JP2011190910A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、軸受内部の圧力を調整してシールの密封性能を確保しつつ低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】外方部材2と内方部材1との間に形成された環状空間がシール8、9によって密封された車輪用軸受装置において、外方部材2に径方向に貫通された通し孔16が形成され、この通し孔16に中実円筒体からなる制御部材18で構成されたレギュレータ17が装着されると共に、この制御部材18が通し孔16に弾性部材19を介して摺動自在に嵌挿され、通し孔16の開口部に、内径側に突出した鍔部20と止め輪22が装着されて制御部材18の動きが規制されているので、制御部材18の動きにより、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール8、9を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シール8、9の密封性能を確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置に関し、特に、軸受内部の圧力を調整してシールの密封性能を確保しつつ低トルク化を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの車輪用軸受装置は、内部からの潤滑グリースの漏洩と、外部からのダストや雨水等の浸入を防止して適正な軸受寿命を確保するため、シールにより密封される環状空間を有している。また、軸受内部と外部との温度差により、軸受内部の圧力は正圧になったり負圧になったりするが、負圧でかつその圧力がシールリップの耐圧を超えた場合には、水分を含んだ空気が軸受内部に侵入し、軸受内部での錆発生により軸受が短寿命となる恐れがあった。これを防止するためには、シールリップの緊迫力を上げたりする等、シールの密封性を高める必要があるが、その反面、シールの摺動抵抗が大きくなって回転トルクが増大やリップ摩耗を促進して密封性が低下すると共に、自動車の燃費に悪影響を及ぼす問題があった。
このような問題を解決した車輪用軸受装置として図16に示すような構造が知られている。この車輪用軸受装置51は、外輪部材52と内輪部材53と、これら外輪部材52と内輪部材53との間に収容される複数の転動体54とを備えている。内輪部材53は、ハブ輪55と、このハブ輪55に圧入された内輪56とからなる。
ハブ輪55は、軸部57と、車輪(図示せず)を取り付けるためのハブフランジ58を一体に有し、外周に内側転走面55aと、この内側転走面55aから軸方向に延びる小径段部55bが形成されている。内輪56は、外周に内側転走面56aが形成され、小径段部55bの端部を塑性変形させて形成した加締部59によって軸方向に固定されている。そして、両転走面間に複列の転動体54が転動自在に収容されている。また、この転動体54を保持するための冠形保持器60と、ハブフランジ58の側方において転動体配置空間Sをシールするシール部材61が設けられている。
外輪部材52は、外周にボルト挿通孔62を有する外輪フランジ部52bと、インロウ部52cを一体に有し、内周に複列の外側転走面52a、52aが一体に形成されている。そして、インロウ部52cを用いて車輪用軸受装置51を車体に対して位置決めし、ボルト挿通孔62にボルトを挿通して外輪部材52をナックル等の車体側部材に固定することにより、車輪用軸受装置51が車体に固定されている。
車輪用軸受装置51は車体の従動輪側に使用され、内端部にカバー63が取り付けられており、転動体配置空間Sには、気体がシール部材61とカバー63とによって半密閉状態で封入され、外部空間に流出しないように構成されている。シール部材61は、外輪部材52に固定され、内輪部材53に弾性変形しつつ密着して、転動体配置空間Sに気体が半密閉されている。また、シール部材61は、外輪部材52と内輪部材53とのシール状態を維持すると共に、外部空間から転動体配置空間Sへの水の浸入を防止し、水滴浸入阻止部材としても兼用されている。
一方、タイヤ64に封入されたガスg(空気や窒素ガス)を転動体配置空間Sに供給するガス供給経路65が形成され、転動体配置空間Sのガス圧を正圧に保持している。これにより、シール部材61から外部に向ってガスが漏出することはあっても、外部から転動体配置空間Sに空気が侵入することは殆どなくなり、水滴の侵入防止効果を大幅に高めることができる。
ガス供給経路65は、車輪側ガス供給経路65aと、この車輪側ガス供給経路65aに接続され、ガスgを内輪部材53の中に導入する第1部分65bと、この第1部分65bと連通してガスgを径方向外方に導入し、転動体配置空間Sに到る第2部分65cとを備えている。
また、ガス供給経路65上に、転動体配置空間Sへの供給ガス圧を調整する供給ガス圧力調整弁66が設けられ、シール部材61の弾性力が弱く、タイヤ64のガス圧が直接かかるとガスgが外部に漏出しまう場合は、供給ガス圧力調整弁66によって減圧する。
一方、カバー63には、転動体配置空間Sと連通するカバー内部空間S’のガス圧を調整するカバー側圧力調整弁67が設けられている。そして、タイヤ64のガスgを転動体配置空間Sに供給する時に、カバー側圧力調整弁67が作動するまで圧力を上げると共に、一定量の空気が排出された後は、供給ガス圧力調整弁66によって減圧し、それ以上空気が排出されないようにしている。これにより、転動体配置空間Sおよびカバー内部空間S’を殆どガスgで満たすことができる。このように、タイヤ64内のガスgを転動体配置空間Sに供給するため、転動体配置空間Sを正圧に保つことができ、外部からシール部材61を通って水等が浸入するのを防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−13085号公報
然しながら、こうした従来の車輪用軸受装置51では、構造自体が複雑になり、自動車等の車輪用軸受装置として量産には不向きであり、製造コストの上昇と装置の信頼性で実用的とは言えない問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、低コストで、軸受内部の圧力を調整してシールの密封性能を確保しつつ低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間がシール装置によって密封された車輪用軸受装置において、前記各部材のうち固定側部材にレギュレータが内蔵されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成された環状空間がシール装置によって軸受内部が密封された車輪用軸受装置において、各部材のうち固定側部材にレギュレータが内蔵されているので、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール装置を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シール装置の密封性能を確保しつつシールの摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記外方部材に径方向に貫通された通し孔が形成され、外部と軸受内部とが連通されると共に、この通し孔に前記レギュレータが装着されていても良い。
また、請求項3に記載の発明のように、前記外方部材に径方向に貫通された貫通孔が形成され、この貫通孔に嵌着されたパイプに前記レギュレータが接続されていれば、装着される部材の形状やスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
また、請求項4に記載の発明のように、前記外方部材のインナー側の端部にカップ状の保護カバーが装着され、この保護カバーの底部に通し孔が形成され、外部と軸受内部とが連通されると共に、この通し孔に前記レギュレータが装着されていても良い。
また、請求項5に記載の発明のように、前記外方部材のインナー側の端部にカップ状の保護カバーが装着され、この保護カバーの底部にパイプが接続され、このパイプに前記レギュレータが連結されていれば、装着される部材の形状やスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
また、請求項6に記載の発明のように、前記保護カバーが合成樹脂材から射出成形によって形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に突出して形成され、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部と、この鍔部から径方向内方に延び、前記内方部材のインナー側の端部を塞ぐ底部を備え、前記嵌合部と鍔部の部位に、プレス加工によって断面略L字状に形成された芯金がインサート成形されていていれば、保護カバーの嵌合部の気密性を向上させると共に、保護カバーの剛性を高くすることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記保護カバーが防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に突出して形成され、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部と、この鍔部から径方向内方に延び、前記内方部材のインナー側の端部を塞ぐ底部を備えていても良い。
また、請求項8に記載の発明のように、前記レギュレータが、中実円筒体からなる制御部材で構成され、この制御部材が前記通し孔に弾性部材を介して摺動自在に嵌挿されると共に、前記通し孔の開口部に、内径側に突出した鍔部または止め輪が装着され、前記制御部材の動きが規制されていれば、制御部材の移動によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシールを通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシールの摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記レギュレータが、合成ゴムまたは合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、薄膜からなるダイヤフラムによって第1室と第2室の2室に隔てられた制御部材を備え、前記制御部材の第1室に軸受内部と連通する通孔と、前記第2室に外部と連通する通孔がそれぞれ形成されていれば、ダイヤフラムの膨張によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシールを通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシールの摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記車輪取付フランジのインナー側の基部が円弧状に形成され、この基部に鋼板からプレス加工にて形成された金属環が嵌着されると共に、前記シール装置のうちアウター側のシール装置が、前記外方部材の端部内周に嵌合される芯金と、この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延び、前記金属環に摺接されるサイドリップと、軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップとを有するシール部材からなり、前記金属環が耐食性を有する鋼板で形成され、その素材となる鋼板の表面粗さがRa0.2〜0.6の範囲に設定されていれば、長期間に亘って発錆を防止して密封性を維持することができると共に、良好なシール摺接面を得ることができ、リップ摩耗を抑制して劣悪な環境で使用されても、シールの密封性能の維持を図ることができる。
また、請求項11に記載の発明のように、前記金属環が、前記車輪取付フランジの基部に外嵌される円筒状の嵌合部と、前記基部の形状に対応して円弧状に形成された湾曲部と、この湾曲部から径方向外方に延び、前記車輪取付フランジのインナー側の側面に密着される円板部と、この円板部の外径部から車輪取付フランジに対して軸方向に離間して延びる傘部とを備え、この傘部が、前記外方部材のアウター側の端部外周に沿って僅かな環状のすきまを介して対向配置されていれば、シールと金属環との摺接部に泥水等が浸入するのを防止することができると共に、この僅かな環状のすきまから泥水等が浸入したとしても、金属環の回転に伴う遠心力によって容易に外部に排出され、シールの密封性能の向上を図り、軸受性能を長期間に亘って維持することができる。
好ましくは、請求項12に記載の発明のように、前記基部が所定の曲率半径rからなる円弧面に形成されると共に、この円弧面に対応して前記金属環の湾曲部が所定の曲率半径Rからなる円弧面に形成され、それぞれの曲率半径R、rがR≧rになるように設定されていれば、金属環を基部に嵌合した時に基部の円弧面に金属環の湾曲部が干渉して浮き上がるのを防止することができると共に、車輪取付フランジの側面と金属環の円板部との間にすきまが生じるのを防止することができ、両者が密着してサイドリップのシメシロのバラツキを抑え、安定した密封性を確保することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間がシール装置によって密封された車輪用軸受装置において、前記各部材のうち固定側部材にレギュレータが内蔵されているので、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール装置を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シール装置の密封性能を確保しつつシールの摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1のレギュレータ部を示す要部拡大図である。 (a)、(b)は、図2のレギュレータの作動状態を示す説明図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図4のシール部を示す要部拡大図である。 図4のレギュレータ部を示す要部拡大図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第5の実施形態を示す縦断面図である。 図9のレギュレータ部を示す要部拡大図である。 (a)、(b)は、図10のレギュレータの作動状態を示す説明図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第6の実施形態を示す縦断面図である。 図12のレギュレータ部を示す要部拡大図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第7の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第8の実施形態を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間がシール装置によって密封された車輪用軸受装置において、前記外方部材に径方向に貫通された通し孔が形成され、この通し孔に中実円筒体からなる制御部材で構成されたレギュレータが装着されると共に、この制御部材が前記通し孔に弾性部材を介して摺動自在に嵌挿され、前記通し孔の開口部に、内径側に突出した鍔部と止め輪が装着されて前記制御部材の動きが規制されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のレギュレータ部を示す要部拡大図、図3(a)、(b)は、図2のレギュレータの作動状態を示す説明図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は第3世代と称される駆動輪用であって、内方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
外方部材2はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。これら複列の外側転走面2a、2aは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置にハブボルト6aが植設されている。また、外周に前記複列の外側転走面2a、2aの一方(アウター側)に対向する内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)4cが形成されている。一方、内輪5は外周に前記複列の外側転走面2a、2aの他方(インナー側)に対向する内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに所定のシメシロを介して圧入されている。
外方部材2の複列の外側転走面2a、2aと、これらに対向する内方部材1の複列の内側転走面4a、5a間には複列の転動体3、3がそれぞれ収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。また、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
なお、ここでは、転動体3にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、転動体3に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。また、ハブ輪4の外周に直接内側転走面4aが形成された第3世代構造を例示したが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入固定された第2世代構造やハブ輪の小径段部に等速自在継手の外側継手部材が嵌合された第4世代構造であっても良い。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面4aをはじめ車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。シール8のシールランド部となる基部6bの耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪4の耐久性を向上させることができる。なお、内輪5および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
シール8、9のうちアウター側のシール8は、外方部材2のアウター側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金10と、この芯金10に接合されたシール部材11とからなる一体型のシールで構成されている。芯金10は、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成されている。
一方、シール部材11はNBR(ニトリルゴム)等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金10に一体に接合されている。このシール部材11は、径方向外方に傾斜して形成され、車輪取付フランジ6のインナー側の側面に所定のシメシロをもって摺接するサイドリップ11aと、断面が円弧状に形成された基部6bに所定のシメシロをもって摺接する中間リップ11bと、軸受内方側に傾斜して形成されたグリースリップ11cとを有している。
インナー側のシール9は、互いに対向配置され、固定側部材となる外方部材2のインナー側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入された環状のシール板12と、内輪5の外径に所定のシメシロを介して圧入されたスリンガ13とからなる、所謂パックシールで構成されている。
環状のシール板12は、断面略L字状に形成された芯金14と、この芯金14に接合されたシール部材15とからなる。芯金14は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)や冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて断面が略L字状で、全体として円環状に形成されている。
シール部材15はNBR等の合成ゴムからなり、芯金14に加硫接着によって一体に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ15aと、このサイドリップ15aの内径側に二股状に延びるグリースリップ15bと中間リップ15cを一体に有している。
スリンガ13は、フェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)、あるいは、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等、防錆能を有する鋼鈑からプレス加工にて形成され、内輪5の外径に圧入される円筒部13aと、この円筒部13aから径方向外方に延びる立板部13bとを有し、断面が略L字状で、全体として円環状に形成されている。
シール部材15のサイドリップ15aは、スリンガ13の立板部13bに所定の軸方向シメシロをもって摺接されると共に、グリースリップ15bと中間リップ15cがスリンガ13の円筒部13aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。なお、シール部材15の材質としては、NBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
ここで、固定側部材となる外方部材2に径方向に貫通された通し孔16が形成され、外部と軸受内部とが連通されている。そして、この通し孔16にレギュレータ17が装着されている。このレギュレータ17は、図2に拡大して示すように、中実円筒体からなる制御部材18で構成され、この制御部材18は通し孔16にOリング等からなる弾性部材19を介して摺動自在に嵌挿されている。本実施形態では、弾性部材19は、制御部材18の両端部外周にそれぞれ装着され、通し孔16の内周面に所定のシメシロを介して弾性接触している。そして、通し孔16の開口部には、内径側に突出した鍔部20と、環状溝21が形成され、この環状溝21に装着された止め輪22と鍔部20によって制御部材18の動きが規制されている。
次に、図3を用いてレギュレータ17の作動に関して説明する。
車両運転中に軸受温度が上昇した場合、昇温によってシール8、9で密封された軸受内部の内圧が上昇し、この内圧上昇に伴ってレギュレータ17の制御部材18が、(a)に示すように、図中上方側に移動する。この制御部材18の移動に伴い、実質的に軸受内部の容積が増え、外部と軸受内部の圧力が略同一になった位置、すなわち、圧力差がなくなった位置で制御部材18が停止する。
一方、車両停止後に軸受温度が下降した場合、運転中に膨張した軸受内部の空気が収縮して内圧が減少し、この内圧減少に伴ってレギュレータ17の制御部材18が、(b)に示すように、図中下方側に移動する。この制御部材18の移動に伴い、実質的に軸受内部の容積が減少し、外部と軸受内部の圧力差がなくなった位置で制御部材18が停止する。
したがって、この制御部材18の移動によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール8、9を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシール8、9の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
図4は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図5は、図4のシール部を示す要部拡大図、図6は、図4のレギュレータ部を示す要部拡大図である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は第3世代と称される従動輪用であって、内方部材23と外方部材24、および両部材23、24間に転動自在に収容された複列の転動体3、3とを備えている。内方部材23は、ハブ輪25と、このハブ輪25に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
外方部材24はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。
ハブ輪25は、アウター側の端部に車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置にハブボルト6aが植設されている。また、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる小径段部4bが形成されている。そして、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成された内輪5が、ハブ輪25の小径段部4bに所定のシメシロを介して圧入され、この小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部25aによって、内輪5が所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。
外方部材24と内方部材23との間に形成される環状空間のアウター側の開口部にはシール26が装着されると共に、インナー側の開口部には保護カバー27が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ハブ輪25はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、内側転走面4aをはじめ車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、加締部25aは鍛造加工後の表面硬さのままとされている。
本実施形態では、車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bに金属環28が嵌着され、シール26は、この金属環28に摺接するように配設されている。シール26は、図5に拡大して示すように、外方部材24のアウター側の端部内周に嵌合される芯金29と、この芯金29に加硫接着等により一体に接合されたシール部材30とからなる。芯金29は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略コの字状に形成されている。
一方、シール部材30は、芯金29の外周部に接合され、径方向外方に傾斜して延びる一対のサイドリップ30a、30bと、芯金29の内縁部に接合され、軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップ30cとを有している。これらのサイドリップ30a、30bおよびグリースリップ30cは、金属環28に摺接されている。
金属環28は、耐食性を有する鋼板、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて形成され、車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bに外嵌される円筒状の嵌合部28aと、円弧状に形成された基部6bに対応して円弧状に形成された湾曲部28bと、この湾曲部28bから径方向外方に延び、車輪取付フランジ6のインナー側の側面6cに密着される円板部28cと、この円板部28cの外径部から車輪取付フランジ6に対して軸方向に離間して延びる円筒状の傘部28dと、この傘部28dから径方向外方に突出して形成された折曲部28eとを備えている。この折曲部28eは、金属環28の剛性を向上させるために設けられたもので、金属環28の寸法・形状精度を高めることができる。
なお、この金属環28は、素材となる鋼板の表面粗さがRa0.2〜0.6の範囲に設定されている。これにより、良好なシール摺接面を得ることができ、リップ摩耗を抑制すると共に、劣悪な環境で使用されても、シール26の密封性能の維持を図ることができる。なお、Raは、JISの粗さ形状パラメータの一つで(JIS B0601−1994)、算術平均粗さのことで、平均線から絶対値偏差の平均値を言う。
基部6bは所定の曲率半径rからなる円弧面に形成されている。そして、この円弧面に対応して、金属環28の湾曲部28bは所定の曲率半径Rからなる円弧面からなり、それぞれの曲率半径R、rがR≧rになるように設定されている。これにより、金属環28を基部6bに嵌合した時に基部6bの円弧面に金属環28の湾曲部28bが干渉して浮き上がるのを防止している。したがって、車輪取付フランジ6の側面6cと金属環28の円板部28cとの間に隙間が生じるのが防止されて両者が密着し、サイドリップ30a、30bのシメシロのバラツキを抑えて安定した密封性を確保することができる。
また、車輪取付フランジ6の側面6cと金属環28のとの間に弾性リップ31が装着されている。これにより、車輪取付フランジ6の側面6cと金属環28の円板部28cとの間から異物が浸入するのを防止して基部6bおよび金属環28の装着部の発錆を長期間に亘って防止することができる。
本実施形態では、金属環28の傘部28dは、外方部材24のアウター側の端部外周に沿って僅かな環状のすきまAを介して対向配置され、ラビリンスシールが構成されている。この環状のすきまAは0.05〜1.0mm(直径)の範囲に設定されている。なお、すきまAが0.05mm未満となると金属環28や外方部材24の寸法バラツキや偏心等により、傘部28dが外方部材24に干渉する恐れがあると共に、1.0mmを超えると泥水等が浸入し易くなるので好ましくない。
このように、傘部28dの内周面と外方部材24の外周面とによって形成されたラビリンス効果により、シール26と金属環28との摺接部に泥水等が浸入するのを防止することができると共に、この僅かな環状のすきまAから金属環28の内部に泥水等が浸入したとしても、金属環28の回転に伴う遠心力によって排出され、サイドリップ30a上に滞留することはない。したがって、泥水等がサイドリップ30aの摺接面に付着して摩耗するのを防止し、長期間に亘って安定した密封性を保持することができる。
一方、外方部材24のインナー側の端部に装着された保護カバー27は、PA66、PA6・12等の合成樹脂材から射出成形によって形成され、さらにCF(カーボンファイバー)からなる強化材が5〜50wt%添加されている。これにより、耐食性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。なお、CFの添加量が5wt%未満では、補強効果が発揮されず、また、50wt%を超えると繊維が異方性を引き起こして密度が高くなり、射出成形時の寸法安定性が低下するので好ましくない。
保護カバー27は、外方部材24の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向外方に突出して形成され、外方部材24のインナー側の端面に密着する鍔部27bと、この鍔部27bから径方向内方に延び、内方部材23のインナー側の端部を塞ぐ底部27cを備えている。そして、保護カバー27の嵌合部27aと鍔部27bの部位に芯金32がインサート成形されている。この芯金32は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によって断面略L字状に形成されている。これにより、前述した実施形態と同様、嵌合部の気密性を向上させることができる。
ここで、本実施形態では、底部27cの所定箇所に装着部33が突出して形成され、この装着部33に外部と連通する通し孔33aが形成されている。そして、通し孔33aにレギュレータ34が嵌挿されている。このレギュレータ34は、図6に拡大して示すように、中実円筒体からなる制御部材18で構成され、この制御部材18は通し孔33aにOリング等からなる弾性部材19を介して摺動自在に嵌挿されている。そして、通し孔33aの開口部には、内径側に突出した鍔部20と、環状溝21が形成され、この環状溝21に装着された止め輪22と鍔部20によって制御部材18の動きが規制されている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、制御部材18によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール26や保護カバー27を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシール26の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
図7は、本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態(図1)と基本的にはレギュレータの配置が異なるだけで、その他を前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は第3世代と称される駆動輪用であって、内方部材1と外方部材2’、および両部材1、2’間に転動自在に収容された複列の転動体3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
外方部材2’はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼からなり、外周に車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。外方部材2’の複列の外側転走面2a、2aと、これらに対向する内方部材1の複列の内側転走面4a、5a間には複列の転動体3、3がそれぞれ収容され、保持器7、7によって転動自在に保持されている。また、外方部材2’と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
ここで、固定側部材となる外方部材2’に径方向に貫通孔35が形成され、この貫通孔35にパイプ36が嵌着されている。本実施形態では、このパイプ36にレギュレータ17が接続されている。このレギュレータ17は中実円筒体からなる制御部材18で構成され、この制御部材18は、固定側部材、例えば、図示しないナックルに形成された通し孔37にOリング等からなる弾性部材19を介して摺動自在に嵌挿されている。そして、通し孔37の開口部に環状溝21が形成され、この環状溝21に装着された止め輪22とパイプ36が接続される底部37aによって制御部材18の動きが規制されている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、制御部材18によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール8、9を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシール8、9の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができると共に、外方部材2’に嵌着されたパイプ36を介してレギュレータ17が接続されているので、外方部材2’の形状やスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
図8は、本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は、前述した第2の実施形態(図4)と基本的にはレギュレータの配置が異なるだけで、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受装置は第3世代と称される従動輪用であって、内方部材23と外方部材24、および両部材23、24間に転動自在に収容された複列の転動体3、3とを備えている。内方部材23は、ハブ輪25と、このハブ輪25に所定のシメシロを介して圧入された内輪5とからなる。
外方部材24と内方部材23との間に形成される環状空間のアウター側の開口部にはシール26が装着されると共に、インナー側の開口部には保護カバー38が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
外方部材24のインナー側の端部に装着された保護カバー38は、非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によってカップ状に形成され、外方部材24の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部38aと、この嵌合部38aから径方向外方に突出して形成され、外方部材24のインナー側の端面に密着する鍔部38bと、この鍔部38bから径方向内方に延び、内方部材23のインナー側の端部を塞ぐ底部38cを備えている。
ここで、本実施形態では、底部38cの所定箇所にパイプ36が接続され、このパイプ36にレギュレータ39が連結されている。このレギュレータ39は中実円筒体からなる制御部材18で構成され、この制御部材18は、固定側部材、例えば、図示しないナックルに形成された通し孔37にOリング等からなる弾性部材19を介して摺動自在に嵌挿されている。そして、通し孔37の開口部に環状溝21が形成され、この環状溝21に装着された止め輪22とパイプ36が接続される底部37aによって制御部材18の動きが規制されている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、制御部材18によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール26と保護カバー38を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールや保護カバー38の密封性能を確保しつつ、また、シール26の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができると共に、保護カバー38のスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
図9は、本発明に係る車輪用軸受装置の第5の実施形態を示す縦断面図、図10は、図9のレギュレータ部を示す要部拡大図、図11(a)、(b)は、図10のレギュレータの作動状態を示す説明図である。なお、この実施形態は、前述した第1の実施形態(図1)と基本的にはレギュレータの構成が異なるだけで、その他を前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、固定側部材となる外方部材2に径方向に貫通された通し孔16が形成され、外部と軸受内部とが連通されている。そして、この通し孔16にレギュレータ40が弾性装着されている。このレギュレータ40は、図10に拡大して示すように、NBR等の合成ゴムやPA66、PA6・12等の合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、薄膜からなるダイヤフラム41によって第1室42aと第2室42bの2室に隔てられた制御部材42を備えている。ここで、制御部材42の第1室42aには軸受内部と連通する通孔42cが形成されると共に、第2室42bには軸受内部と連通する通孔42dが形成されている。
次に、図11を用いてレギュレータ40の作動に関して説明する。
車両運転中に軸受温度が上昇した場合、昇温によってシール8、9で密封された軸受内部の内圧が上昇し、この内圧上昇に伴って制御部材42のダイヤフラム41が、(a)に示すように、図中上方側に膨張する。このダイヤフラム41の膨張に伴い、実質的に軸受内部の容積が増え、外部と軸受内部の圧力差がなくなった時にダイヤフラム41の膨張が止まる。
一方、車両停止後に軸受温度が下降した場合、運転中に膨張した軸受内部の空気が収縮して内圧が減少し、この内圧減少に伴って制御部材42のダイヤフラム41が、(b)に示すように、図中下方側に膨張する。このダイヤフラム41の膨張に伴い、実質的に軸受内部の容積が減少し、外部と軸受内部の圧力差がなくなった時にダイヤフラム41の膨張が止まる。
このように、薄膜からなるダイヤフラム41の膨張によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール8、9を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシール8、9の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができる。
図12は、本発明に係る車輪用軸受装置の第6の実施形態を示す縦断面図、図13は、図12のレギュレータ部を示す要部拡大図である。なお、この実施形態は、前述した第2の実施形態(図4)と基本的にはレギュレータの構成が異なるだけで、その他を前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、保護カバー27の底部27cの所定箇所に装着部33が突出して形成され、この装着部33に外部と連通する通し孔33aが形成されている。そして、通し孔33aにレギュレータ43が嵌挿されている。このレギュレータ43は、合成ゴムや合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、図13に拡大して示すように、薄膜からなるダイヤフラム41によって第1室42aと第2室42bの2室に隔てられた制御部材42を備えている。そして、前述した実施形態と同様、薄膜からなるダイヤフラム41の膨張によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール26や保護カバー27を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールの密封性能を確保しつつシール26の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができる。
図14は、本発明に係る車輪用軸受装置の第7の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は、前述した第3の実施形態(図7)と基本的にはレギュレータの構成が異なるだけで、その他を前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
固定側部材となる外方部材2’に径方向に貫通孔35が形成され、この貫通孔35にパイプ36が嵌着されている。本実施形態では、このパイプ36にレギュレータ43が接続されている。このレギュレータ43は、合成ゴムや合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、薄膜からなるダイヤフラム41によって第1室42aと第2室42bの2室に隔てられた制御部材42を備えている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、薄膜からなるダイヤフラム41の膨張によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール8、9を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シール8、9の密封性能を確保しつつ、また、摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができると共に、外方部材2’に嵌着されたパイプ36を介してレギュレータ43が接続されているので、外方部材2’の形状やスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
図15は、本発明に係る車輪用軸受装置の第8の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は、前述した第4の実施形態(図8)と基本的にはレギュレータの構成が異なるだけで、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態では、保護カバー38の底部38cの所定箇所にパイプ36が接続され、このパイプ36にレギュレータ43が連結されている。このレギュレータ43は、合成ゴムや合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、薄膜からなるダイヤフラム41によって第1室42aと第2室42bの2室に隔てられた制御部材42を備えている。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、制御部材42によって外部と軸受内部との圧力差を吸収することができ、外部と軸受内部との圧力差を常にゼロに保ち、外部からシール26と保護カバー38を通って雨水等が浸入するのを防止して、低コストで、シールや保護カバー38の密封性能を確保しつつ、また、シール26の摺動抵抗を高めることなく低トルク化を図ることができると共に、保護カバー38のスペース等の制約を受けず、設計自由度が向上する。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、シールやカバーによって軸受内部が密封された第2または第3世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
1、23 内方部材
2、2’、24 外方部材
2a 外側転走面
2b 車体取付フランジ
3 転動体
4、25 ハブ輪
4a、5a 内側転走面
4b 小径段部
4c セレーション
5 内輪
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 車輪取付フランジのインナー側の基部
6c 車輪取付フランジのインナー側の側面
7 保持器
8、26 アウター側のシール
9 インナー側のシール
10、14、29、32 芯金
11、15、30 シール部材
11a、15a、30a、30b サイドリップ
11b、15c 中間リップ
11c、15b グリースリップ
12 シール板
13 スリンガ
13a 円筒部
13b 立板部
16、33a、37 通し孔
17、34、39、40、43 レギュレータ
18、42 制御部材
19 弾性部材
20、27b、38b 鍔部
21 環状溝
22 止め輪
25a 加締部
27、38 保護カバー
27a 嵌合部
27c、37a 底部
28 金属環
28a 嵌合部
28b 湾曲部
28c 円板部
28d 傘部
28e 折曲部
31 弾性リップ
33 装着部
35 貫通孔
36 パイプ
41 ダイヤフラム
42a 第1室
42b 第2室
42c、42d 通孔
51 車輪用軸受装置
52 外輪部材
52a 外側転走面
52b 外輪フランジ部
52c インロウ部
53 内輪部材
54 転動体
55 ハブ輪
55a、56a 内側転走面
55b 小径段部
56 内輪
57 軸部
58 ハブフランジ
59 加締部
60 保持器
61 シール部材
62 ボルト挿通孔
63 カバー
64 タイヤ
65 ガス供給経路
65a 車輪側ガス供給経路
65b 第1部分
65c 第2部分
66 供給ガス圧力調整弁
67 カバー側圧力調整弁
A ラビリンスシールのすきま
g ガス
S 転動体配置空間
S’ カバー内部空間

Claims (12)

  1. 外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成された環状空間がシール装置によって密封された車輪用軸受装置において、
    前記各部材のうち固定側部材にレギュレータが内蔵されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記外方部材に径方向に貫通された通し孔が形成され、外部と軸受内部とが連通されると共に、この通し孔に前記レギュレータが装着されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記外方部材に径方向に貫通された貫通孔が形成され、この貫通孔に嵌着されたパイプに前記レギュレータが接続されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記外方部材のインナー側の端部にカップ状の保護カバーが装着され、この保護カバーの底部に通し孔が形成され、外部と軸受内部とが連通されると共に、この通し孔に前記レギュレータが装着されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外方部材のインナー側の端部にカップ状の保護カバーが装着され、この保護カバーの底部にパイプが接続され、このパイプに前記レギュレータが連結されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記保護カバーが合成樹脂材から射出成形によって形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に突出して形成され、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部と、この鍔部から径方向内方に延び、前記内方部材のインナー側の端部を塞ぐ底部を備え、前記嵌合部と鍔部の部位に、プレス加工によって断面略L字状に形成された芯金がインサート成形されている請求項4または5に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記保護カバーが防錆能を有する鋼鈑からプレス加工によって形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に突出して形成され、前記外方部材のインナー側の端面に密着する鍔部と、この鍔部から径方向内方に延び、前記内方部材のインナー側の端部を塞ぐ底部を備えている請求項4または5に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記レギュレータが、中実円筒体からなる制御部材で構成され、この制御部材が前記通し孔に弾性部材を介して摺動自在に嵌挿されると共に、前記通し孔の開口部に、内径側に突出した鍔部または止め輪が装着され、前記制御部材の動きが規制されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記レギュレータが、合成ゴムまたは合成樹脂材からなる弾性部材で形成され、薄膜からなるダイヤフラムによって第1室と第2室の2室に隔てられた制御部材を備え、前記制御部材の第1室に軸受内部と連通する通孔と、前記第2室に外部と連通する通孔がそれぞれ形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  10. 前記車輪取付フランジのインナー側の基部が円弧状に形成され、この基部に鋼板からプレス加工にて形成された金属環が嵌着されると共に、前記シール装置のうちアウター側のシール装置が、前記外方部材の端部内周に嵌合される芯金と、この芯金に一体に接合され、径方向外方に傾斜して延び、前記金属環に摺接されるサイドリップと、軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップとを有するシール部材からなり、前記金属環が耐食性を有する鋼板で形成され、その素材となる鋼板の表面粗さがRa0.2〜0.6の範囲に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  11. 前記金属環が、前記車輪取付フランジの基部に外嵌される円筒状の嵌合部と、前記基部の形状に対応して円弧状に形成された湾曲部と、この湾曲部から径方向外方に延び、前記車輪取付フランジのインナー側の側面に密着される円板部と、この円板部の外径部から車輪取付フランジに対して軸方向に離間して延びる傘部とを備え、この傘部が、前記外方部材のアウター側の端部外周に沿って僅かな環状のすきまを介して対向配置されている請求項10に記載の車輪用軸受装置。
  12. 前記基部が所定の曲率半径rからなる円弧面に形成されると共に、この円弧面に対応して前記金属環の湾曲部が所定の曲率半径Rからなる円弧面に形成され、それぞれの曲率半径R、rがR≧rになるように設定されている請求項11に記載の車輪用軸受装置。
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