JP2011189671A - スクリーン印刷機及びスクリーン印刷機における異物検出方法 - Google Patents

スクリーン印刷機及びスクリーン印刷機における異物検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上の異物の検査に要する作業時間を短縮して生産性の低下を防止でき、更には「基板2枚流し」に起因する印刷不良の発生を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機における異物検出方法を提供すること目的とする。
【解決手段】スキージ14をマスク13に当接させた状態でスキージ昇降軸61をマスク13に対して水平面内に相対移動させることによりスキージ14をマスク13上で摺動させてマスク13上のペーストPstを基板2に転写させつつスキージ昇降軸61の軸方向荷重を測定し、その測定したスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて基板2上の異物Qの検出を行う。
【選択図】図16

Description

本発明は、マスクを介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機及びス
クリーン印刷機における異物検出方法に関するものである。
基板に半田ペースト等のペーストの印刷を行うスクリーン印刷機は、基板の電極に応じたパターン孔が形成されたマスクを電極とパターン孔が上下に一致するよう基板に接触させた後、ペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させてペーストを掻き寄せることにより、マスクのパターン孔を介して電極にペーストを転写させるようになっている(例えば、特許文献1)。
このようなスクリーン印刷機では、スキージは、マスクの上方をマスクに対して水平面内方向に相対移動するスキージベースに取り付けられてマスクに対して昇降するスキージ昇降軸の下端に取り付けられており、スクリーン印刷の実行中、基板の上面に異物があったときにはその異物によってスキージが押し上げられることから、スキージ昇降軸の軸方向荷重(圧縮荷重)が増大して基板に大きな押し付け力が作用し、基板が破損に至るおそれがある。このため従来、基板にマスクを接触させる前に、基板の表面をカメラで撮像して、基板上に異物があるかどうかの検査を行うようにしていた。
特開2000−263754号公報
しかしながら、カメラを用いた異物検査はスクリーン印刷作業とは別個の作業であるうえ、これを基板ごとに行う必要があることから、基板の一枚当たりに要する作業時間が増大して生産性が低下するおそれがあるという問題点があった。また、基板に対する印刷不良が発生する原因の一つとして、複数枚(通常は2枚)の基板が重ねられた状態で搬送されてくるいわゆる「基板2枚流し」があるが、カメラを用いた異物検査では「基板2枚流し」を検出することができず、これに起因した印刷不良基板を防止できないという問題点もあった。
そこで本発明は、基板上の異物の検査に要する作業時間を短縮して生産性の低下を防止でき、更には「基板2枚流し」に起因する印刷不良の発生を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機における異物検出方法を提供すること目的とする。
請求項1に記載のスクリーン印刷機は、基板の上面に接触されるマスクと、マスクに対して昇降されるスキージ昇降軸と、スキージ昇降軸の下端に取り付けられ、マスクに上方から当接した状態でスキージ昇降軸がマスクに対して水平面内方向に相対移動されることによりマスク上で摺動し、マスク上に供給されたペーストを基板に転写させるスキージと、スキージ昇降軸の軸方向荷重の測定を行う荷重測定手段と、スキージがマスク上で摺動されているとき、荷重測定手段により測定されるスキージ昇降軸の軸方向荷重に基づいて基板上の異物の検出を行う異物検出部とを備えた。
請求項2に記載のスクリーン印刷機は、請求項1に記載のスクリーン印刷機であって、前記荷重測定手段は、スキージ昇降軸とスキージの間に介装された弾性体に取り付けられたロードセルから成る。
請求項3に記載のスクリーン印刷機は、請求項1又は2に記載のスクリーン印刷機であって、スキージはマスク上の基板の端部を跨ぐ領域で摺動し、異物検出部は、基板の端部において異物を検出した場合に、基板が複数枚重ねられた状態であると判断する。
請求項4に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法は、基板の上面にマスクを接触させる工程と、マスクに対して昇降されるスキージ昇降軸の下端に取り付けられたスキージをマスクに上方から当接させる工程と、スキージをマスクに当接させた状態でスキージ昇降軸をマスクに対して水平面内方向に相対移動させることによりスキージをマスク上で摺動させてマスク上のペーストを基板に転写させつつスキージ昇降軸の軸方向荷重を測定し、その測定したスキージ昇降軸の軸方向荷重に基づいて基板上の異物の検出を行う工程とを含む。
請求項5に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法は、請求項4に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法であって、スキージ昇降軸の軸方向荷重を、スキージ昇降軸とスキージの間に介装された弾性体に取り付けられたロードセルにより測定する。
請求項6に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法は、請求項4又は5に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法であって、スキージをマスク上の基板の端部を跨ぐ領域で摺動させ、基板の端部において異物を検出した場合に、基板が複数枚重ねられた状態であると判断する。
本発明では、スキージをマスク上で摺動させているときに測定されるスキージ昇降軸の軸方向荷重(圧縮荷重)に基づいて基板上の異物の検出を行うようになっているので、異物検査をスクリーン印刷作業の実行中に行うことができ、基板上の異物の検査に要する作業時間を短縮して生産性の低下を防止することができる。また、スキージをマスク上の基板の端部を跨ぐ領域で摺動させるようにすれば、基板の端部において異物を検出したことをもって基板が複数枚重ねられた状態を発見することができ、「基板2枚流し」に起因する印刷不良の発生を防止することができる。
本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の平面図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の正面図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の側面図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダ及びマスクホルダに設置されたマスクの平面図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるスキージの近傍部分の斜視図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるスキージの近傍部分の正面図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の制御系統を示すブロック図 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷作業の手順を示すメインルーチンのフローチャート 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷作業の手順を示すサブルーチンのフローチャート 本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷作業の手順を示すサブルーチンのフローチャート (a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機におけるマスクのテンションの計測手順の説明図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの正面図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機における異物検出の手順の説明図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機における異物検出の手順の説明図 (a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機におけるスキージの付着ペーストの計測方法の説明図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える基板保持移動ユニットの側面図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1、図2及び図3に示すスクリーン印刷機1は、実装基板生産用の電子部品実装ラインを構成する電子部品実装用装置の一種であり、基板2を搬入してその基板2の表面に設けられた電極3上に半田ペーストや導電性ペースト等のペーストPst(図3参照)を転写するスクリーン印刷を行った後、その基板2を下流側の電子部品実装機(図示せず)等に搬出する動作を連続実行するものである。以下、説明の便宜上、このスクリーン印刷機1における基板2の搬送方向をX軸方向(図1の紙面左右方向)、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向(図1の紙面上下方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向をスクリーン印刷機1の前後方向、X軸方向をスクリーン印刷機1の横(左右)方向とする。更に、前後方向のうち、スクリーン印刷機1のオペレータOP(図1)がスクリーン印刷機1に対して作業を行う側(図1の紙面下方)をスクリーン印刷機1の前方、その反対側(図1の紙面上方)をスクリーン印刷機1の後方とする。
図1、図2及び図3において、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は、基台11上に設けられた基板保持移動ユニット12、基板保持移動ユニット12の上方に設けられた金属製の薄板材料から成るプレート状のマスク13、前後一対のスキージ14及びカメラユニット15を備えている。
図2及び図3において、基板保持移動ユニット12は、水平移動部21、昇降部22、コンベア部23及び基板保持部24から成る。
図2及び図3において、水平移動部21は、Yテーブル駆動モータMyの作動によって基台11に対してY軸方向に移動するYテーブル21a、Xテーブル駆動モータMxの作動によってYテーブル21aに対してX軸方向に移動するXテーブル21b、Xテーブル21bに対してZ軸回りに回転するθテーブル21c、θテーブル21cの上面に固定されたベーステーブル21d及びベーステーブル21dの上面から上方に延びて設けられた複数の昇降テーブルガイド21eから成る。
図2及び図3において、昇降部22は、水平移動部21の複数の昇降テーブルガイド21eにガイドされてベーステーブル21dに対して昇降する昇降テーブル22a及び昇降テーブル22aの上面から上方に延びて設けられた複数の下受けユニット昇降ガイド22bから成る。
図3において、コンベア部23は下受けユニット昇降ガイド22bの上端に取り付けられて昇降テーブル22aとともにベーステーブル21dに対して昇降する前後一対のベルトコンベア支持部材23aと、各ベルトコンベア支持部材23aに支持されてX軸方向に進退動作する前後一対のベルトコンベア23bから成っており、これら前後のベルトコンベア23bが同期して作動することにより、基板2のX軸方向への搬送がなされる。
図2及び図3において、基板保持部24は、コンベア部23が備える前後のベルトコンベア支持部材23aそれぞれの上部にY軸方向に移動自在に設けられた前後一対のクランプ部材24a(図1も参照)、コンベア部23の下方において、下受けユニット昇降ガイド22bにガイドされて昇降する下受けユニット支持テーブル24b及び下受けユニット支持テーブル24bの上面に設けられた下受けユニット24cから成る。下受けユニット24cは、下受けユニット支持テーブル24bとともに昇降テーブル22aに対して昇降することにより、コンベア部23上の基板2を下方から支持する。前後のクランプ部材24aは、前後のベルトコンベア23bによって両端部が支持され、下受けユニット24cによって下面が支持された基板2のY軸方向の両側部を基板2の外方から挟んでクランプする。
図1及び図2において、基板保持移動ユニット12を構成するコンベア部23のX軸方向の両側(基板2の搬送方向の上流側と下流側)の位置には、スクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面左側)から投入された基板2を搬送(搬入)してコンベア部23に受け渡す基板搬入コンベア25と、コンベア部23から受け渡された基板2をスクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面右側)に搬送(搬出)する基板搬出コンベア26が備えられている。
図1及び図2において、基台11上には基板搬入コンベア25及び基板搬出コンベア26をそれぞれY軸方向に跨ぐ一対の門型フレーム28が設けられており、これら一対の門型フレーム28によってマスクホルダ30が支持されている。マスクホルダ30は、門型フレーム28に両端が取り付けられて基板保持移動ユニット12が備える基板保持部24の上方をX軸方向に延びて配置された前後一対のガイド部材31と、一対のガイド部材31上をY軸方向に延びて設けられた左右一対のマスク支持レール32とから成る。マスク13はこのマスクホルダ30が備える左右のマスク支持レール32によって左右両端が支持されて基板保持移動ユニット12の上方に水平姿勢に保持されている(図4も参照)。
図1及び図4において、マスク13は平面視において矩形の枠状部材から成るマスク枠13wによって四辺が支持されており、マスク枠13wによって囲まれた矩形の領域には、基板2上の複数の電極3に対応した多数のパターン孔13aが設けられている。すなわちマスク13は、基板2の電極3の配置に応じて形成された多数のパターン孔13aを有したものとなっている。
図1において、基板2の対角位置には2つ一組の基板側位置決め用マークmkが設けられている。一方、図4において、マスク13には、基板側位置決め用マークmkに対応して配置された2つ一組のマスク側位置決め用マークMKが設けられている。これら基板側位置決め用マークmkとマスク側位置決め用マークMKが上下に合致する状態で基板2をマスク13に接触させると、基板2の電極3とマスク13のパターン孔13aは上下に合致した状態となる。
図1及び図2において、一対の門型フレーム28には、X軸方向に延びたX軸ステージ51の両端部がY軸方向にスライド自在に支持されている。X軸ステージ51上にはカメラ支持ステージ52がX軸方向に移動自在に設けられており、カメラ支持ステージ52には前述のカメラユニット15が取り付けられている。カメラユニット15は、撮像視野を下方に向けた第1カメラ15aと撮像視野を上方に向けた第2カメラ15bを備えている(図3)。
また、図1及び図2において、一対の門型フレーム28にはX軸方向に延びたスキージベース60の両端が支持されており、スキージベース60は門型フレーム28に沿ってY軸方向に往復移動自在となっている。このスキージベース60には前述の前後一対のスキージ14がY軸方向に対向して設けられている。
図5及び図6において、スキージベース60の上面の中央部のY軸方向に対向する位置には2つのボール螺子から成るスキージ昇降軸61が上下方向に延びて設けられている。これら2つのスキージ昇降軸61はそれぞれ、スキージベース60、スキージベース60の上面に設けられた筒状のスキージ昇降軸保持部62及びこのスキージ昇降軸保持部62内でベアリング62a(図6中に示す拡大図参照)によって上下軸回りに回転自在に保持された筒状のナット部材63を上下方向に貫通して延びている。
スキージ昇降軸61とナット部材63は螺合しており、スキージ昇降軸61はナット部材63の上部に固定されたリング状の従動プーリ64を上下方向に貫通して(遊嵌されて)して延びている。
各スキージ昇降軸61の下端は、スキージベース60の下方をX軸方向に延びて設けられたスキージホルダ取り付け部材65の上面に結合されており、スキージホルダ取り付け部材65の下面側には前述のスキージ14が取り付けられている。
スキージホルダ取り付け部材65の上面のスキージ昇降軸61を挟む位置には、一対のガイドロッド66が上下方向に延びて設けられている。これら一対のガイドロッド66はそれぞれスキージベース60及びスキージベース60の上面に設けられた筒状のロッド案内部67を上下方向に貫通して延びている。
各スキージ14はスキージホルダ取り付け部材65の下方をスキージホルダ取り付け部材65と平行に(すなわちX軸方向に)延びて設けられたスキージホルダ70と、スキージホルダ70に上端部が取り付けられてX軸方向に延びた「へら」状のスキージ本体71から成る。
図5及び図6において、スキージベース60の上面には、2つのスキージ昇降軸駆動モータ72が2つのスキージ昇降軸保持部62をX軸方向に挟む位置に設けられている。これら2つのスキージ昇降軸駆動モータ72は駆動軸72aを上方に向けており、各駆動軸72aには駆動プーリ73が取り付けられている。2つの駆動プーリ73のうちの一方と2つの従動プーリ64のうちの一方との間及び2つの駆動プーリ73のうちの他方と2つの従動プーリ64のうちの他方との間にはそれぞれ伝動ベルト74が掛け渡されている。
スキージ昇降軸駆動モータ72の駆動軸72aの回転駆動により駆動プーリ73が回転すると、伝動ベルト74を介して従動プーリ64がその上下軸(この軸はスキージ昇降軸61の上下軸と一致する)回りに回転してナット部材63が従動プーリ64と一体となって回転するので、スキージ昇降軸61がナット部材63に対して(すなわちスキージベース60)に対して昇降する。これにより、スキージ昇降軸61の下端に取り付けられたスキージホルダ取り付け部材65が、一対のガイドロッド66にガイドされてX軸方向に延びた姿勢のまま昇降し、これに伴ってスキージホルダ取り付け部材65に取り付けられたスキージ14も、X軸方向に延びた姿勢を保持したまま、スキージベース60に対して昇降する。なお、マスク13とスキージベース60の上下方向の相対位置は変化しないので、スキージ昇降軸61はマスク13に対して昇降することになる。
上述のように、スキージ昇降軸61の下端はスキージホルダ取り付け部材65の上面に取り付けられているが、スキージ昇降軸61とスキージホルダ取り付け部材65との間には起歪体としての弾性体75が介装されており、この弾性体75には歪みゲージ式のロードセル76が取り付けられている。このためスキージ14を介してスキージ昇降軸61に軸方向荷重(圧縮荷重又は引っ張り荷重)が作用すると、その荷重を受けて弾性変形する弾性体75の歪みがロードセル76によって検出され、スキージ昇降軸61の軸方向荷重として測定される。
本実施の形態におけるスクリーン印刷機1において、基板2の搬送を行う基板搬送路としての基板搬入コンベア25、基板保持移動ユニット12のコンベア部23及び基板搬出コンベア26の各動作は、制御装置80(図7)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路作動機構81(図7)の作動制御を行うことによってなされ、クランプ部材24aによる基板2のクランプ動作は、制御装置80が図示しないアクチュエータ等から成るクランプ部材作動機構82(図7)の作動制御を行うことによってなされる。
基台11に対するYテーブル21aのY軸方向への移動、Yテーブル21aに対するXテーブル21bのX軸方向への移動、Xテーブル21bに対するθテーブル21cの(すなわちベーステーブル21dの)Z軸回りの回転、ベーステーブル21dに対する昇降テーブル22aの昇降、昇降テーブル22aに対する下受けユニット支持テーブル24bの(すなわち下受けユニット24cの)昇降の各動作は、制御装置80が前述のYテーブル駆動モータMyやXテーブル駆動モータMxを含むアクチュエータ等から成る基板保持移動ユニット作動機構83(図7)の作動制御を行うことによってなされる。
カメラユニット15の水平面内での移動動作、すなわち一対の門型フレーム28に対するX軸ステージ51のY軸方向への移動動作及びX軸ステージ51に対するカメラ支持ステージ52のX軸方向への移動動作の各制御は、制御装置80が図示しないアクチュエータから成るカメラユニット移動機構84(図7)の作動制御を行うことによってなされる。
前後のスキージ14をY軸方向に往復移動させるスキージベース60の作動制御は、制御装置80が図示しないアクチュエータ等から成るスキージベース移動機構85(図7)の制御を行うことによってなされる。また、各スキージ14のスキージベース60に対する昇降動作は、制御装置80がスキージベース60の上部に取り付けられた前述の2つのスキージ昇降軸駆動モータ72の作動制御を行うことによってなされる。
カメラユニット15を構成する第1カメラ15aは、制御装置80に制御されて、基板保持移動ユニット12が備える基板保持部24によって保持された基板2の基板側位置決め用マークmkの撮像を行い、第2カメラ15bは、制御装置80に制御されて、マスク13に設けられたマスク側位置決め用マークMKの撮像を行う。第1カメラ15aの撮像によって得られた画像データと第2カメラ15bの撮像によって得られた画像データはともに制御装置80に入力される(図7)。また、各スキージ14に対応して設けられた2つのロードセル76によって測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重の値も制御装置80に入力される(図7)。
次に、図8〜図10のフローチャート及び図11〜図19の説明図を加えてスクリーン印刷機1の動作手順を説明する。ここで、図8はスクリーン印刷機1の動作のメインルーチンのフローチャート、図9及び図10はそのメインルーチンにおけるサブルーチンのフローチャートである。
本実施の形態におけるスクリーン印刷機1では、基板2に対するスクリーン印刷作業を実行する前に、マスクホルダ30に設置したマスク13のテンションの計測を行う(図8のステップST1に示すマスクテンション計測工程)。マスク13のテンションの計測では、制御装置80は、スキージベース移動機構85の作動制御を行って、マスクホルダ30に設置されているマスク13のほぼ中央部の上方に2つのスキージ14の一方を位置決めした後(図11(a)。図9のステップST21に示すスキージ位置決め工程)、そのスキージ14に対応するスキージ昇降軸駆動モータ72を作動させてマスク13に対してスキージ昇降軸61を下降させ(図11(a)中に示す矢印A1)、スキージ14の下縁を、基板2に接触させる前のマスク13の中央部に接触させる(図11(b)。図9のステップST22に示すスキージ接触工程)。
制御装置80は、上記のようにしてスキージ14を基板2に接触させる前のマスク13の中央部に接触させたら、そのマスク13の中央部にスキージ14を接触させたスキージ昇降軸61を下降させて(図11(c)中に示す矢印A2)、マスク13の中央部を押し下げる(図11(c)。図9のステップST23に示すマスク押し下げ工程)。
このマスク押し下げ工程におけるマスク13の中央部の押し下げ量δ(図11(c))は、マスク13が弾性領域内で若干量下方に撓む程度の大きさとする。このマスク13の中央部の押し下げにより、スキージ昇降軸61にはスキージ14及び弾性体75を介してマスク13からの反力を受け、スキージ昇降軸61に軸方向荷重としての圧縮荷重F(図11(c))が作用する。
制御装置80は、上記のようにしてマスク13の中央部を押し下げたら、そのマスク13を押し下げた状態で、スキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)Fの測定を行い(図9のステップST24に示す荷重測定工程)、その測定したスキージ昇降軸61の軸方向荷重Fとマスク13の中央部の押し下げ量δとの関係に基づいて、マスク13のテンションの算出を行う(図9のステップST25に示すテンション算出工程)。このとき制御装置80は、基板2に接触させる前のマスク13の中央部にスキージ14を接触させたスキージ昇降軸61を下降させてマスク13を押し下げた状態で、荷重測定手段としてのロードセル76により測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重Fとマスク13の中央部の押し下げ量δとの関係に基づいてマスク13のテンションの算出を行うテンション算出部として機能する。
制御装置80の記憶部80aには、マスク13が正常なテンションを有している場合に、そのマスク13の中央部を規定の押し下げ量δ0だけ押し下げたときに測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重Fの基準値F0が記憶されており、制御装置80は、実際にマスク13を規定の押し下げ量δ0だけ押し下げたときに測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重の値Fが基準値F0以上であればマスク13のテンションは正常であり、基準値F0を下回っていればマスク13のテンションは非正常であると判断する。
制御装置80は、上記のステップST25でマスク13のテンションの算出を行ったら、ステップST23で下降させたスキージ14を元の位置まで上昇させる(図9のステップST26に示すスキージ上昇工程)。そして、上記の要領で、ステップST25で算出したマスク13のテンションが正常であるか否かの判断を行う(図9のステップST27に示す判断工程)。
制御装置80は、ステップST27において、算出したマスク13のテンションが正常でない(非正常である)と判断した場合には、スクリーン印刷機1の動作を一時中断したうえで、基台11に設けられたディスプレイ装置86(図7)を介した画像表示により、マスク13のテンションが非正常である旨の報知を行う(図9のステップST28に示す報知工程)。この報知を受けたオペレータOPは、マスク13の交換を行って基台11に設けられた動作再開ボタン87(図7)の操作を行うが、制御装置80は、動作再開ボタン87の操作信号の出力に基づいて行う、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたか否かの判断において(図9のステップST29に示す判断工程)、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたと判断したときには、ステップST22に戻ってマスク13のテンションの計測を再実行する。
一方、制御装置80は、ステップST27において、算出したマスク13のテンションが正常であると判断したときには、ディスプレイ装置86を介した画像表示により、マスク13のテンションが正常である旨の報知を行ったうえで(図9のステップST30に示す報知工程)、メインルーチンに戻る。
これにより、マスク13のテンションが非正常な状態のまま(下方撓みが大きいまま)、スクリーン印刷が実行されて不良基板が生産されることが防止される。
制御装置80は、上記の手順によりステップST1のマスクテンション計測工程が終了したら、図示しない検知手段によって、スクリーン印刷機1の上流側に設置された他の装置等(図示せず)から基板搬入コンベア25に基板2が投入されたことを検知したら、基板搬入コンベア25とコンベア部23を連動作動させてスクリーン印刷機1内に基板2を搬入し(図12(a)中に示す矢印B)、更に、図示しない検知手段により、コンベア部23が搬入する基板2が所定の搬送停止位置に到達したことを検知したところでコンベア部23の作動を停止させて、基板2を静止させる(図12(b)。図8のステップST2に示す基板搬入工程)。
制御装置80は、基板2の搬入が終わったら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させたまま、下受けユニット24cを(下受けユニット支持テーブル24bを)昇降テーブル22aに対して上昇させ(図13(a)中に示す矢印C1)、下受けユニット24cの上端が基板2の下面に下方から当接したところで下受けユニット24cの上昇を停止させて(図13(a))、コンベア部23上の基板2の両側部を前後のクランプ部材24aによりクランプする(図13(b)。図中に示す矢印D1)。そして、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させたまま、下受けユニット24cを更に昇降テーブル22aに対して上昇させて、下受けユニット24cで基板2を押し上げる(図14(a)。図中に示す矢印C2)。これにより基板2はY軸方向の両端をクランプ部材24aに対して摺動させながら上昇し(基板2はコンベア部23の両ベルトコンベア23bから上方に離間する)、下受けユニット24cが昇降テーブル22aに対する上昇位置に位置して基板2の上面が両クランプ部材24aの上面とほぼ同じ高さになったところで、制御装置80は、下受けユニット24cの押し上げを停止させる。これにより基板保持部24によって基板2が保持された状態となる(図14(a)。図8のステップST3に示す基板保持工程)。
制御装置80は、上記のようにして基板保持部24による基板2の保持を行ったら、カメラユニット移動機構84の作動制御を行い(X軸ステージ51をY軸方向に移動させるとともに、カメラ支持ステージ52をX軸方向に移動させ)、第1カメラ15aを基板2に設けられた基板側位置決め用マークmkの直上に位置させて、第1カメラ15aに基板側位置決め用マークmkの撮像を行わせる一方、第2カメラ15bをマスク13に設けられたマスク側位置決め用マークMKの直下に位置させて、第2カメラ15bにマスク側位置決め用マークMKの撮像を行わせる。そして、制御装置80は、得られた基板側位置決め用マークmkの画像データから基板2の位置を把握するとともに、得られたマスク側位置決め用マークMKの画像データからマスク13の位置を把握し、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21の作動制御を行って基板保持部24を(したがって基板2を)水平面内方向に移動させ、基板側位置決め用マークmkとマスク側位置決め用マークMKとが上下に対向するようにして、マスク13に対する基板2の水平面内方向の位置決めを行う(図8のステップST4に示す位置決め工程)。
制御装置80は、上記基板2とマスク13の水平面内方向の位置決めが終わったら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して上昇させ(図14(b)中に示す矢印E1)、基板2の被印刷面である上面にマスク13を相対的に接触させる(図14(b)。図8のステップST5に示す基板・マスク接触工程)。これによりマスク13のパターン孔13aと基板2上の電極3とが上下方向に合致した状態となる。
制御装置80は、基板2をマスク13に接触させたら、スクリーン印刷機1の動作を一時中断したうえで、ディスプレイ装置86を介した画像表示により、オペレータOPにペーストの供給を促す。オペレータOPは、現在マスク13上に残っているペーストを目視し、そのペーストの量に基づいてペーストの供給(補充)を行うべきかどうかの判断を行い、ペーストの供給を行うべきと判断したときには、別途用意したペースト供給シリンジ90(図15(a))により、マスク13上にペーストPstの供給を行う。そして、ペーストPstの供給が終わったら、前述の動作再開ボタン87の操作を行う。オペレータOPは、ペーストPstの供給が不要と判断した場合においても、動作再開ボタン87の操作を行う。
制御装置80はステップST5の後、前述の動作再開ボタン87の操作信号の出力に基づいて行う、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたか否かの判断において(図8のステップST6に示す判断工程)、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたと判断したときには、スクリーン印刷機1の動作中断を解除し、2つのスキージ14のうちの一方のスキージ14を下降させて、そのスキージ14の下端を基板2に接触されているマスク13に上方から当接させる(図8のステップST7に示すスキージ当接工程)。なお、このときマスク13に当接させるスキージ14は、スキージベース60が前方のクランプ部材24aの上方に位置しているときには前方のスキージ14(図15における紙面左側のスキージ14)であり、スキージベース60が後方のクランプ部材24aの上方に位置しているときには後方のスキージ14(図15における紙面右側のスキージ14)である。
制御装置80は、スキージ14を下降させてマスク13に当接させたら、スキージベース移動機構85の作動制御を行い、スキージ14をマスク13に上方から当接させた状態で、スキージベース60を(すなわちスキージ昇降軸61を)マスク13に対してY軸方向(すなわち水平面内方向)に相対移動させることによりスキージ14をマスク13上で摺動させ、そのスキージ14でマスク13のパターン孔13a内にペーストPstを充填させることによって、ペーストPstを基板2の電極3上に転写させる。
制御装置80は、スキージ14を移動させている間、ロードセル76によってスキージ昇降軸61の軸方向荷重を測定し、その測定したスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて基板2上の異物の検出を行う。すなわち制御装置80は、スキージ14をマスク13に当接させた状態でスキージ昇降軸61をマスク13に対してY軸方向(水平面内方向)に相対移動させることによりスキージ14をマスク13上で摺動させてマスク13上のペーストPstを基板2に転写させつつスキージ昇降軸61の軸方向荷重を測定し、その測定したスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて基板2上の異物の検出を行う(図8に示すステップST8〜ステップST10に示す転写・異物検出工程)。
この工程において、制御装置80は、スキージ14がマスク13上で摺動されているとき、荷重測定手段としてのロードセル76により測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて基板2上の異物の検出を行う異物検出部として機能する。
本実施の形態におけるスクリーン印刷機1では、図14(b)に示すように、マスク13の基板2との接触領域R1と、その接触領域R1のスキージ13の移動方向(Y軸方向)の両端部に位置するマスク13の基板2との非接触領域R2(クランプ部材24aの上面の領域)を含んだ領域をマスク13上のスキージ移動領域R0としており、制御装置80は、このスキージ移動領域R0上をスキージ14がY軸方向に摺動するようにスキージベース60を移動させる。このためスキージ14は、一方の非接触領域R2から接触領域R1を経て他方の非接触領域R2に至る経路で移動する。
制御装置80は、転写・異物検出工程では、前方のスキージ14については、前方のスキージ14を前方のクランプ部材24aの上面領域に当接させた状態でスキージベース60を後方に移動させ、スキージ14がマスク13上を後方に摺動することによってペーストPstが接触領域R1上でマスク13の後方に掻き寄せられるようにする(図15(b)中に示す矢印F1)。一方、制御装置80は、後方のスキージ14については、後方のスキージ14を後方のクランプ部材24aの上面領域に当接させた状態でスキージベース60を前方に移動させ、スキージ14がマスク13上を前方に摺動することによってペーストPstが接触領域R1上でマスク13の前方に掻き寄せられるようにする(図15(c)中に示す矢印F2)。これによりマスク13のパターン孔13aを介して基板2の電極3上にペーストPstが転写される。
制御装置80は、上記のようにスキージ14をマスク13上で摺動させている間、ロードセル76によって測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)が、記憶部80aに記憶された閾値を上回ったか否かの判断を行う(図8のステップST9に示す判断工程)。そして、測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重が閾値を上回った場合には、基板2上にごみ等の異物(後述するように、基板2枚流しの場合の上側の基板2も含む)があるものとして、スクリーン印刷機1及び基板2の保護のため、スクリーン印刷機1によるスクリーン印刷動作を停止させる(図8のステップST11に示すスクリーン印刷動作停止工程)。
具体的には、制御装置80は、図16に示すように、マスク13の基板2との接触領域R1上でスキージ14を摺動(図16(a),(b)中に示す矢印G1)させていたときのスキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)の測定値が閾値以下のPであったところ(図16(a))、スキージ昇降軸61の軸方向荷重の測定値がP+ΔPに上昇し(図16(b))、その値P+ΔPが閾値を上回った場合に基板2上に異物Qがあると判断する。これによりスキージ14が異物Qを乗り越えてマスク13上を進行することがなく、異物Qによってスキージ14が上方に押し上げられ、過大な押し付け力が基板2に作用して基板2が破損に至る事態が防止される。また、基板2上に異物Qがあった状態のままスクリーン印刷が継続されることがないので、印刷不良の基板2が生産されてしまう不都合も防止される。
また、制御装置80は、図17に示すように、マスク13の基板2との非接触領域R2から基板2との接触領域R1に向かう領域で(すなわち基板2の端部を跨ぐ領域で)スキージ14を摺動(図17(a),(b)中に示す矢印G2)させていたときのスキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)の測定値が閾値以下のPであったところ(図17(a))、スキージ14がマスク13の基板2との接触領域R1に入ろうとするときに閾値を上回るP+ΔPに変化したことを検知し(図17(b))、これにより基板2の端部において異物を検出したような場合には、基板2が複数枚重ねられた状態(基板2枚流しの状態)であると判断し、ステップST11においてスクリーン印刷動作を停止させるとともに、ディスプレイ装置86を介した画像表示により、基板2枚流しの状態が発生した旨をオペレータOPに報知する。このため、基板2枚流しの状態のままスクリーン印刷が実行されて基板2そのものを無駄にしてしまう事態が防止される。
制御装置80は、スキージ14が一方のクランプ部材24aの上面領域から他方のクランプ部材24aの上面領域に達してペーストPstの転写が終了したことを検知したら、スキージ14の(スキージベース60の)移動を停止させ(図8のステップST12に示すスキージ移動停止工程)、スキージ昇降軸61をスキージベース60に対して上昇させてスキージ14をマスク13から離間させる(図8のステップST13に示すスキージ離間工程)。そして、このスキージ14をマスク13から離間させた状態で、ロードセル76によって測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて、スキージ14に付着したペーストPstの量(付着ペースト量)の計測を行う(図8のステップST14に示す付着ペースト量計測工程)。
このステップST14における付着ペースト量計測工程では、制御装置80は、先ず、マスク13に対して上昇された2つのスキージ14それぞれに対応する各ロードセル76により2つのスキージ昇降軸61それぞれの軸方向荷重(引っ張り荷重)を測定する(図10のステップST31に示す荷重測定工程)。そして、測定した各スキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいて、スキージ14に付着したペースト量を算出する(図10のステップST32に示すペースト量算出工程)。このとき制御装置80は、ペーストPstを基板2に転写させた後、スキージ昇降軸61をマスク13に対して上昇させてスキージ14がマスク13から離間した状態で荷重測定手段としてのロードセル76により測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重に基づいてスキージ14に付着したペースト量を算出する付着ペースト量算出手段として機能する。
制御装置80は、上記のようにしてスキージ14に付着したペースト量の算出を行ったら、その算出した付着ペースト量(2つのスキージ14への付着ペースト量の総量)が、記憶部80aに記憶された閾値以下であるか否かの判断を行う(図10のステップST33に示す判断工程)。制御装置80は、付着ペースト量が閾値以下でない(閾値を上回っている)と判断した場合には、スクリーン印刷機1の動作を一時中断したうえで、ディスプレイ装置86を介した画像表示により、スキージ14に付着したペーストPstの剥がし落としが必要である旨の報知を行う(図10のステップST34に示す報知工程)。
例えば、スキージ14をマスク13から離間させているときのスキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)の測定値が、スキージ14にペーストPstが付着していない状態にはWである場合において(図18(a))、スキージ14にペーストPstが付着しているとスキージ昇降軸61の軸方向荷重の測定値はペーストPstの重さΔWの分だけ上昇してW+ΔWとなるが(図18(b))、その値W+ΔWが閾値を上回っている場合には、制御装置80はスキージ14に付着したペーストPstの剥がし落としが必要であると判断する。
オペレータOPは、ディスプレイ装置86に付着したペーストPstの剥がし落としが必要である旨の報知がなされたときには、スキージ14に付着したペーストPstを剥がし落とす作業を行って動作再開ボタン87の操作を行うが、制御装置80は、動作再開ボタン87の操作信号の出力に基づいて行う、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたか否かの判断において(図10のステップST35に示す判断工程)、オペレータOPによって動作再開ボタン87が操作されたと判断したときには、ステップST31に戻って付着ペースト量の計測を再実行する。これにより、オペレータOPは、マスク13上の残存ペースト量の判断を正確に行うことができ、次にスクリーン印刷を行う基板2についてのステップST5の後のペースト供給時において、ペーストPstを追加供給すべきかどうかの適切な判断を行うことができるようになる。
一方、制御装置80は、ステップST33において、計測した付着ペースト量が閾値以下であると判断した場合には、ディスプレイ装置86を介した画像表示により、スキージ14に付着したペーストの剥がし落としは不要である旨の報知を行ったうえで(図10のステップST36に示す報知工程)、メインルーチンに戻る。
制御装置80は、上記の手順により付着ペースト量の計測を行ったら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して下降させ(図19(a)中に示す矢印E2)、マスク13から基板2を離間させる(図19(a))。これにより版離れが行われ、ペーストPstが基板2の電極3上に印刷された状態となる(図8のステップST15に示す版離れ工程)。
制御装置80は、基板2へのペーストPstの印刷が終了したら、クランプ部材24aを作動させて基板2のクランプを解除したうえで(図19(b)中に示す矢印D2)、下受けユニット24cを(下受けユニット支持テーブル24bを)昇降テーブル22aに対して下降させ(図19(c)中に示す矢印C3)、基板2をコンベア部23上に降ろす(図19(c))。これにより基板保持部24による基板2の保持が解除される(図8のステップST16に示す基板保持解除工程)。
制御装置80は、基板2の保持を解除したら、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21を作動させ、基板搬出コンベア26に対するコンベア部23の位置調整を行ったうえで、コンベア部23と基板搬出コンベア26を連動作動させ、コンベア部23上の基板2を基板搬出コンベア26に受け渡してそのまま基板2をスクリーン印刷機1の外部に搬出する(図8のステップST17に示す基板搬出工程)。
制御装置80は、基板2を搬出したら、他にスクリーン印刷を施す基板2があるかどうかの判断を行う(図8のステップST18に示す判断工程)。その結果、他にスクリーン印刷を施す基板2があった場合にはステップST2に戻って新たな基板2の搬入を行い、他にスクリーン印刷を施す基板2がなかった場合には一連のスクリーン印刷作業を終了する。
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1(及びこのスクリーン印刷機1における異物検出方法)では、スキージ14をマスク13上で摺動させているときに測定されるスキージ昇降軸61の軸方向荷重(圧縮荷重)に基づいて基板2上の異物Qの検出を行うようになっているので、異物検査をスクリーン印刷作業の実行中に行うことができ、基板2上の異物の検査に要する作業時間を短縮して生産性の低下を防止することができる。また、スキージ14をマスク13上の基板2の端部を跨ぐ領域で摺動させるようにしているので、基板2の端部において基板2上の異物を検出したことをもって基板2が複数枚重ねられた状態を発見することができ、「基板2枚流し」に起因する印刷不良の発生を防止することができる。
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、スキージ昇降軸61は、スキージベース60に対して昇降するボール螺子から成るものであったが、スキージベース60に取り付けられたエアシリンダの下方に突没自在なピストンロッドから成るものであってもよい。また、上述の実施の形態では、スキージ14は二つ備えられていたが、必ずしも二つ備えられていなくてもよく、ひとつのみ備えられているのであってもよい。
また、上述の実施の形態では、スキージ昇降軸61の軸方向荷重の測定を行う荷重測定手段として、スキージ昇降軸61とスキージ14の間に介装された弾性体75に取り付けられた歪みゲージ式のロードセル76から成るものとしていたが、荷重測定手段の構成は特に限定されない。しかし、荷重測定手段がスキージ昇降軸61とスキージ14の間に介装された弾性体75に取り付けられたロードセル76から成るものである場合、スキージ昇降軸61の軸方向荷重を非常に安価な構成で計測することができるようになり、コストの低減に大きく資することができるという利点がある。
基板上の異物の検査に要する作業時間を短縮して生産性の低下を防止でき、更には「基板2枚流し」に起因する印刷不良の発生を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機における異物検出方法を提供する。
1 スクリーン印刷機
2 基板
13 マスク
14 スキージ
61 スキージ昇降軸
75 弾性体
76 ロードセル(荷重測定手段)
80 制御装置(異物検出部)
Pst ペースト
Q 異物

Claims (6)

  1. 基板の上面に接触されるマスクと、
    マスクに対して昇降されるスキージ昇降軸と、
    スキージ昇降軸の下端に取り付けられ、マスクに上方から当接した状態でスキージ昇降軸がマスクに対して水平面内方向に相対移動されることによりマスク上で摺動し、マスク上に供給されたペーストを基板に転写させるスキージと、
    スキージ昇降軸の軸方向荷重の測定を行う荷重測定手段と、
    スキージがマスク上で摺動されているとき、荷重測定手段により測定されるスキージ昇降軸の軸方向荷重に基づいて基板上の異物の検出を行う異物検出部とを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
  2. 前記荷重測定手段は、スキージ昇降軸とスキージの間に介装された弾性体に取り付けられたロードセルから成ることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷機。
  3. スキージはマスク上の基板の端部を跨ぐ領域で摺動し、異物検出部は、基板の端部において異物を検出した場合に、基板が複数枚重ねられた状態であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーン印刷機。
  4. 基板の上面にマスクを接触させる工程と、
    マスクに対して昇降されるスキージ昇降軸の下端に取り付けられたスキージをマスクに上方から当接させる工程と、
    スキージをマスクに当接させた状態でスキージ昇降軸をマスクに対して水平面内方向に相対移動させることによりスキージをマスク上で摺動させてマスク上のペーストを基板に転写させつつスキージ昇降軸の軸方向荷重を測定し、その測定したスキージ昇降軸の軸方向荷重に基づいて基板上の異物の検出を行う工程とを含むことを特徴とするスクリーン印刷機における異物検出方法。
  5. スキージ昇降軸の軸方向荷重を、スキージ昇降軸とスキージの間に介装された弾性体に取り付けられたロードセルにより測定することを特徴とする請求項4に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法。
  6. スキージをマスク上の基板の端部を跨ぐ領域で摺動させ、基板の端部において異物を検出した場合に、基板が複数枚重ねられた状態であると判断することを特徴とする請求項4又は5に記載のスクリーン印刷機における異物検出方法。
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