JP2011196582A - 蒸発器及び冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】デミスタの使用体積を低減することができ、かつ、デミスタの気液分離性能の使用効率が高い蒸発器及び冷凍機を提供する。
【解決手段】蒸発、気化された冷媒を吸入する吸込口25と、吸込口25から吸い込まれた冷媒の気液分離を行うデミスタ24とを備えた回転体形状の気液分離筐体21を有し、気液分離筐体21を同径の2つの円形板22、23から構成し、2つの円形板22、23の間に挟まれた環状で等幅の隙間を吸込口25とし、デミスタ24を、排出管21の中心軸線からの距離が等しい位置にドーナツ状に配置して、吸込口25より内部側の全周を埋めるようにした蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体(例えば、水、ブライン等)と液体状の冷媒との間の熱交換により、流体を冷却すると共に冷媒を蒸発、気化する蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機に関する。
冷凍機は、冷却水と気体状の冷媒との間で熱交換を行わせて、冷媒を凝縮、液化する凝縮器と、凝縮された冷媒を減圧する膨張弁と、凝縮された液体状の冷媒と流体(例えば、冷水等)との間で熱交換を行わせて、流体を冷却すると共に冷媒を蒸発、気化する蒸発器と、蒸発器で蒸発、気化された冷媒を圧縮した後、凝縮器に供給する圧縮機とを備えている。近年、蒸発器にデミスタを設け、蒸発、気化された冷媒をデミスタで気液分離して、気化した冷媒のみを圧縮機へ供給する構成が知られている(特許文献1)。
特開2004−100985号公報
蒸発器において、蒸発、気化された冷媒を気液分離するデミスタは、蒸発器の蒸発面のほぼ全面に渡って配置されている(特許文献1の図2参照)。蒸発器内部で発生する冷媒の蒸気は、液面においては、液面全面でほぼ均等に発生するが、発生した蒸気は、蒸発器の排出管に集まるため、デミスタにおける蒸気の通過流速は、排出管の直下の位置を最大値とし、排出管から離れるほど小さくなる分布を持つ。一方、デミスタにおいては、通過流速がある限界値を超えると、その気液分離性能が急激に悪くなる。そのため、例えば、通過流速が速くなる排出管直下に閉塞板を設けることにより、排出管の近傍において、通過流速が上記限界値より低くなるように構成している。その結果、排出管より離れた場所のデミスタを通過する流速は極めて低くなる(特許文献1の図8参照)。
デミスタは、蒸発器の蒸発面のほぼ全面に渡って配置されているにもかかわらず、気液分離性能の使用効率が高い場所は、排出管の近傍だけであり、排出管より離れた場所では、その使用効率は高くない。又、特許文献1のように、排出管直下に閉塞板を設けた場合には、排出管直下における気液分離性能の使用効率は0である。このように、デミスタとしての使用効率は、全面に渡って、高いわけではない。しかも、デミスタは比較的高価であり、蒸発器の蒸発面のほぼ全面に渡って配置しているため、その製造コストも高いものとなっていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、デミスタの使用体積を低減することができ、かつ、デミスタの気液分離性能の使用効率が高い蒸発器及び冷凍機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る蒸発器は、
液体状の冷媒が供給される容器と、
前記液体状の冷媒中に配置されると共に、内部を流通する流体が前記冷媒により冷却される伝熱管と、
前記流体との熱交換により蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた冷媒の気液分離を行うデミスタとを備え、前記液体状の冷媒の上方に配置された気液分離筐体と、
前記気液分離筐体と連通され、気液分離された後の気体状の冷媒を排出する排出管とを有する蒸発器において、
前記吸込口を、前記排出管の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口し、
前記デミスタを、前記排出管の中心軸線からの距離が等しい位置にドーナツ状に配置して、前記吸込口より内部側の全周を埋めるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る蒸発器は、
上記第1の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、任意の回転体形状の空洞から構成し、
前記吸込口を、前記気液分離筐体の外周部分に配置し、
前記気液分離筐体の中心軸線と前記排出管の中心軸線とが一致するように、前記気液分離筐体を配置したことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、同径の2つの円形板から構成し、
前記2つの円形板の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、異径の2つの円形板と大きい径の前記円形板に外接する円筒から構成し、
小さい径の前記円形板と前記円筒との間に挟まれた隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の上面側に配置したことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、異径の2つの円形板と大きい径の前記円形板に外接する円筒から構成し、
小さい径の前記円形板と前記円筒との間に挟まれた隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の下面側に配置したことを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、同径の2つの円形板と前記2つの円形板より大きい径の円筒から構成し、
前記2つの円形板と前記円筒との間に挟まれた2箇所の隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の上面側及び下面側に配置したことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、円形板の外周部を鈍角に屈曲した同径の2つの皿状部材から構成すると共に、外周部分がテーパ形状となるように、前記2つの皿状部材を配置し、
前記2つの皿状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、2つの円錐状部材から構成し、
前記2つの円錐状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る蒸発器は、
上記第2の発明に記載の蒸発器において、
前記気液分離筐体を、2つの球冠状部材から構成し、
前記2つの球冠状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第10の発明に係る蒸発器は、
液体状の冷媒が供給される容器と、
前記液体状の冷媒中に配置されると共に、内部を流通する流体が前記冷媒により冷却される伝熱管と、
前記流体との熱交換により蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた冷媒の気液分離を行うデミスタとを備え、前記液体状の冷媒の上方に配置された気液分離領域と、
前記気液分離領域と連通され、気液分離された後の気体状の冷媒を排出する排出管とを有する蒸発器において、
平坦時の形状が円形であり、前記容器内面と平行な形状とされた板状部材を、当該板状部材の中心点と前記排出管の中心軸線とが一致するように、前記容器の内側に配置して、前記板状部材と前記容器の一部とから前記気液分離領域を形成し、
前記板状部材と前記容器との間に挟まれた環状で等幅の隙間を前記吸込口とし、
前記デミスタを、前記板状部材の中心点からの距離が等しい位置にドーナツ状に配置して、前記吸込口より内部側の全周を埋めるようにしたことを特徴とする。
なお、上記第10の発明に係る蒸発器において、例えば、気液分離領域を形成する容器内面の形状が平坦であれば、板状部材は円形板となる。又、下記第11の発明に係る蒸発器のように、気液分離領域を形成する容器内面の形状が湾曲していれば、板状部材は、容器内面の湾曲形状と平行になるように、円形板を湾曲させた形状となる。
上記課題を解決する第11の発明に係る蒸発器は、
上記第10の発明に記載の蒸発器において、
前記容器を、軸方向を水平方向とする円筒形状とし、
前記板状部材を、円筒形状の前記容器の内周面と平行になるように、円形板を湾曲させた形状としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第12の発明に係る冷凍機は、
上記第1から第11の発明のいずれかに記載の蒸発器と、当該蒸発器で気化された冷媒を圧縮する圧縮機と、当該圧縮機で圧縮された冷媒を冷却して凝縮、液化する凝縮器と、当該凝縮器で液化された冷媒を減圧する膨張弁とを有することを特徴とする。
本発明によれば、排出管からの距離が等しい位置に、環状に等幅で吸込口を開口すると共に、その吸込口の内部側全周にドーナツ状にデミスタを配置して、排出管からの距離が等しい位置にデミスタを配置するので、蒸発、気化された冷媒のデミスタでの通過流速を、全周に渡って略均一にすることができ、デミスタの気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
又、デミスタがドーナツ形状となるので、容器の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、デミスタの気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができるので、吸込口やデミスタを大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与する。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本発明に係る蒸発器を備えた冷凍機の構成を説明する図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の一例(実施例1)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 図2に示した蒸発器の気液分離筐体の上面図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例2)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例3)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例4)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例5)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例6)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例7)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。 本発明に係る蒸発器の実施形態の他の一例(実施例8)を示す図であり、(a)は断面図、(b)は破断図である。
以下、図1〜図10を参照して、本発明に係る蒸発器及びその蒸発器を備えた冷凍機の実施形態を説明する。
(実施例1)
最初に、本実施例の蒸発器を備えた冷凍機について、図1を参照して説明する。なお、本実施例の蒸発器に限らず、後述の実施例2〜8の蒸発器も、図1に示す冷凍機に適用可能である。
図1に示すように、冷凍機10は、冷却水と気体状の冷媒との間で熱交換を行わせて、冷媒を凝縮、液化する凝縮器11と、凝縮された液体状の冷媒Rを減圧する膨張弁12と、凝縮された液体状の冷媒Rと流体(例えば、冷水等)との間で熱交換を行わせて、流体を冷却する蒸発器13と、蒸発器13で蒸発、気化された冷媒を圧縮した後、凝縮器11に供給する圧縮機14とを備えている。このような構成により、一連の冷凍サイクルが構築される。
蒸発器13は、液化された液体状の冷媒Rが供給される容器15と、容器15内の液体状の冷媒R中に配置されると共に、内部を流体(例えば、冷水、ブライン等。ここでは、冷水とする。)が流通する伝熱管16とを有している。伝熱管16は、実際は、内部を冷水が流通する配管を多数束ねた配管群からなり、例えば、容器15の長手方向に沿って配置されると共に、容器15の端部で折り返すように配置しているが、本発明に直接係る構成では無いので、ここでは、詳細な図示は省略している。
液化された液体状の冷媒Rは、膨張弁12を通過したのち、供給管18を介して、容器15に供給される。液体状の冷媒Rと伝熱管16内を流通する冷水との間の熱交換により、冷水は冷却される一方、冷媒Rは蒸発、気化されることになる。そして、気化した冷媒は、容器15に設けられた排気管17を介して、圧縮機14へ供給されることになる。
そして、本実施例においても、蒸発器13の容器15内に、蒸発、気化された冷媒の気液分離するデミスタを設け、気液分離した後の気体状の冷媒を排出管17から排出するようにしている。
ここで、本実施例におけるデミスタ(デミスタを有する気液分離筐体)の構成について、図2、図3を参照して、説明する。なお、図2(a)は断面図、図2(b)は破断図であり、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略しており、図3においては、気液分離筐体の上面のみを図示している。
容器15は、任意の形状(例えば、直方体形状、球体形状等)でよいが、本実施例では、一例として、その軸方向を水平方向とする円筒形状のものである。又、排出管17は、円筒形状のものであり、本実施例では、容器15を貫通して、鉛直方向に配置されている。
そして、液体状の冷媒Rの上方に気液分離筐体21が配置されて、この気液分離筐体21の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体21と排出管17が連通することになる。
本実施例において、気液分離筐体21は、中心を揃えて平行に配置した同径の2つの円形板22、23から構成されており、2つの円形板22、23の間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口25としている。このような構成により、気液分離筐体21は、略円筒状の形状となっており、側周面全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、円形板22は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、円形板22、23間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体21は、回転体形状となる気液分離筐体21の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口25は、気液分離筐体21の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ24は、気液分離筐体21の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口25より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ24自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口25から気液分離筐体21へ吸い込まれ、吸込口25から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ24で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ24は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ24を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ24の径を設定すれば、デミスタ24の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ24は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ24の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口25、そして、デミスタ24を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
(実施例2)
図4は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図4(a)は断面図、図4(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体31は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体31の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体31と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体31は、中心を揃えて平行に配置した異径の2つの円形板32、33と大きい径の円形板33に外接する円筒34から構成されており、小さい径の円形板32と円筒34との間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口36としている。本実施例の場合、小さい径の円形板32を上面側に配置しており、吸込口36を気液分離筐体31の上面側に配置した構成である。このような構成により、気液分離筐体31は、略円筒状の形状となっており、上面の外周全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、円形板32は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、円形板32、33間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体31は、回転体形状となる気液分離筐体31の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口36は、気液分離筐体31の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ35は、気液分離筐体31の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口36より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ35自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口36から気液分離筐体31へ吸い込まれ、吸込口36から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ35で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ35は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ35を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ35の径を設定すれば、デミスタ35の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ35は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ35の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口36、そして、デミスタ35を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、吸込口36を気液分離筐体31の上面に設けているので、実施例1で示した吸込口25と比較して、容器15の下部にある液体状の冷媒Rの蒸発面からより離れることになり、蒸発、気化された冷媒中の液滴を吸い込みにくくなる。
(実施例3)
図5は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図5(a)は断面図、図5(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体41は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体41の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体41と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体41は、中心を揃えて平行に配置した異径の2つの円形板42、43と大きい径の円形板42に外接する円筒44から構成されており、小さい径の円形板43と円筒44との間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口46としている。本実施例の場合、小さい径の円形板43を下面側に配置しており、吸込口46を気液分離筐体41の下面側に配置した構成である。このような構成により、気液分離筐体41は、略円筒状の形状となっており、下面の外周全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、円形板42は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、円形板42、43間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体41は、回転体形状となる気液分離筐体41の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口46は、気液分離筐体41の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ45は、気液分離筐体41の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口46より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ45自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口46から気液分離筐体41へ吸い込まれ、吸込口46から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ45で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ45は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ45を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ45の径を設定すれば、デミスタ45の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ45は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ45の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口46、そして、デミスタ45を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
実施例1に示した気液分離筐体21では、気液分離された後の液体の冷媒が、気液分離筐体21の底面側、即ち、下面側の円形板23側に溜まりやすく、又、実施例2に示した気液分離筐体31では、気液分離された後の液体の冷媒を排出する構造(例えば、排出口など)を考慮する必要がある。これに対して、本実施例の場合、吸込口46を気液分離筐体41の下面に設けているので、気液分離された後の液体の冷媒は、この吸込口46から自然に排出されて、気液分離筐体41には溜まりにくい構造である。
(実施例4)
図6は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図6(a)は断面図、図6(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体51は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体51の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体51と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体51は、中心を揃えて平行に配置した同径の2つの円形板52、53と2つの円形板52、53より大きい径の円筒54から構成されており、2つの円形板52、53と円筒54との間に挟まれた2箇所の隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口56、57としている。本実施例の場合、円筒54より小さい径の円形板52、53を上面側及び下面側に配置しており、吸込口56、57を気液分離筐体51の上面側及び下面側両方に配置した構成である。このような構成により、気液分離筐体51は、略円筒状の形状となっており、上面及び下面の外周全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、円形板52は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、円形板52、53及び円筒55の間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体51は、回転体形状となる気液分離筐体51の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口56、57は、気液分離筐体51の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ55は、気液分離筐体51の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口56、57より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ55自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口56、57から気液分離筐体51へ吸い込まれ、吸込口56、57から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ55で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ55は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ55を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ55の径を設定すれば、デミスタ55の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ55は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ55の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口56、57、そして、デミスタ55を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、吸込口56を気液分離筐体51の上面に設けているので、この吸込口56からは、蒸発、気化された冷媒中の液滴を吸い込みにくくなり、又、吸込口57を気液分離筐体51の下面に設けているので、気液分離された後の液体の冷媒は、この吸込口57から自然に排出されて、気液分離筐体51には溜まりにくい構造である。加えて、2つの吸込口56、57を設けているので、吸込口56、57の面積を、実施例1〜3に示した吸込口25、36、46よりも大きくすることができ、その結果、吸込口56、57の外径Dを小さくでき、気液分離筐体51自体の外径も小さくすることができる。従って、小さな蒸発器(容器15を大きくできない蒸発器)にも対応可能である。
(実施例5)
図7は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図7(a)は断面図、図7(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体61は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体61の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体61と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体61は、円形板の外周部を鈍角に屈曲した形状である同径の2つの皿状部材62、63から構成されており、中心を揃えて配置すると共に、気液分離筐体61の外周部分がテーパ形状となるように、2つの皿状部材62、63を配置している。そして、2つの皿状部材62、63の間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口65としている。このような構成により、気液分離筐体61は、側周面全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、皿状部材62は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、皿状部材62、63間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体61は、回転体形状となる気液分離筐体61の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口65は、気液分離筐体61の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ64は、気液分離筐体61の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口65より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ64自体は、台形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口65から気液分離筐体61へ吸い込まれ、吸込口65から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ64で、縮流されながら気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ64は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ64を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ64の径を設定すれば、デミスタ64の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ64は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ64の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口65、そして、デミスタ64を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、吸込口65の部分がテーパ形状となっているので、気液分離された後の液体の冷媒は、この吸込口65から自然に排出されて、気液分離筐体61には溜まりにくい構造である。又、吸込口65の面積を、実施例1に示した吸込口25よりも大きくすることができ、その結果、吸込口65の外径Dを小さくでき、気液分離筐体61自体の外径も小さくすることができる。従って、小さな蒸発器(容器15を大きくできない蒸発器)にも対応可能である。
(実施例6)
図8は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図8(a)は断面図、図8(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体71は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体71の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体71と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体71は、中心を揃えて平行に配置した2つの円錐状部材72、73から構成されており、2つの円錐状部材72、73の間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口75としている。このような構成により、気液分離筐体71は、側周面全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。なお、円錐状部材72は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、円錐状部材72、73間は、例えば、支持棒等により固定されている。
又、気液分離筐体71は、回転体形状となる気液分離筐体71の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口75は、気液分離筐体71の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ74は、気液分離筐体71の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口75より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ74自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口75から気液分離筐体71へ吸い込まれ、吸込口75から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ74で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ74は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ74を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ74の径を設定すれば、デミスタ74の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ74は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ74の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口75、そして、デミスタ74を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、気液分離筐体71の外周側を下げるように傾斜させているので、気液分離された後の液体の冷媒は、吸込口75から自然に排出されて、気液分離筐体71には溜まりにくい構造である。又、実施例1に示した気液分離筐体21と比較すると、気液分離筐体71の外周側を下げるように傾斜させているので、気液分離筐体21の外径と気液分離筐体71の外径Dとを同じにした場合には、排出管17から吸込口75までの長さ(道程)を、排出管17から吸込口25までの長さより大きくすることができ、逆に、排出管17から吸込口75までの長さと排出管17から吸込口25までの長さとを同じにすると、気液分離筐体71の外径Dを気液分離筐体21の外径より小さくすることができ、小さな蒸発器(容器15を大きくできない蒸発器)にも対応可能である。
(実施例7)
図9は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図9(a)は断面図、図9(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例においても、排出管17は、容器15を貫通して設けられており、気液分離筐体81は、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離筐体81の上面が排出管17の容器15側の端部に連結されて、気液分離筐体81と排出管17が連通している。
本実施例において、気液分離筐体81は、中心を揃えて平行に配置した2つの球冠状部材82、83から構成されており、2つの球冠状部材82、83の間に挟まれた隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口85としている。このような構成により、気液分離筐体81は、側周面全周に開口を有する回転体形状の空洞となっている。ここで、「球冠」とは、球形を径方向に切断した球形部分の形状のことである。なお、球冠状部材82は排出管17と接続される連通孔を有しており、又、球冠状部材82、83間は、例えば、支持棒等により固定されている。
なお、ここでは、イメージしやすいように、気液分離筐体81を2つの球冠状部材82、83から構成したものを例示したが、2つの湾曲した部材からなり、回転体形状であれば、本実施例の気液分離筐体として適用可能であり、一例として、その断面形状が逆U字形状のものでもよい。
又、気液分離筐体81は、回転体形状となる気液分離筐体81の中心軸線と排出管17の中心軸線とが一致するように、容器15内部に配置されている。従って、吸込口85は、気液分離筐体81の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口することになる。
そして、デミスタ84は、気液分離筐体81の中心軸線、即ち、排出管17の中心軸線からの距離が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口85より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ84自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口85から気液分離筐体81へ吸い込まれ、吸込口85から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ84で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ84は、排出管17の中心軸線からの距離が全周で等しいので、デミスタ84を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ84の径を設定すれば、デミスタ84の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ84は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ84の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口85、そして、デミスタ84を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、気液分離筐体81の外周側を下げるように湾曲させているので、気液分離された後の液体の冷媒は、吸込口85から自然に排出されて、気液分離筐体81には溜まりにくい構造である。又、実施例6に示した気液分離筐体71と比較すると、気液分離筐体81を円弧状に湾曲させているので、気液分離筐体71の外径Dと気液分離筐体81の外径Dとを同じにした場合には、排出管17から吸込口85までの長さ(道程)を、排出管17から吸込口75までの長さより大きくすることができ、逆に、排出管17から吸込口85までの長さと排出管17から吸込口75までの長さとを同じにした場合には、気液分離筐体81の外径Dを気液分離筐体71の外径Dより小さくすることができ、小さな蒸発器(容器15を大きくできない蒸発器)にも対応可能である。
(実施例8)
図10は、本実施例の蒸発器を説明する図であり、図10(a)は断面図、図10(b)は破断図である。ここでも、図1で示した伝熱管16、供給管18の図示は省略し、又、実施例1に示した構成と同じものには同じ符号を付して説明を行う。
本実施例において、排出管17は、その端部が容器15と直接連結されている。一方、気液分離領域91は、容器15内面に沿って、液体状の冷媒Rの上方に配置されており、この気液分離領域91と排出管17が連通している。なお、容器15は排出管17と接続される連通孔を有している。
本実施例において、気液分離領域91は、平坦時の形状が円形であり、容器15内面と平行な形状に加工された板状部材92を有しており、この板状部材92を容器15の内側に配置し、板状部材92と容器15の一部とから、気液分離領域91を形成している。本実施例の場合、容器15を、軸方向を水平方向とする円筒形状としているので、板状部材92は、容器15の内周面と平行になるように、円形板を湾曲させた形状となっている。その結果、板状部材92と容器15との間に挟まれた隙間は、環状で等幅となり、この隙間を、蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口94としている。このような構成により、気液分離領域91は、その側周全周に開口を有する空洞となっている。なお、容器15と板状部材92の間は、例えば、支持棒等により固定されている。
なお、気液分離領域91を形成する容器15内面の形状が平坦であれば、板状部材92は円形板そのものでよい。又、気液分離領域91を形成する容器15内面の形状が球状に湾曲していれば、板状部材92は円形板を球状に湾曲した形状、つまり、球冠状の板となる。
又、排出管17の中心軸線と板状部材92の中心点とが一致するように板状部材92を配置して、板状部材92と容器15の一部とから形成された気液分離領域91と排出管17とを連通させている。従って、吸込口94は、板状部材92の中心点からの距離(道程)が等しくなる位置に配置されることになる。
そして、デミスタ93は、板状部材92の中心点からの距離(道程)が等しくなる位置にドーナツ状に配置されて、吸込口94より内部側の全周を埋めるように設けられている。このように、デミスタ93自体は、矩形断面のドーナツ形状となっている。
従って、伝熱管16内を流通する冷水との熱交換により蒸発、気化された冷媒は、環状に等幅で開口された吸込口94から気液分離領域91へ吸い込まれ、吸込口94から吸い込まれた冷媒は、ドーナツ状に配置されたデミスタ93で気液分離され、気液分離した後の気体状の冷媒が、排出管17から排出されることになる。
このとき、デミスタ93は、板状部材92の中心点からの距離(道程)が等しいので、デミスタ93を通過する冷媒の通過流速を全周に渡って略均一にすることができる。従って、所望の通過流速となるように、デミスタ93の径を設定すれば、デミスタ93の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一とすることができる。
デミスタ93は、前述したようにドーナツ形状であるので、容器15の蒸発面全面に設けた従来のデミスタと比較して、デミスタの使用体積を低減することができる。しかも、上記のように、デミスタ93の気液分離性能の使用効率も、全周に渡って、高くかつ略均一であるので、吸込口94、そして、デミスタ93を大きくする必要はなく、このことも、デミスタの使用体積の低減に大きく寄与している。この結果、蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機のコストダウンを図ることができる。
本実施例の場合、気液分離領域91の外周側を下げるように湾曲させているので、気液分離された後の液体の冷媒は、吸込口94から自然に排出されて、気液分離領域91には溜まりにくい構造である。又、実施例6に示した気液分離筐体71と比較すると、気液分離領域91を円弧状に湾曲させているので、気液分離筐体71の外径Dと気液分離領域91の外径Dとを同じにした場合には、排出管17から吸込口94までの長さ(道程)を、排出管17から吸込口75までの長さより大きくすることができ、逆に、排出管17から吸込口94までの長さと排出管17から吸込口75までの長さとを同じにした場合には、気液分離領域91の外径Dを気液分離筐体71の外径Dより小さくすることができ、小さな蒸発器(容器15を大きくできない蒸発器)にも対応可能である。
(その他の変形例)
上記実施例1〜8においては、排出管17を鉛直方向に配置しているが、排出管17は、必ずしも、鉛直方向に配置する必要はなく、適宜、傾けてもよい。特に、実施例1の場合には、排出管17と共に気液分離筐体21を傾けることにより、デミスタ24で気液分離した後の液体の冷媒を、気液分離筐体21の吸込口25から排出することができる。
又、環状に等幅で開口した吸込口から吸い込む、蒸発、気化された冷媒の流速が、吸込口全周において略均一となるのであれば、容器15内において気液分離筐体又は気液分離領域を傾けて配置してもよいし、又、回転体形状の気液分離筐体の場合には、その中心軸線が水平方向となるように、つまり、上記実施例において底面だった部分が側面方向となるように配置してもよい。
又、気液分離筐体は、実施例1〜7で説明したように、任意の回転体形状の空洞から構成すればよく、その場合、気液分離筐体の外周部分(例えば、側周面や外周縁部分)に吸込口を配置すればよい。
本発明は、流体(例えば、水、ブライン等)と液体状の冷媒との間の熱交換により、流体を冷却すると共に冷媒を蒸発、気化する蒸発器及び当該蒸発器を備えた冷凍機に好適なものである。
10 冷凍機
11 凝縮器
12 膨張弁
13 蒸発器
14 圧縮機
15 容器
16 伝熱管
17 排出管
18 供給管
21、31、41、51、61、71、81 気液分離筐体
91 気液分離領域
24、35、45、55、64、74、84、93 デミスタ
25、36、46、56、57、65、75、85、94 吸込口

Claims (12)

  1. 液体状の冷媒が供給される容器と、
    前記液体状の冷媒中に配置されると共に、内部を流通する流体が前記冷媒により冷却される伝熱管と、
    前記流体との熱交換により蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた冷媒の気液分離を行うデミスタとを備え、前記液体状の冷媒の上方に配置された気液分離筐体と、
    前記気液分離筐体と連通され、気液分離された後の気体状の冷媒を排出する排出管とを有する蒸発器において、
    前記吸込口を、前記排出管の中心軸線を中心として、環状に等幅で開口し、
    前記デミスタを、前記排出管の中心軸線からの距離が等しい位置にドーナツ状に配置して、前記吸込口より内部側の全周を埋めるようにしたことを特徴とする蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、任意の回転体形状の空洞から構成し、
    前記吸込口を、前記気液分離筐体の外周部分に配置し、
    前記気液分離筐体の中心軸線と前記排出管の中心軸線とが一致するように、前記気液分離筐体を配置したことを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、同径の2つの円形板から構成し、
    前記2つの円形板の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする蒸発器。
  4. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、異径の2つの円形板と大きい径の前記円形板に外接する円筒から構成し、
    小さい径の前記円形板と前記円筒との間に挟まれた隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の上面側に配置したことを特徴とする蒸発器。
  5. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、異径の2つの円形板と大きい径の前記円形板に外接する円筒から構成し、
    小さい径の前記円形板と前記円筒との間に挟まれた隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の下面側に配置したことを特徴とする蒸発器。
  6. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、同径の2つの円形板と前記2つの円形板より大きい径の円筒から構成し、
    前記2つの円形板と前記円筒との間に挟まれた2箇所の隙間を前記吸込口とすると共に、当該吸込口を前記気液分離筐体の上面側及び下面側に配置したことを特徴とする蒸発器。
  7. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、円形板の外周部を鈍角に屈曲した同径の2つの皿状部材から構成すると共に、外周部分がテーパ形状となるように、前記2つの皿状部材を配置し、
    前記2つの皿状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする蒸発器。
  8. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、2つの円錐状部材から構成し、
    前記2つの円錐状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする蒸発器。
  9. 請求項2に記載の蒸発器において、
    前記気液分離筐体を、2つの球冠状部材から構成し、
    前記2つの球冠状部材の間に挟まれた隙間を前記吸込口としたことを特徴とする蒸発器。
  10. 液体状の冷媒が供給される容器と、
    前記液体状の冷媒中に配置されると共に、内部を流通する流体が前記冷媒により冷却される伝熱管と、
    前記流体との熱交換により蒸発、気化された冷媒を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込まれた冷媒の気液分離を行うデミスタとを備え、前記液体状の冷媒の上方に配置された気液分離領域と、
    前記気液分離領域と連通され、気液分離された後の気体状の冷媒を排出する排出管とを有する蒸発器において、
    平坦時の形状が円形であり、前記容器内面と平行な形状とされた板状部材を、当該板状部材の中心点と前記排出管の中心軸線とが一致するように、前記容器の内側に配置して、前記板状部材と前記容器の一部とから前記気液分離領域を形成し、
    前記板状部材と前記容器との間に挟まれた環状で等幅の隙間を前記吸込口とし、
    前記デミスタを、前記板状部材の中心点からの距離が等しい位置にドーナツ状に配置して、前記吸込口より内部側の全周を埋めるようにしたことを特徴とする蒸発器。
  11. 請求項10に記載の蒸発器において、
    前記容器を、軸方向を水平方向とする円筒形状とし、
    前記板状部材を、円筒形状の前記容器の内周面と平行になるように、円形板を湾曲させた形状としたことを特徴とする蒸発器。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の蒸発器と、当該蒸発器で気化された冷媒を圧縮する圧縮機と、当該圧縮機で圧縮された冷媒を冷却して凝縮、液化する凝縮器と、当該凝縮器で液化された冷媒を減圧する膨張弁とを有することを特徴とする冷凍機。
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