JP2011191040A - 木質ペレット燃焼装置 - Google Patents

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智昭 三瓶
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Abstract

【課題】木質ペレットの燃焼状態を向上させる。
【解決手段】ペレットストーブ10では、木質ペレット14が上スクリュー20及び下スクリュー22によって搬送されてスクリューケース70の開口70Aからロストル32上に排出されると共に、ロストル32上で木質ペレット14が燃焼される。ここで、スクリュー羽根74の左端がスクリューケース70の開口70Aより右方に配置されている。このため、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14がロストル32上の木質ペレット14を押圧する力が大きくされることで、ロストル32上での灰の蓄積やクリンカの発生を抑制できて、木質ペレット14の燃焼状態を向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質ペレットを燃焼させる木質ペレット燃焼装置に関する。
木質ペレット燃焼装置(ペレットストーブ)としては、下スクリューが木質ペレットを搬送してロストル上に排出すると共に、ロストル上において木質ペレットを燃焼させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
この木質ペレット燃焼装置では、下スクリューが円筒状の搬送筒を有しており、搬送筒内には、円軸状の回転軸が配置されている。回転軸の周囲には、螺旋状の搬送板が固定されており、回転軸及び搬送板が一体回転されることで、搬送筒内に供給された木質ペレットが、搬送筒内を搬送板によって搬送されて、搬送筒の一端(開口)からロストル上に排出される。
しかしながら、この木質ペレット燃焼装置では、搬送板の一端が搬送筒の一端(開口)の位置に配置されている。これにより、木質ペレットが搬送板の回転による横方向への搬送力を作用された状態で搬送筒の一端から排出されるため、搬送筒をロストルの横方向中央に対して横方向へずらして配置して木質ペレットをロストル上に横方向において均一に広げるようにしているが、搬送筒の一端から排出される木質ペレットがロストル上の木質ペレットを押圧する力が小さい。
このため、ロストル上に木質ペレットが溜まると、搬送筒の一端から排出される木質ペレットがロストル上の木質ペレットの上側に移動して、ロストル上で木質ペレットの山が高くなり、しかも、ロストル上では木質ペレットが山から崩れ落ちて広がる。これにより、ロストル上で一部(特に山の内部)の木質ペレットが滞留し易く、灰の蓄積や灰等が凝固したクリンカが発生し易いため、木質ペレットの燃焼状態が悪くなる可能性がある。
特開2009−192178公報
本発明は、上記事実を考慮し、燃焼部上における灰の蓄積やクリンカの発生を抑制して木質ペレットの燃焼状態を向上できる木質ペレット燃焼装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置は、筒状にされて一端側に開口が形成され、前記開口より他端側において内部に木質ペレットが供給される搬送筒と、前記搬送筒内に螺旋状にされて設けられると共に、前記開口側の一端が前記搬送筒の前記開口より他端側に配置され、前記搬送筒内に供給された木質ペレットを回転されることで搬送して前記搬送筒の前記開口から排出する搬送板と、前記搬送筒の前記開口側に設けられ、前記開口から排出された木質ペレットが載置されて燃焼される燃焼部と、を備えている。
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置において、前記搬送板の一端と前記搬送筒の前記開口との前記搬送板軸方向における離間距離を木質ペレットの最大長さに比し大きくしている。
請求項3に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置において、前記搬送板の一端と前記搬送筒の前記開口との前記搬送板軸方向における離間距離を前記搬送板の螺旋半周期に対応する前記搬送板の軸方向長さに比し大きくしている。
請求項4に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の木質ペレット燃焼装置において、風を前記搬送筒内に送給して前記開口から排出させる送給手段を備えている。
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送筒の一端側に開口が形成されると共に、搬送筒内に搬送板が螺旋状にされて設けられており、搬送板が回転されることで、搬送板が搬送筒内に供給された木質ペレットを搬送して搬送筒の開口から排出する。さらに、搬送筒の開口側に燃焼部が設けられており、搬送筒の開口から排出された木質ペレットが燃焼部に載置されて燃焼される。
ここで、搬送筒開口側の搬送板の一端が搬送筒の開口より他端側に配置されている。これにより、搬送筒の開口から排出される木質ペレットは、直前に搬送筒の搬送板と開口との間の部分を通過することで、搬送板の回転による横方向への搬送作用が抑制されて、燃焼部上の木質ペレットを真っ直ぐ押圧する力が大きくなる。
このため、燃焼部上に木質ペレットが溜まっても木質ペレットの山ができることを抑制できて、燃焼部上で一部の木質ペレットが滞留することを抑制できる。これにより、燃焼部上における灰の蓄積や灰等が凝固したクリンカの発生を抑制できて、木質ペレットの燃焼状態を向上できる。
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送板の一端と搬送筒の開口との搬送板軸方向における離間距離が、木質ペレットの最大長さに比し、大きくされている。これにより、搬送筒の開口から排出される木質ペレットが、搬送板の回転による横方向への搬送力を作用されることを良好に抑制されて、燃焼部上の木質ペレットを押圧する力を良好に大きくできる。
請求項3に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送板の一端と搬送筒の開口との搬送板軸方向における離間距離が、搬送板の螺旋半周期に対応する搬送板の軸方向長さに比し、大きくされている。これにより、搬送筒の開口から排出される木質ペレットが、搬送板の回転による横方向への搬送力を作用されることを良好に抑制されて、燃焼部上の木質ペレットを押圧する力を良好に大きくできる。
請求項4に記載の木質ペレット燃焼装置では、送給手段が風を搬送筒内に送給して搬送筒の開口から排出させる。このため、搬送筒内に開口を介して燃焼部上の火が移行することを抑制できる。これにより、仮に搬送筒の開口からの木質ペレットの排出が終了した際に搬送筒内に開口近傍において木質ペレットが残留しても、当該木質ペレットが燃焼することを抑制できる。
本発明の実施の形態に係るペレットストーブを示す前方から見た縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るペレットストーブを示す上方から見た横断面図(図1の2−2線断面図)である。 本発明の実施の形態に係るペレットストーブを示す左方から見た縦断面図(図1の3−3線断面図)である。
図1には、本発明の実施の形態に係る木質ペレット燃焼装置としてのペレットストーブ10が前方から見た縦断面図にて示されている。また、図2には、ペレットストーブ10が上方から見た横断面図(図1の2−2線断面図)にて示されており、図3には、ペレットストーブ10が左方から見た縦断面図(図1の3−3線断面図)にて示されている。
本実施の形態に係るペレットストーブ10は、缶体12を備えている。缶体12は、底壁12A及び上壁12Bと、側壁である正面壁12C、背面壁12D、右側壁12E、及び左側壁12Fとを備えた中空の直方体状に形成されており、内部が燃焼室30とされている。燃焼室30は、上方から見て長軸と短軸とを有する異形形状(本実施形態では、長方形)に形成されており、正面壁12Cと背面壁12Dとの間の距離寸法よりも右側壁12Eと左側壁12Fとの間の距離寸法の方が広く形成されている。
缶体12の長軸方向一側(右側壁12E側)には、筐体15が配置されている。筐体15は、缶体12と同じく中空の直方体状に形成されている。筐体15の内部には、供給手段としての燃料タンクとされるホッパ16が配設されている。このホッパ16の内部には、間伐材等を粉砕圧縮加工して作った加工燃料である木質ペレット14(本実施形態では、例えば、円柱形に加工成形されており、直径が4mm乃至5mm程度、長さが5mm乃至6mm程度とされる)が貯蔵されている。
ホッパ16の下方には、搬送手段としての燃料搬送装置18が設けられている。燃料搬送装置18は、上下2段の段違いに配置された上スクリュー20と下スクリュー22とを有している。これらの上スクリュー20と下スクリュー22とは、それぞれ駆動手段としてのモータ24及びモータ25の駆動力によって駆動される。これらのモータ24、25は、ペレットストーブ10に配設された図示しない配線を介して制御回路38に接続されている。
また、ホッパ16の下部には、燃料降下口26が形成されており、ホッパ16内に投入された木質ペレット14は、この燃料降下口26から上スクリュー20によってかき出され、シュート28へ搬送されて落下する(図1の矢印A参照)。シュート28から落下した木質ペレット14は、燃料搬送装置18の下段に配された下スクリュー22によって、燃焼室30側へ押し出され、右側壁12Eに形成された燃料供給口29を介して燃焼室30の内部へ搬送される。
下スクリュー22は、搬送筒としての円筒状のスクリューケース70(パイプ)を備えており、スクリューケース70の右端(他端)は、閉じられている。スクリューケース70の右部内は、上側のシュート28に連通されており、スクリューケース70の右部内にはシュート28から落下した木質ペレット14が供給される。スクリューケース70の左端(一端)は、燃料供給口29内に嵌入されており、スクリューケース70の左端には、円状の開口70Aが形成されている。
スクリューケース70内には、回転軸としての円軸状のスクリュー軸72が配置されており、スクリュー軸72は、スクリューケース70と同軸上に配置されると共に、スクリューケース70の右端壁を貫通してモータ25に接続されている。スクリューケース70内におけるスクリュー軸72の周囲には、搬送板としての湾曲板状のスクリュー羽根74が固定されており、スクリュー羽根74は、スクリュー軸72と同軸上の螺旋状に湾曲されている。これにより、モータ25の駆動力によってスクリュー軸72及びスクリュー羽根74が軸周りに一体回転されることで、スクリューケース70内に供給された木質ペレット14が、スクリューケース70内をスクリュー羽根74によって左方へ搬送されることで、スクリューケース70左端の開口70Aから排出されて、燃焼室30の内部へ搬送される。
スクリュー軸72及びスクリュー羽根74の左端(軸方向一端)は、スクリューケース70の開口70Aより右側に配置されており、スクリュー軸72及びスクリュー羽根74の左端とスクリューケース70の開口70Aとの下スクリュー22軸方向(スクリューケース70、スクリュー軸72及びスクリュー羽根74の軸方向)における離間距離Lは、木質ペレット14の最大長さ及びスクリュー羽根74の螺旋半周期に対応するスクリュー羽根74の軸方向長さR(スクリュー羽根74の螺旋1/4周期、螺旋3/4周期又は螺旋周期に対応するスクリュー羽根74の軸方向長さでもよい)に比し、大きくされている。
燃焼室30内の下部には、燃焼室30の長軸方向一側(右側壁12E側)かつ下スクリュー22より下側において、平板状に形成されて燃焼部31を構成するロストル32(燃焼棚)が設けられており、スクリューケース70の開口70Aから排出された木質ペレット14は、ロストル32の上面に供給(載置)される。また、ロストル32の前後方向(横方向)中央位置は、下スクリュー22の軸線位置(スクリューケース70(開口70A)、スクリュー軸72及びスクリュー羽根74の軸線位置)に前後方向において一致されて配置されている(図3参照)。
ロストル32の下方には、上下両端部及び右側壁12E側の端部が開口した箱状のカバー33が設けられており、カバー33の内側には空気取入室44が形成されている。この空気取入室44の内部には、点火手段としての棒状の点火ヒータ34が設けられている。点火ヒータ34は、所謂「セラミックヒータ」であり、ロストル32の板面に対して所定角度傾斜した状態でロストル32の下面に固定されている。また、この点火ヒータ34の先端部は、ロストル32に形成された貫通孔36に挿通されて、ロストル32の上面から所定量突出している(例えば、5mm程度突出している)。このため、上記ロストル32の上面に木質ペレット14が供給されると、点火ヒータ34の先端部は、木質ペレット14によって覆われる。また、この点火ヒータ34は、ペレットストーブ10に配設された図示しない配線を介して制御回路38に接続されている。
一方、ロストル32には、複数の空気噴孔40が形成されており、これらの空気噴孔40を介して燃焼室30と空気取入室44とが連通している。また、空気取入室44は、缶体12の右側壁12Eに形成された複数の一次空気孔49(図3参照)を介して、送給路としての空気通路46に連通している。この空気通路46は、缶体12と筐体15との間に形成されており、筐体15の下部に配設された送給手段としての送風機42が作動すると、この空気通路46内に空気(風)が送気(送風及び送給)されるようになっている。空気通路46内に送気された空気は、複数の一次空気孔49を介して空気取入室44内に送気されると共に(図1の矢印B参照)、複数の空気噴孔40を介して燃焼室30内(ロストル32の上面側)へ送気される。これにより、ロストル32上の木質ペレット14に燃焼用の一次空気が供給される構成になっている。なお、上述の送風機42は、ペレットストーブ10に配設された図示しない配線を介して前述した制御回路38に接続されている。
この制御回路38は、前述した燃料搬送装置18のモータ24、25、点火ヒータ34、及び送風機42を集中制御するためのものであり、この制御回路38に接続された図示しない電源スイッチが「ON」にされると、燃料搬送装置18のモータ24、25及び送風機42が作動すると共に、点火ヒータ34が所定時間(例えば、1分〜2分程度)だけ通電される構成になっている。
点火ヒータ34が通電によって発熱すると、点火ヒータ34の先端部を覆っている木質ペレット14が加熱されて点火する。このとき、上述したように送風機42から空気取入室44へ送気された一次空気(図1の矢印B参照)が、ロストル32の空気噴孔40を通過して燃焼室30内へ通風され、ロストル32の上面に搬送された木質ペレット14を燃焼させるようになっている。ロストル32上面の木質ペレット14が燃焼しているときには、ホッパ16内の木質ペレット14が、燃料搬送装置18の上スクリュー20及び下スクリュー22によって順次ロストル32上に補充されて燃焼する。これにより、図3に示されるように、ロストル32の上方には炎Fが立ち上るようになっている。
なお、ロストル32上面への木質ペレット14の供給速度(すなわち上スクリュー20及び下スクリュー22の駆動速度)は、制御回路38に接続された図示しないスイッチの操作により変更可能とされており、これにより、炎Fの大きさを最大燃焼と最小燃焼との間で複数段階に調節できるようになっている。
一方、送風機42から送気されて空気通路46に流入した空気は、空気通路46内を上昇し(図1の矢印C参照)、缶体12の右側壁12Eに形成された複数の二次空気孔50から燃焼室30内へ送気される(二次空気)。これらの二次空気孔50は、右側壁12Eにおいて炎Fの下部側に対向する部位に集中して形成されており、炎Fの下部側には、最大燃焼時及び最小燃焼時の何れにおいても、二次空気が集中的に供給されるようになっている。これにより、一次燃焼では燃やしきれなかった未燃焼成分が二次空気と混合され、再燃焼されるようになっている。
一方、ロストル32の上側には、整流部材としての整流板35が設けられている。整流板35は、平板状に形成された一対の遮熱部37、39と、遮熱部37、39の各長手方向一端部(左側壁12F側の端部)を連結する平板状の連結部41とを備えており、平面視コの字形の塀状(上下両端部及び右側壁12E側が開口した箱状)に形成されている。一対の遮熱部37、39は、各長手方向他端部(右側壁12E側の端部)がネジ等により右側壁12Eに締結されており、これにより、整流板35が右側壁12Eに固定されている。
一方の遮熱部37は、ロストル32の長手方向一端部(正面壁12C側の端部)の上方において正面壁12Cと平行に配置されており、他方の遮熱部39は、ロストル32の長手方向他端部(背面壁12D側の端部)の上方において背面壁12Dと平行に配置されている。また、連結部41は、ロストル32の幅方向一端部(左側壁12F側の端部)の上方において左側壁12Fと平行に配置されている。このため、整流板35は、燃焼室30の右側壁12Eと共に上下に開口する筒部45を形成しており、ロストル32上に立ち上る炎Fは、この筒部45によって前後左右に取り囲まれるようになっている。
また、筒部45の内側へ送気された二次空気は、ロストル32の空気噴孔40から噴出される一次空気と合流して、燃焼室30の上部側へ排出されるようになっており、これにより、筒部45によって取り囲まれた炎Fが、ロストル32の真上に立ち上るように構成されている。
一方、上述した筒部45(整流板35)とロストル32との間には、間隙43が設けられており、ロストル32上で燃焼した木質ペレット14の燃えカス(灰)は、上スクリュー20及び下スクリュー22によって新たにロストル32上に供給される木質ペレット14によって押し出され、当該間隙43を介してロストル32上から落下する。
ロストル32上から落下した木質ペレット14の燃えカス(灰)は、燃焼室30の内壁に取り付けられたガイド枠60に案内され、ロストル32の下方に配設された灰受皿58内に落下するようになっている。なお、木質ペレット14は、燃え尽きても粉末状にはならず、原形を少し残した形で灰になるため、ロストル32の空気噴孔40から落下する灰は僅かであるが、空気噴孔40から空気取入室44内に落下した木質ペレット14の灰も、灰受皿58内に落下するようになっている。
一方、燃焼室30の内部には、板材によって形成されたバッフルプレート64が設けられており、このバッフルプレート64と缶体12の左側壁12Fとによって筒状の煙突部65が形成されている。この煙突部65は、燃焼室30内で上下方向に延在しており、下端開口部(燃焼ガス取入口65A)がロストル32の下側に配置されている。
この煙突部65の内側は、ガス通路66とされており、燃焼室30内で発生した燃焼ガスは、燃焼ガス取入口65Aを介してガス通路66内に取り入れられるようになっている。このガス通路66内には、複数の貫通孔が形成された板状の多孔板68が設けられており、燃焼ガスに含まれる灰などがこの多孔板68によって除去される。また、ガス通路66は、缶体12の上壁12Bに取り付けられた筒状の煙筒62内に連通しており、燃焼ガスは当該煙筒62の筒内を介してペレットストーブ10の外部に排気される構成になっている。
また、燃焼室30内に発生した燃焼ガスは、スクリューケース70左端の開口70Aを介して燃料搬送装置18側へ逆流しようとするが、送風機42から空気通路46を介して送給路としての空気戻通路52へ流入することで上スクリュー20内及びシュート28を介してスクリューケース70内に送気されて開口70Aから噴出(排出)される空気(風)によって当該逆流が防止される構成になっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
以上の構成のペレットストーブ10では、図示しない電源スイッチが「ON」にされると、燃料搬送装置18のモータ24、25が作動し、ホッパ16内に貯蔵された木質ペレット14が、上スクリュー20及び下スクリュー22によって、燃焼室30内に配設されたロストル32の上面に搬送される。このため、ロストル32の上面から突出した点火ヒータ34の先端部が、木質ペレット14によって覆われる。
またこのとき、点火ヒータ34へも通電され、点火ヒータ34が発熱する。これにより、点火ヒータ34の先端部を覆っている木質ペレット14が、この点火ヒータ34によって加熱されて点火する。さらにこのとき、送風機42が作動することで、送風機42から空気取入室44へ送気された空気(一次空気)が、ロストル32の空気噴孔40を通過し、ロストル32上面の木質ペレット14に供給される。これにより、点火ヒータ34によって点火されたロストル32上面の木質ペレット14が燃焼し、ロストル32の上方には炎Fが立ち上る。
さらに、送風機42から空気通路46に送気された空気(二次空気)が、右側壁12Eに形成された複数の二次空気孔50から燃焼室30内に送気され、一次燃焼では燃やしきらなかった未燃焼成分が二次空気と混合されて再燃焼される。
ところで、下スクリュー22では、モータ25の駆動力によってスクリュー軸72及びスクリュー羽根74が軸周りに一体回転されることで、上スクリュー20からシュート28を介してスクリューケース70の右部内に供給された木質ペレット14が、スクリューケース70内をスクリュー羽根74によって左方へ搬送されて、スクリューケース70左端の開口70Aから排出される。これにより、スクリューケース70の開口70Aから排出された木質ペレット14が、ロストル32上に供給される。
ここで、スクリュー羽根74の左端がスクリューケース70の開口70Aより右方に配置されている。これにより、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14は、直前にスクリューケース70のスクリュー羽根74と開口70Aとの間の部分を通過することで、スクリュー羽根74の回転による前後方向への搬送作用が抑制されると共に、左方(ロストル32側)への搬送指向性が付与されて、ロストル32上の木質ペレット14を左方へ真っ直ぐ押圧する力が大きくなる。
このため、ロストル32上に木質ペレット14が溜まっても木質ペレット14の山ができることを抑制できて、ロストル32上に一部の木質ペレット14が滞留することを抑制できる。これにより、ロストル32上における灰の蓄積や灰等が凝固したクリンカの発生を抑制できて、木質ペレット14の燃焼状態を向上できる。
また、上述の如く、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14が、スクリュー羽根74の回転による前後方向への搬送力を作用されることを抑制されると共に、左方への搬送指向性を付与される。このため、本実施の形態の如く、ロストル32の前後方向中央位置と下スクリュー22の軸線位置とを前後方向において一致させて配置しても、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14をロストル32上に前後方向において均一に広げることができる。
しかも、上述の如く、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14がロストル32上の木質ペレット14を左方へ押圧する力を大きくされることで、ロストル32上に木質ペレット14を平らに広げることができる。これにより、木質ペレット14の燃焼状態を一層向上できる。
さらに、スクリュー羽根74の左端とスクリューケース70の開口70Aとの下スクリュー22軸方向における離間距離Lが、木質ペレット14の最大長さ及びスクリュー羽根74の螺旋半周期に対応するスクリュー羽根74の軸方向長さRに比し、大きくされている。これにより、スクリューケース70の開口70Aから排出される木質ペレット14が、スクリュー羽根74の回転による前後方向への搬送力を作用されることを良好に抑制されると共に、左方への搬送指向性を良好に付与されて、ロストル32上の木質ペレット14を左方へ押圧する力を良好に大きくできる。
また、送風機42から送気される空気が、空気通路46、空気戻通路52、上スクリュー20内、シュート28を介してスクリューケース70内に送気されて、スクリューケース70の開口70Aから噴出される。このため、スクリューケース70内に開口70Aを介してロストル32上の火が移行することを抑制できる。これにより、仮にホッパ16内の木質ペレット14がなくなることでスクリューケース70の開口70Aからの木質ペレット14の排出が終了した際にスクリューケース70内に開口70A近傍において木質ペレット14が残留しても、当該木質ペレット14が燃焼することを抑制できる。
なお、本実施の形態では、ロストル32の上面とスクリューケース70(開口70A)とを上下方向において離間させた配置にしたが、ロストル32の上面とスクリューケース70の下端(特に開口70Aの下端)とを上下方向において一致させた配置にしてもよい。
また、本実施の形態では、本発明をペレットストーブに対して適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は木質ペレットを燃料として用いるボイラー等に対しても適用することができる。
10 ペレットストーブ(木質ペレット燃焼装置)
14 木質ペレット
31 燃焼部
42 送風機(送給手段)
70 スクリューケース(搬送筒)
70A 開口
74 スクリュー羽根(搬送板)

Claims (4)

  1. 筒状にされて一端側に開口が形成され、前記開口より他端側において内部に木質ペレットが供給される搬送筒と、
    前記搬送筒内に螺旋状にされて設けられると共に、前記開口側の一端が前記搬送筒の前記開口より他端側に配置され、前記搬送筒内に供給された木質ペレットを回転されることで搬送して前記搬送筒の前記開口から排出する搬送板と、
    前記搬送筒の前記開口側に設けられ、前記開口から排出された木質ペレットが載置されて燃焼される燃焼部と、
    を備えた木質ペレット燃焼装置。
  2. 前記搬送板の一端と前記搬送筒の前記開口との前記搬送板軸方向における離間距離を木質ペレットの最大長さに比し大きくした請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
  3. 前記搬送板の一端と前記搬送筒の前記開口との前記搬送板軸方向における離間距離を前記搬送板の螺旋半周期に対応する前記搬送板の軸方向長さに比し大きくした請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
  4. 風を前記搬送筒内に送給して前記開口から排出させる送給手段を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の木質ペレット燃焼装置。
JP2010059696A 2010-03-16 2010-03-16 木質ペレット燃焼装置 Pending JP2011191040A (ja)

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