JP2011198791A - 太陽電池製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池を生産性よく製造可能な太陽電池製造装置を提供する。
【解決手段】巻出しロール側ガイドローラ13及び巻取りロール側ガイドローラ14に、ローラ洗浄機構20が設けられ、該ローラ洗浄機構20は、それぞれのガイドローラ13,14の基板接触面以外に当接するように配置されている太陽電池製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板を巻き出しロールと巻き取りロール間で往復搬送して基板表面に半導体層を形成する太陽電池の製造装置に関する。
太陽電池の製造方式の一例として、ロールツーロール方式やステッピングロール方式がある。これらの方式では、ロール状に巻取られた基板を引出して各成膜室に順次送り、基板上に成膜室固有の半導体薄膜を成膜、積層して光電変換素子を形成し、太陽電池を製造している。
このような方式に用いる太陽電池製造装置は、巻出しロールを収納した巻出し室と、巻取りロールを収納した巻取り室と、成膜室とで主に構成される。
ところで、光電変換素子は、p層、i層、n層など、複数の半導体層が積層して構成されたものである。このため、例えば、pin接合型の光電変換素子を形成する場合には、一般的に、p層、i層、n層のそれぞれに対応する成膜室が必要で、それ以上に多層に成膜する場合には、多数の成膜室が必要となる。
そこで、下記特許文献1などに記載されるように、基板を巻き出しロール及び巻き取りロール間で往復搬送させ、往路及び復路のそれぞれにおいて、基板表面に半導体層を形成することが行われている。
特開2000−183380号公報
ところで、成膜室から取出された基板上には、成膜ガス由来のSi粉末などの異物が付着している。このため、このような基板を、巻き出しロール及び巻き取りロール間で往復搬送すると、基板に付着している異物が基板からガイドローラなどに転写され、更にガイドローラに転写された異物が、ガイドローラから基板に再度転写することがあった。ガイドローラから基板に異物が転写して、半導体層の一部が損傷した状態で、次の半導体層の成膜を行うと、損傷した部分でリークが発生し易くなり、その結果不良品の発生が増大する問題があった。
よって、本発明の目的は、太陽電池を生産性よく製造可能な太陽電池製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の太陽電池製造装置は、ロール状に巻取られた基板を送り出す巻出しロールと、基板の表面に半導体層を形成する成膜室と、前記成膜室を通過した基板を巻取る巻取りロールと、前記巻出しロール及び前記成膜室の間の基板搬送経路に設けられた巻出しロール側ガイドローラと、前記巻取りロール及び前記成膜室の間の基板搬送経路に設けられた巻取りロール側ガイドローラとを備え、前記基板を前記巻き出しロール及び前記巻き取りロール間で往復搬送し、往路及び/又は復路において、基板表面に半導体層を形成する太陽電池製造装置であって、
前記巻出しロール側ガイドローラ及び前記巻取りロール側ガイドローラに、ローラ洗浄機構が設けられており、該ローラ洗浄機構は、それぞれのガイドローラの基板接触面以外に当接するように配置されていることを特徴とする。
本発明の太陽電池製造装置の前記ローラ洗浄機構は、ブラシ、スポンジ、粘着シート、織布、不織布及びへらから選ばれる一種以上であることが好ましい。
本発明の太陽電池製造装置の前記ローラ洗浄機構は、回転可能に離間して配置された一対のローラに、織布、不織布、スポンジ及び粘着シートから選ばれた一種以上からなるベルトを巻回して構成され、該ベルト面が前記ガイドローラに当接されていることが好ましい。
本発明の太陽電池製造装置は、巻出しロール側ガイドローラ及び巻取りロール側ガイドローラに、それぞれのガイドローラの基板接触面以外に当接するようにローラ洗浄機構が配置されているので、成膜後の基板に付着している異物がガイドローラに転写されても、ローラ洗浄機構によってガイドローラに転写された異物を除去できる。このため、基板を巻き出しロール及び巻き取りロール間で往復搬送しても、ガイドローラに転写された異物が、基板に再度転写するトラブルを抑制できる。また、基板を直接洗浄するわけでないので、洗浄による基板や基板上に形成された半導体層の損傷を低減できる。このため、本発明によれば、不良品の発生量を減らして、生産性よく太陽電池を製造できる。
本発明の太陽電池製造装置の概略構成図である。 ローラ洗浄装置20の一実施形態を表わす概略図である。 ローラ洗浄装置20の他の実施形態を表わす概略図である。
図1は、本発明の太陽電池製造装置の概略構成図である。
図1に示すように、この太陽電池製造装置は、基板10を巻取った巻出しロール11が収容される巻出し室1と、基板10を巻取る巻取りロール12が収容される巻取り室2と、これら巻出し室1と巻取り室2との間で基板10の搬送方向に沿って配置される複数個(本実施形態では3個)の成膜室3,4,5とで主に構成される。
巻出し室1及び巻取り室2には、基板10をガイドしつつ、基板10にかかる張力を均一にするためのガイドローラ13,14が、それぞれ複数個(本実施形態では2個)設けられている。
そして、本発明の太陽電池製造装置では、上記ガイドローラ13,14に、ローラ洗浄装置20が基板接触面以外に当接するように配置されている。
ローラ洗浄装置20は、ガイドローラ13,14に付着している異物を、乾式洗浄できるように構成されているものであれば特に限定されない。例えば、ブラシ、スポンジ、粘着シート、織布、不織布、へら等をそれぞれ単独もしくは2種類以上を組み合わせて用いたものなどが挙げられる。
ローラ洗浄装置20の具体的な一例としては、例えば、図2、3に示すものなどが一例として挙げられる。
図2(a)は、ローラ洗浄装置20aの平面図であり、同図(b)は側面図である。図2に示すローラ洗浄装置20aは、少なくとも表面が、スポンジ、粘着シート、織布、不織布等の材料で構成された洗浄ローラ21からなり、該洗浄ローラ21のローラ軸22の両端と、支持体23との間に設けられたばね等の付勢手段24によって、洗浄ローラ21がガイドローラ13(14)側に向けて付勢されて、ガイドローラ13(14)に当接している。
洗浄ローラ21は、上記した材料をロール状に加工したものであってもよく、ロールの周りに上記した材料を巻きつけてなるものであってもよい。また、洗浄ローラ21は、ローラ軸22の周りを回転可能に支持されていてもよく、ローラ軸22に固定配置されていてもよい。
図3に示すローラ洗浄装置20bは、回転可能に離間して配置された一対のローラ25,25に、スポンジ、粘着シート、織布、不織布等の材料からなるベルト26を巻回して構成されており、このベルト面が、ガイドローラ13(14)に当接している。
図3に示すローラ洗浄装置20bは、ガイドローラ13(14)との接触面積を高めることができるので、ガイドローラ13(14)に付着した異物をより効果的に除去できる。
成膜室3,4,5は、室内に搬送された基板上に、CVD法によって光電変換素子を構成する半導体薄膜(例えば、アモルファスシリコン膜、微結晶シリコン膜など)を成膜して、半導体層を形成するものである。
この実施形態では、図1に示すように、2つの平行平板電極であるカソード電極32とアノード電極31とが互いに間隔を置いて対向して設置されている。アノード電極31は、基板10を加熱するための加熱機構(図示しない)を有し、カソード電極32には、コンデンサを介して高周波電源(図示しない)が接続されている。そして、原料ガス(例えば、シラン及び水素などのSi化合物ガス)Gが、マスフローコントローラ(図示しない)によって流量が制御されて原料ガス導入口33を通してカソード電極32側から基板10に向けてシャワー状に供給され、反応後のガスは、反応ガス排出口34を通して室外に排気されるように構成されている。
すなわち、成膜室3,4,5では、半導体薄膜の成膜時において、室内の圧力を任意の圧力に設定し、アノード電極31で基板10を押さえた状態でカソード電極32に高周波電力を供給してプラズマを発生させ、室内に供給された原料ガスGを分解して基板10の表面上に半導体薄膜を成膜する。
次に、本発明の太陽電池製造装置の動作について説明する。
まず、巻出しロール11及び巻取りロール12を順方向に回転駆動して、巻出しロール11に巻取られた基板10を引出す。巻出しロール11から引き出された基板10は、ガイドローラ13を経由して成膜室3に搬入される。成膜室3に搬入された基板10は、成膜室3、4,5を順次移動して、それぞれの成膜室で半導体薄膜が成膜されて、半導体層が形成される。そして、成膜室5から搬出された基板10は、ガイドローラ14を経由して巻取りロール12に巻取られる。
次に、巻取りロール12に基板10を所定長さ巻取った後、巻出しロール11及び巻取りロール12を逆方向に回転駆動して、巻取りロール12に巻取られた基板10を引出す。巻取りロール12から引き出された基板10は、ガイドローラ14を経由して成膜室5に搬入され、成膜室5、4,3を順次移動して、それぞれの成膜室で半導体薄膜が成膜されて、半導体層が形成される。そして、成膜室3から搬出された基板10は、ガイドローラ13を経由して巻出しロール11に巻取られる。
このようにして、巻出しロール11及び巻取りロール12を、順方向及び逆方向に交互に回転駆動して、基板10を、巻出しロール11と巻取りロール12との間を往復させて、基板10表面に半導体層を形成する。
成膜後の基板表面には、原料ガス由来のSi粉末などの異物が付着しているので、基板10を、巻出しロール11と巻取りロール12との間を往復させる際に、基板に付着した異物がガイドローラ13,14に転写する。
しかしながら、本発明の太陽電池製造装置では、ガイドローラ13,14に転写された異物は、ガイドローラ13,14に当接して配置されたローラ洗浄装置20によって除去されるので、基板10を、巻出しロール11と巻取りロール12との間を往復中に、ガイドローラ13,14に転写された異物が、基板10に再付着されることを防止できる。
このように、本発明の太陽電池製造装置によれば、半導体層の損傷を抑制して、リーク発生等の不良品の発生を抑制できるので、生産性よく太陽電池を製造できる。
なお、この実施形態では、往路(巻出しロール11及び巻取りロール12を順方向に回転駆動させたとき、実線方向)、復路(巻出しロール11及び巻取りロール12を逆方向に回転駆動させたとき、破線方向)のいずれにおいても、それぞれの成膜室で半導体薄膜の成膜を行ったが、成膜室での成膜は、往路又は復路のいずれか一方のみで行ってもよい。例えば、各成膜室にて、n層、i層、p層等の異なる半導体薄膜を成膜した場合、往路と復路とでは、各成膜室で異なる半導体薄膜を成膜する必要が生じる場合がある。このように、一つに成膜室で異なる半導体薄膜を成膜することとなると、その都度成膜室を洗浄する必要が生じ、生産性が損なわれるので、各成膜室で異なる半導体薄膜を成膜する場合は、往路又は復路のいずれか一方向のみで半導体薄膜の成膜を行うことが好ましい。
(実施例)
基板としてプラスチックフィルムを用い、図1に示す太陽電池製造装置を用いて、基板10を、巻出しロール11と巻取りロール12との間を2回往復搬送して光電変換素子を形成して太陽電池を製造した。
得られた太陽電池の良品率を測定したところ、約95%であった。なお、良品率は、リークによる出力ロスを算出し、その値が1%未満のものを良品として判定した。
(比較例)
実施例1において、ガイドローラ13,14の洗浄を行わなかった以外は、実施例と同様にして太陽電池を製造した。この太陽電池の良品率を判定したところ、約25%であった。
1:巻出し室
2:巻取り室
3,4,5:成膜室
10:基板
11:巻出しロール
12:巻取りロール
13,14:ガイドローラ
20、20a、20b:ローラ洗浄装置
21:洗浄ローラ
22:ローラ軸
23:支持体
24:付勢手段
25:ローラ
26:ベルト
31:アノード電極
32:カソード電極
33:原料ガス導入口
34:反応ガス排出口

Claims (3)

  1. ロール状に巻取られた基板を送り出す巻出しロールと、基板の表面に半導体層を形成する成膜室と、前記成膜室を通過した基板を巻取る巻取りロールと、前記巻出しロール及び前記成膜室の間の基板搬送経路に設けられた巻出しロール側ガイドローラと、前記巻取りロール及び前記成膜室の間の基板搬送経路に設けられた巻取りロール側ガイドローラとを備え、前記基板を前記巻き出しロール及び前記巻き取りロール間で往復搬送し、往路及び/又は復路において、基板表面に半導体層を形成する太陽電池製造装置であって、
    前記巻出しロール側ガイドローラ及び前記巻取りロール側ガイドローラに、ローラ洗浄機構が設けられており、該ローラ洗浄機構は、それぞれのガイドローラの基板接触面以外に当接するように配置されていることを特徴とする太陽電池製造装置。
  2. 前記ローラ洗浄機構は、ブラシ、スポンジ、粘着シート、織布、不織布及びへらから選ばれる一種以上である、請求項1に記載の太陽電池製造装置。
  3. 前記ローラ洗浄機構は、回転可能に離間して配置された一対のローラに、織布、不織布、スポンジ及び粘着シートから選ばれた一種以上からなるベルトを巻回して構成され、該ベルト面が前記ガイドローラに当接されている、請求項1に記載の太陽電池製造装置。
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