JP2011192322A - 光ディスク装置、光ディスク、記録方法及び再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクの再生を開始する際に記録層から管理情報等を読み込むのに時間がかかり、使い勝手が悪いという問題がある。また、次の層を記録或いは再生するときには光ビームを半径方向に大きく移動させる必要が生じ、記録或いは再生が中断する時間が長くなるという問題がある。
【解決手段】基準層を記録再生可能とし、ディスクの管理情報等を基準層に記録し、この情報を再生することにより達成される。また、基準層をトラックのスパイラルの方向が異なる2層で構成し、記録層の記録或いは再生する層に応じて光ビームを集光する基準層を変えることにより達成される。
【選択図】 図4
【解決手段】基準層を記録再生可能とし、ディスクの管理情報等を基準層に記録し、この情報を再生することにより達成される。また、基準層をトラックのスパイラルの方向が異なる2層で構成し、記録層の記録或いは再生する層に応じて光ビームを集光する基準層を変えることにより達成される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、光ディスクの基準層のトラックに追従しながら、記録層の所望の深さ位置に情報の記録及び/又は再生を行なう体積記録型の光ディスク装置及び光ディスク等に関する。
近年、基準層のトラックに追従しながら、記録層の所定の深さ位置に情報を記録する光ディスク装置及び光ディスクが開発されている(特許文献1参照)。これは、体積記録型光ディスクに2系統の光ビームを同一焦点位置で干渉させる事によって、回折限界サイズのマイクロリフレクタ(微小ホログラム)が形成されることを利用して、記録層における所望の深さ位置に情報を記録するものである。
また、マイクロリフレクタ技術において、特許文献2には、「光ディスクに2層設けられた位置決め層を利用して記録層内の目標位置に光ビームを集光する際の焦点位置を高精度に制御し得るようにする」ことを課題とし、「光ディスク装置20は、トラッキングチルトエラー信号生成回路23Fによって(6)式に従いトラッキングシフトエラー信号STE1及びSTE2を目標位置PGの深さdに応じた比率で加算することによりトラッキングチルトエラー信号SLE1を算出し、これを基に対物レンズ11をトラッキングチルト方向へ回転駆動することにより、青色光ビームLb1の焦点Fb1をトラッキングシフト方向へ移動させて目標位置PGに合わせることができ、さらに対物レンズ11及び12を介した青色光ビームLb1の検出結果を基に、可動ミラー62における反射面62Aの角度をトラッキングシフト方向に制御することにより、焦点Fb2を焦点Fb1に合わせることができる。」との記載がある(特許文献2、要約参照)。
特許文献3には、「記録層の異なる深さ位置に情報を記録可能な光ディスクに対して、迅速に情報を記録及び/又は再生できる光情報記録再生装置を提供する」ことを課題として、「記録層における所定の深さ位置に情報を記録する際に、その深さ位置に関する情報(例えばNo.1等)を記録するので、情報の記録/再生中に、例えば振動等の外乱によって、半導体レーザLDからの光束が別な深さ位置に飛んでしまったような場合でも、先に情報の記録/再生を行っていた深さ位置(1層目)の情報を記憶しておくことで、記憶された深さ位置の情報に基づいて直ちに元の深さ位置(1層目)に復帰でき、遅れなく情報の記録/再生を行うことができる。」との記載がある(特許文献3、要約参照)。
上述のマイクロリフレクタ方式では、基準層に形成されたトラックに追従しながらマイクロリフレクタにより記録層の所定の深さ位置に記録を行うため、基準層のトラックのスパイラルと同じ軌跡で記録層への情報の記録或いは再生が行われる。しかしながら、従来の技術では、例えば、基準層のトラックが内周から外周に向かってスパイラル状に形成されていると、マイクロリフレクタにより記録層に記録される軌跡は全ての層が同じように内周から外周に向かってスパイラル状に形成されることになるため、最外周において記録或いは再生し終わったときに、記録層中の次の層を記録或いは再生するときには最内周に光ビームを移動させる必要が生じ、記録或いは再生が中断する時間が長くなるという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、基準層に追従して記録層に対して記録・再生を行う光ディスク記録再生方式において、光ビームをディスクの半径方向に移動させる時間を短縮し、記録或いは再生が中断する時間を短くすることを目的とする。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、アドレス情報が付加されたスパイラル状トラックを有する基準層と、前記基準層のトラックに追従して、所定の深さ位置で情報の記録及び/又は再生が可能な記録層とを有する光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置であって、前記基準層のトラック上に集光される第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1のレーザ光が集光された前記基準層のトラックに追従して、前記記録層の所定の深さ位置に集光される第2のレーザ光を出射する第2の光源とを有し、前記第2のレーザ光が集光される前記記録層の深さ位置に応じて、前記第1のレーザ光が、トラックのスパイラル方向が互いに異なる2つの基準層のうち対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光されることを特徴とする。
本発明の代表的な実施の形態によれば、基準層に追従して記録層に対して記録・再生を行う光ディスク記録再生方式において、光ビームをディスクの半径方向に移動させる時間を短くすることが可能となり、記録或いは再生が中断する時間を短くすることができる。
以下、図面を参照しながら、各実施形態について説明する。
図1は本実施例における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
光ディスク1は、記録或いは再生を行うトラックのアドレス及び記録或いは再生のためのディスク固有の情報がウォブルされた案内溝としてトラックが形成された基準層RLと、ユーザのデータを基準層RLからの距離が異なる複数の深さ位置に記録可能な記録層WLを有している。
光ディスク1は、記録或いは再生を行うトラックのアドレス及び記録或いは再生のためのディスク固有の情報がウォブルされた案内溝としてトラックが形成された基準層RLと、ユーザのデータを基準層RLからの距離が異なる複数の深さ位置に記録可能な記録層WLを有している。
光ピックアップ2は基準層RLにサーボ制御を行うとともに、ウォブルされたトラックからトラックのアドレス及びディスク固有の情報を再生し、記録層に記録するデータを管理するための情報等を記録・再生するためのサーボ光学系と、基準層RLからの距離が異なる複数の深さ位置にデータを記録・再生するための情報光学系で構成されている。
まず、記録動作について説明を行う。光ピックアップ2において、サーボ用のレーザ201は例えば波長約650[nm]の赤色光ビームを出射する半導体レーザであり、レーザ駆動回路5の制御に基づいて所定光量の赤色光ビームLr1を出射し、コリメータレンズ202へ入射させる。コリメータレンズ202は、赤色光ビームLr1を発散光から平行光に変換し、ビームスプリッタ203へ入射させる。ビームスプリッタ203は、光ビームの波長により反射率が異なる波長選択性(ダイクロイック性)を有しており、波長約650[nm]の光ビームをほぼ100%の割合で反射すると共に、波長約405[nm]の光ビームをほぼ100%の割合で透過させるようにしている。これにより波長約650[nm]の赤色光ビームLr1をほぼ100%の割合で反射し、次のビームスプリッタ204へ入射させる。ビームスプリッタ204を透過した赤色光ビームLr1は対物レンズ205へ入射される。対物レンズ205は、赤色光ビームLr1を集光し、光ディスク1の基準層RLへ向けて照射する。このとき赤色光ビームLr1は、光ディスク1の基準層RLにおいて反射され、赤色光ビームLr1と反対方向へ向かう赤色反射光ビームLr2となる。
赤色反射光ビームLr2は対物レンズ205により平行光に変換され、ビームスプリッタ204へ入射される。このとき赤色反射光ビームLr2は、ビームスプリッタ204により反射され、集光レンズ207へ入射される。集光レンズ207は赤色光ビームLr2を収束させ、フォトディテクタ208へ照射する。信号生成回路7ではフォトディテクタ208の出力からフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号等のサーボ制御のための信号と、基準面RLに形成されたウォブルされたトラックから光ディスク1の回転を制御するための回転同期信号及びトラックのアドレスを再生する信号と、記録層WLに記録を行うための光ビームの強度等のディスク固有の情報、或いは記録層WLに記録したユーザデータを管理するための情報等を再生するための信号を生成し、システムコントローラ4に出力する。システムコントローラ4では信号生成回路7からのフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号に基づいてフォーカス制御信号及びトラッキング制御信号をアクチュエータ駆動回路8に出力する。対物レンズ205はアクチュエータ206と一体で動くように構成されており、アクチュエータ駆動回路10の出力に応じてアクチュエータ206をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動することにより赤色光ビームLr1が基準層RLに合焦した状態でトラックを追従するようにサーボ制御が行われる。また、システムコントローラ4では信号生成回路7から出力される回転同期信号に基づいてスピンドル制御信号をスピンドル駆動回路11に出力する。スピンドル駆動回路11の出力によりスピンドルモータ3を駆動することにより、スピンドルモータ3に装着されたディスク1が所定の回転速度となるように制御が行われる。
また、光ディスク1の基準層RLに形成されたトラックは例えば図2に示すようにスパイラル状に形成されており、赤色光ビームLr1が基準層のトラックを追従するようにトラッキング制御を行うことによりディスク1の内周から外周まで連続して記録或いは再生を行うことが可能となっている。基準層RLの詳細な構成については、後に説明をする。
以上のように、光ピックアップ2のサーボ光学系では、赤色光ビームLr1を光ディスク1の基準層RLに照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr2の受光結果を基に、システムコントローラ4の制御に基づいて対物レンズ205のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、赤色光ビームLr1を基準層RLのトラックに追従させるようにしている。なお、赤色光ビームでの基準層RLへの記録/或いは再生における光ディスク1の傾きによるコマ収差の影響を考慮して、赤色光ビームが入射する側の光ディスク1の表面から基準層RLまでの距離は0.6mm程度とするのが望ましい。
情報光学系は、情報記録媒体としての光ディスク1に対し、互いに逆方向からからそれぞれ青色光ビームを照射し、記録層WL内で両光ビームの焦点を同一の位置に合わせるようにしている。
情報光学系において、データを記録・再生するためのレーザ209は、例えば波長約405[nm]の青色レーザ光を出射する半導体レーザであり、レーザ駆動回路6の制御に基づいて所定光量の青色光ビームLb0を出射し、コリメータレンズ210へ入射させる。コリメータレンズ210は、青色光ビームLb0を発散光から平行光に変換し、ビームスプリッタ211へ入射させる。ビームスプリッタ211は、光ビームを約50%の割合で透過し、残りの約50%を反射するようになされている。これにより、青色光ビームLb0の約50%を透過することにより青色光ビームLb1とし、残りの約50%を反射することにより青色光ビームLb2とする。青色光ビームLb1は、ミラー212により反射された後、ビームスプリッタ213へ入射される。ビームスプリッタ213は、青色光ビームLb1を所定の割合で透過させ、リレーレンズ214へ入射させる。リレーレンズ214は、可動レンズ214Aにより青色光ビームLb1を平行光から収束光又は発散光に変換し、さらに固定レンズ214Bにより当該青色光ビームLb1の収束状態を変化させて、ビームスプリッタ203へ入射させる。
ここで可動レンズ214Aは、図示しないアクチュエータにより青色光ビームLb1の光軸方向に移動されるようになされおり、リレーレンズ駆動回路9の出力に基づいて可動レンズ214Aを移動させることにより、固定レンズ214Bから出射される青色光ビームLb1の収束状態を変化させるようにしている。
ビームスプリッタ203は、青色光ビームLb1をその波長に応じて透過し、ビームスプリッタ204へ入射させる。ビームスプリッタ204は、青色光ビームLb1を所定の割合で透過し、対物レンズ205へ入射させる。対物レンズ205は、青色光ビームLb1を集光し、光ディスク1の基準層RLを透過して記録層WL内に合焦する。ここで青色光ビームLb1の青色光焦点Fb1の位置は、リレーレンズ214の固定レンズ214Bから出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち青色光焦点Fb1は、可動レンズ214Aの位置に応じて記録層WL内をフォーカス方向に移動することになる。これにより、光ディスク1の基準層RL側から青色光ビームLb1を照射して焦点Fb1を記録層WL内に位置させ、さらにリレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置に応じて当該焦点Fb1の基準層RLからの深さRdを調整するようになされている。可動レンズ214Aの移動距離と青色光ビームLb1の青色光焦点Fb1の移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ214Aを1[mm]移動させると、青色光ビームLb1の青色光焦点Fbが30[μm]移動するようにしている。
一方、ビームスプリッタ211において反射された青色光ビームLb2は、シャッター222に入射する。シャッター222はシステムコントローラ4からの指令に従ってシャッター駆動回路12の出力により駆動され、記録時にはシャッターが開とされてビームスプリッタ211から入射した青色光ビームLb2を透過し、再生時にはシャッターが閉とされてビームスプリッタ211から入射した青色光ビームLb2を遮断する。シャッター222を透過した青色光ビームLb2はミラー217及び218において順次反射された後、リレーレンズ219へ入射される。リレーレンズ219は、リレーレンズ214と同様に構成されており、可動レンズ214A及び固定レンズ214Bとそれぞれ対応する可動レンズ219A及び固定レンズ219Bを有している。リレーレンズ219は、可動レンズ219Aにより青色光ビームLb2を平行光から収束光又は発散光に変換し、さらに固定レンズ219Bにより当該青色光ビームLb2の収束状態を変化させて、対物レンズ220へ入射させる。またリレーレンズ219は、リレーレンズ214と同様、リレーレンズ駆動回路9の出力に基づいてアクチュエータ(図示せず)によって可動レンズ219Aを移動させることにより、固定レンズ219Bから出射される青色光ビームLb2の収束状態を変化させ得るようになされている。
対物レンズ220は、対物レンズ205と同様の光学特性を有しており、青色光ビームLb2を集光し、光ディスク1の記録層WLへ照射する。ここで当該青色光ビームLb2の焦点Fb2の位置は、リレーレンズ219の固定レンズ219Bから出射される際の収束状態により定められることになる。すなわち青色光焦点Fb2は、可動レンズ219Aの位置に応じて記録層WL内をフォーカス方向に移動することになる。これにより、光ディスク1の記録層WL側から青色光ビームLb2を照射して焦点Fb2を記録層WL内に位置させ、さらにリレーレンズ219における可動レンズ219Aの位置に応じて当該焦点Fb2の基準層RLからの深さRd2を調整するようになされている。可動レンズ219Aの移動距離と青色光ビームLb2の青色光焦点Fbの移動距離とがほぼ比例関係となるように設計されており、例えば可動レンズ219Aを1[mm]移動させると、青色光ビームLb2の青色光焦点Fb2が30[μm]移動するようにしている。
青色光ビームLb2は、焦点Fb2において一度収束した後、発散しながらさらに進行する。以下、この光ビームを青色透過光ビームLb3と呼ぶ。青色透過光ビームLb3は、対物レンズ205へ入射されることにより発散角が調整された後、青色光ビームLb1の光路を反対方向へ辿るように、ビームスプリッタ204、ビームスプリッタ203及びリレーレンズ214を順次介して、ビームスプリッタ213へ入射される。
ビームスプリッタ213は、青色透過光ビームLb3を所定の割合で反射し、集光レンズ215により収束させてフォトディテクタ216へ照射する。フォトディテクタ216は、青色透過光ビームLb3の一部を検出し、このとき検出した光量に応じた検出信号を信号生成回路8に出力する。
信号生成回路8では青色光ビームLb1の焦点Fb1と青色光ビームLb2の焦点Fb2とのフォーカス方向に関するずれ量を示すフォーカス誤差信号およびトラック方向のずれ量を示すトラッキング誤差信号を生成し、システムコントローラ4に出力する。
システムコントローラ4では信号生成回路8からのフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号に基づいてフォーカス制御信号及びトラッキング制御信号をアクチュエータ駆動回路10に出力する。対物レンズ220はアクチュエータ221と一体で動くように構成されており、アクチュエータ駆動回路10の出力に応じてアクチュエータ221をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動することにより青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に合わせ、青色光ビームLb2の焦点Fb2を青色光ビームLb1の焦点Fb1に追従させるようサーボ制御が行われる。これにより、図3に示すように青色光ビームLb2と青色光ビームLb1が基準層RLからn層目に相当する深さRd(n)が同じ記録層WL内の焦点位置に位置付けされ、干渉することにより微小ホログラムが形成され、記録が行われる。
次に再生動作について説明を行う。再生において、サーボ光学系により記録時と同様にして赤色光ビームLr1を光ディスク1の基準層RLに照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr2の受光結果を基に、システムコントローラ4の制御に基づいて対物レンズ205のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、赤色光ビームLr1を基準層RLのトラックに追従させるようにしている。
一方、情報光学系では記録時と同様にレーザ209はレーザ駆動回路6の制御に基づいて再生に対応した所定光量の青色光ビームLb0を出射し、コリメータレンズ210へ入射させる。コリメータレンズ210は、青色光ビームLb0を発散光から平行光に変換し、ビームスプリッタ211へ入射させる。記録時と同様にビームスプリッタ211で反射した青色光ビームLb2はシャッター222に入射する。シャッター222は再生時にはシステムコントローラ4からの指令に従ってシャッター駆動回路12の出力により閉とされており、青色光ビームLb2が遮断されることになる。これにより、再生時にはビームスプリッタ211を透過した青色光ビームLb1のみが光ディスク1に照射されることになる。
ビームスプリッタ211を透過した青色光ビームLb1はミラー212、ビームスプリッタ213を経てリレーレンズ214へ入射される。リレーレンズ214では青色光ビームLb1の収束状態を変化させてビームスプリッタ203へ入射させる。
ビームスプリッタ203は、青色光ビームLb1をその波長に応じて透過し、ビームスプリッタ204へ入射させる。ビームスプリッタ204は、青色光ビームLb1を所定の割合で透過し、対物レンズ205へ入射させる。対物レンズ205は、青色光ビームLb1を集光し、光ディスク1の基準層RLを透過して記録層WL内に合焦させる。ここで青色光ビームLb1の青色光焦点Fb1の位置はリレーレンズ214の固定レンズ214Bから出射される際の収束状態により定められ、記録層WL内にホログラムとして複数層形成された任意の層に合焦させることが可能となる。ホログラムにより反射された光は青色反射光ビームFb1rとなり、青色光ビームLb1の光路を反対方向に辿って、対物レンズ205、ビームスプリッタ204、ビームスプリッタ203、リレーレンズ214を通ってビームスプリッタ213に入射する。ビームスプリッタ213は、青色透過光ビームLb1rを所定の割合で反射し、集光レンズ215により収束させ、フォトディテクタ216へ照射する。フォトディテクタ216は、検出した光量に応じた検出信号を信号生成回路8に出力する。信号生成回路8では光ディスク1に形成されたホログラムに対応した再生信号を生成し、システムコントローラ4に出力する。システムコントローラ4では再生信号に基づいて復号等の処理を行うことにより光ディスク1に記録されたデータの再生が行われる。
本実施例における光ディスク装置は、上記の記録動作及び再生動作の両方を行なうものとして説明するが、本発明はもちろんこれに限定されるものではない。例えば、上記の再生動作のみを行なう光ディスク装置等も、本発明に含まれるものである。
以下、本実施例の光ディスク及び記録再生動作における、とりわけ特徴的な構成について、詳細に説明をする。
図4は本実施例における光ディスク1の詳細な構成を示す模式図である。図4に示すように、基準層RLは、2つの基準層を有する構成となっている。すなわち、RL(0)とRL(1)はそれぞれ基準層であり、各層のトラックのスパイラルの向きは逆になっている。
また、WL(n)は基準層側からn番目の記録層であり、WL(2m)、すなわち偶数番目の層は基準層RL(0)と同じスパイラル方向でデータの記録が行われており、WL(2m+1)、すなわち奇数番目の層は基準層RL(1)と同じスパイラル方向でデータの記録が行われている。
次に、図5のフローチャートを用いて図4の光ディスクを再生する処理について詳細に説明する。
まず、記録層WLにおいて再生する層n及び記録層WLの再生開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S500)。次に、再生する層nが偶数層か、奇数層かを判定する(S501)。偶数層の場合には赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(0)に移動させる(S502)。奇数層の場合には赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(1)に移動させる(S503)。次に青色光ビームの焦点Fb1が再生する層の深さRd(n)となるようにリレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置を移動させる(S504)。基準層RLに形成されたトラックのアドレスに基づいて赤色光ビームLr1を基準層RLのトラック位置rに移動させる(S505)。これにより、青色光焦点Fb1のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置を再生するホログラムの位置に一致させ、記録層WLのn層に記録されたユーザデータの再生を開始する(S506)。ステップS507では要求されたデータを全て再生したかを判断し、データを全て再生した場合(Yes)には処理を終了する。データを全て再生していない場合(No)には、基準層RLから再生されるトラックのアドレス情報から再生している層の終端まで再生したかを判断する(S508)。再生している層の終端まで再生していない場合(No)にはステップS507の処理に戻って、データの再生を続ける。再生している層の終端まで再生した場合(Yes)には、一旦再生を停止し(S509)、再生する層nをn+1とし(S510)、記録層WLのn層の再生開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S511)。ここで、記録層WLのn層の再生開始位置は、偶数層においては内周、奇数層においては外周に配置されている。再生する層nとトラック位置rを更新して、ステップS501に戻る。ステップS810により再生する層の奇数、偶数が変わるため、ステップ501では前回とは異なる処理に分岐し、異なる基準層RLに焦点位置を移動させることになる。以降、再生する層nとトラック位置rを更新し、赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(0)とRL(1)に交互に移動させ、青色光焦点Fb1が再生する層の深さRd(n)を変えながら要求されたデータを全て再生するまでステップS501以降の処理を繰り返す。
次に、図6のフローチャートを用いて図4の光ディスクに記録を行う処理について詳細に説明する。
まず、記録層WLにおいて記録する層n及び記録層WLの記録開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S600)。次に、記録する層nが偶数層か、奇数層かを判定する(S601)。偶数層の場合には赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(0)に移動させる(S602)。奇数層の場合には赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(1)に移動させる(S603)。次に青色光焦点Fb1、Fb2が記録する層の深さRd(n)となるようにリレーレンズ214における可動レンズ214A及びリレーレンズ219における可動レンズ219Aの位置を移動させる(S604)。基準層RLに形成されたトラックのアドレスに基づいて赤色光ビームLr1を基準層RLのトラック位置rに移動させる(S605)。これにより、青色光焦点Fb1、Fb2のフォーカス方向及びトラッキング方向の位置を記録する位置に一致させ、記録層WLのn層にユーザデータの記録を開始する(S606)。ステップS607では要求されたデータを全て記録したかを判断し、データを全て記録した場合(Yes)には処理を終了する。データを全て記録していない場合(No)には、基準層RLから再生されるトラックのアドレス情報から記録している層の終端まで記録したかを判断する(S608)。記録している層の終端まで記録していない場合(No)にはステップS607の処理に戻って、データの記録を続ける。記録している層の終端まで記録した場合(Yes)には、一旦記録を停止し(S609)、記録する層nをn+1とし(S610)、記録層WLのn層の記録開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S611)。ここで、記録層WLのn層の記録開始位置は、偶数層においては内周、奇数層においては外周に配置されている。記録する層nとトラック位置rを更新して、ステップS601に戻る。ステップS610により記録する層の奇数、偶数が変わるため、ステップ601では前回とは異なる処理に分岐し、異なる基準層RLに焦点位置を移動させることになる。以降、記録する層nとトラック位置rを更新し、赤色光ビームLr1の焦点位置を基準層RL(0)とRL(1)に交互に移動させ、青色光焦点Fbが記録する層の深さRd(n)を変えながら要求されたデータを全て記録するまでステップS601以降の処理を繰り返す。
以上の実施例において、赤色光ビームLr1の焦点位置を移動させる処理(S601からS603)の後に青色光焦点深さを設定する処理(S604)としているが、処理の順を変えてもよく、同時に行ってもよい。
以上の実施例では、互いにトラックのスパイラルの方向が異なる2層の基準層RL(0)とRL(1)に交互に赤色光ビームLr1の焦点位置を移動して記録を行うようにしているため、記録層WLに記録されたデータも各層ごとに交互にスパイラル方向が異なる方向で記録されている。例えば、記録層WLの所定の深さ位置に青色光焦点Fbをあわせて情報を記録する場合、記録層WLの深さ方向に対し隣接する記録面とスパイラル方向が異なる方向となるように、赤色光ビームLr1が基準層RL(0)とRL(1)のうち対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光される。
言い換えれば、本実施例では、記録層WLの第1の深さ位置で青色光焦点Fbをあわせて、情報の記録をした後、前記第1の深さ位置と異なる第2の深さ位置へと青色光焦点Fbを切り替える場合、赤色光ビームLr1の集光位置を例えば基準層RL(0)からスパイラル方向の異なる他の基準層RL(1)へと移動させるよう制御する点を特徴とする。
これにより、ユーザデータを記録している途中に記録層が変わった場合にも、次に記録を行う層の記録開始トラック位置rをほぼ同じ半径位置とすることができるため、トラック移動処理を短時間で行うことができ、層切り替えによる記録停止時間を短くし、記録時間を短くすることが可能となる。また、記録されたユーザデータの再生を行う場合にも、再生する層が変わったときのトラック移動を短時間で行うことが可能となり、層切り替えによる再生停止時間を短くし、再生時間を短くすることが可能となる。すなわち、ひとつの層の記録或いは再生が終了する半径位置と、次の層に記録或いは再生を開始する半径位置が略同じとなり、層切り替えを行う際に光ビームをディスクの半径方向に移動させる時間を短くすることが可能となる。これにより、記録或いは再生が中断する時間を短くすることができる。
さらに、赤色光ビームLr1の集光位置を、例えば基準層RL(0)からスパイラル方向の異なる他の基準層RL(1)へと移動させた後に、青色光焦点Fbの位置を記録層WLの前記第2の深さ位置へ切り替えるよう制御すれば、基準層RLのアドレス情報を検出した状態で、記録層WLの目標層(又は目標深さ位置)に青色光焦点Fbの位置が移動するため、青色光焦点Fbが目標層に到達したことを確認することができる。これにより、層切り替え時における青色光焦点Fbの移動処理を安定して行うことができる。
なお、赤色光ビームでの基準層RLへの記録/或いは再生における光ディスク1の傾きによるコマ収差の影響及び光ディスク1の表面から基準層RL(0)とRL(1)までの距離の差による球面収差の影響を考慮して、赤色光ビームが入射する側の光ディスク1の表面から基準層RL(0)までの距離は0.6mm程度とし、基準層RL(0)とRL(1)の間の距離は60μm±10μm程度が望ましい。
以上の実施例では、記録層としてマイクロホログラムにより記録を行うようにしたが、本発明はこれに限らず基準層のトラックに追従しながら記録層に深さ位置を変えて記録或いは再生を行う光ディスク又は光ディスク記録再生装置であれば、これに限定されるものではない。例えば、2光子吸収化合物を用いた記録層に基準層から深さ位置を変えて所定の深さ位置で記録或いは再生を行う光ディスク装置及び光ディスクでもよい。
図7は2光子吸収化合物を用いた記録層を有する光ディスクに記録・再生を行う光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の機能を有するブロックには同一の番号を付し、説明を省略する。2光子吸により記録・再生を行う光ディスクではホログラムによる記録・再生のように情報光学系のレーザ209からの青色光ビームを2つの光束に分岐させて、互いに干渉させる必要がない。このため、図1のホログラムにより記録・再生を行う光ディスク装置よりも簡単な構成にすることができる。
光ピックアップ2は基準層RLにサーボ制御を行うとともに、ウォブルされたトラックからトラックのアドレス及びディスク固有の情報を再生し、記録層に記録するデータを管理するための情報等を記録・再生するためのサーボ光学系と、基準層RLからの距離が異なる複数の深さ位置にデータを記録・再生するための情報光学系で構成されている。
光ピックアップ2のサーボ光学系では、赤色光ビームLr1を光ディスク1の基準層RLに照射し、その反射光である赤色反射光ビームLr2の受光結果を基に、システムコントローラ4の制御に基づいて対物レンズ205のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、赤色光ビームLr1を基準層RLのトラックに追従させるようにしている。なお、赤色光ビームでの基準層RLへの記録/或いは再生における光ディスク1の傾きによるコマ収差の影響を考慮して、赤色光ビームが入射する側の光ディスク1の表面から基準層RLまでの距離は0.6mm程度とするのが望ましい。
情報光学系は、情報記録媒体としての光ディスク1に対し、基準層RL側から青色光ビームLb0を照射して焦点Fb1を記録層WL内に位置させ、さらにリレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置に応じて当該焦点Fb1の基準層RLからの深さRdを調整するようになされている。
記録層WLは、405[nm]の光を2光子吸収する2光子吸収材料を含有している。この2光子吸収材料は、光強度の2乗に比例して2光子吸収を生じさせることが知られており、光強度の非常に大きい光に対してのみ2光子吸収を生じさせる。
記録層WLに情報を記録する場合には、比較的強い強度でなる青色光ビームLb0を照射することにより、記録層WL内の焦点Fb1に2光子吸収により例えば2光子吸収材料を気化させて気泡を形成し、記録を行う。このようにして形成された気泡は光ディスク1のサーボ層RLとほぼ平行な平面状に配置され、リレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置に応じて当該焦点Fb1の基準層RLからの深さRdを変えることにより複数の記録層を形成することが可能となる。
一方、記録層WLから情報を再生する場合には、2光子吸収が生じない弱い一定の青色光ビームLb0とし、リレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置に応じて当該焦点Fb1の基準層RLからの深さRdを変え、記録層WL内に2光子吸収により気泡として形成された任意の層に合焦させ、その反射光Lb0rをフォトディテクタ216で受光することにより、任意の層を再生することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施例について、説明する。
本実施例における光ディスク装置の構成については、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
本実施例の光ディスク装置の記録・再生の手順について図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、光ディスク1がスピンドルモータ3に装着されたのを検出し(S800)、スピンドル制御をオンする。スピンドル駆動回路11からはスピンドルモータ3の回転速度に対応した周波数のFG信号が出力され、これに基づいて光ディスク1を所定の回転数で回転させる(S801)。次にサーボ光学系のレーザ201を点灯し(S802)、フォーカス引き込みを行い、赤色光ビームLr1が基準層RLに合焦するようにフォーカス制御を開始する(S803)。赤色光ビームLr1が基準層RLに合焦することにより、基準層RLに設けられたトラックと赤色光ビームLr1のずれを示すトラッキング誤差信号が検出される。このトラッキング誤差信号に基づいてトラック引き込みを行い、赤色光ビームLr1が基準層RLのトラックを追従するようにトラッキング制御を開始する(S804)。赤色光ビームLr1が基準層RLのトラックを追従することにより、基準層RLに形成されたウォブルされたトラックからディスクの回転を制御するための回転同期信号及びトラックのアドレスを再生する信号が検出される。検出された回転同期信号に基づいてスピンドル制御が行われるとともに、赤色光ビームLr1が照射しているトラックのアドレスが再生される。このアドレスに基づいて、赤色光ビームLr1を基準層RLの所定の半径位置のトラックに移動させ、ウォブルされたトラックとして予め記録されたディスク固有の情報を読み込む(S805)。次に、記録層WLの欠陥部分の位置の情報等を含むディスク管理情報及びユーザデータを管理するためのファイル管理情報を基準層RLの記録・再生可能なトラックから読み込む(S806)。ディスク管理情報としては、例えば、、記録層における追加で記録可能な容量に関する情報、最後にユーザデータを記録した層の数(すなわち最後に記録を行った青色光焦点Fbの基準層RLからの深さRd)及びトラックのアドレス等のような記録層上の最終記録位置に関する情報、欠陥を検出したアドレス、交代先のアドレス等が含まれる。ファイル管理情報としては、例えば、ファイルが記録された層の数、トラックのアドレス、ファイルの容量、ファイルの名前等が含まれる。ステップS807において、ユーザデータの記録を行うか、再生を行うかにより分岐を行い、記録を行なう場合には、情報光学系のレーザ209をレーザ駆動回路6の出力にしたがって発光させることにより記録層WLにデータの記録を行う(S808)。データを記録した後、ディスク管理情報及びファイル管理情報を基準層RLの記録・再生可能なトラックに記録を行い(S809)、記録を終了する。ステップS807において、再生の処理に分岐した場合には、情報光学系のレーザ209をレーザ駆動回路6の出力にしたがって所定の光量で発光させることにより記録層WLからデータの再生を行う(S810)。
次に、図9のフローチャートを用いてステップ410の再生処理を詳細に説明する。
ステップS406により取得したディスク管理情報及びファイル管理情報に基づいて、記録層WLにおいて再生する層n及び記録層WLの再生開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S900)。次に、青色光焦点Fbが再生する層nに対応した深さRd(n)となるようにリレーレンズ214における可動レンズ214Aの位置を移動させる(S901)。基準層RLに形成されたトラックのアドレスに基づいて赤色光ビームLr1を基準層RLのトラック位置rに移動させる(S902)。これにより、青色光焦点Fbのフォーカス方向及びトラッキング方向の位置を再生するホログラムの位置に一致させ、記録層WLのn層に記録されたユーザデータの再生を開始する(S903)。ステップS904では要求されたデータを全て再生したかを判断し、データを全て再生した場合(Yes)には処理を終了する。データを全て再生していない場合(No)には、基準層RLから再生されるトラックのアドレス情報から再生している層の終端まで再生したかを判断する(S905)。再生している層の終端まで再生していない場合(No)にはステップS504の処理に戻って、データの再生を続ける。再生している層の終端まで再生した場合(Yes)には、一旦再生を停止し(S906)、再生する層nをn+1とし(S907)、記録層WLのn層の再生開始半径位置に対応した基準層でのトラック位置rを設定する(S908)。再生する層nとトラック位置rを更新して、要求されたデータを全て再生するまでステップS901以降の処理を繰り返す。
次に、図8の記録処理(ステップS808)について、図10のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ディスク管理情報及びファイル管理情報に基づいて、記録層WLにおいて記録する層n及び記録層WLの記録開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S1000)。次に、青色光焦点Fbが記録する層nに対応した深さRd(n)となるようにリレーレンズ214における可動レンズ214A及びリレーレンズ219における可動レンズ219Aの位置を移動させる(S1001)。基準層RLに形成されたトラックのアドレスに基づいて赤色光ビームLr1を基準層のトラック位置rに移動させる(S1002)。これにより、青色光焦点Fbのフォーカス方向及びトラッキング方向の位置を設定し、記録層WLのn層にユーザデータの記録を開始する(S1003)。ステップS1004では要求されたデータを全て記録したかを判断し、データを全て記録した場合(Yes)には処理を終了する。データを全て記録していない場合(No)には、基準層RLから再生されるトラックのアドレス情報から記録している層の終端まで記録したかを判断する(S1005)。記録している層の終端まで記録していない場合(No)にはステップS1004の処理に戻って、データの記録を続ける。記録している層の終端まで記録した場合(Yes)には、一旦記録を停止し(S1006)、記録する層nをn+1とし(S1007)、記録層WLのn層の記録開始半径位置に対応した基準層RLでのトラック位置rを設定する(S1008)。記録する層nとトラック位置rを更新しながら、要求されたデータを全て記録するまでステップS1001以降の処理を繰り返す。
マイクロリフレクタにより記録された情報を再生する場合には、情報が記録された深さ位置で光ビームを合焦させる必要がある。光ビームの合焦する深さ位置はリレーレンズの位置によって決められるが、記録した装置と再生する装置が異なる場合や環境温度の変化等によって深さ位置とリレーレンズの位置の関係は変化するため、所望の深さ位置に光ビームを合焦させるには調整動作が必要となる。したがって、ディスクの再生を開始する際にマイクロリフレクタにより記録されたディスクの欠陥部分の位置情報等を含むディスク管理情報或いはユーザデータのファイル名称、容量等のファイル管理情報を読み込むのに時間がかかり、このため例えばディスクに追加で記録可能な容量や最終記録位置、どのようなユーザデータが記録されているのか等、記録層へデータを記録するごとに変更される所定の管理情報を認識するのに時間がかかり、使い勝手が悪いという課題がある。
本実施例では、ディスク固有の情報、特に記録層WLへ情報を記録するごとに変更される所定の管理情報を基準層RLにウォブルされたトラックとして予め形成するため、ディスク固有の情報をホログラムとして記録層WLに記録しておくよりも容易に作成することが可能である。また、基準層に赤色光ビームを照射することで容易にディスク固有の情報を得ることが可能である。さらに、基準層RLに記録及び再生が可能なトラックを設け、このトラックにディスク管理情報及びファイル管理情報として、特に記録層WLへ情報を記録するごとに変更される所定の管理情報を記録・再生することで記録層WLにユーザデータを記録或いは再生する層nやトラック位置r等の情報が得られるため、速やかに青色光焦点Fbのフォーカス方向及びトラッキング方向の位置を記録或いは再生を開始する位置に一致させ、記録録或いは再生を開始すること等が可能となる。このように、ディスクの再生を開始する際に基準層に記録されたディスク管理情報或いはファイル管理情報を読み込むことで、ディスクに追加で記録可能な容量や、どのようなユーザデータが記録されているのかを短時間で知ることが可能となり、使い勝手を向上することができる。
また、基準層に記録する管理情報は、上述の実施例1における記録層WLの所定の深さ位置に形成された記録面のスパイラル方向を示す情報であってもよい。すなわち、例えば記録層WLにおけるn番目の記録層W(n)の深さ位置又は層数nの情報と、当該記録層W(n)に対応する基準層が基準層RL(0)であるのか、それと逆向きのスパイラルを有する基準層RL(1)であるのかを管理情報として基準層に記憶しておく。これにより、実施例1の記録・再生動作における層切り替え時の制御を確実に行うことができる。例えば、所定の記録層W(n)を再生する際、赤色光ビームLr1の集光位置を基準層RL(0)とRL(1)のどちらにするのかを、確実に検知することができ、安定した再生動作を実現することができる。
もちろん、所定の記録層W(n)に対応する基準層RLを検知する方法はこれに限られるものではなく、実施例1で説明したような、交互にスパイラルを形成する方式を用いれば、所定の記録層W(n)の層数nが偶数か奇数かを検知することにより、対応する基準層を確実に判別できる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、第1及び第2の実施例において、追記のみが可能な基準層としてもよく、追記及び書き換えが可能な基準層としてもよい。また、図2のトラックのスパイラルの方向は外周方向としたが、内周方向のスパイラルでもよい。同様に図4ではRL(0)のトラックを外周方向のスパイラル、RL(1)のトラックを内周方向のスパイラルとしたが、RL(0)のトラックを内周方向のスパイラル、RL(1)のトラックを外周方向のスパイラルとしてもよい。
さらに、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
1 光ディスク
2 光ピックアップ
3 スピンドルモータ
4 システムコントローラ
5、6 レーザ駆動回路
7、8 信号生成回路
9 リレーレンズ駆動回路
10 アクチュエータ駆動回路
11 スピンドルモータ駆動回路
12 シャッター駆動回路
201 サーボ用レーザ
205、220 対物レンズ
206、221 アクチュエータ
208、216 フォトディテクタ
209 記録再生用レーザ
214、219 リレーレンズ
222 シャッター
RL 基準層
WL 記録層
2 光ピックアップ
3 スピンドルモータ
4 システムコントローラ
5、6 レーザ駆動回路
7、8 信号生成回路
9 リレーレンズ駆動回路
10 アクチュエータ駆動回路
11 スピンドルモータ駆動回路
12 シャッター駆動回路
201 サーボ用レーザ
205、220 対物レンズ
206、221 アクチュエータ
208、216 フォトディテクタ
209 記録再生用レーザ
214、219 リレーレンズ
222 シャッター
RL 基準層
WL 記録層
Claims (14)
- アドレス情報が付加されたスパイラル状トラックを有する基準層と、前記基準層のトラックに追従して、所定の深さ位置で情報の記録及び/又は再生が可能な記録層とを有する光ディスクに対して情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置であって、
前記基準層のトラック上に集光される第1のレーザ光を出射する第1の光源と、
前記第1のレーザ光が集光された前記基準層のトラックに追従して、前記記録層の所定の深さ位置に集光される第2のレーザ光を出射する第2の光源とを有し、
前記第2のレーザ光が集光される前記記録層の深さ位置に応じて、前記第1のレーザ光が、トラックのスパイラル方向が互いに異なる2つの基準層のうち対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光されることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記第2のレーザ光を前記記録層の所定の深さ位置に集光して前記記録層に情報を記録する場合、前記記録層の深さ方向に対し隣接する記録面とスパイラル方向が異なる方向となるように、前記第1のレーザ光が対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光されることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記記録層の第1の深さ位置で前記第2のレーザ光を集光して、情報の記録又は再生をした後、前記第1の深さ位置と異なる第2の深さ位置へと前記第2のレーザ光の集光位置を切り替える場合、第1のレーザ光の集光位置を所定の基準層からスパイラル方向の異なる他の基準層へと移動させることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記記録層の第1の深さ位置で前記第2のレーザ光を集光して、情報の記録又は再生をした後、前記第1の深さ位置と異なる第2の深さ位置へと前記第2のレーザ光の集光位置を切り替える場合、第1のレーザ光の集光位置を所定の基準層からスパイラル方向の異なる他の基準層へと移動した後、前記第2のレーザ光の集光位置を前記記録層の前記第2の深さ位置へ切り替えるよう制御することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記第1のレーザ光が前記基準層の所定領域に集光されることにより、前記記録層の所定の深さ位置に形成された記録面のスパイラル方向を示す管理情報を記録又は再生が可能であることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記第1のレーザ光が前記基準層の所定領域に集光されることにより、前記記録層に対して情報を記録するごとに変更される所定の管理情報を記録及び再生が可能であることを特徴とする光ディスク装置。 - 情報を記録及び/又は再生が可能な光ディスクであって、
アドレス情報が付加されたスパイラル状トラックを有する基準層と、
前記基準層のトラックに追従して、所定の深さ位置で情報の記録及び/又は再生が可能な記録層とを有し、
前記基準層は、トラックのスパイラル方向が互いに異なる2つの層で構成されたことを特徴とする光ディスク。 - 請求項7に記載の光ディスクであって、
前記基準層を情報の記録及び再生が可能な層としたことを特徴とする光ディスク。 - 請求項7に記載の光ディスクであって、
前記記録層の所定の深さ位置に形成された記録面のスパイラル方向を示す管理情報を、前記基準層に対し記録又は再生が可能であることを特徴とする光ディスク。 - 請求項7に記載の光ディスクであって、
前記記録層に対して情報を記録するごとに変更される所定の管理情報を、前記基準層に対し記録又は再生が可能であることを特徴とする光ディスク。 - アドレス情報が付加されたスパイラル状トラックを有する基準層と、前記基準層のトラックに追従して、所定の深さ位置で情報の記録が可能な記録層とを有する光ディスクに対して情報を記録する光ディスク装置の記録方法であって、
前記光ディスク装置は、前記基準層のトラック上に集光される第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1のレーザ光が集光された前記基準層のトラックに追従して、前記記録層の所定の深さ位置に集光される第2のレーザ光を出射する第2の光源とを有し、
前記第2のレーザ光を集光する前記記録層の深さ位置に応じて、前記第1のレーザ光を、トラックのスパイラル方向が互いに異なる2つの基準層のうち対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光することを特徴とする記録方法。 - 請求項11に記載の記録方法であって、
前記記録層の第1の深さ位置で前記第2のレーザ光を集光して、情報の記録をした後、前記第1の深さ位置と異なる第2の深さ位置へと前記第2のレーザ光の集光位置を切り替える場合、第1のレーザ光の集光位置を所定の基準層からスパイラル方向の異なる他の基準層へと移動させることを特徴とする記録方法。 - アドレス情報が付加されたスパイラル状トラックを有する基準層と、前記基準層のトラックに追従して、所定の深さ位置で情報の再生が可能な記録層とを有する光ディスクに対して情報を記録する光ディスク装置の再生方法であって、
前記光ディスク装置は、前記基準層のトラック上に集光される第1のレーザ光を出射する第1の光源と、前記第1のレーザ光が集光された前記基準層のトラックに追従して、前記記録層の所定の深さ位置に集光される第2のレーザ光を出射する第2の光源とを有し、
前記第2のレーザ光を集光する前記記録層の深さ位置に応じて、前記第1のレーザ光を、トラックのスパイラル方向が互いに異なる2つの基準層のうち対応するスパイラル方向の基準層のトラック上に集光することを特徴とする再生方法。 - 請求項13に記載の再生方法であって、
前記記録層の第1の深さ位置で前記第2のレーザ光を集光して、情報の再生をした後、前記第1の深さ位置と異なる第2の深さ位置へと前記第2のレーザ光の集光位置を切り替える場合、第1のレーザ光の集光位置を所定の基準層からスパイラル方向の異なる他の基準層へと移動させることを特徴とする再生方法。
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