JP2011192487A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱応力に起因する亀裂等の発生を抑制し、電解質の剥離を抑制する固体酸化物形燃料電池を提供すること。
【解決手段】発電セル1は、空気極4と燃料極2との間に介在される電解質層3とを備え、燃料極2で電解質層3及び空気極4が支持された構造を有する燃料極支持型の固体酸化物形燃料電池1であって、電解質層3は、第1電解質層31と、燃料極2と第1電解質層31の間に配される第2電解質層32と、空気極4と第1電解質層31との間に配される第3電解質層33とから構成され、第2電解質層32及び第3電解質層33は、La、Gaを主成分として含む酸化物イオン伝導体により形成され、第1電解質層31は、Yを固溶させた酸化ジルコニウムにより形成され、第2電解質層32、第3電解質層33より曲げ強度が大きく、電解質層3の総厚×10<燃料極2の厚さである。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関するものである。特に、発電セルの性能向上、信頼性向上を可能とするための電解質構造の改良に関する。
燃料電池は、水素等の還元ガス燃料と酸素との反応を利用して起電力を得るものであり、電解質の種類によって様々なタイプのものが知られている。具体的には、固体高分子形(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、リン酸形(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩形(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物形(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)等である。
これらの中で、固体酸化物形の燃料電池は、例えば固体高分子形の燃料電池等に比べて発電効率が高いこと、廃棄熱を利用してハイブリッド発電や燃料の内部改質等が可能であること等の利点を有しており、実用性が高いことから、各方面でその改良が進められている。特に、電解質構造は燃料電池性能に直接的に大きな影響を与えることから、その改良が実用化の鍵となる。
このような状況から、電解質構造に関して、様々な提案がなされている(例えば、特許文献1〜3を参照)。特許文献1には、固体電解質を介して、アノードとカソードを配した固体電解質型燃料電池において、固体電解質を、添加物比率の異なる酸素イオン導電性酸化物固溶体の多層構造とすることが開示されている。特許文献1記載の発明では、自立膜方式の固体電解質において、酸素イオン導電性はやや劣るが、機械的強度が比較的高い固溶体と、酸素イオン導電性は良いが、機械的強度が比較的低い固溶体との多層構造(3層構造)とすることで、固体電解質全体の機械強度の向上を図るようにしている。同じ厚さで固体電解質を形成した場合、1層構造の固体電解質より、前記3層構造の固体電解質の方が機械的強度は高くなる。
特許文献2には、空気極によって機械的強度が保持されている固体酸化物形燃料電池において、固体電解質膜を、酸素イオン輸率が実質的に1に等しいLaGaO系酸化物からなる第一電解質層と、第一電解質層よりも酸素イオン輸率が低くかつ酸素イオン伝導度が高いLaGaO系酸化物からなる第二電解質層とからなる二層構造とすることが開示されている。特許文献2記載の発明では、固体電解質を前記2層構造とすることで、出力性能の向上を図っている。
特許文献3には、固体酸化物形燃料電池において、電解質膜を、空気極側に酸素イオン導電率S1の材料からなる第一の層と、燃料極側に酸素イオン導電率S3の材料からなる第三の層と、第一の層と第三の層の間に設けられ、酸素イオン導電率S2で、少なくともジルコニアを含む材料からなる第二の層とから構成することが開示されている。特許文献3記載の発明では、酸素イオン導電率の高い材料からなる第一の層と第三の層の形成により、空気極と電解質膜の間で起こる反応により生成した酸素イオンを電解質膜に効率良く供給できること、電解質膜と燃料極の間で起こる反応を効率良く進めることができること、さらには、ジルコニアを含む材料からなる第二の層を有することから、ガス透過性がなく、酸素イオンを効率良く燃料極側に供給することができること等により、出力性能に優れる固体酸化物形燃料電池を提供できるとしている。
特開平5−62700号公報 特開2004−296204号公報 特開2004−303712号公報
固体酸化物形燃料電池の性能向上を図る場合、電解質膜の薄膜化により電気抵抗が低減され、発電性能が向上するため、高酸化物イオン伝導性を有する材料を薄く形成して電解質膜とするのが有利である。
固体酸化物形燃料電池の形態としては、電解質を厚くして自立膜とする電解質支持セルや、電極の燃料極若しくは空気極を厚くしてこの上に電解質膜を形成する電極支持セル等があるが、発電性能の観点から、電解質を薄くすることができる電極支持セルの方が有利と言える。一般的に、発電性能低下の原因となる電極過電圧は空気極の方が高いため、過電圧の小さい燃料極側を厚くし、燃料極支持セルを形成する。
高い酸化物イオン伝導性を有する材料としては、LaGaO系材料等が知られているが、例えば燃料極支持セル構造を採用し、ある一定以上の厚さ以下に薄くすると、電子伝導性の影響により、セル内部に短絡回路が形成され、発電性能が低下するおそれがある。また、電解質は緻密でなくてはならないが、電解質の厚さを薄くした場合、電解質に亀裂が入りやすくなり、結果として性能が低下するという問題もある。さらに、電解質と燃料極との密着性も重要であり、電解質が燃料極から剥離すると、やはり性能の低下を招くことになる。したがって、これらの問題を考慮した場合、前述の各特許文献記載の技術では、必ずしも十分とは言えない。
例えば、特許文献1記載の発明では、電解質を自立膜とする電解質支持セル構造を採用しているので、電解質膜の厚さを薄くすることに限度があり、発電性能の向上が難しい。また、電解質を構成する材料が高価であることから、発電セル全体の製造コストの増大を招くおそれもある。
特許文献2記載の発明では、緻密電解質を2層積層した構造を有していることから、応力が一方に偏る傾向にあり、長時間運転等によりセル割れや電解質/電極界面破壊等の問題が生ずるおそれがある。また、特許文献2記載の発明では、第一電解質層と第二電解質層に使用している材料系が同一であることから、焼成時及び発電時に元素の相互拡散が進行し、信頼性が著しく低下するおそれもある。
特許文献3記載の発明では、第一の層と第三の層は電解質としての性能を期待するものではなく、燃料電極と電解質膜間での反応を促進する層としての機能を優先していることから、性能向上が不十分なものとなるおそれがある。
本発明は、燃料極支持セルの利点を活かし、低温作動を可能とする固体酸化物形燃料電池を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の燃料電池は、空気極と燃料極とこれらの間に介在される電解質層とを備える固体酸化物形燃料電池であって、前記燃料極は、前記電解質層及び前記空気極を支持し、前記電解質層は、第1電解質層と、前記燃料極と前記第1電解質層との間に配される第2電解質層と、前記空気極と前記第1電解質層との間に配される第3電解質層とから構成され、かつ、前記電解質層の総厚×10<前記燃料極の厚さであり、前記第2電解質層及び前記第3電解質層は、La及びGaを主成分として含む酸化物イオン伝導体により形成され、前記第1電解質層は、イットリウムを固溶させた酸化ジルコニウムにより形成され、前記第2電解質層及び前記第3電解質層より曲げ強度が大きいことを特徴とする。
また、本発明の燃料極は、Niを主成分とする層であり、第2電解質層の燃料極側表面にNiを含む化合物層が形成されていることが好ましい。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、燃料極支持セル構造を採用し、電解質の厚さを薄くすることができるので、発電性能が確保され、低温作動も可能となる。電解質の厚さが薄ければ薄いほど発電性能は向上し、低温で作動できる。電解質が薄ければ抵抗が下がり、発電効率が向上することにより温度上昇が抑えられるからである。
また、主電解質である第2電解質層及び第3電解質層は、La、Gaを主成分として含む酸化物イオン伝導体により形成され、僅かな電子伝導性を有するために、薄膜化した際に内部で短絡回路を生じ、効率の低下を引き起こすおそれがある。本発明では、第2電解質層と第3電解質層の間に、電子伝導性を遮断する第1電解質層を設けているので、前記短絡による効率の低下を効果的に抑制できる。
本発明の主電解質である第2電解質層と第3電解質層の間に強度の高い第1電解質層を設け、その両側に第2電解質層、第3電解質層を配した構造としているので、応力の偏りによる割れや界面破壊等が解消される。本発明の燃料極と接する第2電解質層がLa、Gaを主成分として含む酸化物イオン伝導体により形成されているので、界面で拡散が起こり、密着強度が高まる。
本発明の固体酸化物形燃料電池によれば、燃料極支持セル構造を採用し、電解質構造を最適化しているので、熱応力による破壊が抑制でき、さらに、電解質の薄膜化による短絡の影響を低減できるため、低温作動が可能な固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池(発電セル)の構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の発明を実施するための形態(実施形態)により本発明が限定されるものではない。また、以下における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、以下に開示する構成は、適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(発電セル)の構成例を示す概略断面図である。固体酸化物形燃料電池(発電セル)1は、燃料極2と電解質層3と空気極4とを備える。電解質層3は燃料極2と空気極4との間に介在されている。固体電解質からなる電解質層3の両面に燃料極2及び空気極4を配して発電セル1が構成される。本実施形態において、発電セル1は平板形である。本実施形態の固体酸化物形燃料電池は、この発電セル1を単独で、あるいは複数個を電気的に直列又は並列に接続することで構成される。発電セル1を複数個用いる場合は、発電セル1を積層してもよい。
各発電セル1は、燃料極2が電解質層3及び空気極4を支持する構造、すなわち、燃料極支持セル構造である。したがって、燃料極2の厚さは、他の要素(電解質層3や空気極4)に比べて厚く設定されている。具体的には、電解質層3の総厚さ×10<燃料極2の厚さの関係を有する。燃料極2の厚さを電解質層3の総厚さよりも厚くすることで、発電セル1の機械的強度を確保し、電解質層3を薄くすることができる。
これにより、高価な電解質材料の使用量を減らすことができる。発電セルを、電解質支持セル構造とし、電解質を自立膜とすると、機械的強度を保つために電解質を厚くする必要がある。電解質材料であるLaGaO系材料は高価であるため、このような材料を電解質として用いると、発電セルの製造コストの大幅な上昇を招くおそれがある。
本実施形態のように、発電セル1を燃料極支持セル構造とすれば、電解質材料の使用量を極力抑えることができるので、発電セル1の製造コストを最小限に抑えることができる。また、電解質の薄層化により、電気抵抗が低減されて発電ロスを低減できるので、発電セル1の発電性能を向上させることができる。
さらに、燃料極2を厚くすることで、反応性が良好なものとなる。固体酸化物形燃料電池は作動温度が500℃以上と高いため、都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系ガスを内部で改質し、発電する事が可能である。しかしながら、前段の改質器を通過してきたガスが100%改質されたガスであるとは限らず、残留炭化水素系ガスが混在することもある。残留炭化水素系ガスは発電性能を低下させるだけではなく、炭素析出を引き起こす可能性もある。燃料極を厚くし、Ni触媒を増やすことで、この残留炭化水素系ガスを改質する事が出来、発電性能も向上する。
本実施形態の電解質構造において、電解質材料としては、LaGaO系酸化物を使用する。LaGaO系酸化物は僅かな電子伝導性を有するために、電解質材料としてLaGaO系酸化物を用いると、薄膜化した際に内部で短絡回路を生じ、効率の低下を引き起こすおそれがある。また、電解質層3を薄膜化した場合、熱応力により亀裂や割れが生ずるおそれがある。
そこで、電解質3を、第1電解質層31と、第2電解質層32と、第3電界質層33との3層構造とする。前記3層構造において、第1電解質層31を挟んで、両側にそれぞれ第2電解質層32と、第3電解質層33とを形成する。また、第1電解質層31と燃料極2との間に第2電解質層32が配され、第1電解質層31と空気極4との間に第3電解質層33が配される。
本実施形態において、第2電解質層32及び第3電解質層33は、電解質層3の主体をなすものであり、酸化物イオン伝導性に優れるLaGaO系材料を用いる。LaGaO系材料は、La、Gaを主成分として含む酸化物イオン伝導体であり、下記式で表されるLaGaO系材料が好ましい。
La1−X Ga1−Y−ZII III
ただし、式中、MはSr、Caから選択される1種又は2種を表し、MIIはMg、Al、Inから選択される1種又は2種、MIIIはCo、Fe、Ni、Mnから選択される1種又は2種をそれぞれ表す。また、0.1≦X≦0.4、0.1≦Y≦0.4、0≦Z≦0.15、0.1≦Y+Z≦0.4である。
応力の偏りを低減し、電解質層3全体の応力を緩和し、割れ等の発生を抑制するためには、第2電解質層32と第3電解質層33とを第1電解質層31の両面にそれぞれ形成することが必要である。主電解質である第2電解質層32及び第3電解質層33は、任意に設定することができるが、両方の厚さのトータルは1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましい。このようにすれば、応力の偏りを低減して電解質層3全体の応力を緩和できるので、亀裂や割れ等の発生を効果的に抑制できる。
燃料極2側の第2電解質層32は、燃料極2と元素との間で相互拡散し、化合物層を形成する。これによって、燃料極2に対する密着強度が確保されるので、電解質層3の剥離を効果的に抑制できる。
本実施形態において、電解質層3の厚さを薄くした場合の不都合を解消するために、第2電解質層32と第3電解質層33との間に第1電解質層31を設ける。
本実施形態の第1電解質層31としては、以下の要件が要求される。
(1)機械的強度(ここでは曲げ強度)が第2電解質層32や第3電解質層33に比べて高いこと。曲げ強度は、日本工業規格JIS R1601(曲げ強度試験方法)に準じて測定される値である。第2電解質層32や第3電解質層33よりも曲げ強度の高い第1電解質層を間に配することにより、電解質層3全体の強度が確保される。また、強度のバランスも保たれ、応力の偏りを抑制できる。
(2)酸化物イオン輸率が1であること。
第1電解質層31も電解質として機能する必要がある。それと同時に、第2電解質層32,第3電解質層33の電子伝導性を遮断する機能を有することも必要である。
これらの要件を満たす電解質材料としては、イットリウムを固溶した酸化ジルコニウムのYSZ系材料を挙げることができる。YSZ系材料の組成としては、Amol%R−ZrO(ただし、式中、RはY、Sc、Laから選択される1種又は2種であり、Aは3〜15である。)であることが好ましい。第1電解質層31に前記YSZ系材料を用いることで、電子通過を効果的に防ぐことが可能になる。このため、本実施形態に係る発電セル1は、高い発電性能が得られ、作動温度を低く設定することができ、温度差が少なくなるので熱膨張の影響を緩和できるという効果が得られる。その結果、発電セル1は、作動のオン/オフによる常温から数百度までの繰り返し温度変化に耐え得るものとなる。
第1電解質層31の厚さは任意であるが、これらの層の厚さが厚くなると電解質層3全体の厚さが厚くなり、燃料極支持セル構造の利点が活かせなくなるおそれがある。このことを考慮すると、電解質層3の総厚(第1電解質層31の厚さ+第2電解質層32の厚さ+第3電解質層33の厚さ)×10<燃料極2の厚さとすることが好ましい。
本発明の電極材料において、燃料極2は、Niとセラミック材料のコンポジット材料(サーメット)を有する複合電極とすることが好ましい。複合電極を具体的に例示すれば、Ni/Ce1−BIV (ただし、式中のMIVはSm、Gd、Laから選ばれる1種若しくは2種を表し、0.1≦B≦0.4である。)等を挙げることができる。あるいは、Ni/第1電解質層形成材料のコンポジット材料、Ni/第2電解質層形成材料のコンポジット材料等を含む複合電極も使用可能である。
また、空気極4は、下記式で表されるセラミック材料により形成することが好ましい。
La1−CSrCo1−D
ただし、式中、MはFe、Ni、Mnから選ばれる1種若しくは2種を表し、0≦C≦0.5、0≦D≦0.8である。
各構成要素の材質、代表組成、特性、形状、曲げ強度、厚さ範囲を表1に示す。
Figure 2011192487
以上の構成を有する固体酸化物形燃料電池(発電セル1)を作製するには、例えば焼成後において燃料極2と電解質層3とが積層された構造となる積層焼結体を形成し、この上に空気極4を形成すればよい。
焼成後に燃料極2と電解質層3とが積層された構造となる積層焼結体を形成するには、先ず、燃料極2の構成材料を含む燃料極形成用グリーンシートをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドクターブレード法により形成する。
次に、形成した燃料極形成用グリーンシート上に電解質形成用ペーストをスクリーン印刷により印刷し、電解質形成用シートを形成する。なお、電解質形成用シートは、第2電解質形成用ペースト、第1電解質層形成用ペースト、第3電解質層形成用ペーストを順次印刷することで、3層構成とする。燃料極形成用グリーンシート上に電解質形成用ペーストを印刷した後、焼成を行う。焼成は、例えば焼成温度1400℃で行えばよい。
得られた積層焼結体上に空気極4の構成材料を含む空気極形成用ペーストをスクリーン印刷し、空気極形成用シートを形成する。これを再度焼成して焼き付け、発電セル1とする。この時の焼成温度は、例えば1100℃である。
作製される燃料電池(発電セル1)は、主電解質層である第2電解質層32,第3電解質層33の間に機械的強度の高い第1電解質層31が挟み込まれた電解質構造を有している。このため、固体酸化物形燃料電池(発電セル1)は、熱応力が緩和されるとともに、温度変化に対応可能となり、電池全体の構造によって破壊が抑制される。
また、第2電解質層32、第3電解質層33をLaGaO系材料とするとともに、第1電解質層31をYSZ系材料とすることで、電解質層3を薄くした場合にも電子透過を防ぐことができ、作動温度を低く設定することができる。また、温度差を少なくすることによって、熱膨張の影響を緩和することもできる。
また、第2電解質層32をLaGaO系材料とし、燃料極2はNiを含む電極とすることで、第2電解質層32と燃料極2の界面にNiを含む化合物領域が形成され、第2電解質層32と燃料極2の密着強度が向上し、剥離の問題が抑制される。Niを含む化合物としては、LaSrNiOやLaNiO等であり、これらの化合物からなる化合物領域が形成されていることは、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer:電子線マイクロアナライザ)やXRD(X‐ray diffraction:X線回折)等で確認することができる。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本実施例において、主電解質(第2電解質層及び第3電解質層)、副電解質層(第1電解質層)、空気極、燃料極に用いた材料は下記の通りである。
主電解質:La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23-δ(曲げ強度200MPa)
副電解質:3mol%Y−ZrO (曲げ強度800MPa)
空気極 :La0.6Sr0.4Fe0.8Co0.23-α
燃料極 :Ni−Ce0.8Sm0.22-βコンポジット材料
これら材料を用いて燃料極で強度を持たせた燃料極支持セル構造の発電セルを作製した。作製した発電セルにおいて、燃料極の厚さは500μm、空気極の厚さは20μmである。また、各実施例における第1電解質層、第2電解質層、第3電解質層の厚さは表2に示す通りである。比較例1、2は、電解質支持セル構造の発電セルの例である。電解質層は、主電解質層のみである。
発電性能評価試験は、直径20mmの小型セルを作製し、空気極側に空気を200ml/minで供給し、燃料極側に水素を200ml/minで供給して行った。測定項目は、500℃及び600℃での出力密度、500℃及び600℃での耐久性、600℃での昇降温試験である。なお、耐久性は、電圧が0.5V低下するまでの時間を測定し、昇降温試験は、10回昇降温を繰り返し実施し、初期の性能と10回昇降温後の性能の差を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2011192487
電解質支持セル構造を有し主電解質を厚くした比較例1では、電解質抵抗が大きいために出力密度が低い。電解質支持セル構造を有し主電解質を薄くした比較例2では、電子伝導性の影響で出力密度が若干低下している。さらに、昇降温を繰り返すことで、セルに応力が作用し、セル割れが発生した。各実施例では、出力密度が確保され、セル割れも発生していない。
以上のように、本発明に係る固体酸化物形燃料電池は、低温作動を可能とすることに有用である。
1 固体酸化物形燃料電池(発電セル)
2 燃料極
3 電解質層
31 第1電解質層
32 第2電解質層
33 第3電界質層
4 空気極

Claims (2)

  1. 空気極と燃料極とこれらの間に介在される電解質層とを備える固体酸化物形燃料電池であって、
    前記燃料極は、前記電解質層及び前記空気極を支持し、
    前記電解質層は、第1電解質層と、前記燃料極と前記第1電解質層との間に配される第2電解質層と、前記空気極と前記第1電解質層との間に配される第3電解質層とから構成され、かつ、前記電解質層の総厚×10<前記燃料極の厚さであり、
    前記第2電解質層及び前記第3電解質層は、La及びGaを主成分として含む酸化物イオン伝導体により形成され、
    前記第1電解質層は、イットリウムを固溶させた酸化ジルコニウムにより形成され、前記第2電解質層及び前記第3電解質層より曲げ強度が大きい、
    ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記燃料極は、Niを主成分とする層であり、前記第2電解質層の燃料極側表面はNiを含む化合物層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
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