JP2011189664A - インク組成物の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク組成物の吐出ヘッドへの適否を判定することができるインク組成物の検査方法を提供する。
【解決手段】本発明のインク組成物の検査方法は、インクジェット式記録ヘッドによって吐出されるインク組成物の検査方法であって、20℃において、前記インク組成物の粘度を測定する工程と、前記インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、前記円柱形部分の前記伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程と、時間t(秒)に対する前記変化率Sを、2次関数によりフィッティングして下記式(1)の型式で表記する工程と、を有する。
S=−at−bt+c ・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物の検査方法に関する。
近年、インクジェット記録方式の印刷において、紫外線等の光硬化型のインク組成物を使用して画像を形成する技術が進展してきた。このような光硬化型のインク組成物を用いることにより、例えば、インクの吸収性の低い記録媒体に対して、発色性、耐候性の高い画像を形成することができる。
光硬化型のインク組成物は、一般に、少なくとも、色材、多官能性のモノマー、および紫外線重合開始剤を含んでおり、これらの種類、含有量、組合せなどを制御することによって、所望の性能が発揮されるように設計される。
一方、インク組成物を、インクジェット式記録ヘッドから、記録媒体に吐出して付着させる方法においては、より精細な画像を形成できることが求められている。そのため、例えば、インクを吐出するノズルの配置の密度を高めること、吐出されるインク組成物の液滴の体積を小さくすることなどが検討されている。
特開2008−179076号公報
ところが、光硬化型のインク組成物の性能を向上させるために、該インク組成物に、粘度の大きい化合物や、オリゴマー、ポリマーといった高分子化合物を配合させる場合がある。このような粘性の大きい化合物を配合する場合には、インク組成物を吐出させるヘッドの吐出能力とのバランスを考慮する必要がある。
このようなインク組成物の開発検討においては、調製したインク組成物が、使用するヘッドに適合するかどうかについて、実際にヘッドを用いて試験して判定することが行われている。したがって、インク組成物の開発検討には、多大な時間や費用が発生していた。
発明者らは、実際のヘッドによる試験を行わなくても、インク組成物の伸張における性質を特徴付けることにより、インク組成物のヘッドへの適否を判定することができることを見出した。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、インク組成物の伸張における性質を特徴付けることにより、吐出ヘッドへの適否を判定することができるインク組成物の検査方法を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかるインク組成物の検査方法の一態様は、
少なくとも重合性化合物および光重合開始剤を含み、インクジェット式記録ヘッドによって吐出されるインク組成物の検査方法であって、
20℃において、前記インク組成物の粘度を測定する工程と、
前記インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、前記円柱形部分の前記伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程と、
時間t(秒)に対する前記変化率Sを、2次関数によりフィッティングして下記式(1)の型式で表記する工程と、
を有し、
前記粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、
下記式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下である場合に前記インクジェット式記録ヘッドに適合すると判定することを特徴とする。
S=−at−bt+c ・・・(1)
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、インク組成物の伸張における性質を特徴付けることにより、実際にインクジェット式記録ヘッドを用いた試験を行うことなく、インクジェット式記録ヘッドへの適否を判定することができる。
[適用例2]
適用例1において、
前記変化率Sは、前記円柱形部分において、伸張開始時点の前記幅を基準とした変化率Sであるようにしてもよい。
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、インクジェット式記録ヘッドへの適否の判定の確度を高めることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、前記式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下であること、かつ、伸張開始時点から前記幅が0となるまでの時間が0.1秒以内であることによって、前記インクジェット式記録ヘッドに適合すると判定するようにしてもよい。
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、インクジェット式記録ヘッドへの適否の判定の確度を高めることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記インクジェット式記録ヘッドの駆動周波数Fが、1kHz以上200kHz以下であることができる。
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、高精細な画像記録が可能なインクジェット式記録ヘッドへの適否の判定を行うことができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、
前記インクジェット式記録ヘッドの前記インク組成物を吐出するノズルの直径は、1μm以上50μm以下であることができる。
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、高精細な画像記録が可能なインクジェット式記録ヘッドへの適否の判定を行うことができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、
前記インクジェット式記録ヘッドは、積層型の圧電素子を有し、縦モードで駆動されるものであることができる。
本適用例のインク組成物の検査方法によれば、高精細な画像記録が可能なインクジェット式記録ヘッドへの適否の判定を行うことができる。
インク組成物の伸張の様子を示す模式図。 測定結果のフィッティングの一例。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお以下の実施形態は、本発明の一例を説明するものである。そのため、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.インク組成物の検査方法
本実施形態のインク組成物の検査方法では、少なくとも重合性化合物および光重合開始剤を含むインク組成物の検査を行う。また、本実施形態のインク組成物の検査方法は、インク組成物の粘度を測定する工程と、インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、前記円柱形部分の前記伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程と、時間t(秒)に対する前記変化率Sを、2次関数によりフィッティングしてS=−at−bt+cの型式で表記する工程と、を有する。
1.1.インク組成物
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物としては、以下に示すものが例示される。
1.1.1.重合性化合物
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物は、重合性化合物を含有する。このような重合性化合物としては、カチオン重合性およびラジカル重合性の少なくとも一方を有するものが挙げられる。インク組成物に含有される重合性化合物は、一分子内にカチオン重合性の官能基およびラジカル重合性の官能基を有してもよい。重合性化合物は、カチオン重合反応およびラジカル重合反応の少なくとも一方によって、重合硬化する特性を有し、その性状としては、モノマー状、オリゴマー状、直鎖状ポリマー状、樹枝状ポリマー状の種を問わず使用することができる。
インク組成物に使用される重合性化合物が有することができるラジカル重合性の官能基としては、二重結合を構造中に有する官能基が挙げられ、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、芳香族ビニル基、アリル基、N−ビニル基、ビニルエステル基(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の構造を有する基など)、アリルエステル基(酢酸アリルの構造を有する基など)、ハロゲン含有ビニル基(塩化ビニリデン、塩化ビニルの構造を有する基など)、ビニルエーテル構造を有する基(メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル構造を有する基など)、シアン化ビニル基((メタ)アクリロニトリルの構造を有する基など)、アルケニル基などが挙げられる。なお、本明細書において、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
上記例示したラジカル重合性の官能基の中でも、エチレン性不飽和二重結合を含む官能基は、重合性が高く、印刷面の硬化速度や硬化性を向上させるためにさらに好ましい。また、このような基は、酸素阻害を受けにくいため、比較的低エネルギーでの硬化が可能となるためより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を含む官能基としては、ビニル基やアリル基が挙げられる。また、重合性化合物は、ラジカル重合性の官能基を複数有することが、反応速度、硬化性の観点からより好ましい。
重合性化合物の具体的な例としては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、アリル化合物、N−ビニル化合物、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど)、アリルエステル類(酢酸アリルなど)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン、塩化ビニルなど)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテルなど)、シアン化ビニル((メタ)アクリロニトリルなど)、オレフィン類(エチレン、プロピレンなど)などが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGD(M)A)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGD(M)A)、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGD(M)A)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、多官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート:以上3官能、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート:以上4官能、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート:以上5官能、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート:以上6官能、等が挙げられる。
さらに、多官能の(メタ)アクリレートとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基を複数有する化合物が挙げられ、例えば、直鎖状の高分子に(メタ)アクリロイル基が複数結合した化合物や、樹枝状ポリマーに(メタ)アクリロイル基が複数結合した化合物を挙げることができる。特に樹枝状ポリマーに(メタ)アクリロイル基が複数結合した化合物の具体例としては、商品名:ビスコート#1000で大阪有機化学工業株式会社から入手可能な化合物が挙げられる。該化合物は、ジペンタエリスルトールをコアとして官能基を分岐させて合成されたハイパーブランチポリマーであり、ポリマー分子の表面付近のアクリロイル基の密度が高いため、重合性化合物としてより好適に用いることができる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
芳香族ビニル類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
アリル化合物は、2−プロペニル構造(−CHCH=CH)構造を有する。2−プロペニル基は、アリル基とも呼ばれ、IUPAC命名法では慣用名とされている。アリル化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、アリルグリコール、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルや、ユニオックス、ユニループ、ポリセリン、ユニセーフの商品名であるアリル基を有するポリオキシアルキレン化合物(日油株式会社から入手可能)等が挙げられる。
N−ビニル化合物は、ビニル基が窒素に結合した構造(>N−CH=CH)を有する。N−ビニル化合物は、ラジカル重合性を有する。N−ビニル化合物の具体例としては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、およびそれらの誘導体が挙げられ、これらの化合物の中でも特にN−ビニルホルムアミドが好ましい。N−ビニルホルムアミドは、例えば、荒川化学工業株式会社から入手することができる。
インク組成物に使用される重合性化合物が有することができるカチオン重合性の官能基としては、エポキシ環(芳香族エポキシ基、脂環式エポキシ基の構造を有する基など)、オキセタン環、オキソラン環、ジオキソラン環、およびビニルエーテル構造、およびこれらの構造を有する官能基が挙げられる。エポキシ環については、芳香族系および脂環系が硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシ環が好ましい。また、重合性化合物は、カチオン重合性の官能基を複数有することが、反応速度、硬化性の観点からより好ましい。
カチオン重合性を有する重合性化合物の具体例としては、カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物等が挙げられ、より具体的には、オキセタンアクリレート、オキセタンメタクリレート、1,3−ジオキソラン系(メタ)アクリレート、エポキシ化合物の(メタ)アクリル変性体、などが挙げられる。これらのうち、オキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本実施形態にも好適に使用しうる。
インク組成物に含有される重合性化合物の含有量は、インク組成物全体に対して5質量%以上95質量以下が適当であり、好ましくは、7質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは、10質量%以上80質量%以下の範囲である。
1.1.2.重合開始剤
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物は、重合開始剤を含有する。重合開始剤としては、光を受けることによって、重合性化合物の重合における活性種を生じる光重合開始剤とすることができる。
光によってラジカルを発生する光重合開始剤は、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、Bruce M. Monroeら著、Chemical Review,93,435(1993)や、R.S.Davidson著、Journal of Photochemistry and biology A:Chemistry,73.81(1993)や、J.P.Faussier“Photoinitiated Polymerization−Theory and Applications”:Rapra Review vol.9,Report,Rapra Technology(1998)や、M.Tsunooka et al.,Prog.Polym.Sci.,21,1(1996)に多く記載されている。また、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」(ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が多く記載されている。さらには、F.D.Saeva,Topics in Current Chemistry,156,59(1990)、G.G.Maslak,Topics in Current Chemistry,168,1(1993)、H.B.Shuster et al,JACS,112,6329(1990)、I.D.F.Eaton et al,JACS,102,3298(1980)等に記載されているような、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、酸化的もしくは還元的に結合解裂を生じる化合物群も使用できる。
好ましい光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)ボレート化合物、(g)アジニウム化合物、(h)メタロセン化合物、(i)活性エステル化合物、(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(k)アシルフォスフィンオキサイド系の化合物等が挙げられる。
(a)芳香族ケトン類の好ましい例としては、α−チオベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、α−置換ベンゾイン化合物、ベンゾイン誘導体、アロイルホスホン酸エステル、ジアルコキシベンゾフェノン、ベンゾインエーテル類、α−アミノベンゾフェノン類、p−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、チオ置換芳香族ケトン、アシルホスフィンスルフィド、アシルホスフィン、チオキサントン類、クマリン類等を挙げることができる。
(b)芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V、VI及び、VII族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、またはIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、スルホニウム塩類、ジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等で、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)等の化合物が好適に使用される。
(c)「有機過酸化物」としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、3,3’4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(d)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(e)ケトオキシムエステルとしては3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
光重合開始剤の例である(f)ボレート塩としては米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例である(g)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
光重合開始剤の例である(h)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等を挙げることができる。
(i)活性エステル化合物の例としては、ニトロベンズルエステル化合物、イミノスルホネート化合物、等が挙げられる。
(j)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、Vicure 10、30(Stauffer Chemical社製)、Irgacure 127、184、500、651、2959、907、369、379、754、1700、1800、1850、819、OXE01、Darocure 1173、ITX(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Quantacure CTX(Aceto Chemical社製)、Kayacure DETX−S(日本化薬社製)、ESACURE KIP150(Lamberti社製)の商品名で入手可能な化合物を挙げることができる。
(k)アシルフォスフィンオキサイド系の化合物の好ましい例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが挙げられ、Darocure TPOの商品名でチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から入手可能な化合物が挙げられる。
インク組成物に含有される重合開始剤の含有量は、インク組成物全体に対して、1質量%以上20質量%以下含まれることが好ましく、3質量%以上15質量%以下含まれることがより好ましい。上記範囲とすることにより、硬化後のインク組成物の機械的強度を低下させることなく硬化性を保持する効果を奏する。光重合開始剤は、照射される光に感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
1.1.3.その他の成分
1.1.3.1.色材および分散剤
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物は、色材および分散剤を含有することができる。
この場合、色材としては、顔料および染料が挙げられ、通常のインクに使用することのできる色材を特に制限なく用いることができる。
インク組成物に使用可能な染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
インク組成物に使用可能な顔料としては、無機顔料、有機顔料を挙げることができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、C.I.ピグメントブラック7、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal 400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、Color Black S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213、およびCHROMOPHTAL YELLOW LA2(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19、およびHostaperm Pink E02(クラリアントジャパン株式会社製)等が挙げられる。
さらに、シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22、およびTGR−SD(DIC株式会社製)が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト6等が挙げられる。
インク組成物に色材を含有させる場合、色材を複数含有するものであっても良い。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加えることができる。すなわち、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックを含有させることが例示できる。
インク組成物に顔料を含有させる際には、顔料はその平均粒径が10nm以上200nm以下の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50nm以上150nm以下程度のものである。本実施形態のインク組成物に色材を含有させる場合は、色材の添加量は、0.1質量%以上25質量%以下程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上15質量%以下程度の範囲である。
また、インク組成物に顔料を含有させる場合には、分散剤または界面活性剤で媒体中に分散させて得られた顔料分散液を用いることができる。さらに、インク組成物に顔料を含有させる際には、これらの顔料と、分散剤または界面活性剤を含有させることができる。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。
分散剤としては、通常のインクにおいて用いられている任意の分散剤を用いることができる。分散剤としては、有機溶媒の溶解度パラメーターが8〜11であるときに有効に作用する分散剤を用いるのが好ましい。こうした分散剤としては市販品を利用することが可能であり、その具体例としてはヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000EL(武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、solsperse13940、20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200(ルーブリゾール株式会社製)、disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(ビック・ケミー社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(EFKAケミカルズ社製)の単独、または混合したものを挙げることができる。
インク組成物に分散剤を含有させる場合の含有量としては、インク組成物中の色材(特には顔料)の含有量に対して、5質量%以上200質量%以下、好ましくは30質量%以上120質量%以下であり、分散すべき色材によって適宜選択するとよい。
1.1.3.2.添加剤
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物には重合促進剤を含有させても良い。重合促進剤としては、特に限定されないが、Darocur EHA、EDB(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、インク組成物には、熱ラジカル重合禁止剤を含有させてもよい。これにより、インク組成物の保存安定性を向上させることができる。熱ラジカル重合禁止剤の具体例としては、メチルエーテルハイドロキノン(MEHQ)(関東化学株式会社製)、Irgastab UV−10、UV−22(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
さらにインク組成物には、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性又は非イオン系のいずれも用いることができ、例えばシリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることが可能で、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることもできる。界面活性剤の具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、UV−3500(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を挙げることができる。界面活性剤を配合する場合の好ましい添加量としては、インク組成物中0.5質量%以上4.0質量%以下である。
さらに、インク組成物は、一般的なインクに使用し得る、公知公用の成分を含有することができる。そのような成分としては、例えば、酸化防止剤、湿潤剤、浸透溶剤、pH調整剤、防腐剤、防かび剤、密着付与剤等が挙げられる。
酸化防止剤としてはBHA(2,3−ブチル−4−オキシアニソール)、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)等が例示され、好ましい添加量は、インク組成物中0.01質量%以上3.0質量%以下である。インク組成物に密着付与剤が添加されると、インク組成物の記録媒体への密着性をより高めることができる。密着付与剤としては、アミノアクリレート類が好適であり、具体例としては、EBECRYL7100、8402(ダイセルサイテック株式会社製)などを挙げることができる。
またさらに、本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、紫外線吸収剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を含有することができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系化合物、またはベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。紫外線吸収剤を含有させると、例えば、記録物の耐光性などを向上させることができる。紫外線吸収剤を含有させる場合の好ましい添加量としては、インク組成物中0.01質量%以上0.5質量%以下である。
1.2.インク組成物の硬化
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物は、少なくとも上記重合性化合物および上記重合開始剤を含有する。そのためインク組成物は、必要に応じて、光を照射することにより硬化されることができる。照射する光としては、例えば、400nm〜200nmの範囲の紫外線、可視光、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、またはX線等の電磁波、および電子線、α線等の粒子線が挙げられる。光の照射光源は、特に制限されない。
光として紫外線を用いる場合は、インク組成物への紫外線の照射量は、10mJ/cm以上、20,000mJ/cm以下であり、また好ましくは50mJ/cm以上、15,000mJ/cm以下の範囲で行う。紫外線照射量が、上記範囲内となるようにすれば、十分に重合性化合物の硬化反応を行うことができる。
光として紫外線を用いる場合、紫外線の照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ、Integration社製のSubZero 055等の市販されているものを用いて行うことができる。また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子によっても、紫外線照射を行うことができる。
光の照射は、例えば、インクジェット式記録装置を用いて該装置内で行われてもよいし、照射装置を備えていないインクジェット式記録装置によってドット群を形成した後、他の照射装置を用いて行われてもよい。
1.3.インクジェット式記録ヘッド
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインク組成物は、本実施形態のインク組成物の検査方法において適合すると判定された場合に、インクジェット式記録ヘッドによって安定に吐出される。そして典型的には記録媒体に付着され、画像等を形成するために使用される。
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインクジェット式記録ヘッドとしては、特に限定されないが、例えば、インクジェット式記録装置に搭載され、記録媒体上にインク組成物を吐出し、記録媒体上に付着させてドット群を形成するものが挙げられる。
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインクジェット式記録ヘッドを含むインクジェット式記録装置の記録方式としては、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式(ピエゾ方式)、インク液を印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
これらのうちピエゾ方式は、さらに分類が可能であり、薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを備えたものと、積層型のインクジェット式記録ヘッドを備えたものに分類することができる。薄膜型のインクジェット式記録ヘッドは、いわゆるユニモルフ型の圧電アクチュエーターを含み、当該圧電アクチュエーターの変位によって、インク組成物をノズルから吐出させる態様のものである。一方、積層型のインクジェット式記録ヘッドは、積層型の圧電素子のd31モードの駆動により、ノズルに連通する圧力室の壁を押してノズルから吐出させる態様のものである。後者のインクジェット式記録ヘッドは、圧電素子が圧力室の壁を押すことから、縦モードのインクジェット式記録ヘッドとも称される。
本実施形態のインク組成物の検査方法の対象となるインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置としては、上記のインクジェット式記録ヘッド、本体、トレイ、ヘッド駆動機構、キャリッジなどを備えたものを例示できる。インクジェット式記録ヘッドには、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの少なくとも4色のインクセットを収容するインクカートリッジを備えて、フルカラー印刷ができるように構成されてもよい。本実施形態のインク組成物の検査方法は、これらのインクカートリッジの少なくとも1つに、上述のインク組成物を充填し設置したときに、安定な吐出が可能であるかどうかを判定するものである。
インクジェット式記録装置は、内部に専用のコントロールボード等を備えており、インクジェット式記録ヘッドのインクの吐出タイミングおよびヘッド駆動機構の走査を制御することができる。
なお、インクジェット式記録装置に、光の照射を行うことができる機構が備えられているものは、重合性化合物および重合開始剤を含むインク組成物を硬化させるために、より好適に用いることができる。そのような装置としては、例えば、インクジェット式記録装置内のキャリッジ側面に搭載された紫外線照射装置を例示することができる。
なお、上記縦モードのインクジェット式記録ヘッドは、インク組成物の吐出力を比較的大きくすることができるため、印字位置のズレや、サテライト等の影響のさらに少ない高品質の画像を高速に形成することができる。他方、薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを用いる場合には、比較的高速な動作が可能であるため、より高精細な、印字位置のズレや、サテライト等の影響のさらに少ない高品質の画像を高速に形成することができる。
また、上記例示した静電吸引方式、ピエゾ方式、およびサーマルジェット方式のいずれのインクジェット式記録ヘッドにおいても、その駆動周波数Fは、1kHz以上200kHz以下である場合は、記録媒体上に、印字位置のズレや、サテライト等の影響の少ない高品質の画像を高速に形成することができる。
なお、インクジェット式記録ヘッドの駆動周波数Fとは、インクジェット式記録ヘッドに対して印加される電圧の周波数に対応する。この電圧の波形は、単純な正弦波である場合や、複数の波を重畳させた形状である場合がある。そのため、本明細書では、駆動周波数Fとは、一つのノズルからインク組成物の液滴を2回吐出させるために必要な最も短い時間の逆数と定義する。換言すると、駆動周波数Fは、1つのノズルから、1秒間に吐出可能な液滴の個数に相当する。
さらに、上記例示した静電吸引方式、ピエゾ方式、およびサーマルジェット方式のいずれのインクジェット式記録ヘッドにおいても、そのノズルの直径は、1μm以上50μm以下である場合には、記録媒体上に、より高精細な画像を形成することができる。
また一般に、20℃における粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であるインク組成物は、40℃における粘度は、10mPa・s以上15mPa・s以下であることが多い。インク組成物の粘度は、インク組成物に配合される各成分の配合量、分子量、分子構造、および分子間相互作用などに基づいて制御される。インク組成物の20℃における粘度が、上記範囲内にあれば、加熱装置を備えるインクジェット記録ヘッドにより、20℃以上に加熱することができ、インク組成物の粘度をより低くすることができ、例えば目安として、40℃におけるインク組成物の粘度が10mPa・s以上15mPa・s以下となりやすく、インクジェット記録ヘッドによって良好にインク組成物を吐出させることができる。なお、インクジェット記録ヘッドによってインク組成物を吐出させる温度は、20℃より高くすれば20℃の粘度よりインク組成物を低粘度として吐出を良好にできるものであるが、40℃は目安でありこの温度に限るものではない。また、吐出が可能であれば、20℃や20℃以下でも構わない。
以上例示したインクジェット式記録ヘッドは、いずれも本実施形態のインク組成物の検査方法において、インク組成物が適合するかどうかを判定する対象とすることができる。
1.4.インク組成物の粘度を測定する工程
本実施形態のインク組成物の検査方法は、20℃における粘度を測定する工程を有する。本工程は、一般的な方法によって行うことができる。例えば、本工程は、キャピラリー型の粘度計、振動型の粘度計、キャノンフェンスケ粘度計、オストワルド粘度計、流速型粘度計などを用いて行うことができる。そして、測定された粘度は、単位「mPa・s」によって表記される。
1.5.インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、円柱形部分の伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程
本実施形態のインク組成物の検査方法は、インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、円柱形部分の伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程を有する。本工程は、例えば、レーザー光および試料を介して該レーザー光に対向して配置された該レーザー光の検出器を用いて、インク組成物の伸張とともに円柱形部分の幅を測定する方法により行うことができる。また、幅を時間tに対して測定する方法としては、光学的な方法に限らず、電気的な方法や、高速度カメラ等を用いる方法によっても行うことができる。これらの方法のうち、市販の伸張粘度計を用いると、幅を時間tに対して測定することが容易となる。
ここで、インク組成物が伸張するとは、インク組成物の液塊に引っ張りの変位を加えることを意味する。そして、円柱形部分とは、伸張されたインク組成物が2つの液塊に分離されつつあるときに、当該2つの液塊の間に形成される連続したインク組成物の部分のことを指す。また、自由表面とは、固体に接触していない表面のことを指し、主に表面張力の作用に基づいて形状が決定される表面のことを指す。したがって、インク組成物が伸張された際には、2つの液塊の間に形成される連続したインク組成物の部分が自由表面となるため、当該部分は、円柱形、または円柱の中央部がくびれた形状(円柱の中央部の太さが他の部分よりも細い形状)となる。
また、円柱形部分の幅とは、円柱形部分の伸張方向に対して垂直な方向の幅を指し、円柱形部分がくびれを有する場合には、最も細い部分の幅を指す。なお、円柱形部分は上記のとおり自由表面となっており、伸張方向に直交する断面は、円形に非常に近いため、伸張方向に直交する方向から見た場合には、いずれの方向から見ても幅を測定することができる。さらに、時間tの単位は、上記式(1)において「秒」である。時間tの0点は、インク組成物が伸張され2つの液塊に分離される間に設定される。
幅の変化率Sは、インク組成物が伸張され2つの液塊に分離される間の特定の時点における幅に対する各時点における幅の比であり、例えば、百分率で表される。幅は、測定方法に依存するが、例えば、100μm以上1cm以下とすることが好ましい。
1.6.時間t(秒)に対する変化率Sを、2次関数によりフィッティングしてS=−at−bt+cの型式で表記する工程
本実施形態のインク組成物の検査方法は、時間t(秒)に対する変化率Sを、2次関数によりフィッティングしてS=−at−bt+cの型式で表記する工程を有する。本工程は、上記工程で得られた幅の時間に対する変化率Sを、例えば、計算機に入力して、計算させることにより行うことができる。
ここで、時間tに対する変化率Sを2次関数によりフィッティングするとは、上記の工程で得られた変化率Sおよび時間tについて、最小二乗法によって最も近似的に記述される2次関数を求めることに相当する。そして、得られた2次関数を、S=−at−bt+cの型式で表現し、a,b,cのそれぞれの値が得られる。
なお、フィッティングにおいて、時間tの原点(0点)として、円柱形部分の幅が特定の条件を満たす程度に十分に小さくなった時点を設定すると、2次関数のフィッティングの精度を向上させることができる。これは、インク組成物が伸張されて、円柱形部分の幅が特定の値よりも小さくなることにより、当該円柱形部分におけるインク組成物の流れが一次元的になる(伸張流動状態)ためである。
さらに、フィッティングの結果、2次関数のX切片(幅が0)のときの時間ts(秒)を求めることができる。そのため、例えば、伸張が開始された時点、または円柱形部分におけるインク組成物の流れが一次元的になる(伸張流動状態)になった時点から、幅が0となるまでの時間tsを求めることができる。
1.7.判定
本実施形態のインク組成物の検査方法では、上記工程で求められた粘度、および、a,b,cの値について、粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、aが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下である場合にインクジェット式記録ヘッドに適合すると判定する。適合判定は、計算機等により行われてもよいし、人間が判定してもよい。
また、適合するとの判定の条件として、伸張開始時点から前記幅が0となるまでの時間が0.1秒以内であることを付加してもよい。このようにすれば、インクジェット式記録ヘッドへの適否の判定の確度を高めることができる。
1.8.作用効果等
本実施形態のインク組成物の検査方法によれば、インク組成物の伸張における性質を特徴付けることにより、実際にインクジェット式記録ヘッドを用いた試験を行うことなく、簡便にインクジェット式記録ヘッドへの適否を判定することができる。そして本実施形態のインク組成物の検査方法によって、適合と判定されたインク組成物は、円柱形部分の幅が小さくなる速度が十分に大きいため、インクジェット式記録装置のインク吐出ヘッドから、安定に吐出させることができる。したがって、印字位置のズレや、サテライト等の影響の少ない高品質の画像を提供することができる。
2.実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例では、複数のインク組成物を準備し、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターPX−G5100によって、安定かつ高精細な印字が可能であるかどうかについての判定を行った。
2.1.インク組成物
実施例のためのインク組成物AないしNを調製した。各組成物の組成、および配合は、表1にまとめて記載した。
表1中、各成分の詳細は、次の通りである。
<単官能モノマー>
・V#192(大阪有機化学工業株式会社製):フェノキシエチルアクリレート
・FA−512AS(日立化成工業株式会社製):ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
・FA−512AS(日立化成工業株式会社製):ジシクロペンテニルアクリレート
・ビニルカプロラクタム(BASFジャパン株式会社製)
<2官能モノマー>
・DPGDA(新中村化学工業株式会社製):ジプロピレングリコールジアクリレート
・TPGDA(大阪有機化学工業株式会社製):トリプロピレングリコールジアクリレート
・TEGDA(大阪有機化学工業株式会社製):トリエチレングリコールジアクリレート
・A−DCP(米国サートマー社製):ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート
<その他成分;密着付与剤>
・EBECRYL7100(ダイセルサイテック株式会社):アミノアクリレート系
・EBECRYL8402(ダイセルサイテック株式会社):アミノアクリレート系
<その他成分;熱重合禁止剤>
・MEHQ(関東化学株式会社製):メチルエーテルハイドロキノン
<その他成分;界面活性剤>
・UV3500(ビッグケミー株式会社製):ポリジメチルシロキサン系界面活性剤
<重合開始剤>
・Irgacure819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):光ラジカル重合開始剤
・DarocureTPO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):光ラジカル重合開始剤
・DETX(日本化薬株式会社製):ジエチルチオキサントン
<その他成分;色材および分散剤>
・C.I.ピグメントブルー15:4(DIC株式会社製):シアン顔料
・PEA(第一工業製薬社製):ポリオキシアルキレン付加ポリアルキレンアミン
なお、色材および分散剤は、PEAに対して顔料が分散された顔料分散液として配合され、顔料分散液中のシアン顔料の含有量は、15質量%である。
各実施例および各比較例の組成物は、表1に示した成分がそれぞれ表1に示した配合量となるように混合かつ完全に溶解し、さらに常温で30分間混合攪拌して調製した。その後、5μmのメンブランフィルターでろ過した。なお、表1では、各成分の配合量は質量部として記載されている。
2.2.インク組成物の特徴付け
2.2.1.粘度
また、表1には準備したインク組成物全てについて、20℃にて測定した粘度を併記した。粘度測定は日本シーベルヘグナー株式会社製MCR−300測定器を用いて行った。
2.2.2.伸張粘度計
各インク組成物について、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、円柱形部分の伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定した。当該測定に用いた装置は、伸張粘度計であり、サーモハーケ社製;型名:CaBER 1;伸張粘度計を用いた。
20℃における粘度は、表2に示したが、いずれのインク組成物についても、25mPa・s以上35mPa・s以下の範囲内であった。
2.2.3.フィッティング
以下のようにして、各インク組成物を伸張し、上記式(1)のa,b,cを求めた。図1は、インク組成物を伸張する様子の模式図である。
装置の要部は、図示のように、対向して配置された一対の円柱形の治具10、および、治具10が対向する方向に直交する方向に設置され、互いに対向するレーザー光源12および検出器14を含んでいる。治具10の直径は、例えば、1mm以上10mm以下である。本実施例では治具10の直径を6mmとした。
まず、図1(a)で示すように、一対の治具10を特定の間隔L0を有して配置する。本実施例では間隔L0は1mmとした。次に、図中bで示すように、インク組成物20を配置する。次に、図1(b)で示すように、治具10の間の間隔を特定の大きさまで広げる。このときの治具10の移動速度は、例えば、0.01m/s以上1m/sである。本実施例では、0.05m/sとした。広げた後の治具10の間の間隔L1は、本実施例では、4mmとした。すなわち、本実施例では、間隔L0から間隔L1に広がる間の時間は60msとした。
一対の治具10が離間する際には、レーザー光源12および検出器14によって、インク組成物20の幅Dが測定される。測定された幅Dは、当該装置に付属する解析ソフトによって、時間に対する幅Dのプロットとして出力されることができる。また、特定の時点における幅Dを基準とした幅の変化率Sについても当該装置に付属する解析ソフトによって、時間に対する変化率Sのプロットとして出力されることができる。
本実施例では、治具10の間隔を広げる前の幅Dの値に対する幅の変化率Sのプロットを採用し、付属の解析ソフトによって、2次関数によるフィッティングを行った。本実施例では、最小2乗法によるフィッティングを行った。そしてその結果を上記式(1)の型式で表記させて、a,b,cの値を得た。なお、本実施例では、幅Dが治具10の間隔を広げる前の値のおよそ20%〜25%(すなわち、1.5mm程度)となった時点を時間tの原点としてフィッティングした。
上記のようなフィッティングの一例として、図2には、インク組成物Aについて、フィッティングを行った結果を示すグラフを例示する。横軸は時間t(秒)、縦軸は幅Dの変化率Sを示している。
以上のようにして得られた各インク組成物のa,b,cの値を、表2に示す。また、上記装置によれば、一対の治具10を離間させる時点から、組成物20が破断するまでの時間ts(秒)についても同時に測定することが可能であり、各インク組成物の時間tsについても表2に併記した。
表2に示すように、インク組成物AないしHは、いずれもaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下であった。これに対して、インク組成物IないしNは、いずれもaが800未満であり、インク組成物I、J、およびNではcが0.22を超えていた。なお、インク組成物20が破断するまでの時間ts(秒)については、全てのインク組成物について、いずれも0.1秒以内の値となっていた。また、インク組成物EおよびFについては、時間tsは、0.01秒以下であった。
2.3.判定
上記特徴付けの結果から、インク組成物AないしHは、20℃における粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下であった。他方、インク組成物IないしNは、20℃における粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であったが、式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下とはならなかった。
したがって、本実験例においては、インク組成物AないしHにつき、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターPX−G5100に適合するものと判定し、表2に「○」を記載した。他方、インク組成物IないしNは、同プリンターに不適合と判定し、表2に「×」を記載した。
2.4.印字評価
上記判定結果を確かめるために、各インク組成物をセイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターPX−G5100のブラック列に導入した。そして、記録媒体(A4サイズにカットした塩化ビニルシート(ローランドディージー株式会社製SPVC−G−1270T)に組成物を吐出して付着させ、印刷を行った。印刷画像としては、テストパターンとした。
得られたパターンを光学顕微鏡により観察し、サテライトの有無を評価した。サテライトが認められないものを「○」、サテライトが認められるものを「×」として、表2に併記した。なお、サテライトの認められるものは、吐出の際に、ミストを生じていると考えられる。
表2をみると、上記判定で適合と判定されたインク組成物AないしHは、サテライトが認められなかった。一方、上記判定で適合しないと判定されたインク組成物IないしNは、いずれもサテライトが認められた。
以上のように、実施例で示したインク組成物の検査方法は、20℃における粘度、および、上記式(1)のa,b,cの値の範囲についての判定を行うことで、インク組成物が、インクジェット式記録装置のインク吐出ヘッドから、安定に吐出させることができ、サテライト等の少ない高品質の画像を形成することができるか否かを、実際にインクジェット式記録ヘッドによる印字を行うことなく、簡便に検査できることが判明した。
なお、本実施例では、インク組成物のセイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターPX−G5100に対する適否を判定したが、上記「1.3.インクジェット式記録ヘッド」で例示した範囲のインクジェット式記録ヘッドを有するプリンターにおいても、ノズルからインク組成物を吐出する機構を有する限り、本発明にかかるインク組成物の検査方法を適用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…治具、12…レーザー光源、14…検出器、20…インク組成物、L0,L1…間隔、D…幅

Claims (6)

  1. 少なくとも重合性化合物および光重合開始剤を含み、インクジェット式記録ヘッドによって吐出されるインク組成物の検査方法であって、
    20℃において、前記インク組成物の粘度を測定する工程と、
    前記インク組成物を、伸張方向に平行な表面が自由表面となるように伸張して円柱形部分を形成し、前記円柱形部分の前記伸張方向に垂直な方向の幅の時間に対する変化率Sを測定する工程と、
    時間t(秒)に対する前記変化率Sを、2次関数によりフィッティングして下記式(1)の型式で表記する工程と、
    を有し、
    前記粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、
    下記式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下である場合に前記インクジェット式記録ヘッドに適合すると判定することを特徴とするインク組成物の検査方法。
    S=−at−bt+c ・・・(1)
  2. 請求項1において、
    前記変化率Sは、前記円柱形部分において、伸張開始時点の前記幅を基準とした変化率Sであることを特徴とするインク組成物の検査方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記粘度が25mPa・s以上35mPa・s以下であり、かつ、前記式(1)のaが800以上、bが7.4以上14以下、cが0.16以上0.22以下であること、かつ、伸張開始時点から前記幅が0となるまでの時間が0.1秒以内であることによって、前記インクジェット式記録ヘッドに適合すると判定することを特徴とするインク組成物の検査方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記インクジェット式記録ヘッドの駆動周波数Fが、1kHz以上200kHz以下であることを特徴とするインク組成物の検査方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記インクジェット式記録ヘッドの前記インク組成物を吐出するノズルの直径は、1μm以上50μm以下であることを特徴とするインク組成物の検査方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記インクジェット式記録ヘッドは、積層型の圧電素子を有し、縦モードで駆動されるものであることを特徴とするインク組成物の検査方法。
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JP2021046497A (ja) * 2019-09-19 2021-03-25 株式会社リコー インク、画像形成方法、及び画像形成装置

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