JP2011196388A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベーンスプリングを確実にベーンスプリング取付穴に固定でき、このベーンスプリングを容易にベーンスプリング取付穴に取り付けることができ、ベーンスプリング取付穴にベーンスプリングを固定するために新たな機能部品の追加を要しないロータリ圧縮機を提供する。
【解決手段】ベーンスプリング取付穴80の一部に、該ベーンスプリング取付穴の径よりも大きな径とした拡径部81を設け、その拡径部81にベーンスプリング50の大径バネ部52を嵌合することで、ベーンスプリング50をベーンスプリング取付穴80に固定保持し、拡径部81を形成したことにより生じる段差85をベーンスプリング50の線径の10%〜50%の範囲とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関するものであり、特にロータリ圧縮機を構成するベーンスプリングの取り付けに関するものである。
従来、ロータリ圧縮機におけるベーンスプリングの取り付け方法としては、ベーン背部に形成されたベーンスプリング取付穴内にベーンスプリングを圧入し、その側圧でベーンスプリングを保持しているものが一般的となっている。しかしながら、ベーンスプリングの取り付け不良があった場合やベーンスプリングに過大な力がかかった場合に、その側圧だけではベーンスプリングを保持できず、ベーンスプリングが飛び出してしまう可能性があった。
このような従来技術の問題に対して、以下のような種々の対策方法が開示されている。たとえば、「ローラ(ローリングピストンに相当する)を内装するシリンダ室をもつシリンダにブレード(ベーンに相当する)を、ブレードスプリング(ベーンスプリングに相当する)を介してローラに弾接するごとく取付けるための取付構造であって、シリンダの外面に開口するスプリング室の開口部近くに、ブレードスプリングの背方端部を受入れて、該スプリングの開口部外方への移動を停止する停止部を設けた」ロータリ圧縮機におけるブレードの取付構造が開示されている(特許文献1参照)。このロータリ圧縮機におけるブレードの取付構造は、ベーンスプリングに相当するブレードスプリングの端部を大径化し、かつ、ブレードスプリングを取り付ける穴の一部を拡径化し係止部として、ブレードスプリングの端部を係止めするようになっている。
また、「駆動軸と同心の圧縮室を内側に形成してなるシリンダと、駆動軸の偏心軸部と一体に回転駆動されてシリンダ内周面に沿って転動するローリングピストンと、シリンダ内周面に装着されたスプリング(ベーンスプリングに相当する)によってローリングピストン外周面に押圧されるベーンと、を備えてなる回転式圧縮機において、シリンダ内周面に形成された振動板8挿入支持孔内周面に、反ベーン側のスプリング端部を係合支持する溝を設けた」回転式圧縮機が開示されている(特許文献2参照)。この回転式圧縮機は、スプリングの端部を大径化し、かつ、スプリング挿入支持孔(ベーンスプリング取り付け穴に相当する)の一部に溝を設け、その溝でスプリングの端部を係合支持するようになっている。
さらに、「駆動源によって駆動されるクランク軸と、このクランク軸に回転自在に嵌合されシリンダ内を回転するローラ(ローリングピストンに相当する)と、このローラの外周に接して往復運動をするとともにシリンダ内を高圧室と低圧室とに区画するベーンと、このベーンを常時ローラに圧接するコイル状のスプリング(ベーンスプリングに相当する)と、このスプリングを案内するガイド孔(ベーンスプリング取付穴に相当する)とを備えた回転圧縮機において、ガイド孔の反ベーン側の内壁にスプリングの外径が螺合される螺合部を形成させた」回転圧縮機が開示されている(特許文献3参照)。この回転圧縮機は、スプリングを取り付けるガイド孔の一部に螺旋溝を形成して螺合部とし、その螺合部でスプリングを支持するようになっている。
この他に、「ベーンスプリングストッパーに、シリンダに形成された挿入孔に嵌合させるための案内となる2つの略円筒形状の羽根部を設け、この2つの羽根部をベーンスプリングの最大荷重を十分に保持できる幅にてベーンスプリングストッパーの底部と一体成形をして、2つの羽根部の先端部間の幅を、挿入孔の内径よりも大きくした」回転式圧縮機が開示されている(特許文献4参照)。この回転式圧縮機は、ベーンスプリングストッパーを設けて、ベーンスプリングの抜けを防止するようにしていた。
さらにまた、「圧縮室を構成するシリンダと、圧縮室内で転動するローラ(ローリングピストンに相当する)と、ローラの外周にコイルスプリング(ベーンスプリングに相当する)の弾性力により押圧されるベーンを装備し、コイルスプリングは、可動する小径部と固定される大径部とを有し、シリンダに略中心軸方向に穿設したスプリング孔内径にコイルスプリングの大径部を挿入し、スプリングの下端を、シリンダの軸方向に穿設したピン穴にロッキングピンを通すことで固定した」回転式圧縮機が開示されている(特許文献5参照)。この回転式圧縮機は、ロッキングピンを使用することによって、ベーンスプリングの抜けを防止するようにしていた。
実開昭60−49283号公報(第1頁、第2図) 実開昭60−90583号公報(第1頁、第3図) 実開昭60−98781号公報(第1頁、第4図) 特開2002−61588号公報(第3頁、第4図) 特開平10−61576号公報(第3頁、第1図)
従来から、一般的な技術として実施されているロータリ圧縮機におけるベーンスプリング取り付け方法のように、ベーン背部に形成されたベーンスプリング取り付け穴内にベーンスプリングを圧入し、その側圧でベーンスプリングを保持する方法の場合、ベーンスプリングの取り付け不良があった場合や輸送時等に圧縮機に衝撃力がかかった場合等において、ベーンスプリングが側圧だけで保持できずに飛び出してしまう可能性があるということは上述した通りである。
このような状況においても、多くの機種は、シリンダが密閉容器に直接固定されており、ベーンスプリング取付穴の末端部近傍に密閉容器の内壁がある構成となっているため、仮にベーンスプリングが飛び出したとしても、密閉容器の内壁がストッパーとして機能することになり、即座に影響がでるということはなかった。しかしながら、長期的な観点からでは、ベーンスプリングが係止されてはいるが固定はされていない状態での運転となるため、騒音が増大してしまうといった問題やベーンスプリングの一部が摩耗して折損してしまうといった問題に至ることも多かった。
特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、ベーンスプリングの端部を大径化し、かつ、ベーンスプリング取り付け穴の一部を拡径し、拡径部の端面でベーンスプリングの端部を係止していた。しかしながら、ベーンスプリングを「係止」しているだけであり、ベーンスプリングを「固定」しているものではなかった。そのために、ロータリ圧縮機を駆動させることによって、ベーンスプリングの一部が摩耗していき、最終的には折損してしまうという可能性があった。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、拡径部においてベーンスプリングが、その線径の1〜1.5倍程度も段差の中に入り込んだ形となっていることが図示されている。つまり、ベーンスプリングを取り付けるために、ベーンスプリングの直径をその線径の2倍以上も縮径して拡径部まで入れなければならず、ベーンスプリングの取り付けが非常に難しく、手間がかかってしまうという課題が残っていた。
特許文献3に記載の技術は、スプリングを取り付けるガイド孔の一部に形成した螺旋溝を螺合部とし、その螺合部でスプリングを固定するようになっているため、この螺合部の加工にコストがかかるという問題があった。また、螺合部へのスプリングの取り付けがスプリングを回転させながら取り付けなければならず、スプリングの取り付け作業に時間及び手間がかかってしまうという問題もあった。
特許文献4及び特許文献5に記載の技術は、ベーンスプリングの抜けを防止するために、部品を追加しなければならないものであった。つまり、ベーンスプリングストッパーやロッキングピン等の機能部品を追加してベーンスプリングの抜けを防止するようになっていた。したがって、機能部品の追加は、更にコストアップしてしまうという問題があった。また、機能部品の追加に伴って、加工作業に要する時間及び手間が多くかかってしまうという問題もあった。
以上のように、従来の技術には、ベーンスプリングを単に係止しているにすぎずベーンスプリングを確実にベーンスプリング取付穴に固定しておらず、ベーンスプリング取付穴にベーンスプリングを取り付けることが複雑であり、ベーンスプリング取付穴にベーンスプリングを固定するためには新たな機能部品の追加が必要であったといった3つの問題点があり、それらを満足に解決することができていなかった。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、ベーンスプリングを確実にベーンスプリング取付穴に固定でき、このベーンスプリングを容易にベーンスプリング取付穴に取り付けることができ、ベーンスプリング取付穴にベーンスプリングを固定するために新たな機能部品の追加を要しないロータリ圧縮機を提供するものである。
本発明に係るロータリ圧縮機は、収納される密閉容器の内壁と隙間を形成して取り付けられる圧縮室を構成するシリンダと、前記シリンダ内で転動するローリングピストンと、前記ローリングピストンの外周に押圧されるベーンと、前記ベーンを前記ローリングピストンに押圧するベーンスプリングと、前記ベーンの背部に形成された前記ベーンスプリングを取り付けるためのベーンスプリング取付穴とを備えたロータリ圧縮機であって、前記ベーンスプリング取付穴には、前記ベーンスプリング取付穴の径よりも径を大きくした拡径部が形成され、該拡径部よりも径の小さい非拡径部が前記拡径部を挟むように形成されており、前記ベーンスプリングは、前記非拡径部で可動する小径バネ部と、前記ベーンスプリングを前記ベーンスプリング取付穴に押し込む治具の外径よりも小さい中心径を有し、前記拡径部に係止される複数巻きで密巻きの大径バネ部と、で構成され、前記ベーンスプリング取付穴の径と前記拡径部の径との差により前記ベーンスプリング取付穴内に生じる段差を、前記ベーンスプリングが前記治具によって押し込まれる際においても前記大径バネ部が塑性変形せずに、前記拡径部に係止された前記大径バネ部が抜けないように、前記ベーンスプリングのスプリング径に対して10%〜50%の範囲としていることを特徴とする。
本発明に係るロータリ圧縮機によれば、ベーンスプリングを確実に固定することができ、ロータリ圧縮機の運転中にベーンスプリング保持位置が微小振動することによる摩耗やベーンスプリングの折損を防止することができる。
実施の形態に係るロータリ圧縮機の構成を示す横断面図である。 ベーンスプリング及びベーンスプリング取付穴を示す詳細断面図である。 ベーンスプリング取付穴にベーンスプリングが取り付けられた状態を示す断面図である。 段差とベーンスプリングのスプリング径との比率及び大径バネ部の抜け荷重の関係を示す説明図である。 ベーンスプリングの位置決め方法を示す詳細断面図である。 衝撃力が発生したときのベーンスプリング取付穴内部の状態を示す詳細断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るロータリ圧縮機100の構成を示す横断面図である。このロータリ圧縮機100は、冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和器、給湯器等に使用されるものである。このロータリ圧縮機100は、たとえば、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)を循環する冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒として送り出すものである。ここでは、ロータリ圧縮機100に使用される冷媒が炭酸ガス(二酸化炭素)の場合を例に示している。
ロータリ圧縮機100は、大きく分けて圧縮要素20と電動要素30とで構成されている。この圧縮要素20及び電動要素30は、密閉容器10に収納されている。なお、圧縮要素20が密閉容器10の下側に、電動要素30が密閉容器10の上側にそれぞれ収納されているものとする。電動要素30は、クランク軸40に装着された回転子31と、密閉容器10に装着された固定子31とで構成されている。
圧縮要素20は、圧縮室を構成するシリンダ21と、クランク軸40の偏心部によりシリンダ21内を回転するローリングピストン24と、ローリングピストン24に接してシリンダ21内を高圧側と低圧側とに分画するベーン25と、シリンダ21の開口を封じる上軸受け22及び下軸受け23とで構成されている。なお、ベーン25は、ベーンスプリング50の弾性力によってローリングピストン24の外周に押圧されて往復運動するようになっている。このベーンスプリング50は、シリンダ21のベーン背部に形成されているベーンスプリング取付穴80にしまり嵌めすることにより取り付けられるようになっている。
密閉容器10は、厚肉のシェルを用いて形成されている。それは、この密閉容器10内に精密部品である圧縮要素20を取り付けるようになっているからである。すなわち、圧縮要素20にアークスポット溶接等により発生する密閉容器10の歪みを伝えにくくするためである。なお、圧縮要素20は、密閉容器10内に取り付けられるメカホルダ60にネジ止めする構成となっている。つまり、圧縮要素20は、メカホルダ60を介して密閉容器10内に取り付けられるようになっている。このため、圧縮要素20を構成しているシリンダ21の外径は、密閉容器10の内壁に接しないように隙間を形成している。
このように構成されたロータリ圧縮機100では、シリンダ21内に流入した冷媒が、圧縮要素20を構成しているローリングピストン24及びベーン25の共働で圧縮され、電動要素30の図示省略のエアギャップを通って電動要素30上部に送り出され、回転子31の回転により旋回させられた吐出管72から密閉容器10の外部に吐出される。
一方、密閉容器10にシリンダ21を直接取り付けるようになっている構成とした場合であれば、ベーンスプリング50がベーンスプリング取付穴80から外れても密閉容器10が蓋の役目を果たすことになり、ベーンスプリング50の機能が直ちに失われることはない。しかしながら、この実施の形態に係るロータリ圧縮機100では、シリンダ21がメカホルダ60を介して密閉容器10に取り付けられており、シリンダ21の外径が密閉容器10の内壁に接しないように隙間が形成されている。
そのため、ベーンスプリング50がベーンスプリング取付穴80から外れると、密閉容器10とシリンダ21との間に形成されている隙間に、外れてしまったベーンスプリング50が入り込んでしまい、ベーン25を押圧する機能が失わてしまうことになる。つまり、ロータリ圧縮機100の機能が直ちに低下することになるのである。したがって、ベーンスプリング50がベーンスプリング取付穴80から外れないような構成にすることが要求される。
図2は、ベーンスプリング50及びベーンスプリング取付穴80を示す詳細断面図である。図2に基づいて、ベーンスプリング50及びベーンスプリング取付穴80の構成及び機能について説明する。ベーンスプリング50は、コイル状に形成され、ベーン25を押圧する側に可動する小径バネ部51を有し、反対側に密巻きされた固定される大径バネ部52を有している。なお、このベーンスプリング50は、小径バネ部51から大径バネ部52に向かって次第に径が大きくなるようなテーパ形状である場合を例に示している。
ベーンスプリング取付穴80には、ベーンスプリング50の大径バネ部52を固定保持するための拡径部81と、この拡径部81よりも径の小さい非拡径部82と、ベーンスプリング50を挿抜するための開口部83とが形成されている。このベーンスプリング取付穴80内部には、拡径部81と非拡径部82との径の違いから段差85ができるようになっている。この段差85は、ベーンスプリング50のスプリング径に対し、10%〜50%となっている(この理由について図4で詳述する)。
図3は、ベーンスプリング取付穴80にベーンスプリング50が取り付けられた状態を示す断面図である。ベーンスプリング取付穴80に取り付けられるベーンスプリング50は、大径バネ部52がベーンスプリング取付穴80内に形成された拡径部81内に嵌合されるようになっている。そして、ベーンスプリング50の大径バネ部52の側圧により、ベーンスプリング50がベーンスプリング取付穴80に固定され、保持されるようになっている。
図4は、段差85とベーンスプリング50のスプリング径との比率及び大径バネ部52の抜け荷重の関係を示す説明図である。図4に基づいて、段差85とベーンスプリング50のスプリング径との関係からベーンスプリング50の抜け防止を決定することについて説明する。図4において、縦軸は大径バネ部52の抜け荷重を、横軸は段差85をベーンスプリング50のスプリング径で割って算出する比率(%)をそれぞれ表している。なお、抜け荷重とは、ベーンスプリング取付穴80からベーンスプリング50を抜き出すのに必要な力のことである。つまり、抜け荷重が大きいと抜けにくく、抜け荷重が小さいと抜け易いということである。
実線Aは、ロータリ圧縮機100の通常使用中にベーンスプリング50にかかる最大荷重を表している。実線Bは、ロータリ圧縮機100に加わる衝撃力を考慮したときのベーンスプリング50にかかる荷重を表している。実線Cは、ベーンスプリング50の抜け荷重及び段差85とベーンスプリング50のスプリング径との比率の実測値を表している。図4に示すように、大径バネ部52の抜け荷重が大きくなるほど、段差85とベーンスプリング50のスプリング径との比率も大きくなる。すなわち、大径バネ部52の抜け荷重を大きくしたい場合には、ベーンスプリング50のスプリング径に対する段差85を大きくすればよいのである。なお、大径バネ部52の抜け荷重が大きくなるということは、ベーンスプリング50の固定強度も大きくなるということである。
したがって、段差85及びベーンスプリング50のスプリング径は、大径バネ部52の抜け荷重の大きさとの関係から決定すればよく、それに加えてロータリ圧縮機100に収納される圧縮要素20を構成する各部品の大きさを考慮して決定することが望ましい。そうすると、段差85の下限を、ベーンスプリング50のスプリング径に対して10%以上確保すれば、衝撃力をも考慮した十分な抜け荷重が確保できることとなる。
すなわち、ロータリ圧縮機100の輸送時や液圧縮時等の過大な衝撃荷重が加わるような状況に対しても、十分な抜け荷重を確保しているので、ベーンスプリング50の抜け防止耐力を得ることができる。但し、段差85を必要以上に大きくしてしまうと、ベーンスプリング50の抜け荷重は大きくなるものの、ベーンスプリング50の取り付けが複雑になってしまうことになるので、段差85の上限を、ベーンスプリング50のスプリング径に対して50%以下とすることが望ましい。
図5は、ベーンスプリング50の位置決め方法を示す詳細断面図である。図5に基づいて、ベーンスプリング取付穴80内に取り付けられるベーンスプリング50の位置決定について説明する。ベーンスプリング50は、ベーンスプリング取付穴80の開口部83から押し込み治具150等によりベーンスプリング取付穴80内に挿入される。そして、ベーンスプリング50の末端位置が決定される。
上述したように、ベーンスプリング取付穴80内の段差85は、ベーンスプリング50のスプリング径の最大でも50%以下となっている。そのため、ベーンスプリング50の大径バネ部52が拡径部81内に固定されても、大径バネ部52全部が隠れてしまうということはない。すなわち、ベーンスプリング50をベーンスプリング取付穴80に取り付ける際、ベーンスプリング50の大径バネ部52が拡径部81に嵌合されたとしても、大径バネ部52は、ベーンスプリング取付穴80の開口部83から視認することができるのである。
通常、押し込み治具150の外径は、ベーンスプリング50の大径バネ部52の中心径(Z)に比べて大きい。それは、ベーンスプリング50を確実にベーンスプリング取付穴80内に挿入するためである。したがって、ベーンスプリング50を確実に挿入することができるとともに、大径バネ部52を視認することで確実に取付位置を決定することができる。なお、押し込み治具150の外径が、ベーンスプリング50の大径バネ部52の中心径(Z)に比べて小さいと、押し込み治具150が大径バネ部52内にはまりこんでしまうことになる。
さらに、ベーンスプリング取付穴80内の段差85は、ベーンスプリング50のスプリング径の最大でも50%以下なので、ベーンスプリング50の取り付ける際において、ベーンスプリング50の大径バネ部52が非拡径部82を通過するときも大径バネ部52を大幅に縮径しなくて済む。つまり、ベーンスプリング50をベーンスプリング取付穴80に挿入する際、大径バネ部52を非拡径部82のサイズまで縮径しなければならないが、段差85とベーンスプリング50のスプリング径との比率を50%以上としてしまうと、大径バネ部52を大幅に縮径しなければならず余計な手間がかかってしまうのである。したがって、段差85は、ベーンスプリング50のスプリング径の最大でも50%以下なので、容易にベーンスプリング50を取り付けることが可能となる。
以上のように取り付けられたベーンスプリング50は、ロータリ圧縮機100が通常運転状態のときは、ベーンスプリング取付穴80の拡径部81内に嵌合されている大径バネ部52の側圧により固定保持されているので、ベーンスプリング50の大径バネ部52とベーンスプリング取付穴80との間の微小振動による摩擦は発生しない。すなわち、ロータリ圧縮機100が通常運転しているときには、ベーンスプリング50が摩耗することはないのである。しかしながら、輸送時や液圧縮等によりロータリ圧縮機100に衝撃力が発生したときは、ベーンスプリング50の大径バネ部52に過剰な力がかかり、大径バネ部52が拡径部81内を動くことがある。
図6は、衝撃力が発生したときのベーンスプリング取付穴80内部の状態を示す詳細断面図である。上述したように、ロータリ圧縮機100に衝撃力が発生したときは、大径バネ部52が拡径部81内を動くことがある。しかしながら、ベーンスプリング取付穴80内部には、拡径部81と非拡径部82との間の段差があるため、大径バネ部52が拡径部81から外れるということはない。すなわち、ベーンスプリング50がベーンスプリング取付穴80から飛び出すということはないのである。
また、ベーンスプリング50の大径バネ部52が拡径部81内で動いたとしても、拡径部81内に側圧がかかっている状態は維持されるため、ロータリ圧縮機100の運転状態が通常運転に戻ったときに、迅速にベーンスプリング50の大径バネ部52がベーンスプリング取付穴80の拡径部81に固定保持されることとなる。したがって、ベーンスプリング50の大径バネ部52とベーンスプリング取付穴80との間の微小振動による摩擦は発生しないのである。
以上のように、このロータリ圧縮機100は、ベーンスプリング50(大径バネ部52)の側圧を利用してベーンスプリング取付穴80に確実に固定すること、ベーンスプリング50を簡易な作業でベーンスプリング取付穴80に取り付けることができること、ベーンスプリング50をベーンスプリング取付穴80に固定するために新たな機能部品を追加してなくて済むことの3つの問題点を解決している。したがって、ベーンスプリング50の抜けを防止しつつベーンスプリング50の摩耗を低減することができる。また、容易に取付可能であるために、加工工程にかかる手間を省くとともに、圧縮性能が低下しない安定性、信頼性の高いロータリ圧縮機100を提供することができる。
10 密閉容器、20 圧縮要素、21 シリンダ、22 上軸受け、23 下軸受け、24 ローリングピストン、25 ベーン、30 電動要素、31 回転子、32 固定子、40 クランク軸、50 ベーンスプリング、51 小径バネ部、52 大径バネ部、60 メカホルダ、72 吐出管、80 ベーンスプリング取付穴、81 拡径部、82 非拡径部、83 開口部、85 段差、100 ロータリ圧縮機、150 押し込み治具。

Claims (6)

  1. 収納される密閉容器の内壁と隙間を形成して取り付けられる圧縮室を構成するシリンダと、
    前記シリンダ内で転動するローリングピストンと、
    前記ローリングピストンの外周に押圧されるベーンと、
    前記ベーンを前記ローリングピストンに押圧するベーンスプリングと、
    前記ベーンの背部に形成された前記ベーンスプリングを取り付けるためのベーンスプリング取付穴とを備えたロータリ圧縮機であって、
    前記ベーンスプリング取付穴には、
    前記ベーンスプリング取付穴の径よりも径を大きくした拡径部が形成され、該拡径部よりも径の小さい非拡径部が前記拡径部を挟むように形成されており、
    前記ベーンスプリングは、
    前記非拡径部で可動する小径バネ部と、
    前記ベーンスプリングを前記ベーンスプリング取付穴に押し込む治具の外径よりも小さい中心径を有し、前記拡径部に係止される複数巻きで密巻きの大径バネ部と、で構成され、
    前記ベーンスプリング取付穴の径と前記拡径部の径との差により前記ベーンスプリング取付穴内に生じる段差を、
    前記ベーンスプリングが前記治具によって押し込まれる際においても前記大径バネ部が塑性変形せずに、前記拡径部に係止された前記大径バネ部が抜けないように、前記ベーンスプリングのスプリング径に対して10%〜50%の範囲としている
    ことを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記大径バネ部の中心径は、
    前記ベーンスプリングが前記ベーンスプリング取付穴に取り付けられた状態において、前記ベーンスプリング取付穴の開口端から視認可能な長さに決定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記ベーンスプリングは、
    前記ベーンスプリング取付穴にしまり嵌めすることにより取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記ベーンスプリングは、
    前記大径バネ部を前記ベーンスプリング取付穴の前記拡径部に嵌合させ、該大径バネ部の側圧で前記ベーンスプリングを該ベーンスプリング取付穴に固定した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記ロータリ圧縮機は、
    高圧冷媒用である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記ロータリ圧縮機の冷媒に二酸化炭素を使用した
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
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