JP2011192921A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多大な設備を必要とすることなく、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く基板にテクスチャ加工を施すことで電変換効率の向上が可能な太陽電池の製造方法を得ること。
【解決手段】多大な設備を必要とすることなく、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く基板にテクスチャ加工を施すために、基板の被加工層の表面に、開口を有する撥水性の撥水性膜を形成し、前記開口に水溶液を配置してマスク部を形成し、前記マスク部をマスクとして用いたエッチングにより前記被加工層を加工する。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関する。
太陽電池等の光電変換装置の性能向上には、太陽電池を構成する基板内部に太陽光を効率良く取り込むことが大切である。このため、光入射側の基板表面にテクスチャ加工を施し、基板表面で一度反射した光を再度基板表面に入射させることで、より多くの太陽光を基板内部に取り込み、光電変換効率の向上を図ることが行われている。ここでテクスチャ加工とは、基板表面に意図的に平均ピッチが数十nm〜数十μmの寸法の微細凹凸を形成する加工のことである。
太陽電池用の基板にテクスチャ形成を行う方法として、例えばシリコン基板表面にエッチングの保護膜を形成した後にブラスト加工でこの保護膜に微細穴を形成し、さらにこの微細穴を開口部としてフッ酸硝酸混合液によりシリコン基板をエッチングしてテクスチャ形成を行う方法がある。また、他のテクスチャ形成方法としては、ブラスト加工により直接シリコン基板の表面を加工してテクスチャ形成を行う方法がある。さらには、単結晶シリコン基板に対しては、エッチング速度に結晶方位依存性を有する水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液による、結晶方位を利用した異方性エッチングを用いる方法がある。
これらのテクスチャ形成方法において、集電極が形成される領域にテクスチャを形成しないようにパターニングを行うことにより、集電極が基板に接する面を比較的平坦に保つことができる。これにより、太陽電池の設置面積あたりの受光面積を増やして発電効率を高めるために集電極を細くした場合でも平坦な領域に集電極を形成できるため、集電極が断線しにくいという効果が得られる。このようなテクスチャのパターニングを実現するには、パターニングされたマスクを基板上に形成する必要がある。
例えば、特許文献1では、ブラスト加工のマスク材として感光性樹脂からなる樹脂膜を提示しており、ブラスト加工から下地を部分的に防ぐことができる。マスクの除去を行う方法は、比較的切削力を抑制した砥粒によるブラスト加工により行っている。また、例えば特許文献2では、基板としてシリコン基板を想定していないが、ブラスト加工のマスク材としてフォトリソグラフィ法により形成した感光性材料を提示しており、除去方法は、アルカリ剥離液による剥離や、高温での感光性樹脂を焼き飛ばす工程を想定している。
特開2002−43601号公報 特許第3846958号公報
しかしながら、上記特許文献2では、樹脂膜を形成する方法について、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィにより開口部を形成することを例示しているが、フォトリソグラフィによるパターニングは多大な設備を必要とし、かつ工数が多いため生産性が低下する問題があった。すなわち、この場合は、感光波長を遮断した環境下で基板に感光性樹脂を塗布する工程、フォトマスクを通して感光性樹脂を露光する工程、現像液を用いて感光性樹脂の不要部分を溶解する現像工程、ブラスト加工工程、マスク材の除去工程を経る必要がある。また、現像液による樹脂の溶解により大量の有機成分が混入した廃液が発生し、環境負荷も大きい。
また、マスク材の除去において特許文献1のように物理除去を行う場合には、基板におけるマスク材により保護されていない領域にダメージを与えないように砥粒の切削力を抑制させる必要がある。このため、基板にダメージを与えずに完全にマスク材を除去するには加工時間が長時間化し、さらに生産性が低下するという問題があった。
また、特許文献2で提示しているアルカリ性溶液によるマスク材の剥離によれば短時間で除去することも可能であるが、有機樹脂が混じった廃液がさらに多量に発生することから、環境に負荷を与えるという問題がある。さらには、マスク材にアルカリ耐性が無いため、アルカリ水溶液による異方性エッチング用のマスク材として成り立たない。
一方、工程が煩雑な感光性樹脂を用いる場合以外に、集電極の幅に近い解像度でパターニングできる他の一般的な樹脂膜の形成方法として、スクリーン印刷法に代表される印刷法が挙げられる。マスク材として用いるために必要な形状としては、高い解像度且つエッチング耐性が得られるだけの厚みが必要である。
しかし、このような形状を印刷法で実現するためには、ダレによる解像度と膜厚の低下を抑制する必要がある。このため、パターニングを目的とする印刷用樹脂インクは、チクソ指数を上げた粘度特性を有する必要がある。チクソ指数を上げるには、液状成分にシリカ微粉末などの固形粉体を混ぜる必要がある。しかしながら、このような材料により形成されたマスク材は、有機樹脂成分のみからなりフォトリソグラフィによるパターニングが可能な感光性樹脂とは異なり、樹脂成分以外に固体粉体を含む。このため、これらのマスク材の除去においては、基板にダメージを与えない比較的低温、例えば500℃以下で加熱しても気化、焼失させて完全に除去することができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多大な設備を必要とすることなく、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く基板にテクスチャ加工を施すことで電変換効率の向上が可能な太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、第1導電型の半導体基板の一面側を粗面化する粗面化工程と、前記半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素を拡散して不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成工程と、前記半導体基板の一面側における電極形成領域および前記半導体基板の他面側に電極を形成する電極形成工程と、を含む太陽電池の製造方法であって、前記粗面化工程では、前記半導体基板の被加工層の表面に、開口を有する撥水性の撥水性膜を形成し、前記開口に水溶液を配置してマスク部を形成し、前記マスク部をマスクとして用いたエッチングにより前記被加工層を加工すること、を特徴とする。
本発明によれば、ブラストやアルカリ水溶液を用いた下地の加工に対するマスクとして機能するマスク部を水溶液により下地上にダレのない高い精度で形成することができ、下地に対する微細な加工を多大な設備を使用せず、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く形成することができ、光電変換効率に優れた太陽電池が得られるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板を示す断面図である。 図2−1は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図2−2は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図2−3は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図2−4は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図2−5は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図2−6は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図3は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図4は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板を示す断面図である。 図5−1は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図5−2は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図5−3は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図5−4は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図5−5は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。 図6は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図7−1は、実施の形態3にかかる太陽電池の断面図である。 図7−2は、実施の形態3にかかる太陽電池の上面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池の製造方法および太陽電池の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、シリコン太陽電池用の第1導電型の基板であって、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板であるp型結晶シリコン基板1(以下基板1と称する)を示す断面図である。なお、図1においては、理解の容易のため、本実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板1に、太陽電池の集電極であるグリッド電極103aを付加して記載してある。以下では、基板1の2つの主面のうち、表面の粗面化が施された一主面を受光面側主面、他方を裏面側主面と呼ぶ場合がある。
図1に示すように、この基板1は、穴間平均ピッチが約10μmの微細なテクスチャ窪み2が受光面側主面に略均一に形成されたテクスチャ構造を有しており、テクスチャ窪み2が形成されたテクスチャ形成領域3と、グリッド電極103aと、グリッド電極103aの直下およびその周辺領域であってテクスチャ窪み2が形成されていない平坦領域4と、が設けられている。
次に、このような基板1を形成するための実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法について説明する。図2−1〜図2−6は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。図3は、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。以下、これらの図面を参照して実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法を説明する。
基板の表面に、エッチングにおいて耐性を有する耐エッチング膜を形成する第1の工程と、耐エッチング膜上に、第1の開口を有する撥水性の撥水性膜を形成する第2の工程と、第1の開口に水溶液を配置して水溶性のマスク部を形成する第3の工程と、耐エッチング膜に対してブラスト加工処理を施して耐エッチング膜に第2の開口を形成する第4の工程と、第2の開口が形成された耐エッチング膜をマスクとして基板における耐エッチング膜が形成された面に対して耐エッチング膜が耐性を有する条件で第2の開口を介してエッチングを施す第5の工程と、耐エッチング膜を除去する第6の工程と、を含む。
まず、工程1において、図2−1に示すように、基板表面の粗面化を行う対象であるp型結晶シリコン基板1a(以下、基板1aと称する)の一面側の表面に、保護膜として、後述する工程5におけるエッチングに対してエッチング耐性を有する膜(以下、耐エッチング膜と称する)11を形成する。
本実施の形態における基板1aは、民生用太陽電池向けとして最も多く使用されている結晶シリコン基板であり、結晶シリコンインゴットからマルチワイヤーソーでスライスした後に、酸またはアルカリ溶液を用いたウェットエッチングでスライス時のダメージを除去したものである。本実施の形態では、例えばダメージ除去後の基板1aの厚みは200μm、寸法は15cm角とされる。なお、基板1の寸法はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、耐エッチング膜11は、熱酸化により成膜された膜厚80nmの酸化シリコン膜(SiO、SiO)である。ここでは、耐エッチング膜11として酸化シリコン膜を用いたが、耐エッチング膜11としてプラズマCVD法により成膜された窒化シリコン膜(SiN)、酸化窒化シリコン膜(SiON)、アモルファスシリコン膜(а−Si)、ダイアモンドライクカーボン膜等を用いても良い。
また、耐エッチング膜11の膜厚は、10nm〜500nmとすることが好ましい。耐エッチング膜11の膜厚が10nm以上であれば、後の工程3において基板1の耐エッチング膜11が形成された側の一面に対してエッチングを施す際に耐エッチング膜11が多少削られたとしても確実に耐エッチング膜として機能する。また、耐エッチング膜11の膜厚が500nm以下であれば、後の工程2で耐エッチング膜11に対して確実に微細穴加工を施すことができる。
つぎの工程2では、図2−2に示すように、基板1aの基板表面において粗面化を行う対象領域である、撥水性膜12を形成したテクスチャ形成領域3に撥水性膜12を形成する。撥水性膜12は、第1の開口12aを有する。なお、第1の開口12aは、端部が閉じている必要はない。撥水性膜12は、例えばトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM−7103、信越シリコーン製)、デシルトリメトキシシラン(KBM3103、信越シリコーン製)、ヘキシルトリメトキシシラン(KBM−3063、信越シリコーン製)の10重量%水溶液を撥水処理剤としてインクジェット印刷機により、テクスチャ形成領域3に塗布し、さらに、基板1aを100℃のヒートブロック上で1分間放置し、乾燥を行う事により得られる。テクスチャ形成領域3は、平坦領域4のネガパターンである。平坦領域4の形状は、基板1aの面内方向においてグリッド電極103aの形状と類似し、例えば2mmピッチで基板1上に並べられた幅200μm、長さ146mmの長尺状の領域である。この形状は、グリッド電極103aの形状、グリッド電極103aの印刷位置精度により適宜変更してもよい。
撥水性膜12の膜厚は、適宜設定すればよいが、撥水性膜12自体がマスキング効果を発現しない程度に薄くする必要があり、また、最終的に残留していても太陽光の吸収量が無視できる程度の薄さにすることが好ましい。実際には単分子膜でも効果は得られるため、効果が得られる接触角が得られれば、撥水処理剤の消費量を抑制するようなるべく薄くすることが好ましい。上述の方法で形成される撥水性膜12の膜厚は非常に薄く不明であるが、単分子膜のように極薄くても撥水効果は生まれることから、後の工程3において撥水効果が減退しない限り、薄くても問題がない。また、撥水性膜12の膜厚が3μm以上の厚みとなると、撥水性膜12自体が後の工程4でのブラスト加工における保護膜となるため、3μm未満の厚みであることが望ましい。
また、撥水処理剤の種類および乾燥条件は、後の工程3で塗布するマスク部13との撥水性膜12の接触角が90°以上と十分大きくなればよく、上述の撥水処理剤および乾燥条件に限定されるものではない。
撥水処理剤の溶媒は水に限定されるものではないが、表面張力がある程度高いものでないと、印刷後に乾燥までの間に基板1a(耐エッチング膜11)上で濡れ広がり、精度良く印刷ができない可能性がある。このため、撥水処理剤の溶媒としては、極性が高い水やエチレングリコールが好ましく、さらには、インクジェット印刷を行うためには表面張力が大きい水が好ましい。また、濃度は、10重量%に限定されるものではなく、印刷性や撥水性膜12の膜厚に従い適宜変更してもよい。さらに、撥水性膜12の印刷は、インクジェット印刷機によるものに限らず、他の印刷方法を用いてもよい。
また、撥水性膜12には、一般的な撥水処理剤を用いればよいが、基材表面を構成するシリコンや酸化ケイ素に容易に密着するアルキルアルコキシシラン、飽和フルオロアルキルアルコキシシランなどを主成分とするものが挙げられ、水溶液の接触角が、90°以上となるような撥水性膜を形成することが好ましい。アルコキシシランを含む撥水処理剤は、シリコン基板上のシリコンや酸化ケイ素と密着した後も、酸またはアルカリ水溶液に容易に溶解するため、テクスチャ形成におけるエッチング液で容易に剥離でき、撥水性膜の除去工程を新たに設置する必要がなくなり、生産性を高めるとともに、廃水も削減でき、環境負荷を低減させることが可能となる、という利点を有する。
撥水性膜の印刷は、例えば上述したようにインクジェット法で行うことができる。インクジェット法は、作業性が高いが、他の印刷方法と比べて、インクの粘度が高いものは印刷ができない、厚く印刷することが困難である、という問題がある。しかし、本発明の撥水性膜12の形成においては、撥水処理剤の粘度は低く、また、薄い撥水性膜でも十分効果が得られるため、最も適した印刷方法といえる。
太陽電池では、受光面の面積をなるべく広くする必要があることから集電極のグリッド部はその電気抵抗率が発電効率に影響しない程度に細く形成され、グリッド間の受光面の幅は集電極のグリッド部の幅よりも相当に太い。具体的には、グリッド部の幅が50μm〜200μm程度であるに対して、グリッド間の受光面の幅は1000μm〜3000μmである。このことから、集電極が形成される領域に撥水性膜12を形成せず、受光面となる領域に撥水性膜12を形成するには、より細い集電極が形成される領域をパターニングできるだけの高精細さが求められる一方、受光面が形成される幅が広い比較的大面積の領域に撥水性膜12を形成する必要がある。
インクジェット法により高精細に印刷するには、一回の吐出量を少なくする必要があるが、この場合は比較的大面積の領域に撥水性膜12を均一に形成するのには、多数回の吐出が必要であり、印刷時間が長くかかる。そこで、受光面が形成される領域に全面に撥水性膜12を形成するのではなく、ピンホールの残る網点に形成してもよい。ドットピッチおよびドット形状は、撥水性膜12を形成しないグリッド部と撥水性膜をドット状に形成する受光面とで水溶液の濡れ性が明確に異なればよいが、ピンホールに留まる水溶液がマスク効果を発現するとテクスチャを形成できないため、ピンホールに残留する水溶液の膜厚が10μm未満であることが必要である。ピンホールの大きさは直径10μmの円よりも小さければ、そこに残留した水溶液はマスク効果を発現できるだけの膜厚をほとんど持たないので、ピンホールは直径10μmの円内に収まる程度の大きさである必要がある。さらには、水溶液を孔版印刷で基板上に供給する場合には、水溶液の濡れ広がりを抑制する効果が得られればよいので、撥水性膜は境界のみに形成してもよい。
つぎの工程3では、図2−3に示すように、撥水性膜12を形成したテクスチャ形成領域3をネガパターンとした平坦領域4に水溶性のマスク部13を形成する。すなわち、撥水性膜12のネガパターンを基板1aの基板表面に形成した後、水溶液を湿しローラーや基板の浸漬、孔版印刷、例えばスクリーン印刷により基板1a上に供給することにより、基板1a上に水溶液からなる膜を基板1a上の第1の開口12aにパターニングして配置し、テクスチャ形成のために用いる水溶性のマスク部13を形成する。以上の方法によれば、周囲が撥水性膜12により囲まれた第1の開口12aを水溶液を配置するため、チクソ指数が低い水溶液であってもダレなく所定の位置に膜化され、水溶液がマスク部13として作用することができる。また、水溶性のマスク部13は水溶性であるため、テクスチャ形成のためのエッチング工程で水溶液であるエッチング液中に拡散除去されるため除去工程を別途設定する必要ない。
マスク部13の形成は、例えば相対湿度が50%R.H.以上に保たれた場所で、25℃の純水中に基板1aを浸し、平坦領域4の長手方向が上下方向となるよう垂直に引き上げることにより、純水からなるマスク部13を形成する。本実施の形態で形成されたマスク部13の幅を顕微鏡にて測長したところ、約200μmであった。また、テクスチャ形成領域3には水滴が形成されていないことが確認された。これは、テクスチャ形成領域3には撥水性膜12が形成されていることによるものであり、テクスチャ形成領域3には撥水性膜12を形成することにより、平坦領域4にのみ確実に水溶性のマスク部13を配置することができる。また、水溶性のマスク部13として純水を使用することにより、水溶性のマスク部13の除去において新たな廃液が発生しないため、低い環境負荷で作業を行うことが可能となる。
ここではマスク部13を純水により形成したが、マスク部13の材料は純水に限定されない。例えば乾燥性や粘度を調整するために、例えば完全けん化ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーを加え、粘度を上昇させるとさらに効果的である。水溶性ポリマーには、例えばポリビニルアルコール、アルリル酸エステル、メチルセルロール、ヒドロキシエチルセルロースなどを溶解した水溶液や、エマルジョンを用いてもよい。これらの水溶液を用いると、相対湿度が低い環境下や比較的高温の環境下、後の工程4への搬送時間が長期にわたった場合におけるマスク部13の過剰な乾燥が発生した場合などにおいて、表面に水溶性ポリマーが偏析したスキン層が形成され、乾燥速度を低下させる効果が得られ、乾燥によるマスク部13の細りや膜厚減少によるマスキング効果の低減を防ぐことができる。さらには、粘度が高くなり、後の工程4におけるブラスト加工時に風を受けてもマスク部13が変形し難く、加工精度が高まるという効果が得られる。
水溶液中の水溶性ポリマーの濃度は特に指定しないが、水溶性ポリマーの濃度が高すぎる場合には、水溶液の表面張力の低下、撥水性膜12に対する接触角の低下を引き起こすため添加量に制限がある。この制限量は撥水性膜の種類や膜厚によって異なるため、一概に言えないが、例えば、表面張力の低下や、接触角の低下といった現象が起き難い、比較的低い重合度を有する完全けん化ポリビニルアルコール(例えばPVA103 クラレ製)の場合は、2重量%以下であることが好ましい。
また、水溶液として樹脂エマルジョンを用いても、同様の効果が得られる。さらには、水溶液としてポリオレフィン樹脂エマルジョンを用いて、基板1a上に配置した後に加熱して水分を除去し、樹脂化することにより、アルカリ耐性のあるマスク部とすることもでき、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液による異方性エッチングによるテクスチャ形成においても、テクスチャエッチングのマスク部となる酸化ケイ素を形成する必要がない。この場合のマスク部の除去は、テクスチャ形成時のエッチング液に溶解しないが、基板にダメージを受けない比較的低温で焼失するため、基板を加熱し焼失させることにより、廃液の排出なしに容易に除去できる。この場合の樹脂の膜厚は、ブラスト耐性を必要としないため、比較的薄くてもよいが、ピンホールを防ぐために3μm以上であることが好ましい。
つぎの工程4では、図2−4に示すように、耐エッチング膜11に対して微細穴加工を施す。すなわち、ブラスト加工処理により耐エッチング膜11に複数の微細な第2の開口14を開ける。その後、砥粒の除去のため洗浄を行ってもよく、その洗浄で、マスク部13も除去される。このときブラスト加工処理の砥粒としては、アルミナ砥粒を使用する。本発明者らは、基板1aにクラックを発生させることなく耐エッチング膜11に第2の開口14を開けるのに最も適した砥粒を求め、研究を重ねた結果、アルミナ砥粒が最も適しているとの知見に至った。しかしながら、ブラスト加工処理の砥粒はこれに限定されるものではなく、耐エッチング膜11に第2の開口14を開けることができれば、アルミナ砥粒以外の他の砥粒を用いてもかまわない。
ブラスト加工処理の際、砥粒が平坦領域4において水溶性のマスク部13に当たると、砥粒がマスク部13中に進入し、耐エッチング膜11に達する前に運動エネルギーを失う。その結果、マスク部13が形成されている平坦領域4には第2の開口14が形成されない。したがって、ブラスト加工処理において水溶性のマスク部13はマスクとして機能する。
必要なマスク部13の厚みは、ブラスト加工処理に用いる砥粒の形状、種類、噴出速度、マスク部の粘度等の諸条件によって異なる。一般的に、純水からなるマスク部13では、膜厚が1μm未満の場合には砥粒の運動エネルギーの減衰が十分でなく、平坦領域4にもテクスチャ形成領域3と同様に第2の開口14が形成される。また、純水からなるマスク部13の膜厚が5μm未満の場合も、一部第2の開口14が形成される。このため、純水からなるマスク部13の場合は、厚みは5μm以上であることが好ましい。
つぎの工程5では、微細穴加工が施された耐エッチング膜11をマスクとして、基板1aにおける耐エッチング膜11が形成された側の一面に対してエッチングを施し、図2−5に示すようにテクスチャ形成領域3にテクスチャ窪み2を形成する。エッチングとしては、例えばフッ酸硝酸混合液をエッチング液に用いた湿式エッチングを実施する。フッ酸硝酸混合液を調製する際の混合比は、フッ酸1:硝酸20:水10である。ここでエッチング液の混合比は、エッチング速度、エッチング形状を鑑み、適切な混合比に適宜変更可能である。平坦領域4には第2の開口14が形成されていないためエッチングされることはなく、該平坦領域4の基板1aは平坦なまま保持される。また、撥水性膜12はエッチング液により除去される。
なお、上記の工程4において砥粒の除去のための洗浄を行わない場合や、砥粒の除去のための洗浄を行った後にマスク部13の一部が残留している場合でも、この湿式エッチングにおいて、マスク部13は湿式エッチング液に溶解し、完全に除去される。
つぎの工程6では、耐エッチング膜11を除去することで、テクスチャ形成領域3のテクスチャ窪み2を表出させる。耐エッチング膜11の除去には、例えばフッ酸水溶液を使用することができる。これにより図2−6に示すようにテクスチャ窪み2からなる、例えば10μm程度の微細な凹凸パターンを有するテクスチャ構造を有するテクスチャ形成領域3と、平坦な表面を有する平坦領域4とを基板1の表面に形成することができる。そして、平坦領域4上にグリッド電極103aを形成することにより図1に示すような基板1を形成することができる。
上述したように、実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法によれば、ブラスト加工に対するマスクとして機能する水溶性のマスク部13を基板1a上にダレのない高い精度で形成することができ、基板1aの全面にテクスチャ窪み2を有するテクスチャ構造を多大な設備を使用せず、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く形成することができる。
実施の形態2.
図4は、シリコン太陽電池用の第1導電型の基板であって、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板であるp型単結晶シリコン基板31(以下基板31と称する)を示す断面図である。なお、図4においては、理解の容易のため、本実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板31に、太陽電池の集電極であるグリッド電極103aを付加して記載してある。以下では、基板31の2つの主面のうち、表面の粗面化が施された一主面を受光面側主面、他方を裏面側主面と呼ぶ場合がある。
図4に示すように、基板31は、逆ピラミッド形状の微細なテクスチャ窪み32が受光面側主面に略均一に形成されたテクスチャ構造を有しており、テクスチャ窪み32が形成されたテクスチャ形成領域33と、グリッド電極103aと、グリッド電極103aの直下およびその周辺領域であってテクスチャ窪み32が形成されていない平坦領域34と、が設けられている。
次に、このような基板31を形成するための実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法について説明する。図5−1〜図5−5は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するための断面図である。図6は、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。以下、これらの図面を参照して実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を説明する。
実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法は、基板の表面に、第1の開口を有する撥水性の撥水性膜を形成する工程11と、第1の開口に樹脂エマルジョンを配置する工程12と、樹脂エマルジョンを乾燥させて樹脂化することによりマスク部を形成する工程13と、基板におけるマスク部が形成された面に対して水溶性のマスク部が耐性を有する条件で異方性エッチングを施す工程14と、水溶性のマスク部を焼失させて除去する工程15と、を含む。
まず、工程11において、実施の形態1の工程2と同様の方法で、図5−1に示すように基板31aの基板表面において粗面化を行う対象領域であるテクスチャ形成領域33に、開口42aを有する撥水性膜42を形成する。テクスチャ形成領域33は、平坦領域34のネガパターンである。撥水性膜42の材料は実施の形態1の場合と同様である。
つぎに、工程12では、マスク部を形成するための撥水処理剤の水溶液としてポリオレフィン樹脂エマルジョンを用いること以外は実施の形態1の工程3と同様の方法で、図5−2に示すように、撥水性膜42を形成したテクスチャ形成領域33をネガパターンとした平坦領域34にマスク部43(乾燥前)を形成する。
ポリオレフィン樹脂エマルジョンは、後の工程13で樹脂化した後に工程14でのエッチングに必要なアルカリ耐性を持ち、さらには、工程15で基板31aにダメージを受けない500℃程度の比較的低温で焼失するような組成であることから選択している。すなわち、ポリオレフィン樹脂エマルジョンを用いることにより、単結晶シリコン基板の粗面化に用いられるアルカリ水溶液に対するマスク耐性が高いマスクを形成できるため、単結晶シリコン基板上により高精細にパターニングされた粗面化加工を行うことが可能である。また、シリコン基板にダメージを与えない程度の温度で焼失するため、新たな廃液が発生せず、環境負荷の低減が可能である。なお、これらを満足するものであれば、他の材料でも問題ない。
また、後の工程14でのエッチングに必要なアルカリ耐性を持つだけの膜厚を得られるように、粘度、固形分濃度は適宜変更すればよい。さらには、ポリオレフィン樹脂エマルジョン中の界面活性剤は、水溶液の表面張力の低下、撥水性膜42との接触角の低下を招くことから、含まないほうが好ましい。樹脂エマルジョンが界面活性剤を含まないことにより、マスク部43(乾燥前)のダレが発生しにくく、より高精細にマスク部43(乾燥前)を形成できるため、より高精細にパターニングされた粗面化加工を行うことが可能である。また、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの具体的な例とすれば、変性ポリオレフィン樹脂エマルジョン(アローベースSB−1010、ユニチカ製)などが挙げられる。
マスク部43を形成するための撥水処理剤の水溶液としてこのようなポリオレフィン樹脂エマルジョンを用いることにより、マスク部43(乾燥前)を乾燥する工程13までの間のマスク部43(乾燥前)の乾燥速度を抑制し、安定なマスク部43(乾燥前)の形状を保つことにより、乾燥後も形状をダレのない高精細なマスク部43を形成でき、高精度のパターニングされた粗面化加工を行うことが可能となる。
つぎに、工程13では、図5−3に示すように、マスク部43を乾燥させて樹脂化させる。マスク部43の乾燥は、例えば、150℃のヒートブロック上に基板31aを30秒間放置することにより行うことができる。
つぎに、工程14では、一般的に単結晶シリコン基板へのテクスチャ形成で行われているアルカリ性溶液による異方性エッチングを行なう。撥水性膜42は、基板31aが水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性溶液に浸漬されると直ちに溶解し、図5−4に示すように、シリコン表面が露出するテクスチャ形成領域33に逆ピラミッド形状のテクスチャ窪み32が形成される。一方、アルカリ耐性のあるマスク部43が形成されている平坦領域34はアルカリ性溶液によってエッチングされないため、該平坦領域34の基板31aは平坦なまま保持される。
つぎに、工程15では、加熱処理によりマスク部43を焼失させ除去する。例えば、基板31aを500℃の焼成炉に30秒間保持することにより基板31aを加熱してマスク部43を焼失させ除去する。これにより図5−5に示すようにテクスチャ窪み32からなる微細な凹凸パターンを有するテクスチャ構造を有するテクスチャ形成領域33と、平坦な表面を有する平坦領域34とを基板31の表面に形成することができる。そして、平坦領域34上にグリッド電極103aを形成することにより図4に示すような基板31を形成することができる。
焼成炉の加熱温度、加熱時間はマスク部43の種類、膜厚により最適な条件にすればよいが、500℃を超える温度で焼成すると基板31aにダメージを与え、太陽電池の基板に用いた場合には発電能力を低下させる可能性がある。このため、基板31aの加熱温度は500℃以下であることが好ましい。
上述したように、実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法によれば、ウェットエッチング加工に対するマスクとして機能するマスク部43を基板31a上にダレのない高い精度で形成することができ、基板31aの全面にテクスチャ窪み32を有するテクスチャ構造を多大な設備を使用せず、また環境に負荷を与えることなく、簡便な方法で効率良く形成することができる。
また、ポリオレフィン樹脂エマルジョンを用い加熱して、水分を除去し、樹脂化することにより、アクリル耐性のあるマスクを容易に形成することも可能であるため、単結晶シリコン基板を用いた太陽電池を形成するに当たりさらに生産性を高めることができる。これらのポリマー皮膜を用いた場合、基板にダメージを受けない比較的低温で焼失するため、容易に除去することが可能である。
実施の形態3.
図7−1および図7−2は、上述した実施の形態1にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板1を用いて作製した太陽電池を示す図であり、図7−1は断面図であり、図7−2は上面図である。図7−1および図7−2に示す太陽電池は、基板表層に第2導電型の不純物が拡散された不純物拡散層であるN型不純物層101aを有する第1導電型の半導体基板101と、半導体基板101の受光面側の面(表面)に形成された反射防止膜102と、半導体基板101の受光面側の面(表面)に形成された受光面側電極103と、半導体基板101の受光面と反対側の面(裏面)に形成された裏面電極104と、を備える。
また、受光面側電極103としては、太陽電池のグリッド電極103aおよびバス電極103bを含み、図7−1においてはグリッド電極103aの長手方向に垂直な断面における断面図を示している。そして、半導体基板101には、上述した太陽電池の製造方法を用いて基板表面に微細なテクスチャ形成(図示せず)を形成した基板101を使用して太陽電池を構成している。
つぎに、上述した基板101を用いて図7−1および図7−2に示す太陽電池を製造するための工程を説明する。なお、ここで説明する工程は、一般的なシリコン基板を用いた太陽電池の製造工程と同様であるため、特に図示しない。
実施の形態1における工程6の処理が完了した基板101を熱酸化炉へ投入し、オキシ塩化リン(POCl)蒸気の存在下で加熱して基板101の表面にリンガラスを形成することで基板101中にリンを拡散させ、基板101の表層に第2導電型のN型不純物層101aを形成する。拡散温度は、例えば840℃とされる。これにより、基板表層にN型不純物層101aを有する半導体基板101が得られる。なお、ここではp型シリコン基板を使用したため、pn接合を形成するために異なる導電型のリンを拡散させたが、n型シリコン基板を使用した場合はp型の不純物を拡散させればよい。また、実施の形態1における工程1に投入する基板として、あらかじめリンを拡散させた基板を用いてもよい。その場合には、テクスチャ形成領域3においてN型不純物層が除去されるが、さらに上述の方法により、比較的低濃度にリンを基板101の表層に拡散させることにより、平坦領域4に比較的低いシート抵抗の、テクスチャ形成領域3に比較的高いシート抵抗を有する基板101を形成してもよい。
次に、フッ酸溶液中で基板101のリンガラス層を除去した後、反射防止膜102としてプラズマCVD法によりSiN膜をN型不純物層101a上に形成する。反射防止膜102の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。なお、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。また、反射防止膜102は、スパッタリング法など、異なる成膜方法により形成しても良い。
次に、基板101の受光面に銀の混入したペーストを櫛形にスクリーン印刷にて印刷し、基板101の裏面にアルミニウムの混入したペーストを全面にスクリーン印刷にて印刷した後、焼成処理を実施して受光面側電極103と裏面電極104とを形成する。焼成は大気雰囲気中において例えば760℃で実施する。実施の形態1において、あらかじめリンを拡散させた基板を用いた場合、受光面側電極103は比較的低いシート抵抗である平坦領域4上に形成されるため、受光面側電極103と基板101の接触抵抗を低減させることができ、発電効率を向上させることが可能である。さらには、テクスチャ形成領域3においては、比較的低いシート抵抗を持つため再結合が発生しにくく、発電効率を向上させることが可能である。以上のようにして、図7−1および図7−2に示す太陽電池が作製される。また、上述した実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法により表面の粗面化が施された基板31を用いた場合も上記と同様にして太陽電池を作製することができる。
上述した実施の形態3にかかる太陽電池の製造方法によれば、上記の実施の形態1または実施の形態2にかかる太陽電池の製造方法を用いて基板表面の粗面化を施した基板1または基板31を用いて太陽電池を作製するため、光入射側の基板表面における表面光反射損失が大幅に低減され、光電変換効率の向上が図られた、良好な光電変換効率を有する太陽電池を作製することができる。これにより、従来と同等の光電変換効率を有する太陽電池を作製する際には、基板の面積を小さくし、基板の原材料の減量化を図るとともに、太陽電池の小型化、軽量化、減容化を図ることが可能である。
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、多大な設備を使用せずに、また環境に負荷を与えることなく簡便な方法で効率良く基板にテクスチャ加工を施す場合に有用である。
1 p型結晶シリコン基板
1a p型結晶シリコン基板
2 テクスチャ窪み
3 テクスチャ形成領域
4 平坦領域
11 耐エッチング膜
12 撥水性膜
12a 第1の開口
13 マスク部
14 第2の開口
31 p型単結晶シリコン基板
31a p型単結晶シリコン基板
32 テクスチャ窪み
33 テクスチャ形成領域
34 平坦領域
42 撥水性膜
42a 開口
43 マスク部
101 半導体基板
101a N型不純物層
102 反射防止膜
103 受光面側電極
103a グリッド電極
103b バス電極
104 裏面電極

Claims (10)

  1. 第1導電型の半導体基板の一面側を粗面化する粗面化工程と、
    前記半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素を拡散して不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成工程と、
    前記半導体基板の一面側における電極形成領域および前記半導体基板の他面側に電極を形成する電極形成工程と、
    を含む太陽電池の製造方法であって、
    前記粗面化工程では、
    前記半導体基板の被加工層の表面に、開口を有する撥水性の撥水性膜を形成し、前記開口に水溶液を配置してマスク部を形成し、前記マスク部をマスクとして用いたエッチングにより前記被加工層を加工すること、
    を特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記半導体基板の表面に、エッチングにおいて耐性を有する耐エッチング膜を形成する第1の工程と、
    前記耐エッチング膜上に、第1の開口を有する前記撥水性の撥水性膜を形成する第2の工程と、
    前記第1の開口に水溶液を配置して水溶性のマスク部を形成する第3の工程と、
    前記耐エッチング膜に対してブラスト加工処理を施して前記耐エッチング膜に第2の開口を形成する第4の工程と、
    前記第2の開口が形成された前記耐エッチング膜をマスクとして、前記半導体基板における前記耐エッチング膜が形成された面に対して前記耐エッチング膜が耐性を有する条件で前記第2の開口を介してエッチングを施す第5の工程と、
    前記耐エッチング膜を除去する第6の工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記水溶性のマスク部が、純水であること、
    を特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記水溶性のマスク部が、水溶性ポリマーを溶解させた水溶液であること、
    を特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記水溶性のマスク部が、樹脂エマルジョンであること、
    を特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記撥水性膜が、アルキルアルコキシシランまたは飽和フルオロアルキルアルコキシシランを含む溶液を乾燥して形成されること、
    を特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記半導体基板の表面に、開口を有する撥水性の撥水性膜を形成する第11の工程と、
    前記開口に、樹脂エマルジョンを配置する第12の工程と、
    前記樹脂エマルジョンをして乾燥して樹脂化させることによりマスク部を形成する第13の工程と、
    前記半導体基板における前記マスク部が形成された面に対して前記マスク部が耐性を有する条件で異方性エッチングを施す第14の工程と、
    前記マスク部を焼失させて除去する第15の工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記半導体基板が単結晶シリコン基板であり、
    前記異方性エッチングのエッチング液としてアルカリ水溶液を用いること、
    を特徴とする請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記樹脂エマルジョンが、ポリオレフィン樹脂エマルジョンであること、
    を特徴とする請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
  10. 前記樹脂エマルジョンが、界面活性剤を含まないこと、
    を特徴とする請求項7に記載の太陽電池の製造方法。
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