まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1(以下、パチンコ遊技機1と略称する)を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ機を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図5参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。尚、本実施例では、下扉枠103は前面枠101に対して一側を中心に開閉可能に設けられているが、開放可能に設けられていなくてもよく、例えばネジ等により前面枠101の前面に止着されていてもよい。
ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方に向けて突設されている。この上皿部3aの上面左右方向の中央部には、後述するチャンスボタン516が遊技者により押圧操作可能に設けられている。また、この上皿部3aの下方には、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、下扉枠103の前面左右側には、左右一対のスピーカ27c,27dが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。演出表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。演出表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様及び変動表示の表示結果が演出表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として演出表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
尚、本実施例においては、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、演出表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、演出表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
演出表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15a及び第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれたパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、及び、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側、つまりパチンコ遊技機1の前面周縁に沿って形成される周縁領域Z(図23(a)中、右斜め上方に傾斜する斜線で示す領域)における左右上角部には、効果音を発する2つのスピーカ27a,27bが設けられ、左右下角部には、効果音を発する2つのスピーカ27c,27dが設けられている。また、周縁領域Zには、天枠LED28a、左枠上LED28b、右枠上LED28c(図3参照)が内蔵される天発光部28Hと、左枠下LED28d、左枠LED28f(図3参照)が内蔵される左発光部28Lと、右枠下LED28e、右枠LED28g(図3参照)が内蔵される右発光部28Rと、が設けられている。尚、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右発光部28Rの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天枠LED28a、左枠上LED28b、右枠上LED28c、左枠下LED28d、右枠下LED28e、左枠LED28f、右枠LED28gの各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27a〜27dからの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。尚、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、演出表示装置9、及び、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄及び飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄及び飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
演出表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、及び、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果及び飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、及び、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、演出表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、演出表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、及び、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、演出表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、演出表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。また、この実施例の場合は、大当りとして、通常大当り及び確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。尚、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
また、本実施例では、このようなリーチ演出や大当り予告演出において、チャンスボタン516の操作に応じて所定の画像を表示する操作系演出を実行可能としており、このような操作系演出を実行する場合、チャンスボタン516に内蔵されたボタンLED516b〜516d(図3参照)の発光色を変化させることにより、チャンスボタン516の操作が有効であることが遊技者に報知されるようになっている。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、及び、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。尚、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12V及びDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板91や発射制御基板(図示略)が設けられている。電源基板91は、発射制御基板の背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31及び各電気部品制御基板(演出制御基板80及び払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27a〜27d等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(例えば始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
球タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路1009(図28参照)を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチがオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、満タンスイッチ(図示略)からの信号の他、電源断信号及びクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、ターミナル基板160を介してパチンコ遊技機1の外部に出力される。
尚、本実施例では満タンスイッチ(図示略)の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、及び、始動口入賞異常信号が含まれる。
尚、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
尚、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、及びプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、及び、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。尚、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54及びI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、及び、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄及び飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄及び飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行うことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56及び各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
尚、この実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施例では、12ビット乱数回路及び16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板91において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施例では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板91からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板91からのリセット信号が入力される。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156及び払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板91からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施例では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。また、電源基板91からの電源電圧が所定値以下に低下したことを検出する電断検出回路(図示略)を、主基板31に設けてもよいし、主基板31及び払出制御基板37の双方に設けてもよい。あるいは、電源基板91に設け、電源断信号を主基板31及び払出制御基板37の双方に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、エラー情報を出力する旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
尚、本実施例では、電源断信号が払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源断信号が払出制御基板37を経由することなく、主基板31にのみ直接入力されることでバックアップデータをRAM55に保存するようにしても良い。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。尚、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10及び普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、本実施例では、CPU56が出力する制御信号をシリアル出力回路78にてシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力するようになっていたが、これら特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41からなる各表示器を主基板31に中継基板等を介すことなく直接接続し、CPU56が出力する制御信号をパラレルデータのまま各表示器8、18、10、41に出力するようにしてもよい。このようにすることで、外部から信号が入ることがないので、正確な表示を行うことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、及び、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9での表示制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。尚、演出制御手段が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドをパラレルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行うようにしてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられている装飾LED25a、ステージ装飾LED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、天枠LED28a、左枠上LED28b、右枠上LED28c、左枠下LED28d、右枠下LED28e、左枠LED28f、右枠LED28g、ボタンLED516b〜516dの各LEDの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LEDを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路(図示略)が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路(図示略)が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路(図示略)を介して点灯指示となる制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LEDの表示制御を行う。
また、遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての前板基板470、スピーカ左上基板471a、スピーカ右上基板471b、スピーカ左下基板472a、スピーカ右下基板472b、左前板基板473a、右前板基板473b、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板470〜473、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。尚、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88及び中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路(図示略)、シリアル入力回路(図示略)、クロック信号出力部(図示略)及び入力取込信号出力部(図示略)を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM84に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路及び入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)(図示略)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP(図示略)が演出制御基板80に搭載されている。VDPは、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDPは、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDPに出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、及び背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDPは、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDPは、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
次に、遊技機の動作について説明する。図47は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。尚、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
尚、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。尚、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路(図示略)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路(図示略)にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている可変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図48に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、及び入賞口スイッチ29a,30aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8及び普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、(1)の大当り種別決定用乱数、及び(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。尚、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されたハードウェア(乱数回路(図示略))が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ156によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。具体的には、特別図柄表示器8にて変動を開始するときに大当りとするか否かを抽選するとともに、特別図柄表示器8の変動が停止したときに、はずれであれば変動を開始できる状態にプロセスを移行させる一方、大当りであればプロセスを大当りとして大入賞口を開放制御するプロセスに移行させる。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a,30aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a,30aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」及び「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出制御用マイクロコンピュータ81に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施例では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。尚、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ81から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
この実施例では、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。尚、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。尚、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、演出表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。尚、この実施例では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8C05(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、演出表示装置9において大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、演出表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、演出表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがあるが、この実施例では、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合のみ示している。従って、再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」ということもある。
コマンド8F00(H)は、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、演出表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、演出表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、演出表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、演出表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、演出表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。尚、チャンスモードは、突然確変大当り及び小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。尚、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。尚、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ156から上述した演出制御コマンドを受信すると、内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。尚、上記演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、演出表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
(パチンコ遊技機の構造の開示)
以下、本発明が適用されたパチンコ遊技機1の構造を、図4〜図46にもとづいて説明する。まず、図4は、パチンコ遊技機を右斜め前上方から見た状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機を右斜め後上方から見た状態を示す斜視図である。図6は、(a)はパチンコ遊技機を示す左側面図であり、(b)は右側面図である。図7は、(a)はパチンコ遊技機を示す平面図であり、(b)は底面図である。
(遊技機の外観)
図4〜図7に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。外枠100は、木製の板材からなる上板100a及び下板100d(図5参照)と、鉄製の板材からなる左右の側板100b,100cと、から構成され、上板100aの左右端部と左右の側板100b,100cの上端部及び下板100dの左右端部と左右の側板100b,100cの下端部とをL字金具100eにて連結することにより方形枠状に構成されている。尚、左右の側板100b,100cは鉄材にて構成されていたが、アルミ材等他の金属材にて構成してもよい。
左右の側板100b,100cは、縦長帯状の鉄板を左右幅方向の中央部を中心に左右側を後方に折り曲げて2重構造としており、外側の折曲片には、前端部に沿って上下方向に延設された縦膨出部110a及び該縦膨出部110aの上下方向の複数箇所から後向きに連設される横膨出部110bからなる膨出部110が、折曲片を内側からプレス加工することにより外面に膨出して形成されている。このように折曲げ加工による2重構造及びプレス加工による膨出部110の形成により剛性を持たせることで、上板100a,下板100dのような木製の板材と同等もしくはそれ以上の剛性を有するとともに、上板100a,下板100dよりも幅寸法が肉薄の側板100b,100cを構成することができる。
前面枠101は、外枠100の開口を閉塞する閉塞位置において、該前面枠101の背面の周縁部が外枠100の前端部に当接するように配置され、このときに背面から突出する部位や該背面に搭載される各種部品等は外枠100の内側に収容される(図6参照)。よって、上記ように左右の側板100b,100cの左右幅寸法を肉薄として外枠100の開口の左右幅寸法を極力長寸とすることで、前面枠101の背面から突出する部位や各種部品等が、開閉時や閉塞時において左右の側板100b,100cの内面と干渉することが防止される。
図4及び図7(a)に示すように、上板100aの後端面において、前面枠101を閉鎖位置に配置したときに該前面枠101の背面上部に設けられる球タンク38に対応する箇所に、球タンク38の上面開口の前端部を上方に臨ませるための切欠部111が形成されている。これにより球タンク38を極力前方に配置することができるため、球タンク38が背面側に大きく突出してパチンコ遊技機1の前後幅寸法が大となることが防止される。また、外枠100の下部前面には合成樹脂材からなる横長の化粧パネル112が取り付けられている。
上板100aの左端部と左の側板100bの上端部とを連結するL字金具100eの前端からは、前面枠101の左側辺上部を枢支する縦断面L字形の枢支片100fが前方に向けて延設されている。また、左の側板100bの下部所定箇所からは、前面枠101の左側辺下部を枢支する枢支片100g(図6,図7(b)参照)が前方に向けて延設されている。
前面枠101は、図5に示すように、中央に縦長長方形状の開口部115が形成されており、この開口部115の前面側には、遊技盤6が図示しない金具により着脱可能に取り付けできるようになっている。尚、遊技盤6は、透明な合成樹脂製の盤面板とスペーサ部材とから構成されていてもよいし、ベニヤ合板等の木材にて構成されていてもよい。
また、ガラス扉枠102の前面周縁に設けられた天発光部28H,左発光部28L,右発光部28Rは、後述する各種レンズカバーにより前方に膨出する立体形状に形成され、中央の遊技領域7の周囲を覆うように形成されており、遊技領域7の周囲の装飾性が高められている。尚、左発光部28Lと右発光部28Rとの突出長さは非同一であり、右発光部28Rの方が左発光部28Lよりも前方に膨出されている。このように天発光部28H,左発光部28L,右発光部28Rを前方に膨出させることにより、遊技領域7を狭めることなく発光面積を拡大して装飾性を高めることが可能となる。
(ハンドルユニット)
次に、前面枠101の右下部に設けられるハンドルユニットについて説明する。図8は、ハンドルユニットを示す分解斜視図である。
ハンドルユニット707は、図8に示すように、図示しないネジにより前面枠101の前面下部位置に取り付けられるハンドル取付カバー708と、該ハンドル取付カバー708の前面側に取り付けられるハンドル取付ベース710と、該ハンドル取付ベース710の前面側に取り付けられるハンドル飾り709及びハンドル5と、から主に構成されている。
ハンドル取付ベース710には、その背面にスピーカ27dから出力される音を前方に透過するための透音口711が形成されており、該透音口711の背面には、スピーカ27bがネジ27Nにより取り付けられている。ハンドル取付ベース710の前面には、複数の透音孔からなる透音部712が形成されたハンドル飾り709が、透音部712により透音口711を塞ぐようにネジ709aにより取り付けられている。また、前面における透音口711の右側下方には、ハンドル5がネジ5aにより取り付けられている。そしてハンドル取付ベース710は、スピーカ27dを覆うようにネジ710aによりハンドル取付カバー708の前面に取り付けられる。
(ハンドル)
次に、ハンドルの構造について説明する。図9は、ハンドルを示す分解斜視図である。
ハンドル5は、図9に示すように、ネジ5a(図8参照)によりハンドル取付ベース710に取り付けられるハンドルベース720と、ハンドルベース720の前面側に取り付けられる各種部材にて構成される。ハンドルベース720は、筒状部720aと該筒状部720aの前端部から拡径される皿状のフランジ部720bとから構成されている。筒状部720aの中心には、ハンドルシャフト726がハンドルカラー727を介して前面側から挿通される挿通路721が前後方向に貫通して形成されているとともに、フランジ部720bの上部には固定用ボス723が突設され、下部にはハンドルトップ731を固定するための固定用ボス722が突設されている。尚、ハンドルシャフト726は、外周に環装されたEリング726aにより挿通路721に対する前後位置が決定されるようになっている。
フランジ部720bの前面左側には、遊技球を1球づつ発射する際に操作される操作部724bを有する単発スイッチレバー724が、操作部724bがフランジ部720bの外側に配置されるようにネジ724aにより揺動自在に取り付けられているとともに、単発スイッチレバー724の近傍には、該単発スイッチレバー724を検出する単発スイッチ725がネジ725aにより取り付けられている。
また、環状のタッチリング728がネジ728aにより回転不能に取り付けられるとともに、このタッチリング728の前面には環状のタッチ取付プレート729がネジ729aにより取り付けられ、タッチリング728を固定している。タッチ取付プレート729の前面側には、遊技者により回転操作されるハンドルリング730がタッチ取付プレート729に対して相対回転可能に配置される。
ハンドルリング730は、中心にハンドルシャフト726の先端が相対回転不能に嵌合される嵌合穴732が形成されているとともに、その周囲には、固定用ボス722が挿通される円弧状の挿通溝733a及び固定用ボス723が挿通される円弧状の挿通溝733bが形成されており、挿通溝733aに固定用ボス722が挿通され、挿通溝733bに固定用ボス723が挿通されるようにタッチ取付プレート729の前面に配置される。
そしてハンドルリング730の前面側に配置されるハンドルトップ731が、ハンドルベース720のフランジ部720bの背面側から固定用ボス722に挿通されるネジ731a及びハンドルベース720のフランジ部720bの背面側から固定用ボス723aに挿通されるネジ731bにより固定用ボス722,723に固定されることで、前後方向を向くハンドルシャフト726を中心として、タッチ取付プレート729に対して約90度の回動範囲で回動可能に環装されている。また、ハンドルトップ731とハンドルリング730との間に介装されるハンドルバネ734により、ハンドルリング730は常時左回転方向に付勢されている。
また、ハンドルトップ731の前面には、ハンドルトップ731の背面から挿通されるネジ738aによりフェースカバー738が取り付けられる。
このように構成されたハンドル5は、ハンドルリング730をハンドルバネ734の付勢力に抗して右回転させることで、筒状部720aの後面から突出されて前面枠101に設けられた図示しない打球モータセットに連結されたハンドルシャフト726が回転し、該回転量が打球モータセット(図示略)に伝達されることで、発射位置にセットされた遊技球が該か移転量に応じた力で打ち出されるようになっている。
(ガラス扉枠)
次に、ガラス扉枠102(前板とも言う)の構成について、図10〜図26にもとづいて説明する。図10は、ガラス扉枠を示す背面図である。図11は、ガラス扉枠を背面側から見た斜視図である。図12は、ガラス扉枠の構成を示す分解斜視図である。図13は、前板ベースユニットの構成を示す分解斜視図である。図14は、同じく前板ベースユニットの構成を示す分解斜視図である。図15は、天レンズユニットの構成を示す分解斜視図である。図16は、天レンズ及びスピーカレンズカバーを示す分解斜視図である。図17は、左スピーカレンズカバーを示す正面図、右側面図、平面図、底面図、背面図である。図18は、右スピーカレンズカバーを示す正面図、左側面図、平面図、底面図、背面図である。図19は、左スピーカレンズカバーの側面部内面を示す要部拡大斜視図である。図20は、レンズベースの前面左上角部を示す正面図である。図21は、図20のA−A端面図である。図22は、左右スピーカレンズカバー及び天レンズを前下方から見上げた状態を示す斜視図である。図23は、(a)は各透音部とスピーカとLEDとの配置位置を示す概略図であり、(b)は(a)のB−B概略断面図である。図24は、(a)は天レンズ及び天インナーレンズを示す平面図であり、(b)は天レンズ及び天インナーレンズを示す概略縦断面図である。図25は、前板サイドユニットの構成を示す分解斜視図である。図26は、前板下飾りユニットの構成を示す分解斜視図である。
図10及び図11に示すように、ガラス扉枠102は、遊技盤6の遊技領域7を前面側から透視可能とするためのガラス板(図示略)からなる視認窓900が中央に形成される四角枠状の枠体にて構成されている。また、左側下部に形成された軸穴666を前面枠101の左側辺上部に取り付けられた軸ピン(図示略)に挿通した状態で、左側上部の軸ピン662を前面枠101の左側辺略中央部に設けられたガイド溝(図示略)に挿通することで、前面枠101に対して左側辺を中心として回動自在に軸支され、前面枠101の前面上半部を開閉可能とする。また、ガラス扉枠102の前面には、後述する各種レンズユニットが取り付けられ、視認窓900の周囲が光により装飾されるようになっている。
図12に示すように、ガラス扉枠102は、該ガラス扉枠102の躯体を構成する前板ベースユニット901と、前板ベースユニット901の前面上辺部にネジ902aにより取り付けられる天レンズユニット902と、前板ベースユニット901の前面左辺部にネジ903aにより取り付けられる前板左サイドレンズユニット903と、前板ベースユニット901の前面右辺部にネジ904aにより取り付けられる前板右サイドレンズユニット904と、前板ベースユニット901の前面下辺部にネジ905aにより取り付けられる前板下飾りユニット905と、から主に構成されている。
(前板ベースユニット)
図13に示すように、前板ベースユニット901は、合成樹脂材により中央に視認窓900を構成する視認開口906を有する四角枠状に形成された前板ベース907により構成されている。前板ベース907の背面上側には、前板補強板金上908がネジ908aにより取り付けられ、前板ベース907の背面左側には、前板補強板金左セット909がネジ909aにより取り付けられ、前板ベース907の背面右側には、前板補強板金右セット910がネジ910aにより取り付けられ、前板ベース907の前面下側には、前板補強板金下911がネジ911aにより取り付けられ、上下左右辺部が補強されている。
前板補強板金左セット909の上部前側には、軸ピン662を有するヒンジ板金上661が固着されているとともに、背面側には前板角金具912がネジ912aにより取り付けられているとともに、前板補強板金下911の左側端部前面には、上下に貫通する軸穴666を有するヒンジ板金下665がネジ665aにより取り付けられている。
前板補強板金右セット910には、前面枠101に対してガラス扉枠102を閉塞したときに、前面枠101に設けられるシリンダー錠(図示略)に形成された係止爪(図示略)が係止される平面視内向きL字形の係止片913a,913bが形成されている。
また、視認開口906の上部左右側には、前板ベース907の背面側から視認開口906を閉塞するように配置されるガラス板(図示略)を押えるためのガラス押え915,916がそれぞれネジ915a,916aにより回転可能に取り付けられている。
また、図10及び図11に示すように、前板補強板金左セット909の背面側には、前板保護板金955がネジ955aにより前板補強板金左セット909を被覆するように取り付けられているとともに、前板保護板金955の上部右側には、図10のガラス扉枠102の左上部に示されるケーブルが、ガラス扉枠102の開閉動作に伴って該ガラス扉枠102と前面枠101との間に挟まって破損したり切断されることを回避するためのワイヤーストレッチャー956がネジ956aにより取り付けられている。また、前板ベース907の背面下部には、ガラス扉枠102の背面とその背面側に配置される遊技盤6との間の隙間を閉塞する軟質樹脂材にて構成される破防カバー957がネジ957aにより取り付けられ、これにより下皿4等から進入させた針金等の不正器具の遊技盤6への進入を阻止できるようになっている。
図14に示すように、前板ベース907の前面上部には、センター中継基板920がネジ920aにより取り付けられている。前板ベース907の前面左側には、縦長の左前板基板473aがネジ926aにより取り付けられている。左前板基板473aの前面上部には、賞球LED51が設けられるとともに、その下方には、複数の左枠LED28fが上下方向に向けて列設されている。前板ベース907の前面右側には、縦長の右前板基板473bがネジ926bにより取り付けられている。右前板基板473bの前面上部には、球切れLED52が設けられるとともに、その下方には、複数の右枠LED28gが上下に向けて列設されている。
(天レンズユニット)
図15に示すように、天レンズユニット902は、前板ベース907の前面上部に取り付けられる前板上カバー930と、前板上カバー930の前面にネジ931aにより取り付けられるレンズベース931と、レンズベース931の前面左側にネジ935aにより取り付けられる左スピーカレンズカバー935L及びレンズベース931の前面右側にネジ935bにより取り付けられる右スピーカレンズカバー935Rと、レンズベース931の前面中央にネジ936aにより取り付けられる天レンズ936と、から主に構成されている。
レンズベース931の左右側には透音孔932a,932bがそれぞれ形成されており、左側の透音孔932aの背面側にはスピーカ27aがネジ27jにより取り付けられ、右側の透音孔932aの背面側にはスピーカ27aがネジ27kにより取り付けられている。レンズベース931の背面における左右のスピーカ27a,27bの間には、横長帯状の前板基板470がネジ470aにより取り付けられている。この前板基板470の前面には、天枠LED28a(図20参照)が長手方向に向けて複数列設されており、これら天枠LED28aはレンズベース931に形成された複数の孔部933aに臨むように配設されている。
レンズベース931の背面における左側のスピーカ27aの下方には、スピーカ左下基板472aがネジ472jにより取り付けられている。このスピーカ左下基板472aの前面には、左枠下LED28d(図3参照)が複数配設されており、これら左枠下LED28dはレンズベース931に形成された複数の孔部933bに臨むように配設されている。また、レンズベース931の背面における右側のスピーカ27bの下方には、スピーカ右下基板472bがネジ472kにより取り付けられている。このスピーカ右下基板472bの前面には、右枠下LED28e(図3参照)が長手方向に向けて複数配設されており、これら右枠下LED28eはレンズベース931に形成された複数の孔部933cに臨むように配設されている。
レンズベース931の前面における左右方向の中央位置には、前板天基板474が、背面側に取り付けられた前板基板470にレンズベース931を挟んで対向するように配置されている。この前板天基板474は、前板基板470を取り付けるネジ470aによりレンズベース931の前面に取り付けられている。また、背面側に配置される各天枠LED28aに対応する箇所には孔部474aが形成されており、天枠LED28aからの光を孔部474aを介して前方に透過するとともに、前面にはメッキ処理が施されて光の反射効率が高められている。
レンズベース931の前面における左側には、スピーカ左上基板471aがネジ471jにより取り付けられている。このスピーカ左上基板471aは、円形のスピーカ27aを右側から上下に挟むように二股状に形成され、その前面には、左枠上LED28bが複数配設されている(図20参照)。また、右側には、スピーカ右上基板471bがネジ471kにより取り付けられている。このスピーカ右上基板471bは、円形のスピーカ27bを左側から上下に挟むように二股状に形成され、その前面には、右枠上LED28c(図3参照)が複数配設されている。このようにこれらスピーカ左上基板471a及びスピーカ右上基板471bは、スピーカ27a,27bそれぞれの近傍に隣接して並設される。尚、スピーカ左上基板471a、スピーカ右上基板471b及びスピーカ27a,27bの詳細に関しては後述することとする。
このようにレンズベース931は、スピーカや各種LEDが搭載された基板が一体化されるベース部材であって、これらスピーカや各種LED基板の背面は前板上カバー930により被覆された状態で前板ベース907の前面上部に配置される。
図16に示すように、左スピーカレンズカバー935Lの背面には、左スピーカインナーレンズ937Lがネジ937a,938cにより取り付けられている。左スピーカレンズカバー935L及び左スピーカインナーレンズ937Lは、透光性を有する合成樹脂材からなり、左スピーカレンズカバー935Lにおけるスピーカ27aに対応する位置には透音口935cが形成され、左スピーカインナーレンズ937Lにおけるスピーカ27aに対応する位置には透音部937cが形成されている。また、右スピーカレンズカバー935Rの背面には、右スピーカインナーレンズ937Rがネジ937b,938dにより取り付けられている。右スピーカレンズカバー935R及び右スピーカインナーレンズ937Rは、透光性を有する合成樹脂材からなり、右スピーカレンズカバー935Rにおけるスピーカ27bに対応する位置には透音口935dが形成され、右スピーカインナーレンズ937Rにおけるスピーカ27bに対応する位置には透音部937dが形成されている。
左スピーカレンズカバー935Lの前面には、非透光性を有する合成樹脂材からなる左スピーカ飾り938Lが配置されるとともに、その前面には非透光性の合成樹脂材からなる左スピーカベゼル939Lが配置されている。左スピーカ飾り938Lは、左スピーカインナーレンズ937Lとにより左スピーカレンズカバー935Lを前後から挟むようにネジ938cにより左スピーカレンズカバー935Lに取り付けられるとともに、複数の透音孔938aが形成されている。左スピーカベゼル939Lは、左スピーカ飾り938Lを挿通するネジ939cにより左スピーカレンズカバー935Lに取り付けられるとともに、縦長の透音孔939aが形成されている。
右スピーカレンズカバー935Rの前面には、非透光性を有する合成樹脂材からなる右スピーカ飾り938Rが配置されるとともに、その前面には非透光性の合成樹脂材からなる右スピーカベゼル939Rが配置されている。右スピーカ飾り938Rは、右スピーカインナーレンズ937Rとにより右スピーカレンズカバー935Rを前後から挟むようにネジ938dにより右スピーカレンズカバー935Rに取り付けられるとともに、複数の透音孔938bが形成されている。右スピーカベゼル939Rは、右スピーカ飾り938Rを挿通するネジ939dにより右スピーカレンズカバー935Rに取り付けられるとともに、縦長の透音孔939bが形成されている。
天レンズ936の背面には、天インナーレンズ960が配置され、前面には、非透光性を有する合成樹脂材からなる天レンズベゼル961L,961Rが配置される。これら天インナーレンズ960及び天レンズベゼル961L,961Rは、天インナーレンズ960を前後から挟むようにネジ961a,961bにより取り付けられている。
特に図24に示すように、天レンズ936及び天インナーレンズ960は、無色透明の合成樹脂材により背面が開口する箱状に形成され、平面視において左右端部よりも中央部が前方に大きく突出する略三角形状に形成されている(図24(a)参照)。また、天インナーレンズ960は、天レンズ936の背面側から天レンズ936の内部に嵌合する大きさに形成されている(図24(b)参照)。
図24(a)に示すように、天レンズ936の内面は、図中拡大図に示すように断面視略三角形状をなす複数の凸条936cにより凹凸状をなす光拡散部が形成されており、天枠LED28aからの光が透過する際に拡散されるようになっている。そして特に上板936dの裏面に形成される複数の凸条936cは、左右方向の中央を境にして逆「ハ」の字状をなすように傾斜して配置されて前後方向に延設されている(図中矢印が示す方向)。
一方、図24(b)に示すように、天インナーレンズ960の外面所定箇所には、図中拡大図に示すように断面視略三角形状をなす複数の凸条960cにより凹凸状をなす光拡散部が形成されており、天枠LED28aからの光が透過する際に拡散されるようになっている。そして特に上板960aの上面に形成される複数の凸条960cは、前後方向に延設されている(図中矢印が示す方向)。
よって、図24(b)に示すように、天レンズ936の内部に天インナーレンズ960を嵌合することにより、天レンズ936の上板936dと天インナーレンズ960の上板960aとが上下に重畳して配置されたときに、天レンズ936の複数の帯状の凸条936cと天インナーレンズ960の複数の帯状の凸条960cとが互いに交差するように配置されることで、天枠LED28aからの光がより複雑に拡散するようになるため、広範囲にわたり光が均一に放射されるようになるばかりか、透明であっても内部の天枠LED28aを見えにくくすることができる。
また、このようにレンズベース931の前面における左右方向の中央位置、すなわち、遊技領域7の直上位置から、透光性を有する天レンズ936及び天インナーレンズ960が前方に突出するように形成されることで、遊技領域7の直上に前方に突出する庇部が形成される。そしてこのように前方に張り出した庇部は透明な合成樹脂材にて構成されていることで、天枠LED28aからの光を外部に照射可能するだけでなく、パチンコ遊技機1の上方からの外光(遊技店側の照明光など)を下方に透過するため、天レンズ936及び天インナーレンズ960からなる庇部によりその下方の遊技領域7が暗くなることが防止される。
尚、本実施例では、光拡散部が断面視略三角形状をなす複数の凸条にて構成されていたが、光を拡散可能であれば、断面形状は種々に変更可能である。さらに本実施例では、天レンズ936の複数の帯状の凸条936cと天インナーレンズ960の複数の帯状の凸条960cとが互いに交差するように配置されて光の拡散性を高めていたが、このように凸条の延設方向を互いに異ならせることだけではなく、例えば一方の一対の凸条間に他方の凸条を配置してみたり、双方の凸条の幅寸法を異ならせたり、断面形状を異ならせたり、光の屈折率を異ならせることにより光の拡散性を高めるようにしてもよい。
次に、左スピーカレンズカバー935L及び右スピーカレンズカバー935Rの詳細な構造について説明する。
図17に示すように、左スピーカレンズカバー935Lは、透光性を有する有色(例えば赤色)の合成樹脂材からなり、正面視略三角形状に形成された前面部970aと、遊技領域7に臨むとともに該遊技領域7の左上縁に沿うように円弧状に形成された内側面部970bと、左側面部970c及び上側面部970dと、から背面が開口する箱状に形成されている。尚、左側面部970cの上部はヒンジ部を配設するために切欠部972が形成されている。
前面部970aは、左側から右側(遊技領域7側)、かつ下側から上側に向けて上方に傾斜する傾斜面状に形成されている。このように左側から右側に向けて上方に傾斜させることで、ガラス扉枠102を開放した際にパチンコ遊技機1の左側に配設されるカードユニット(図示略)や隣のパチンコ遊技機との干渉が回避される。
また、前面部970aは、その背面側に配置されるスピーカ27a及びその周辺に配置される左枠上LED28bの前方を一体に被覆可能な大きさに形成され、スピーカ27aの前方位置には、前述した透音口935c、左スピーカ飾り938Lに形成された透音孔938a、左スピーカベゼル939Lに形成された透音孔939aにより形成される第1透音部975Lと、前面部970aにおける第1透音部975Lの右側に形成された複数の透音孔976aからなる第2透音部976Lと、が形成されている。
内側面部970bは、長手方向に向けて円弧状に形成されているとともに、上端から下端に向けてやや内側に向けて傾斜する傾斜面状に形成される側壁からなり、その後側には切欠部973が長手方向に向けて形成されていることにより後側が開口されている。また、内側面部970bにおける第2透音部976Lに対応する箇所には、複数の透音孔977a(図19参照)からなる第3透音部977Lが形成されている。
また、左スピーカレンズカバー935Lの裏面は、例えば図19に示すように、断面視略かまぼこ形状をなす所定長さの複数の凸条974により凹凸状をなす光拡散部が形成されており、各LEDからの光が透過する際に拡散されるようになっている。そして各透音部976L,977Lを構成する各透音孔976a,977aは、各凸条974,974間に形成される凹条に該凸条974,974に沿って長手方向に延設されているため、外部から内側面部971bを透して凸条974の縞模様が見えたときに目立ちにくいとともに、凸条974を横切らないため光拡散作用に大きな影響を及ぼさない。
尚、本実施例では、光拡散部が断面視略かまぼこ形状をなす複数の凸条974にて構成されていたが、光を拡散可能であれば、断面形状は種々に変更可能である。また、光拡散部は、所定長さを有する帯状の凸条974が所定間隔おきに複数並設されることにより形成された凹凸条にて構成されていたが、例えばダイヤモンド加工等により点状に形成される凹凸部にて構成されていてもよい。
図18に示すように、右スピーカレンズカバー935Rは、透光性を有する有色の合成樹脂材からなり、正面視略三角形状に形成された前面部971aと、遊技領域7に臨むとともに該遊技領域7の右上縁に沿うように円弧状に形成された内側面部971bと、右側面部971c及び上側面部971dと、から背面が開口する箱状に形成されている。
前面部971aは、右側から左側(中央の遊技領域7側)、かつ下側から上側に向けて前側に傾斜する傾斜面状に形成されている。尚、右側面部971cの高さ(前後幅)寸法は、左スピーカレンズカバー935Lの左側面部970cの高さ(前後幅)寸法よりも長寸とされており、左スピーカレンズカバー935Lよりも前方に大きく膨出されている。
また、前面部971aは、その背面側に配置されるスピーカ27b及びその周辺に配置される右枠上LED28cの前方を一体に被覆可能な大きさに形成され、スピーカ27bの前方位置には、前述した透音口935d、右スピーカ飾り938Rに形成された透音孔938b、右スピーカベゼル939Rに形成された透音孔939bにより形成される第1透音部975Rと、前面部971aにおける第1透音部975Rの左側に形成された複数の透音孔976bからなる第2透音部976Rと、が形成されている。
内側面部971bは、長手方向に向けて円弧状に形成されているとともに、上端から下端に向けてやや内側に向けて傾斜する傾斜面状に形成される側壁からなり、その後側には切欠部973が長手方向に向けて形成されていることにより後側が開口されている。また、内側面部971bにおける第2透音部976Rに対応する箇所には、複数の透音孔977bからなる第3透音部977Rが形成されている。
また、右スピーカレンズカバー935Rの裏面は、特に図示はしないが左スピーカレンズカバー935Lと同様に、断面視略かまぼこ形状をなす所定長さの複数の凸条により凹凸状をなす光拡散部が形成されており、各LEDからの光が透過する際に拡散されるようになっている(図19参照)。そして各透音部976R,977Rを構成する各透音孔976b,977bは、各凸条間に形成される凹条に該凸条に沿って長手方向に延設されているため、外部から内側面部971bを透して凸条の縞模様が見えたときに目立ちにくいとともに、凸条を横切らないため光拡散作用に大きな影響を及ぼさない。
尚、本実施例では、光拡散部が断面視略かまぼこ形状をなす複数の凸条にて構成されていたが、光を拡散可能であれば、断面形状は種々に変更可能である。また、光拡散部は、所定長さを有する帯状の凸条が所定間隔おきに複数並設されることにより形成された凹凸条にて構成されていたが、例えばダイヤモンド加工等により点状に形成される凹凸部にて構成されていてもよい。
尚、左スピーカインナーレンズ937L及び右スピーカインナーレンズ937Rについては、特に詳細な図示はしないが、有色(例えば赤色)透明な合成樹脂材にて形成されており、所定箇所には、左スピーカレンズカバー935Lや右スピーカレンズカバー935Rと同様に、断面視略凹凸状をなす光拡散部が形成されており、左枠上LED28bや右枠上LED28cからの光が透過する際に拡散されるようになっている(図21参照)。
次に、左スピーカレンズカバー935Lとスピーカ27a及び左枠上LED28bとの関係について、図20〜図23にもとづいて説明する。尚、右スピーカレンズカバー935Rとスピーカ27b及び右枠上LED28cとの関係については、左スピーカレンズカバー935Lとスピーカ27a及び左枠上LED28bとの関係とほぼ同様であるため、ここでの詳細な説明は省略するものとする。
図20及び図21に示すように、レンズベース931の左角部には、スピーカ27aが配置されるとともに、その周囲には複数の左枠上LED28b及び左枠下LED28dが配置されている。スピーカ27aは、音出力部(コーン)の前面がレンズベース931の前面に略平行となるように、すなわち、パチンコ遊技機1の前方に向けて出音可能に配置されている。そして左スピーカレンズカバー935L(図20中の2点鎖線)は、これらスピーカ27a及び左枠上LED28b及び左枠下LED28d双方を一体に被覆するように前面側に配置される。
このとき、左スピーカレンズカバー935Lの前面部970aは、スピーカ27aと左枠上LED28bと左枠下LED28dの前方位置に所定距離離間して配置される。そして、スピーカ27aの前方には第1透音部975Lが配置され、その右側方に第2透音部976Lが配置される。また、遊技領域7を視認可能に形成される視認窓900に臨む内側面部970bには第3透音部977Lが配置される。
各左枠上LED28bの前面側には、左スピーカインナーレンズ937Lが左スピーカレンズカバー935Lとの間を仕切るように配置され、これにより各左枠上LED28bからの光は左スピーカインナーレンズ937Lを透して外部に放射されるようになっている。このように左スピーカインナーレンズ937Lが左スピーカレンズカバー935Lとの間を仕切るように配置されることで、左枠上LED28bからの光が周囲に拡散されるのに加えて、前面部970aが左枠上LED28bから前方に離間して配置されていることにより光が拡散するのに必要な空間が確保されるので、前面部970aにおける左枠上LED28bの対向位置だけでなく、スピーカ27aの前方領域まで光らせることが可能となる。また、左枠上LED28bの近傍にある第2透音部976Lや第3透音部977Lの孔部を通して外部から左枠上LED28bを直視されることがないので、外観体裁が損なわれることがない。
また、図22に示すように、内側面部970bの後端部から、遊技領域7の前面を被覆する視認窓900(ガラス板)の前面までの領域は、レンズベース931に形成された側周壁931aにより覆われる(図15,図21,図23参照)。側周壁931aは、遊技領域7の周縁上部に沿うようにレンズベース931に形成される所定高さ(前後幅)を有する壁部であり、左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面に沿って延設されている。つまり、左スピーカレンズカバー935Lの内側面部970b及び右スピーカレンズカバー935Rの内側面部971bと天レンズ936の内側面部は、側周壁931aの前端部から前方に向けて連設されている。そして側周壁931aを含むレンズベース931は、非透光性の合成樹脂材により形成されているため、視認窓900の前面と左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面部下端との間に非透光性部を形成する。よって、これら左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面が視認窓900の前面上に直接隣接して配置されることはないため、これら各レンズから放射された光が視認窓900に映り込むなどして、遊技領域7の視認性が損なわれることが防止される。
尚、本実施例では、視認窓900の前面と左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面部下端との間に、これらレンズ部材とは別のレンズベース931の側周壁931aを配置することで非透光性部を構成していたが、左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面部を視認窓900の前面上に配置するようにし、これらレンズの内側面部の一部により非透光性部を形成してもよい。
また、前述したように、左スピーカレンズカバー935Lよりも右スピーカレンズカバー935Rの方が前方に大きく膨出されていることで、内側面部970bよりも内側面部971bの方が面積が大きいとともに、第3透音部977Rの透音孔977bの方が第3透音部977Lの透音孔977aよりも多く形成されている。すなわち、遊技者が遊技を行う際に姿勢を変えることがあっても、遊技領域7の右側方に配設されたハンドル5を右手で握ることから遊技者の右耳は左耳に比べてパチンコ遊技機2の前面から大きく離れることはない。よって、右側の内側面部971bに左側の内側面部970bよりも多くの透音孔977bが形成されて透音面積が大とされていることで、右側のスピーカ27bから出力される効果音や音声を確実に聞き取ることができる。
また、第3透音部977L,977Rの透音孔977a,977bの総面積よりも、第1透音部975L,975Rの透音孔の総面積及び第2透音部976L,976Rの透音孔の総面積の方が小さく、また、第2透音部976L,976Rの透音孔の総面積よりも第1透音部975L,975Rの透音孔の総面積の方が小さいことで、スピーカ27a,27bから出力された音は遊技者側を向く第3透音部977L,977Rから最も多く透音されるので遊技者が音を聞き取りやすくなるとともに、第1透音部975L,975Rや第2透音部976L,976Rからも透音されることで音に広がりを持たせることができる。
一方、図23に示すように、スピーカ27aから前方に向けて出力された音は、前面部970aに形成された第1透音部975L及び第2透音部976Lから前方に透過されるだけでなく、内側面部970bに形成された第3透音部977Lから内斜め前方に向けて透過される。このように、スピーカ27aの前面に配置される前面部970aからだけでなく、内側面部970bからも透音されるようにすることで、遊技者は音を聞き取りやすくなる。
具体的に説明すると、左スピーカレンズカバー935Lは、前方に膨出するように立体形状に形成されている。これにより、スピーカ27aの前面側に配置される前面部970aに形成された第1透音部975L及び第2透音部976Lは、より前方、つまり遊技者側に迫り出した位置に配置されることになる。そしてスピーカ27aは、遊技領域7の周囲を囲むとともに、ガラス扉枠102の前面周縁に沿って形成される周縁領域Zの一部である左角部に配設されていることで、図23(b)に示すように、遊技者の左側方に位置している。よって、第1透音部975L及び第2透音部976Lの位置がより前方に迫り出してくると、スピーカ27aから第1透音部975L及び第2透音部976Lを通して前方に放出された音は、左右に広がる前に遊技者の左耳の側方を通過しやすくなるため、遊技者は音が聞き取り難くなる虞がある。
したがって、遊技領域7に臨む内側面部970b、つまり遊技者側を向く内側面部970bに形成された第3透音部977Lから右斜め前方に向けて音が放出されることにより、スピーカ27aからの音が遊技者側に広がるようになるため、前面部970aが前方に迫り出していても音を聞き取りやすくなる。
また、内側面部970bと視認窓900の前面との間には、所定高さ(前後幅寸法)を有する側周壁931aが配設されていることで、第3透音部977Lがガラス扉枠102の視認窓900に対して前方に離れて配置されることになり、これにより遊技者に近づくため、音が聞き取りやすくなる。
また、左側のスピーカ27aに対応する第3透音部977Lだけでなく、右側のスピーカ27bに対応する第3透音部977Rも右側に配置されるため、遊技者は左右の第3透音部977L,977Rから放出される音に囲まれるようになる。
さらに、左右の第3透音部977L,977R間には天レンズ936が配置されていることで、これら左スピーカレンズカバー935L、天レンズ936、右スピーカレンズカバー935Rの内側面部により音が左右上部で囲まれて反響しやすくなるため、視聴性が著しく向上する。
以上説明したように、本発明の実施例にあっては、周辺領域Zには各種LEDが配設されるとともに、その前方が各種レンズカバーにて被覆される装飾部を構成しており、遊技領域7の上方、つまり周辺領域Zの左右角部に配設されるスピーカ27a,27b及び左枠下LED28b及び右枠下LED28cの前方が左スピーカレンズカバー935L,右スピーカレンズカバー935Rにより被覆されることで、左枠下LED28b及び右枠下LED28cだけでなくスピーカ27a,27bの前方の装飾性を高めることができる。
また、各レンズカバー935L,935Rを立体形状に形成することにより、図23(a)に示す周縁領域Zを平面方向に拡大しなくても、前方に装飾面積を拡大することができるため、遊技領域7を占有することなく装飾効果を高めることができる。さらに、LED28b,28cに対して前面部970a,971aが前方に離間して配置されるため、LED28b,28cが発光したときに光源が見えて装飾性が損なわれることがないばかりか、LED28b,28cから前面部970a,971aまでの距離が長くなるので、指向性が高いLED28b,28cを発光手段として採用した場合でも、前面部970a,971aに光が到達するまでに拡散しやすくなるため、前面部970a,971aにおけるLED28b,28cの前方位置のみならず、スピーカ27a,27bの前方位置を含め広範囲を光らせることが可能となる。
また、第3透音部977L,977Rが内側面部970b,971bに形成されていることで、各レンズカバー935L,935Rにおける前面部970a,971aが前方に迫り出しても、スピーカ27a,27bからの音は、中央の遊技領域7、つまり遊技者側に向けて透過するため、音が聞こえやすくなる。さらに、内側面部970b,971bは、視認窓900に対して前面部970a,971aよりも起立していることで、遊技機1の正面からは第3透音部977L,977Rが目立ちにくいので、装飾性が著しく低下することがない。
ここで、スピーカ27a,27bを、内側面部970b,971bにおける第3透音部977L,977Rに向けて取り付けることも考えられるが、スピーカ27a,27bを正面から見て斜めに取り付けることになるので、このようにするとスピーカ27a,27bの本体部がLED28b,28cからの光を妨げる虞がある。これに対し本実施例では、スピーカ27a,27b及びLED28b,28cを同じ方向を向く平面、より具体的には遊技盤6の前面に形成される遊技領域7と同一方向を向く面上に並設するので、スピーカ27a,27bがLED28b,28cからの光を遮って装飾性を低減させたり、LED28b,28cを配置する基板がスピーカ27a,27bからの音を遮って音質を低減させるなど互いに干渉しあうことがない。
尚、本実施例では、スピーカ27a,27bはレンズベース931、すなわちガラス扉枠102の前面の左右上角部にそれぞれ配置されていたが、ガラス扉枠102の前面における周縁領域Zの一部であれば、必ずしも角部に配置されていなくてもよい。
また、本実施例では、パチンコ遊技機1の前面を構成するガラス扉枠102の前面、詳しくはガラス扉枠102を構成するレンズベース931にスピーカ27a,27b及びLED28b,28cとレンズカバー935L,935Rとが配設されていたが、例えばガラス扉枠102にレンズカバー935L,935Rを設け、スピーカ27a,27b及びLED28b,28cを遊技盤6が取り付けられる前面枠101の前面に設けてもよい。
また、本実施例では、各レンズカバー935L,935Rは、略板状の前面部と内側面部とにより立体形状に形成されていたが、例えば横断面略U字形に膨出するように形成されていてもよい。この場合、各レンズカバー935L,935Rにおける前面部と内側面部との区画が存在しないが、少なくともスピーカの出音方向に対して傾斜するとともに、スピーカの対向位置よりも側方位置に配置される内側面部に透音部が形成されていればよい。
すなわち、第3透音部977L,977Rは、図23(b)に示すように、視認窓900から前方に向けて立設される側壁にて構成される内側面部971a,971bにおけるスピーカ27a,27bの側方位置(図23(b)中の縦向き1点鎖線よりも内側)に配置されればよい。そして側壁(内側面部)は、視認窓900に対して垂設されていないくてもよく、視認窓900に対して所定角度(例えば約45度〜70度の範囲)傾斜していることが好ましい。
また、本発明の実施例としてのレンズカバー935L,935Rは、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1に適用されていたが、スロットマシンやアレンジボール、雀球遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。特にスロットマシンにおいては、図柄を可変表示する可変表示装置(リール)を透視可能とする透視窓(遊技窓部)等の上方位置にスピーカ及びLEDを配置し、これらを内側面部に透音部が形成されたレンズカバー935L,935Rにより一体に被覆すればよい。
(前板サイドレンズユニット)
図25に示すように、前板左サイドレンズユニット903は、前板ベース907の前面左側に取り付けられる前板左メッキベース940Lと、前板左メッキベース940Lの前面側に配置される前板左サイドレンズ941Lと、前板左サイドレンズ941Lの前面側に配置される前板左サイドカバー942Lと、が一体化されてなる。
前板左サイドレンズ941Lは、ネジ940aと、前板左サイドカバー942Lを取り付けるネジ942aと、前板左サイドカバー942Lとその前面に取り付けられる前板左上飾り944Lとを取り付けるネジ944aと、前板左サイドカバー942Lとその前面に取り付けられる前板左下飾り945及び前板左飾り943Lとを取り付けるネジ945aと、により、前板左メッキベース940Lの前面に前板左サイドカバー942Lとともに取り付けられる。また、前板左サイドレンズ941Lの前面中央部下には保護シート947が配置される。
一方、前板右サイドレンズユニット904は、前板ベース907の前面右側に取り付けられる前板右メッキベース940Rと、前板右メッキベース940Rの前面側に配置される前板右サイドレンズ941Rと、前板右サイドレンズ941Rの前面側に配置される前板右サイドカバー942Rと、が一体化されてなる。
前板右サイドレンズ941Rは、ネジ940bと、前板右サイドカバー942Rを取り付けるネジ942bと、前板右サイドカバー942Rとその前面に取り付けられる前板右上飾り944R及び前板右飾り943Rとを取り付けるネジ944bと、前板右サイドカバー942Rとその前面に取り付けられる前板右下飾り946を取り付けるネジ946bと、により、前板右メッキベース940Rの前面に前板右サイドカバー942Rとともに取り付けられる。また、前板右メッキベース940Rの背面下部には基板948がネジ948aにより取り付けられている。
(前板下飾りユニット)
図26に示すように、前板下飾りユニット905は、前板下飾り950と、該前板下飾り950の前面左右側にネジ951a,951bにより取り付けられる前板下飾り951L,951Rと、から構成され、視認窓900の下方を装飾する。また、前板下飾り950と前板下飾り951L,951Rとの間には、保護シート952L,952Rが配置されるとともに、前板下飾り950の前面中央位置には、例えば遊技機の製造メーカーのロゴ等が表示されたロゴプレート953が取り付けられている。
(下扉枠)
次に、下扉枠103(前板とも言う)の構成について、図27〜図39にもとづいて説明する。図27は、下扉枠の構成を示す分解斜視図である。図28は、図27の下扉枠を示す背面図である。図29は、下扉枠の背面に取り付けられる部材を示す分解斜視図である。図30は、下扉枠の背面に取り付けられる部材を示す分解斜視図である。図31は、図30の下扉枠を示す背面図である。図32は、下扉枠の背面に取り付けられる部材を示す分解斜視図である。図33は、図32の下扉枠を示す背面図である。図34は、下扉枠の前面に取り付けられる部材を示す分解斜視図である。図35は、上下皿ユニットを示す分解斜視図である。図36は、上下皿ユニットの構成を示す分解斜視図である。図37は、上皿球受ユニットの構成を示す分解斜視図である。図38は、(a)は下皿ユニットの構成を示す分解斜視図であり、(b)は球抜きユニットを示す分解斜視図である。図39は、上皿ベースユニットに取り付けられる部材を示す分解斜視図である。図40は、残高ユニットの構成を示す分解斜視図である。図41は、チャンスボタンスイッチの構成を示す分解斜視図である。図42は、チャンスボタンユニットを示す背面図、平面図、底面図、左側面図、右側面図である。図43は、ボタンベースを示す背面図である。図44は、(a)は図42のC−C断面図であり、(b)は図42のD−D断面図であり、(c)はスイッチと突出壁との関係を示す拡大図であり、(d)は(c)のE−E断面図である。図45は、(a)は押圧操作時における図42のC’−C’断面図であり、(b)は押圧操作時における図42のD’−D’断面図であり、(c)はスイッチと突出壁との関係を示す拡大図であり、(d)は(c)のE’−E’断面図である。図46は、(a)〜(c)は変形例としての突出壁とスイッチとの関係を示す概略図である。
図27及び図28に示すように、下扉枠103は、合成樹脂材により横長長方形状に形成された板状の上皿本体1002からなる本体ユニット1000と、該本体ユニット1000の前面にネジ1001aにより取り付けられる上下皿ユニット1001と、から構成される。上皿本体1002は、前面枠101の前面下部におけるハンドル5の周囲を除く領域を開閉可能な板材にて構成され、左側上下に設けられたヒンジ板金(図示略)により前面枠101に対して上下方向を向く軸心を中心に回動自在に取り付けられる。
(本体ユニット)
図29に示すように、上皿本体1002の左上部には、横長長方形状の払出口1004が形成されており、該払出口1004の背面側には、前板シュート1005と、該前板シュート1005の下面側に配置される前板シュート板金下1006及び前板シュート1005の上面側に配置される前板シュート板金上1007がネジ1005aにより取り付けられている。
前板シュート1005は、前面に払出口1004とほぼ同形の開口1005bが形成されるとともに、前面枠101に形成された払出連絡口(図示略)とほぼ同形の開口1005cが背面に形成され、前面側に向けて拡径する漏斗状の筒体にて構成されている。前板シュート1005の内部には、前後の開口1005b,1005cを左右に区画するように配置された仕切板1005dが内部空間を左右に区画するように立設されており、仕切板1005dの右側には払出部、左側には溢れ球部が形成される。溢れ球部の下面には落下口1005eが形成されており、落下口1005eから落下した遊技球は後述する溢れ球通路に流入するようになっている。また、開口1005cは、下扉枠103を閉塞したときに前面枠101の払出連絡口(図示略)の前面側に対向して配置され、該払出連絡口(図示略)を介して図示しない払出通路及び溢れ球通路に連通する。
払出口1004の下部には、下扉枠103の閉塞時に、前面枠101の払出連絡口を閉塞する球ストッパー(図示略)のストッパーリンク(図示略)を押し下げるストッパ押下部1035が突設されているとともに、その下方には前面に形成される凹部1070(図34参照)の壁面を構成する背面視長方形状の膨出部1008が形成されている。膨出部1008の右側及び下側には、前板シュート1005の落下口1005eから落下した溢れ球が流下する球通路の側壁を構成する通路壁1009aが背面視逆L字形に延設されているとともに、該通路壁1009aの下流側端部には、球通路を流下した溢れ球を下皿4に返却するための返却用開口1010が形成されている。そしてこの通路壁1009aの背面には、通路カバー1009bがネジ1009cにより取り付けられ、これら通路壁1009a及び通路カバー1009bにより、膨出部1008の左側から下側を回り込むように溢れ球通路1009が形成されている。また、溢れ球通路1009の外側には保護板金1500が取り付けられる。
上皿本体1002の背面上部中央には、通路カバー板金1011及び通路カバー板金1011の背面に配置される左右方向に延びるファール球通路カバー1012aがネジ1012bにより取り付けられている。ファール球通路カバー1012aは、前面が開口する断面視前向き略コ字形をなし、通路カバー板金1011とともにファール球通路1012(図31参照)を構成する。ファール球通路カバー1012aの背面左側端部には、打球発射装置から打ち出されたものの遊技領域7に到達せずに戻ってきたファール球を前面枠101側から受け入れる受入口1012cが背面に形成されるとともに、ファール球通路カバー1012aの前面開口における右側端部は通路カバー板金1011が配置されずに開口されており、上皿本体1002に形成されたファール球口1013から前面側に流出するようになっている。また、ファール球口1013の右側には、上皿本体板金上1014がネジ1014aにより取り付けられている。
次に、図30及び図31に示すように、上皿本体1002の背面中央部から膨出部1008の下方にかけて、平面視略L字形に形成された上皿本体板金セット1015がネジ1015aにより取り付けられている。上皿本体板金セット1015の背面右側には、上下方向を向く棒状の金属材からなる上皿ロックリンク1018が、上下方向の中央位置に配置される前後方向を向く上皿ロック軸ピン1019を中心として回転可能に枢支されているとともに、その背面側にネジ1020aにより取り付けられる上皿ロック軸押え1020により背面から押えられている。また、上皿ロック軸押え1020の背面にはカバー板金1021がネジ1021aにより取り付けられている。尚、上皿ロックリンク1018の上下端部背面には、連係ピン1018a,1018bが突設されている。
上皿本体板金セット1015の下部は、通路カバー1009bの背面を覆うように左側に向けて帯状部が延設されており、その背面には左右方向を向く金属製の上皿ロック下セット1025がネジ1025aにより取り付けられている。上皿ロック下セット1025は、上皿本体1002の背面に固設される帯状のベース板金1023と、該ベース板金1023の背面に左右方向に移動可能にガイドされた帯状のスライド板金1024と、から構成されている。ベース板金1023の左側には、下扉枠103を閉塞した際に、前面枠101に設けられた挿通穴(図示略)に挿通される差込片1023aが背面側に向けて突設されている。尚、差込片1023aは、下扉枠103の閉塞時に挿通穴(図示略)の下端縁に引っ掛かることなく乗り上がり差し込まれるように先端に向けて上向きに湾曲形成されている。
スライド板金1024は、下扉枠103を閉塞したときに前面枠101に設けられた係止穴(図示略)に係止される左向きフック形状の係止片1024a,1024bが背面側に向けて左右側にそれぞれ突設され、下扉枠103を前面枠101に係止可能とするとともに、右側端部には、上皿ロックリンク1018の連係ピン1018bが係合される連係穴1024cが形成されている。そしてベース板金1023に対してコイルバネ1026(図31参照)により常時左側、つまり係止方向に付勢されている。また、上皿本体1002の左側には、上下方向を向く上皿返し板金1027がネジ1027aにより取り付けられており、上皿本体1002の左側が補強されている。
次に、図32及び図33に示すように、上皿本体1002の背面上部には、上皿本体1002の左右側端部付近まで延びる板状の上皿本体板金セット上1040がネジ1040aにより取り付けられ、ファール球通路1012の背面側が覆われるようになっている。上皿本体板金セット上1040の左側には前板シュート1005に対応する切欠部1041が形成されているとともに、ファール球通路1012の受入口1012cに対応する箇所にはファール口1042が形成され、受入口1012cを背面側に臨ませている。また、前面右側には、係止片1044a,1044bを有する上皿ロック上セット1043が、該係止片1044a,1044bを背面側に突出させた状態で取り付けられている。上皿ロック上セット1043は、上皿ロック下セット1025と同様に、上皿本体1002の背面に固定されるベース板金と該ベース板金に対してスライド自在なスライド板金とから構成されるため、ここでの詳細な図示は省略する。
尚、係止片1044a,1044bは、右向き、つまり係止片1024a,1024bとは逆向きフック形状に形成されているとともに、スライド板金は、ベース板金に対して図示しないコイルバネにより常時右側に向けて付勢されている。そしてスライド板金の左端部には、上皿ロックリンク1018の上部の連係ピン1018aが係合されているとともに、右端部には、スライド板金をコイルバネの付勢力に抗して左側に移動操作するための操作片1045が、上皿本体1002の上部近傍に配置されるように設けられている。
下扉枠103により前面枠101の前面が閉塞されると、上側の係止片1044a,1044bは前面枠101の係止穴(図示略)に係止され、下側の係止片1024a,1024bは係止穴(図示略)に係止される。下扉枠103を開放するには、まずガラス扉枠102を開放する。これにより操作片1045が露呈して操作可能となる。そして、操作片1045を左側にスライドさせると、上皿本体板金セット上1040のスライド板金がコイルバネの付勢力に抗して左側に移動されるとともに、この移動により上皿ロックリンク1018が背面視時計回りに回転することで、上皿ロックリンク1018を介して上皿ロック下セット1025のスライド板金1024が連動してコイルバネの付勢力に抗して右側に移動する。
これにより、上側の係止片1044a,1044bと係止穴(図示略)との係止状態と、下側の係止片1024a,1024bと係止穴(図示略)との係止状態が解除され、下扉枠103が開放可能となる。
上皿本体板金セット上1040の背面左側には、前述したファール球を受け入れてファール球通路カバー1012aの受入口1012cに流入させる合成樹脂材からなるファール球受け1055がネジ1055aに取り付けられている。ファール球受け1055は、上面が開放する球受部1055bと、該球受部1055bから左方に延設される誘導片1055cと、から構成されている。球受部の前面には、ファール口1042を介して受入口1012cに対向する流出口1056が形成されているとともに、背面側にはファール球受カバー1057がネジ1057aにより取り付けられている。
ファール球受け1055の右側には、合成樹脂材からなる左右方向に延びる上皿板金カバー1058が取り付けられており、下方の整流器1050や打球モータセット(図示略)への遊技球やゴミ等の落下が防止されている。また、上皿板金カバー1058の背面右側には、上皿アース板1059がネジ1059aにより取り付けられ、上皿3の帯電が防止されている。
上皿本体1002の右側には、上皿本体1002の前面側の上皿3に待機している遊技球を、上皿本体1002の背面側に配置される前面枠101の打球モータセット(図示略)に誘導するための発射球誘導穴1031(図34参照)が形成され、該発射球誘導穴1031の背面には、上皿3に待機している遊技球を打球モータセット(図示略)に1球ずつ供給するための整流器1050がネジ1050aにより取り付けられているとともに、整流器1050の背面上部を押える整流器押え金具1051がネジ1051aにより取り付けられている。
図34に示すように、上皿本体1002の前面左側上部には、ヒンジ板金上667がネジ667aにより取り付けられているとともに、前面左側下部には、ヒンジ板金下669がネジ669aにより取り付けられ、ヒンジ板金上667の上部に突設された上下方向を向く軸ピン668と、ヒンジ板金下669に形成された軸孔670と、により、下扉枠103を前面枠101に対して左側辺を中心に回動可能に取り付けられる。
背面側の膨出部1008に対応する箇所には、スピーカ27cの一部を収容可能な大きさを有する横長長方形状の収容凹部1070が背面側に膨出するように凹設されており、該収容凹部1070には、スピーカ27cの背面を保護するスピーカカバー板金1071が前面側から収容されている。収容凹部1070の上部左側には、板状の上皿球受板金1073がネジ1073aにより取り付けられているとともに、収容凹部1070の上部右側には、帯状の球通路カバーシール1074が貼付され、上皿3に待機している遊技球との接触による磨耗が防止されている。
収容凹部1070の右側には、上皿3に待機している遊技球を落下させて下皿4に誘導する上下方向を向く球抜き通路1075を構成する球抜き通路カバー1076がネジ1076aにより取り付けられている。
(上下皿ユニット)
図35及び図36に示すように、上下皿ユニット1001は、上皿3を有する上皿ベースユニット1080と、上皿ベースユニット1080の前面に取り付けられ、下皿4を有する下皿ユニット1081と、から主に構成される。
上皿ベースユニット1080は、上皿3を形成する上皿部3aを構成する部材であり、前面上部は前方に突出して形成されている。上部左側には、後述する上皿球受ユニット1100がネジ1100aにより背面側から取り付けられる。前方に突出した上皿部3aの左右方向略中央部の上面に形成された凹部には、チャンスボタン516を構成するチャンスボタンユニット1112が上方から押圧操作可能に配置されるとともに、その上方からは、枠状のボタン飾り1113が配置される。また、上皿部3aにおけるチャンスボタンユニット1112の下面側にはカバー部材1114が配置される。
チャンスボタンユニット1112は、下方から取り付けられるネジ1112aと、カバー部材1114を取り付けるためのネジ1114aと、により上皿部3aの下方からネジ止めされるとともに、カバー部材1114に下方から取り付けられたネジ1114aがボタン飾り1113に取り付けられることで、ボタン飾り1113により周囲が上方から押えられるようになっている。
図36に示すように、上皿ベースユニット1080の前面側、具体的には前面における上皿部3aの下方位置には、下皿ユニット1081が複数のネジ1081aにより取り付けられて一体化されている。また、上皿ベースユニット1080の左側下部は、下皿ユニット1081の左側に形成された透音部の背面にネジ27Mにより取り付けられるスピーカ27cの本体後部を配置するための切欠部1080aが形成されている。
上皿ベースユニット1080の上面におけるチャンスボタンユニット1112の配置位置右側には、後述する残高ユニット1103が下方から組み付けられ、その下方には、残高押えベース1104がネジ1104aにより取り付けられ、残高ユニット1103を下方から受支している。さらにその下方には、カバー板金1190がネジ1190aにより取り付けられている。
上皿ベースユニット1080の背面下部における上皿本体1002に形成された返却用開口1010(図34参照)に対向する箇所には、横長長方形状の返却口1191が形成されており、前述した溢れ球通路1009を流下してきた遊技球が返却口1191を介して下皿4に返却されるようになっている。また、上皿ベースユニット1080の背面下部右側には、前述した球抜き通路1075(図34参照)を流下してきた遊技球を前面側に誘導して下皿4に返却する球抜き排出口1177が形成されている。
(上皿球受ユニット)
図37に示すように、上皿球受ユニット1100は、上面が開口する上皿3を構成する貯留部1120aと、該貯留部1120aから右側に向けて延設され、貯留部1120aよりも幅狭の帯状部1120bと、から構成されている。帯状部1120bには、貯留部1120aの遊技球を右側端部に形成される流出部1121に向けて流下させる1条の球通路1122が直線状に形成されており、該球通路1122の上面には金属製のメタルシュー1123が配置され、該メタルシュー1123はネジ1123aにより取り付けられている。尚、ネジ1123aには、メタルシュー1123に帯電した静電気を接地するためのアース線1124が取り付けられている。
帯状部1120bにおける流出部1121の前面側には、流出部1121を開閉する球抜きシャッター1125が前後方向に摺動自在に設けられる上皿シャッターベース1126が、ネジ1126aにより取り付けられている。球抜きシャッター1125は、シャッターバネ1127により流出部1121に向けて付勢された状態で、上皿シャッターベース1126の下部から背面側に向けて出没自在に配置されている。
球抜きシャッター1125の上方には、球抜きリンク1128を揺動自在に軸支するシャッターピン1129が左右方向に架設され、Eリング1129aにより位置決めされている。シャッターピン1129に軸支された球抜きリンク1128からは、球抜きシャッター1125の上面に形成された凹部1125aに下端が係合される下リンク1128aが斜め下方に延設されるとともに、被押圧片1128bが斜め上方に延設されている。
上皿シャッターベース1126の上方には、上部に球抜きレバー1131がネジ1131aにより取り付けられた球抜きレバーベース1130が、帯状部1120bの壁部に突設された軸部1135に対して上下に揺動自在に軸支されている。球抜きレバー1131の下面から垂下された押圧片1132は、被押圧片1128bの上部に載置されている。
球抜きシャッター1125は、シャッターバネ1127により常時流出部1121に向けて付勢されているため、通常時は流出部1121を閉鎖している。よって、球通路1122を流下してきた遊技球は、流出部1121上を通過して方向変換部1133にて流下方向が背面側の発射球誘導穴1031に変換され、整流器1050に誘導される。
球抜きレバー1131を押圧すると、押圧片1132が被押圧片1128bを下方に押圧することにより球抜きリンク1128が回転する。これにより下リンク1128aが前方に回転して球抜きシャッター1125を前面側に移動させ、流出部1121から退避させる。よって、球抜きレバー1131を押圧することで、上皿3の遊技球が流出部1121にて下方に落下し、流出部1121の下方に形成された球抜き通路1075(図34参照)を流下して下皿4に誘導される。
(下皿ユニット)
図38(a)に示すように、下皿ユニット1081は、下皿4を構成する下皿球受1171がネジ1171aにより背面側から取り付けられる下皿本体1170と、スピーカカバー1172と、から主に構成される。
下皿球受1171は、下皿4を構成する貯留部1178aを有し、前述した返却口1191から返却された遊技球及び球抜き通路1075から球抜き排出口1177(図36参照)を介して誘導された遊技球が貯留されるようになっている。
貯留部1178aの中央には、貯留された遊技球を下皿4の下方に排出するための円形の排出口1179が形成されているとともに、該排出口1179の下面には、該排出口1179を開閉する下皿球抜きスライド板1180を有する球抜きユニット1181がネジ1181aにより下方から取り付けられている。
図38(b)に示すように、球抜きユニット1181は、排出口1179に連通する排出穴1182aが形成された下皿球抜きベース1182と、遊技者により操作される下皿球抜きボタン1186がネジ1186aにより前部に取り付けられ、排出口1179よりも前後幅寸法が長寸の長穴1183aが形成された下皿球抜きボタンベース1183と、下皿球抜きボタンベース1183を下皿球抜きベース1182対して前面側に付勢する下皿球抜きバネ1185と、下皿球抜きベース1182に対して下皿球抜きボタンベース1183を下皿球抜きバネ1185の付勢力に抗して背面側の開放位置に保持するラッチ1184と、から主に構成される。尚、ラッチ1184は、1回押し込むと下皿球抜きボタンベース1183を開放位置に保持し、再度押し込むと下皿球抜きボタンベース1183の開放位置での保持状態を解除して閉塞位置に復帰可能とする。
下皿球抜きボタンベース1183は、長穴1183aを排出口1179の周縁に立設された環状のリブ1182bに嵌合させるように下皿球抜きベース1182の上面に前後に移動自在に配置されるとともに、長穴1183aの側部には連係ピン1183bが上向きに突設されている。
下皿球抜きスライド板1180は、排出口1179を閉塞可能な大きさを有し、一端に排出口1179の側方に突設された揺動軸1182cに軸支される軸穴1180aが形成されているとともに、該軸穴1180aの近傍には連係ピン1183bが挿通される長溝1180bが形成されている。このように構成される球抜きユニット1181は、図38(a)に示すように、下皿球抜きベース1182の上面に下皿球抜きボタンベース1183を前後に摺動自在に配置した状態で、軸穴1180aを揺動軸1182cに挿通するとともに、長溝1180bに連係ピン1183bを挿通した状態で排出口1179の下面に取り付けられる。
通常時においては、下皿球抜きボタンベース1183は下皿球抜きベース1182に対して下皿球抜きバネ1185の付勢力により前面側に配置されることで、下皿球抜きスライド板1180は排出口1179の下面にて閉塞する閉塞位置に配置され、これにより貯留部1178aに遊技球を貯留可能となる。そして、下皿球抜きボタン1186が背面側に押圧されて下皿球抜きボタンベース1183が下皿球抜きバネ1185の付勢力に抗して下皿球抜きベース1182に対して背面側に移動されると、連係ピン1183bの移動に伴い該連係ピン1183bに長溝1180bを介して係合している下皿球抜きスライド板1180が揺動軸1182cを中心として背面側に回転する。これにより下皿球抜きスライド板1180が排出口1179から退避して排出口1179が開放され、貯留部1178aに貯留されている遊技球を排出口1179から下方に排出可能となる。
このように構成された下皿球受1171は、下皿本体1170の下部に形成された切欠部1134の上方にネジ1171aにより背面側から取り付けられ、切欠部1134を通して排出口1179が下面側に臨むようになっている。
下皿本体1170の左側には、スピーカ27cを前方に臨ませるためのスピーカ孔1300が形成されており、その前面側には、スピーカ孔1300の前面を被覆する複数の孔部にて構成される透音部1302が形成されたスピーカカバー1172がネジ1172aにより取り付けられている。また、スピーカカバー1172の前面右側には、下皿飾り左下1304がネジ1304aとスピーカカバー1172を挿通するネジ1304bとにより取り付けられている。
下皿本体1170の前面左側上部には、下皿飾り左1303がネジ1303aにより取り付けられている。また、前面右側端部には、下皿飾り右1305がネジ1305aにより取り付けられている。さらにその上部には下皿カバー右1306がネジ1306aにより取り付けられているとともに、その前面には下皿飾り右下1307がネジ1306aとネジ1307aにより取り付けられている。
(上皿ベースユニット)
図39に示すように、上皿ベースユニット1080は、前面側に膨出する上皿部3aが上部に形成された左右方向に延びる上皿ベース1085にて外形が構成されている。この上皿部3aにおける左右側には、複数の開口1086a,1086bが左右方向に形成されている。
左側の開口1086aの背面側には、前面に複数のLEDが配設された上皿左基板1090Lが開口1086aの臨むようにネジ1090aにより取り付けられている。また、開口1086aの前面側には、上皿前インナーレンズ左1089Lがネジ1089aにより取り付けられるとともに、その背面側に配置される複数の透光孔が形成された上皿前飾り左1088L及びその背面に配置される上皿左基板保護シート1087Lが、上皿前インナーレンズ左1089Lにより上皿ベース1085の前面との間に挟持されている。
右側の開口1086bの背面側には、前面に複数のLEDが配設された上皿右基板1090Rが開口1086bに臨むようにネジ1090bにより取り付けられている。また、開口1086bの前面側には、上皿前インナーレンズ右1089Rがネジ1089bにより取り付けられるとともに、その背面側に配置される複数の透光孔が形成された上皿前飾り右1088R及びその背面に配置される上皿右基板保護シート1087Rが、上皿前インナーレンズ右1089Rにより上皿ベース1085の前面との間に挟持されている。
さらにその右側には、上皿前レンズ押え右1091がネジ1091aにより取り付けられているとともに、上皿前インナーレンズ左1089L及び上皿前インナーレンズ右1089Rの上部には、左右方向に延びる上皿前カバー1092がネジ1092aにより取り付けられている。
また、上皿ベース1085の背面における上皿左基板1090Lと上皿右基板1090Rとの間には、上皿ベース中継基板1093がネジ1093aにより取り付けられているとともに、球抜き排出口1177の背面側には、球抜き通路1075を構成する球抜き通路カバー1096がネジ1096aにより取り付けられている。
上皿部3aの上板における右側端部には、上皿右上基板1094がネジ1094aにより下方から取り付けられているとともに、その上方は上皿右上基板保護シート1095により保護されている。
(残高ユニット)
図40に示すように、残高ユニット1103は、残高ベース1161と、この残高ベース1161の下面にネジ1168aにより取り付けられる残高表示基板1168と、残高ベース1161の上面にネジ1163aにより取り付けられる残高レンズ1163と、から構成される。
残高表示基板1168の上面には、残高ベース1161に形成されたボタン配置部1165aに配置される球貸しボタン1165の押圧操作を検出する球貸しスイッチ1165cと、ボタン配置部1166aに配置される返却ボタン1166の押圧操作を検出する返却スイッチ1166cと、球貸し可能な状態であるときに点灯する球貸しランプ1164と、残高を表示する3つの7セグメント表示器からなる残高表示器1162と、が搭載されているとともに、球貸しスイッチ1165c及び返却スイッチ1166cの上方にはボタンシート1167が配置されている。
残高ベース1161には、ボタン配置部1165a,1166aが凹設されているとともに、球貸しランプ1164が臨むランプ孔1164aと、残高表示器1162が臨む表示器孔1162aが形成されている。また、残高レンズ1163には、球貸しボタン1165と返却ボタン1166とをそれぞれ操作可能に臨ませるボタン孔1165b,1166bがそれぞれ形成されている。
(チャンスボタンユニット)
図40に示すように、チャンスボタン516を構成するチャンスボタンユニット1112は、上面に枠ボタン基板509がネジ509aにより取り付けられるボタンハウジング1800と、ボタンハウジング1800の上部に配置されるボタンベース1801と、ボタンベース1801の上面に装着されるボタントップ1804と、ボタントップ1804の内部に配置される拡散シート1802及びインナーレンズ1803と、ボタンハウジング1800とボタンベース1801との間に設けられるコイルバネ1805と、から主に構成される。上皿部3aに固設される枠ボタン基板509を有するボタンハウジング1800はチャンスボタンユニット1112の本体部を構成し、ボタンベース1801及びその上部に一体に装着されるボタントップ1804は、本体部に対してコイルバネ1805により上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持される移動部を構成する。また、本体部に対して移動部を上方に付勢して上方位置に維持する付勢手段の一例としてコイルバネ1805を適用したが、板バネ等であってもよい。
図40及び図44,図45に示すように、ボタンハウジング1800は、非透光性の合成樹脂材からなり、底板1800aと、底板1800aの上面周囲に立設される周壁1800bと、から構成される。底板1800aにおける略中央位置には、枠ボタン基板509の上面に設けられるボタンスイッチ516aを上方に臨ませるとともに、後述する突出壁1815が挿通可能な大きさを有する長方形状の挿通口1810が形成されているとともに、挿通口1810の左右側には、左右一対のコイルバネ1805,1805の下端を水平移動不能に支持するバネ支柱1811,1811が上方に向けて突設されている。
底板1800aにおける挿通口1810の左右側及び後側には、枠ボタン基板509の上面に設けられるボタンLED516b〜516dを上方に臨ませる円形の透光孔1812b〜1812dが形成されている。また、周壁1800bにおける前面左右側及び後面左右側の下部には、後述する弾性係止爪1818が上下移動可能に係止される係止穴1813が底板1800aにかけて形成されている。
図41〜図45に示すように、ボタンベース1801は、非透光性の合成樹脂材からなり、底板1800aよりも一回り小さい底板1801aと、底板1801aの上面周囲に立設される周壁1801bと、から構成される。底板1801aの下面、つまりボタンハウジング1800との対向面略中央位置には、挿通口1810に挿通可能な突出壁1815(図43,図44参照)が突設されている。突出壁1815は、前後方向を向く板状の遮光壁1815aと、該1815aの周囲を囲むように四角筒状に形成される被覆壁1815bと、から構成されている。言い換えると、遮光壁1815aは、被覆壁1815bにより囲まれた空間を左右に区画するように配置されている。尚、これら遮光壁1815aの左右側面及び被覆壁1815bの内面は黒色に着色されている。
底板1801aの下面における突出壁1815の左右側には、コイルバネ1805の上端を収容して水平移動不能に支持するバネ収容凹部1816,1816が上方に突出するように形成されている。さらに底板1801aにおける挿通口1810の左右側及び後側には、透光孔1817b〜1817dが、透光孔1812b〜1812dそれぞれの直上位置に対応して形成されている。また、周壁1801bにおける前面左右側及び後面左右側には、ボタンハウジング1800の係止穴1813に係止される弾性係止爪1818が外向きに突出して形成されており、これら弾性係止爪1818が係止穴1813の上端縁に係止されることで、ボタンハウジング1800に対して上方の付勢位置にて保持されるようになっている。また、周壁1801bにおける前面中央及び後面左右側には、ボタントップ1804を係止する係止突起1819(一部は図示略)が突設されている。
拡散シート1802は、透光性及びボタンLED516b〜516dからの光を拡散させる拡散性を有する合成樹脂シートからなる。また、インナーレンズ1803は、無色透明の合成樹脂材からなるとともに、上面に「CHANCE」なる文字及び稲妻模様が形成され、これらの表面にはメッキ処理が施されて装飾部(図41中の着色領域)を構成している。また、これら装飾部の間はサンドブラスト加工が施されて光拡散部を構成している。
ボタントップ1804は、無色透明な合成樹脂材からなり、遊技者による押圧操作部を構成する上板1804aと、上板1804aの下面周囲に垂下される周壁1804bと、から下面が開口する箱状に形成されてなり、周壁1804bはボタンベース1801の周壁1801bの外側に配置可能な大きさに形成されている。周壁1804bにおける前面中央及び後面左右側には、ボタンベース1801の係止突起1819が係止される係止穴1830(一部は図示略)が形成されており、周壁1804bをボタンベース1801の上方から周壁1801bの外側に配置したときに係止突起1819が係止穴1830に係止されることで、ボタンベース1801の上部にボタントップ1804が嵌合され、中空状のボタン部(移動部)が構成される。
また、周壁1804bの外周には、ボタン押圧時に周壁1801bの上端に近接して周壁1804bの外面と周壁1800bの内面との間の隙間を閉塞するリブ1831が環状に形成されている。また、周壁1801bの内壁には、特に図示はしないが上下方向を向く凸条が所定間隔おきに突設されており、これら凸条により内面が凹凸状に形成されて光拡散部が形成されている。
このように構成されたボタンユニット1112は、図44に示すように、ボタンハウジング1800の上部に、ボタンベース1801と該ボタンベース1801の上部に嵌合して一体化されたボタントップ1804とからなる移動部が、コイルバネ1805により上方に付勢された状態で、ボタンハウジング1800に対して上下動可能に装着される。この状態において、ボタンハウジング1800の周壁1801b内にボタントップ1804の周壁1804bが嵌合されることで上下動可能に案内される。尚、本実施例では、ボタンハウジング1800の周壁1801b内にボタントップ1804の周壁1804bが上下動可能に案内されるようになっていたが、周壁1801bが周壁1804b内に嵌合されるようにしてもよいし、あるいは周壁とは別の案内手段にて上下動可能に案内されるようにしてもよい。
ボタンベース1801及びボタントップ1804からなる移動部は、通常状態、つまり非押圧操作状態において、弾性係止爪1818が係止穴1813の上端縁に係止されることにより上限位置に保持されるようになっている。そしてこの非押圧操作状態において、ボタンLED516bの直上に透光孔1812b,1817bが配置され、ボタンLED516cの直上に透光孔1812c,1817cが配置され、ボタンLED516dの直上に透光孔1812d,1817dが配置され、各ボタンLED516b〜516dからの光が拡散シート1802及びインナーレンズ1803を透してボタントップ1804の上板1804a及び周壁1804bの内面に到達し、これによりボタントップ1804における上板1804a及び周壁1804bの上部が光により装飾されるようになる。また、挿通口1810に臨むボタンスイッチ516aの直上には、突出壁1815が配置される。
ここで、ボタンスイッチ516aと突出壁1815との詳細な構造について説明すると、ボタンスイッチ516aは、特に図44(c)(d)に示すように、光学式の検出手段であるフォトセンサにて構成されており、本体は側面視上向き「コ」字形に形成され、二股状の一方に設けられた投光部1840と、他方に設けられた受光部1841と、が互いに対向して配置されている。そして投光部1840から受光部1841に向けて照射された光が突出壁1815の遮光壁1815aにより遮られることで、押圧操作部を構成する上板1804aの押圧操作が検出されるようになっている。尚、本実施例では、ボタンスイッチ516aは投光部1840と受光部1841とが一体的に設けられたフォトセンサが適用されているが、投光部1840と受光部1841とが分離された分離型のフォトセンサを適用してもよい。
突出壁1815は、投光部1840と受光部1841との間に、該投光部1840からの光を遮断可能に配置される遮光壁1815aと、この遮光壁1815aと、投光部1840及び受光部1841と、を囲むように配置可能な大きさを有する平面視長方形状の被覆壁1815bと、から構成されている。より具体的には、四角筒状に形成された被覆壁1815bの内部は、遮光壁1815aにより左右に区画されている。また、遮光壁1815a及び被覆壁1815bの底板1801aの下面からの突出長さL1(図44(c)参照)は同一である。
そして非押圧操作状態において、遮光壁1815aは投光部1840と受光部1841との間の上部に配置され、被覆壁1815bは投光部1840及び受光部1841全体を外側から囲繞可能に上方に配置される。そしてこの状態においては、投光部1840と受光部1841との間は遮光壁1815aにより遮光されないため、受光部1841がオン状態となり非検出状態となるとともに、投光部1840と受光部1841との間の側部、つまり前後側は開放されているため、その周辺に配置されるボタンLED516b〜516cからの光は入り込むことがあるが、基本的には投光部1840からの光を受光してオン状態であるため問題はない。
次いで図45に示すように、遊技者により押圧操作部である上板1804aの上面が押されると、ボタンベース1801及びボタントップ1804からなる移動部が、コイルバネ1805の付勢力に抗して下降する。尚、ボタンベース1801の底板1801aの下面周縁から垂下された環状のリブ1801cがボタンハウジング1800の底板1800aの上面に当接して下方移動が規制されることで、ボタンハウジング1800に対するボタンベース1801の下限位置が決定される。
そしてこのボタンベース1801の下降に応じて突出壁1815が下降することにより遮光壁1815aが下降して投光部1840と受光部1841との間に配置され、投光部1840からの光が遮光壁1815aにより遮られる。つまり、遊技者による押圧操作に応じて、遮光壁1815aが上方の非検出位置から下降して投光部1840と受光部1841との間の検出位置(遮光位置)に配置され、これにより受光部1841がオフ状態となることで、遊技者によるボタン操作が検出される。
また、遮光壁1815aが投光部1840と受光部1841との間の検出位置に配置されるのと同時に、投光部1840と受光部1841との側周囲が被覆壁1815bにより被覆されるとともに、上面も底板1801aにより被覆される。これにより、特に図45(c)(d)に示すように、ボタンスイッチ516aの周辺に配置されるボタンLED516aからの光が投光部1840と受光部1841との間に入り込むことが阻止される。よって、ボタンLED516aからの光が投光部1840と受光部1841との間に入り込んで受光部1841に入射されることで受光部1841がオン状態となり、非検出状態と判定されてしまうことが防止される。
また、図45(c)に示すように、投光部1840や受光部1841と被覆壁1815bとの間に形成される間隙から光が入り込んだとしても、遮光壁1815aの左右側面及び被覆壁1815bの内面は黒色に着色されていることにより光の反射が抑制されることで、受光部1841へのLEDからの光の進入が効果的に防止される。
尚、本実施例では、遮光壁1815aの左右面及び被覆壁1815bの内面を黒色に着色することにより該内面に低反射層を形成していたが、これら遮光壁1815aの左右面及び被覆壁1815bからなる突出壁1815及びこれを含むボタンベース1801を黒色の合成樹脂材にて構成することにより内面に低反射層を形成してもよい。さらに、このような低反射層は、黒色だけでなくても、反射率の低い色であれば任意に変更可能である。また、例えばマット加工(サンドブラスト加工等)あるいは艶消し塗装等により内面に微小な凹凸部を形成することで低反射層を形成してもよく、このように非鏡面を形成しても反射率を効果的に低下させることができる。さらに、黒色等に着色した内面にマット加工を施すことで低反射層の表面積が大きくなるため、より反射率を低下させることができる。
以上説明したように、押圧操作部である上板1804aの押圧操作により遮光壁1815aにより投光部1840からの光が遮断されるとき、つまり押圧操作が検出されるときには、フォトセンサであるボタンスイッチ516aと発光手段であるボタンLED516b〜516dとが阻止部である被覆壁1815bにより仕切られることで、少なくともボタンLED516b〜516dからの直接光の受光部1841への入射が阻止されるため、ボタンLED516b〜516dからの光を受光部1841が受光して押圧操作の検出が無効化されることが防止される。
尚、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86は、前述したようにリーチ演出や大当り演出等の様々な場面において、遊技者によるチャンスボタン516の操作を有効とし、この有効期間においてチャンスボタン516が操作された場合に所定の操作系演出を実行可能としている。そして、通常時においてボタンLED516b〜516dを所定の発光色(例えば白色)にて発光させておき、操作系演出の実行に伴い遊技者によるチャンスボタン516の操作を有効としている期間において、チャンスボタン516の操作が有効である旨を演出表示装置9に表示したり、ボタンLED516b〜516dの発光色を所定の発光色に変更することにより遊技者に報知する制御を実行する。よって、このようにボタンLED516b〜516dが発光色が変化した状態においてボタン操作がなされた場合でも、ボタンスイッチ516aとボタンLED516b〜516dとが被覆壁1815bにより仕切られることで、少なくともボタンLED516b〜516dからの直接光の受光部1841への入射が阻止されるため、ボタンLED516b〜516dからの光を受光部1841が受光して押圧操作の検出が無効化されることが防止される。
また、CPU86は、ボタンスイッチ516aによりチャンスボタン516の押圧操作が検出されたとき、つまり受光部1841がオン状態からオフ状態に変化したときに、ボタンLED516b〜516dを非発光状態に制御すれば、ボタンLED516b〜516dからの光が受光部1841に受光されて押圧操作の検出が無効化されることを確実に防止することができる。
また、通常時、つまりチャンスボタン516の操作無効期間においてボタンLED516b〜516dを所定の色(例えば白色等)で発光させておき、チャンスボタン516の押圧操作が有効となったときにボタンLED516b〜516dの発光色を変更させる制御を行うことで、操作が有効でないときでも押圧操作部を光により装飾できるので、押圧操作部である上板1804aの装飾性を高めることができるばかりか、例えば白色から青、黄、緑、赤色等に変化させることにより、操作が有効になったことを確実に報知することができる。尚、操作無効期間においてボタンLED516b〜516dを消灯しておき、操作有効期間にボタンLED516b〜516dを発光させるようにしてもよい。
また、被覆壁1815bが、移動部であるボタンベース1801の下面に設けられていることで、押圧操作部が押圧操作されていない非押圧操作状態には、コイルバネ1805の付勢力により上方に付勢されてボタンスイッチ516aから退避するため、ボタンLED516b〜516dからの光が被覆壁1815bの外面にて反射して押圧操作部の照明に支障をきたすことがない。
また、被覆壁1815bは、投光部1840及び受光部1841の周囲を被覆可能な大きさを有する筒状に形成され、遮光壁1815aは筒状の被覆壁1815b内に形成されていることで、ボタンLED516b〜516dの配置形態に関わらず、投光部1840と受光部1841及び遮光壁1815aを含めた周囲が被覆壁1815bにより被覆されるため、乱反射等による受光部1841への受光を確実に防止できる。
具体的には、投光部1840及び受光部1841の側方だけでなく、上方を包み込むように被覆するため、ボタンLED516b〜516dからの光がボタンベース1801やボタントップ1804の内面等に反射して投光部1840と受光部1841との間に上方から入り込むことが阻止される。
尚、本実施例では、遮光壁1815aは投光部1840及び受光部1841の周囲を被覆可能な大きさを有する筒状に形成されていたが、少なくとも投光部1840及び受光部1841と各ボタンLED516b〜516dとの間を仕切るように配置され、少なくともボタンLED516b〜516dからの直接光を遮光しうるようになっていれば、必ずしも筒状に形成されていなくてもよい。つまり、ボタンLED516b〜516dと投光部1840及び受光部1841とは枠ボタン基板509の上面、つまり同一の水平面上に配置されているため、枠ボタン基板509の上面における投光部1840及び受光部1841と各ボタンLED516b〜516dとの間に被覆壁が立設されていれば少なくとも直接光の進入は阻止できる。
また、本実施例では、底板1801aの下面からの遮光壁1815a及び被覆壁1815bの突出長さL1は同一とされていたため、投光部1840と受光部1841との間に遮光壁1815aが配置されて押圧操作が検出されるのに応じて、投光部1840及び受光部1841の周囲が被覆壁1815bにより被覆されるようになっていたが、投光部1840と受光部1841との間に遮光壁1815aが配置されて押圧操作が検出されるのに先立って、投光部1840及び受光部1841の周囲が被覆壁1815bにより被覆されるようにしてもよい。
具体的には、図46(a)に示す変形例としての突出壁1815’のように、底板1801aの下面からの遮光壁1815aの突出長さL2よりも、底板1801aの下面からの被覆壁1815bの突出長さL3を長くすることで(L3>L2)、押圧操作に応じて突出壁1815’が下降した場合、投光部1840と受光部1841との間に遮光壁1815aが配置されて投光部1840からの光が遮られるよりも前に、投光部1840及び受光部1841の周囲の一部が被覆壁1815bにより被覆されるとともに(図46(b)参照)、投光部1840からの光が遮られたときに、投光部1840及び受光部1841の周囲が被覆壁1815bにより完全に被覆されるようにしてもよい(図46(c)参照)。
このようにすれば、チャンスボタン516の押圧操作により遮光壁1815aが遮光位置に到達する前、つまり押圧操作の検出に先立って受光部1841への受光が遮光壁1815aにより阻止されるため、押圧操作の検出が無効化されることを確実に防止できる。
また、本実施例のチャンスボタン516は、ボタンハウジング1800に対してボタンベース1801及びボタントップ1804が上下動可能に支持されていたが、ボタンハウジング1800に対してボタンベース1801及びボタントップ1804が、ボタンハウジング1800の周壁1801bの一部に設けられた水平軸を中心に回動自在に支持されていてもよい。つまり、遊技者による押圧操作により移動可能に支持されていれば、必ずしも直線移動可能に支持されていなくてもよい。
また、本実施例では、ボタンスイッチ516aとボタンLED516b〜516dは枠ボタン基板509の上面に配置されていたが、ボタンスイッチ516aの周辺近傍にボタンLED516b〜516dが配置されていれば、必ずしも同一平面上に配置されていなくてもよく、例えばボタンLED516b〜516dは底板1801a上に配置されていてもよい。
また、例えば、大当りに当選した可能性があること、スーパーリーチに発展する可能性があること、確変大当りに昇格する可能性があること等を、チャンスボタン516の操作面である上板1804a上面に触れているまたは近接している遊技者の手に、振動を付与するまたは手に風を当てることなどにより知覚可能に報知する報知手段(例えばボタントップ1804を振動させる振動モータや、チャンスボタン516を操作している遊技者の手に風を送出する送風モータ等)を、チャンスボタン516またはその近傍に設けるとともに、これら報知手段の動作を検知する検知手段(例えば、振動検知センサや風圧を検知するセンサ、あるいは、駆動電圧を監視する電圧監視回路等)を設け、CPU86は、このような検知手段による検知結果にもとづいて、報知を実施するときに振動モータや送風モータが駆動していないと判定した場合、あるいは報知を実施しないときに振動モータや送風モータが駆動していると判定した場合等に動作異常が発生したとして、該異常が生じた旨を所定の異常報知手段(例えば演出表示装置9等)により動作異常を報知するようにしてもよい。
このようにすれば、チャンスボタン516を押圧操作した手を通じて遊技者に確実に報知することができるばかりか、ボタンの操作面に触れるまたは近づけなければ遊技者は報知内容を認識することができないため、遊技者にボタンの操作を積極的に行わせることができる。また、この報知手段に動作異常が生じた場合にはその旨が報知されるため、動作異常による誤報知であったことを遊技者に確実に認識させることができる。
また、本実施例では、遮光壁1815a及び被覆壁1815bからなる突出壁1815が移動部であるボタンベース1801に一体に設けられ、遊技者によるベース1801及びボタントップ1804の押下に連動して突出壁1815が下降するようになっていたが、必ずしも遮光壁1815a及び被覆壁1815bは移動部に設けられていなくてもよく、例えばこれら遮光壁1815a及び被覆壁1815bを、本体部であるボタンハウジング1800に弾性変形可能に設けた板バネに形成し、移動部であるベース1801またはボタントップ1804の押下により前記板バネが付勢力に抗して下降されることにより、該板バネに形成された遮光壁1815a及び被覆壁1815bが連動して下降するようにしてもよい。
また、本発明の実施例としてのチャンスボタン516は、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1に適用されていたが、スロットマシンやアレンジボール、雀球遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。特にスロットマシンにおいては、本実施例のように演出用のチャンスボタンに適用してもよいし、あるいは1ゲームに対して賭数を設定するためのBETボタンや、図柄を可変表示する可変表示装置(リール)の表示結果を導出する導出操作を行うストップボタン等に適用してもよい。