JP2011188628A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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尚之 吉田
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Abstract

【課題】1ピストンのロータリー圧縮機のような、電動機の回転子が1回転する間の負荷トルクの変動が大きい電動機の低速領域では、モータの振動と騒音が増加し脱調耐量の悪化が顕著に発生するという課題を有していた。
【解決手段】目標回転数補正手段11を設け、トルク制御手段21で決定したトルク指令量、配管温度検出手段22および外気温度検出手段23により検出した値が予め設定された値より大きい場合、目標回転数を補正することにより、低速領域を回避し、過負荷時のモータの振動と騒音の増加を抑制し、モータの脱調を防止することができ、連続して安定な運転が可能な電動機駆動装置を実現するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータなどの電動機を任意の回転数で駆動する電動機駆動装置に関するものである。
近年、空気調和機における圧縮機などの電動機を駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような効率の高い電動機を任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が主流となりつつある。また、使用する圧縮機は、効率が高く、安価な1ピストンのロータリー圧縮機を使用するのが主流となっている。
1ピストンのロータリー圧縮機のような、電動機の回転子の1回転中に発生する負荷トルク変動が大きい電動機を駆動する際、負荷トルク変動を抑制するために、トルク制御手段(例えば、特許文献1)が発明されている。
図2に特許文献1記載の位置センサレス正弦波駆動を実現するためのシステム構成を示す。1は直流電源、2はインバータ、3はブラシレスモータ、4は固定子、5は回転子、6は制御部である。
ブラシレスモータ3は、中性点を中心にY結線された3つの相巻線4u、4v、4wが取り付けられる固定子4、および磁石が装着されている回転子5を備える。U相巻線4uの非結線端にU相端子8u、V相巻線4vの非結線端にV相端子8v、W相巻線4wの非結線端にW相端子8wが接続される。
インバータ2は、一対のスイッチング素子が電流の上流側と下流側の関係に直列接続された直列回路を、U相用、V相用、W相用として3つ有する。これら直列回路に、直流電源1から出力されるDC電圧が印加される。U相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12u、および下流側スイッチング素子13uより成る。V相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12v、および下流側スイッチング素子13vより成る。W相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12w、および下流側スイッチング素子12wより成る。なお、フリーホイールダイオード14u、14v、14w、15u、15v、15wが、各スイッチング素子と並列に接続される。
インバータ2におけるスイッチング素子12u、13uの相互接続点、スイッチング素子12v、13vの相互接続点、およびスイッチング素子12w、13wの相互接続点に、ブラシレスモータ3の端子8u、8v、8wがそれぞれ接続される。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子などの回路によって三相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスモータ3が駆動される。
外部より与えられる目標速度を実現するべく、現在の速度との誤差から演算された出力電圧を出力するために、PWM信号生成手段9によりインバータ2のスイッチング素子を駆動するPWM信号が生成され、スイッチング素子を電気的に駆動するためのドライブ信号にベースドライバ10により変換され、各スイッチング素子12u、12v、12w、
13u、13v、13wが動作する。
制御部6は、インバータ母線に配した電流検出手段7により検出されたブラシレスモータ3の相電流と、PWM信号生成手段9で演算される出力電圧とインバータ印加電圧検出手段16が検出した直流電源1から出力されるDC電圧より、ブラシレスモータ3の誘起電圧が誘起電圧推定手段17により推定される。推定された誘起電圧は、回転子位置速度検出手段18で、ブラシレスモータ3の各相の相電圧方程式に基づいて決定される誘起電圧と比較し、その比較結果によってブラシレスモータ3の回転子磁極位置および速度を推定する。
21はブラシレスモータ3の負荷トルクを制御するトルク制御手段であり、トルク制御手段21は、回転子位置速度検出手段18により検出される速度を用いて加速度を演算する回転子加速度検出手段19と、検出された加速度の変動を0にするように制御する加速度制御手段20で構成されている。トルク制御手段21は回転子加速度検出手段19で加速度を検出し、加速度制御手段20で現在の加速度と目標加速度からトルク指令量を決定し、PWM信号生成手段9に出力する。
回転子位置速度検出手段18は、電流検出手段7で検出した電流と、インバータ2が出力した直流電圧と、ブラシレスモータ3のモータ定数を用いて、モータのモデル式からモータの推定電流値を演算し、電流検出手段7で検出した電流との誤差を用いることで、回転子の位置を推定する。ここで、電流検出手段7で検出された電流値と、モータのモデル式から推定された電流値を、回転磁界の軸δ方向の電流iδと磁束の向きの軸γ方向の電流iγに変換し、直流値として取り扱うことにより、トルク制御を容易に実現している。
PWM信号生成手段9は外部より与えられる目標速度を実現するべく、現在の速度との誤差から演算された出力電圧に目標加速度を実現するトルク指令量を加減算し、インバータ2のスイッチング素子を駆動するPWM信号が生成され、さらに、スイッチング素子を電気的に駆動するためのドライブ信号にベースドライバ10により変換され、各スイッチング素子12u、12v、12w、13u、13v、13wが動作する。
以上のような回路構成にて、ブラシレスモータ3の駆動制御を行っている。
特開2001−37281号公報
しかしながら、1ピストンのロータリー圧縮機のような、電動機の回転子が1回転する間の負荷トルクの変動が大きい電動機は、過負荷状態では、トルク指令量が増加し、更に量を減少させていた。このために、特に低速領域では、モータの振動と騒音が増加し脱調耐量の悪化が顕著に発生するという課題を有していた。
本発明は上記の課題を解決するもので、低速領域での過負荷時において振動と騒音の増加を抑制し、モータの脱調を防止することができ、かつ過電流保護装置が動作するのを防ぎ連続して安定な運転が可能な電動機駆動装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動機駆動装置は、目標回転数補正手段を設け、トルク制御手段で決定したトルク指令量、配管温度および外気温度により検出した
値が予め設定された値を超えた場合、目標回転数を変更し、低速領域を回避することにより、過負荷時にモータの脱調を防止することが可能となり、モータの振動や騒音も抑制することができる。
本発明の電動機駆動装置は、トルク変動が大きい電動機の低速領域を回避することにより、過負荷時のモータの振動と騒音の増加を抑制し、脱調を防止することができ、連続して安定な運転が可能な電動機駆動装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1における電動機駆動装置のブロック図 従来のトルク制御手段を備えた電動機駆動装置のブロック図
本発明は、トルク制御手段で決定したトルク指令量、配管温度および外気温度が予め設定された値を超えた場合、目標回転数を補正する目標回転数補正手段を設けることにより、低速領域を回避し、過負荷時において振動と騒音の増加を抑制し、モータが脱調するのを防止することができ、連続して安定な運転が可能な電動機駆動装置を実現するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)

図1は本発明の第1の実施の形態におけるブロック図である。
1は直流電源、2はインバータ、3はブラシレスモータ、4は固定子、5は回転子、6は制御部である。
ブラシレスモータ3は、中性点を中心にY結線された3つの相巻線4u、4v、4wが取り付けられる固定子4、および磁石が装着されている回転子5を備える。U相巻線4uの非結線端にU相端子8u、V相巻線4vの非結線端にV相端子8v、W相巻線4wの非結線端にW相端子8wが接続される。
インバータ2は、一対のスイッチング素子が電流の上流側と下流側の関係に直列接続された直列回路を、U相用、V相用、W相用として3つ有する。これら直列回路に、直流電源1から出力されるDC電圧が印加される。U相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12u、および下流側スイッチング素子13uより成る。V相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12v、および下流側スイッチング素子13vより成る。W相用の直列回路は、上流側スイッチング素子12w、および下流側スイッチング素子12wより成る。なお、フリーホイールダイオード14u、14v、14w、15u、15v、15wが、各スイッチング素子と並列に接続される。
インバータ2におけるスイッチング素子12u、13uの相互接続点、スイッチング素子12v、13vの相互接続点、およびスイッチング素子12w、13wの相互接続点に、ブラシレスモータ3の端子8u、8v、8wがそれぞれ接続される。
インバータ2に印加されている直流電圧は、上述したインバータ2内のスイッチング素子などの回路によって三相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスモータ3が駆動
される。
トルク制御手段21は、現在の速度を回転子加速度検出手段19により、ある一定周期毎に検出し、その一定周期における変化量を加速度として、加速度制御手段20により、目標加速度と比較し、目標加速度を実現するトルク指令量を決定する。
PWM信号生成手段9は外部より与えられる目標速度を実現するべく、現在の速度との誤差から演算された出力電圧に目標加速度を実現するトルク指令量を増加減し、インバータ2のスイッチング素子を駆動するPWM信号が生成され、さらに、スイッチング素子を電気的に駆動するためのドライブ信号にベースドライバ10により変換され、各スイッチング素子12u、12v、12w、13u、13v、13wが動作する。
制御部6は、インバータ母線に配した電流検出手段7により検出されたブラシレスモータ3の相電流と、PWM信号生成手段9で演算される出力電圧とインバータ印加電圧検出手段16が検出した直流電源1から出力されるDC電圧より、ブラシレスモータ3の誘起電圧が誘起電圧推定手段17により推定される。さらに推定された誘起電圧から、回転子位置速度検出手段18でブラシレスモータ3の回転子磁極位置および速度を推定する。
目標回転数補正手段11は、低速領域時にトルク制御手段21で決定したトルク指令量が予め設定された値を超えた場合および配管温度検出手段22より検出した値が予め設定された値を超えた場合および外気温度検出手段23より検出した値が予め設定された値を超えた場合はすでに設定された目標回転数に、補正回転数を加算することにより、低速領域を回避し、振動と騒音が増加するのを抑制し、モータが停止に至ることを防止することができ、連続して安定な運転が可能な電動機駆動装置を実現するものである。
以上のように、本発明の電動機駆動装置は、トルク変動が大きい電動機の低速領域を回避することにより、過負荷時のモータの振動と騒音の増加を抑制し、モータの脱調を防止することができ、安定した駆動が可能となるので、位置センサレスブラシレスDCモータを使用する産業機器、製品等の用途にも使用できる。
1 直流電源
2 インバータ
3 ブラシレスモータ(三相電動機)
6 制御部
7 電流検出手段
9 PWM信号生成手段
10 ベースドライバ
11 目標回転数補正手段
16 インバータ印加電圧検出手段
17 誘起電圧推定手段
18 回転子位置速度検出手段
19 回転子加速度検出手段
20 加速度制御手段
21 トルク制御手段
22 配管温度検出手段
23 外気温度検出手段

Claims (1)

  1. 三相電動機と、インバータと、前記三相電動機が発生するトルクと前記三相電動機が駆動する負荷要素が発生する負荷トルクとを一致させるように前記インバータを制御するトルク制御手段から構成される電動機駆動制御装置において、前記三相電動機を目標の回転数で駆動する出力電圧を出力するためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、前記トルク制御手段で決定したトルク指令量、配管温度および外気温度が一定値を超えると目標回転数を補正する目標回転数補正手段を設けることを特徴とする電動機駆動装置。
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