JP2011188964A - 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置 - Google Patents

耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011188964A
JP2011188964A JP2010056873A JP2010056873A JP2011188964A JP 2011188964 A JP2011188964 A JP 2011188964A JP 2010056873 A JP2010056873 A JP 2010056873A JP 2010056873 A JP2010056873 A JP 2010056873A JP 2011188964 A JP2011188964 A JP 2011188964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ear
ear insertion
insertion rod
support
support mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010056873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4527200B1 (ja
Inventor
Yutaka Takeuchi
豊 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YT RINSHO KYOSEI SEMINAR KK
Original Assignee
YT RINSHO KYOSEI SEMINAR KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YT RINSHO KYOSEI SEMINAR KK filed Critical YT RINSHO KYOSEI SEMINAR KK
Priority to JP2010056873A priority Critical patent/JP4527200B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4527200B1 publication Critical patent/JP4527200B1/ja
Publication of JP2011188964A publication Critical patent/JP2011188964A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】
頭部X線規格写真撮影装置において、矢状面において顎関節部を明瞭に撮影することができる耳入桿支持機構を提供する。
【解決手段】頭部X線規格写真撮影装置(1)において、第2の耳入桿(11)を第1の耳入桿(10)に対して上下方向と水平方向に位置をずらせるようにする。具体的には、第2の耳入桿(11)を耳入桿支持具(14)によって支持する。耳入桿支持具(14)は、支持バー(8)に固定されている支持部材(16)に対して水平方向にスライド可能な位置決め部材(17)が固定され、位置決め部材(17)に対して上下方向にスライド可能にスライダー(18)が固定されている。このスライダー(18)に第2の耳入桿(11)を取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、頭部X線規格写真撮影装置において患者の頭部を位置決めする一対の耳入桿の一方を、他方に対して所望の位置に支持できるようになっている耳入桿支持機構、およびそのような耳入桿支持機構を備えた頭部X線規格写真撮影装置に関するものである。
上顎と下顎のバランスに問題があると歯並びや咀嚼機能、発音機能に問題が生じるだけでなく頭痛や肩こりの原因にもなる。上顎が下顎に対して相対的に前方に突き出している、いわゆる上顎前突には、下顎骨の劣成長によるもの、下顎骨が上顎骨に対して後方にずれていたり後下方に回転していることによるものが多く、下顎後退症と呼ばれている。このような異常に対して矯正歯科治療が施されることになるが、例えば成長期の下顎後退症の患者に対しては、いわゆる機能的矯正装置を装着して下顎骨の前方への成長を促進させるようにする。矯正歯科治療を施す場合、機能的矯正装置の装着の前後において下顎頭と下顎窩の位置関係を観察する必要がある。人体を左右対称に切断する面は正中矢状面、これと平行な任意の断面は矢状面と呼ばれているが、顎関節を所定の矢状面においてX線撮影すると、下顎頭と下顎窩の位置を適切に観察することができ極めて有用である。このようなX線撮影ができる装置として顎関節撮影装置が周知である。顎関節撮影装置は色々な方向からX線を曝射することができるし、焦点位置も調整することができるので、顎関節を所定の矢状面において撮影することができる。しかしながら顎関節撮影装置は特殊な設備が必要であり、高価なものが多い。矯正歯科治療においては、継続的かつ周期的な治療と観察が必要であるが、ほとんどの矯正歯科医院には顎関節撮影装置は設置されていない。従って、このような装置が設置されている大病院に顎関節の撮影を依頼するしかなく、そうすると病院までの移動時間もかかるし、大病院は撮影の待ち時間も長い。患者にとって時間的な負担が大きくなってしまうので、頻繁に撮影を依頼することはできない。
特開2004−229787号公報 特開2007−307033号公報
頭部X線規格写真撮影装置、いわゆるセファロX線撮影装置は、矯正歯科の診断、治療方針の作成において必須である。従って、ほとんどの矯正歯科医院に設置されている。本発明の直接的な文献ではないが特許文献1や特許文献2にも頭部X線規格写真撮影装置の例が記載されている。頭部X線規格写真撮影装置は、従来周知のようにX線を曝射するX線管装置と、フィルム入りのカセットを保持するカセット支持機構と、患者の頭部を位置決めする位置決め機構とから構成されている。この位置決め機構は、X線管装置とカセット支持機構の間に設けられている。位置決め機構は、床に設置されている所定の支柱と、この支柱に所定の部材を介して取り付けられている一対のブラケットと、この一対のブラケットのそれぞれに設けられている一対の耳入桿とから構成されている。この一対の耳入桿、いわゆるイヤーロッドは、同じ高さになるように横向きに設けられ先端が互いに対向している。頭部X線規格写真撮影装置においては、X線管装置およびカセットは、この一対の耳入桿と略等しい高さに配置されている。
頭部X線規格写真撮影装置では次のように撮影する。患者を、位置決め機構近傍に配置された椅子に座らせる。患者の左右の外耳孔のそれぞれに耳入桿を軽く挿入する。そうすると、患者の頭部を位置決めすることができる。この位置決めされた患者の側方にカセットが位置するように、位置決め機構の向きを調整しておく。そうするとX線管装置は一対の耳入桿の延長線上に位置することになる。従ってX線管装置からX線を曝射すると、中心X線が一対の耳入桿を通る。このとき撮影体位は位置決めされているし、X線管装置と被写体正中矢状面とフィルムのそれぞれの位置は一定になっているので、規格化された頭部の側面像を撮影することができる。この側面像には左右の顎関節が重なった状態で撮影される。頭部X線規格写真撮影装置によって、いわゆる正面像や軸位像を撮影することもできる。位置決めされた患者に対して、その後頭部、あるいは前頭部にカセットが配置されるように、位置決め機構の向きを調整する。そうすると、X線管装置は患者の前方、あるいは後方に位置することになる。患者に正面を向かせた状態でX線を曝射すると規格化された正面像を撮影することができる。この位置において、患者に天井を向かせて下顎がX線管装置の方に向くようにしてX線を曝射する。そうすると下顎から頭頂部を通るようにX線が曝射され、軸位像を撮影することができる。このように頭部X線規格写真撮影装置では患者の頭部を位置決めして撮影するので、同一の位置と角度で撮影できることが保障されている。従って治療の前後で撮影された画像を比較して、定位において変化を評価することができる。
左右の顎関節のうち一方の側だけを矢状面において撮影する、いわゆる単純撮影法が周知であり、Schueller氏撮影法とParma氏撮影法が知られている。Schueller氏撮影法においては、カセットを正中矢状面と平行になるようにして、頭部の側方に配置する。そしてX線管装置によってX線を曝射するとき、患者の眼窩と耳朶上縁を通る水平面、いわゆるフランクフルト平面に対して、上方から20〜25°の角度でX線を入射する。そうするとX線は一方の側の側頭骨の上方部分から、他方の側の顎関節を通るように入射される。従って、この他方の側の顎関節だけを所定の矢状面において撮影することができる。Schueller氏撮影法を変形した、いわゆるSchueller氏変法も周知である。この方法においてはX線の入射角をさらに他の方向にずらす。具体的には人体を前後に切断する、いわゆる前頭面、つまり矢状面と水平面の双方に直交する面に対して、X線が5〜10°だけ後方から入射されるようにする。そうすると下顎頭長軸角方向にX線を入射することができ、さらに顎関節の診断に有用なX線写真を撮影することができる。他の単純撮影法の一種であるParma氏撮影法では、X線管焦点を左右の顎関節のうち一方に近づけてX線を曝射する。この一方は、撮影対象ではない非検側顎関節である。そうすると非検側顎関節は拡大してぼかされる。従って非検側顎関節は半影状に撮影されて目立たない。検側である他方の顎関節は鮮明に撮影されることになる。これによって実質的に検側顎関節を矢状面において撮影することができる。
顎関節撮影装置によっても、顎関節を矢状面において撮影することができるが、上記したように装置は撮影用途が特化されているし、装置によっては高価なものもあるので、一般的な矯正歯科医院には設置されていない。断層撮影装置も顎関節を矢状面において撮影することができるが、価格は高くスペースを取るので、一般的な矯正歯科医院には設置されていない。これに対して頭部X線規格写真撮影装置は、ほとんどの矯正歯科医院、および一部の一般歯科医院に既に設置されている。そして頭部X線規格写真撮影装置は、頭位を固定にして顎関節を撮影することができるので、規格化された写真によって定位での評価をすることができる。従って、頭部X線規格写真装置によって顎関節を撮影すれば、安価に顎関節を診断することが可能である。しかしながら側面像には左右の顎関節が重なって撮影されてしまう。そうすると精度の高い診断は難しいという問題がある。前記したSchueller氏撮影法やParma氏撮影法はX線管装置を使用するだけで左右の顎関節の一方の側だけを矢状面において撮影することができるので優れてはいる。しかしながら、これらの方法に関しても問題が見受けられる。すなわち、これらの方法においては頭部を正確な位置で位置決めする手段が無い。従って、同一の位置と角度で顎関節が撮影されている保障は無いし、同一の位置と角度を再現できる手段もない。そうすると、矯正歯科治療の前後で顎関節を撮影しても、同一の条件で撮影されている保障が無いので、矯正歯科治療による改善の程度を定量的に評価することはできない。
本発明は、上記したような従来の問題を解決した、頭部X線規格写真撮影装置用の耳入桿支持機構、および頭部X線規格写真撮影装置を提供することを目的としている。具体的には、従来の頭部X線規格写真撮影装置において顎関節を矢状面において撮影するとき、左右の顎関節の一方の側だけを鮮明に撮影することができ、そのときの頭部の位置および角度を正確に再現することができる耳入桿支持機構を提供すること、およびそのような耳入桿支持機構を備えた頭部X線規格写真撮影装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、頭部を位置決めする一対の耳入桿を備えている頭部X線規格写真装置撮影装置において、この一対の耳入桿を支持する耳入桿支持機構に特徴を有するように構成する。つまり、一方の耳入桿が他方の耳入桿に対して相対的に水平位置をずらして支持できるように耳入桿支持機構を構成する。また、相対的に左右方向にもずらして支持できるようにする。そして、このような耳入桿支持機構を、比較的構造が簡単な所定の耳入桿支持具から構成する。
かくして、請求項1に記載の発明は、患者の左右の外耳孔に挿入して頭部を位置決めする一対の耳入桿を備え、水平方向からX線を曝射して頭部の規格化されたX線写真を撮影することができる頭部X線規格写真撮影装置において、前記一対の耳入桿を支持する耳入桿支持機構は、前記一対の耳入桿を相対的に上下方向の位置をずらせるようになっていることを特徴とする耳入桿支持機構として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耳入桿支持機構において、前記一対の耳入桿を相対的に水平方向の位置もずらせるように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の耳入桿支持機構を構成している、一方の耳入桿を支持する耳入桿支持具であって、前記耳入支持具は、垂直に設けられている棒状の支持部材と、水平方向のスリットと上下方向のスリットが明けられている位置決め部材と、耳入桿が取り付けられているスライダーとから構成され、前記位置決め部材は、ボルトによって前記水平方向のスリットを介して前記支持部材に水平方向の位置を調整可能に取り付けられ、前記スライダーは、同様にボルトによって前記垂直方向のスリットを介して前記位置決め部材に上下方向の位置を調整可能に取り付けられ、これらによって前記一方の耳入桿は他方の耳入桿に対して水平方向と上下方向とにずらして固定できるように構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の耳入桿支持機構を構成している、一方の耳入桿を支持する耳入桿支持具であって、前記耳入支持具は、垂直に設けられている板状の部材から構成されており、上下方向と水平方向とに所定の間隔をおいて複数個の耳入桿挿入孔が明けられ、前記一方の耳入桿が選択的に挿入されるように構成される。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の耳入桿支持機構を備えた頭部X線規格写真撮影装置として構成される。
以上のように本発明によると、患者の左右の外耳孔に挿入して頭部を位置決めする一対の耳入桿を備え、水平方向からX線を曝射して頭部の規格化されたX線写真を撮影することができる頭部X線規格写真撮影装置において、一対の耳入桿を支持する耳入桿支持機構として構成されている。つまり、本発明の耳入桿支持機構を設けるようにすれば、ほとんどの矯正歯科医院に既に設置されている頭部X線規格写真撮影装置を利用することができる。そして、耳入桿支持機構は、一対の耳入桿を相対的に上下方向の位置をずらせるように構成されている。つまり、一方の耳入桿を他方の耳入桿に対して下方の位置になるように支持することができる。この状態で頭を位置決めすると、患者のフランクフルト平面が水平方向に対して所定の角度で傾く。X線を水平方向から曝射して顎関節を撮影すると、実質的にSchueller氏撮影法によって顎関節を鮮明に撮影することができる。このとき頭は一対の耳入桿によって正確に位置決めされているので、同一の位置と角度を再現することができる。すなわち、矯正歯科治療の前後で顎関節を撮影すれば、治療による改善の程度を定量的に評価することができる。また、他の発明によると、耳入桿支持機構は、一対の耳入桿を相対的に水平方向の位置もずらせるようになっている。そうすると、X線を曝射する方向に対して前頭面を傾けることができ、実質的にSchueller氏変法による顎関節の撮影も可能になる。従って、さらに顎関節を正確かつ精度良く観察することが可能になる。
他の発明によると、耳入桿支持機構は、一方の耳入桿を支持する耳入桿支持具から構成されている。この耳入桿支持具は、垂直に設けられている棒状の支持部材と、水平方向のスリットと上下方向のスリットが明けられている位置決め部材と、耳入桿が取り付けられているスライダーとから構成されており、シンプルに構成されている。従って、安価に提供することが可能になる。そして、この位置決め部材は、ボルトによって水平方向のスリットを介して支持部材に水平方向の位置を調整可能に取り付けられ、スライダーは、同様にボルトによって垂直方向のスリットを介して位置決め部材に上下方向の位置を調整可能に取り付けられている。そして、これらによって一方の耳入桿は他方の耳入桿に対して水平方向と上下方向とにずらして固定できる。そうすると、Schueller氏撮影法やSchueller氏変法による撮影も容易にできる。そして、耳入桿支持具はシンプルに構成されているので、従来の頭部X線規格写真撮影装置に設けることもできる。つまり従来の装置でも本発明に係る頭部X線規格写真撮影装置に改造することが可能になる。
さらに他の発明によると、耳入桿支持具は、垂直に設けられている板状の部材から構成されており、上下方向と水平方向とに所定の間隔をおいて複数個の耳入桿挿入孔が明けられ、一方の耳入桿が選択的に挿入されるようになっている。つまり、一方の耳入桿を任意の耳入桿挿入孔に挿入することができ、他方の耳入桿に対して、水平位置をずらしたり左右方向にずらすことができる。このように非常にシンプルな耳入桿支持具によっても、Schueller氏撮影法やSchueller氏変法によって、規格化された定位において顎関節を撮影することができ、さらに安価に頭部X線規格写真撮影装置を改造することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る頭部X線規格写真撮影装置を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る耳入桿支持具を模式的に示す図で、耳入桿支持具を構成している部品を分解した状態で示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る耳入桿支持具を備えた耳入桿支持機構の作用を説明する図であり、その(ア)は正面図、その(イ)は上面図である。 第2の実施の形態に係る耳入桿支持具を模式的に示す図で、その(ア)は耳入桿支持具の斜視図、その(イ)は耳入桿支持機構の正面断面図である。 他の実施の形態に係る耳入桿支持機構を模式的に示す図で、その(ア)、(イ)は、それぞれ異なる実施の形態に係る耳入桿支持機構を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る頭部X線規格写真撮影装置1を説明する。本実施の形態に係る頭部X線規格写真撮影装置1も、図1に示されているように、従来の装置と略同様に構成されている。すなわち、X線を曝射するX線管装置2と、フィルム入りのカセット3を保持するカセット支持機構4と、患者Kの頭部を位置決めする位置決め機構5とから構成されている。そして、これらは所定の部材を介してアーム6に設けられており、互いに水平位置がずれないように連動して動くようになっている。つまり患者Kの座高に合わせるために、アーム6の高さを調整して位置決め機構5を上下させると、X線管装置2とカセット3も連動して上下する。従って、X線管装置2は常に患者Kの頭部に対して水平方向からX線を曝射できるようになっているし、カセット3も頭部近傍に配置されることになっている。
本実施の形態に係る位置決め機構5も従来の位置決め機構と同様に、第1、2の耳入桿10、11、すなわちイヤーロッドを備えているが、これらの耳入桿10、11は本発明の第1の実施の形態に係る耳入桿支持機構7によって支持されている。耳入桿支持機構7を構成している支持バー8は、従来の装置と同様にアーム6と平行に設けられ、水平面内において所定の範囲で回転可能に設けられている。また、この支持バー8の一方の端部には耳入桿固定具13が固定され、耳入桿固定具13には、従来の装置と同様に第1の耳入桿10が固定的に支持されている。しかしながら支持バー8の他方の端部には、本発明の第1の実施の形態に係る耳入桿支持具14が固定され、第2の耳入桿11は、この耳入桿支持具14によってその位置をずらして固定できるように支持されている。
第1の実施の形態に係る耳入桿支持具14を詳しく説明する。耳入桿支持具14は、図2に示されているように3個の部品、すなわち棒状を呈している支持部材16と、この支持部材16に取り付けられている位置決め部材17と、この位置決め部材17に取り付けられているスライダー18とから構成されている。これらの部品16〜18はアクリル樹脂から形成されているので、X線写真には影は写らない。この支持部材16はその上端部において支持バー8に固定され、垂直になっている。支持部材16の下端部近傍には、所定の幅で切り取られた溝部20が形成され、溝部20の表面は湾曲しており円柱の一部から形成されている。また溝部20の下方の凸部21も、支持部材16の胴部22よりも所定の深さだけ切り取られ、その表面も円柱の一部から形成されている。この溝部20と凸部21は、位置決め部材17をガイドするガイド部にもなっている。そして、これらの溝部20と凸部21の表面は、その円柱の円の中心が第1の耳入桿10の先端部近傍に位置するように湾曲しているので、位置決め部材17が水平方向にスライドするとき、位置決め部材17は第1の耳入桿10の先端部を中心として回転するようにスライドされることになる。この溝部20の中央には、水平方向に第1のボルト孔24が明けられており雌ネジが形成されている。
位置決め部材17は、全体がT字状を呈する板状の部品であり、上部の横方向に長い横板部24と、この横板部24の中央部から下方に延びる縦板部25とから構成されている。横板部24は、全体的に湾曲しており、その内側の側面26は、支持部材16の溝部20に接する面になっている。そして、側面26の下方には溝27が明けられており、溝27は支持部材16の凸部21が入るようになっている。つまり位置決め部材17は、横板部24において支持部材16の溝部20と凸部21に嵌合して水平方向に滑らかにスライドできるようになっている。この横板部24には水平方向に第1のスリット29が明けられている。そして、位置決め部材17は樹脂製の第1のボルト30によって、第1のスリット29を介して支持部材16に取り付けられ、第1のボルト30は第1のボルト孔24に螺合している。この第1のボルト30を弛めると位置決め部材17を水平方向にスライドさせることができ、第1のボルト30を締めると位置決め部材17を固定することができる。第1のスリット29には、図2には示されていないが目盛りが設けられているので、正確な位置で位置決め部材17を固定することができる。
位置決め部材17の縦板部25も湾曲しており、側面形状が円弧状を呈している。この円弧の中心に第1の耳入桿10の先端部が位置するようになっている。従って、縦板部25に設けられているスライダー18は、第1の耳入桿10の先端部を中心として回転するようにスライドすることになる。この縦板部25には上下方向に第2のスリット32が明けられている。
スライダー18は、略直方体状を呈する小部品であり、位置決め部材17の縦板部25に滑らかに接するように円弧状に湾曲している。このスライダー18には、第2の耳入桿11を挿入する耳入桿挿入孔33と、第2のボルト孔34とが明けられており、第2のボルト孔34には雌ネジが形成されている。スライダー18は、樹脂製の第2のボルト35によって、第2のスリット32を介して位置決め部材17に取り付けられており、第2のボルト35は第2のボルト孔34に螺合している。従って、第2のボルト35を弛めるとスライダー18を縦板部25上をスライドさせることができ、第2のボルト35を締めるとスライダー18を固定することができる。第2のスリット32には、図2には示されていないが目盛りが設けられているので、正確な位置でスライダー18を固定することができる。第2の耳入桿11は、耳入桿挿入孔33に挿入され、後端部は第2のスリット32を貫通している。この第2の耳入桿11は、従来周知のように先端部にスチールボール36が埋め込まれているが、このスチールボール36は、常に第1の耳入桿11の先端のスチールボールに向かうようになっている。
本実施の形態に係る頭部X線規格写真撮影装置1の作用を説明する。Schueller氏撮影法で顎関節を撮影する方法を説明する。第2のボルト35を弛めて、図3の(ア)に示されているように、スライダー18をスライドさせる。そして、第1の耳入桿10から見て、第2の耳入桿11が所定の伏角θ、例えば20〜25°だけ下方に位置するようにして、第2のボルト35を締める。患者Kを頭部X線規格写真撮影装置1に付属している椅子に座らせる。図1に示されているように、患者Kの右耳の外耳孔に第1の耳入桿10の先端部を、左耳の外耳孔に第2の耳入桿11の先端部をそれぞれ軽く挿入する。そうすると、患者Kのフランクフルト平面36は、水平面に対して傾くことになる。カセット3をセットしてX線管装置2からX線を曝射すると、患者Kの右顎の顎関節近傍37を撮影することができる。すなわち、Schueller氏撮影法によって顎関節を撮影することができる。
次にSchueller氏変法で顎関節を撮影する方法を説明する。Schueller氏撮影法で調整した位置にスライダー18を固定しておく。ついで、第1のボルト30を弛めて、図3の(イ)に示されているように、位置決め部材17を水平方向にスライドさせる。スライド角度φを例えば、5〜10°になるようにする。患者Kを椅子に座らせて、左右の外耳孔に第1、2の耳入管10、11の先端部を軽く挿入する。そうすると、患者Kのフランクフルト平面は水平面に対して傾くと共に、前頭面も角度φだけX線の入射角に対して傾く。カセット3をセットしてX線管装置2からX線を曝射すると、Schueller氏変法によって顎関節を撮影することができる。
本実施の形態に係る頭部X線規格写真撮影装置1によっても、第2の耳入桿11を第1の耳入桿10と等しい水平位置にして、左右方向の中心にするようにすれば、従来周知の装置と同様に、規格化された頭部の側面像、正面像、軸位像を撮影することができる。
次に第2の実施の形態に係る耳入桿支持具40を説明する。第2の実施の形態に係る耳入桿支持具40は、第1の実施の形態に係る耳入桿支持具14の代わりに支持バー8に設けられており、図4の(ア)に示されているように、下方が幅広に形成されている板状の部材から構成されている。この耳入桿支持具40には、複数個の耳入桿挿入孔41、42、…が明けられている。最も上方に明けられている第1の耳入桿挿入孔41は、第1の耳入桿10と同じ高さに明けられており、第2の耳入桿11が挿入されると、頭部の規格化された側面像、正面像、軸位像を撮影することができる。第2〜第10の耳入桿挿入孔42〜50は、次のように明けられている。まず、第3の耳入桿挿入孔43が、第1の耳入桿挿入孔41の下方に明けられ、その下に第6、9の耳入桿挿入孔46、49が明けられている。第3、6、9の耳入桿43、46、49のそれぞれに第2の耳入桿11が挿入されると、患者の頭部をフランクフルト平面に対して20°、25°、30°の角度で傾けることができる。第2、第5、第8の耳入桿挿入孔42、45、48は、第3、6、9の耳入桿43、46、49の左横に明けられており、第2、第5、第8の耳入桿挿入孔42、45、48に第2の耳入桿11が挿入されると、患者の頭部の前頭面を、X線の入射角に対して10°傾けることができる。これらは患者の右側の顎関節をSchueller氏変法により撮影するときに使用される孔である。また、第4、第7、第10の耳入桿挿入孔44、47、50は、第3、6、9の耳入桿43、46、49の右横に明けられており、第4、第7、第10の耳入桿挿入孔44、47、50に第2の耳入桿11が挿入されると、患者の頭部の前頭面を、X線の入射角に対して−10°傾けることができる。これらは患者の左側の顎関節をSchueller氏変法により撮影するときに使用される孔である。これらの第1〜10の耳入桿挿入孔41〜50は、図4の(イ)に示されているように、第1の耳入桿10の先端部の方向を向いている。
本発明に係る耳入桿支持機構は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、上記した説明では、第2の耳入桿11の方をずらすように説明しているが、第1、2の耳入桿10、11のいずれの方をずらしてもよく、相対的に水平位置と左右位置とにずれるようにすればよい。従って、図5の(ア)に示されているように、耳入桿支持機構7aにおいて、カセット3に近い第1の耳入桿10の方を耳入桿支持具14aによってスライド可能に支持するようにして、X線管装置2に近い第2の耳入桿11に対して、上方にスライド出来るようにしてもよい。また、図5の(イ)に示されているように、第1、2の耳入桿10、11の双方をずらすようにしてもよい。また、位置決め機構5も色々な変形が可能であり、支持バー8は患者Kの上方に位置するように設けられる必要はなく、患者Kの後頭部近傍に設けられていてもよいし、支持バー8が無く、耳入桿支持機構7が直接患者Kが座る背もたれに設けられるようにしてもよい。さらには耳入桿支持具14の材料についても変形が可能であり、ABS樹脂等の他の樹脂から構成することもできる。
1 頭部X線規格写真撮影装置 2 X線管装置
3 カセット 4 カセット支持機構
5 位置決め機構 6 アーム
7 耳入桿支持機構 8 支持バー
10 第1の耳入桿 11 第2の耳入桿
13 耳入桿固定具 14 耳入桿支持具
16 支持部材 17 位置決め部材
18 スライダー
29 第1のスリット 30 第1のボルト
32 第2のスリット 33 耳入桿挿入孔
35 第2のボルト 36 フランクフルト平面

Claims (5)

  1. 患者の左右の外耳孔に挿入して頭部を位置決めする一対の耳入桿を備え、水平方向からX線を曝射して頭部の規格化されたX線写真を撮影することができる頭部X線規格写真撮影装置において、
    前記一対の耳入桿を支持する耳入桿支持機構は、前記一対の耳入桿を相対的に上下方向の位置をずらせるようになっていることを特徴とする耳入桿支持機構。
  2. 請求項1に記載の耳入桿支持機構において、前記一対の耳入桿を相対的に水平方向の位置もずらせるようになっていることを特徴とする耳入桿支持機構。
  3. 請求項2に記載の耳入桿支持機構を構成している、一方の耳入桿を支持する耳入桿支持具であって、
    前記耳入支持具は、垂直に設けられている棒状の支持部材と、水平方向のスリットと上下方向のスリットが明けられている位置決め部材と、耳入桿が取り付けられているスライダーとから構成され、
    前記位置決め部材は、ボルトによって前記水平方向のスリットを介して前記支持部材に水平方向の位置を調整可能に取り付けられ、前記スライダーは、同様にボルトによって前記垂直方向のスリットを介して前記位置決め部材に上下方向の位置を調整可能に取り付けられ、これらによって前記一方の耳入桿は他方の耳入桿に対して水平方向と上下方向とにずらして固定できるようになっていることを特徴とする耳入桿支持具。
  4. 請求項1または2に記載の耳入桿支持機構を構成している、一方の耳入桿を支持する耳入桿支持具であって、
    前記耳入支持具は、垂直に設けられている板状の部材から構成されており、上下方向と水平方向とに所定の間隔をおいて複数個の耳入桿挿入孔が明けられ、前記一方の耳入桿が選択的に挿入されるようになっていることを特徴とする耳入桿支持具。
  5. 請求項1または2に記載の耳入桿支持機構を備えた頭部X線規格写真撮影装置。
JP2010056873A 2010-03-15 2010-03-15 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置 Expired - Fee Related JP4527200B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010056873A JP4527200B1 (ja) 2010-03-15 2010-03-15 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010056873A JP4527200B1 (ja) 2010-03-15 2010-03-15 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4527200B1 JP4527200B1 (ja) 2010-08-18
JP2011188964A true JP2011188964A (ja) 2011-09-29

Family

ID=42767870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010056873A Expired - Fee Related JP4527200B1 (ja) 2010-03-15 2010-03-15 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4527200B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015083024A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 朝日レントゲン工業株式会社 X線撮影装置及びx線撮影方法
WO2015060496A1 (ko) * 2013-10-22 2015-04-30 오혜선 방사선 촬영 보조 장치 및 이를 이용한 방사선 촬영 방법
JP2015083025A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 朝日レントゲン工業株式会社 X線撮影方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101798698B1 (ko) * 2011-06-09 2017-11-16 트로피 영상화용 환자 헤드 지지 장치
JP6401498B2 (ja) * 2014-05-30 2018-10-10 株式会社吉田製作所 歯科用x線ct撮影方法
CN111388849B (zh) * 2020-03-30 2023-11-24 江苏独角兽电子科技有限公司 一种耳鼻喉护理用耳道给药装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57114133A (en) * 1980-12-30 1982-07-15 Asahi Roentgen Kogyo Kk X-ray photographing device of chin joint
JPH0293452A (ja) * 1988-09-29 1990-04-04 Tokyo Emitsukusu:Kk 耳鼻・眼科用断層撮影装置
JPH02130613U (ja) * 1989-03-31 1990-10-29

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57114133A (en) * 1980-12-30 1982-07-15 Asahi Roentgen Kogyo Kk X-ray photographing device of chin joint
JPH0293452A (ja) * 1988-09-29 1990-04-04 Tokyo Emitsukusu:Kk 耳鼻・眼科用断層撮影装置
JPH02130613U (ja) * 1989-03-31 1990-10-29

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015060496A1 (ko) * 2013-10-22 2015-04-30 오혜선 방사선 촬영 보조 장치 및 이를 이용한 방사선 촬영 방법
JP2015083024A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 朝日レントゲン工業株式会社 X線撮影装置及びx線撮影方法
JP2015083025A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 朝日レントゲン工業株式会社 X線撮影方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4527200B1 (ja) 2010-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4527200B1 (ja) 耳入桿支持機構および頭部x線規格写真撮影装置
JP7078210B2 (ja) 3次元歯科用イメージングのための固定式口腔内トモシンセシスイメージングシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体
EP1752100A2 (en) Combined panoramic and CT (computed tomography) X-ray apparatus
KR101830708B1 (ko) 콘―빔 단층촬영에서 환자를 위치시키기 위한 시스템 및 방법
US20210052235A1 (en) Dental bite block for 2d imaging
JP2008229322A (ja) 画像処理方法、画像表示方法、画像処理プログラム、記憶媒体、画像処理装置、x線撮影装置
US10441227B2 (en) Cephalostat
JP4571697B1 (ja) 歯科x線画像撮影用ccdセンサー装着用の専用センサーホルダー付き撮影具
US9498170B2 (en) Apparatus for holding and positioning X-ray film, photostimulable phosphor plates or digital sensors while taking dental radiographs
JP7282334B2 (ja) 交換可能なコリメータを備えた口腔内トモシンセシスx線撮影装置、システム、及び方法
JP5259873B1 (ja) 顔面写真撮影装置、顔面写真撮影を行う際の頭部傾き測定方法ならびに顔面写真撮影およびx線撮影装置
Aps Radiography in pediatric dental practice
US11341609B2 (en) Method and system for generating a panoramic image
JP2015223511A (ja) X線撮影装置の整列バイト及びこれを有するx線撮影装置
KR20150083338A (ko) 엑스선 영상처리장치 및 엑스선 촬영시스템
KR20160126328A (ko) 직관적인 정렬을 위한 포지셔닝 가이드를 갖는 ct 촬영 장치
JP2014023678A (ja) X線撮影装置、x線撮影を行う際の頭部傾き測定方法、x線撮影装置用スタンド、x線撮影装置用椅子および頭部傾き設定装置
KR102068814B1 (ko) 치과용 서포트 블록 및 이를 포함하는 영상 촬영 장치
GB2467556A (en) An alignment device for dental cone beam computed tomography
JPH10314165A (ja) 歯科用x線断層撮影装置の歯列位置決め装置及び歯列 位置決め方法
KR102203610B1 (ko) 파노라마 영상 생성 방법, 파노라마 영상 생성 장치 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
Valappila et al. Panoramic radiography: A review
JP6970209B2 (ja) X線撮像装置及び患者支持体
Sanabe et al. Digital versus conventional radiography for determination of primary incisor length
JP6201229B2 (ja) 画像再構成装置、画像再構成方法、及びx線撮影装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100602

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees