以下、本発明に係る実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1に本実施の形態に係る測定装置および被測定物100の側面図を示す。本実施の形態の測定装置は、被測定物の内外を検知するセンサ25、センサ25が検知する位置を移動することによりセンサ25が検知する位置を走査させる走査手段、センサ25が検知する位置の座標を検出する座標検出手段、および前記センサ25と走査手段と座標検出手段とを制御する制御手段37とを備えている。前記走査手段は、第1の移動機構28と第2の移動機構29とから構成される。また、前記座標検出手段は、第1の移動機構28、第2の移動機構29が備えるエンコーダ(図示せず)から構成される。
センサ25は、アーム26の先端に取付けられている(以後、アーム26から見てセンサ25のある先端方向をX方向とする。)。センサ25は下向きにして取り付けられていて、センサ25の下方に被測定物100が有るかどうかを検知する。
アーム26は第1の移動機構28に固定されている。第1の移動機構28は、アーム26が延在する方向(以降、この方向をX方向とする)に移動可能であり、第1の移動機構28が移動することによって、センサ25をX方向に移動させることができる。また、X方向に対して直角方向(図中手前から奥の方向)に移動する第2の移動機構29が配置されている。(以降、この方向をY方向とする)。第1の移動機構28は、第2の移動機構29に固定されている。したがって、第2の移動機構29が移動することによって、センサ25をY方向に移動させることができる。第1の移動機構28、第2の移動機構29によって、センサ25をX方向ないしY方向に移動させることができるので、センサ25が検知する位置を走査することができる。
なお、走査手段は、センサ25が検知する位置を走査できれば良く、図1の構成に代えて、例えば、センサ25を回転運動させる移動機構であっても良い。
第1の移動機構28および第2の移動機構29はそれぞれ制御手段37に接続されている。制御手段37は、第1の移動機構28および第2の移動機構29に移動命令を発する。また、制御手段37は、第1の移動機構28および第2の移動機構29から返信される位置信号を受信し、センサ25が検知している位置の座標を検知する。
被測定物100は、円形の形状を有する物体であり、その半径はrである。図1においては、センサ25から下方を見た時に円となる円盤形状であるが、円筒形、球形、円錐形、その他回転体形状であれば良い。また、円の一部が欠けて弦となった形状(図38のウエハ210参照)であっても良い。被測定物100は、設置台120に設置されている。
図2に本実施の形態の測定装置の一利用形態である気相成長装置の側方断面図を示す。図2に示すように、本実施例に係る気相成長処理部1の外部には、被搬送物である基板トレイ17の仮置場所18と基板トレイ搬送部19とが配置されている。基板トレイ17には、それぞれ被処理物である基板3が載置されている。基板トレイ搬送部19のアーム26の先端には吸着ヘッド22が接続されており、吸着ヘッド22の先端にセンサ25が取り付けられている。センサ25により、被測定物100である基板トレイ17のエッジの位置の測定が可能である。
本実施の形態の測定装置の一利用形態である気相成長装置の概略としては、仮置場所18に配置された基板トレイ17を基板トレイ搬送装部19が把持し、載置場所である載置台5まで搬送する。基板3は基板トレイ17に載置されており、基板トレイ17とともに搬送される。気相成長処理部1では基板3に対し成膜処理が行われ、成膜処理終了後に基板トレイ17は再び基板トレイ搬送部19によって把持され、搬出される。基板3は基板トレイ17に載置されているので、基板トレイ17とともに搬出される。
[本願発明の測定原理]
図3に、本願発明の測定原理に係るフローを示す。本フローは制御手段37がセンサ25と第1の移動機構28と第2の移動機構29とを制御し、実行するものである。
図4に本実施の形態に係る円形の被測定物100とセンサ25の走査の軌跡(走査軌跡101、屈曲点P3、走査軌跡102)との位置関係を上面図で示す。被測定物100は円形であり、その半径rは既知である。第1ステップにおいて、センサ25は走査軌跡101に沿って被測定物100の外側から内側へ、(図中においては下から上へ向って)走査手段によって走査され、センサ25は被測定物100の内側に進入したことを検知する。センサ25が進入したことを検知した時の座標P1を座標検出手段が検出とする(S1)。
第2ステップにおいて、センサ25は所定の方向に所定の距離だけ走査する。図4の例では、進入した時の走査の方向に距離Dだけ走査する。図4においては、D=rとする。距離Dだけ走査した先の座標P3は被測定物100の内側であるので、センサ25はP3が被測定物100の内側であることを検知できる。ここで、P3を屈曲点として、走査の方向を直角(図中においては右)に変更する(S2)。
第3ステップにおいて、走査手段がセンサ25を走査軌跡102に沿って走査し、被測定物100の外側への進出したことをセンサ25が検知した時の座標P2を座標検出手段が検出する(S3)。
第4ステップにおいて、被測定物100の中心点候補を算出する。中心点候補は、P1からの距離がrであり、かつP2からの距離がrである点であり、幾何的に求めることができる。図4の例ではP0とP0’の2点が中心点候補となる(S4)。なお、図4の例では屈曲点P3と円の中心点候補P0とは同一座標となっている。ここでは、S2において走査の方向を変更した側(図4においては前記走査の方向の変更が右折であるので右側。これを「走査側」と呼ぶ。)にある中心点候補をP0’、その逆側にある中心点候補をP0とする。
第5ステッップにおいて、屈曲点P3と被測定物100の中心点候補P0’との距離を算出し、半径rと比較する。図4の例ではP0’とP3との距離は半径rより長い。もし仮に、P0’が被測定物100の中心点だと仮定すると、P3は被測定物100の外側にあるといえる。ところが、センサ25はP3を走査した時にそこが被測定物100の内側であったことを検知している。従って、P0’が中心点であるという仮定は誤りであり、消去法により、P0が被測定物100の中心点であると特定することができる(S5)。
また、P0’とP3との距離が半径r以下である場合、P0’が中心点であるという仮定を棄却できないので、例外処理4を実施する。
以上の説明においては、屈曲点P3における走査の方向の変更が右折である場合を例として説明したが、屈曲点P3における走査の方向の変更は左折であっても良く、その場合は上面図における左右が反対となる。以下の説明においても同様であるので、屈曲部における走査の方向の変更が右折である場合を例にして説明し、左折である場合の説明を略す。
なお、センサ25が検知する位置を走査するのに代えて、被測定物100を移動してもよい。また、センサ25が検知する位置と被測定物100との両方を移動させても良い。
図5に本実施の形態に係る被測定物100とセンサ25の走査軌跡101、屈曲点P3、走査軌跡102との他の位置関係の例を示す。図5における走査軌跡101は被測定物100の中心点P0より距離Eだけ左側を走査する走査軌跡となっている。
図4に説明した例と同じく、センサ25は走査軌跡101、屈曲点P3、走査軌跡102を走査しつつ、P1の座標を検出し(S1)、屈曲点P3が被測定物100の内側であることを検知し(S2)、P2の座標を検出し(S3)、さらにP0、P0’の座標を算出し(S4)、屈曲点P3との距離によって、P0’を中心点候補から除外し(S5)、被測定物100の中心点P0を特定することができる。
本実施の形態によれば、被測定物100の中心点P0を特定することができる。
図6〜図8を用いて、どの位置においてP2が検出されたら、被測定物100の中心点P0を特定できるかについて説明する。
図6に、判定円105を示す。判定円105とは、P0が存在し、かつP0’が存在しない(除外できる)P2の存在領域である。言い替えれば、判定円105の内側において、被測定物100の外側に進出し、P2の座標を検出することができれば、P0’を中心点候補から除外し、P0を中心点と特定することができる。
以下、図7、8を用いて、判定円105の内側において、被測定物100の外側に進出し、P2の座標を検出した場合に、P0’を中心点候補から除外し、P0を中心点と特定することができる理由について説明する。
図7に、P3が被測定物100の内側であることを検知できた時点におけるP0の存在する可能性のある領域103を示す。領域103は、P1を中心とする半径rの円弧である。P0とP1との距離はrであるため、領域103はP1を中心とする半径rの円周上になければならない。また、P3とP0との距離はr未満でなければならないため、領域103はP3を中心とする半径rの円112の内側に限られる。
領域118(領域108を除く)にP2が存在する可能性がある領域を示す。領域118は領域103上の点を中心とする半径rの円の軌跡である。また、領域108に領域103上のいずれの点からも距離がr未満である領域を示す。領域108の内側の点は、被測定物100の内側であることが確実であるため、P2が検知される可能性は無い。
P3(または領域108の境界上の1点)を始点として、領域118の境界上の1点を終点とする連続した走査軌跡102を走査するならば、その走査軌跡102上のいずれかの点において確実にP2が検出できる。すなわち、P2を確実に検出するためには、走査軌跡102の終点を、領域118の境界上とすれば良い。
図8にP3が被測定物100の内側であることが検知できた時点におけるP0’の存在する可能性のある領域115を示す。P0が存在する条件とP0’が存在する条件とは同じであるので、領域115は領域103と同じ領域となる。
また、領域116に、P0’を中心点とするP2が存在する可能性がある領域を示す。領域116は、円弧115上の点を中心とする半円弧の軌跡である。なお、P2とP0’との距離はrでなければならないため、前記半円弧の半径はrである。また、P0’はベクトルP1−P2の右側であるので、P2はベクトルP1−P0’の左側になければならず、従って、前記半円弧は、ベクトルP1−P0’の左側の半円弧でなければならない。
図6に示す判定円105は、図7に示す領域118から図8に示す領域116を除外した領域である。領域118はP2が存在する可能性がある領域であり、領域116は、P0’を中心点とするP2が存在する可能性がある領域である。従って、判定円105の内側は、P2は存在するが、P0’を中心点とするP2は存在しない領域であり、これすなわち、P0のみを中心点とするP2が存在する領域と言える。
判定円105は、P1およびP3からともに距離rである点のうち走査側にある点を中心点とする半径rの円である。
図9に本実施の形態に係る他の処理フローを示す。図6を用いて説明した通り、判定円105の内側に含まれるか否かで中心点を特定できるか否かを判断できるので、図3に記載したフローに代えて図9に示したフローに基づいて実施しても良い。すなわち、S3の工程においてP2を検出した後に、第4ステップにおいて、検出したP2の座標に基づいて中心点を特定できるか否か判断する(S14)。具体的には、P2が判定円105の内側に含まれるか否かで判断する。判定円105は円であるので、P2と判定円105の中心点との距離がr未満であるか否かで容易に判断できる。
P2が判定円105の内側に含まれる場合、第5ステップにおいて、中心点P0を算出する(S15)。中心点P0は2つの中心点候補のうち、走査側の逆側に存在する中心点候補である。
図9に示した処理フローによれば、P0’の座標を算出する必要が無い。
なお、P2が検知された場合に確実にP0を特定するためには、走査軌跡102は、図8の領域116内を走査せず、かつ図7の領域118の境界上の点を終点とする連続した軌跡である必要がある。すなわち、P3(または領域108の境界)を始点とし、判定円105の内側を走査する連続した軌跡であって、領域118の境界の一部かつ判定円105の境界の一部である境界117上の点を終点としなければならない。境界117は、判定円105の円周のうち、P1を端点するP3から遠い側(走査側の逆側)の半円弧である。これにより、判定円105の外側に進出する前または同時に、被測定物100の外側に確実に進出することができ、前記進出の時まで判定円105の外側(判定円105の境界を含む)に進出しない(領域116に進入しないので、領域116内でP2を検出してしまうリスクが無い)ので、P2が検出された場合に確実にP0を特定することができる。この場合、図9のS14における値は常に真となるので、工程S14を省略し、S3の次にS15を実施しても良い。
図4、図5に示した軌跡102は、図6に示す通り、P3を始点とし、判定円105の内側を走査する軌跡であって、境界117上の点P2Rを終点とする軌跡であるため、確実に測定物100の中心点P0を特定することができる。
次に図10を用いて本実施の形態の測定方法における誤差について説明する。本実施の形態の走査軌跡において、誤差に関連するのは、直線P1−P0と直線P2−P0とのなす角度θである。
P0に係る誤差eは、センサ25の空間分解能(測定誤差)をΔとすると、図40を用いて説明した従来技術と同じく、0<θ≦π/2の場合、e=2Δcos(θ/2)/sinθ、π/2<θ<πの場合、e=2Δsin(θ/2)/sinθとなる。従って、θが90度の時、eは最小値21/2Δとなり、θが90度より大きくまたは90度より小さくなるにつれて大きくなり、180度および0度の時に中心位置Aが不定となることを示している。
図11に図4および図5に示した走査軌跡に係る中心点P0に係る誤差のシミュレーション結果をグラフで示す。グラフのX軸、Y軸の意味は図43と同じである。−0.866<E/r<0.866の範囲においては、屈曲点P3が被測定100の内側であるので、図4および図5に係る測定方法を用いることができる。E=−0.866rにおいて誤差eは10Δより大であり、E=0.00においてeは最小値1.414Δとなり、E=0.866rにおいて、e=2.00Δとなる。−0.866r<E<0.00の範囲においては、Eの増加につれてeは減少し、0.00<E<0.866rの範囲においてはEの増加につれてeは増加する。
また、e=2.00Δとなる他方のEは−0.414rである。すなわち、−0.414r<E<0.866rの範囲においては、e<2.00Δである。これは、−0.414r<E<0.866rの範囲において、P1を検出できた場合、その測定誤差はΔの2倍未満であることが期待できるという意味である。すなわち、本実施の形態に係る測定方法による測定前に±0.640未満の誤差で、中心点P0の位置を推定できる場合に、前記推定された中心点P0の位置をE=0.00となる位置と仮定して、E=0.226rとなる位置に進入するよう軌跡101を設定すれば、測定誤差は、Δの2倍未満とすることができる。
第3ステップにおける走査軌跡102が直線である場合におけるP1と走査軌跡102との距離Dの値について考察する。まず、Dの取りうる範囲は、0<D<2rを満たす範囲である。なぜならば、Dの値が0または2r以上である場合、屈曲点P3が被測定物100の内側である可能性は無いためである。より望ましいDの範囲は0<D<21/2rの範囲である。なぜならば、0<D<21/2rの範囲である場合のeの値は21/2r<0である場合と比較して小さいからである。
図12に、D=0である参考例、およびD=0.2r、0.6r、r、1.23r、1.414rとした本実施の形態に係る誤差e/Δを示す。D=1.23rとした場合、0.014r<E<0.789rの範囲において、誤差eを1.63Δ未満とすることができる。また、D=0.6rとした場合、−0.811r<E<0.954rの範囲において、誤差eを3.33Δ未満とすることができる。また、D=0.2rとした場合、−0.980r<E<0.995rの範囲において、誤差eを10Δ未満とすることができる。
このように、0<D<21/2rの範囲においては、Dの値を大きくすれば、誤差eを小さくすることができる。また、Dの値を小さくすれば、誤差eを保証できる被測定物100の存在するEの範囲を広くすることができる。従って、要求する測定精度(最大誤差)および測定前における被測定物100の存在する可能性のある範囲に基づいて、適時Dの値を設定すれば良い。
なお、D=1.414rとした場合、端点であるE=0.707rにおいて誤差eが最小となる。
また、D=0とした場合を比較例として、図12に示す。D=1とは、すなわち進入点P1を屈曲点P3する軌跡であるから、測定可能な範囲は−1.00r<E<0.00に限られる。誤差eは、従来技術1と同値となる。
図13を用いて、図43に示した従来技術における誤差と、図12に示した本実施の形態における誤差とを比較する。図13は、誤差を比較しやすいように、誤差が最小となるE/rの位置がY軸上となるように、各グラフをX軸方向に移動させて表示している。本図より、本実施の形態(軌跡102が直線かつ0<D<1.414rの場合)における誤差eは、測定可能な全ての範囲において、特許技術1における誤差を下回ることが判る。なお、D=1.23rおよびD=1.414rの場合においては、E>0である側の測定可能な範囲が狭くなるが、それ以上にE<0である側の測定可能範囲が広くかつ誤差が小さくなるため、特許文献1記載の技術より広い範囲Eにおいて、測定誤差eを小さくすることができることは明らかである。
また、特許文献2記載の技術に係る誤差eは、測定可能な全ての範囲Eにおいて、特許文献1記載の技術に係る誤差eより大きい。従って、特許文献2記載の技術に係る誤差eより本実施の形態(軌跡102が直線かつ0<D<1.414の場合)の方がその誤差eが小さいことは明らかであある。
なお、本実施の形態においては、走査軌跡101、102は直線である必要はなく、円弧その他の曲線であって良い。また、走査軌跡101と走査軌跡102とは必ずしも直交する必要は無い。
図14のように、P1を中心点とし、21/2rの距離を半径とする円104周上を走査する走査軌跡102であっても良い。本走査軌跡102によれば、θは常に90度となるので、誤差eは常に21/2Δとなる。また、−(21/2/2)r<E<(21/2/2)rの範囲において測定可能である。また、走査軌跡102は判定円105の内側のみを走査し、境界117から進出する軌跡であるので、確実に中心点P0を特定することができる。また、走査軌跡102は円弧であるので、回転する移動機構を用いて容易に構成することができる。
また、図15に示すように、図4、図5に示した屈曲点P3に代えて、前記被測定物100の内側である点P3sを始点とし、P3eを終点とする曲率半径がrより小さい曲線(円弧を含む)である屈曲部106としても良い。屈曲部はS5において、P0’との距離がrより大きいか否かを判定するために存在するのであるから、屈曲部に該当する走査軌跡の全てが距離r以下であるか否かで判断すれば良い。屈曲部106の曲率半径がrより小さければ、P0’からの距離が最遠となる点が屈曲部106の中に存在する。従って、前記最遠の点が距離rより遠いか否かで判断することができる。この場合、判定円105は、屈曲部106に外接する円となり、外接点が前記最遠の点となる。
なお、屈曲点P3に代えて屈曲部106を走査する場合で、図9に示すフローの工程S14を省略して実施する場合、前記被測定物100の内側の走査は、曲率半径または曲率中心のある側が異なる複数の部分からなる。
図16に屈曲点P31と屈曲点P32との2点において屈曲する例を示す。図16に示すように、被測定物100内において複数の屈曲点で屈曲しても良い。この場合、S5において、全ての屈曲点がP0’から距離r以下であるか否かで判断すれば良い。判定円105は、P31とP32のうちいずれか一方に外接し他方を内包する円、または両方に外接する円となる。
また、屈曲点P3または屈曲部の始点P3sが被測定物100の内側であることが検知できた時点で、領域108(図7参照)が被測定物100の内側であることが自明となるので、P1から屈曲点P3または屈曲部の始点P3sに到る軌跡においてはセンサ25による検知を行なわなくても良い。
しかしながら、P1から屈曲点P3または屈曲部の始点P3sに到る走査において連続的にセンサ25による検知を行なえば、P1から屈曲点P3または屈曲部の始点P3sに到る軌跡において被測定物100から進出した場合に、進出した点をP2として検出し、特許文献1等に記載の技術を用いて被測定物100の中心点を推定することができるので、望ましい。
図17にP1から屈曲部の始点P3sに到る走査軌跡が曲線である例を示す。図17の走査軌跡101bに示すように、P1からP3s(またはP3)に到る走査軌跡は判定円105の内側に含まれるのであればどのような走査軌跡であっても良く、走査軌跡101bのように、走査側の反対に屈曲する曲率半径がr未満である走査や、走査側の反対に屈曲する屈曲点を含んでいてもよい。走査軌跡101bを、走査側が左である場合の屈曲部と見なせば、走査軌跡101bは前記屈曲部に係る判定円105bの内側を走査する軌跡であるので、走査軌跡101bにおいて、被測定物100の外側に進出した場合においても、被測定物100の中心点P0を確実に特定することができる。これにより、P1からP3(またはP3s)に到る走査軌跡において被測定物100の外側に進出した場合にP0が特定できないという、図4、図5、図14、図15、図16に示した走査軌跡101の問題を解決することができる。
なお、工程S2〜S3に係る走査軌跡の一部が、P1を通過する半径rの円(すでにセンサ25で検知されたもの)の円周上にあるならば、前記走査軌跡の前記一部において、P2が検出される可能性は無いので、センサ25による検知をしなくても良い。図17の例では、P3sを始点としP3eを終点とする走査軌跡は、判定円105(P1を通過する半径rの円の1つ)の円周上にある(と見なせる)ので、P3sからP3eに到る走査においてP2が検出されることはないため、センサ25で検知する必要は無い。また、検知をしない場合、P3sからP3eへ向う移動経路は、どのような経路でもあっても良い。
最後に、図18を用いて、例外処理4について説明する。例外処理4は、中心点P0を特定できない軌跡102bにおいて、P2が検出された場合における処理である。この場合、P0’と屈曲点P3との距離がr以下であるため、P0’が中心点である可能性がある。例外処理4の処理としては、例えば、P0’を中心点とする半径rの円111に含まれ、かつP0を中心とする半径rの円110に含まれない領域内を走査する走査軌跡109を走査し、走査軌跡109が被測定物100の内側である場合、P0’を中心点と特定し、そうでない場合はP0を中心点と特定すれば良い。走査軌跡109の望ましい走査軌跡としては、P2にて直線P1−P2に対し垂直になるように屈曲する線分P1−P2を長径とする楕円弧状の走査軌跡が挙げられる。なお、走査軌跡109を円110に含まれかつ円111に含まれない領域内とし、走査軌跡109が被測定物100の内側である場合、P0を中心点と特定し、そうでない場合はP0’を中心点と特定しても良い。
図19に本発明の実施例に係る気相成長装置の断面図を示す。本発明の気相成長装置は、処理部である気相成長処理部1および搬送装置である基板トレイ搬送部19を備えて構成される。
図19に示すように、本実施例に係る気相成長処理部1の外部には、被搬送物である基板トレイ17の仮置場所18と基板トレイ搬送部19とが配置されている。基板トレイ17には、それぞれ被処理物である基板3が載置されている。
本実施例の概略としては、仮置場所18に配置された基板トレイ17を基板トレイ搬送装部19が把持し、載置場所である載置台5まで搬送する。基板3は基板トレイ17に載置されており、基板トレイ17とともに搬送される。気相成長処理部1では基板3に対し成膜処理が行われ、成膜処理終了後に基板トレイ17は再び基板トレイ搬送部19によって把持され、搬出される。基板3は基板トレイ17に載置されているので、基板トレイ17とともに搬出される。
本実施形態に係る気相成長処理部1の構成を説明する。気相成長処理部1は、図19に示すように、反応室2、モータ9、ガス供給部15、排気経路16を備える。ガス供給部15と反応室2とは供給管12で接続されている。
気相成長処理部1には、反応室2の内部において、回転台4の上面に複数の円盤状の載置台5が設けられている。本実施例では、回転台4の上に計6台の載置台5が設置されている。各載置台5には、それぞれ基板トレイ17が載置可能である。
回転台4は、回転台支持台40に支持されている。回転台支持台40はシャフト8の上端に固定されており、シャフト8はモータ9に回転可能に接続している。モータ9によって回転台4は回転可能である。回転台4の上面に設けられた複数の載置台5は、それぞれ自転するように構成されている。載置台5が自転する仕組みとしては、ギヤの噛み合わせを利用する方法を採用している。自転ギヤ6は回転可能に回転台4に支持されており、各載置台5はそれぞれ自転ギヤ6の上に設置されており、回転台4の外周には固定ギヤ7が配置されている。固定ギヤ7は反応室2側に固定されており、回転台4には固定されていない。そのため回転台4が回転しても固定ギヤ7は回転しない。自転ギヤ6と固定ギヤ7とは噛み合っている。自転ギヤ6は、回転台4の回転にともなって公転し、回転台4の外周に固定された固定ギヤ7との噛合によって自転する。したがって、載置台5の上に載せられた基板3は、回転台4の回転および載置台5の回転によって、公転と自転とをすることになる。
載置台5の材質には、高い熱伝導性および高い耐久性が求められるため、グラファイト、SiC(炭化珪素)またはSiCコーティングされたグラファイトを使用する。また、自転ギヤ6には、BN(窒化ホウ素)またはSBN(窒化ホウ素と窒化珪素との化合物、登録商標第1737632号)を素材として使用する。これらを用いるのは、載置台5の縁をセンサによって検出しやすくするためでもある。これについては、後ほど詳しく説明する。
回転台4の下にはヒータ10が配置されており、基板3を加熱するようになっている。また、シャフト8にはエンコーダ30が取り付けられており、シャフト8の回転角度(回転台4の向き)を出力する。
供給管12の反応室2内の端部はガス吹き出し口13となっていて、供給管12に供給されたガスを反応室2内に吹き出すことができる。
図20を参照して、基板トレイ搬送部19の構成を説明する。図20は、基板トレイ搬送部19の断面を示す図である。基板トレイ搬送部19は、図20に示すように、吸着ヘッド22、アーム26、高さ方向移動機構27、第1の移動機構28および第2の移動機構29を備えている。
基板トレイ搬送部19の先端には吸着ヘッド22が備えられている。吸着ヘッド22は4つの吸着パッド23を有している。吸着パッド23には真空配管24が接続されており、真空配管24の内部を大気圧の状態から真空状態にすることが可能である。真空配管24の内部が真空状態になることによって、基板トレイ17を上方から吸着保持し、搬送することできる。
基板トレイ搬送部19が有する移動機構27、28、29を説明する。図20に示すように、吸着ヘッド22はアーム26に接続されている。アーム26は、高さ方向移動機構27に固定されており、かつ高さ方向移動機構27は第1の移動機構28に固定されている。高さ方向移動機構27は、上下に移動可能であり、第1の移動機構28は、アーム26が延在する方向(以降、この方向をX方向とする)に移動可能である。また、高さ方向移動機構27および第1の移動機構28のいずれの移動方向に対しても、直角方向(図中手前から奥の方向)に移動する第2の移動機構29が配置されている。(以降、この方向をY方向とする)。第1の移動機構28は、第2の移動機構29に固定されている。したがって、第2の移動機構29が移動すると、高さ方向移動機構27および第1の移動機構28のいずれもが動くことになる。
高さ方向移動機構27、第1の移動機構28、第2の移動機構29はそれぞれ制御手段37の移動制御部に接続されており、この移動制御部が各移動機構を制御している。
次に、センサ25が有する検知機能を説明する。図20において、吸着ヘッド22のX方向先端に、センサ25は先端を下向きにして取り付けられており、そこから光を発している。センサ25は、発した光に対する対象物からの反射光の光量変化を計測することによって、対象物の有無を検出する。本実施形態では、前述のように載置台5にはグラファイト、SiCまたはSiCコーティングされたグラファイトを使用しており、自転ギヤ6にはBNまたはSBNを使用している。すなわち載置台5の縁よりも−X方向側には、BNまたはSBNのいずれかが、センサ25から見て臨めるようになっている。
グラファイト、SiCまたはSiCコーティングされたグラファイトの反射率は、BNまたはSBNと比較して非常に小さいので、載置台5と自転ギヤと6のコントラストは十分に大きくなる。したがって、本実施例では、載置台5と自転ギヤ6との反射光量の差を検出することによって、載置台5の縁を検出することができる。また、センサ25は制御手段37の検出制御部(図示せず)に接続されており、センサ25が縁を検出した信号を検出制御部に送信することができる。
本実施例では、センサ25として反射型光ファイバセンサを使用している。反射型光ファイバセンサは比較的安価であり、耐熱性が高いため、対象物の有無を検出する目的では工業的に広く用いられている。また、センサ25として、ビデオカメラを用いても良く、静電容量型または渦電流検知型のセンサを用いても良い。基本的には非接触型が望ましいが、カンチレバー等を用いた機械スイッチ式でも構成可能である。
本実施例においては、センサ25は、第1の移動機構28、第2の移動機構29によって移動する吸着ヘッド22の先端に取付けられているため、第1の移動機構28、第2の移動機構29は、センサ25が検知する位置を走査させる走査手段として機能することができる。
図21を参照して、本実施例に係る基板トレイ17の構成を説明する。図21は、本実施形態に係る基板トレイ17の断面を示す図である。基板トレイ17は、略円盤形の石英板である。図21に示すように、基板トレイ17は、上面に凹部20を有し、下面に凸部21を有する。凹部20は、基板3を載置するための部位である。凸部21は、載置台5と勘合する部位であり、載置台5の外周に合わせて凸部21の寸法を設定している。
本実施例における処理工程を図22〜図33を用いて説明する。
図22に、本処理フローにおける初期状態を示す。反応室2の上部2bは下部2aと分離して上方に移動し、反応室2は開放状態となっている。そのため、反応室2内に図20の吸着ヘッド22を進入させることが可能である。また、載置台5には、基板トレイ17および基板3は載置されておらず、かつ、仮置場所18には気相成長処理前の基板3が載置された基板トレイ17が配置され、図20の吸着ヘッド22によって吸着可能な状態となっている。
気相成長処理部1への基板トレイ17の搬送は、1枚ずつ行なわれる。すなわち、回転台4上に載置台5が6つあり、前記6つの載置台5にそれぞれ1つずつ基板トレイ17を載置するので、図20の吸着ヘッド22は仮置場所18と回転台4との間を計6回往復することとなる。
図23に、前記6回の往復のうち1つの往復、すなわち、1枚の基板トレイ17を仮置場所18から1つの載置台5(以下、前記1つの載置台5を「対象載置台5a」と言う)に搬送するフローを示す。なお、前記往復の間に、仮置場所18には、処理前の基板3が載置された新たな基板トレイ17が準備され、配置される。
図23のS103は図9のS1の一実施例である。また、S104とS105とはS2の一実施例であり、S106はS3の一実施例であり、S107はS14の一実施例であり、S108はS15の一実施例である。
まず、対象載置台5aが基準位置に来るようにモータ9を回転させ、そして停止させる(S101)。基準位置とは、基板トレイ17を対象載置台5aに載置するために、対象載置台5aを停止する位置のことである。通常は、対象載置台5aが仮置場所18に最も近くなる位置に停止する。なお、対象載置台5aが測定可能かつ載置可能な範囲であれば、基準位置から若干回転移動した位置(すなわちエンコーダ30が出力する向きが前記基準位置から予め定められた許容範囲内となる位置)までモータ9を回転させ、停止させれば良い。
次に、図20の吸着ヘッド22を仮置場所18の上に位置するよう移動機構27、28、29を用いて移動させ、吸着パッド23を仮置場所18上の基板トレイ17に密着させ、真空配管24内を減圧することにより、基板トレイ17を吸着ヘッド22に吸着させる(S102)。
次に、基板トレイ17を吸着・保持した状態の吸着ヘッド22を、移動機構27、28、29を用いて基準位置方向に移動させつつ、センサ25を用いて、P1の位置を測定する(S103)。本実施例において、被測定物は、対象載置台5aである。
図24は、センサ25が対象載置台5aの縁を検出する時の断面を示す図である。図24に示すように、センサ25は基準位置の方へ移動しながら、センサ25の先端から投射光31を発している。前述したように、対象載置台5aにはSiCコーティングされたグラファイト等を使用しており、自転ギヤ6にはSBN等を素材として使用している。SiCコーティングされたグラファイト等の反射率は、SBN等の反射率と比較して非常に小さい。したがって、基準位置の方向に載置台5が存在するならば、センサ25は、投射光31に対する反射光32の光量が多い状態から少ない状態へと移動していく。
図20の第1の移動機構28と第2の移動機構29とは、自身の座標を常時検出し、センサ25の位置として制御手段37に常時出力している。すなわち、第1の移動機構28、第2の移動機構29は、前記センサが検知している座標を検出する座標検出手段として機能し、制御手段37は前記座標を検知することができる。
一方、センサ25は、検出した光量が、閾値の上下いずれであるかを判断し、それを信号として図20の制御手段37に出力するように設定されている。前記閾値は載置台5に係る光量と自転ギヤ6に係る光量との間に設定されており、前記閾値との比較によって、載置台5の内外を判定することができる。
図26に本実施例におけるセンサ25の走査軌跡の上面図の例を示す。図26に示した走査軌跡においては屈曲点P3に到る走査は直線であり、屈曲点P3において90度に屈曲し、その後、P2まで直線的に走査する軌跡とする。図26のように、X方向の直線とY方向の直線で構成される走査軌跡は、図20の第1の移動機構28、第2の移動機構29のうち、一方を停止させ、もう一方を移動させることにより、容易かつ正確に実現することができる。
図25に工程S103に係る詳細フローを示す。まず、初めに対象載置台5aの中心点P0の座標を推定する(S201)。本実施例においては、基準位置をP0の座標と推定しても良いし、エンコーダ30の出力する値に基づいてP0の座標を推定しても良い。また、P0の座標を複数推定しても良い。
次にセンサ25の走査の方向を決定する(S202)。P1が存在する可能性のある範囲においては、走査の方向はS201で推定したP0を中心とする図26に示す半径Sの円に外接するように直線的に近づく方向とする。前記Sは、対象載置台5aの中心点P0が存在する可能性のある範囲または、対象載置台5aの中心点の測定に関し要求される誤差に基づいて決定する。例えば、対象載置台5aの中心点の測定に関し要求される誤差が2Δ未満である場合、図11に示すようにD=1とするのが適当であるから、S=0.226rとして、走査の方向を決定すれば良い。
次に走査限界を設定する(S203)。走査限界とは、載置台5が検知できなかった場合において走査の終了を判定するための判定値である。走査限界として、第1の移動機構28、第2の移動機構29の稼動範囲の限界を設定しても良いし、その他の走査を終了すべき理由に基づき走査限界を設定しても良いし、走査すべき範囲に載置台5が存在しないと判定できる位置を走査限界としても良い。
次に走査限界に達したか否かを判断する(S204)。走査限界に達した場合、走査を終了すべき例外的状態にあるから、図23に係るS104以後の処理を行なわずに例外処理1(S205)を行なう。例外的状態としては、走査すべき領域に対載置台5が存在しない、または本実施例の測定装置が故障している等の状態が考えられる。
S202で決定した走査の方向にセンサ25を微小量、走査させる(S206)。
センサ25が検知する位置が対象載置台5aの内外のいずれにあるかを検知する(S207)。具体的方法は図24を用いて説明した通りである。
対象載置台5aの内側であると判断する場合、センサ25が検知する位置の座標を、第1の移動機構28と第2の移動機構29とが検出する自身の座標から算出し、P1の座標として記憶する(S208)。この場合、対象載置台5aの内側に入った直後の座標を検出することになるので、より正確には、対象載置台5aの外側にいた最後の座標と対象載置台5aの内側に入った最初の座標との中間値とすれば、より正確にP1の座標を測定することができる。また、載置台5aの外側にいた最後の座標と対象載置台5aの内側に入った最初の座標とを両端点とする線分を、前記両端点における測定された光量と閾値との差の比で、内分する点とすれば、さらに、正確にP1の座標を測定することができる。
また、S207において対象載置台5aの内側にいると判断できない場合、S201からの処理を繰り返す。なお、S201、S203の工程は適時省略することができる。例えば、推定するP0の座標が前回と同じであることが自明であるならば、再度、推定する必要はない。走査限界においても同様である。また、S202において走査の方向を決定できるのであれば、S201において、P0の座標値を具体的に算出しなくとも良い。
次に屈曲点に移動する(S104)。
図27に工程S104の詳細フローを示し、説明する。まず、屈曲点P3の座標を決定する。
図28にP1を検出した時における被測定物(対象載置台5a)の内側である可能性のある領域107を示す。領域107は、P1を中心としP1における進入方向側に存在する半径rの半円弧114を中心とする半径rの円の走査軌跡である。屈曲点P3は、領域107の内側でなければならない。好ましくは、図中P3に示すように、P1における進入方向の延長線上にあり、かつP1から距離D離れた点である。なお、Dは対象載置台5aの半径rの22/1倍未満であることが望ましい。
P3に達したかどうかを判断する(S302)。具体的には、第1の移動機構28と第2の移動機構29とが検出する自身の座標からセンサ25が検知している位置を算出し、P3と比較し、一致しているか否かを判定する。P3に達している場合、S104の工程を終了し、図23に示す次の工程S105を行なう。
次に走査の方向を決定する(S303)。走査の方向は、現在の検知している位置からP3に近づく方向とする。なお、P1からP3に到る走査軌跡は領域108の内側であれば、どのような走査軌跡であっても良い。
P3に達していない場合、決定した走査の方向にセンサ25を微小量、走査する(S304)。
被測定物(対象載置台5a)の内側であるかどうかを検知する(S305)。具体的方法は図24を用いて説明した通りである。被測定物(対象載置台5a)の外側である場合、走査軌跡が屈曲点P3に到るより前に被測定物(対象載置台5a)の外側に進出したことになるので、図23のS105以後の処理を行なわずに例外処理2を行なう(S306)。例外処理2としては、現在、センサ25が検知している位置をP2とし、特許文献1等に示す他の方法によって対象載置台5aの中心点を特定し、基板トレイ17を対象載置台に載置する(図23のS109)等の方法がある。
なお、工程S104に係る走査軌跡を、図17の走査軌跡101bに示すように曲率半径がr未満である部分または1点において屈曲する部分を含む軌跡とした場合において、前記部分を屈曲部と見なした場合の判定円の内側で対象載置台5aの外側に進出するならば、中心点P0を確実に特定することができる。また、前記判定円の内側のみを走査する走査軌跡とするならば、工程S104に係る走査軌跡において対象載置台5aの外側に進出した場合、確実にP0を特定することができる。
また、S305において対象載置台5aの内側であった場合、S302に戻る。
以上、S301〜305の工程、すなわち、図23のS104の工程によって、センサ25が検知する位置を屈曲始点P3まで移動させることができ、かつ、P1からP3に到る走査軌跡が対象載置台5aの内側であることを確認することができる。また、センサ25が検知する位置が対象載置台5aの外側に進出した時に、そのことを検知することができるので、すみやかに例外処理2を実行することができる。
なお、図29に示す処理フローのように、S304の後にS302に戻り、S305の工程をS302においてP3sに達した場合に実行し、S305において対象載置台5aの内側と判定された場合にフローを終了しても良い。この場合、S305の工程が1回で良い。
なお、半径r未満の曲率半径である屈曲部において走査の方向を変更する場合は、屈曲点P3の座標の代わりに屈曲部の始点P3sの座標を用いてS104の各工程を実行すれば良く、これにより、センサ25が検知する位置を屈曲部の始点P3sまで移動させることができ、かつ、P1からP3sに到る走査軌跡が対象載置台5aの内側であることを確認することができる。また、センサ25が検知する位置が対象載置台5aの外側に進出した時に、そのことを検知することができるので、すみやかに例外処理2を実行することができる。
また、P1とP3(またはP3s)とを同一座標とする場合は、工程S104を省略することができる。
次に屈曲部を走査する(S105)。
図30に工程S105の詳細フローを示す。工程S105は、図26のP3のように、屈曲点である場合、不要である。ここでは、長さを持った曲線である屈曲部の場合について、図30のフローを用いて説明する。
まず、屈曲部の走査軌跡を決定する(S401)。屈曲部の走査軌跡は、始点がP3sであり、終点がP3eである。屈曲部の走査軌跡は、被測定物(対象載置台5a)の半径rより曲率半径が小さい。また、屈曲部の走査軌跡は、図7の領域118内に限定される。
P3eに達したかどうかを判断する(S402)。具体的には、第1の移動機構28と第2の移動機構29とが検出する自身の座標からセンサ25が検知する位置の算出し、P3eと比較し、一致しているか否かを判定する。P3eに達している場合、S105の工程を終了し、図23に示す次の工程S106を行なう。
次に走査の方向を決定する(S403)。走査の方向は、現時点においてセンサ25が検知している位置と、工程S401で決定した屈曲部の走査軌跡に基づく。
P3eに達していない場合、決定した走査の方向にセンサ25を微小量、走査する(S404)。
対象載置台5aの内側であるかどうかを検知する(S405)。具体的には図24を用いて説明した方法の通りである。対象載置台5aの外側である場合、図31のS508に進む。
以上、S401〜405の工程、すなわち、図23のS105の工程によって、センサ25が検知する位置を屈曲部の始点P3sから終点P3eに到る屈曲部を経由させることができ、かつ、P3sからP3eに到る走査軌跡が対象載置台5aの内側であることを検知または、対象載置台5aの外側に進出したことを検知することができる。
次にP2の測定を行なう(S106)。
図31にS106の工程の詳細フローを示す。まず、初めに、走査限界を設定する(S501)。走査限界は、図7に示す領域118の境界とする。P1において被測定物(対象載置台5a)の内側に進入したという事実および屈曲点または屈曲部が被測定物(対象載置台5a)の内側であるという事実により、P2の存在する領域は領域118に限定される。さらに、本実施例の測定装置および被測定物(対象載置台5a)に係る制約等によっても限定することができる場合がある。
次に、走査限界に到る走査軌跡を決定する(S502)。図26に示す本実施例においては、P3を起点とする−Y方向に向かう直線とする。
次に走査限界を超えたか否かを判断する(S503)。走査限界を超えた場合、走査を終了すべき例外的状態にあるから、図23に係るS107以後の処理を行なわずに例外処理3(S504)を行なう。例外的状態としては、対載置台5aが想定された大きさより大きい、本測定装置の制約等により測定不能である、または本実施例の測定装置が故障している等の状態が考えられる。
次に走査の方向を決定する(S505)。走査の方向は、現在のセンサが検知している位置に基づき、走査軌跡に沿う方向を走査の方向とすれば良い。本実施例においては、−Y方向を走査の方向とする。
S505で決定した走査の方向にセンサ25を微小量、走査させる(S506)。
センサ25が検知する位置が対象載置台5aの内外のいずれにあるかを検知する(S507)。具体的方法は図24を用いて説明した通り、センサ25が検知する位置の座標を、第1の移動機構28と第2の移動機構29とが検出する自身の座標から算出し、P2の座標として記憶する(S508)。詳細については、光量が少ない状態から多い状態へと変化することを除き、S208と同じである。
また、S507において円の外側にいると判断できない場合、S503からの処理を繰り返す。
検出したP2の座標に基づいて中心点を特定できるか判断する(S107)。具体的には、P2が判定円105の内側に含まれるか否かを判断する。判定円105は円であるので、P2と判定円105の中心点との距離がr未満であるか否かで容易に判断できる。なお、判定円105の中心点はP1から距離rにあり、かつP3から距離rにあり、走査側(図26では右側)に存在する点である。
S107において、P2が判定円105の外側または境界上にあると判定された場合は、P0が特定できないので、例外処理4を行なう。例外処理4は図18を用いて説明した通り、走査軌跡109によって、P0を特定する処理である。
S103、S106で測定されたP1、P2の座標および対象載置台5aの半径rから対象載置台5aの中心点P0の座標を求める(S108)。対象載置台5aの半径rはあらかじめ判っているので、前記半径rとP1、P2の位置とから対象載置台5aの中心の位置P0とを、P1、P2からともに距離r離れた点として算出することができる。なお、P0は2つの中心点候補のうち、走査側の反対側(図26では左側)に存在する中心点候補である。
次に、S108または例外処理2または例外処理4の方法にて特定したP0の位置に基板トレイ17を載置する(S109)。
図32に対象載置台5aに基板トレイ17を載置する時の断面図を示す。図20の第1の移動機構28と第2の移動機構29とによって、吸着ヘッド22に吸着された基板トレイ17をP0まで移動させたのちに、図20の高さ方向移動機構27によって、吸着ヘッド22を下方に移動し、前記基板トレイ17を対象載置台5aに載置する。ここで真空配管24内の気圧を雰囲気圧まで上げ、吸着パッド23を基板トレイ17から解放する。
なお、センサ25は、図20の基板トレイ搬送部19の移動部位である吸着ヘッド22に設けられているので、センサ25を移動させるための移動機構を、吸着ヘッド22を移動させる移動機構と別に設ける必要が無く、構成が単純である。また、S103〜S106における測定とS108における載置とを一連の移動によって実施することができるので、移動距離を短くすることができ、もって処理時間を短くすることができる。
以上S101からS109の工程によれば、高い精度で特定された対象載置台5aの位置に対して、基板トレイ17を載置するので、基板トレイ17を正確に載置(配置)することができる。
図33に本実施例に係る全体の処理フローを示す。
図23の処理フロー(S101〜S109)を回転台4上の1つ以上複数の載置台5について、前記載置台5を対象載置台5aとして繰り返し行なう(S121)。これにより回転台4上の複数の載置台5について、基板トレイ17を載置することができる。
次に、反応室2を閉じる(S122)。具体的には、図22の反応室上部2bを下方に移動させ、反応室下部2aと一体とすることによって、図19のような回転台4、回転台4に設けられた載置台5上に載置された基板トレイ17、基板3を内包する閉鎖空間として反応室2を形成する。
基板3に対し、気相成長処理を行なう(S123)。具体的には、回転台4を回転させつつ、前記回転台4上の自転ギヤ6、載置台5、基板トレイ17、基板3を自転させる。この状態で、ヒータ10によって基板3を加熱する。基板3の温度が所定の温度になったところでガス供給部15より材料ガスを供給する。ガス供給部15より供給された材料ガスは供給管12を通過してガス吹き出し口13より吹き出され、基板3に供給され、基板3上に気相成長し、薄膜が形成される。薄膜形成後は、ヒータ10を停止し、排気経路16より材料ガスを排出する。
気相成長処理が終了したら、図22のように反応室2を開き、開放状態とする(S124)。具体的には、反応室上部2bを反応室下部2aと分離させ、上方に移動させる。
最後に気相成長した基板3を載置した基板トレイ17を載置台5から搬出する(S125)。本実施例において、基板トレイ17の搬出は1枚ずつ行なわれる。すなわち、基板トレイ17が載置された各載置台5について、それぞれを対象載置台5aとして、対象載置台5aを基準位置に移動させ、P1の検出、P3の検知、P2の検出、P0の算出を行ない、前記P0まで図20の吸着ヘッド22を移動させ、基板トレイ17を吸着パッド23で吸着し、仮置場所18まで基板トレイ17を移動させ、そこで吸着パッド23から解放する。以上の手順を、全ての載置台5から基板トレイ17が無くなるまで繰り返す。なお、前記基準位置への移動に関してはS101と同様であり、P1の検出、屈曲部の検知、P2の検出、P0の算出に関してはS103〜S108と同様である。ただし、本工程において特定すべき被測定物は、基板トレイ17であるから、基板トレイ17の縁をP1、P2に係る測定対象とする。または半径rとして、基板トレイ17の半径を用いる。
S125の工程によれば、高い精度で特定された位置P0にある基板トレイ17を吸着・把持するので、基板トレイ17を正確に把持することができる。
以上のS121〜S125の工程によって、基板3を回転台4上の載置台5に載置し、基板3に対し気相成長処理を行ない、薄膜を形成させ、搬出することができる。
また、高い精度で特定された対象載台5aの位置に対し基板トレイ17を載置するので、載置の失敗を含む基板に対する処理の失敗および本実施例の気相成長装置の故障などを未然に防止することができる。
また、高い精度で特定された基板トレイ17の位置に対し取り出しを行なうので、取り出しの失敗を含む基板に対する処理の失敗および本実施例の気相成長装置の故障などを未然に防止することができる。
なお、工程S103を実施する前に、あらかじめ工程S201〜203を実施し、その値を記憶しておくことは可能である。すなわち、工程S103を開始する前にP1または例外処理1に到るまでの走査軌跡を決定することが可能であり、事前に決定した前記走査軌跡に基づき走査しても良い。
また、工程S103開始時におけるセンサ25が検知する位置および/または初回のS201における推定されたP0の座標に基づいて、事前に決定した走査軌跡を平行移動かつ/または回転移動して、走査軌跡として用いても良い。これによって工程S201〜203に係る計算量を少なくすることができる。
同様に、工程S103と工程S104との間にS301、S303を、工程S103と工程S105との間にS401、S403を、工程S103と工程S106との間にS501、S502、S505を実施しておくことは可能である。すなわち、工程S104を開始する前に例外処理2、例外処理3またはP2に到るまでの走査軌跡を決定することが可能であり、前記事前に決定した走査軌跡に基づき走査しても良い。
また、P1およびP1における進入方向に基づいて、事前に決定した走査軌跡を平行移動および/または回転移動して、走査軌跡として用いても良い。これにより、S301、S303、S401、S403、S501、S502、S505に係る計算量を少なくすることができる。
また、工程S105以後の走査軌跡に関して、事前にS107に相当する判断をしておくことができる。その方法としては工程S105以後の走査軌跡上の各点において、S4と同様の方法でP0’の座標を求め、前記P0’についてS5と同様の判断をしても良いし、S107と同様に判定円105の内側に含まれるか否かで判断しても良い。この場合、走査軌跡上の各点が中心点を特定できるか否かがS107の工程を開始する前に判るので、P2がいずれの座標であるかに基づき、中心点が特定可能かどうか判断できる。
また、図26に示した走査軌跡のように、屈曲部以後の走査軌跡が判定円105の内側に含まれ、かつ境界117に到達する走査軌跡であるならば、確実に円の中心点を特定することができ、S107における値は常に真となるので、工程S107を省略し、S106の次にS108を実施しても良い。これにより、処理フローを簡略とすることができる。
なお、本実施例の制御手段37には、プログラムが記憶されており、前記プログラムに含まれる命令を逐次実行することにより、本実施例の測定装置、搬送装置、気相成長装置は、図33等に説明した本実施例の処理フローを実行することができる。
また、対象処理台5aまた基板トレイ17の内外を検知するセンサ25と、センサ25が検知する位置を走査する走査手段と、前記センサが検知している座標を検出する座標検出手段と、を備える測定装置、搬送装置、気相成長装置に対し、前記プログラムを記憶した記憶媒体から前記プログラムをインストールすることにより、本実施例の測定装置、搬送装置、気相成長装置を生産することができる。
一般的に、回転台4は、回転方向に対し位置決め精度が低いため、図26のP1のように、回転方向に対し垂直にセンサ25を進入させる場合、対象載置台5aの中心点P0が存在する可能性のある範囲Eが広いため、Dの値を小さくしなければならず、P0に係る誤差が大きくなるという問題がある。本実施例に係る測定方法ないし測定装置は、前記問題を解決することができる。
本実施例はS103におけるP1の測定に関し、回転台4の回転を用いる方法である。本実施例はその装置構成およびフローにおいて、実施例1と共通する部分が多いので、共通する部分については説明を略し、相違する部分のみ説明する。
図34は本実施の形態に係るセンサ25の走査軌跡の上面図である。本実施例においては、S101において、対象載置台5aと回転台4の中心からみて右隣の載置台5bとの間の点P4が、基準位置となるように回転台4を回転させて停止する。
工程S103では、まず、P4の位置を検知できる位置までセンサ25を移動させ、その後に回転台4を右回転させる。その結果、センサ25は、対象載置台5aの縁上の点P1上を走査することになる(図34参照)。正確に表現するならば、センサ25は位置P4で静止したままであり、P1の位置へと移動したわけでは無い。しかしながら、センサ25を静止させたまま回転台4を右回転させるということは、相対的位置関係において回転台4を静止させたままセンサ25を左回転させることと同じであるので、便宜上、回転台4を静止したと仮定した場合におけるセンサ25の回転台4上の走査軌跡を、回転台4を基準として図中に円弧状の矢印として記載している。
回転台4を右回転させつつ、センサ25で反射光量の変化を測定し、あらかじめ定められた閾値を超えた瞬間(すなわち、センサ25が対象載置台5aの縁上の点P1の上を走査した瞬間)のエンコーダ30の値e1を記録する。
図25のフローに則って説明するならば、工程S202において、センサ25がP4に到達するまでは、P4に近づく方向を走査の方向と決定する。なお、回転台4の回転軸O(図示せず)とP4との距離は、実施例1の工程S202におけるSと同様に、対象載置台5aの存在する可能性のある範囲または、対象載置台5aの中心点の測定に関し要求される誤差に基づいて決定する。
図35に本実施例に係る中心点P0に係る誤差のシミュレーション結果をグラフで示す。本グラフは、実施例2においてP1とP3との距離を半径0.9927rとし、最大のEに係る誤差eを2Δとした場合のグラフと、実施例1におけるD=1の場合のグラフを示している。本実施例に係るグラフは、回転台4の回転軸Oと中心点P0との距離を5r+Eとして算出している。すなわち、回転台4の回転軸Oと対象載置台5aの中心点P0との距離が本来5rであることを前提として、回転台4の回転軸Oに対し対象載置台5aの位置がEだけずれた場合を想定している。
本図より、誤差eが2Δ未満となるEの範囲は、−0.302r<E<0.878rであり、実施例1のD=1の場合と比較して、若干狭くなることが判る。また、前記Eの範囲の中央値は、0.288rである。
例えば、回転台4の中心軸OとP0との距離が5rを中心とする正規分布に従うと推定される場合において、P0の測定誤差を2Δ未満とする確率を最大とするには、回転軸OとP4との距離を(5−0.288)r=4.712rとすれば良い。
また、センサ25が検知する場所がP4に到達した以後は、回転台4の回転方向であって、対象載置台5aをセンサ25が検知する位置に近づかせる回転方向を走査の方向として決定する。
工程S206においては、回転台4を回転させることにより、対象載置台5aを移動させ、回転台4上をセンサ25に走査させる。
また、S208において、センサ25がP1を走査した時のエンコーダ30の値c1を記憶する。
S103のフローにより、センサ25を回転台4の回転方向から対象載置台5aに進入させることができる。これにより、回転台4の回転方向に関する位置決め精度が低く、推定したP0の位置と実際のP0の位置とが回転台4の回転方向に対してずれている場合においても、誤差が小さくなる範囲Eから進入することができ、誤差を小さくすることができる。
S104では、回転台4を回転させ、センサ25が検知する位置がP3となる位置で回転台4を停止させる。P3とP1の距離をDとする。
図27のフローに則って説明するならば、工程S302において、P1から回転台4の回転に沿って移動する移動先であって、P1から距離D(例えば、0.9927r)にある位置をP3とする。
工程S302においては、エンコーダ30の値を測定し、P3におけるエンコーダの値(角P1−O−P3に相当するエンコーダ値をc1に加えた値)と一致するか否かを判断する。
工程S303において、回転台4の回転方向であって、P3をセンサ25が検知する位置に近づかせる回転方向を走査の方向として決定する。
工程S304においては、回転台4を回転させることにより、対象載置台5aを移動させ、回転台4上をセンサ25に走査させる。
工程S106においては、センサ25を回転軸Oの方向に移動させて、P2を測定する。
図31のフローに従って説明すると、S502において、回転軸Oに向かう方向を走査の方向と決定する。S508において、センサ25が検知する位置の座標を、第1の移動機構28と第2の移動機構29とが検出する自身の座標から算出するとともに、P2の座標として記憶し、さらにセンサ25がP2を検出した時のエンコーダ30の値c2を記憶する。
本実施例の走査軌跡によれば、S107は常に真となるので、省略することができる。
S108において、測定したP1の座標を現在の座標に変換する。具体的には、エンコーダ値c2からエンコーダ値c1を引いた角度だけ、回転軸Oを中心にP1を回転移動させる。そののちは実施例1のS108と同様に中心点P0を算出すれば良い。
本実施例の測定方法、測定装置、搬送装置、気相成長装置によれば、回転台4の回転により、センサ25を対象載置台5aに対しY方向に相対移動させるので、第2の移動機構29によるY方向への移動量を省略ないし短くすることができ、第2の移動機構29の削除ないし小型化をすることができる。
本実施例は、図14に係る走査軌跡をセンサ25が走査することを機構的に実現する測定装置、搬送装置、および気相成長装置である。本実施例はその装置構成において、実施例1と共通する部分が多いので、共通する部分については説明を略し、相違する部分のみ説明する。
図36は、本実施例の装置に係る吸着ヘッド22の上面図を示している。本実施例の吸着ヘッド22においては、センサ25はスイングアーム33の先端に取付けられており、スイングアーム33は吸着ヘッド22に回転自在に取付けられている。スイングアーム33の回転軸と、センサ25が検知する位置との距離は、21/2rである。
工程S104または工程S105において、スイングアーム33の回転軸がP1上となる位置まで吸着ヘッド22を移動させ、工程S106においてスイングアーム33を回転させることにより、センサ25は、図14に示すP1から距離21/2r離れた円周104上を移動させることができる。
また、対象載置台5a(被測定物)の半径rに応じて、スイングアーム33の回転軸とセンサ25との距離を変更すれば、異なる半径を有する対象載置台5a(被測定物)に対しても測定することができる。