JP2011196234A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】発進時などの急峻なトルク上昇が必要な運転状況における吸気酸素濃度の低下を防止でき、発進性能の向上が図れる内燃機関を提供する。
【解決手段】吸気が流れる吸気通路5に設けられ、吸気に含まれる酸素の一部を酸素分離膜Mを透過させて前記吸気通路5の外側に取り出して吸気を低酸素化する酸素分離装置15と、該酸素分離装置15により取り出された酸素を前記吸気通路5の酸素分離装置15よりも上流側に供給する酸素供給通路16と、該酸素供給通路16に設けられ、酸素を貯蔵する酸素タンク17と、該酸素タンク17および前記吸気通路5を結ぶ前記酸素供給通路16の下流側通路16bに設けられた開閉弁18と、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁18を開くように制御する制御装置19とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関に係り、特に、エンジン本体の燃焼室からのNOx排出量の抑制等に好適な内燃機関に関する。
空燃比がリーンな状態で燃焼が行われる内燃機関、主にディーゼルエンジンにおいては、その排ガス浄化技術の一つとして、排気ガスの一部を吸気に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、不活性ガスの多い排気ガスを吸気に還流することで、エンジン本体の燃焼室に吸入される吸気ガスの酸素濃度を低下させ、燃焼時の筒内温度の上昇を抑制し、高温度場で生成される窒素酸化物NOxの生成を抑制することが可能となる。
ディーゼルエンジンに対する排出ガス規制や燃費規制は年々厳しくなっており、排気通路に設置した後処理装置による排気の浄化のみならず、燃焼室からの排気ガスの改善が必要となっている。
燃焼室からのNOx排出量を抑制するため、上述のEGRは好適である。また、年々厳しくなる排出ガス規制等に対応して、エンジンの低負荷および中負荷領域のみならず、高負荷領域においても高いEGR率でEGRを行うことが好適である。
しかし、高負荷領域における高EGR率化には次のような問題がある。すなわち、EGRは高温の排気ガスを吸気側へ多量に還流するが、筒内への吸入空気(吸気)の充填効率悪化を回避すべく、EGRガスをEGRクーラにて十分に冷却する必要がある。ところで、低中負荷領域に比べ過給圧が高い高負荷領域においては、EGR率としては低中負荷時よりも低いものの、EGRガス量としては低中負荷時よりも増加し、EGRクーラにて多大なEGRガスの除熱を行わなければならない。EGRクーラがエンジン冷却水を用いてEGRガスの冷却を行う水冷式であると、除熱量が増した分、冷却水温度が上昇し、エンジン全体として熱効率が低下する虞がある。
このように、EGRのみでエンジン本体からのNOx排出量を抑制しようとしても、それには自ずと限界があり、EGRとは別の手法が待ち望まれているのが現状である。
そこで、本発明者は、排気ガスを多量に還流することなく、エンジン本体への吸入空気の酸素濃度を低下させる手段として酸素分離膜を適用し、新気自体を低酸素濃度化することができるようにした内燃機関を先に発明した(特願2009−198637号、未公開)。この発明によれば、熱効率の悪化を伴うことなく、NOxの低減を図ることが可能となる。
酸素分離膜における気体分離は、下記に示す気体透過の基本式(1)に基いている。下記式(1)中の気体透過率P、膜厚L、膜面積Sは、エンジンの運転状態によらず、酸素分離膜のモジュールによって決定される。
F=(P/L)×ΔP×S ・・・(1)
ここでFは膜からの流出流量(cm3/s)、Pは気体透過率(Barrer=10-10cm3(STP)・cm/s・cm2・cmHg)、Lは膜厚(cm)、ΔPは膜内外差圧(分圧差)(cmHg)、Sは膜面積(cm2)である。
従って、前記式(1)より酸素分離膜からの流出流量は、膜内外差圧(分圧差)ΔPに依存することになるため、酸素分離膜を適用したエンジンとしては、吸気行程中に過給機から吸気マニホールドまでの間に酸素分離膜を設置することが必要である。
特開2005−291001号公報
しかしながら、前記エンジンにおいては、急峻なトルク上昇が必要な運転状況においても酸素分離膜により自動的に吸気酸素濃度が低下するため、急峻なトルクの上昇が阻害され、発進性能の低下を招くという問題がある。
そこで、本発明はかかる事情を考慮してなされたものであり、急峻なトルク上昇が必要な運転状況における吸気酸素濃度の低下を防止でき、発進性能の向上が図れる内燃機関を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、吸気が流れる吸気通路に設けられ、吸気に含まれる酸素の一部を酸素分離膜を透過させて前記吸気通路の外側に取り出して吸気を低酸素化する酸素分離装置と、該酸素分離装置により取り出された酸素を前記吸気通路の酸素分離装置よりも上流側に供給する酸素供給通路と、該酸素供給通路に設けられ、酸素を貯蔵する酸素タンクと、該酸素タンクおよび前記吸気通路を結ぶ前記酸素供給通路の下流側に設けられた開閉弁と、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁を開くように制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
前記酸素分離装置は、前記吸気通路の一部を前記酸素分離膜で形成した酸素分離管路と、該酸素分離管路を収容するように設けられ、該酸素分離管路を介して分離された酸素を取り出すためのケーシングとを備えていることが好ましい。
排気ガスの一部を吸気側に還流するためのEGR通路と、該EGR通路に設けられたEGR弁と、排気ガスにより駆動されるタービンおよび吸気を過給するコンプレッサを有する過給機とを備え、前記酸素供給通路は前記コンプレッサよりも上流側の吸気通路に前記酸素タンク及び前記開閉弁を介して接続され、前記制御装置は、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁を開き、それ以外は前記開閉弁を閉じるように制御することが好ましい。
さらに、トルクセンサを備え、前記制御装置は、前記トルクセンサにより検出されたトルクが所定値以上のときは前記開閉弁を開くと共に前記EGR弁を閉じ、所定値未満のときは前記開閉弁を閉じると共に前記EGR弁を開くように制御することが好ましい。
本発明によれば、急峻なトルク上昇が必要な運転状況における吸気酸素濃度の低下を防止でき、発進性能の向上が図れる。
本発明の実施形態に係る内燃機関を概略的に示す図である。 酸素分離管路を示す部分斜視図である。 新気量に対する酸素タンクからの還流酸素富化空気割合と吸気O2濃度の関係を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態を添付図面に基いて詳述する。
図1に、本発明の実施形態に係る内燃機関(エンジン)を示す。本実施形態のエンジン1は、自動車用の多気筒の圧縮着火式内燃機関、即ちディーゼルエンジンである。エンジン1は、複数のシリンダ、ピストン、シリンダブロックおよびクランクシャフト等を含むエンジン本体2を有し、このエンジン本体2には吸気マニホールド3および排気マニホールド4が取り付けられている。吸気マニホールド3は、吸気が流れる吸気通路5の下流端部を形成する。同様に排気マニホールド4は、排気ガスが流れる排気通路6の上流端部を形成する。図1において、吸気の流れを白矢印で示し、排気の流れを黒矢印で示す。
前記エンジン1は、吸気を過給するための過給機7を備えている。この過給機7は、排気通路6に設けられて排気ガスにより駆動されるタービン8と、吸気通路5に設けられて前記タービン8により駆動され、吸気を過給するコンプレッサ9とを有する。吸気通路5におけるコンプレッサ9の下流側には、コンプレッサ9により過給された吸気を冷却するインタークーラ10が設けられている。
一方、エンジン本体2には、排気ガスの一部すなわちEGRガスを吸気側に還流するためのEGR装置11が設けられている。このEGR装置11は、排気通路6内(特に排気マニホールド4内)の排気ガスの一部を吸気通路5内(特に吸気マニホールド3内)に還流させるためのEGR通路12と、このEGR通路12を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ13と、EGR通路12の下流側に設けられ、EGRガスの流量を調節するEGR弁14とを備える。EGRガスの流れを破線矢印で図中に示す。EGRクーラ13は、エンジン本体2の冷却水を用いてEGRガスの冷却を行うものであり、水冷式である。
特に、本実施形態のエンジン1においては、吸気通路5の一部を酸素分離膜Mで形成し、吸気通路5内の吸気に含まれる酸素O2の一部を酸素分離膜Mを透過させて吸気通路5の外側に取り出して吸気を低酸素化する酸素分離装置15と、該酸素分離装置15により取り出された酸素を前記吸気通路5の酸素分離装置15よりも上流側好ましくは過給機7のコンプレッサ9よりも上流側の新気通路5aに供給する酸素供給通路16と、該酸素供給通路16に設けられ、酸素を貯蔵する酸素タンク17と、該酸素タンク17および前記新気通路5aを結ぶ前記酸素供給通路16の下流側通路16bに設けられた開閉弁18と、急峻なトルク上昇が必要な運転時に新気通路5aに酸素を供給すべく前記開閉弁18を開くように制御する制御装置(ECU)19とを備えている。
なお、前記酸素供給通路16は、酸素タンク17を境とする上流側通路16aと下流側通路16bとからなり、その上流側通路16aに大気に解放された分岐通路20が設けられ、この分岐通路20には前記酸素タンク17内の酸素の圧力を所定の圧力に維持すべく所定の圧力で開弁する逃し弁21が設けられている。
この点について詳細に述べると、吸気通路5におけるインタークーラ10の下流側で且つ吸気マニホールド3の上流側には、吸気通路5の一部をなす酸素分離管路22を有する酸素分離装置15が設けられている。この酸素分離装置15は、吸気通路5の一部を酸素分離膜Mで形成した酸素分離管路22と、この酸素分離管路22を収容するよう設けられ、酸素分離管路22を介して分離された酸素を取り出すためのケーシング(容器)23とを備えている。
図2は、酸素分離管路22(管壁)の長手方向の中間部が、部分的に、管状の酸素分離膜Mで形成されている例を示している。ここで、酸素分離管路22のうちどの部分をどのように酸素分離膜Mで形成するかについては、特に限定はない。酸素分離管路22の全体を酸素分離膜Mで形成してもよい。図2には円筒状の酸素分離管路22および酸素分離膜Mを示すが、これらの形状についても特に限定はない。また、図1には酸素分離管路22はU字状に形成されているが、直線状であってもよい。
酸素分離膜Mは、その内表面を酸素分離管路22の内部に露出させており、その外表面をケーシング23内に露出させている。そして透過させた酸素がそのまま大気に放出されることなくケーシング23内に一旦収容されるようになっている。前記ケーシング23には内部に溜まった酸素を取り出すための酸素供給通路16が設けられ、この酸素供給通路16に前記酸素タンク17及び開閉弁18が設けられている。
前記酸素分離管路22内に流入する吸気である新気は、大気と同じ酸素濃度を有し、その値は約21%である。この新気が、酸素分離膜Mでできた酸素分離管路22内を流れる過程で、新気に含まれる酸素の一部が選択的に酸素分離膜Mを透過する。なお、酸素以外の窒素N2も酸素分離膜Mを透過するが、酸素の透過速度が窒素の透過速度よりも早いため、あたかも酸素のみが選択的に透過するような状態となる。酸素透過の結果、吸気の酸素濃度は低下し、吸気は低酸素濃度空気となる。他方、酸素分離膜Mの外側表面付近では、透過酸素の混入による酸素富化空気が生成される。低酸素濃度空気は例えば19%の酸素濃度を有し、酸素富化空気は例えば30%の酸素濃度を有する。従って、吸気の酸素濃度は21%から19%に2%減少されることになる。
このように酸素分離膜Mを有する本実施形態のエンジン1は、酸素分離膜Mを有しない通常のエンジンと比較して、吸気の酸素濃度を低下させることが可能となる。よって、本実施形態のエンジン1によれば、エンジン本体2の燃焼室に吸入される吸気の酸素濃度を低下させることができ、このこと自体によって、すなわちEGRとは別の手法で、エンジン本体2からのNOx排出量を抑制することができる。
そして、EGRを併用する場合、特に高負荷領域において、吸気の酸素濃度が低下した分、EGRガス量を減少することができる。よって、大量EGRを行うに際しても、通常のエンジンと比較してEGRクーラ13におけるEGRガスの除熱量を減少し、冷却水温度の上昇ひいてはエンジン全体の熱効率低下を抑制することができる。このように本実施形態は、EGRを補助することができるという利点も有する。
ところで、エンジン本体2からのNOx排出量を抑制するには、次のような予混合燃焼を実行するのも効果的であり、本実施形態のエンジン1もこの予混合燃焼を実行するように構成することができる。予混合燃焼を実行する場合、燃料の噴射時期は圧縮上死点よりも早期の圧縮行程早期とされ、燃料の噴射終了時から着火までの間の予混合期間に、燃料と空気が十分に混合され、希薄・均一化される。そして、この混合気は、燃料の噴射終了後、ある程度の期間を経て着火する。このため、局所的な燃焼温度が下がり、NOx排出量が低減する。
しかし、予混合燃焼は中高負荷領域での適用が困難であり、中高負荷領域でNOx排出量を抑制しようとした場合、EGRに頼らざるを得ないのが現状である。本実施形態では、こうした予混合燃焼が困難な運転領域でEGRを行う場合であっても、吸気の酸素濃度を低下させることでEGRを補助することができる。
前記酸素分離膜Mは、高分子材料からなる膜であり、酸素と窒素の選択性および透過速度の差を利用して吸気の酸素濃度を低下させる。高分子材料はその種類に応じて気体選択透過性に違いがある。酸素分離膜Mとしては、気体選択透過性(PO2/PN2)の高い高分子材料を含むのが好ましい。酸素分離膜Mは、ポリイミド、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンのうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
この酸素分離膜Mにおいては、高分子材料における酸素/窒素の気体選択透過性、および膜内外の差圧により、酸素が膜表面に染み出るような構造となる。このため、気体分離による圧力損失は、例えば公知の中空糸フィルタと比較して1/10程度に抑制可能と考えられる。
前記式(1)から分かるように、酸素分離膜Mによる気体分離性能を確保するためには、膜内外に圧力差がなければならない。この点、本実施形態では、酸素分離膜Mを有する酸素分離管路22がコンプレッサ9の下流側、特にインタークーラ10の下流側に位置されている。また、前記酸素分離管路22を収容したケーシング23の酸素供給通路16が酸素タンク17及び開閉弁18を介して前記コンプレッサ9よりも上流の新気通路5aに接続されているため、コンプレッサ9で大気圧よりも高圧とされた吸気を酸素分離膜Mの内側に供給することができ、膜内外の圧力差で酸素分離膜Mを透過した酸素を酸素タンク17に貯蔵することができ、この酸素タンク17に貯蔵された酸素を前記新気通路5aに適宜供給することができる。
新気の酸素濃度は過給圧に拘わらず一定である。他方、過給圧の上昇に伴い酸素富化空気の酸素濃度は次第に増大し、低酸素濃度空気の酸素濃度は次第に減少する。これは、酸素分離膜Mの内圧が上昇して膜内外の圧力差が大きくなると、膜中の酸素透過量が増大し、酸素分離性能が向上することを意味する。EGR実行中の場合だと、過給圧の上昇はEGR率の増加と同義となる。過渡運転時(特に急加速時等)にあっては、EGR弁14の応答遅れによりNOxが瞬間的或いはスパイク的に悪化することがあるが、本実施形態によれば過渡運転時の過給圧上昇と同時に酸素透過量を増大し、吸気の酸素濃度をより低減できる。よって、そのようなNOx悪化を抑制することができる。
ところで、上述の膜内外の差圧とは、各気体分子の分圧差であるといえる。よって、酸素分離膜Mの内外における酸素分圧差が大きいほど、酸素分離膜Mを透過する酸素の流量は多くなり、吸気酸素濃度の低減効果が増大する。従って、吸気酸素濃度の低減効果を増大し、NOx抑制に寄与し得る点で有利である。
酸素分離膜Mから排出した酸素により排気ガスの酸素濃度を増大することができる。また、酸素分離装置15は、酸素分離管路22とケーシング23とで構成されるため、構造が簡単でコンパクトになると共に酸素分離を効率的に行うことができる。
ところで、式(1)によれば、膜面積Sが大きいほど酸素分離膜Mから流出する酸素の流量Fは多くなる。よって、酸素の流出流量を多くしたい場合には酸素分離膜Mの膜面積Sを大きくすることが好ましい。この場合、例えば酸素分離管路22の長手方向両端面を除いた周面部全体を、酸素分離膜Mで形成するのがよい。
また、酸素分離膜Mは、上記実施形態の如く、EGRガスと吸気とが混合する混合部(吸気マニホールド3)よりも上流側の吸気通路5に設けることが好ましい。混合部よりも下流側に設けると、EGRガスが混入して酸素濃度が低下した吸気からさらに酸素を排出するようになるため、膜内外の大きな酸素分圧差を得るのに不利だからである。
本実施形態によれば、酸素分離膜Mによって吸気中の酸素を吸気通路5から排出し、吸気の酸素濃度を低下させることができる。よって、EGRとは別の手法で、エンジン本体からのNOx排出量を抑制することができる。また、EGRを併用する場合にあっては、EGRを補助することができ、特に高負荷領域においてEGRガス量を減少することができる。よって、EGRクーラ13におけるEGRガスの除熱量を減少し、エンジン全体の熱効率の低下を抑制することができる。
特に、本実施形態によれば、酸素分離装置15により取り出された酸素を貯蔵する酸素タンク17と、該酸素タンク17および前記新気通路5aを結ぶ酸素供給通路16の下流側通路16bに設けられた開閉弁18と、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁18を開くように制御する制御装置19とを備えているため、急峻なトルク上昇が必要な状況における吸気酸素濃度の低下を防止でき、発進性能の向上を図ることができる。すなわち、通常走行時に流出した酸素富化空気を酸素タンク17に貯蔵し、酸素濃度の低下を防ぐ際に開閉弁18を開放する。過給機7前の新気通路5aは負圧となるため、過給機7前の新気に酸素タンク17から酸素富化空気を容易に還流して高酸素濃度新気を供給することが可能となる。供給される高酸素濃度新気は、再び酸素分離装置15の酸素分離膜Mを通過する際に酸素濃度が若干低下するが、還流酸素富化空気割合に対する吸気酸素濃度の変化の一例を示す図3に示すように大気条件下と同等の酸素濃度にてエンジンへ吸気を供給可能となる。これにより、発進性能が向上し、スムーズな加速が可能となる。
前記酸素分離装置15は、前記吸気通路5の一部を前記酸素分離膜Mで形成した酸素分離管路22と、該酸素分離管路22を収容するように設けられ、該酸素分離管路22を介して分離された酸素を取り出すためのケーシング23とを備えているため、吸気から酸素を容易に取り出すことができると共に酸素濃度を低くすることができる。
また、排気ガスの一部を吸気側に還流するためのEGR通路12と、該EGR通路12に設けられたEGR弁14と、排気ガスにより駆動されるタービン8および吸気を過給するコンプレッサ9を有する過給機7とを備え、前記酸素供給通路16は前記コンプレッサ9よりも上流側の吸気通路(新気通路)5aに前記酸素タンク17及び前記開閉弁18を介して接続され、前記制御装置19は、急峻なトルク上昇を要する運転時に前記開閉弁18を開き、それ以外は前記開閉弁18を閉じるように制御するため、急峻なトルク上昇が求められる領域における吸気酸素濃度の低下を防止でき、発進性能の向上が図れる。
さらに、エンジン本体2にトルクセンサ24を設け、前記制御装置19は、前記トルクセンサ24により検出されたトルクが所定値以上のときは前記開閉弁18を開くと共に前記EGR弁14を閉じ、所定値未満のときは前記開閉弁18を閉じると共に前記EGR弁14を開くように制御する構成としても良い。これによれば、発進性能の向上が図れると共にNOxの低減が図れる。
なお、他の制御方法としては、吸気マニホールド3に設けられた酸素濃度センサ25により酸素濃度を検出し、その検出値を目標酸素濃度と比較し、検出値が目標酸素濃度以上である場合には、開閉弁18を閉じると共にEGR弁14を開くようにしても良く、これにより、酸素分離膜MとEGRの併用により目標酸素濃度を達成することができる。また、検出値が目標酸素濃度よりも低い場合には、EGR弁14を閉じる共に開閉弁18を開き、その開度を調節することにより目標酸素濃度を達成することができる。したがって、本実施形態によれば、運転領域全域で目標酸素濃度を達成することが可能となり、スモーク及びNOxの排出の低減が可能となる。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は他の実施形態を採用することも可能である。例えば、本発明は、EGR装置を備えていない内燃機関にも適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
5 吸気通路
7 過給機
8 タービン
9 コンプレッサ
12 EGR通路
14 EGR弁
15 酸素分離装置
M 酸素分離膜
16 酸素供給通路
17 酸素タンク
18 開閉弁
19 制御装置
25 酸素濃度センサ
22 酸素分離管路
23 ケーシング
24 トルクセンサ

Claims (4)

  1. 吸気が流れる吸気通路に設けられ、吸気に含まれる酸素の一部を酸素分離膜を透過させて前記吸気通路の外側に取り出して吸気を低酸素化する酸素分離装置と、該酸素分離装置により取り出された酸素を前記吸気通路の酸素分離装置よりも上流側に供給する酸素供給通路と、該酸素供給通路に設けられ、酸素を貯蔵する酸素タンクと、該酸素タンクおよび前記吸気通路を結ぶ前記酸素供給通路の下流側に設けられた開閉弁と、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁を開くように制御する制御装置とを備えたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記酸素分離装置は、前記吸気通路の一部を前記酸素分離膜で形成した酸素分離管路と、該酸素分離管路を収容するように設けられ、該酸素分離管路を介して分離された酸素を取り出すためのケーシングとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 排気ガスの一部を吸気側に還流するためのEGR通路と、該EGR通路に設けられたEGR弁と、排気ガスにより駆動されるタービンおよび吸気を過給するコンプレッサを有する過給機とを備え、前記酸素供給通路は前記コンプレッサよりも上流側の吸気通路に前記酸素タンク及び前記開閉弁を介して接続され、前記制御装置は、急峻なトルク上昇が必要な運転時に前記開閉弁を開き、それ以外は前記開閉弁を閉じるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. さらに、トルクセンサを備え、前記制御装置は、前記トルクセンサにより検出されたトルクが所定値以上のときは前記開閉弁を開くと共に前記EGR弁を閉じ、所定値未満のときは前記開閉弁を閉じると共に前記EGR弁を開くように制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
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