JP2011193580A - モータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器 - Google Patents

モータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器 Download PDF

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俊治 橋本
Shinji Suematsu
真二 末松
Masato Nunomura
真人 布村
Masami Suzuki
真美 鈴木
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Abstract

【課題】磁束の発生効率の向上させたりトルクリプルを低減させたりすることのできるモータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器を得る。
【解決手段】モータ1は、環状に形成した永久磁石2の内周側に位置する内周側ステータ4と、永久磁石2の外周側に位置する外周側ステータ5と、を備えている。そして、永久磁石2の中央半径rに対する径方向厚みtの比(=t/r)を、永久磁石2の極数に応じて設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器に関する。
従来、モータとして、内外周が多極着磁された環状の永久磁石の内側に、内ヨークおよび内コイル組立を配置するとともに、当該永久磁石の外側に、外ヨークおよび外コイル組立を配置した2相構造のモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−285228号公報
しかしながら、上記特許文献1では、環状の永久磁石の内側および外側を着磁させる点については言及しているが、永久磁石自体の形状(肉厚等)については何ら示唆されていない。
これに対し、発明者らが鋭意研究を重ねた結果、永久磁石の環状部分の肉厚などを適宜変化させることで、磁束の発生効率の向上させたりトルクリプルを低減させたりすることができることが確かめられた。
そこで、本発明は、モータ効率の向上を図ることのできるモータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器を得ることを目的とする。
本発明にかかるモータは、ロータを構成する環状の永久磁石を有し、当該永久磁石は、内周側と外周側の双方に磁束を発生させるように着磁されており、前記永久磁石の内周側および外周側に、永久磁石に回転力を発生させる内周側ステータおよび外周側ステータが配置され、前記永久磁石の中央半径に対する径方向厚みの比が、当該永久磁石の極数に応じて設定されていることを特徴とする。
また、本発明にかかるポンプは、上記モータを駆動源とすることを特徴とする。
また、本発明にかかるポンプ駆動機器は、上記ポンプを搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石の中央半径に対する径方向厚みを、永久磁石の極数に応じて設定することで、磁束の発生効率を向上させたり、トルクリプルを低減させたりすることが可能となる。すなわち、本発明によれば、モータ効率の向上を図ることのできるモータ、当該モータを駆動源とするポンプ、当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器を得ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかるモータを模式的に示す平面図である。 図2は、図1のA−A線に沿った模式的な断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかるモータを模式的に示す背面図である。 図4は、極数が6極、8極、10極の永久磁石を用いた場合における、永久磁石の中央径に対する厚みの比に応じた内周側ステータと外周側ステータとの総磁束を表したグラフである。 図5は、極数が6極、10極の永久磁石を用いた場合における、永久磁石の中央径に対する厚みの比に応じて発生するトルクリプルの変化を表したグラフである。 図6は、極数が6極の永久磁石の中央径に対する厚みの比が0.70の場合の外側のトルク波形と、内側のトルク波形と、内・外側を合算したトルク波形と、を示すグラフである。 図7は、極数が10極の永久磁石の中央径に対する厚みの比が0.65の場合の外側のトルク波形と、内側のトルク波形と、内・外側を合算したトルク波形と、を示すグラフである。 図8は、極数が6極の永久磁石の中央径に対する厚みの比が0.55の場合の外側のトルク波形と、内側のトルク波形と、内・外側を合算したトルク波形と、を示すグラフである。 図9は、極数が10極の永久磁石の中央径に対する厚みの比が0.50の場合の外側のトルク波形と、内側のトルク波形と、内・外側を合算したトルク波形と、を示すグラフである。 図10は、極数が10極の永久磁石の中央径に対する厚みの比が0.35の場合の外側のトルク波形と、内側のトルク波形と、内・外側を合算したトルク波形と、を示すグラフである。 図11は、本発明の第2実施形態にかかるモータを模式的に示す背面図である。 図12は、本発明の第2実施形態にかかるモータを模式的に示す断面図である。 図13は、本発明の第3実施形態にかかるポンプを模式的に示す断面図である。 図14は、本発明の第4実施形態にかかる食器洗浄機の内部構造を示す模式図である。 図15は、本発明の第4実施形態の第1変形例にかかる給湯ユニットの回路図である。 図16は、本発明の第4実施形態の第2変形例にかかる洗濯機の内部構造を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかるモータ1はクローポール型モータであり、ロータ3を構成する環状(円筒形状)の永久磁石2と、この永久磁石2の内周側に位置する内周側ステータ4と、永久磁石2の外周側に位置する外周側ステータ5と、を備えている。
ロータ3は、略円筒状をしており、永久磁石2の軸方向(図2中、上下方向)の一方の端部(図2中上側)に支持板6を備えて大略カップ形状を呈しており、この支持板6の中心部に回転軸7を連結している。
内周側ステータ4は、圧粉体としての圧粉鉄心で構成したステータコア8を有している。このステータコア8は、支持板6に近接配置された端板8aの中心に、上述した回転軸7と同一軸線上に位置する軸部8bを備えるとともに、端板8aの外周縁には、軸部8bと平行かつ同方向に延出する爪磁極8cを、円周方向に沿ってほぼ等間隔に複数(ここでは4個)備えている。そして、軸部8bと爪磁極8cとの間の空間に巻線である内側コイル9を巻き付けている。
一方、外周側ステータ5は、圧粉体としての圧粉鉄心で構成したステータコア10を有し、外周側に位置する外側円筒部10aの内側に、爪磁極10bを円周方向に沿ってほぼ等間隔に複数(ここでは4個)備えている。これら外側円筒部10aと爪磁極10bとは、上述した端板8aとほぼ同一面上に位置する環状の端板10cにより相互に連結されて一体化している。そして、外側円筒部10aと爪磁極10bとの間の空間に巻線である外側コイル11を巻き付けている。
ステータコア8およびステータコア10は、図示せぬ金型のキャビティ内に磁性粉を充填し圧縮することにより成形した圧粉鉄心で構成されている。この圧粉鉄心は、鉄粉個々の表面を例えばリン酸皮膜処理などの無機絶縁皮膜でコーティングし、粒子間を樹脂でバインドした構造であり、高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。
なお、ステータコア8およびステータコア10を、金属ガラスで構成してもよい。金属ガラスは、上記圧粉鉄心と同様に高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。
永久磁石2は、環状となった円周方向に沿って着磁させる極異方着磁が採用されている。すなわち、図3に示すように、永久磁石2の内周側と外周側との双方にそれぞれ極異方着磁させることで、内周側と外周側の双方に磁束を発生させるようにしている。
このとき、内周側および外周側のそれぞれの着磁部位は、円周方向等間隔の4箇所、つまり中心角90度の間隔をおいて極異方着磁しており、かつ、これらは互いに電気角で90度ずれている。このため、内周側ステータ4におけるステータコア8の爪磁極8cと、外周側ステータ5におけるステータコア10の爪磁極10bとが、円周方向の同一位置に配置される。
なお、永久磁石2の内周側および外周側のそれぞれの着磁部位を、円周方向で同一位置としてもよい。その場合には、内周側ステータ4におけるステータコア8の爪磁極8cと、外周側ステータ5におけるステータコア10の爪磁極10bとを、電気角で90度ずらすことになる。
また、本実施形態では、極異方着磁させた永久磁石2を使用しているが、ラジアル着磁させた永久磁石を使用してもよい。その場合にも、内周側ステータ4の爪磁極8cと外周側ステータ5の爪磁極10bとを、電気角で90度ずらすことになる。
ところで、図1および図3では、内周側および外周側の極数がそれぞれ4極の永久磁石2を示しているが、実際には、極数が6極以上の永久磁石が用いられている。なお、極数が6極の永久磁石は、例えば、中心角60度の間隔をおいて極異方着磁することで得ることができ、極数が8極の永久磁石は、例えば、中心角45度の間隔をおいて極異方着磁することで得ることができる。また、爪磁極8bおよび爪磁極10bの数は、永久磁石2の極数に応じて変化させる(例えば、極数が8極の永久磁石を用いた場合、爪磁極8bおよび爪磁極10bをそれぞれ8個形成する)のが好適である。
このように、本実施形態にかかるモータ1は、内周側と外周側の双方にそれぞれ極異方着磁させた永久磁石2の内周側および外周側に、当該永久磁石2に対して回転力を発生させる内周側ステータ4および外周側ステータ5を配置した2相構造となっている。そのため、軸方向の大型化を抑えて薄型化を達成しつつ低振動,低騒音化を図ることができる。
上記構成のモータ1について発明者らが鋭意研究を重ねた結果、永久磁石2の環状部分の肉厚などを適宜変化させることにより、磁束の発生効率を向上させたり、トルクリプルを低減させたりすることが確かめられた。
具体的には、永久磁石2の中央半径rに対する径方向厚みtの比(=t/r)を、当該永久磁石2の極数に応じて設定することで、モータ効率を向上させ得ることが確かめられた。
以下では、6極の場合および8極以上の場合において、モータ効率を向上させることのできるt/rの範囲について説明する。なお、今回の実験では、中央半径(r)が20mm、軸方向高さが10mmの永久磁石2を用いた。
図4のグラフは、t/rを変化させた場合の永久磁石2の総磁束量の変化を示しており、特性Wi−6は極数を6極とした場合の内側総磁束量変化、特性Wo−6は極数を6極とした場合の外側総磁束量変化を示している。また、特性Wi−8は極数を8極とした場合の内側総磁束量変化、特性Wo−8は極数を8極とした場合の外側総磁束量変化であり、特性Wi−10は極数を10極とした場合の内側総磁束量変化、特性Wo−10は極数を10極とした場合の外側総磁束量変化である。
図4のグラフより、永久磁石2の中央半径rに対する径方向厚みtの比(=t/r)を徐々に大きく変化させると、永久磁石2の内側総磁束量は、初めは徐々に増加するが、t/rがある値を超えると徐々に減少していくことが理解される。
これに対し、永久磁石2の外側総磁束量は、t/rを徐々に大きく変化させると、それに伴って徐々に増加することが理解される。
ところで、トルクリプルを小さくするためには、内側総磁束量と外側総磁束量とが相互に近いことが望ましい。
したがって、トルクリプルを小さくするためには、内側総磁束量と外側総磁束量とが相互に近くなるようにt/rの範囲を設定すればよい。すなわち、図4のグラフから、極数が6極の場合では、内側総磁束量と外側総磁束量とが近くなる範囲は、t/r≒1.0(指示線a)以下であり、8極以上の場合(8極および10極)では、内側総磁束量と外側総磁束量とが近くなる範囲は、t/r≒0.9(指示線b)以下である。したがって、永久磁石2の中央半径rに対する径方向厚みtの比(=t/r)を、極数が6極の場合には、0よりも大きく1.0以下の範囲に設定し、極数が8極以上の場合には、0よりも大きく0.9以下の範囲に設定すればよい。
また、上記の範囲(極数が6極の場合、0より大きく1.0以下の範囲、極数が8極以上の場合、0より大きく0.9以下の範囲)でt/rを変化させると、トルクリプル(平均トルクに対する割合)は、図5のグラフに示すように変化することが確かめられた。なお、特性Tr−6は、極数が6極の場合のトルクリプル変化であり、特性Tr−8は、極数が8極の場合のトルクリプル変化である。
図5のグラフによれば、極数が6極の場合、8極以上の場合のいずれも、t/rを徐々に小さくすると、それに伴ってトルクリプルも徐々に小さくなることが確かめられる。
この図5のグラフより、極数が6極の場合には、t/rの範囲を、0よりも大きく0.70以下に設定し、極数が8極以上の場合には、t/rの範囲を、0よりも大きく0.65以下に設定するのが好ましいことが理解される。
まず、極数が6極の場合、t/r=0.70(図4中の指示線cで示した値)としたときのトルク波形は図6に示すようになり、このときのトルクリプルは図5より約29.0パーセントとなる。
また、極数が10極(8極以上)の場合、t/r=0.65(図4中の指示線dで示した値)としたときのトルク波形は図7に示すようになり、このときのトルクリプルは、図5より約29.6パーセントとなる。
なお、図6および図7は、縦軸にトルク、横軸に時間が示されており、Toは外側のトルク波形、Tiは内側のトルク波形、そして、Ttは内・外側を合計したトルク波形である。また、図8〜図10においても同様である。
このように、極数が6極の場合に、t/rを0よりも大きく0.70以下の範囲とし、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.65以下の範囲とすると、いずれもトルクリプルを30パーセント(一般的な2相モータのトルクリプル)以下に抑えることができる。
したがって、極数が6極の場合に、t/rを0よりも大きく0.70以下の範囲とし、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.65以下の範囲とすれば、一般的な2相モータよりも低振動のモータを得ることができる。
また、極数が6極の場合に、t/rの範囲を、0よりも大きく0.55以下に設定し、極数が8極以上の場合に、t/rの範囲を、0よりも大きく0.50以下に設定するのがより好ましい。
まず、極数が6極の場合、t/r=0.55(図4中の指示線eで示す値)としたときのトルク波形は図8に示すようになり、このときのトルクリプルは、図5より約22.5パーセントとなる。
また、極数が10極(8極以上)の場合、t/r=0.50(図4中の指示線fで示す値)としたときのトルク波形は図9に示すようになり、このときのトルクリプルは、図5より約23.2パーセントとなる。なお、図8および図9に示すトルク特性の意味は、図6および図7と同様である。
このように、極数が6極の場合に、t/rを0よりも大きく0.55以下の範囲とし、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.50以下の範囲とすると、いずれもトルクリプルを24パーセント以下に抑えることができる。
したがって、極数が6極の場合に、t/rを0よりも大きく0.55以下の範囲とし、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.50以下の範囲とすることで、2相モータにおける振動特性を、3相モータの振動特性により一層近づけることができる。
また、トルクリプルを24パーセント以下に抑えることで、一般的に2相モータよりも低振動となる3相モータの製品として許容できる振動以下となる2相モータを得ることができる。
さらに、極数が8極以上の場合、t/rを、0よりも大きく0.35以下に設定するのがより好ましい。
例えば、10極の場合、t/r=0.35(図4中の支持線gに示す値)としたときのトルク波形は図10に示すようになり、このときのトルクリプルは、図5より約15.0パーセントとなる。
したがって、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.35以下の範囲とすると、トルクリプルを15パーセント以下に抑えることができる。
なお、一般的な3相モータのトルクリプルは、約15パーセントである。したがって、極数が8極以上の場合に、t/rを0よりも大きく0.35以下の範囲とすることで、一般的な3相モータの振動以下となる2相モータを得ることができる。
なお、t/rを小さくしていけば、トルクリプルを低減させることができるが、t/rを小さくなりすぎると、永久磁石2の磁束の発生効率が低下し、総磁束量が減少してしまう。
したがって、極数が6極の場合には、t/rを0.35〜0.55の範囲に設定し、極数が8極以上の場合には、t/rを0.25〜0.35の範囲に設定するのが好ましい。
このように、極数が6極の場合のt/rを0.35〜0.55の範囲とし、極数が8極以上の場合のt/rを0.25〜0.35の範囲とすれば、磁束量の低下を抑制しつつ、トルクリプルを低減させて振動を抑制することのできる2相モータ(モータ1)を得ることができる。そして、2相モータのモータ効率の向上を図ることで、低コスト化を実現することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、永久磁石2の中央半径rに対する径方向厚みtを、当該永久磁石2の極数に応じて設定している。そのため、2相構造のモータ1の磁束の発生効率を向上させたり、トルクリプルを低減させたりすることが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、モータ効率の向上を図ることのできるモータ1を得ることができる。その結果、低コスト化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、ステータコア8,10を、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成しているので、渦電流損を低く抑えてモータ1として高効率化を達成でき、モータ1の小型化を図ることができる。また、形状の自由度が増すので、クローポール型鉄心のように複雑な形状であっても製造が容易となる。さらに、磁性粉を用いることで3D磁気回路を構成することが可能となるため、クローポール型モータを容易に構成することができるようになる。
なお、ステータコア8,10を、金属ガラスで構成した場合にあっても、渦電流損失を抑えることができるとともに、高周波数域で使用することができる。また、圧粉鉄心と同様に、例えばクローポール型鉄心のように複雑な形状でも容易に製造することができる。さらに、金属ガラスを用いることで3D磁気回路を構成することが可能となるため、クローポール型モータを容易に構成することができるようになる。
このような金属ガラスは、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成することもできる。
また、本実施形態では、内側コイル9及び外側コイル11を、環状のステータコア8及び10に対して円周方向に沿ってそれぞれ巻き付ける構造、すなわちクローポール型モータとしているので、製造コストを低く抑えることができる。
また、永久磁石2を極異方着磁させることで、ラジアル着磁させた永久磁石に比べて磁力を強くすることができ、その分モータ1としてより小型化・高効率化を達成することができる。
なお、本実施形態では、内周側ステータ4のステータコア8および外周側ステータ5のステータコア10の両方を、クローポール型鉄心で構成したものを例示したが、ステータコア8およびステータコア10のうちいずれか一方のステータコアを後述するスロット巻き鉄心で構成してもよい。
また、内周側ステータ4および外周側ステータ5のうち、少なくとも一方のステータを圧粉鉄心で構成し、他方を他の材質、たとえば、積層鉄心や金属ガラスで構成してもよい。
また、内周側ステータ4および外周側ステータ5のうち、少なくとも一方のステータを金属ガラスで構成し、他方を他の材質、たとえば、積層鉄心や圧粉鉄心で構成することも可能である。
(第2実施形態)
本実施形態にかかるモータ1Aは、基本的に上記第1実施形態のモータ1と同様の構成をしており、内周側ステータ4Aのステータコア8Aおよび外周側ステータ5Aのステータコア10Aをスロット巻き鉄心で構成した点およびロータ3Aの永久磁石2Aをラジアル着磁させた点が主に上記第1実施形態と異なっている。
すなわち、本実施形態における内周側ステータ4Aのステータコア8Aは、中心部の円柱形状のコア部8bAの外周側において、円周方向等間隔の4箇所に磁極8dを有し、これら各磁極8dに内側コイル9Aを巻き付けている。一方、外周側ステータ5Aのステータコア10Aは、外周側の円筒部10aAの内側に、その円周方向等間隔の4箇所に磁極10dを有し、これら各磁極10dに外側コイル11Aを巻き付けている。
このステータコア8A、10Aは、図12に示すように、鋼板sを複数積層した積層鉄心Stで構成されている。
なお、スロット巻き鉄心は、圧粉鉄心や金属ガラスで構成してもよい。
また、本実施形態では、永久磁石2は、図3に示すように、円周方向等間隔の4箇所つまり90度の間隔をおいて内周側と外周側との間でラジアル方向に着磁してあり、かつその着磁方向(S極とN極の位置関係)を円周方向に隣接するもの同士で異ならせている。すなわち、この永久磁石2は、内周側と外周側の双方に磁束を発生させるように着磁されている。なお、極異方着磁させた永久磁石2を使用することも可能である。
また、図11でも、図1および図3と同様に、内周側および外周側の極数がそれぞれ4極の永久磁石2Aを示しているが、実際には、極数が6極以上の永久磁石が用いられている。なお、極数が6極の永久磁石は、例えば、中心角60度の間隔をおいてラジアル着磁することで得ることができ、極数が8極の永久磁石は、例えば、中心角45度の間隔をおいてラジアル着磁することで得ることができる。また、磁極8dおよび磁極10dの数は、永久磁石2の極数に応じて変化させるのが好適である。
そして、本実施形態にかかるモータ1Aも、内周側と外周側の双方に磁束を発生させるように着磁させた永久磁石2Aの内周側および外周側に、当該永久磁石2Aに対して回転力を発生させる内周側ステータ4Aおよび外周側ステータ5Aを配置した2相構造となっている。したがって、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、軸方向の大型化を抑えて薄型化を達成しつつ低振動,低騒音化を図ることができる。
さらに、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、永久磁石2Aの中央半径rに対する径方向厚みtの比(=t/r)を、当該永久磁石2Aの極数に応じて設定している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態では、ステータコア8A,10Aにスロット巻き鉄心を使用しており、このスロット巻き鉄心を使用したモータ1Aは、一般的にクローポール型鉄心に比較して大型化するので、必然的に機械的強度を高く維持することができるとともに、放熱性についても有利なものとなる。
また、永久磁石2Aを、半径方向に向けて着磁する単純なラジアル着磁とすることで、製造コストを低く抑えることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ステータコア8A,10Aを積層鉄心で構成することで、渦電流損を低く抑えることができ、モータ1Aの小型化・高効率化を達成することができる。
なお、鋼板sを複数積層した積層鉄心Stで鉄心を構成する場合には、上述したスロット巻き鉄心が適しているが、図1に示してあるクローポール型鉄心に適用してもよい。
また、本実施形態では、内周側ステータ4Aのステータコア8Aおよび外周側ステータ5Aのステータコア10Aの両方を、スロット巻き鉄心で構成したものを例示したが、ステータコア8Aおよびステータコア10Aのうちいずれか一方のステータコアをクローポール型鉄心で構成してもよい。
また、内周側ステータ4Aおよび外周側ステータ5Aのうち、少なくとも一方のステータを積層鉄心Stで構成し、他方を他の構造、たとえば、圧粉鉄心や金属ガラスで構成してもよい。
(第3実施形態)
本実施形態では、上記第1実施形態のモータ1を駆動源としたポンプPについて説明する。
本実施形態にかかるポンプPは、モータ1の支持板6に、液体を吸排する羽根車20が固定支持され、この羽根車20の中心に回転軸21が取り付けられている。回転軸21は、ポンプケース22の内部に形成された軸支え部23に回転可能に支持されており、支持板6を貫通して羽根車20の反対側に突出している。
羽根車20は、ポンプケース22内に形成されたポンプ室24に回転可能に収容されている。ポンプケース22は、液体をポンプ室24に吸入する吸入口25およびポンプ室24内の液体を排出する吐出口26を備えており、ポンプ室24は、ポンプケース22と分離板27との間に形成されている。
分離板27は、回転軸21を中心とした円板状の円板部27aと、円板部27aの外周側端部から支持板6と反対側でかつ永久磁石2の内側に沿って延設される内側円筒部27bと、永久磁石2の外側に位置する外側円筒部27cと、これら内側円筒部27bおよび外側円筒部27cの羽根車20と反対側の端部どうしを連結する連結部27dと、外側円筒部27cの連結部27dと反対側の端部から径方向外側に向けて延設される外側円板部27eと、をそれぞれ備えている。
分離板27の内側円筒部27bと永久磁石2との間、外側円筒部27cと永久磁石2との間、および連結部27dと永久磁石2との間には、ロータ3が回転する際に相互に接触しない程度の僅かな隙間δ1、δ2およびδ3が形成されている。また、円板部27aと支持板6との間にも接触しない程度の隙間δ4が形成されており、それら隙間δ1、δ2、δ3およびδ4は、ポンプ室24に連通している。
内周側ステータ4および外周側ステータ5でそれぞれ発生させる磁界を制御する制御基板28は、リード線29,30を介して内側コイル9および外側コイル11にそれぞれ接続されている。そして、ポンプケース22を除いた部位全体がモールド樹脂31によって被覆されている。つまり、分離板27と、内周側ステータ4および外周側ステータ5と、制御基板28とが、モールド樹脂31により被覆されており、これにより強度を確保している。
このように構成されたポンプPにおいては、内側コイル9および外側コイル11への通電により発生する磁束がそれぞれの爪磁極8cおよび10bから永久磁石2へと伝達される。このとき、永久磁石2が吸引反発し、永久磁石2が吸引反発することでロータ3に一体に設けられた羽根車20が回転軸21とともに回転する。そして、羽根車20の回転に伴ってポンプ作用が発生し、吸入口25からポンプ室24へと吸引された液体は、ポンプ室24で加圧された後に吐出口26から吐出される。
このように、本実施形態では、ポンプPの駆動源としてモータ1を用いているので、ポンプPの低振動化および低騒音化を図ることができる。また、薄型化したモータ1を利用することで、ポンプPの薄型化も可能となる。また、低コストで高効率のモータ1を用いることで、ポンプPの性能をより一層向上させるとともに、低コスト化を実現させることができる。
なお、本実施形態では、ポンプPの駆動源として上記第1実施形態のモータ1を用いたが、上記第2実施形態のモータ1Aを用いることもできる。この場合にあっても同様の作用、効果を奏することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、本発明にかかるポンプを搭載したポンプ駆動機器について説明する。
図14は、本実施形態にかかるポンプ駆動機器としての食器洗浄機100を一例として示しており、この食器洗浄機100では、水または温水が給水口101から貯水槽102に供給されるようになっており、貯水槽102に供給された水または温水が、洗浄ポンプP1によって貯水槽102からノズル103に送られ、水または温水をノズル103から噴出することで食器洗浄機100内に配置した食器104を洗浄するようになっている。なお、本実施形態では、洗浄後の水または温水は、下方に落下して貯水槽102に溜められ、洗浄ポンプP1によって再度ノズル103に送られるようになっている。そして、所定時間循環洗浄した後に、洗浄ポンプP1を停止して排水ポンプP2を作動させることで、貯水槽102内の水が排水されるようになっている。
次に、給水口101から再度、水または温水を貯水槽102に供給した後、洗浄ポンプP1を所定時間作動させて濯ぎを行う。その後、洗浄ポンプP1を停止して排水ポンプP2を作動させて貯水槽102の水または温水を排水する。以上の動作を数回繰り返して濯ぎを行うことで、食器洗浄機100内に配置した食器104が洗浄されるようになっている。
ここで、本実施形態では、上述した洗浄ポンプP1および排水ポンプP2に、上記第1実施形態で例示したモータ1を駆動源としたポンプP(図13参照)を用いている。
このように、本実施形態にかかる食器洗浄機100に、本発明のモータ1を駆動源としたポンプPを用いて洗浄ポンプP1および排水ポンプP2を構成することで、ポンプの駆動出力を向上して、ポンプの薄型化かつ低振動,低騒音化を図ることのできる食器洗浄機100を安価に得ることができ、また薄型化したポンプの形状を有効利用することで、食器収納スペースの拡大を図ることができる。また、ポンプを薄型化することで、ポンプの食器洗浄機100への搭載性を向上させることが可能となる。
なお、ポンプP1、P2として、上記第2実施形態で例示したモータ1Aを駆動源としたポンプPを用いることも可能である。この場合にあっても同様の作用、効果を奏することができる。
次に、本実施形態のポンプ駆動機器の変形例について説明する。
図15は、上記第4実施形態の第1変形例を示しており、ポンプ駆動機器が給湯器としての給湯ユニット200である場合を例示する。
この給湯ユニット200は、低電力化が可能で環境にもやさしいCOを冷媒とするヒートポンプを利用した給湯システムであるエコキュート(登録商標)であり、図15は、そのシステム概略図を示している。
図15に示すように、給湯ユニット200は、ヒートポンプユニット201、貯湯ユニット202、風呂203、床暖房204及び追い焚き熱交換器205や暖房熱交換器206等を備えている。
また、上記給湯ユニット200には、台所や洗面用の温水蛇口207やお湯をためる補助タンク208が設けられており、かつ、給水口209の下流には減圧弁210が設けられるとともに、床暖房204には熱動弁211が設けられている。さらに、それぞれの配管には複数の混合弁212や安全弁213が設けられている。
そして、複数のポンプP4,P5,P6,P7,P8を駆動させるとともに、上記各弁を制御することで、風呂203や台所や洗面用の温水蛇口207等に、水やお湯を所望の温度、流量で供給することができる。
ここで、本変形例では、上述したポンプP4〜P8に、上記第1実施形態で例示したモータ1を駆動源としたポンプP(図13参照)をそれぞれ用いている。

このように、本変形例にかかる給湯ユニット200に、本発明のモータ1を駆動源としたポンプPを用いてそれぞれのポンプP4〜P8を構成することで、ポンプの駆動出力を向上してポンプの薄型化かつ低振動,低騒音化を図ることのできる給湯ユニット200を安価に得ることができる。また、ポンプを薄型化することで、ポンプの給湯ユニット200への搭載性を向上させることが可能となる。
なお、上述したヒートポンプを利用した電気給湯器である給湯ユニット200に限らず、ガス給湯器やコージェネレーションシステムにあっても本発明のポンプPを用いることが可能である。また、ポンプPに使用するモータとして、上記第2実施形態で例示したモータ1Aを用いることも可能である。この場合にあっても同様の作用、効果を奏することができる。
図16は、上記第4実施形態の第2変形例を示しており、ポンプ駆動機器が洗濯機300である場合を例示する。
この洗濯機300は、洗濯槽301が図示せぬモータによって回転制御されており、当該洗濯槽301を回転させるとともに、洗濯機300内の水を循環ポンプP3で循環させることで衣類などの洗濯を行うようにしている。
ここで、本変形例では、上述した循環ポンプP3に、上記第1実施形態で例示したモータ1を駆動源としたポンプP(図13参照)を用いている。このように、本変形例にかかる洗濯機300に、本発明のモータ1を駆動源としたポンプPを用いて循環ポンプP3を構成することで、ポンプの駆動出力を向上してポンプの薄型化かつ低振動,低騒音化を図ることのできる洗濯機300を安価に得ることができる。また薄型化したポンプの形状を有効利用することで、洗濯槽301の拡大を図ることができる。また、ポンプを薄型化することで、ポンプの洗濯機300への搭載性を向上させることが可能となる。
なお、ポンプP3として、上記第2実施形態で例示したモータ1Aを駆動源としたポンプPを用いることも可能である。この場合にあっても同様の作用、効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、極数が6極、8極および10極の永久磁石を例示したが、極数が12極以上の永久磁石を用いることも可能である。
また、内周側ステータおよび外周側ステータ、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
1、1A モータ
2、2A 永久磁石
3、3A ロータ
4、4A 内周側ステータ
5、5A 外周側ステータ
100 食器洗浄機(ポンプ駆動機器)
200 給湯ユニット(ポンプ駆動機器)
300 洗濯機(ポンプ駆動機器)
r 永久磁石の中央半径
t 永久磁石の径方向厚み
St 積層鉄心
P ポンプ

Claims (9)

  1. ロータを構成する環状の永久磁石を有し、当該永久磁石は、内周側と外周側の双方に磁束を発生させるように着磁されており、前記永久磁石の内周側および外周側に、永久磁石に回転力を発生させる内周側ステータおよび外周側ステータが配置されたモータであって、
    前記永久磁石の中央半径に対する径方向厚みの比が、当該永久磁石の極数に応じて設定されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記永久磁石の中央半径に対する径方向厚みの比は、当該永久磁石の極数が6極の場合には、0よりも大きく0.70以下の範囲に設定されており、前記永久磁石の極数が8極以上の場合には、0よりも大きく0.65以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記内周側ステータおよび前記外周側ステータのうち、少なくともいずれか一方のステータコアを、周方向に沿って複数設けられてコイルが巻かれる磁極を有するスロット巻き鉄心で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
  4. 前記内周側ステータおよび前記外周側ステータのうち、少なくともいずれか一方のステータコアを、軸方向に延在しかつ前記永久磁石に対向する爪磁極を周方向に沿って複数備えるクローポール型鉄心で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ。
  5. 前記内周側ステータおよび前記外周側ステータのうち、少なくともいずれか一方のステータコアを、鋼板を複数積層した積層鉄心で構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のモータ。
  6. 前記内周側ステータおよび前記外周側ステータのうち、少なくともいずれか一方のステータコアを、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のモータ。
  7. 前記内周側ステータおよび前記外周側ステータのうち、少なくともいずれか一方のステータコアを、金属ガラスで構成したことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のモータ。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のモータを駆動源としたことを特徴とするポンプ。
  9. 請求項8に記載のポンプを搭載したことを特徴とするポンプ駆動機器。
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