以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(撮像制御:内蔵されている音入力部を用いて周囲音を取得する例)
2.第2の実施の形態(撮像制御:外部マイクを用いて周囲音を取得する例)
3.第3の実施の形態(撮像制御:フォーカスのズレが大きい場合にはフォーカスの調整を高速で行う例)
<1.第1の実施の形態>
[撮像システムの外観構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における撮像システム10の外観構成の一例を示す模式図である。この撮像システム10は、撮像装置100および交換レンズ200を備える。
なお、この本発明の第1の実施の形態では、撮像システム10は、レンズが交換可能であって、動画像を撮像することができる一眼レフカメラを想定する。
撮像装置100は、被写体を撮像して画像データ(デジタルデータ)を生成し、この生成した画像データを画像コンテンツ(静止画コンテンツまたは動画コンテンツ)として記録するものである。この撮像装置100は、撮像する際に押下されるシャッターボタン129と、動画像を記録する際に周囲(環境)の音が入力される内蔵マイク141と、交換レンズ200を撮像装置100に取り付けるための接点であるマウント161とを備える。本発明の第1の実施の形態では、例えば、撮像装置100の画像記録モードとして、静止画記録モードおよび動画記録モードを設定する例を示す。例えば、静止画記録モードが設定されている場合において、静止画記録指示操作(例えば、シャッターボタン129の押下操作)が行われた場合には、撮像装置100が静止画記録処理を行い、静止画ファイルを記録する。また、例えば、動画記録モードが設定されている場合において、動画記録開始指示操作(例えば、シャッターボタン129の押下操作)が行われた場合には、撮像装置100が動画記録処理を開始し、動画を動画ファイルとして記録する。また、動画の記録中に、動画記録終了指示操作(例えば、シャッターボタン129の再押下操作)が行われた場合には、撮像装置100が動画記録処理を終了する。また、撮像装置100は、交換レンズ200の交換が可能な撮像装置である。なお、撮像装置100の内部構成については、図2を参照して説明する。なお、マウント161は、特許請求の範囲に記載のレンズマウントの一例である。
交換レンズ200は、複数のレンズから構成されており、撮像装置100が撮像する像の光を集光し、その集光した光を撮像面に結像させるためのものである。なお、この交換レンズ200の内部構成については、図2を参照して説明する。
[撮像システムの内部構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における撮像システム10の内部構成の一例を示す模式図である。
なお、図2では、説明の便宜上、動画像を撮像する際にはあまり使用しない内部構成(例えば、フラッシュに関する構成)については省略する。また、図2では、説明の便宜上、フォーカスレンズの駆動に関する構成のみを示し、ズームレンズの駆動に関する構成については省略する。
撮像装置100は、交換レンズ200におけるフォーカスレンズを駆動させるモータの回転数を制御する制御信号を交換レンズ200に供給する。この撮像装置100は、シャッターユニット112と、撮像素子113と、AFE(Analog Front End)114と、画像処理部115と、画像メモリ116と、電池121と、電源回路122とを備える。また、この撮像装置100は、通信用I/F(InterFace)123と、カードI/F124と、メモリカード125と、VRAM(Video Random Access Memory)126とを備える。さらに、撮像装置100は、LCD(Liquid Crystal Display)127と、操作部128と、シャッタ駆動制御部131と、シャッタ駆動モータ(M1)132と、位相差AF(Auto Focus)モジュール133とを備える。また、撮像装置100は、内蔵マイク141と、外部マイク接続端子142と、音信号処理部143と、メイン制御部145と、絞り駆動制御部146と、速度制御部147と、フォーカス駆動制御部148と、接続端子151乃至155とを備える。
シャッターユニット112は、上下方向に移動する幕体により、撮像素子113に入射する被写体からの入射光の光路の開口および遮断を行うものであり、シャッタ駆動モータ(M1)132により駆動される。また、シャッターユニット112は、光路が開口している場合には、被写体からの入射光を撮像素子113に供給する。
撮像素子113は、被写体からの入射光を電気信号に光電変換するものであり、被写体からの入射光を受光して、アナログの電気信号を生成する。また、撮像素子113は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサおよびCCD(Charge Coupled Device)センサにより実現される。なお、撮像素子113は、その光電変換により生成した電気信号を、画像信号としてAFE114に供給する。
AFE114は、撮像素子113から供給されるアナログの画像信号に所定の信号処理を施すものであり、例えば、アナログの画像信号にノイズの除去および信号の増幅などの信号処理を行う。そして、AFE114は、信号処理を施した画像信号をデジタル信号に変換して、デジタルの画像信号を生成する。また、AFE114は、メイン制御部145から供給される基準クロックに基づいて、撮像素子113の撮像動作に関するタイミングパルスを生成し、その生成したタイミングパルスを撮像素子113に供給する。このAFE114は、生成したデジタルの画像信号を画像処理部115に供給する。
画像処理部115は、AFE114から供給された画像信号に所定の信号処理を施して画像データを作成するものである。この画像処理部115は、例えば、メイン制御部145からの制御信号に従って、画像信号にホワイトバランスの補正、ガンマ補正、黒レベル補正および画像圧縮などの信号処理を行う。また、画像処理部115は、生成した画像データを画像メモリ116およびメイン制御部145に供給する。
画像メモリ116は、画像処理部115から供給される画像データを一時的に保持するものである。また、この画像メモリ116は、メイン制御部145からの制御信号に従って、画像データに所定の処理を行うための作業領域として用いられる。なお、この画像メモリ116は、メモリカード125から読み出した画像データを一時的に保持する。
電池121は、撮像システム10が動作するための電力を供給するものであり、例えば、ニッケル水素充電池等の二次電池により構成される。また、電池121は、電力を電源回路122に供給する。
電源回路122は、電池121から供給された電力を撮像システム10における各部が動作するための電圧に変換するものである。例えば、この電源回路122は、メイン制御部145が5Vの電圧で動作する場合には、5Vの電圧を生成して、その生成した電圧をメイン制御部145に供給する。また、電源回路122は、生成した電圧を撮像システム10における各部に供給する。なお、図2では、電源回路122から各部への電源供給線の一部を省略して示す。
通信用I/F123は、外部機器とメイン制御部145との間のデータ転送を可能とするためのインターフェイスである。
カードI/F124は、メモリカード125とメイン制御部145との間のデータ転送を可能とするためのインターフェイスである。
メモリカード125は、画像データを保持するための記憶媒体であり、カードI/F124を介して供給されたデータを保持する。
VRAM126は、LCD127に表示する画像を一時的に保持するバッファメモリであり、その保持した画像をLCD127に供給する。
LCD127は、メイン制御部145の制御に基づいて、画像を表示するものであり、例えば、このLCD127は、カラー液晶パネルにより構成される。このLCD127は、撮像された画像、記録済みの画像およびモードの設定画面などを表示する。
操作部128は、ユーザの操作を受け付けるものであり、例えば、図1において示したシャッターボタン129が押下された場合には、その押下を知らせる信号をメイン制御部145に供給する。また、操作部128は、ユーザの操作に関する信号をメイン制御部145に供給する。
シャッタ駆動制御部131は、メイン制御部145から供給されるシャッタの制御信号に基づいて、シャッタ駆動モータ(M1)132を駆動するための駆動信号を生成するものであり、その生成した駆動信号をシャッタ駆動モータ(M1)132に供給する。
シャッタ駆動モータ(M1)132は、シャッタ駆動制御部131から供給される駆動信号に基づいて、シャッターユニット112を駆動するモータである。
位相差AFモジュール133は、オートフォーカス(AF)するために、位相差検出方式でフォーカスのズレを検出するものであり、検出したフォーカスに関する情報をメイン制御部145に供給する。
内蔵マイク141は、撮像装置100に内蔵されたマイクロフォンであり、入力された周囲の音を電気信号に変換するものである。この内蔵マイク141は、変換した電気信号を、周囲音信号として、音信号処理部143に供給する。
外部マイク接続端子142は、外部マイクを撮像装置100に取り付ける場合において、外部マイクと撮像装置100との間を接続する端子である。この外部マイク接続端子142は、外部マイクが接続された場合には、外部マイクが生成した電気信号を、周囲音信号として、音信号処理部143に供給する。なお、外部マイクを取り付ける例については、図9乃至図13において示す本発明の第2の実施の形態を参照して説明する。また、外部マイク接続端子142は、特許請求の範囲に記載の接続部の一例である。
音信号処理部143は、内蔵マイク141または外部マイク接続端子142から供給された周囲音信号に所定の信号処理をするものである。また、音信号処理部143は、周囲音信号に基づいて、周囲の音の大きさを解析する。さらに、音信号処理部143は、外部マイク接続端子142を介して外部マイクが撮像装置100に接続された場合には、信号処理する周囲音信号を、内蔵マイク141の周囲音信号から外部マイクの周囲音信号に切り替える。この音信号処理部143は、処理した周囲音信号および解析した周囲の音の大きさを、メイン制御部145に供給する。
メイン制御部145は、撮像装置100の各部の動作を制御するものであり、例えば、制御プログラムを記憶するROMを備えるマクロコンピュータにより構成される。
絞り駆動制御部146は、メイン制御部145から供給される絞りに関する情報に基づいて、絞りの駆動を制御する信号(絞り駆動制御信号)を生成するものであり、その生成した絞り駆動信号を、接続端子152を介して交換レンズ200に供給する。
速度制御部147は、フォーカスレンズを駆動させるモータ(レンズ駆動モータ)の駆動速度を制限するための信号(制限速度信号)を生成するものである。この速度制御部147は、周囲の音の大きさと、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報に基づいて、制限速度信号を生成する。ここで、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報とは、周囲の音の大きさに基づいてレンズ駆動モータの駆動速度を調整するために用いられる情報である。この速度制御部147は、その生成した制限速度信号を、接続端子154を介して交換レンズ200に供給する。なお、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報の一例については、図5(a)を参照して説明する。
フォーカス駆動制御部148は、メイン制御部145から供給されるフォーカスに関する情報に基づいて、レンズの駆動量を示す駆動量信号を生成するものである。このフォーカス駆動制御部148は、その生成した駆動量信号を、接続端子155を介して交換レンズ200に供給する。
交換レンズ200は、複数のレンズを備えており、撮像装置100が撮像する像の光を集光し、その集光した光を撮像面に結像させるものである。この交換レンズ200は、絞り駆動機構211と、絞り駆動モータ(M3)212と、レンズ位置検出部213と、レンズ駆動機構214と、レンズ駆動モータ(M4)215と、鏡胴216と、レンズ情報保持部230とを備える。また、鏡胴216は、絞り217およびレンズ群221を備える。なお、レンズ群221には、説明の便宜上、ズームレンズ218およびフォーカスレンズ219のみが示されている。
絞り駆動機構211は、接続端子152を介して供給される絞り駆動制御信号に基づいて、絞り駆動モータ(M3)212を駆動するための駆動信号を生成するものである。この絞り駆動機構211は、その生成した駆動信号を、絞り駆動モータ(M3)212に供給する。
絞り駆動モータ(M3)212は、絞り駆動機構211から供給される駆動信号に基づいて、絞り217を駆動するモータである。この絞り駆動モータ(M3)212は、絞り217を駆動することにより、絞り217の絞り径を変更する。
レンズ位置検出部213は、レンズ群221のズームレンズ218およびフォーカスレンズ219の位置を検出するものである。このレンズ位置検出部213は、その検出した位置に関する情報(レンズ位置情報)を、接続端子153を介して撮像装置100に供給する。
レンズ駆動機構214は、接続端子154を介して供給される制限速度信号と、接続端子155を介して供給される駆動量信号とに基づいて、レンズ駆動モータ(M4)215を駆動するための駆動信号を生成するものである。このレンズ駆動機構214は、その生成した駆動信号を、レンズ駆動モータ(M4)215に供給する。
レンズ駆動モータ(M4)215は、レンズ駆動機構214から供給される駆動信号に基づいて、フォーカスレンズ219を駆動するモータである。このレンズ駆動モータ(M4)215は、フォーカスレンズ219を駆動することにより、フォーカスを調整する。
鏡胴216は、交換レンズ200においてレンズ群221を構成するレンズが備え付けられている部位である。
絞り217は、撮像装置100に入射する被写体からの入射光の光量を調整するための遮蔽物である。
ズームレンズ218は、鏡胴216の中を光軸方向に移動することにより焦点距離を変動させて、撮像画像に含まれる被写体の倍率を調整するものである。
フォーカスレンズ219は、鏡胴216の中を光軸方向に移動することによりフォーカスを調整するものである。
レンズ情報保持部230は、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報を保持するものである。このレンズ情報保持部230は、例えば、駆動音を調整するための情報として、レンズ駆動モータ(M4)215の制限速度と、このレンズ駆動モータ(M4)215の駆動により発生する音(駆動音)との関係に関する情報(速度‐騒音特性)を保持する。なお、速度‐騒音特性については、図4を参照して説明する。
また、このレンズ情報保持部230は、交換レンズ200の焦点距離、射出瞳位置、絞り値、合焦距離および周辺光量などの情報も保持する。このレンズ情報保持部230は、保持する情報を、接続端子151を介して撮像装置100に供給する。
[撮像システムの機能構成例]
図3は、本発明の第1の実施の形態における撮像システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。
なお、本発明の第1の実施の形態では、周囲の音にとして、周囲の音の大きさを解析することを想定して説明する。
撮像装置100は、音入力部310と、音解析部320と、レンズ情報取得部330と、制限音量決定部380と、制限速度決定部340と、撮像部351と、画像信号処理部352と、音信号処理部353とを備える。また、撮像装置100は、記録制御部354と、記録部355と、操作受付部356と、合焦判定部360と、レンズ駆動量生成部370とを備える。また、交換レンズ200は、レンズ情報保持部410と、レンズ駆動部420と、鏡胴430と、ズームレンズ431と、フォーカスレンズ432とを備える。
音入力部310は、入力された周囲の音を電気信号に変換するものである。すなわち、音入力部310は、周囲の音を取得するためのものである。この音入力部310は、変換した電気信号を、周囲音信号として、音解析部320および音信号処理部353に供給する。なお、音入力部310は、図2において示した内蔵マイク141に対応する。なお、音入力部310は、特許請求の範囲に記載の音取得部の一例である。
音解析部320は、音入力部310から供給された周囲音信号に基づいて、周囲の音を解析するものである。この音解析部320は、例えば、周囲音信号に基づいて、周囲の音の大きさ(デジベル(dB))を算出することによって、周囲の音を解析する。また、音解析部320は、算出した周囲の音の大きさを、周囲音レベル情報として制限速度決定部340に供給する。なお、音解析部320は、図2において示した音信号処理部143に対応する。
レンズ情報取得部330は、レンズ情報保持部410から交換レンズ200の駆動音を調整するための情報を取得するものである。このレンズ情報取得部330は、例えば、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報として、速度‐騒音特性がレンズ情報保持部410に保持されている場合には、この速度‐騒音特性を取得する。また、レンズ情報取得部330は、取得した速度‐騒音特性を制限速度決定部340に供給する。また、レンズ情報取得部330は、取得した速度‐騒音特性に基づいて、レンズ駆動モータの駆動音の最大の音量(最大駆動音)および最小の音量(最小駆動音)を、制限音量決定部380に供給する。なお、レンズ情報取得部330は、図2において示したメイン制御部145に対応する。
制限音量決定部380は、音解析部320から供給される周囲音レベル情報と、レンズ情報取得部330から供給された最大駆動音および最小駆動音とに基づいて、制限音量を決定するものである。ここで、制限音量とは、フォーカスレンズ432を駆動するレンズ駆動モータが駆動する際に発生する駆動音を制限するための音量値である。この制限音量決定部380は、決定した制限音量を制限速度決定部340に供給する。なお、制限音量決定部380は、図2において示した速度制御部147に対応する。また、制限音量決定部380による制限音量の決定については、図5(a)を参照して説明する。なお、制限音量決定部380は、特許請求の範囲に記載の決定部の一例である。
制限速度決定部340は、制限音量決定部380から供給される制限音量と、レンズ情報取得部330から供給される交換レンズ200の駆動音を調整するための情報(速度‐騒音特性)とに基づいて、フォーカスレンズ432の制限速度を決定するものである。例えば、制限速度決定部340は、制限音量として40dBが供給された場合には、速度‐騒音特性を用いて、40dBの駆動音を発生する駆動速度を算出する。この制限速度決定部340は、操作受付部356から動画像の記録を開始するための信号が供給された場合には、レンズ駆動部420への制限速度の供給を開始する。また、この制限速度決定部340は、動画像の記録を終了させるための信号が供給された場合には、レンズ駆動部420への制限速度の供給を終了する。この制限速度決定部340は、決定した制限速度をレンズ駆動部420に供給する。なお、制限速度決定部340は、図2において示した速度制御部147に対応する。なお、制限速度決定部340は、特許請求の範囲に記載の決定部および出力部の一例である。また、制限速度決定部340が供給する制限速度は、特許請求の範囲に記載の制限速度および制御信号の一例である。
撮像部351は、被写体からの入射光を電気信号に光電変換して画像信号を生成するものである。この撮像部351は、操作受付部356から供給される動画像の記録の開始および終了に関する信号に基づいて、動画像を撮像するための動作の開始および終了を行う。また、この撮像部351は、生成した画像信号を画像信号処理部352に供給する。なお、撮像部351は、図2において示した撮像素子113に対応する。
画像信号処理部352は、撮像部351から供給された画像信号に所定の信号処理を施して、記録部355に保持させる画像データを生成するものである。この画像信号処理部352は、信号処理をした画像信号を、画像データとして記録制御部354に供給する。なお、画像信号処理部352は、図2において示したAFE114および画像処理部115に対応する。
音信号処理部353は、音入力部310から供給された周囲音信号に所定の信号処理を施して、記録部355に保持させる音データを生成するものである。この音信号処理部353は、信号処理をした周囲音信号を、音データとして記録制御部354に供給する。なお、音信号処理部353は、図2において示した音信号処理部143に対応する。
記録制御部354は、画像信号処理部352から供給された画像データと、音信号処理部353から供給された音データとに基づいて、動画像データの記録の制御を行うものである。この記録制御部354は、画像データおよび音データに基づいて、動画像データ(動画コンテンツ)を生成し、記録部355における動画像データの記録の制御を行う。また、記録制御部354は、操作受付部356から供給される動画像の記録の開始および終了に関する信号に基づいて、動画像を撮像するための動作の開始および終了を行う。この記録制御部354は、生成した動画像データを記録部355に供給する。なお、記録制御部354は、図2において示したメイン制御部145に対応する。
記録部355は、記録制御部354から供給された動画像データを記録するものである。なお、記録部355は、図2において示したメモリカード125に対応する。
操作受付部356は、ユーザからの操作を受け付けるものである。この操作受付部356は、例えば、動画像の記録を開始するための操作を受け付けた場合には、動画像の記録開始に関する信号を、制限速度決定部340、撮像部351および記録制御部354に供給する。また、操作受付部356は、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けた場合には、動画像の記録終了に関する信号を制限速度決定部340、撮像部351および記録制御部354に供給する。なお、操作受付部356は、図2において示した操作部128に対応する。
合焦判定部360は、フォーカスが合焦しているか否か判定するものである。この合焦判定部360は、例えば、位相差検出方式により実現される。合焦判定部360は、フォーカスが合焦している場合には、合焦していることを示す情報を合焦判定結果情報としてレンズ駆動量生成部370に供給する。また、この合焦判定部360は、フォーカスが合焦していない場合には、フォーカスのズレの量を示す情報を算出し、その算出したフォーカスのズレの量を合焦判定結果情報としてレンズ駆動量生成部370に供給する。さらに、合焦判定部360は、フォーカスのズレの量が大すぎてフォーカスを検出するための像がボケるなどにより、フォーカスのズレの量が算出できない場合には、その算出不能を示す情報を合焦判定結果情報としてレンズ駆動量生成部370に供給する。なお、合焦判定部360は、図2において示した位相差AFモジュール133に対応する。
レンズ駆動量生成部370は、合焦判定部360から供給された合焦判定結果情報に基づいて、フォーカスレンズ432の駆動量を示す駆動量信号を生成するものである。このレンズ駆動量生成部370は、フォーカスが合焦している場合には、フォーカスレンズ432の現在の位置を維持させる信号を生成する。また、レンズ駆動量生成部370は、フォーカスがズレている場合には、フォーカスのズレの量を示す合焦判定結果情報に基づいて、フォーカスレンズ432の駆動量(移動距離)を算出する。そして、レンズ駆動量生成部370は、その算出した駆動量ほどフォーカスレンズ432を移動させるための信号を生成する。さらに、レンズ駆動量生成部370は、フォーカスのズレの量の算出不能を示す合焦判定結果情報に基づいて、フォーカスレンズ432を全長スキャンさせるための信号を生成する。ここで、全長スキャンとは、フォーカスレンズ432の稼動範囲内を全て移動させることであり、撮像装置100は、全長スキャンすることにより、フォーカスが合焦する位置の検出を行う。このレンズ駆動量生成部370は、生成した信号を、駆動量信号としてレンズ駆動部420に供給する。なお、レンズ駆動量生成部370は、図2において示したフォーカス駆動制御部148に対応する。
レンズ情報保持部410は、交換レンズ200の駆動音を調整するための情報であるレンズ情報を保持するものである。ここで、レンズ情報とは、装着されている交換レンズ200におけるレンズの駆動速度と、交換レンズ200におけるレンズの駆動により発する音(駆動音)との相関性に関する情報である。具体的には、レンズ情報保持部410は、レンズ情報として、レンズ駆動モータの速度とレンズ駆動モータの駆動音(騒音)との関係に関する情報(速度‐騒音特性)を保持する。このレンズ情報保持部410は、保持する情報を、レンズ情報取得部330に供給する。なお、このレンズ情報保持部410は、図2において示したレンズ情報保持部230に対応する。
レンズ駆動部420は、制限速度決定部340から供給される制限速度信号と、レンズ駆動量生成部370から供給される駆動量信号とに基づいて、フォーカスレンズ432を移動させるものである。このレンズ駆動部420は、例えば、PID(Proportinal Integral Differential)制御方式により、レンズ駆動モータを駆動させる。すなわち、このレンズ駆動部420は、制限速度より遅い速度でモータを駆動させて、駆動量信号が示す駆動量(移動距離)ほどフォーカスレンズ432を移動させる。なお、レンズ駆動部420は、図2において示したレンズ駆動機構214およびレンズ駆動モータ(M4)215に対応する。
鏡胴430、ズームレンズ431およびフォーカスレンズ432は、図2において示した鏡胴216、ズームレンズ218およびフォーカスレンズ219に対応するため、ここでの説明を省略する。
このように、レンズ情報保持部410および制限速度決定部340を設けることによって、周囲の音の大きさに対応する駆動音によりフォーカスレンズ432を移動させることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態では、音解析部320は周囲の音の大きさとしてデジベルを算出したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、音解析部320は、騒音の大きさを人の感覚を加味して示すソン(SONE)を算出するようにしてもよい。また、レンズ駆動モータの駆動音に関して周波数ごとの情報をレンズ情報保持部410が保持し、音解析部320は駆動音が大きい周波数における音の強さを解析するようにしてもよい。また、音解析部320において周囲音の変化等も解析することにより周囲のシチュエーションを判定し、その判定も加味して制限速度決定部340が制限速度を生成するようにしてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、交換レンズ200に交換レンズ200の駆動音を調整するための情報(速度‐騒音特性)を保持させたが、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置100に交換レンズ200ごとの速度‐騒音特性を保持させて、交換レンズ200は交換レンズを識別する情報を供給するようにしてもよい。また、ユーザが速度‐騒音特性を入力できるようにしてもよい。
[速度‐騒音特性の関係例]
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるレンズ情報保持部410が保持する速度‐騒音特性の関係例を示す模式図である。
図4では、交換レンズ200におけるフォーカスレンズ432を駆動させるモータ(レンズ駆動モータ)の回転速度の最大値は、10000rpmであることを想定する。また、このレンズ駆動モータの回転速度の最小値は、1500rpmであることとする。そして、このレンズ駆動モータの駆動音は、10000rpmでは50dBであり、1500rpmでは14dBであることとする。また、レンズ駆動モータの駆動音および周囲音は、音入力部310に入力される際の音の大きさで表すものとする。
図4には、レンズ情報保持部410が保持するレンズ情報(速度‐騒音特性)の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動速度を示す軸とし、横軸をレンズ駆動モータの駆動音を示す軸として、速度‐騒音特性(駆動モータ特性412)が実線で示されている。
駆動モータ特性412は、レンズ駆動モータの駆動速度と、レンズ駆動モータの駆動音との関係を示す特性である。この駆動モータ特性412は、図4に示すように、レンズ駆動モータの駆動速度の上昇に応じて、駆動音も上昇する。
この駆動モータ特性412に示すように、レンズ駆動モータの駆動速度とレンズ駆動モータの駆動音との相関に関する情報(速度‐騒音特性)が、レンズ情報としてレンズ情報保持部410に保持される。
[制限音量および制限速度の一例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における制限音量決定部380が決定する制限音量および制限速度決定部340が決定する制限速度の一例を示す模式図である。
図5(a)には、周囲音レベル情報と、レンズ駆動モータの最大駆動音および最小駆動音とに基づいて決定される制限音量の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動音を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限音量の特性(駆動音特性381)が実線で示されている。また、周囲音と音量が同一である駆動音が、細かい破線の直線で示されている。さらに、駆動音特性381における駆動音が周囲音より僅かに小さくなる区間が、破線の楕円(領域A1)で囲まれている。
駆動音特性381は、音入力部310に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限音量との関係を示す特性である。この駆動音特性381は、音解析部320から供給される周囲音レベル情報と、図4において示した速度‐騒音特性(レンズ情報)の最大駆動音および最小駆動音とに基づいて生成される。この駆動音特性381において、周囲音が、周囲音が20dB以下である場合には、制限音量は、最小駆動音の大きさである14dBで一定となる。また、周囲音が20dB乃至60dBである場合には、周囲音の増加に応じて制限音量が14dBから50dBへ増加する。そして、周囲音が60dB以上である場合には、制限音量は、最大駆動音の大きさである50dBで一定となる。
ここで、制限音量決定部380の制限音量の決定について、一例として、周囲音レベル情報として10dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定して説明する。この場合において、最小駆動音が14dBであることから、周囲音の大きさにかかわらず、フォーカスレンズ432を駆動する際には14dB以上の駆動音が発生する。このため、制限音量決定部380は、周囲音の10dB以下の駆動音でレンズ駆動モータを駆動させることができないと判断して、制限音量を最小駆動音と同じ14dBと決定する。
また、周囲音レベル情報として40dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定する。この場合において、周囲音レベル情報が40dBであることから、制限音量決定部380は、14dB以上かつ40dB以下の駆動音をレンズ駆動モータに発生させることができると判断する。そこで、制限音量決定部380は、例えば、45dBからわずかに低い音量(35dB)を、制限音量として決定する。
さらに、別の一例として、周囲音レベル情報として80dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定する。この場合において、周囲音レベル情報が80dBであることから、制限音量決定部380は、14dB以上かつ80dB以下の駆動音をレンズ駆動モータに発生させることができると判断する。また、最大駆動音が50dBであることから、制限音量決定部380は、最大駆動音を発生させることができると判断し、制限音量を50dBと決定する。
図5(b)には、制限音量と速度‐騒音特性とに基づいて決定される制限速度の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動速度を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限速度の特性(速度特性349)が実線で示されている。
速度特性349は、音入力部310に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限速度との関係を示す特性である。この速度特性349は、速度‐騒音特性に基づいて、図5(a)において示した駆動音特性381の駆動音を駆動速度に変換したものを示す特性である。
ここで、制限速度決定部340の制限速度の決定について、一例として、制限音量として14dBを示す情報が供給されたことを想定して説明する。この場合において、制限速度決定部340は、駆動モータ特性412を用いて、14dBの駆動音を発生する駆動速度は1500rpmであると判定し、その判定した駆動速度(1500rpm)を制限速度として決定する。
この図5に示すように、制限音量決定部380により制限音量が生成され、そして、制限速度決定部340により、その制限音量および速度‐騒音特性を用いて制限速度が算出される。
なお、レンズ駆動モータの回転速度の最大値、最小値および回転速度における駆動音は、交換レンズ200の種類ごとに異なる。そこで、交換レンズ200ごとの速度‐騒音特性(駆動音を調整するための情報)をレンズ情報保持部230に保持させることにより、交換レンズに合わせて駆動音を制御することができる。
[周囲音に対する駆動音の大きさの一例]
図6は、本発明の第1の実施の形態において、環境音(周囲音)と、フォーカスレンズ432のレンズ駆動モータの駆動速度と、レンズ駆動モータの駆動音とのお互いの関係を模式的に示す表である。ここで、環境音は、一般の生活環境において発生する音を意味する。
図6では、周囲音(周囲音[dB])と、その周囲音を発生する生活環境の一例(周囲音の一例)と、フォーカスレンズ432のレンズ駆動モータの駆動速度(駆動速度[rpm])と、レンズ駆動モータの駆動音(駆動音[dB])とが示されている。
なお、周囲音の大きさと駆動速度と駆動音との関係は、図5において示した速度特性349および駆動音特性381と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
このように、フォーカスレンズ432のレンズ駆動モータの駆動音を周囲音の大きさに応じて調整する(周囲音の大きさよりレンズ駆動モータの駆動音を小さくする)ことにより、動画像を撮像する際に録音される駆動音を減少させることができる。また、周囲音が増加するに応じて駆動音を増加させるため、効率よくレンズを駆動することができる。
[撮像システムの動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における撮像システム10の動作について図面を参照して説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態における撮像システム10による動画像を記録する際のフォーカス調整処理例を示すフローチャートである。この図7では、動画像を撮像装置100に記録させるための操作をユーザが実行してから、その動画像の記録を終了させるまでの処理手順例を示す。
まず、動画像の記録を開始させるための操作を受け付けたか否かが、操作受付部356により判断される(ステップS901)。そして、動画像の記録を開始させるための操作を受け付けていないと判断された場合には(ステップS901)、動画像の記録を開始しないで、動画像を記録する際のフォーカス調整処理手順は終了する。
一方、動画像の記録を開始させるための操作を受け付けたと判断された場合には(ステップS901)、レンズ情報を保持する交換レンズが装着されたか否かが、レンズ情報取得部330により判断される(ステップS902)。そして、レンズ情報を保持していないと判断された場合には(ステップS902)、制限速度を用いないで、レンズ駆動量のみでオートフォーカス処理が行われる(ステップS911)。
その後、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けたか否かが、操作受付部356により判断される(ステップS912)。そして、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けていない場合には(ステップS912)、ステップS911に戻り、動画像の記録とともに制限速度を用いないオートフォーカス処理が継続される。
一方、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けたと判断された場合には(ステップS912)、動画像の記録を終了させるとともに、動画像を記録する際のフォーカス調整処理手順は終了する。
一方、レンズ情報を保持する交換レンズが装着されたと判断された場合には(ステップS902)、レンズ情報保持部410からレンズ情報が、レンズ情報取得部330により取得される(ステップS903)。続いて、合焦判定部360により注目被写体にフォーカスがあっているか否かを判定する合焦判定処理が行われる(ステップS904)。次に、その合焦判定処理結果に基づいて、フォーカスが合っている(合焦)か否かが、合焦判定部360により判断される(ステップS905)。そして、フォーカスが合っていると判断された場合には(ステップS905)、ステップS909に進む。なお、ステップS903は、特許請求の範囲に記載のレンズ情報取得手順の一例である。
一方、フォーカスが合っていないと判断された場合には(ステップS905)、検出されたフォーカスのズレの量に基づいて、フォーカスレンズ432の駆動量(移動量)がレンズ駆動量生成部370により生成される(ステップS906)。次に、レンズ情報(速度‐騒音特性)と、音入力部310に入力された周囲音とに基づいて、制限音量決定部380および制限速度決定部340により制限速度が決定される制限速度決定処理が行われる(ステップS920)。なお、この制限速度決定処理(ステップS920)については、図8を参照して説明する。なお、ステップS920は、特許請求の範囲に記載の決定手順の一例である。
続いて、制限速度決定部340が生成した制限速度と、レンズ駆動量生成部370が生成したレンズ駆動量とが、交換レンズ200におけるレンズ駆動部420に供給される(ステップS907)。そして、レンズ駆動部420におけるレンズ駆動モータが制限速度内で動作することにより、レンズ駆動量が示す駆動量だけフォーカスレンズ432が駆動(移動)される(ステップS908)。すなわち、決定された制限速度に基づいてフォーカスレンズ432を駆動させるように交換レンズ200におけるフォーカスレンズ432の駆動制御が行なわれる。なお、ステップS907およびS908は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
次に、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けたか否か、操作受付部356により判断される(ステップS909)。そして、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けていない場合には(ステップS909)、ステップS904に戻り、動画像の記録とともに制限速度を用いるフォーカス処理が継続される。
一方、動画像の記録を終了させるための操作を受け付けたと判断された場合には(ステップS909)、動画像の記録を終了させるとともに、動画像を記録する際のフォーカス調整処理手順は終了する。
図8は、本発明の第1の実施の形態における制限速度決定処理(ステップS920)の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、音入力部310に入力した周囲音が、音解析部320に入力される(ステップS921)。続いて、周囲音の大きさが、音解析部320により解析される(ステップS922)。そして、音解析部220から供給された周囲音の大きさと、レンズ情報取得部330から供給された速度‐騒音特性とに基づいて、制限速度が制限速度決定部340により決定される(ステップS926)。なお、ステップS921は、特許請求の範囲に記載の音取得手順の一例である。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、交換レンズごとに保持された駆動音を調整するための情報を用いて、周囲音の大きさより駆動音が小さくなるように交換レンズの駆動音を制御するとができる。これにより、レンズの駆動音が録音されることを防止することができる。
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、撮像装置100に内蔵されている音入力部310を用いて周囲音を取得する例について説明した。この音入力部310は、交換レンズ200に近い位置に設置されているため、交換レンズ200からの駆動音を拾い易い。ここで、外部マイクを撮像装置100に接続し、この外部マイクを用いることにより、周囲の音を取得する場合を想定する。この場合には、外部マイクと、音入力部との距離が比較的離れている場合には、音入力部に入力される駆動音が比較的小さくなることが想定される。この場合には、その距離に応じて、制限速度を変更して、レンズをさらに効率的に駆動することが好ましい。そこで、本発明の第2の実施の形態では、外部マイクを用いて周囲音を取得する場合に、交換レンズの制御を行う例を示す。
次に、外部マイクを用いて周囲音を取得する本発明の第2の実施の形態について、図9乃至14を参照して説明する。
[撮像システムの外観構成例]
図9は、本発明の第2の実施の形態における撮像システム11の外観構成の一例およびその使用例を示す模式図である。この撮像システム11は、撮像装置500と、交換レンズ200と、外部マイク601とを備える。なお、撮像装置500については、外部マイク601が装着されている点以外は、図1において示した撮像装置100と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。また、交換レンズ200についても、図1において示した交換レンズ200と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
外部マイク601は、撮像装置500に接続して、周囲音を集音するマイクロフォンである。この外部マイク601は、周囲音を集音するマイク部611を備える。また、この外部マイク601は、撮像装置500の上面に装着されて、撮影者が保持しなくてもよいように固定される。
また、図9には、撮像システム11を用いて撮像動作を行っている人物810が、撮像システム11とともに示されている。図9に示す例では、人物810が、右手811で撮像装置500の側面を持ち、左手812で交換レンズ200を持った状態で、動画像の撮像動作を行っている場合を示す。
この図9に示すように、外部マイク601におけるマイク部611は、図1において示した撮像装置100の内蔵マイク141よりも、交換レンズ200から離れた位置において周囲音を集音する。
図10は、本発明の第2の実施の形態における撮像システム12の外観構成の一例およびその使用例を示す模式図である。この撮像システム12は、図9において示した撮像システム11の外部マイク601の代わりに、人物810が手で保持して録音する外部マイク602を備える。
外部マイク602は、図9において示した外部マイク601と同様に、撮像装置500に接続して周囲音を集音するマイクロフォンである。この外部マイク602は、撮像装置500には固定されずに、ケーブル631を介して撮像装置500と接続される。
また、図10には、図9と同様に、撮像システム12を用いて撮像動作を行っている人物810が示されている。図10に示す例では、人物810が、右手811で撮像装置500の側面を持ち、左手812で外部マイク602の支持部812を支えた状態で、動画像の撮像動作を行っている場合を示す。
この図10において示すように、外部マイク602におけるマイク部611は、図9において示した外部マイク601のマイク部611よりも、交換レンズ200から離れた位置において周囲音を集音する。
このように、撮像装置500に外部マイクを接続できるようにすることにより、様々な特性の外部マイクを用いて周囲音を集音することができる。
[撮像システムの機能構成例]
図11は、本発明の第2の実施の形態における撮像システム11の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、撮像システム12の機能構成は、撮像システム11と同様のものであるため、ここでは撮像システム11について説明し、撮像システム12については省略する。
撮像システム11は、交換レンズ200と、撮像装置500と、外部マイク600とを備える。
なお、交換レンズ200は、図3において示した交換レンズ200の各部と同様のものであるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
外部マイク600は、撮像装置500に接続されて、周囲音を集音するマイクロフォンである。この外部マイク600は、音入力部610および外部マイク情報保持部620を備える。なお、外部マイク600は、図9において示した外部マイク601および図10において示した外部マイク602に対応する。
音入力部610は、外部マイク600において、入力された周囲の音を電気信号に変換するものである。すなわち、音入力部610は、周囲の音を取得するためのものである。この音入力部610は、変換した電気信号を、周囲音信号として撮像装置500に供給する。なお、音入力部610は、図9および図10において示したマイク部611に対応する。
外部マイク情報保持部620は、外部マイク600における交換レンズ200の駆動音の減少に関する情報を保持するものである。ここで、駆動音の減少に関する情報とは、交換レンズ200と外部マイク600の音入力部610との間の距離における、交換レンズ200の駆動音の距離減衰を示す情報である。例えば、この外部マイク情報保持部620は、音入力部610が35dB(音入力部310に入力される音の大きさ)以下のレンズ駆動モータの駆動音を集音しない場合には、この35dBを示す情報を外部マイク情報として保持する。この外部マイク600は、保持する駆動音の減少に関する情報を、外部マイク情報として撮像装置500に供給する。
撮像装置500は、図3において示した撮像装置100と同様に、音入力部310と、音解析部320と、レンズ情報取得部330と、制限速度決定部340と、撮像部351と、画像信号処理部352と、音信号処理部353とを備える。さらに、撮像装置500は、図3において示した撮像装置100と同様に、記録制御部354と、記録部355と、操作受付部356と、合焦判定部360と、レンズ駆動量生成部370とを備える。また、この撮像装置500は、図3において示した制限音量決定部380の代わりに、制限音量決定部530を備える。さらに、この撮像装置500は、入力音切替部510および外部マイク情報取得部520とを備える。図11では、入力音切替部510、外部マイク情報取得部520および制限音量決定部530について説明する。
入力音切替部510は、外部マイク600が接続された場合において、周囲音を取得して周囲音信号を供給する音入力部を、音入力部310から音入力部610に切り替えるものである。この入力音切替部510は、外部マイク600が接続されていない場合には、音入力部310から供給された周囲音信号を、音解析部320および音信号処理部353に供給する。また、この入力音切替部510は、外部マイク600が装着された場合には、音入力部610から供給された周囲音信号を、音解析部320および音信号処理部353に供給する。なお、入力音切替部510は、図2において示した音信号処理部143に対応する。また、入力音切替部510は、特許請求の範囲に記載の切替部の一例である。
外部マイク情報取得部520は、外部マイク情報保持部620から外部マイク情報を取得するものである。この外部マイク情報取得部520は、取得した外部マイク情報を制限音量決定部530に供給する。なお、外部マイク情報取得部520は、図2において示したメイン制御部145に対応する。また、外部マイク情報取得部520は、特許請求の範囲に記載の音取得装置情報取得部の一例である。
制限音量決定部530は、図3において示した制限音量決定部380と同様に、制限音量を決定するものである。この制限音量決定部530は、音解析部320から供給された周囲音レベル情報と、外部マイク情報取得部520から供給された外部マイク情報と、レンズ情報取得部330から供給された最大駆動音および最小駆動音とに基づいて、制限音量を決定する。また、制限音量決定部530は、外部マイク情報が外部マイク情報取得部520から供給されない場合(外部マイク600が接続されていない場合)には、周囲音レベル情報と、最大駆動音および最小駆動音とに基づいて制限音量を決定する。この制限音量決定部530は、決定した制限音量を制限速度決定部340に供給する。なお、制限音量決定部530による制限音量の決定については、図12(a)を参照して説明する。
[制限音量および制限速度の一例]
図12は、本発明の第2の実施の形態における制限音量決定部530が決定する制限音量および制限速度決定部340が決定する制限速度の一例を示す模式図である。
図12(a)には、周囲音レベル情報と、外部マイク情報と、最大駆動音および最小駆動音とに基づいて決定される制限音量の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動音を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限音量の特性(駆動音特性531)が実線で示されている。また、周囲音と音量が同一である駆動音が、細かい破線の直線で示されている。さらに、駆動音特性531において、外部マイク情報が示す駆動音の減少の量(35dB)を制限音量とする区間が破線の楕円(領域A3)で囲まれている。また、外部マイク情報が示す駆動音の減少の量が、細い破線の直線(線L1)で示されている。
駆動音特性531は、音入力部610に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限音量との関係を示す特性である。この駆動音特性531において、周囲音が、0dBから約35dBである場合には、制限音量は35dBとなる。また、周囲音が約35dBから約50dBである場合には、周囲音の増加に応じて制限音量が35dBから50dBへ増加する。そして、周囲音が約50dB以上である場合には、制限音量は50dBで一定となる。
ここで、一例として、周囲音レベル情報として10dBを示す情報が供給され、外部マイク情報として35dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定して制限音量を説明する。この場合において、外部マイク情報が35dBであることから、35dB以下のレンズ駆動モータの駆動音は音入力部610に入力されない。このため、制限音量決定部530は、レンズ駆動モータに35dBまでの駆動音を発生させることができると判断して、制限音量を35dBと決定する。
また、周囲音レベル情報として45dBを示す情報が供給され、外部マイク情報として35dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定する。この場合において、周囲音レベル情報が45dBであることから、制限音量決定部530は、外部マイク情報の35dB以上かつ45dB以下の駆動音をレンズ駆動モータに発生させることができると判断する。そこで、制限音量決定部530は、例えば、45dBとほぼ同じ音量(45dB)を、制限音量として決定する。
さらに、別の一例として、周囲音レベル情報として80dBを示す情報が供給され、外部マイク情報として35dBを示す情報が供給され、最大駆動音および最小駆動音として50dBおよび14dBが供給されたことを想定する。この場合において、周囲音レベル情報が80dBであることから、制限音量決定部530は、外部マイク情報の35dB以上かつ80dB以下の駆動音をレンズ駆動モータに発生させることができると判断する。また、最大駆動音が50dBであることから、制限音量決定部530は、最大駆動音を発生させることができると判断し、制限音量を50dBと決定する。
図12(b)には、制限音量と速度‐騒音特性とに基づいて決定される制限速度の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動速度を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限速度の特性(速度特性541)が実線で示されている。
速度特性541は、音入力部610に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限速度との関係を示す特性である。この速度特性541は、速度‐騒音特性に基づいて、図12(a)において示した駆動音特性531の駆動音を駆動速度に変換したものを示す特性である。
この図12に示すように、制限音量決定部530により制限音量が生成され、そして、制限速度決定部340により、その制限音量および速度‐騒音特性を用いて制限速度が算出される。
[撮像システムの動作例]
次に、本発明の第2の実施の形態における撮像システム11の動作について図面を参照して説明する。
図13は、本発明の第2の実施の形態における撮像システム11による動画像を記録する際のフォーカス調整処理例を示すフローチャートである。この処理手順は、図7の変形例であり、外部マイクが装着されているか否かに応じて制限速度決定処理を変更する点が異なる。また、この点以外については、図7と同一であるため、図7と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
レンズ情報保持部410からレンズ情報が、レンズ情報取得部330により取得された後に(ステップS903)、外部マイクが装着されたか否かが、入力音切替部510により判断される(ステップS931)。そして、外部マイクが装着されていないと判断された場合には(ステップS931)、撮像装置500の内蔵マイクである音入力部310を用いて周囲音の集音が行われ(ステップS932)、ステップS904に進む。
一方、外部マイクが装着されていると判断された場合には(ステップS931)、外部マイク600の外部マイク情報保持部620に保持されている外部マイク情報が、外部マイク情報取得部520により取得される(ステップS933)。次に、外部マイク600における音入力部610により、周囲音の集音が行われる(ステップS934)。
また、フォーカスレンズ432の駆動量がレンズ駆動量生成部370により生成された後に(ステップS906)、レンズ情報(速度‐騒音特性)と、周囲音と、外部マイク情報とに基づいて、制限速度が決定される制限速度決定処理が行われる(ステップS940)。このステップS940では、制限音量決定部530および制限速度決定部340により行われる。なお、この制限速度決定処理(ステップS940)については、図14を参照して説明する。
図14は、本発明の第2の実施の形態における制限速度決定処理(ステップS940)の処理手順例を示すフローチャートである。この処理手順は、図8の変形例であり、外部マイクによる集音であるか否かに応じて制限音量の決定を変更する点が異なる。また、この点以外については、図8と同一であるため、図8と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
周囲音の大きさが、音解析部320により解析された後に(ステップS922)、外部マイク情報取得部520が取得した外部マイク情報が、制限音量決定部530により参照される(ステップS943)。
続いて、外部マイク情報に基づいて、音解析部320から供給された周囲音の大きさ(周囲音レベル情報)は外部マイク600の音入力部610による集音であるか否かが、制限音量決定部530により判断される(ステップS944)。そして、外部マイク600による集音でないと判断された場合には(ステップS944)、周囲音レベル情報と、レンズ情報取得部330から供給された最大駆動音音量および最小駆動音音量とに基づいて、制限音量が決定される(ステップS946)。この制限音量の決定(ステップS946)の後は、ステップS926に進む。
一方、外部マイク600による集音であると判断された場合には(ステップS944)、周囲音レベル情報と、外部マイク情報と、最大駆動音音量および最小駆動音音量とに基づいて、制限音量が決定される(ステップS945)。続いて、その制限音量と、レンズ情報取得部330から供給された速度‐騒音特性とに基づいて、制限速度決定部340により制限速度が決定される(ステップS926)。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、撮像装置に接続した外部マイクにおけるレンズ駆動モータの駆動音の減少に関する情報を加味した上で、周囲の音を考慮した適切な駆動音で効率よく交換レンズの駆動制御を行うことができる。
<3.第3の実施の形態>
本発明の第1および第2の実施の形態では、音入力部におけるレンズ駆動モータの駆動音の集音を軽減させるようにレンズ駆動モータの駆動速度を制御する例について説明した。本発明の第1および第2の実施の形態における撮像システムによれば、レンズ駆動モータの駆動音が少ない奇麗な周囲音を録音することができる。しかしながら、動画像の撮像では常に画像が記録されているため、フォーカスが大幅にズレている場合等には、レンズ駆動モータの駆動音が少ない奇麗な周囲音の録音を優先するよりも、フォーカスの素早い一致を優先すべきことがある。例えば、フォーカスが大幅にズレている場合において、フォーカスの調整を高速で行わないと、比較的奇麗な周囲音が録画されている一方で、フォーカスが合っていない動画が録画される状態となるおそれがある。
そこで、本発明の第3の実施の形態では、周囲の音を考慮した適切な駆動音で効率よく交換レンズの駆動制御を行うことができるとともに、フォーカスのズレが大きい場合にはフォーカスの調整を高速で行う例について、図15乃至17を参照して詳細に説明する。
[撮像システムの機能構成例]
図15は、本発明の第3の実施の形態における撮像システム13の機能構成の一例を示すブロック図である。
撮像システム13は、交換レンズ200および撮像装置700を備える。交換レンズ200は、図3において示した交換レンズ200と同様のものであるため、同一の符号を付して、ここでの説明を省略する。
撮像装置700は、図3において示した撮像装置100と同様に、音入力部310と、音解析部320と、レンズ情報取得部330と、制限速度決定部340と、撮像部351と、画像信号処理部352と、音信号処理部353とを備える。さらに、撮像装置700は、撮像装置100と同様に、記録制御部354と、記録部355と、操作受付部356と、合焦判定部360とを備える。また、撮像装置500は、図3において示したレンズ駆動量生成部370の代わりに、レンズ駆動量生成部371を備える。また、この撮像装置500は、図3において示した制限音量決定部380の代わりに、制限音量決定部710を備える。この図15では、レンズ駆動量生成部371および制限音量決定部710について説明する。
レンズ駆動量生成部371は、図3において示したレンズ駆動量生成部370と同様に、フォーカスレンズ432の駆動量を示す駆動量信号を生成するものである。このレンズ駆動量生成部371は、レンズ駆動量生成部370と同様に、生成した駆動量信号をレンズ駆動部420に供給する。さらに、レンズ駆動量生成部371は、生成した駆動量信号を制限音量決定部710に供給する。
制限音量決定部710は、図3において示した制限音量決定部380と同様に、制限音量を決定するものである。この制限音量決定部710は、音解析部320から供給された周囲音レベル情報と、レンズ情報取得部330から供給された最大駆動音および最小駆動音と、レンズ駆動量生成部371から供給された駆動量信号とに基づいて、制限音量を決定する。制限音量決定部710は、駆動量信号が示す駆動量(すなわち、フォーカスのズレの大きさ)が所定の閾値よりも大きい場合には、フォーカスの調整を優先させて制限音量を決定する。また、制限音量決定部710は、駆動量信号が示す駆動量が所定の閾値よりも小さい場合には、モータの駆動音が少ない奇麗な周囲音を録音することを優先させて制限音量を決定する。なお、制限音量決定部710は、フォーカスレンズ432を全長スキャンさせるための信号が駆動量信号である場合には、この駆動量信号における駆動量は最も大きい値であることとする。例えば、所定の閾値がフォーカスレンズ432の全長スキャンを示す値である場合には、制限音量決定部710は、フォーカスレンズ432を全長スキャンさせる信号が駆動量信号として供給された際には、フォーカスの調整を優先させて制限音量を決定する。この制限音量決定部710は、決定した制限音量を制限速度決定部340に供給する。なお、制限音量の決定については、図16(a)を参照して説明する。
なお、ここでは、制限音量決定部710は、駆動量信号が示す駆動量を用いてフォーカスの調整を優先させるか否かを決定したが、これに限定されるものではない。この決定は、フォーカスのズレの大きさに基づいて決定すればいいため、例えば、合焦判定部360が生成する合焦判定結果情報であってもよい。
[制限音量および制限速度の一例]
図16は、本発明の第3の実施の形態において、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される場合における制限音量決定部710が決定する制限音量および制限速度決定部340が決定する制限速度の一例を示す模式図である。
図16(a)には、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される場合において、周囲音レベル情報と、最大駆動音および最小駆動音とに基づいて決定される制限音量の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動音を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限音量の特性(駆動音特性711)が実線で示されている。また、周囲音と音量が同一である駆動音が、細かい破線の直線で示されている。さらに、駆動音特性711において、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される場合における周囲音の大きさに応じて駆動音が決定される区間が、破線の楕円(領域A2)で囲まれている。
駆動音特性711は、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される場合における、音入力部310に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限音量との関係を示す特性である。この駆動音特性711において、周囲音が0dBから50dBである場合には、制限音量は、周囲音の増加に応じて35dBから50dBに増加する。なお、この制限音量が35dBから50dBに増加する区間における制限音量は、例えば、周囲音よりも音量が僅かに大きくなる。そして、周囲音が、50dB以上である場合には、制限音量は50dBで一定になる。
図16(a)に示すように、フォーカスの調整を優先させる場合においては、駆動音が少ない奇麗な周囲音を録音することを優先させる場合(図5(b)参照)と比較して、レンズ駆動モータの駆動音が大きくなるように制限音量が大きく設定される。すなわち、フォーカスのズレ量が所定値を基準として大きい場合には、緩和した条件に基づいて制限速度が決定される。
図16(b)には、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される場合において、制限音量と速度‐騒音特性とに基づいて決定される制限速度の一例を模式的に示すグラフが示されている。このグラフでは、縦軸をレンズ駆動モータの駆動速度を示す軸とし、横軸を周囲音を示す軸として、周囲音に対する制限速度の特性(速度特性721)が実線で示されている。
速度特性721は、音入力部310に入力された周囲音の大きさと、その周囲音の大きさに対して設定される制限速度との関係を示す特性である。この速度特性721は、速度‐騒音特性に基づいて、図12(a)において示した駆動音特性711の駆動音を駆動速度に変換したものを示す特性である。
なお、この図16では、周囲音に対する制限音量の大きさは、周囲音よりも音量が僅かに大きくなる程度としたが、これに限定されるものではない。例えば、音解析部320において周囲音の解析により周囲のシチュエーションを解析し、周囲に対する駆動音の影響を加味することなどが考えられる。この場合において、例えば、結婚式場などの常に静寂な場面においては、大きめの駆動音を出すと周囲に迷惑を掛けるため、周囲音に対する音量の増加を小さく設定する。また、街角の一風景のような、生活音等により音の大きさが絶えず変化するような場合においては、大きめの駆動音を出しても問題が無いため、周囲音に対する音量の増加を大きく設定する。なお、この周囲音に対して音量が大きくなる度合いをユーザが設定できるようにする場合なども考えられる。
[撮像システムの動作例]
次に、本発明の第3の実施の形態における撮像システム13の動作について図面を参照して説明する。
図17は、本発明の第3の実施の形態における制限速度決定処理(ステップS950)の処理手順例を示すフローチャートである。なお、本発明の第3の実施の形態における撮像システム13のフォーカス調整処理例については、図7において示したフローチャートの制限速度決定処理(ステップS920)を制限速度決定処理(ステップS950)に代えたものと同様のものである。このため、撮像システム13による動画像を記録する際のフォーカス調整処理例については、ここでの説明を省略する。
また、図17の処理手順は、図8の変形例であり、フォーカスの調整を優先させるか否かに応じて制限音量の決定を変更する点が異なる。また、この点以外については、図8と同一であるため、図8と共通する部分については、同一の符号を付してこれらの説明の一部を省略する。
周囲音の大きさが、音解析部320により解析された後に(ステップS922)、レンズ駆動量生成部371が生成した駆動量信号(レンズ移動量)が、制限音量決定部710により取得される(ステップS953)。
続いて、駆動量信号に基づいて、レンズ移動量が所定の閾値(一定値)以上であるか否かが、制限音量決定部710により判断される(ステップS954)。そして、所定の閾値以上でないと判断された場合には(ステップS954)、奇麗な周囲音の録音を優先させて制限音量が決定され(ステップS956)、ステップS926に進む。
一方、所定の閾値以上であると判断された場合には(ステップS954)、フォーカスの調整を優先させて制限音量が決定される(ステップS955)。続いて、制限音量に基づいて、制限速度決定部340により制限速度が決定される(ステップS926)。
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、周囲の音を考慮した適切な駆動音で効率よく交換レンズの駆動制御を行うこととともに、フォーカスのズレが大きい場合にはフォーカスの調整を高速で行うことができる。これにより、フォーカスのズレの量に応じて高速にフォーカスを合焦させることができる。
このように、本発明の実施の形態では、モータの駆動音が少ない奇麗な周囲音を録音するとともに、効率よくレンズを駆動することができる。これにより、動画像を撮像できる一眼レフカメラにおいて、動画像を撮像する際にレンズ毎に騒音抑制をすることができる。なお、本発明の実施の形態では、動画像の撮像の際のオートフォーカス処理におけるフォーカスレンズの駆動制御について説明したが、本発明は、フォーカスレンズまたはズームレンズの駆動制御をマニュアルで行う場合においても適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。