JP2011192904A - プリント基板の誤挿入防止装置及び誤挿入防止方法 - Google Patents

Abstract

【課題】制御用ユニット筐体に対するプリント基板の誤挿入による基板回路及び制御用ユニットの誤動作、又は破損を防止する。
【解決手段】複数のプリント基板５と、プリント基板５が収納される制御用ユニット筐体１と、プリント基板５に設けられこのプリント基板毎に断面形状及び位置の少なくとも一方が異なるピン７と、制御用ユニット筐体１に設けられピン７が挿入されるガイド穴８と、制御用ユニット筐体１に設けられガイド穴８にピン７が挿入されることによってプリント基板５に電力が供給されるスイッチと、を備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、制御用ユニット筐体に対し複数のプリント基板を実装する際、プリント基板を目的のスロットに正しく挿入するための誤挿入防止装置及び誤挿入防止方法に関する。

制御用ユニット筐体に設けた複数のスロットに、同型のプリント基板を挿入する場合、目的のスロットではないスロットに基板を誤挿入する可能性がある。誤挿入された状態で電源投入すると、基板回路、制御用ユニットが誤作動、又は破損する恐れがあるため、正しい位置に基板を挿入する必要がある。

これを実現した従来の技術として、以下のような誤挿入防止装置が知られている。
特許文献１に記載された例では、プリント基板が制御用ユニットの筐体に設けたスロットに挿入され、ガイドレールにより案内される。制御用ユニットのバックパネルに固定された雄側コネクタに複数の切欠き部を設け、プリント基板の雌側コネクタに複数の溝部を設け、切欠き部、溝部のそれぞれにキーを挿入固定している。相対する切欠き部、溝部の両方にキーが挿入されている場合にはキー同士の干渉によりコネクタが嵌合しない構成とし、キーの挿入、未挿入の組み合わせにより誤挿入防止がなされる構造であり、多数のプリント基板について誤挿入防止の組み合わせを提供している。

また、特許文献２に記載された例では、プリント基板を本体に挿入する際、本体側に半円形状の切欠き部を有する第１のガイド部材を設け、プリント基板側に第１のガイド部材の切欠き部に係合自在な半円形状の切欠き部を有する第２のガイド部材を設け、第２のガイド部材の切欠き部において係合角度位置を調整自在としている。多数のプリント基板に対して、第１のガイド部材の切り欠き角度位置を少しずつ変えることにより多くの組み合わせを可能とし、誤挿入を防止している。

更に、特許文献３に記載された例では、電子部品を収納したリール部品を装着したカセットを、部品実装機におけるスロットユニットの特定のスロットに装填して部品を実装する際、リール部品に部品識別用ＩＣタグを貼付し、各スロットにスロット識別用ＩＣタグを貼付する。スロット装填用補助具にアンテナを設け、リール部品の部品識別用ＩＣタグ及びスロット識別用ＩＣタグの記憶情報をリーダライタにより読み取り表示し、予め登録されている実装データと照合して目的のスロットにカセットを装填する。

特許第３２９４６３５号公報 特開平１０−１０６６８３号公報 特開２００９−４４０９４号公報

上述の特許文献１の場合、キーの脱落、破損が発生した場合、プリント基板の挿入が可能となる。プリント基板が誤挿入された状態でも電源は投入可能であるため、基板回路及び制御用ユニットが誤動作するか、又は破損する可能性がある。

また、特許文献２の場合、切り欠き部の係合角度調整による誤挿入防止機構では、調整誤差や部品精度を考えると、プリント基板や制御用ユニットが多数となった場合、角度調整の作業が煩雑になり誤挿入の可能性がある。更に、プリント基板が誤挿入された状態でも電源は投入可能であるため、基板回路及び制御用ユニットが誤動作するか、又は破損する可能性がある。

更に、特許文献３の場合、カセットとスロットに対する不一致の判定結果を表示するのみである。仮に、プリント基板及び制御用ユニット筐体にこの技術を応用した場合、誤挿入された状態で、作業者の誤操作により電源投入した場合、基板回路及び制御用ユニットが誤動作するか、又は破損する可能性がある。

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、制御用ユニット筐体に対するプリント基板の誤挿入による基板回路及び制御用ユニットの誤動作又は破損を防止することを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明のプリント基板の誤挿入防止装置は、複数のプリント基板と、前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、前記プリント基板に設けられこのプリント基板毎に断面形状及び位置の少なくとも一方が異なるピンと、前記制御用ユニット筐体に設けられ前記ピンが挿入されるガイド穴と、前記制御用ユニット筐体に設けられ前記ガイド穴に前記ピンが挿入されることによって前記プリント基板に電力が供給されるスイッチと、を備えることを特徴とする。

また、本発明のプリント基板の誤挿入防止装置は、複数のプリント基板と、前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、前記プリント基板に設けられ個別情報を含む無線通信タグと、前記制御用ユニット筐体に設けられ前記無線通信タグの情報を読み取るタグリーダとを備え、前記タグリーダにより前記プリント基板が正しい位置に挿入されたことを検出したときに前記プリント基板に電力が供給されることを特徴とする。

更に、本発明のプリント基板の誤挿入防止装置は、複数のプリント基板と、前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、前記制御用ユニット筐体に設けられ、前記プリント基板に設けられ個別情報となる図形を撮影する画像入力装置とを備え、この画像入力装置からの図形と基準図形とが一致したときに前記プリント基板に電力が供給されることを特徴とする。

本発明により、プリント基板が誤挿入された状態では電源から電力は供給されず、制御用ユニット筐体に対するプリント基板の誤挿入による基板回路及び制御用ユニットの誤動作又は破損を防止することができる。

本発明の実施形態１におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図。 同実施形態１におけるプリント基板の側面図。 同実施形態１におけるピンとスイッチの関係を示す図。 同実施形態１における複数のスイッチと電源を示す図。 本発明の実施形態２におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図。 同実施形態２におけるプリント基板を示す斜視図。 本発明の実施形態３におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図。

以下、本発明に係るプリント基板の誤挿入防止装置及び誤挿入防止方法の実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態２以下では、実施形態１と共通する点については、説明を省略する。

（実施形態１）
図１は、本発明の実施形態１におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図であり、図２は、プリント基板の側面図であり、図３は、ピンとスイッチの関係を示す図であり、図４は、複数のスイッチと電源を示す図である。

図１〜３において、制御用ユニット筐体１に対し複数のプリント基板５を実装する際、プリント基板５は、制御用ユニット筐体１の前面の上縁板２_１、下縁板２_２に形成されたスロット３から挿入されガイドレール４により案内される。プリント基板５は前面に取り付けたフロントパネル６を有し、フロントパネル６の裏面にピン７を立てる。制御用ユニット筐体１側の下縁板２_２に、スロット３毎にピン７と対応するガイド穴８を設け、その後方にスイッチ９を設置する。

制御用ユニット筐体１のスロット位置とプリント基板５の組み合わせを特定できるように、フロントパネル６に所定の断面形状のピン７が所定の位置に配置され、ピン７の断面形状又は位置がプリント基板５毎に異なる。また、ピン７は、各プリント基板５に１本又は複数本有り、更に、長さをプリント基板５毎に異ならせてもよい。スイッチ９は、各スロットに対応するガイド穴８に挿通されたピン７を検知して開閉される。ピン７の位置、断面形状を変更することにより、スロット位置とプリント基板５の組み合わせを増やすことができる。プリント基板５を挿入しようとするピン７が目的のガイド穴８に一致したときのみ、制御用ユニット筐体１へのプリント基板５の挿入が可能で、かつスロット３毎に設けられたスイッチ９が閉となる。

フロントパネル６は、プリント基板５に対し組み合わせを特定できるように取り付けられている。例えば、フロントパネル６は、裏面に設けた一対の突起によりプリント基板５にネジ止めされるが、ネジ止め位置の間隔ｄは、各プリント基板５で異なる幅にしてあり、フロントパネル６が対応しないプリント基板５へ誤って取り付けられることはない。この点は、実施形態２，３においても同様である。

なお、プリント基板５を挿入する必要のない空きスロット３に対しても、実装状態とするために、プリント基板５を取り付けていないフロントパネル６のピン７により、スイッチ９を作動させる。

図４において、各スロット３に対応して設けられた複数のスイッチ９_１，９_２，９_３が直列に接続されており、全てのプリント基板５が正しいスロット位置に挿入されたとき、スイッチ９_１，９_２，９_３が全て閉となり、各プリント基板５に電源１０から電力を供給することが可能となる。つまり、何らかの理由で誤挿入されても、その状態ではスイッチ９_１，９_２，９_３のいずれかが閉とはならず電力は供給されないので、基板回路及び制御用ユニットの誤作動、破損を防止することができる。
各スイッチ９_１，９_２，９_３の開に連動して各スロット３に対応するモニタ用の表示灯（不図示）を点灯させるようにしてもよい。

（実施形態２）
図５は、本発明の実施形態２におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図であり、図６は、プリント基板を示す斜視図である。

図５，６において、プリント基板５に無線通信タグ(RFID)１１を設置することにより、それぞれ個別情報を含む固有のＩＤを持たせ、制御用ユニット筐体１側には、無線通信タグ１１を読み取るタグリーダ１２を設ける。タグリーダ１２からの信号により全てのプリント基板５が正しいスロット位置に挿入されたことを検出した場合のみ、各プリント基板５へ電源から電力の供給を可能にする。タグリーダ１２への電源とプリント基板５への電源を隔離することで、プリント基板５には電力を供給することなく、誤挿入を検知できるため、基板回路及び制御用ユニットの誤作動、破損を防止できる。

また、無線通信タグ１１に履歴管理が必要な情報をもたせることにより、プリント基板５のトレーサビリティを確保できる。
なお、操作者がプリント基板５を挿入しやすいようにフロントパネル６上に図形、例えばＡ，Ｂ…を描いてもよい。

（実施形態３）
図７は、本発明の実施形態２におけるプリント基板の誤挿入防止装置の概略図である。
図７において、制御用ユニット筐体１を設置する架台１３に画像入力装置１４を取り付け、各プリント基板５に取り付けたフロントパネル６上に、個別情報となる、平面又は立体の図形１５、具体的には模様、穴、部品等を設ける。画像入力装置１４は、挿入された全てのプリント基板５について図形１５を撮影し、図形パターンを識別情報として取り込む。識別装置１６は、画像入力装置１４により取り込んだ図形パターンと各スロット３に正しく挿入された場合の基準パターン、例えばＡ〜Ｇとを比較し、一致したと判断した場合のみ、各プリント基板５へ電力の供給を可能にする。画像入力装置１４、識別装置１６への電源とプリント基板５への電源を隔離することで、プリント基板５へ電力を供給することなく、誤挿入を検知できるため、基板回路及び制御用ユニットの誤作動、破損を防止できる。

１…制御用ユニット筐体、２_１…上縁板、２_２…下縁板、３…スロット、４…ガイドレール、５…プリント基板、６…フロントパネル、７…ピン、８…ガイド穴、９，９_１，９_２，９_３…スイッチ、１０…電源、１１…無線通信タグ、１２…タグリーダ、１３…架台、１４…画像入力装置、１５…図形、１６…識別装置。

Claims (6)

1. 複数のプリント基板と、
   前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、
   前記プリント基板に設けられこのプリント基板毎に断面形状及び位置の少なくとも一方が異なるピンと、
   前記制御用ユニット筐体に設けられ前記ピンが挿入されるガイド穴と、
   前記制御用ユニット筐体に設けられ前記ガイド穴に前記ピンが挿入されることによって前記プリント基板に電力が供給されるスイッチと、
   を備えることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止装置。
2. 複数のプリント基板と、
   前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、
   前記プリント基板に設けられ個別情報を含む無線通信タグと、
   前記制御用ユニット筐体に設けられ前記無線通信タグの情報を読み取るタグリーダとを備え、
   前記タグリーダにより前記プリント基板が正しい位置に挿入されたことを検出したときに前記プリント基板に電力が供給されることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止装置。
3. 複数のプリント基板と、
   前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体と、
   前記制御用ユニット筐体に設けられ、前記プリント基板に設けられ個別情報となる図形を撮影する画像入力装置とを備え、
   この画像入力装置からの図形と基準図形とが一致したときに前記プリント基板に電力が供給されることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止装置。
4. プリント基板に設けられ前記プリント基板毎に断面形状及び位置の少なくとも一方が異なるピンが、前記プリント基板が収納される制御用ユニット筐体に設けられたガイド穴に挿入されることによって前記プリント基板に電力が供給されることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止方法。
5. 制御用ユニット筐体に挿入された各プリント基板の情報を読み取る工程と、
   読み取った前記プリント基板の情報により前記プリント基板が正しい位置に挿入されたことを検出したときに前記プリント基板に電力が供給される工程とを備えることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止方法。
6. 制御用ユニット筐体に挿入された各プリント基板の個別情報となる図形を撮影する工程と、
   前記図形と基準図形とが一致したときに前記プリント基板に電力が供給される工程とを備えることを特徴とするプリント基板の誤挿入防止方法。

Images