JP2011194226A - 腹腔鏡用持針器およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】共通して利用されるポート内で使用するために腹腔鏡用持針器を安価に形成する。
【解決手段】管として形成された軸部２、３を有する腹腔鏡用持針器１であって、軸部の遠位端にかん子口９が配置されており、軸部２、３内に延在するロッドによってかん子口が操作可能であり、軸部２、３の近位端に配置される把持部４によってロッドが長手移動可能であるものにおいて、軸部２、３が直線的近位部分２と湾曲遠位部分３とを有し、両方の部分２、３が互いに脱離可能に固着されていることを特徴とする持針器。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前文に指摘した種類の腹腔鏡用持針器、請求項６に記載した持針器製造方法および請求項８に記載した持針器の湾曲遠位軸部部分に関する。

今日の代表的標準構造の腹腔鏡用持針器が特許文献１と特許文献２に示してある。それらは細い縦長軸部管の遠位端にかん子口を有し、このかん子口で外科用針を保持し、縫合を目的に動かすことができる。公知の機器において把持部は代表的にはインライングリップとして、つまり実質的に軸部管の方向に延ばして、形成されている。このグリップ態様は所要の高い保持力を加えるのにも代表的縫合運動用にも十分適している。前文に係る機器は縦長軸部を腹腔鏡ポートに通して腹腔内に導入し、そこで内視鏡観察下に縫合できるようにするのに適している。

近年、特許文献３に示されたような腹腔鏡技術が普及した。その際、１つのポート内の２つの機器で作業される。この公報に述べられた諸理由から、機器の軸部はその遠位部分が湾曲実施されていると有利である。というのも、その場合機器は先端を向き合わせて作動し、なおかつ共通ポートの領域では平行に隣り合うことができるからである。

米国特許第５４１３５８３号明細書 米国特許第５９５１５８７号明細書 独国実用新案第２０２００９００７５９２号明細書

本発明の課題は、共通して利用されるポート内で使用するために腹腔鏡用持針器を安価に形成することにある。

この課題は、請求項１、６、８の特徴で解決される。

本発明によれば、持針器は湾曲遠位軸部部分と直線的近位軸部部分とを有する軸部を備えて形成されており、つまり最後に指摘した公報から知られている目的用に優れて適している。両方の軸部部分は互いに離脱可能に固着されており、それゆえに別々に作製することができる。そのことから製造がきわめて簡単かつ安価になる。というのも、直線的近位軸部部分は把持部ともども、前文に係る持針器によって引き受けることができるからである。湾曲遠位軸部部分だけは個別に作製されねばならず、遠位軸部部分の短い長さに基づく諸問題は減少する。

両方の軸部部分は任意の仕方で、しかし有利には連結部を介して互いに結合しておくことができ、この連結部は請求項２によれば、かん子口を受容するように形成されている。それゆえに選択的に、直線的近位軸部部分の遠位端に、かん子口は直接配置しておくことができる。つまり直線的近位軸部部分と把持部とから成るユニットは、かん子口と一緒に先行技術による直線的持針器として使用することも、また連結された湾曲遠位軸部部分と一緒に共通ポート内で別の機器と一緒に使用するための持針器として使用することもできる。

かん子口は遠位軸部部分の遠位端にさまざまな仕方で、例えば清浄目的のために取外し可能に、または回転可能にも、固着しておくことができる。しかし請求項３により有利には、かん子口は遠位部分に永続的に固着され、例えば溶接されており、これにより構成および製造が著しく簡素になる。

それ自体周知の如くにロッドの近位端に肉厚駆動子が、例えば通常の如くに球の態様で設けられており、この駆動子は把持部の可動部分と連結するのに役立つ。この駆動子はさまざまな仕方で、例えば溶接によってロッドの末端に固着しておくことができるが、しかし請求項４により有利には、かん子口の運動範囲と把持部の運動範囲との厳密な適合を本来邪魔するであろうロッドの長さ差を捕捉できるように個別に設定された距離で固着されている。

その際請求項５により有利には、駆動子は螺着され溶接されている。そのことから螺着での長さ調整が可能となり、引き続き溶接によって螺着部を固定することができる。

本発明に係る持針器を製造するための有利な方法は請求項６に明示されている。それによれば、まず、かん子口とロッドが結合される。次にロッドが軸部に導入され、かん子口が遠位軸部部分の遠位端に固着される。遠位軸部部分は、まだ直線的であり、次に、はじめて、内部にあるロッドと一緒に曲げられる。その後、遠位軸部部分は近位軸部部分に固着される。この作業手順は低い費用において、高い製造品質を確保するので特別評価を受けた。

請求項７により有利には、通常、球として形成される駆動子はロッドに対して所望の距離で螺着によって設定され、引き続き溶接によって固着される。この手順も特別有利かつ安価であると判明した。

請求項８が請求しているのは腹腔鏡用持針器を含む組立体の湾曲遠位軸部部分である。

図面に本発明が例示的に略示してある。

本発明に係る持針器の側面図である。 図１の持針器の遠位軸部部分を含む組立体のみの図１に相当する図である。 図２の構成の代わりに使用可能な組立体の側面図である。

図１は本発明に係る持針器１一式を側面図で示す。持針器１は管として形成された軸部を有し、この軸部は直線的近位軸部部分２と湾曲遠位軸部部分３とを有する。

近位軸部部分２の近位端に把持部４が固着されており、この把持部４は固定握り部材として形成されており、この把持部で可動握り部材６が軸５の周りを矢印７の方向で揺動可能に支承されており、この可動握り部材６は固定把持部４に対して、ばね８で支えられている。この構成では、持針器用に特別適したインライングリップの代表的態様が設けられている。しかし例えばピストル型把持部等の別の種類のグリップも使用することができる。

軸部２、３の遠位軸部部分３が図２に別途図示されている。遠位軸部部分３の遠位端に認められる、かん子口９は軸１０の周りを揺動可能に支承された２つの口部分１１、１２を備えて形成されている。

遠位軸部部分３の近位端に、雄ねじ付きねじ部材１３の態様の結合要素が配置されており、この雄ねじは近位軸部部分２の遠位端の雌ねじ１４にねじ込むのに役立つ。

ロッド１５はかん子口９を操作するためにかん子口に固着され、管状遠位軸部部分３内に延在し、図２に示したように遠位方向で遠位軸部部分から突出している。ロッド１５はその近位端に球１６の態様の駆動子を備えており、この球１６は、ねじ部材１７をロッド１５の遠位端にねじ込み可能である。

図２に示す組立体は、図１が示すように、軸部の近位軸部部分２の遠位端に装着し、ねじ部材１３を雌ねじ１４にねじ込むことによってしっかり連結することができる。ロッド１５の近位側で突出する末端は球１６と共に近位方向で軸部の近位軸部部分２内を移動し、球１６が図１に破線で示した位置にくることになり、この位置で球は図示しない仕方で、詳細には普通、把持部４の部材４、６の圧縮時にロッド１５が近位方向に引っ張られる仕方で、把持部４の内部操作機構と連結されており、そのことから口部分１１、１２の閉鎖運動が生じる。

図１と図２では図を見易くする理由からかん子口９と把持部４は図面平面で開閉するように軸部２、３に配置されている。当該軸１０、５は図面平面に垂直である。操作性を改善する理由から、かん子口９および／または把持部４は別の角度で、例えば図示した位置に対して９０°回して、軸部に配置すると有利なことがある。

実質的に遠位軸部部分３とロッド１５とから成る図２に示す組立体が取り外されたなら、その箇所で別の組立体を、図３に示すかん子口９’とこれに配置される球１６’付きロッド１５’との態様で、持針器１の近位軸部部分２に固着することができる。かん子口９’は図２の構成のかん子口９に一致している。このかん子口に固着されたねじ部材１３’は図２のねじ部材１３に一致している。つまり図３の組立体は図２の組立体の代わりに持針器１に螺着することができ、その場合球１６’は球１６の代わりに把持部４、６と連結されている。その湾曲遠位軸部部分３が共通の腹腔鏡ポート内の複数の機器で作業するように形成された図１に示すかん子はこうして、かん子口９’が直線的近位軸部部分２の遠位端に直接座着された従来の持針器構成に装備変更することができる。

図３の構成のロッド１５’に球１６’が直接固着され、例えば溶接されている。ロッド１５’の一定した長さと球１６’とかん子口９’との一定した間隔とを有するこれらの部材はすべて連続生産で製造することができる。その場合これらの部材は常に持針器１の近位軸部部分２に適合している。

しかし図２の構成においてロッド１５は、かなりの製造公差が現れることのある湾曲遠位軸部部分３内に延在している。それゆえにここで有利であるねじ部材１７でもって球１６とねじ部材１３との距離は持針器１の近位軸部部分２に正確に適合した寸法に設定し、引き続き溶接できるようにすることができる。

図１、図２の構成に一致した持針器１は以下の如くに製造される。

軸部の直線的近位軸部部分２は把持部４、５、６、８と一緒に予め作製される。主に直線的近位軸部部分は、図３の利用と一緒に従来の直線的持針器として作製される構造シリーズから借用することができる。

図２に示した湾曲遠位軸部領域は予め別途作製される。かん子口９は、図３のかん子口９’の起源ともなるシリーズからやはり借用することができる。かん子口９にまずロッド１５が固着される。このロッドは次に、さしあたり、なお直線状の管部材に差し込まれ、管部材の遠位端にかん子口９は例えば溶接によって固着される。次にこの管部材は、そのなかにあるロッド１５と一緒に曲げて湾曲遠位軸部部分３とされる。ロッド１５の遠位端にねじ孔があり、球１６を有するねじ部材１７がこのねじ孔にねじ込まれ、球１６は遠位軸部部分３の近位端に対して所望の距離となる。次にねじ部材１７が溶接され、球１６は所定距離で永続的に固定される。

こうして形成された図２に示す組立体は引き続き図１の持針器１に組み込まれ、しかも図３の組立体と同様に、近位軸部部分２の雌ねじに、ねじ込んで球１６を把持部４内で連結することによって組み込まれる。

軸部の軸部部分２、３をねじ部品１３、１４で互いに固着する代わりにここでも、例えば差込部等による別の脱離可能な連結部を設けておくことができる。しかしその際、軸部の湾曲遠位軸部部分３の角度位置が把持部４に対して常に正しく整列しているように配慮しなければならない。

図１と図２に図示した構成においてかん子口９は相対回転不能に軸部の遠位軸部部分３と結合され、例えば溶接されている。そのことからごく単純で安価な構成が得られる。しかし縫合過程を簡素化するために、かん子口９が遠位軸部部分３に対して回動できることはまったく望ましいであろう。その場合そこには相応する回転支承部が必要であろう。把持部４からかん子口９までの回転伝達は例えば捩り剛性なロッド１５によって行うことができよう。その場合、ロッド１５に相応に作用する回転調整器を把持部４に設けておかねばならないであろう。

Claims (8)

1. 管として形成された軸部（２、３）を有する腹腔鏡用持針器（１）であって、前記軸部の遠位端にかん子口（９）が配置されており、前記軸部（２、３）内に延在するロッド（１５）によって前記かん子口が操作可能であり、前記軸部（２、３）の近位端に配置される把持部（４）によって前記ロッドが長手移動可能であるものにおいて、前記軸部（２、３）が直線的近位軸部部分（２）と湾曲遠位軸部部分（３）とを有し、両方の前記軸部部分（２、３）が互いに離脱可能に固着されていることを特徴とする持針器。
2. 前記軸部部分（２、３）は前記近位軸部部分（２）の遠位端で連結部（１４）を介して結合されており、前記連結部はかん子口（９’）を受容するように形成されていることを特徴とする、請求項１に記載の持針器。
3. 前記かん子口（９）が前記遠位軸部部分（３）に脱離不能に固着されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか１項記載の持針器。
4. 前記ロッド（１５）がその近位端に、前記把持部（４）と連結するための肉厚駆動子（１６）を有し、前記駆動子（１６）は前記ロッド（１５）に対して個別に設定された距離で固着可能であることを特徴とする、先行請求項のいずれか１項記載の持針器。
5. 前記駆動子（１６）は螺着され溶接されていることを特徴とする、請求項４記載の持針器。
6. 先行請求項のいずれか１項記載の持針器（１）を製造するための方法において、かん子口（９）とロッド（１５）とから予め作製された組立ユニットが前記ロッド（１５）を遠位軸部部分（３）に導入され、次に前記かん子口（９）が前記遠位軸部部分（３）の遠位端に固着され、次に前記遠位軸部部分（３）は内部にある前記ロッド（１５）と共に曲げられ、最後に前記遠位軸部部分（３）が近位軸部部分（２）に固着されることを特徴とする方法。
7. 前記駆動子（１６）は所望の距離で螺着によって設定され、次に溶接によって固着されることを特徴とする、請求項６記載の方法。
8. 管として形成された遠位軸部部分（３）を有する腹腔鏡用持針器（１）の組立体であって、前記遠位軸部部分の遠位端にかん子口（９）が配置されており、前記遠位軸部部分（３）内に延在するロッド（１５）によって前記かん子口が操作可能であり、前記遠位軸部部分（３）が湾曲形成されており、かつその近位端に、前記持針器（１）の近位軸部部分（２）の前記遠位端と結合するための結合要素（１３）を有し、前記結合要素（１３）から近位側で突出する前記ロッド（１５）の末端に肉厚駆動子（１６）が配置されている組立体。

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