの遅延時間も含めた長い遅延時間により、各電源スイッチの導通が非導通状態から導通状態に制御される。図4の遅延回路の構成によれば、遅延素子44−2b、44−3b、44−nbの遅延時間は短い時間でよいので、図3の構成に比べると遅延素子のレイアウト面積を小さくすることができる。
図5は、実施例1における遅延回路40の第5の例を示す回路ブロック図である。図5の直列に接続された遅延素子45−2、45−3〜45−nは、直列に接続された2つのインバータ(45−2aと45−2b等)と2つのインバータ間の接続ノードと遅延時間制御信号TMとの間に接続された可変容量素子45−2c、45−3c〜45−ncにより構成される。可変容量素子45−2c、45−3c〜45−ncは、ゲートがインバータ間の接続ノードに、ドレイン、ソート、バックゲートが遅延時間制御信号TMに接続されたPMOSのMOSダイオード容量である。この可変容量素子45−2c、45−3c〜45−ncは、遅延時間制御信号TMの電圧によって容量値が制御される。遅延時間制御信号TMがハイレベルになると可変容量素子45−2c、45−3c〜45−ncの容量値は小さくなり、各遅延素子45−2、45−3〜45−nの遅延値は小さく制御される。一方、遅延時間制御信号TMがロウレベルになると可変容量素子45−2c、45−3c〜45−ncの容量値は相対的に大きくなり、各遅延素子45−2、45−3〜45−nの遅延値は大きくなるように制御される。
[実施例1のテストモードの動作]
図6は実施例1の半導体集積回路におけるテスト時の処理フロー図である。半導体集積回路のテストにおいては様々なテストが行われるが、図6は半導体集積回路のテストの中でも、電源スイッチを非導通から導通状態に制御するときの突入電流による誤動作の有無のテストに着目した処理フロー図である。ステップS1では、第1の回路31に電源を供給する電源スイッチSW1〜SWnをすべて遮断する。ステップS2では、第2の回路32を初期設定し、電源変動による影響をできるだけ受けやすい状態に設定する。ステップS1、ステップS2は、どの順番で行ってもよいが、ステップS3の前までに、第1の回路の電源は遮断されて電源端子VSDの電圧が接地電圧GNDに近い電圧まで低下しており、第2の回路が電源電圧の変動による影響をできるだけ受けやすい状態に設定しておくことが必要である。ステップS3では、各電源スイッチSW1〜SWnをテストモード以外の通常動作モードより短時間に非導通状態から導通状態に順次制御し、第1の回路を電源の遮断状態から通電状態に遷移させる。ステップS4では、ステップS3による第1の回路の電源投入により、第2の回路が誤動作したか否かをテストする。上記手順によって、第2の回路が誤動作しなかった場合には、テストモード以外の通常動作モードより厳しい突入電流が多くなる条件において誤動作しなかったので、通常動作モードでの突入電流による誤動作が起きないことを比較的容易に保証することができる。
図7は、実施例2による半導体集積回路100Aの主要部のブロック図である。図7には、第1の回路31、第2の回路32、電源端子VDD、接地端子GND等は記載を省略しているが、図示しない部分は、図1に示す実施例1の構成と同様である。図7の実施例2の半導体集積回路100Aは、不揮発性メモリ51を備えており、不揮発性メモリ51は、遅延時間制御部50に接続されている。また、遅延時間制御部50は複数ビットの遅延時間制御信号TM1、TM2を遅延回路40に出力し、遅延回路40は、複数のビットの遅延時間制御信号TM1、TM2によって遅延回路40の遅延時間が制御される点が図1の実施例1とは異なっている。
遅延回路40の内部は、電源スイッチSW1と電源スイッチSW2の導通時の遅延時間を制御する遅延素子のみを図7には、図示しているが、SW3〜SWnの導通、非導通を制御する遅延回路内部の遅延素子の構成は図7に図示するSW2を制御する遅延素子の構成と同一である。電源スイッチSW2の導通タイミングを遅延させる遅延回路40の部分について説明する。遅延素子46−2aの入力信号がバッファ回路61の出力と電源スイッチSW1のゲートに接続され、遅延素子46−2aの出力信号は遅延素子46−2bの入力端子とバイパスセレクタ46−2cの入力端子のひとつに接続される。遅延素子46−2bの出力信号は、バイパスセレクタ46−2cの残りの入力端子に接続される。バイパスセレクタ46−2cの出力信号は、遅延素子46−2dの入力端子とバイパスセレクタ46−2eの入力端子のひとつに接続される。遅延素子46−2dの出力信号は、バイパスセレクタ46−2eの入力端子の残りに接続される。バイパスセレクタ46−2eの出力信号は、電源スイッチSW2のゲートと、図示しない次段の遅延素子の入力端子に接続される。また、バイパスセレクタ46−2cには選択信号として遅延時間制御信号TM1が、バイパスセレクタ46−2eには選択信号として遅延時間制御信号TM2がそれぞれ接続される。
上記構成で、直列に接続された遅延素子46−2a、46−2b、46−2dのうち、遅延素子46−2bをバイパスするか否かは、バイパスセレクタ46−2cを介して遅延時間制御信号TM1によって制御され、遅延時間制御信号TM1がハイレベルのときは、遅延素子46−2bはバイパスされ、遅延時間制御信号TM1がロウレベルのときは、遅延素子46−2bはバイパスされずに直列接続された遅延素子に組み入れられる。同様に、遅延素子46−2dをバイパスするか否かは、バイパスセレクタ46−2eを介して遅延時間制御信号TM2によって制御され、遅延時間制御信号TM2がハイレベルのときは、遅延素子46−2dはバイパスされ、遅延時間制御信号TM2がロウレベルのときは、遅延素子46−2dはバイパスされずに直列接続された遅延素子に組み入れられる。
この構成により、電源スイッチ制御信号/ENをハイレベルからロウレベルに制御して各電源スイッチを非導通状態から導通状態に制御するとき、電源スイッチSW1を導通状態に制御してから電源スイッチSW2を導通状態に制御するまでの時間は、2ビットの遅延時間制御信号TM1、TM2によって以下のように制御することができる。すなわち、遅延時間制御信号TM1、TM2がいずれもロウレベルであるときは、遅延素子46−2a、46−2b、46−2dの遅延時間の合計により決まり、遅延時間制御信号TM1がハイレベル、TM2がロウレベルのときは、遅延素子46−2aと46−2dとの遅延時間の合計時間により決まり、遅延時間制御信号TM1がロウレベル、TM2がハイレベルのときは、遅延素子46−2aと46−2bとの遅延時間の合計時間により決まり、遅延時間制御信号TM1、TM2が共にハイレベルのときは、遅延素子46−2aの遅延時間のみによって決まる。なお、ここでは、パイバスセレクタ46−2c、46−2e及び接続配線の遅延時間は無視している。
すなわち、TM1、TM2の2ビットの遅延時間制御信号によって、4通りに電源スイッチSW1が導通してから電源スイッチSW2が導通するまでの時間を制御できる。なお、上記の説明は、電源スイッチSW1とSW2の間に設けられる遅延回路40の部分とその遅延時間の制御について、説明したが、SW3以降の電源スイッチの導通タイミングを制御する遅延回路40の部分の構成と遅延時間の制御についても上記の説明と同様である。
また、不揮発性メモリ51は、制御時間制御部50に接続される。テストモードでは、遅延時間制御信号TM1、TM2が制御され、遅延回路の遅延時間を変化させてテストを行った判定結果に基づいて、不揮発性メモリ51に遅延時間制御値が記録される。一方、テストモード以外の通常動作時に、半導体集積回路100Aは不揮発性メモリ51に記録されたこの遅延時間制御値に基づいて、遅延時間制御部50が遅延回路40の遅延時間を制御する。このような構成にすることにより、テストモードにおいて、誤動作を起こさない最短の遅延時間を求め、テストモード以外の通常動作モードでは、テストモードで誤動作を起こさないことを確認した遅延回路40の遅延時間に一定のマージンを加えて、電源スイッチを非導通の状態から導通状態に制御することができる。
[実施例2のテストモードの動作]
図8は、実施例2におけるテスト方法の処理フロー図である。図8において、ステップS11では、遅延時間制御部50(図7)は、遅延時間制御信号TM1、TM2をいずれもハイレベルに設定し、遅延回路40の遅延時間を最短に設定する。次にステップS1乃至S4は、図6で説明した実施例1のテストモードの動作と同一である。すなわち、ステップS1では、第1の回路31に電源を供給する電源スイッチSW1〜SWnをすべて遮断する。ステップS2では、第2の回路32を初期設定し、電源変動による影響をできるだけ受けやすい状態に設定する。ステップS3では、各電源スイッチSW1〜SWnを順次導通させ、第1の回路を電源の遮断状態から通電状態に遷移させる。ステップS4では、ステップS3による第1の回路の電源投入により、第2の回路が誤動作したか否かをテストする。
次にステップS12では、ステップS4の結果に基づいて、第2の回路の動作が正常であったか否かを判断する。YES(正常動作と判定)の場合は、遅延回路40の遅延時間を最短に設定しても第2の回路は突入電流による誤動作を生じなかったのであるから、そのときの遅延回路の遅延時間の設定を遅延時間制御値(略して遅延値)として不揮発性メモリ51に書き込んで、テストを終了する。ステップS12でNO(誤動作と判定)の場合は、そのときの遅延回路40の遅延時間が最大に設定されていたか否かを確認する(ステップS14)。遅延回路40の遅延時間が最大に設定されている場合に誤動作した場合は、その半導体集積回路が不良品であると判定してテストを終了する(ステップS16)。遅延回路40の遅延時間が最大値に設定されていない場合は、遅延回路40の遅延時間を長くすれば、突入電流による誤動作を回避できる可能性があるので遅延時間制御部50は、遅延時間設定信号TM1、TM2の設定を変更して遅延回路40の遅延時間が長くなるように設定し、ステップS1へ戻る(ステップS15)。このようにしてステップS13に進んで正常動作したと判定されるか、ステップS16で不良品と判定されるまで遅延回路40の遅延時間を徐々に増加させてテストを繰り返す。
テストモード以外の通常動作モードでは、図8の処理フローによってテスト時にステップS13により不揮発性メモリ51に書き込まれた遅延時間制御値を用いて一定のマージンを加えて遅延時間制御部50により遅延回路40の遅延時間を固定する。なお、遅延時間制御値が不揮発性メモリ51に書き込まれるのは、テストモードでのみ行われ、テストモード以外の通常動作モードでは、不揮発性メモリ51への遅延時間制御値の書き込みは行われず、遅延時間制御値が読み出されるのみである。
なお、不揮発性メモリはどの様な種類の不揮発性メモリであってもよい。例えば、ヒューズ回路でもよいし、フラッシュメモリの一部の領域を用いて記録させてもよい。要は、テスト結果を保存しておくことができ、半導体集積回路の電源を切断した後もデータを保存できるメモリならば、どのようなメモリを用いてもよい。
なお、上記のように本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明の実施例は様々なバリエーションに展開することが可能である。たとえば、実施例1の図1において、共通電源配線20は外部接続端子VDDに直接接続されているが、半導体集積回路の内部に定電圧回路を設けて、その定電圧回路の出力する電圧を共通電源配線へ供給してもよい。そのような場合に、定電圧回路の電流供給能力が限られている場合は、図1のように外部電源端子を直接共通電源配線20に接続するよう、さらに突入電流により、定電圧回路の出力する共通電源配線20の電圧は影響を受けやすくなる。その様な場合は、より電源スイッチの導通により誤動作を生じる可能性がより高いと考えられるので、本発明の効果もより大きなものとなる。
また、第1の回路、第2の回路はどのような回路であってもよい。要は、第1の回路が電源スイッチにより電源が非導通、導通が制御される回路であって、第2の回路は、その第1の回路を非導通の状態から導通状態に制御することにより誤動作を生じうる回路であればどのような回路であってもよい。
また、実施例1の図1では、第2の回路32は、共通電源配線20から直接電源配線が接続されているが、共通電源配線20と第2の回路32との間に別の電源スイッチが存在してもよい。ただし、その別の電源スイッチは、少なくとも電源スイッチSW1〜SWnが非導通状態から導通状態に遷移するときに導通していることがあるものとする。そのような場合は、第1の回路、第2の回路はそれぞれ処理が必要なときには、対応する電源スイッチが導通状態に制御され、処理が必要でないときには、対応する電源スイッチは非導通状態に制御される。
また、上記各実施例では、第1の回路の電源を遮断状態から通電状態に設定した場合に、動作中の第2の回路が誤動作する不良モードについて主に説明したが、第1の回路の電源を遮断状態から通電状態に急速に通電させ、その直後に第1の回路を動作させた場合には、第1の回路自体が正常動作しない場合も考えられる。そのような不良モードに対しても本発明によれば、電源スイッチを非導通状態から導通状態に遷移する時間を変えることができるので、有効である。
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
本発明は、少なくとも回路の一部について、電源の供給、遮断を制御する電源スイッチを用いた半導体集積回路において、広く用いることができる。
20:共通電源配線
31:第1の回路
32:第2の回路
40:遅延回路
41−2〜41−n、42−2〜42−n、43−2a、43−2b、43−3a、43−3b、43−na、43−nb、44−2a、44−2b、44−3a、44−3b、44−na、44−nb、45−2〜45−n、46−2a、46−2b、46−2d:遅延素子
43−2c、43−3c、43−nc:セレクタ
44−2c、44−3c、44−nc、46−2c、46−2e:セレクタ(バイパススイッチ)
45−2a、45−2b、45−3a、45−3b、45−na、45−nb:インバータ
45−2c、45−3c、45−nc:(可変)容量素子
50:遅延時間制御部
51:不揮発性メモリ
60:電源スイッチ制御部
61:バッファ回路
100、100A:半導体集積回路
GND:接地端子
SW1〜SWn:電源スイッチ
VDD、VSD:電源端子
/EN:電源スイッチ制御信号
GNDL:共通接地配線
TM、TM1、TM2:遅延時間制御信号
TEST:テスト信号

Claims (11)

  1. 共通電源配線と、
    第1の回路と、
    それぞれ電源スイッチ制御信号に基づいて導通、非導通が制御され、前記共通電源配線と前記第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチと、
    前記電源スイッチ制御信号と前記複数の電源スイッチとの間に接続され、前記電源スイッチ制御信号が非導通状態から導通状態に遷移するときに、前記電源スイッチ制御信号の前記遷移をそれぞれ異なった遅延時間だけ遅延させて前記複数の電源スイッチに伝え、前記複数の電源スイッチをそれぞれ時間をずらして非導通状態から導通状態に遷移させる遅延回路と、
    前記各遅延回路の遅延時間の増減を制御する遅延時間制御部と、
    を備えることを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記複数の電源スイッチがすべて非導通に制御され、前記共通電源配線から第1の回路への電源の供給が遮断されているときにも前記共通電源配線から電源が供給されて動作する第2の回路をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記遅延時間制御部がテスト時に前記遅延回路の遅延時間を減少させ、前記電源スイッチ制御信号が非導通状態から導通状態に遷移してから前記複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に遷移させるまでの時間を短くしてテストすることを特徴とする請求項1または2記載の半導体集積回路。
  4. 前記遅延時間制御部が、前記遅延回路の遅延時間を増減させてテストすることができるテストモードと、前記遅延回路の遅延時間を固定させる通常動作モードを備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の半導体集積回路。
  5. 不揮発性メモリをさらに備え、
    前記テストモードにおいて、前記遅延回路の遅延時間を増減させてテストしたテスト結果に基づく遅延時間制御値を前記不揮発性メモリに記憶し、
    前記通常動作モードにおいて、前記遅延時間制御部は、前記不揮発性メモリから読み出した前記遅延時間制御値に基づいて、前記遅延回路の遅延時間を制御することを特徴とする請求項4記載の半導体集積回路。
  6. 前記遅延回路は直列に接続された複数の遅延素子を備え、前記直列に接続された複数の遅延素子の初段の入力には前記電源スイッチ制御信号が接続され、前記複数の電源スイッチには、それぞれ直列に接続された複数の遅延素子のいずれかの入力または出力信号が接続されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の半導体集積回路。
  7. 前記遅延回路は、前記直列に接続された複数の遅延素子のうち、一部の遅延素子をバイパスして遅延時間を短縮するバイパススイッチが設けられており、前記遅延時間制御部は、前記バイパススイッチを制御することにより前記遅延時間の増減を制御することを特徴とする請求項6記載の半導体集積回路。
  8. 前記遅延素子は、容量素子を備えており、
    前記遅延時間制御部は、前記容量素子のバイアス電圧を制御することにより容量素子の容量値を制御して前記遅延時間の増減を制御することを特徴とする請求項6または7記載の半導体集積回路。
  9. 共通電源配線と、
    第1の回路と、
    前記共通電源配線と前記第1の回路との間を並列に接続する複数の電源スイッチとを含む半導体集積回路において、
    前記半導体集積回路の機能テストの途中で、前記複数の電源スイッチが非導通であり前記第1の回路に電源が供給されていない状態から第1の時間をかけて、前記複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御し、前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるテストを行い、
    前記テスト以外の場合に前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させるときは、前記第1の時間より所定の時間だけ長い第2の時間をかけて、前記複数の電源スイッチを順次非導通状態から導通状態に制御することを特徴とする半導体集積回路の電源スイッチ制御方法。
  10. 前記半導体集積回路は前記共通電源配線から電源が供給されて動作する第2の回路をさらに備え、
    前記テストモードにおいて、前記第2の回路の動作中に前記第1の回路を電源遮断状態から通電状態に遷移させる制御を行い、前記第1の回路の前記通電状態への遷移によって前記第2の回路の動作に異常が生じないことをテストすることを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路の電源スイッチ制御方法。
  11. 前記テストモードにおいて前記第2の回路が正常動作する前記第1の時間の最短値を求め、前記最短値に動作余裕を持たせて前記第2の時間を決定することを特徴とする請求項9または10に記載の半導体集積回路の電源スイッチ制御方法。
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